JP2017152313A - 燃料電池複合発電システム及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタンを主成分とする燃料ガスを水素に切り替える場合であっても運転継続ができる燃料電池複合発電システムを提供する。
【解決手段】メタンを主成分とする燃料ガス及び酸化性ガスが供給されるSOFC12と、SOFC12から排出された排燃料ガスが供給される燃焼器20を備えたマイクロガスタービン装置16と、マイクロガスタービン装置16によって駆動される発電機17と、炭素含有ガスが供給されて少なくとも一部をメタンへと生成するメタネーション装置70と、SOFC12に水素を供給する水素供給ライン72と、水素供給ライン72からSOFC12に水素を供給する際に、メタネーション装置70にて生成されたメタンを含むガスを燃焼器20に供給する。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料ガスを、メタンを主成分とするガスから水素に切り替えることができる燃料電池とガスタービン装置を備えた燃料電池複合発電システム及びその運転方法に関するものである。
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxcide Fuel Cell)は、高効率な燃料電池として知られている。固体酸化物形燃料電池(以下、単に「燃料電池」という。)は、イオン電導率を高めるために作動温度が例えば700℃から1000℃といったように高くされているので、マイクロガスタービン装置と組み合わせた燃料電池(SOFC)複合発電システムがある。このとき、酸化性ガスとしての空気は、マイクロガスタービン装置の圧縮機から吐出され、マイクロガスタービンの排ガス熱を利用して加熱された吐出空気を燃料電池の空気極側に供給して熱エネルギを利用することが有効である。また、燃料電池で利用できなかった高温の排出燃料の一部をマイクロガスタービン装置の燃焼器の燃料として使用することで、燃料電池複合発電システムの効率向上ができる(下記特許文献1及び2参照)。
特開2014−146476号公報 特開2014−146477号公報
固体酸化物形燃料電池とマイクロガスタービン装置を連携させて発電を行う燃料電池複合発電システムでは、燃料ガスとしてメタンを主成分とする都市ガスが使用されるものがあるが、この都市ガスが一次中断された場合などには代替として水素を供給する場合がある。燃料を都市ガスとした場合と異なり、水素を燃料とした場合の固体酸化物形燃料電池の排燃料ガスは、炭素含有燃料ガス分を含まずに水素ガスを含むので、マイクロガスタービン装置の燃焼器で燃焼させるには、水素ガスの発熱量、ガス密度、燃焼特性が都市ガスを含む場合と大きく異なるので、安定した燃焼が維持できずに、燃焼器が失火することも想定される。このような事情により、都市ガスのようにメタンガスを主とする燃料を用いる燃料電池複合発電システムでは、マイクロガスタービン装置の燃焼器を特別な改造をすることなくそのまま使用する場合では、燃料電池複合発電システムの燃料ガスを都市ガスから水素に切り替えることが困難であった。
特に、何らかの原因によって都市ガスの供給が停止された場合、燃料電池複合発電システムの代替燃料として水素を燃料ガスとして用いることが想定されるが、燃焼器の燃焼安定性が問題となりマイクロガスタービン装置の運転が継続できないという問題が生じる可能性がある。この場合では、燃料電池複合発電システムを停止せざるを得ず、都市ガスの供給が復旧しても燃料電池複合発電システムの再起動に過大な時間を要してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、燃料電池複合発電システムの燃料ガスを都市ガスなどのメタンを主成分とする燃料ガスから水素に切り替える場合であっても運転継続ができる燃料電池複合発電システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の複合発電システム及びその運転方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる複合発電システムは、メタンを主成分とする燃料ガス及び酸化性ガスが供給される燃料電池と、前記燃料電池から排出された排燃料ガスが供給される燃焼器を備えたガスタービン装置と、該ガスタービン装置によって駆動される発電機と、炭素含有ガスと水素含有ガスが供給されて少なくとも一部をメタンへと生成するメタネーション装置と、前記燃料電池に水素を供給する水素供給系統と、該水素供給系統から前記燃料電池に水素を供給する際に、前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃焼器に供給する制御部とを備えていることを特徴とする。
燃料電池に水素を供給すると、燃料電池から排出される排燃料ガス中の水素濃度が上昇し、相対的に一酸化炭素やメタン等の炭素含有ガスが減少するので、排燃料ガスの発熱量が低下する。そうすると、排燃料ガスを燃焼させる燃焼器の燃焼安定性が損なわれるおそれがある。そこで、本発明では、燃料電池に水素を供給する際に、メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを燃焼器に供給することとし、ガス性状が変化した排燃料ガスが燃焼器に供給されても、燃焼器の助燃料としてメタネーション装置由来のメタンを含むガスを利用することができるので、燃焼器の燃焼安定性を維持することができる。これにより、燃料電池の燃料ガスを水素に切り替える場合であっても、主としてメタンを含むガスを燃料とする燃焼器の燃焼の安定性を維持して、この燃焼器を備えたガスタービン装置の運転を継続し、発電を行い、燃料電複合発電システムを停止させることなく運転の継続を行うことができる。
燃料電池としては、例えば固体酸化物形燃料電池が挙げられる。
