以下、この発明の実施の形態を説明する。まず、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成について説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の外観を示す概略図である。図2は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成を示すブロック図である。
図1および図2を参照して、デジタル複合機11は、デジタル複合機11全体の制御を行う制御部12と、デジタル複合機11側から発信する情報やユーザーの入力内容を表示する表示画面21を含み、印刷部数や階調性等の画像形成の条件や電源のオンオフを入力させる操作部13と、セットされた原稿を自動的に読み取り部へ搬送するADF(Auto Document Feeder)22を含み、原稿の画像を読み取る画像読み取り部14と、手差しで用紙をセットする手差しトレイ28やサイズの異なる複数枚の用紙を収納可能な給紙カセット群29を含み、画像形成部15に供給する用紙をセットする用紙セット部19と、読み取った画像やネットワーク25を介して送信された画像データを基にトナーによる可視画像を用紙上に形成して現像を行う現像装置41を含み、画像を形成する画像形成部15と、可視画像を熱および圧力によって用紙に定着させ、出力物として出力する定着装置51と、画像形成部15により用紙に画像を形成した後に用紙を排出する排出トレイ30と、送信された画像データや入力された画像形成条件等の格納を行うハードディスク16と、公衆回線24に接続されており、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を行うファクシミリ通信部17と、ネットワーク25と接続するためのネットワークインターフェース部18とを備える。なお、デジタル複合機11は、画像データの書き出しや読み出しを行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)等を備えるが、これらについては、図示および説明を省略する。また、図2中の矢印は、制御信号や制御、画像に関するデータの流れを示している。なお、図1に示すように、この実施形態においては、給紙カセット群29は、3つの給紙カセット23a、23b、23cから構成されている。
デジタル複合機11は、画像読み取り部14により読み取られた原稿を用いて画像形成部15において画像を形成することにより、複写機として作動する。また、デジタル複合機11は、ネットワークインターフェース部18を通じて、ネットワーク25に接続されたコンピューター26a、26b、26cから送信された画像データを用いて、画像形成部15において画像を形成して用紙に印刷することにより、プリンターとして作動する。すなわち、画像形成部15は、要求された画像を印刷する印刷部として作動する。また、デジタル複合機11は、ファクシミリ通信部17を通じて、公衆回線24から送信された画像データを用いて、DRAMを介して画像形成部15において画像を形成することにより、また、画像読み取り部14により読み取られた原稿の画像データを、ファクシミリ通信部17を通じて公衆回線24に画像データを送信することにより、ファクシミリ装置として作動する。デジタル複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。さらに、各機能に対しても、詳細に設定可能な機能を有する。
この発明の一実施形態に係る画像形成装置11を含む画像形成システム27は、デジタル複合機11と、複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。具体的には、画像形成システム27は、上記した構成のデジタル複合機11と、ネットワーク25を介してデジタル複合機11に接続される複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。この実施形態においては、複数のコンピューター26a〜26cについては、3台示している。各コンピューター26a〜26cはそれぞれ、デジタル複合機11に対して、ネットワーク25を介して印刷要求を行って印刷をすることができる。デジタル複合機11とコンピューター26a〜26cとは、LAN(Local Area Network)ケーブル等を用いて有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよく、ネットワーク25内には、他のデジタル複合機やサーバーが接続されている構成でもよい。
次に、上記した操作部13の構成について、さらに詳細に説明する。図3は、操作部13の概略的な構成を示す外観図である。図3を参照して、操作部13は、印刷部数等を入力させるための0〜9までの数字、および「*」や「#」の記号を入力させるテンキー31と、印刷の開始やファクシミリ送信の開始を指示させるスタートキー32と、デジタル複合機11の電源のオンオフを入力させる電源キー33と、デジタル複合機11の有するプリンター機能やコピー機能等の選択を指示させるメニューキー34と、種々の画像形成の条件や使用ユーザーの登録を指示させる登録キー35と、テンキー31等を用いてユーザーにより入力された指示の内容をキャンセルさせるリセットキー36と、上記した表示画面21とを含む。表示画面21は、液晶のタッチパネル機能を有しており、ユーザーの指での押圧等により、表示画面21からも画像形成条件等を入力させると共に、機能の選択等を行うことができる。
次に、デジタル複合機11に備えられる画像形成部15および定着装置51の構成について、さらに詳細に説明する。図4は、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機の概略的な構成を示す断面図である。なお、理解の容易の観点から、図4において、部材のハッチングを省略する。また、図4は、上下方向に延びる平面でデジタル複合機11を切断した場合の断面図である。
