JP2016085278A - カラーフィルタ用着色組成物の製造方法、カラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物の製造方法、カラーフィルタ Download PDF

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由昌 宮沢
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Yuta Suzuki
雄太 鈴木
山本 裕一
Yuichi Yamamoto
裕一 山本
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Abstract

【課題】本発明の目的は、優れた分散性と高い明度、コントラスト比を達成するカラーフィルタ用着色組成物、ならびにカラーフィルタを提供することである。【解決手段】PR177、色素誘導体(B)、分散剤(C)を混合し分散体1を製造する工程と、PR254、色素誘導体(B)、分散剤(C)を混合し分散体2を製造する工程と、分散体1と分散体2を混合する工程と、さらに光重合開始剤、光重合性単量体を混合する工程とを有し、前記分散体1の色素誘導体(B)が、顔料100重量部に対し8重量部以下であり、かつ分散剤(C)が、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を片末端に有する数平均分子量が5000以上である直鎖状の分散剤(C1)、および/または、部位(x)を主鎖に有する側鎖の数平均分子量が5000以上である櫛形の分散剤(C2)であるカラーフィルタ用着色組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ用着色組成物の製造方法、およびこれを用いたカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価され、最近ではテレビ用途への普及が急速に進んでいる。テレビ用途向けでは、明度やコントラスト比などの性能をより高めることが要求されており、カラー液晶表示装置を構成する部材であるカラーフィルタにおいても、さらなる透過度の向上、コントラスト比の高度化などが望まれている。
カラーフィルタの作製方法としては、フォトレジストによるパターン形成の後、パターンを染色する染色法や、予め所定パターンの透明電極を形成しておき、電圧印加により溶媒に溶解・分散された顔料含有樹脂をイオン化させパターン形成する電着法、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂を含むインクを用いてオフセット印刷等する印刷法、フォトレジスト材料に顔料等の着色剤を分散させたカラーフィルタ用着色組成物を使用する顔料分散法、などが知られており、最近では、顔料分散法が主流になっている。
顔料分散法では、着色剤である顔料と、顔料表面に吸着する色素誘導体、色素誘導体に吸着する高分子の分散剤とを混合しビーズミルなどの分散機を用いて分散することで着色組成物を得る。しかし、高いコントラスト比を得るためには、ビーズの粒径を細かくする、分散時間を延ばすなど分散強度を強める必要がある。しかしその場合、顔料の粒子径が細かくなりすぎてしまい、顔料同士が凝集してしまい増粘現象がみられてしまう。それを防ぐ手段として、顔料表面に吸着する色素誘導体の量を増やし分散安定性を向上させる方法があるが、色素誘導体は耐熱性が著しく悪く、加熱処理によって透過率が低下してしまうため、明度を落としてしまうという欠点がある。
そこで、少ない量の色素誘導体を用いて着色組成物を得るために、顔料表面に吸着する色素誘導体と、この色素誘導体と塩形成する部位を片末端に有し溶媒に親和性のある立体障害部位を有する分散剤を用いた着色組成物が特許文献1〜4などに報告されているが、
明度とコントラスト比、分散性の両立はいずれも不十分である。
特開2008−029901号公報 国際公開第2007/052687号 国際公開第2008/007776号 特開2009−251481号公報
本発明は、優れた分散性と高い明度、コントラスト比とを達成するカラーフィルタ用着色組成物、ならびに、該カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された高明度のカラーフィルタを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、顔料(A)と、色素誘導体(B)と、前記色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を有する分散剤(C)を含有するカラーフィルタ用着色組成物の製造方法であって、
(i)顔料(A)としてC.I.ピグメントレッド177、色素誘導体(B)および分散剤(C)を混合し分散体1を製造する第一の工程と、
(ii)顔料(A)としてC.I.ピグメントレッド254、色素誘導体(B)および分散剤(C)を混合し分散体2を製造する第二の工程と、
(iii)前記分散体1と分散体2を混合し、分散体3を製造する第三の工程と、
(iV)さらに、光重合開始剤、光重合性単量体を混合してカラーフィルタ用着色組成物を製造する第四の工程と、を有し、