さらに、本発明の複合発電システムでは、前記制御部は、前記燃料ガスの前記燃料電池への供給が停止されたことを検知した後に、所定の期間に前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃料電池に供給し、前記所定の期間内に前記水素供給系統から水素を前記燃料電池に供給を開始することを特徴とする。
燃料ガスの供給が停止された場合に、燃料電池に水素を供給して水素ガスに切り替えることとした。上述のように、メタネーション装置からのメタンを含むガスによって燃焼器の燃焼安定性が維持されるので、燃料ガスの供給が停止した場合であっても運転を継続することができる。
特に、燃料ガスの供給が停止されて、燃料ガスの供給が復帰するまでの間にわたって継続して運転することができるので、複合発電システムを停止させる必要がない。したがって、時間がかかる複合発電システムの再起動を回避することができる。
さらに、本発明の複合発電システムでは、前記制御部は、前記メタネーション装置に、前記燃料電池からの排燃料ガスの少なくとも一部を供給することを特徴とする。
メタネーション装置におけるメタネーション反応には、炭素以外に水素が必要とされる。本発明では、水素を含む排燃料ガスをメタネーション装置に供給することとしたので、水素不足に陥るおそれを解消できる。
炭素含有ガスは、例えば、Cガス、CO、および炭素含有燃料の燃焼または部分燃焼ガスのいずれかを含む。
また、本発明の複合発電システムの運転方法は、メタンを主成分とする燃料ガス及び酸化性ガスが供給される燃料電池と、前記燃料電池から排出された排燃料ガスが供給される燃焼器を備えたガスタービン装置と、該ガスタービン装置によって駆動される発電機と、炭素含有ガスと水素含有ガスが供給されて少なくとも一部をメタンへと生成するメタネーション装置と、前記燃料電池に水素を供給する水素供給系統とを備えた燃料電池複合発電システムの運転方法であって、前記燃料電池への供給をメタンを主成分とする燃料ガスから水素を供給へ変更する際に、一時的に前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃料電池に供給し、前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃焼器に供給し、その後に該水素供給系統から前記燃料電池に水素を供給することを特徴とする。
燃料電池複合発電システムの燃料としてメタンを主成分とする燃料ガスから水素に切り替える場合であっても、燃焼器の助燃料としてメタネーション装置から導かれたメタンを利用することができるので、運転を継続することができる。
本発明の一実施形態に係るセルスタックの一態様を示す部分拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るSOFC複合発電システムを示した概略構成図である。 燃料ガスとして都市ガスと水素との切り替えを示したタイミングチャートである。
以下に、本発明にかかる一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて各構成要素の位置関係を特定するが、鉛直方向に対して必ずしもこの限りである必要はない。例えば、紙面における上方向が鉛直方向における下方向に対応してもよい。また、紙面における上下方向が鉛直方向に直行する水平方向に対応してもよい。
また、以下においては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のセルスタックとして円筒形を例として説明するが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。
まず、図1を参照して本実施形態に係るSOFC複合発電システム(燃料電池複合発電システム)のSOFCに用いる円筒形セルスタックについて説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るセルスタックの一態様を示すものである。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを備える。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質111と空気極113とが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の長手軸方向において最も端の一端に形成された燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を有し、最も端の他端に形成された燃料電池セル105の燃料極109に電気的に接続されたリード膜(不図示)を備える。
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlとされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極109に拡散させるものである。
燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。この場合、燃料極109は、燃料極109の成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を備える。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。また、燃料極109は、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するものである。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。
SOFCに利用できる燃料ガスは、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素系ガス、都市ガス、天然ガスのほか、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどの炭素質原料をガス化設備により製造したガスなどを燃料として運転される。
本実施形態での燃料ガスは、都市ガスなどのメタンを主成分とする燃料ガスと水素を用いたものである。