図4を参照して、画像形成部15は、トナー等の現像剤を用いて用紙に可視画像を形成する現像装置41を備える。図4中の二点鎖線で示す現像装置41は、その表面に静電潜像を形成する感光体42と、感光体42の表面を帯電させる帯電部43と、現像スリーブ44や複数の撹拌ローラーを含み、静電潜像が形成された感光体42の表面にトナー等の現像剤を供給してトナーによる可視画像を形成する現像器45と、転写チャージャーや分離チャージャーを含み、感光体42の表面上に形成された可視画像を、搬送されてきた用紙39に転写する転写部46と、除電ローラーやクリーニングブレード等を含み、可視画像の用紙39への転写の後に感光体42の表面上に残ったトナーや残留電荷等を除去するクリーニング部47とを備える。
感光体42は、図4中の矢印R1の方向に回転する。画像形成部15は、画像読み取り部14により読み取った画像やコンピューター26c〜26cにより送信された画像データを基に、感光体42上に静電潜像を形成する。画像形成部15は、感光体42上に形成された静電潜像に対し、トナーを供給してトナーによる可視画像を形成する。現像時において、現像スリーブ44には、現像時に所定の値の現像バイアス電圧が印加されている。そして、帯電部43によって帯電された感光体42の表面電位と現像バイアス電圧との電位差によって、トナーは現像スリーブ44側から静電潜像が形成された感光体42の表面上のトナーが移動すべき場所に移動する。画像形成部15は、感光体42に対し、帯電、現像、転写、クリーニングを繰り返して、搬送されてきた用紙39にトナーによる可視画像を形成する。なお、現像装置41に着脱可能に設けられたトナーコンテナ(図示せず)により、現像によって消費されたトナーが随時現像器45に供給される。
デジタル複合機11は、現像装置41により用紙39上に形成された可視画像を用紙39に定着させる定着装置51を備える。定着装置51は、一対のローラーとして、トナーを用紙に定着させる際に用紙を加熱する中空状の回転可能な熱ローラー52と、トナーを用紙に定着させる際に用紙を加圧する中実状の回転可能な圧ローラー54とを含む。
熱ローラー52は、円筒状であって、金属の素管から構成されている。熱ローラー52の内部には、一対のヒーター53a、53bが設けられている。ヒーター53a、53bへの通電により熱ローラー52が定着に適した所定の温度まで加熱される。制御部12は、ヒーター53a、53bへの通電状態を制御することにより、熱ローラー52の温度を制御する。
圧ローラー54は、弾性を有するゴム状の円柱状部材から構成されている。熱ローラー52と圧ローラー54とは当接している。具体的には、熱ローラー52の表面と圧ローラー54の表面とが、図4における紙面表裏方向に延びる回転軸方向に、ある程度の面積で接触するように、熱ローラー52と圧ローラー54とが設けられている。なお、熱ローラー52と圧ローラー54とは接触しているため、熱ローラー52の熱が、ある程度圧ローラー54に伝わっている。すなわち、熱ローラー52と圧ローラー54とは、ほとんど同じ温度となっている。なお、圧ローラー54は、その中央部が両端部よりも径が若干大きいクラウニング形状となるよう構成されている。
圧ローラー54は、図4中の矢印D1の方向で示すデジタル複合機11の上方向に向けて、若干熱ローラー52に対する押圧力を増加させることができる。この押圧力の増加により、熱ローラー52と圧ローラー54との間の接触面積および接触の圧力を増加することができる。この圧ローラー54の熱ローラー52に対する押圧の状態については、制御部12により制御されている。
圧ローラー54は、図4中の矢印R2の方向に回転する。熱ローラー52は、圧ローラー54と逆の方向に回転する。熱ローラー52と圧ローラー54の回転により、用紙39を上流側、すなわち、画像形成部15が設けられた側から下流側、すなわち、排出トレイ30が設けられた側へ搬送する。この搬送時に、熱ローラー52および圧ローラー54により用紙に形成された可視画像の熱および圧力による定着を行う。用紙39の搬送される方向はおおよそ、図4中の矢印D2で示される。なお、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度についても、制御部12により制御されている。
ここで、定着時においては、熱ローラー52および圧ローラー54の温度、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力について、それぞれ二段階設けられている。熱ローラー52および圧ローラー54の温度については、標準の温度である第一の温度と、第一の温度よりも若干高い第二の温度の二段階で設定可能である。第二の温度で定着を行った場合の方が、第一の温度で定着を行った場合に比べて、得られた画像の光沢の度合いを高くすることができる。熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度については、標準の回転速度である第一の回転速度と、第一の回転速度よりも若干遅い第二の回転速度の二段階で設定可能である。第二の回転速度で定着を行った場合の方が、第一の回転速度で定着を行った場合に比べて、得られた画像の光沢の度合いを高くすることができる。熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力については、標準の圧力である第一の圧力と、第一の圧力よりも若干高い第二の圧力の二段階で設定可能である。第二の圧力で定着を行った場合の方が、第一の圧力で定着を行った場合に比べて、得られた画像の光沢の度合いを高くすることができる。定着装置51は、定着時にそれぞれいずれかの設定にして定着を行う。もちろん、いずれの設定においても、出力物における光沢の度合いが異なるだけで、適正な定着を行うことができる。なお、これらの制御については、デジタル複合機11に備えられる図示しないいわゆるエンジンの制御により行う。