前記分散体1において、色素誘導体(B)が、C.I.ピグメントレッド177、100重量部に対し8重量部以下であり、かつ、分散剤(C)が、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を片末端に有する、数平均分子量が5000以上である直鎖状の分散剤(C1)、および/または、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を主鎖に有する、側鎖の数平均分子量が5000以上である櫛形の分散剤(C2)であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、色素誘導体(B)が塩基性基を有し、分散剤(C)中の色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)が酸性基を有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、色素誘導体(B)が、塩基性基を有する色素誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するトリアジン誘導体、及び塩基性基を有するアクリドン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、分散剤(C)が、片末端に水酸基を有する重合体(X)と、芳香族トリカルボン酸無水物(Y1) および/または芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)とを反応させてなる、芳香族カルボキシル基を有する分散剤であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、基板上に、前記製造方法により得られたカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明の、顔料と、特定量の色素誘導体と、色素誘導体と塩形成する高分子量鎖を有する分散剤からなる分散体を予め混合した後、光重合開始剤、光重合性単量体等のインキ化成分を加えることで、分散性と明度、コントラスト比に優れたカラーフィルタ用着色組成物となり、高明度・高コントラスト比のカラーフィルタを形成することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、顔料(A)と、顔料吸着能を有する色素誘導体(B)と、色素誘導体と塩形成する高分子量鎖を有する分散剤(C)とを含有するカラーフィルタ用着色組成物である。
色素誘導体(B)は、顔料分散体を得る上で非常に重要であり、ある程度多く使用しないと分散性が低下するため、顔料の分散粒径が小さく、流動性、保存安定性に優れた顔料分散体が得られず、特に、微細な顔料であればあるほど、色素誘導体を多く使用する必要がある。
しかし、色素誘導体を多く使用した顔料分散体を用いたカラーフィルタは、明度が低下する傾向にある。これは、色素誘導体の耐熱性が低いため、色素誘導体を多く使ったカラーフィルタでは、加熱処理時(ポストベーク)に色素誘導体が昇華や分解などの化学劣化をすることで透過率が低下し明度が低下するためと考えられる。また、顔料に未吸着の色素誘導体は特に耐熱性が低く、色素誘導体を多く使用する場合に顔料に未吸着の色素誘導体が多くなってしまうことも、明度を下げる大きな要因となっていると考えられる。
このため、明度の高いカラーフィルタを得るためには、色素誘導体をいかに減らすかが問題となる。微細な顔料であるほど、色素誘導体(B)が少ない場合、顔料粒子個数が多いため、分散性が低下し、顔料の分散粒径が小さく、流動性、保存安定性に優れた顔料分散体が得られないが、分散剤(C)の分子量を大きくすることでこの問題を解決できる。これは、色素誘導体(B)が少量であっても、それに吸着する分散剤(C)の分子量を大きくすることで、顔料粒子間に十分な立体反発効果を得ることができるためであると考えられる。
具体的には、顔料(A)に対して添加する色素誘導体(B)の量を8重量部以下に抑えることで、色素誘導体(B)に由来する明度の低下を抑制することが出来、直鎖状の分散剤(C1)であれば数平均分子量を5000以上に、櫛型の分散剤(C2)であれば、側鎖の分子量を5000以上にすることで、流動性、保存安定性に優れた顔料分散体を得ることが出来る。
また、明度の高いカラーフィルタを得るためには、いかに色素誘導体を顔料表面にしっかり吸着させるかが問題となる。カラーフィルタ用着色組成物は複数の顔料分散体、光重合性単量体、光重合性開始材など様々な材料を混合するため、そのたびに混合時のショックが起き、色素誘導体の顔料表面への吸着が不十分だと容易に剥がれてしまう。そのため、C.I.ピグメントレッド177と、C.I.ピグメントレッド254の分散体を混合した着色組成物を、本発明の工程を有する製造方法によって作製することで、より明度の高い着色組成物を得ることができる。工程の詳細については後で述べる。
<顔料(A)>
C.I.ピグメントレッド177としては、特に限定されないが、好適なものとしては例えばBASF社製のクロモフタルレッドA2B(商品名)やクロモフタルレッドA3B(商品名)、Cinic社製Cinilex Red SR4C(商品名)などを用いる事ができる。また、これらの顔料に色素誘導体(B)および/または天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂を加えてソルトミリング等の処理をしたものを用いることもできる。
天然樹脂としてはロジンが代表的であり、変性天然樹脂としては、ロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体およびそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
C.I.ピグメントレッド254としては、例えばBASF社製のイルガジンDPPレッドBO(商品名)、クロモフタルレッドBP(商品名)、イルガフォアレッドBT-CF(商品名)、Cinic社製Cinilex DPP Red SR2P(商品名)などが挙げられる。また、これらの顔料に色素誘導体(B)および/または天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂を加えてソルトミリング等の処理をしたものを用いることもできる。