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを備えるYSZが主として用いられる。この固体電解質111は、空気極で生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させるものである。
空気極113は、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成される。この空気極113は、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成され、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。また、インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した電気導電性を備える。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極109とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。リード膜115は、電子伝導性を有すること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出すものである。
次に、図2と図3とを参照して本実施形態に係る複合発電システムに用いるSOFCモジュール及びSOFCカートリッジについて説明する。ここで、図2は、SOFCモジュールの一態様を示すものである。また、図3は、SOFCカートリッジの一態様の断面図を示すものである。
SOFCモジュール201は、図2に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ203と、これら複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを備える。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス供給管207と複数の燃料ガス供給枝管207aとを備える。またSOFCモジュール201は、燃料ガス排出管209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを備える。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス供給管(不図示)と酸化性ガス供給枝管(不図示)とを備える。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス排出管(不図示)と複数の酸化性ガス排出枝管(不図示)とを備える。
燃料ガス供給管207は、圧力容器205の外部に設けられ、SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の燃料ガスを供給する燃料ガス供給部に接続されると共に、複数の燃料ガス供給枝管207aに接続されている。この燃料ガス供給管207は、上述の燃料ガス供給部から供給される所定流量の燃料ガスを、複数の燃料ガス供給枝管207aに分岐して導くものである。また、燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207に接続されると共に、複数のSOFCカートリッジ203に接続されている。この燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207から供給される燃料ガスを複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出枝管209aは、複数のSOFCカートリッジ203に接続されると共に、燃料ガス排出管209に接続されている。この燃料ガス排出枝管209aは、SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスを燃料ガス排出管209に導くものである。また、燃料ガス排出管209は、複数の燃料ガス排出枝管209aに接続されると共に、一部が圧力容器205の外部に配置されている。この燃料ガス排出管209は、燃料ガス排出枝管209aから略均等の流量で導出される排燃料ガスを圧力容器205の外部に導くものである。
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約1MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性を保備える材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
ここで、本実施形態においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様とすることもできる。
SOFCカートリッジ203は、図3に示す通り、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室219と、酸化性ガス供給室221と、酸化性ガス排出室223とを備える。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを備える。なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221と酸化性ガス排出室223とが図3のように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、必ずしもこの必要はなく、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または酸化性ガスがセルスタックの長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。この発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置され、燃料ガスと酸化性ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。また、この発電室215のセルスタック101長手方向の中央部付近での温度は、SOFCモジュール201の定常運転時に、およそ700℃〜1000℃の高温雰囲気となる。