なお、この実施形態においては、それぞれのパラメーターについて、熱ローラー52および圧ローラー54の温度、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力の順に、出力物の光沢の度合いを高くすることができるよう設定されている。すなわち、熱ローラー52および圧ローラー54の温度の影響が、出力物の光沢の度合いを高くする上で最も影響が大きく、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力の順に、出力物の光沢の度合いを高くする影響が小さくなっていく。なお、この順序について、もちろん、設定や装置構成等によっては、上記した光沢の度合いを高くするパラメーターの順序は入れ替わるものである。すなわち、他の実施形態であれば、例えば、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力、熱ローラー52および圧ローラー54の温度の順に、出力物の光沢の度合いを高くすることができるよう設定することもできる。
なお、画像形成部15には、現像装置41と定着装置51との間に設けられる搬送ベルト56、および複数の給紙ローラー57a、57b、57c、57d、57eが設けられている。例えば、手差しトレイ28にセットされた用紙39は、給紙ローラー57a〜57eによって、用紙搬送路58a、58b、58c、58dを搬送され、排出トレイ30に排出される。また、給紙カセット23a〜23c内にセットされた用紙39は、給紙ローラー57b〜57eによって、用紙搬送路58b〜58dを搬送され、排出トレイ30に排出される。
次に、このようなデジタル複合機11を用いて、画像を形成する場合、具体的には、ADF22にセットされた原稿の画像を読み取って、複写、すなわち、コピーを行う場合について説明する。図5は、デジタル複合機11を用いて、原稿の画像を読み取ってコピーを行う場合の処理の内容を示すフローチャートである。ここではまず、ADF22にセットされた原稿の画像が、写真画像のみから構成されていた場合について説明する。
図5を参照して、まず、ユーザーは、ADF22に原稿をセットする。デジタル複合機11は、ADF22への原稿のセットを検知すると(図5において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)、操作部13の表示画面21に、画像形成における各種の設定を促す画面を表示する(S12)。そして、画像形成における各種の設定の一つとして、原稿の画像の画質を選択させる表示画面21を表示させる。
図6は、画像形成における原稿の画像の画質を選択させる際の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。図6を参照して、表示画面21には、「原稿の画像の画質を選択してください。」とのメッセージ61と、原稿の画像の画質が写真画像であることを設定させる「写真画像」と表記された選択キー62aと、原稿の画像の画質が写真画像と文字画像との混在した画像であることを設定させる「文字画像・写真画像」と表記された選択キー62bと、原稿の画像の画質が文字画像であることを設定させる「文字画像」と表記された選択キー62cとが表示されている。ここで、操作部13等は、画像データが、写真画像、文字画像、および文字画像と写真画像の混在した画像のうちのいずれであるかの情報を設定させる設定部として作動する。
ここで、ユーザーは、ADF22にセットした原稿の画像が、写真画像のみで構成されていることを認識すると、「写真画像」を設定させる選択キー62aを押下する。選択キー62aの押下を検知すると、デジタル複合機11は、写真画像が選択されたことを認識する(S13において、YES)。
そうすると、次に、デジタル複合機11は、操作部13の表示画面21において、原稿の写真画像について、光沢があるかないか、すなわち、写真画像の光沢の有無を設定させる。ここで、操作部13等は、出力物の光沢の度合いを入力させる光沢度合い入力部として作動する。一般的にユーザーは、原稿の画像における写真画像を忠実に再現した出力物、ここでは複写物を要望するものである。この場合、ユーザーは、原稿の画像における写真画像に光沢があれば、出力物である複写物の写真画像について、光沢の度合いが高いものを要求し、原稿の画像における写真画像に光沢がなければ、複写物の写真画像について、光沢の度合いが低いものを要望するものである。そして、ユーザーは、原稿の写真画像の光沢の度合いについて、要望に基づいて設定しようとする。
図7は、写真画像の光沢の有無を設定させる際の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。図7を参照して、表示画面21には、「写真画像の光沢の有無を選択してください。」とのメッセージ63と、写真画像に光沢があることを設定させる「光沢あり画像」と表記された選択キー64aと、写真画像に光沢がないことを設定させる「光沢なし画像」と表記された選択キー64bとが表示されている。ここで、操作部13等は、光沢の有無を入力させる光沢有無入力部として作動する。
ユーザーは、原稿の画像における写真画像に光沢があると判断した場合、「光沢あり画像」を設定させる選択キー64aを押下する。選択キー64aの押下を検知すると、デジタル複合機11は、「光沢あり画像」が選択されたことを認識する(S14において、YES)。
その後、すなわち、設定の終了後、ユーザーは、操作部13のスタートキー32を押下する。スタートキー32の押下を検知後、デジタル複合機11は、ADF22にセットされた原稿の画像を画像読み取り部14によって読み取る。そして、読み取った画像を基に、操作部13で設定された設定に沿って、画像形成部15によってトナーによる可視画像を用紙39の上に形成する(S15)。