さらに、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上使用してもよい。中でも、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。本発明で使用することができる赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、221、224、226、242、246、255、264、269、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、または特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。含有されることができる染料としては、アゾ系染料、アゾ金属錯体系染料、アントラキノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、フタロシアニン系染料、メチン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、カチオン系染料、シアニン系染料、ニトロ系染料、キノリン系染料、ナフトキノン系染料、オキサジン系染料、ペリレン系染料、ジケトピロロピロール系染料、キナクリドン系染料、アンサンスロン系染料、イソインドリノン系染料、イソインドリン系染料、インダンスロン系染料、クマリン系染料、キナクリドン系染料、ピランスロン系染料、フラバンスロン系染料、ペリノン系染料等が挙げられるがこれらに限定されない。
<色素誘導体(B)>
顔料表面に吸着する色素誘導体(B)は、それ自身が顔料への吸着能を有し、かつ顔料分散剤(C)と造塩する効果を持つ。
色素誘導体とは、有機色素、ベンズイミダゾロン系化合物、アクリドン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタレン系化合物、またはトリアジン化合物に塩基性基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物を示す。
有機色素としては、例えば、ジケトピロロピロール系、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、スレン系、金属錯体系などの色素が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
<塩基性基を有する色素誘導体(B)>
塩基性基を有する色素誘導体(B)は、塩基性基を有しているものであれば特に限定されないが、塩基性基を有する色素誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するトリアジン誘導体、及び塩基性基を有するアクリドン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上であることが好ましい。
塩基性基としては、例えば、アミン部位、イミン部位、アンモニウム部位、アミド部位、イミド部位、ウレタン結合部位などを有する置換基が挙げられる。なかでも、下記一般式(1)、式(2)、式(3)および式(4)で示される群から選ばれる少なくとも1つの塩基性基であることが好ましい。
一般式(1):
一般式(2)
一般式(3)
一般式(4)
一般式(1)〜一般式(4)中、 Xは、−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH2−、または直接結合であり、
vは、1〜10の整数であり、
、及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 、及びRとで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基であり、
は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいフェニル基であり、
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいフェニル基であり、
Yは、−NR−Z−NR−、または直接結合であり、
、R:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいフェニル基であり、
Zは、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基であり、
Tは、一般式(5)で示される置換基、または一般式(6)で示される置換基であり、
Qは、水酸基、アルコキシル基、一般式(5)で示される置換基、または一般式(6)である。
一般式(5):
一般式(6):
一般式(5)及び一般式(6)中、
Xは、−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−、または直接結合であり、
vは、1〜10の整数であり、 R、及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR 、及びRとで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む、置換されていてもよい複素環残基であり、
は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、また
は置換されていてもよいフェニル基であり、
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいフェニル基であり、
Yは、−NR−Z−NR−、または直接結合であり、
、R:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいフェニル基であり、
Zは、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基である。
一般式(1)〜一般式(4)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、及び1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
塩基性基を有する色素誘導体を構成する有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、及び金属錯体系色素等の色素である。好ましくは、ジケトピロロピロール系色素、キノフタロン系色素、アントラキノン系色素である。