燃料ガス供給室217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域である。また、燃料ガス供給室217は、上部ケーシング229aに備えられた燃料ガス供給孔231aによって、燃料ガス供給枝管207aと連通されている。また、燃料ガス供給室217には、セルスタック101の一方の端部が、セルスタック101の基体管103の内部が燃料ガス排出室219に対して開放して配置されている。この燃料ガス供給室217は、燃料ガス供給枝管207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管103の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出室219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域である。また、燃料ガス排出室219は、下部ケーシング229bに備えられた燃料ガス排出孔231bによって、燃料ガス排出枝管209aと連通されている。また、燃料ガス排出室219には、セルスタック101の他方の端部が、セルスタック101の基体管103の内部が燃料ガス排出室219に対して開放して配置されている。この燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管103の内部を通過して燃料ガス排出室219に供給される排燃料ガスを集約して、燃料ガス排出孔231bを介して燃料ガス排出枝管209aに導くものである。
SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の酸化性ガスを酸化性ガス供給枝管へと分岐して、複数のSOFCカートリッジ203へ供給する。酸化性ガス供給室221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bと下部断熱体227bとに囲まれた領域である。また、酸化性ガス供給室221は、下部ケーシング229bに備えられた酸化性ガス供給孔233aによって、図示しない酸化性ガス供給枝管と連通されている。この酸化性ガス供給室221は、図示しない酸化性ガス供給枝管から酸化性ガス供給孔233aを介して供給される所定流量の酸化性ガスを、後述する酸化性ガス供給隙間235aを介して発電室215に導くものである。
酸化性ガス排出室223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aと上部断熱体227aとに囲まれた領域である。また、酸化性ガス排出室223は、上部ケーシング229aに備えられた酸化性ガス排出孔233bによって、図示しない酸化性ガス排出枝管と連通されている。この酸化性ガス排出室223は、発電室215から、後述する酸化性ガス排出隙間235bを介して酸化性ガス排出室223に供給される排酸化性ガスを、酸化性ガス排出孔233bを介して図示しない酸化性ガス排出枝管に導くものである。
上部管板225aは、上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとの間に、上部管板225aと上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとが略平行になるように、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また上部管板225aは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この上部管板225aは、複数のセルスタック101の一方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス供給室217と酸化性ガス排出室223とを隔離するものである。
下部管板225bは、下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとの間に、下部管板225bと下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとが略平行になるように下部ケーシング229bの側板に固定されている。また下部管板225bは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この下部管板225bは、複数のセルスタック101の他方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221とを隔離するものである。
上部断熱体227aは、上部ケーシング229aの下端部に、上部断熱体227aと上部ケーシング229aの天板と上部管板225aとが略平行になるように配置され、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また、上部断熱体227aには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。上部断熱体227aは、この孔の内面と、上部断熱体227aに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス排出隙間235bを備える。
この上部断熱体227aは、発電室215と酸化性ガス排出室223とを仕切るものであり、上部管板225aの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。上部管板225a等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、上部管板225a等が発電室215内の高温に晒されて上部管板225a等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、上部断熱体227aは、発電室215を通過して高温に晒された排酸化性ガスを、酸化性ガス排出隙間235bを通過させて酸化性ガス排出室223に導くものである。