その後、定着装置51によってトナーによる可視画像を用紙39に定着させ、排出トレイ30に排出する。ここで、上記した定着装置51による定着については、設定された光沢の度合いを踏まえた第一の処理の内容で行う(S16)。具体的には、熱ローラー52および圧ローラー54の温度を標準の温度である第一の温度よりも若干高い第二の温度とする。また、熱ローラー52と圧ローラー54の回転速度を標準の設定である第一の回転速度よりも若干遅い第二の回転速度とする。また、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力を標準の圧力である第一の圧力よりも若干高い第二の圧力とする。このようにして、定着装置51の制御を行って定着を行う。
このような第一の処理の内容の定着によれば、定着の温度が標準よりも若干高く、熱ローラー52と圧ローラー54の回転速度が標準の回転速度よりも若干遅く、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力が標準の圧力よりも若干高いため、得られた写真画像について、より光沢の度合いを高くすることができる。したがって、このような第一の処理の内容の定着によれば、光沢の度合いの高い写真画像を得ることができる。すなわち、原稿の画像が写真画像であって、原稿の写真画像に光沢があった場合、光沢の度合いも含めた原稿の画像を忠実に再現した複写物を得ることができる。
次に、原稿の画像が写真画像であって、光沢がなかった場合について説明する。再び図5を参照して、デジタル複合機11は、選択キー62aの押下を検知すると、写真画像が選択されたことを認識する(S13において、YES)。次に、デジタル複合機11は、表示画面21において、原稿の写真画像について、光沢があるかないか、すなわち、写真画像の光沢の有無を設定させる。
ここで、ユーザーは、原稿の写真画像に光沢がないと判断した場合、「光沢なし画像」を設定させる選択キー64bを押下する。選択キー64bの押下を検知すると、デジタル複合機11は、「光沢なし画像」が設定されたことを認識する(S14において、NO)。次に、上記と同様に、スタートキー32の押下を検知後、デジタル複合機11は、ADF22にセットされた原稿の画像を画像読み取り部14によって読み取る。そして、読み取った画像を基に、画像形成部15によってトナーによる可視画像を用紙の上に形成する(S17)。
その後、定着装置51によってトナーによる可視画像を用紙に定着させ、排出トレイ30に排出する。ここで、上記した定着装置51による定着については、設定された光沢の度合いを踏まえた第二の処理の内容で行う(S18)。第二の処理については、第一の処理よりも光沢の度合いが低いが、文字画像を形成し定着する場合に比べて、光沢の度合いを高くする処理である。具体的には、熱ローラー52および圧ローラー54の温度を標準の温度である第一の温度とする。また、熱ローラー52と圧ローラー54の回転速度を標準の設定よりも若干遅い第二の回転速度とする。また、圧ローラー54と熱ローラー52との接触の圧力を標準の圧力よりも若干高い第二の圧力とする。このようにして、定着装置51の制御を行って定着を行う。
このような第二の処理の内容の定着によれば、光沢の度合いの低い写真画像を得ることができる。すなわち、原稿の画像が写真画像であって、原稿の写真画像に光沢がなかった場合でも、光沢の度合いも含めた原稿の画像の忠実な複写物を得ることができる。
次に、ADF22にセットされた原稿が、文字画像と写真画像の混在した画像であった場合について説明する。図8は、文字画像と写真画像の混在した画像から構成される原稿を示す概略図である。図8を参照して、原稿66の画像67には、紙面をおおよそ縦横に4分割した場合の右上に当たる領域を占める写真画像68aと、この写真画像68aを除いた他の領域を占める文字画像68bとから構成されている。この写真画像68aについて、光沢のある場合と、光沢のない場合とがある。
再び図5を参照して、ユーザーは、ADF22にセットした図8に示す原稿66の画像67が、文字画像68bと写真画像68aの混在した画像で構成されていることを認識し、「文字画像・写真画像」を設定させる選択キー62bを押下する。選択キー62bの押下を検知すると、デジタル複合機11は、文字画像と写真画像の混在した画像のモードが選択されたことを認識する(S13において、NO、S19において、YES)。次に、デジタル複合機11は、表示画面21において、原稿66の画像67の一部を構成する写真画像68aについて、光沢があるかないか、すなわち、写真画像68aの光沢の有無を設定させる。
ユーザーは、写真画像68aに光沢があると判断した場合、「光沢あり画像」を設定させる選択キー64aを押下する。選択キー64aの押下を検知すると、デジタル複合機11は、「光沢あり画像」が設定されたことを認識する(S20において、YES)。その後、上記と同様に、スタートキー32の押下を検知後、デジタル複合機11は、ADF22にセットされた原稿の画像を画像読み取り部14によって読み取る。そして、読み取った画像を基に、画像形成部15によってトナーによる可視画像を用紙39の上に形成する(S21)。
その後、定着装置51によってトナーによる可視画像を用紙39に定着させ、排出トレイ30に排出する。ここで、上記した定着装置51による定着については、設定された光沢の度合いを踏まえた第三の処理の内容で行う(S22)。第三の処理については、第一の処理よりも光沢の度合いが低いが、第二の処理よりも光沢の度合いを高くする処理である。具体的には、熱ローラー52および圧ローラー54の温度を標準の温度よりも若干高い第二の温度とする。また、熱ローラー52と圧ローラー54の回転速度を標準の設定である第一の回転速度とする。また、圧ローラー54と熱ローラー52との接触の圧力を標準の圧力よりも若干高い第二の圧力とする。このようにして、定着装置51の制御を行って定着を行う。