また、塩基性基を有するアントラキノン誘導体および塩基性基を有するアクリドン誘導体は、メチル基及びエチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基、または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよい。
また、塩基性基を有するトリアジン誘導体を構成するトリアジンは、 アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)、およびフェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
本発明の塩基性基を有する色素誘導体、アントラキノン誘導体およびアクリドン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素、アントラキノンもしくは アクリドンに式(7)〜式(10)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して式(1)〜式(4)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
一般式(7):
−SO2Cl
一般式(8):
−COCl
一般式(9):
−CH2NHCOCH2Cl
一般式(10):
−CH2Cl
一般式(7)〜(10)と上記アミン成分の反応時、一般式(7)〜(10)の一部が加水分解して、塩素が水酸基に置換したものが混在していてもよい。その場合、一般式(7)、一般式(8)はそれぞれスルホン酸基、カルボン酸基となるが、何れも遊離酸のままでもよく、また、1〜3価の金属または上記のモノアミンとの塩であってもよい。
また、有機色素がアゾ系色素である場合は、式(1)〜式(4)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系色素誘導体を製造することもできる。
本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に式(1)〜式(4)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
C.I.ピグメントレッド177を用いた分散体1の色素誘導体(B)の配合量は、顔料100重量部に対し8重量部以下であり、好ましくは1〜8重量部、更に好ましくは3〜8重量部、最も好ましくは4〜7重量部である。色素誘導体が1重量部未満であると添加した効果が得られ難く、8重量部を超えると明度が著しく低下する。
C.I.ピグメントレッド254を用いた分散体2の色素誘導体(B)の配合量は、特に限定されないが、明度の観点からは顔料100重量部に対し10重量部以下であり、好ましくは2〜10重量部、更に好ましくは3〜9重量部、最も好ましくは5〜8重量部である。色素誘導体が2重量部未満であると添加した効果が得られ難く、10重量部を超えると明度が著しく低下する。
本明細書において、本明細書において、C.I.ピグメントレッド177およびC.I.ピグメントレッド254のソルトミリング等の処理で使用される色素誘導体(B)は、上記配合量に含まないものとする。これは、ソルトミリング等で顔料に処理された色素誘導体の多くは分散に寄与していない事が確認され、明度の低下に影響する割合がわずかであるためである。
本発明の塩基性基を有する色素誘導体の具体例を、化合物番号を付して以下に示すが、これらに限定されるわけではない。
化合物1
化合物2
化合物3
化合物4
化合物5
化合物6
着色組成物に使用する顔料の化学構造と、上記有機色素残基の化学構造は必ずしも一致しなければいけないものではないが、最終的に製造されるインキ等の色相を考慮すれば、緑系の分散に使用する際には青系、緑系、または黄色系の色素誘導体、および黄色系顔料の分散に使用する際には黄色系の色素誘導体、赤系顔料の分散に使用する際には赤系、オレンジ系または黄色系の色素誘導体、青系顔料の分散に使用する際には青系または紫系の色素誘導体、のように分散する顔料の色相に近いもの、もしくは無色のものを使用した方が色相的に優れた顔料分散体を製造することができる。
<分散剤(C)>
分散体1で使用する分散剤(C)は、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を片末端に有する、数平均分子量が5000以上である直鎖状の分散剤(C1)、および/または、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を主鎖に有する、側鎖の数平均分子量が5000以上である櫛型の分散剤(C2)である。側鎖の数平均分子量は、好ましくは5000〜50000であり、より好ましくは5000〜30000である。
顔料に吸着した前記色素誘導体(B)と分散剤(C)が塩形成することで、立体障害基として作用し、顔料の分散安定化が付与される。
(色素誘導体(B)と塩形成する部位(x))
前記(x)は前記色素誘導体(B)と塩形成するものであれば特に限定されず、色素誘導体(B)が塩基性基を有する場合は例えばスルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基などの酸性官能基が挙げられる。色素誘導体(B)が酸性基を有する場合は例えば1級、2級、3級アミノ基等の塩基性官能基が挙げられる。
(色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を除く部分)
前記分散剤(C)の(x)以外の部分は、溶媒に親和性のあるものであれば特に限定されず、例えばアルキル鎖、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ビニル系重合体等が挙げられるが、合成の簡便性、溶媒親和性制御のしやすさからポリエステル、又はビニル系重合体であることが特に好ましい。
(直鎖状の分散剤(C1))
直鎖状の分散剤(C1)は、すべて公知の方法を利用して製造することができ、例えば、特開2009−251481号公報、特開2007−23195号公報、特開1996−143651号公報、に示されるような公知の方法を利用して合成することが出来る。直鎖の分散剤(C1)の製造方法の一例として、(x)がカルボキシル基である分散剤は、片末端に1つの水酸基を有するビニル系重合体を原料として、トリメリット酸無水物を水酸基に付加することによって製造することが出来る。