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、排酸化性ガスは、基体管103の内部を通って発電室215に供給される燃料ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて酸化性ガス排出室223に供給される。また、燃料ガスは、発電室215から排出される排酸化性ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスを発電室215に供給することができる。
下部断熱体227bは、下部ケーシング229bの上端部に、下部断熱体227bと下部ケーシング229bの底板と下部管板225bとが略平行になるように配置され、下部ケーシング229bの側板に固定されている。また、下部断熱体227bには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。下部断熱体227bは、この孔の内面と、下部断熱体227bに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス供給隙間235aを備える。
この下部断熱体227bは、発電室215と酸化性ガス供給室221とを仕切るものであり、下部管板225bの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。下部管板225b等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、下部管板225b等が高温に晒されて下部管板225b等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、下部断熱体227bは、酸化性ガス供給室221に供給される酸化性ガスを、酸化性ガス供給隙間235aを通過させて発電室215に導くものである。
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、基体管103の内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスは、発電室215に供給される酸化性ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出室219に供給される。また、酸化性ガスは排燃料ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された酸化性ガスを発電室215に供給することができる。
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けたNi/YSZ等からなるリード膜115によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。前記集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された電力は、各SOFCカートリッジ203の発電電力を所定の直列数および並列数へと相互に接続され、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないインバータなどにより所定の交流電力へと変換されて、電力負荷へと供給される。
図4には、上述したSOFCを備えた本実施形態に係るSOFC複合発電システム10が示されている。
SOFC複合発電システム10は、SOFC12と、SOFC12から排出される燃料ガスである排燃料ガスの一部を用いて運転されるマイクロガスタービン装置を組み合わせて発電を行う。なお、SOFC複合発電システム10は、制御装置(図示せず)により常時監視が行われている。
SOFC12は、空気極に酸化性ガスである空気が供給されるとともに燃料極に燃料ガスである都市ガスが供給されることにより発電を行う。SOFC12は、圧力容器205内の圧力を計測する圧力センサ15A及び圧力容器205内の温度を計測する温度センサ15Bが備えられる。
マイクロガスタービン装置16は、圧縮した空気をSOFC12の空気極に供給するコンプレッサ18と、空気極から排出された排出空気及び燃料極から排出された排燃料ガスが供給され、高温の燃焼ガスを生成する燃焼器20と、燃焼器20から排出された燃焼ガスを断熱膨張することにより回転駆動するタービン22とを備えている。
マイクロガスタービン装置16には、タービン22の回転動力を得て発電する発電機17が設けられている。発電機17にて発電された電力は、図示しない電力系統へと送られる。
SOFC12には、燃料ガス供給ライン24を介して、還元性ガスである水素ガス、改質用ガスとなる水蒸気、不活性ガスである窒素ガス、及び燃料ガスである都市ガスが供給可能とされる。また、各ガスに対応してガスの流量を調整する流量調整弁(以下、「流調弁」という。)28A〜28Dが設けられている。
都市ガス等の燃料ガスは、燃料ガス供給ライン24に導かれた後にSOFC12へ供給される。都市ガス(13A)は、メタンが約90%、残りがエタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガスである。
SOFC12の燃料極側から排出された排燃料ガスは、燃料ガス排出ライン31を通り燃焼器20へと導かれる。燃料ガス排出ライン31を通る燃料ガスの一部は、燃料再循環ライン32によってSOFC12へ戻される。燃料ガス排出ライン31には、SOFC12内の差圧を制御する制御弁34、及びSOFC12から排出される排燃料ガスの一部をSOFC12へ循環させる再循環ブロワ36が設けられている。
また、燃料再循環ライン32には流調弁38が設けられ、燃焼器20へ燃料を供給する燃料ガス排出ライン31には遮断弁40が設けられている。