このような第三の処理の内容の定着によれば、文字画像と写真画像の混在した画像において、やや光沢の度合いの高い写真画像を含む画像を得ることができる。すなわち、原稿の画像が文字画像と写真画像との混在した画像であって、原稿の写真画像の領域に光沢があった場合、文字画像の光沢の度合いをそれ程高くしない程度に抑え、写真画像の光沢の度合いをやや高くした複写物を得ることができる。
次に、ADF22にセットされた原稿が、図8に示される文字画像と写真画像の混在した画像であって、写真画像について、光沢がなかった場合について説明する。
再び図5を参照して、デジタル複合機11は、選択キー62bの押下を検知すると、文字画像と写真画像の混在した画像のモードが選択されたことを認識する(S13において、NO、S19において、YES)。次に、デジタル複合機11は、写真画像68aの光沢の有無を設定させる。
ここで、ユーザーは、写真画像68aに光沢がないと判断した場合、「光沢なし画像」を設定させる選択キー64bを押下する。選択キー64bの押下を検知すると、デジタル複合機11は、「光沢なし画像」が設定されたことを認識する(S20において、NO)。その後、上記と同様に、スタートキー32の押下を検知後、デジタル複合機11は、ADF22にセットされた原稿の画像を画像読み取り部14によって読み取る。そして、読み取った画像を基に、画像形成部15によってトナーによる可視画像を用紙39の上に形成する(S23)。
その後、定着装置51によってトナーによる可視画像を用紙39に定着させ、排出トレイ30に排出する。ここで、上記した定着装置51による定着については、設定された光沢の度合いを踏まえた第四の処理の内容で行う(S24)。第四の処理については、第三の処理よりも光沢の度合いが低いが、文字画像を形成し定着する場合に比べて、光沢の度合いを高くする処理である。具体的には、熱ローラー52および圧ローラー54の温度を標準の温度である第一の温度とする。また、熱ローラー52と圧ローラー54の回転速度を標準の設定である第一の回転速度とする。また、圧ローラー54と熱ローラー52との接触の圧力を標準の圧力よりも若干高い第二の圧力とする。このようにして、定着装置51の制御を行って定着を行う。
このような第四の処理の内容の定着によれば、文字画像と写真画像の混在した画像において、やや光沢の度合いの低い写真画像を含む画像を得ることができる。すなわち、原稿の画像が文字画像と写真画像との混在した画像であって、原稿の写真画像の領域に光沢がなかった場合、文字画像の光沢の度合いをそれ程高くせず、写真画像の光沢の度合いもやや低くした複写物を得ることができる。
次に、ADF22にセットされた原稿が、文字画像のみから構成されていた場合について説明する。すなわち、原稿の画像について、写真画像が一切ないものを用いてコピーを行う場合について説明する。このような文字画像のみから構成される原稿の画像については、ユーザーは、出力物である複写物の文字画像について、光沢の度合いを低く抑えることを要望するものである。
再び図5を参照して、ユーザーは、ADF22にセットした原稿の画像が、文字画像のみから構成されていることを認識し、「文字画像」を設定させる選択キー62cを押下する。選択キー62cの押下を検知すると、デジタル複合機11は、文字画像のモードが選択されたことを認識する(S13において、NO、S19において、NO)。
次に、スタートキー32の押下を検知後、デジタル複合機11は、ADF22にセットされた原稿の画像を画像読み取り部14によって読み取る。そして、読み取った画像を基に、画像形成部15によってトナーによる可視画像を用紙39の上に形成する(S25)。
その後、定着装置51によってトナーによる可視画像を用紙39に定着させ、排出トレイ30に排出する。ここで、上記した定着装置51による定着については、文字画像であることを踏まえた第五の処理の内容で行う(S24)。第五の処理については、上記した第一〜第四の処理と比べて、最も光沢の度合いを低くする処理である。具体的には、熱ローラー52および圧ローラー54の温度を標準の温度である第一の温度とする。また、熱ローラー52と圧ローラー54の回転速度を標準の設定である第一の回転速度とする。また、圧ローラー54と熱ローラー52との接触の圧力を標準の圧力である第一の圧力とする。このようにして、定着装置51の制御を行って定着を行う。
このような第五の処理の内容の定着によれば、文字画像のみから構成される画像において、光沢の度合いの低い文字画像を含む画像を得ることができる。すなわち、文字画像のみから構成される画像の場合、文字画像の光沢の度合いを低くした複写物を得ることができる。
すなわち、このようなデジタル複合機11によると、出力物の光沢の度合いを入力させる光沢度合い入力部を備える。また、光沢度合い入力部により入力された出力物の光沢の度合いに応じて、出力物の光沢の度合いを変更するよう定着装置51を制御している。そうすると、ユーザーの要望に沿って出力物の光沢の度合いを入力することができる。そして、定着装置51を制御して、入力された出力物の光沢の度合いに応じて、出力物の光沢の度合いを変更することができる。したがって、このようなデジタル複合機11は、よりユーザーの要望に沿った画像を形成することができる。
この場合、光沢度合い入力部は、画像形成部15によって形成される画像に含まれる写真画像の光沢の有無の情報を入力させる光沢有無入力部を含む。そして、制御部12は、光沢有無入力部により入力された写真画像の光沢の有無の情報に応じて、出力物の光沢の度合いを変更している。
こうすることにより、ユーザーの要望によって入力された光沢の有無の情報に沿って、出力物の光沢の度合いを変更することができる。したがって、よりユーザーの要望に沿った画像を形成することができる。
また、この場合、光沢度合い入力部は、画像形成部15によって形成される画像が、写真画像、文字画像、および写真画像と文字画像の混在した画像のうちのいずれであるかの情報を設定させる設定部を含む。そして、制御部12は、設定部により設定された情報に応じて、出力物の光沢の度合いを変更する。
こうすることにより、設定された写真画像、文字画像、および写真画像と文字画像の混在した画像のうちのいずれかであるかの情報に応じて、出力物の光沢の度合いを変更することができる。したがって、よりユーザーの要望に沿った画像を形成することができる。
なお、上記した実施形態においては、定着における第一の処理の内容が、光沢の度合いの最も高い処理となり、以下、第三の処理、第二の処理、第四の処理、第五の処理の順に光沢の度合いが低くなっていく処理となる。
ここで、原稿の画像の光沢の度合いと、ユーザーの要求する複写物の光沢の度合いについて、簡単に説明する。図9は、ユーザーの要求する光沢の度合いの好ましさと光沢の度合いとの関係を示すグラフである。図9中の縦軸は、ユーザーの要求する光沢の度合いの好ましさを示し、上に高いほど、要求するユーザーが多いということになる。図9中の横軸は、光沢の度合いを光沢度として示したものであり、右側に向かう程、光沢度が高いことになる。なお、光沢度については、JIS(日本工業規格) Z8741(1997)で規定されているものである。ここでは、屈折率1.567の黒色鏡面ガラス板の鏡面反射率が、入射角度60°の時に10%のものを用いており、この鏡面反射率を光沢度100とするものである。図9中の線65aは、いわゆる光沢あり画像の場合を示し、図9中の線65bは、いわゆる光沢なし画像の場合を示す。
図9を参照して、いわゆる光沢あり画像の場合は、好ましさのピークが光沢度20〜27、28程度となっているのに対し、いわゆる光沢なし画像の場合は、好ましさのピークが光沢度15程度となっている。すなわち、いわゆる光沢なし画像の場合には、いわゆる光沢あり画像の場合と比較して、比較的低い光沢度が望まれる傾向にある。上記した構成のデジタル複合機11は、このようなユーザーの要望に応えるものである。
なお、上記の実施の形態において、各種の設定をする際に、通常のモード、または通常のモードに対して光沢の度合いを変更する光沢モードを選択させるよう構成してもよい。すなわち、上記した定着装置51の制御の作動について、ユーザーに選択させる構成としてもよい。また、光沢度合い入力部における光沢の度合いについて、複数の段階で入力させることができるよう構成してもよい。また、画像形成部によって形成される画像をプレビュー表示するプレビュー画像表示部を備え、光沢度合い入力部は、プレビュー画像表示部により表示されたプレビュー画像の中から指定された写真画像の領域の面積の割合に応じて、出力物の光沢の度合いを変更するよう構成してもよい。
図10は、この発明の他の実施形態に係るデジタル複合機11を用いて、コピーを行う場合の処理の内容を示すフローチャートである。この場合、まず、上記した図8に示す原稿66の画像67を読み取ってコピーを行う場合について説明する。
図10を参照して、デジタル複合機11は、ADF22への原稿のセットを検知すると(S31)、操作部13の表示画面21に、画像形成における各種の設定を促す画面を表示する(S32)。
図11は、画像形成における各種の設定を促す場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。図11を参照して、この発明の他の実施形態に係るデジタル複合機11に備えられる操作部13の表示画面21には、「コピーできます。」とのメッセージ71と、原稿の画像に対して拡大、縮小といった出力物の画像の倍率を設定させる「倍率」と表記された選択キー72aと、給紙カセット23a〜23cに格納された出力する用紙を選択させる「用紙選択」と表記された選択キー72bと、出力する画像の濃度を設定する「画像濃度」と表記された選択キー72cと、出力物の光沢の度合いを設定させる「光沢モード」と表記された選択キー72dとが表示されている。ユーザーは、要望に沿って、選択キー72a〜72cを押下し、倍率や用紙選択、画像濃度を設定する。
そして、ユーザーは、光沢の度合いを変更することを要望する場合には、「光沢モード」と表記された選択キー72dを押下する。デジタル複合機11は、選択キー72dの押下を検知すると(S33において、YES)、光沢モードとしての光沢の度合いについて、自動で変更するか、または手動で、すなわち、ユーザーの指定された光沢のレベルで変更するかを設定させる(S34)。
図12は、光沢モードを設定させる場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。図12を参照して、表示画面21には、「光沢モードの設定」というメッセージ73と、光沢の度合いを写真画像の面積の割合に応じて自動で調整する「自動」と表記された選択キー74aと、選択キー74aの押下の内容を示す「写真画像の面積の割合に応じて、光沢の度合いを自動で調整」とのメッセージ75aと、光沢の度合いをユーザーに入力させる「手動」と表記された選択キー74bと、選択キー74bの押下の内容を示す「光沢の度合いを手動で調整」というメッセージ75bと、光沢の度合いを5段階で設定させる「レベル1」と表記された選択キー76a、「レベル2」と表記された選択キー76b、「レベル3」と表記された選択キー76c、「レベル4」と表記された選択キー76d、および「レベル5」と表記された選択キー76eが表示されている。選択キー76a〜76eについては、選択キー76a、選択キー76b、選択キー76c、選択キー76d、および選択キー76eの順に、押下によって光沢の度合いを高く設定することができる。