さらに、排燃料ガスは、排燃料ガスパージライン42によって、排燃料ガスの一部を外部へとパージ可能とされている。排燃料ガスパージライン42には、減圧弁44が設けられている。すなわち、SOFC12の燃料極内の燃料ガスは、減圧弁44が開かれるとパージライン42によって燃料ガスの一部が排出されることで、減圧して燃料極の圧力が微調整される。
SOFC12には、空気極に空気を供給する空気供給ライン46が接続されている。空気供給ライン46の上流側は、マイクロガスタービン装置16のコンプレッサ18に接続されている。コンプレッサ18で圧縮され、空気予熱器(再生熱交換器)48で予熱された圧縮空気が、空気供給ライン46を介してSOFC12の空気極へと供給される。空気供給ライン46には、コンプレッサ18からの空気の流量を調整する流調弁50が設けられている。空気供給ライン46は、分岐されたバイパスライン54によって一部の空気をSOFC12へ供給せずに、排出空気供給ライン56を介して燃焼器20へ供給されるようになっている。バイパスライン54にはバイパスライン54を通過する空気の流量を調整する流調弁58が備えられている。
SOFC12から排出された空気は、排出空気供給ライン56によって燃焼器20へ供給される。排出空気供給ライン56には、循環させる空気の流量を制御する制御弁60が設けられている。
排出空気供給ライン56は、分岐され、排空気パージライン62によって空気を外部へパージ可能とされている。排空気パージライン62には、減圧弁64が設けられている。すなわち、SOFC12の空気極内の空気は、減圧弁64が開かれると排空気パージライン62によって酸化性ガスの一部が外部へと排出されることで、減圧して空気極の圧力が微調整される。
本実施形態での燃焼器20には、メタネーション装置70が接続されている。メタネーション装置70によってメタン化されたメタンを含むガス(以下「メタネーション装置由来炭素含有燃料」という。)が燃焼器20に供給される。メタネーション装置70は、ニッケル系、ルテニウム系、鉄系、コバルト系などのメタネーション触媒を有しており、炭素原料タンク71から炭素含有燃料(Cガス、CO、および炭素含有燃料の燃焼もしくは部分燃焼ガス等の炭素含有ガス)と、水素供給ライン72からをHガスとを供給して、メタン化を行い、メタンを含むガスを生成する。
メタネーション装置70に炭素含有燃料を供給する炭素原料タンク71出口からメタネーション装置70入口までの炭素含有ガスライン73には、都市ガス流調弁74aが設けられた都市ガス供給ライン74が接続されている。SOFC複合発電システム10の燃料ガスとして都市ガスが供給されている間は、燃焼器20の燃焼安定性を確保するために小流量の都市ガスが、助燃料として燃焼器20に供給されている。助燃料ガスとして都市ガスを供給するに当たり、本実施形態ではメタネーション装置70の上流側に都市ガスを供給している。都市ガスはこのままメタネーション装置70を通過させても良いが、さらに助燃料として燃焼を安定させるために、水素ガスを混入することでメタンを増加させても良い。すなわち、都市ガスの約10%は残りがエタン、プロパン、ブタンなどの高次の炭化水素ガスであるため、都市ガスの供給流量の10%〜20%の水素ガスを水素供給ライン72から供給しても良い。都市ガス中の高次炭化水素がメタネーション装置70でメタンへと分解されるため、燃焼器20での更に安定した燃焼を得ることができる。
SOFC複合発電システム10の燃料ガスとして都市ガスが中断されると、燃焼器20の助燃料としての都市ガスも中断される。このため、メタネーション装置70には、炭素原料タンク71から炭素含有燃料(Cガス、CO、および炭素含有燃料の燃焼もしくは部分燃焼ガス等の炭素含有ガス)と水素含有ガスを各所定流量で導いてメタンを含むガスを生成するために、炭素含有ガスの供給として炭素含有ガスライン73には、炭素含有ガス流調弁73aが設けられ、水素含有ガスの供給として水素供給ライン72には水素流調弁72aが設けられている。
メタネーション装置70では、以下の反応が発生して、炭素含有ガスの少なくとも一部をメタンに変換して、ガスの発熱量を増加させる。これにより、燃焼器20に助燃料となるメタンを混入することが可能となり、SOFC12の燃料極から排出された排ガス燃料ガスの一部を燃焼用の燃焼器20に供給して、燃焼器20を特別に追加調整することなく、そのまま使用しながら安定した燃焼性を維持させることができる。
+((4n−m)/2)H→nCH
CO+4H→CH+2H
メタネーション装置70に供給する炭素含有ガスは、本実施形態ではCガス、CO、および炭素含有燃料の燃焼もしくは部分燃焼ガス等としているが、炭素を含む炭素含有ガスであれば良く、詳しくは以下の通りである。
(1)Cガス(都市ガスやLPGボンベなど)
都市ガスに含まれるエタン(C),プロパン(c),ブタン(c10)(合計で約11%)やLPGなどの高次炭化水素を水素ガスと反応させて、CHを主体としたガスへと改質するメタネーションを行い、燃焼器20の燃焼性を維持しながら発熱量を安定化させる。
都市ガスの場合は、都市ガスの供給接続先を炭素原料タンク71出口の炭素含有ガスライン73としてもよいが、都市ガスを供給する燃料供給系統にバッファタンクを設け、これを炭素原料タンク71としてもよい。
なお、高次炭化水素は、燃焼器20でもそのまま燃焼させることが可能ではあるが、メタネーション装置70を経由して、CHへ改質を一層促進させることで、燃焼器20の燃焼性を更に安定化させることができる。
(2)二酸化炭素(CO
本実施形態のようにCOを炭素原料タンク71に保有しておいても良いが、別プラントのCO回収装置から供給することとしてもよい。廃棄されるCOを助燃料の原料として活用するもので、低炭素社会へのCO処理に貢献できる。
(3)炭素含有燃料(灯油や石炭など)の燃焼ガス
灯油などを燃焼もしくは部分燃焼したガスを用いる。保管スペースが少なく貯蔵が容易となり、炭素原料タンク71を設けることができない場合であっても、燃焼ガスを供給するラインを設けることで実現することができる。これにより、迅速な起動も可能で、燃料費用も低価格となる。また、供給するガス温度も高いので効率向上が望める。