ここで、ユーザーが、自動モード、すなわち、自動で光沢の度合いを変更することを選択した場合について説明する。デジタル複合機11は、選択キー74aの押下を検知し、スタートキー32の押下を検知すると(S34において、YES)、原稿の読み取りを開始する(S35)。その後、プレビュー画面を表示画面21に表示する(S36)。この場合、上記した図8に示す原稿66の画像67のプレビュー画面を表示する。
図13は、図8に示す原稿66の画像67を読み取ってプレビュー表示した場合の表示画面21の一例を示す図である。図13を参照して、表示画面21には、「写真画像を選択してください。」とのメッセージ77と、原稿66の画像67をプレビュー表示したプレビュー表示画像78とが表示されている。このプレビュー表示画像78には、原稿66の画像67に含まれる写真画像68aに対応する写真画像79が表示されている。ユーザーは、プレビュー表示画像78から、写真画像79の領域を選択する。この場合、例えば、タッチパネル式の表示画面21において、ユーザーの写真画像79の部分の押下により、写真画像79の選択を検知する。その後、デジタル複合機11は、選択された写真画像79の領域を抽出し(S37)、全体に対する写真画像79の面積の割合を算出する(S38)。図8に示す原稿66の画像67については、写真画像68aが全体の画像の四分の一程度を占めるため、面積の割合は、25%程度である。
次に、算出した面積の割合について、予め定められた閾値との比較を行う(S39)。すなわち、算出した面積の割合が比較的小さく、閾値として設定されている値である閾値1以下であれば(S39において、YES)、第一の制御で定着が行われる(S40)。この実施形態においては、閾値1の値としては、例えば、30%が設定されている。この場合の第一の制御については、写真画像に対して比較的光沢の度合いが低くなるような定着の制御である。具体的には、熱ローラー52と圧ローラー54の温度、および熱ローラー52と圧ローラーの回転速度を標準のものとしたままで、文字画像と写真画像が並列された領域69aの状態においては、熱ローラー52および圧ローラー54の接触の圧力を比較的高くし、文字画像のみの領域69bにおいては、熱ローラー52および圧ローラー54の接触の圧力を標準の圧力として定着を行う。
ここで、例えば、図14に示す原稿81の画像82のように、写真画像83aの占める領域が、図8に示す写真画像68aの占める領域よりも大きい場合には、算出された面積の割合が、閾値1よりも大きくなる(S39において、NO)。図14は、写真画像83aの占める領域が比較的大きい原稿81の画像82を示す図である。そうすると、算出された面積の割合について、閾値として設定されている閾値2以下であるかが判断される(S41)。この実施形態においては、閾値2の値としては、例えば、60%が設定されている。算出された面積の割合が閾値2以下であれば(S41において、YES)、第二の制御で定着がなされる(S42)。この場合の第二の制御については、上記した第一の制御による定着時よりも、光沢の度合いが高くなるような定着の制御である。具体的には、熱ローラー52と圧ローラー54の温度、および熱ローラー52と圧ローラーの接触の圧力を標準のものとしたままで、写真画像83aのみの領域84aの状態においては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を比較的遅くし、文字画像83bのみの領域84bにおいては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を標準の速さとして定着を行う。この場合、図8に示す場合と異なり、領域84aの方が大きく、領域84bの方が小さくなる。
一方、算出された面積の割合が閾値2として規定されている値よりも大きいと判断すれば(S41において、NO)、さらに予め設定されている閾値3以下であるか否かが判断される(S43)。この実施形態においては、閾値3の値としては、例えば、90%が設定されている。算出された面積の割合が閾値3以下であれば(S43において、YES)、第三の制御で定着を行う(S44)。この第三の制御については、上記した第二の制御による定着時よりも、光沢の度合いが高くなるような定着の制御である。具体的には、熱ローラー52と圧ローラー54の温度を標準のものとしたままで、文字画像と写真画像が並列された領域69aの状態においては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を比較的遅くすると共に接触の圧力を高くし、文字画像のみの領域69bにおいては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を標準の速さとすると共に接触の圧力も標準の圧力として定着を行う。
なお、S43において、算出された面積の割合が閾値3よりも大きいと判断されれば(S43において、NO)、第四の制御で定着を行う(S45)。この第四の制御については、上記した第三の制御による定着時よりも、光沢の度合いが高くなるような定着の制御である。具体的には、熱ローラー52と圧ローラー54の温度を標準のものよりも高くし、文字画像と写真画像が並列された領域69aの状態においては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を標準の速さとすると共に接触の圧力を高くし、文字画像のみの領域69bにおいては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を標準の速さとすると共に接触の圧力も標準の圧力として定着を行う。
このように、光沢モードを選択すると共に、自動モードを選択することにより、例えば、写真画像の領域の面積の割合が大きい場合には、出力物の光沢の度合いを高くし、写真画像の領域の面積の割合が小さい場合には、出力物の光沢の度合いを低くすることができる。したがって、よりユーザーの要望に沿った画像を形成することができる。