上述した炭素含有ガス流調弁73aや水素流調弁72a等の各弁は、図示しない制御部によって制御される。制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
次に、都市ガスの供給が停止され、水素による運転に切り替える場合の動作について説明する。
例えば停電等によって都市ガスの供給が停止されると、制御部はこれを検知して、SOFC12に供給する燃料ガスを都市ガスから水素へ切り替える。
具体的には、図5に示すように、都市ガスから水素へと切り替えをタイミングチャートで示す。時刻T0で都市ガスの燃料の供給が停止されて流量は0となる。このときに、メタネーション装置70が制御部の指令によって起動され、メタネーション装置70にてメタンを主成分とするメタネーション装置由来炭素含有燃料が生成される。すなわち、炭素含有ガス流調弁73a及び水素流調弁72aが開けられ、メタネーション装置70に炭素含有ガス及び水素が供給され、メタネーション反応によってメタネーション装置由来炭素含有燃料が生成される。
生成されたメタネーション装置由来炭素含有燃料は、燃焼器20及びSOFC12の燃料極側に送られる。
図4に示すように、メタネーション装置70出口のメタネーション装置由来炭素含有燃料は、一部がメタネーション装置由来炭素含有燃料ライン75を介してメタネーション装置由来炭素含有燃料流調弁75aを経て、SOFC12の燃料極へと供給される。これにより、図5の上段に示すように、SOFC投入流量は、時刻T0にて所定量のメタネーション装置由来炭素含有燃料が供給され始める。このとき、メタネーション装置由来炭素含有燃料の供給する所定量は、SOFC12の発電量とメタネーション装置由来炭素含有燃料の組成により決定される。また、図5の中段に示すように、MGT(マイクロガスタービン)投入流量、すなわち燃焼器20への投入流量は、助燃料としての都市ガスの供給が停止されて、時刻T0にてメタネーション装置由来炭素含有燃料が供給され始める。なお、燃焼器20へのSOFC12の燃料極からの排燃料ガスの一部は、継続して燃焼器20に供給される。図5の下段には、SOFC12からの排燃料ガスの組成が示されており、一酸化炭素やメタン等の炭素含有燃料と水素が所定割合で混合されたガス組成が、都市ガスの供給が停止されたことによる影響で、時刻T0以降では炭素含有燃料の割合が低下し始めている。
そして、図5の上段に示すように、SOFC投入流量は時刻T1にて、制御部の指令によって、流調弁28Aを開け、時刻T2に向かって水素の供給量を所定量まで増加させていく。また、時刻T1にて、制御部の指令によって、メタネーション装置由来炭素含有燃料流調弁75aを徐々に閉めることで、SOFC投入流量はメタネーション装置由来炭素含有燃料の流量を時刻T2に向かって減少させていく。そして、時刻T2にてSOFC投入流量はメタネーション装置由来炭素含有燃料の流量を0として、SOFC12における水素への切り替えを完了する。水素の供給する所定量は、SOFC12の発電量より決定される。
燃焼器20へ供給されるMGT投入燃料は、図5の中段に示すように、時刻T0にて助燃料が都市ガスからメタネーション装置由来炭素含有燃料へと供給が切り替わり、継続してメタネーション装置由来炭素含有燃料が供給され続け、SOFC12の燃料極からの排燃料ガスの一部は、継続して燃焼器20に供給される。このように、メタネーション装置由来炭素含有燃料が燃焼器20の燃焼の助燃料として使用される。
また、燃焼器20へのメタネーション装置由来炭素含有燃料の投入流量は、シミュレーションや事前運用で、各運転状況に対して必要流量を設定しておくことで対応が可能である。
さらに、MGTの出力や回転数といった運転状況から、燃焼器20の燃焼安定性を間接的に検知し、メタネーション装置由来炭素含有燃料の投入流量の微調整を行うとより好ましい。
SOFC12からの排燃料ガスの組成、特に可燃性ガスの組成は、図5の下段に示すように、SOFC12へ供給する燃料ガスの切り替えによって、時刻T1から一酸化炭素やメタン等の炭素含有燃料が減少して時刻T3で0となる。また、水素は、時刻T1から増加して、時刻T3以降では可燃性ガスは水素が大部分を占めるようになる。
なお、時刻T0から時刻T3での各切り替えは、SOFC12のセルスタックなどの温度状況、燃焼器20の燃焼の安定性状況、SOFC12の排燃料ガスの温度と組成状況を、制御部は検知して確認しながら、切り替えることがさらに好ましい。
SOFC12の燃料ガスとして、都市ガスの中断が復旧された場合は、前述の逆の方法と工程で、水素から都市ガスへと切替えることが可能である。
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
SOFC12の燃料ガスとして、都市ガスが中断された場合に水素を供給すると、SOFC12から排出される排燃料ガス中の水素濃度が上昇し、相対的に一酸化炭素やメタン等の炭素含有燃料が減少するので、排燃料ガスの発熱量が低下する。具体的には、都市ガス(13A)の発熱量が45(MJ/m)であるのに対して、Hガスは12.8(MJ/m)、COガスは12.6(MJ/m)、CHガスは40(MJ/m)である。
そうすると、排燃料ガスを燃焼させる燃焼器20の燃焼安定性が損なわれるおそれがある。そこで、本実施形態では、SOFC12に水素を供給する際に、メタネーション装置70にて生成されたメタンを含むメタネーション装置由来炭素含有燃料を燃焼器20に供給することとし、ガス性状が変化した排燃料ガスが燃焼器20に供給されても、燃焼器20の燃焼の助燃料としてメタネーション装置70由来のメタンを含むガスを利用することができるので、燃焼器20の燃焼安定性を維持することができる。これにより、SOFC12の燃料ガスを都市ガスから水素に切り替える場合であっても、メタンを含むガスを燃料とする燃焼器20を安定して燃焼を継続し、この燃焼器20を備えたガスタービン装置の運転を継続し、発電ならびにSOFC12への酸化性ガスである空気の供給を行うことができる。