次に、S34に戻って、自動モードが選択されず、手動モードが選択された場合について説明する。ユーザーは、手動モードの選択キー74bを押下する。ユーザーは、この選択キー74bの押下の後に、選択キー76a〜76eの押下を行う。ここで、デジタル複合機11は、選択キー74bの押下を検知すれば、引き続き選択キー76a〜76eのいずれかの押下を促すような表示を行ってもよい。
デジタル複合機11は、選択キー74bの押下を検知すると(S34において、NO)、選択キー76a〜76eのいずれが押下されたかを判断する。ここで、選択キー76aの押下を検知すると(S46において、YES)、光沢の度合いが最も低いレベル1が選択されたと判断する。そうすると、光沢の度合いが最も低い第五の制御で定着を行われる(S47)。この場合の具体的な定着の制御は、例えば、上記した第一の制御と同様の制御である。
デジタル複合機11は、選択キー76bの押下を検知すると(S46において、NO、S48において、YES)、光沢の度合いがレベル1よりも高いレベル2が選択されたと判断する。そうすると、光沢の度合いが第五の制御よりも若干光沢の度合いが高くなる第六の制御で定着が行われる(S49)。この場合の具体的な定着の制御は、例えば、上記した第二の制御と同様の制御である。
デジタル複合機11は、選択キー76cの押下を検知すると(S48において、NO、S50において、YES)、光沢の度合いがレベル2よりも高いレベル3が選択されたと判断する。そうすると、光沢の度合いが第六の制御よりも若干光沢の度合いが高くなる第七の制御で定着が行われる(S51)。この場合の具体的な定着の制御は、例えば、上記した第三の制御と同様の制御である。
デジタル複合機11は、選択キー76dの押下を検知すると(S50において、NO、S52において、YES)、光沢の度合いがレベル3よりも高いレベル4が選択されたと判断する。そうすると、光沢の度合いが第七の制御よりも若干光沢の度合いが高くなる第八の制御で定着が行われる(S53)。この場合の具体的な定着の制御は、例えば、上記した第四の制御と同様の制御である。
デジタル複合機11は、選択キー76eの押下を検知すると(S52において、NO)、光沢の度合いが最も高いレベル5が選択されたと判断する。そうすると、光沢の度合いが第八の制御よりも若干光沢の度合いが高くなる第九の制御で定着が行われる(S54)。この場合の具体的な定着の制御は、例えば、熱ローラー52と圧ローラー54の温度を標準のものよりも高くし、文字画像と写真画像が並列された領域69aの状態においては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を標準の速さよりも遅くすると共に接触の圧力を高くし、文字画像のみの領域69bにおいては、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度を標準の速さとすると共に接触の圧力も標準の圧力として定着を行う。
このような構成によれば、光沢モードを選択すると共に手動モードを選択することにより、より多段階で、出力物の光沢の度合いを変更することができる。したがって、よりユーザーの要望に沿った画像を形成することができる。
なお、S33に戻って、光沢モードが選択されなければ(S33において、NO)、光沢の度合いの入力を行わない。そして、通常のモードで画像形成を行う。この場合、第十の制御の定着として、標準の定着を行う(S55)。すなわち、第十の制御の定着として、熱ローラー52と圧ローラー54の温度、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力をそれぞれ標準のものとして定着を行う。
このように、また光沢モードを作動させるか否かを選択させることにより、より、ユーザーの要望に応じて、光沢の度合いを変更することができる。
なお、上記の実施の形態においては、自動モードの場合は、閾値1以下、閾値2以下、閾値3以下、閾値3より大きいといった合計4段階で光沢の度合いを変更することとしたが、これに限らず、2段階、3段階であってもよく、もちろん5段階以上で光沢の度合いを変更することにしてもよい。また、手動モードの場合にも、レベル1〜レベル5といった5段階で光沢の度合いを変更することにしたが、これに限らず、2段階、3段階、4段階、さらには、6段階以上で光沢の度合いを変更することにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、定着装置の制御により、光沢の度合いを変更することにしたが、これに限らず、画像形成部の制御により、光沢の度合いを変更することにしてもよい。この場合、例えば、画像形成部における現像時の現像バイアス電圧を調整することにより、光沢の度合いを変更する。具体的には、可視画像を形成する際に現像バイアス電圧を変更して、感光体の表面に形成された静電潜像上にトナーを付着させるトナーの付着量を若干多くして、光沢を若干高くするよう制御する。もちろん、この場合、画像濃度に関しては、原稿の画像を忠実に再現するレベルのトナーの付着量に留められる。
また、上記の実施の形態において、モノクロの原稿の画像のコピー等には限られず、もちろん、カラーの原稿の画像のコピー等を行う場合にも適用されるものである。この場合、転写ベルトといった中間転写体を用いる構成としてもよい。
なお、上記の実施の形態において、熱ローラー52および圧ローラー54の温度、熱ローラー52および圧ローラー54の回転速度、熱ローラー52と圧ローラー54との接触の圧力の順に、出力物の光沢の度合いを高くすることができることとしたが、これに限らず、もちろん温度の設定や回転速度の設定等によっては、これらの順序が前後するものである。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。