また、都市ガスの供給が一時停止された場合でも、都市ガスの供給が復帰するまでの間にわたって水素を供給することで継続して運転することができるので、SOFC複合発電システム10を停止させる必要がない。したがって、温度が低下してしまうと時間がかかるSOFC複合発電システム10の再起動を実施する必要がなくなる。
なお、本実施形態では、メタネーション装置70に水素含有ガスとして水素供給ライン72から水素を供給することとしたが、これに代えて或いはこれとともに、燃料ガス排出ライン31からの排燃料ガスを水素含有ガスとしてメタネーション装置70に供給することとしても良い。これにより、水素を含む排燃料ガスをメタネーション装置70に供給することとしたので、水素不足に陥るおそれを解消できる。
さらに、排燃料ガスをメタネーション装置70に供給することにより、以下のような有利点がある。
二酸化炭素と水素によるメタン合成反応は(1)式で示される。
CO+4H→CH+2HO ΔH=−39.4kcal/mol (1)
しかし、実際には、(2)式と(3)式で示される素反応の熱平衡関係から成る。
CO+3H→HO+CH ΔH=−49.3kcal/mol (2)
CO+H→CO+HO ΔH=+9.8kcal/mol (3)
(2)式はメタネーション反応、(3)式はCOシフト反応である。
上記の通り、(1)式のメタン合成反応は発熱反応であり、平衡反応としては温度が低い方が良いが反応速度が低下するので、反応促進からは温度がやや高い方が良い。このため、200℃〜400℃程度でメタネーション触媒(ニッケル系、ルテニウム系、鉄系、コバルト系など)によりCOをメタン化する。一方、式(1)のように、原料5molがメタン合成で3molへと分子数が減少するので、圧力が高い方が反応を促進できる。したがって、メタネーション装置70は、排燃料ガス温度は500℃前後が好適であり、マイクロガスタービン装置16への排燃料ガス供給系統である燃料ガス排出ライン31は常圧よりも高い高圧(例えば500〜700kPa)とされているので、燃料ガス排出ライン31に接続することにより適切な運用が可能となる。
さらに、都市ガスを加圧して保有するバッファタンクを備えていても良い。これにより、都市ガスの供給が停止されても、都市ガスをバッファタンクから供給することができる。
10 燃料電池複合発電システム(SOFC複合発電システム)
12 SOFC(燃料電池)
16 マイクロガスタービン装置(ガスタービン装置)
17 発電機
20 燃焼器
22 タービン
24 燃料ガス供給ライン
31 燃料ガス排出ライン
70 メタネーション装置
71 炭素原料タンク
72 水素供給ライン(水素供給系統)
72a 水素流調弁
73 炭素含有ガスライン
73a 炭素含有ガス流調弁

Claims (5)

  1. メタンを主成分とする燃料ガス及び酸化性ガスが供給される燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された排燃料ガスが供給される燃焼器を備えたガスタービン装置と、
    該ガスタービン装置によって駆動される発電機と、
    炭素含有ガスと水素含有ガスが供給されて少なくとも一部をメタンへと生成するメタネーション装置と、
    前記燃料電池に水素を供給する水素供給系統と、
    該水素供給系統から前記燃料電池に水素を供給する際に、前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃焼器に供給する制御部と、
    を備えていることを特徴とする燃料電池複合発電システム。
  2. 前記制御部は、前記燃料ガスの前記燃料電池への供給が停止されたことを検知した後に、
    所定の期間に前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃料電池に供給し、
    前記所定の期間内に前記水素供給系統から水素を前記燃料電池に供給を開始することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池複合発電システム。
  3. 前記制御部は、前記メタネーション装置に、前記燃料電池からの排燃料ガスの少なくとも一部を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池複合発電システム。
  4. 前記炭素含有ガスは、Cガス、CO、および炭素含有燃料の燃焼または部分燃焼ガスのいずれかを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池複合発電システム。
  5. メタンを主成分とする燃料ガス及び酸化性ガスが供給される燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された排燃料ガスが供給される燃焼器を備えたガスタービン装置と、
    該ガスタービン装置によって駆動される発電機と、
    炭素含有ガスと水素含有ガスが供給されて少なくとも一部をメタンへと生成するメタネーション装置と、
    前記燃料電池に水素を供給する水素供給系統と、
    を備えた燃料電池複合発電システムの運転方法であって、
    前記燃料電池への供給をメタンを主成分とする燃料ガスから水素を供給へ変更する際に、
    一時的に前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃料電池に供給し、
    前記メタネーション装置にて生成されたメタンを含むガスを前記燃焼器に供給し、
    その後に該水素供給系統から前記燃料電池に水素を供給することを特徴とする燃料電池複合発電システムの運転方法。
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JP2020170613A (ja) * 2019-04-02 2020-10-15 株式会社デンソー 炭素循環システム

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