前記直鎖状の分散剤(C1)における数平均分子量とは、例えば上記の製造方法においてはトリメリット酸無水物を水酸基に付加させたビニル系重合体全体の分子量を指す。
(櫛形の分散剤(C2))
櫛型の分散剤(C2)はすべて公知の方法を利用して製造することができ、例えば、特開2009−251481号公報、特開2009−251481号公報に示されるような公知の方法を利用して合成することが出来る。櫛型の分散剤(C2)の製造方法の一例として、(x)がカルボキシル基である分散剤は、片末端に2つの水酸基を有するビニル系重合体を原料として、ピロメリット酸無水物を水酸基に付加することによって製造することが出来る。
前記櫛型の分散剤(C2)における側鎖の数平均分子量とは、例えば上記の製造方法においては片末端に2つの水酸基を有するビニル系重合体の分子量を指す。
本発明に用いる分散剤(C)において、(x)がカルボキシル基であるものが好ましく、片末端に水酸基を有する重合体(X)と、芳香族トリカルボン酸無水物(Y1) および/または芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)とを反応させてなる芳香族カルボキシル基を有する分散剤であることが好ましい。
片末端に水酸基を有する重合体(X)はすべて公知の方法を利用して製造することができる。例えば、特開2009−251481号公報に示されるような方法で、分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物をエチレン性不飽和単量体と混合して加熱することで得ることができる。
分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物としては、例えば、 メルカプトメタノール、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1−プロパノール、1−メルカプト−2−ブタノール、及び2−メルカプト−3−ブタノール、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
芳香族トリカルボン酸無水物(Y1)としては、例えば、ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物)等)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物等)、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、及び3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)としては、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
色素誘導体(B)と分散剤(C)の好ましい組み合わせとして、色素誘導体(B)が塩基性基を有し、分散剤(C)が、片末端に水酸基を有する重合体(X)と、芳香族トリカルボン酸無水物(Y1) および/または芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)とを反応させてなる芳香族カルボキシル基を有する分散剤(P)であることが好ましい。
分散体2で使用する分散剤(C)は特に限定されないが、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を片末端に有する直鎖状の分散剤、および/または、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を主鎖に有する櫛型の分散剤である。側鎖の数平均分子量は、好ましくは2500〜50000であり、より好ましくは2500〜30000である。
<カラーフィルタ用着色組成物の製造方法>
本発明は、(i)C.I.ピグメントレッド177、色素誘導体(B)および分散剤(C)を混合し分散体1を製造する第一の工程と、
(ii)C.I.ピグメントレッド254、色素誘導体(B)および分散剤(C)を混合し分散体2を製造する第二の工程と、
(iii)上記分散体1と分散体2を混合し、分散体3を製造する第三の工程と、
(iV)さらに、光重合開始剤、光重合性単量体を混合し、カラーフィルタ用着色組成物を製造する第四の工程と、を有する。
第一の工程と、第二の工程の順は問わず、分散体1、分散体2をそれぞれ分けて作製すれば良い。第三の工程を経た後に、第4の工程を行うことにより、明度が高いカラーフィルタ用着色組成物を得ることができる。これは、第一の工程および第二の工程により形成された分散状態をできるだけ維持したままで、カラーフィルタ着色組成物を製造する事により、耐熱性の低い顔料に未吸着の色素誘導体由来成分が、カラーフィルタ表面に偏析する事を抑制できるためであると考えられる。
<第一の工程および第二の工程>
色素誘導体(B)および分散剤(C)は、前記分散体1と前記分散体2で、同じものを用いてもよいし異なるものであっても良い。分散体1および分散体2は、必要により各種溶剤、バインダー樹脂、添加剤等を混合して、ロール分散機、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより調製することができる。
<第三の工程>
分散体1と分散体2を混合する方法は第一の工程および第二の工程により形成された分散状態を維持したまま攪拌混合できるものであれば特に限定されず一般的な撹拌方法を用いることができ、例えば、平型攪拌羽根、プロペラ型攪拌羽根、溶解型攪拌羽根、アンカー型攪拌羽根等を取り付けた攪拌装置やスキャンデックス、ペイントコンディショナー、サンドミル等が挙げられ、これらを組み合わせて行うことができる。好適な例としてPRIMIX社製ホモディスパー等で攪拌混合する方法が挙げられる。
<第四の工程>
さらに、光重合開始剤、光重合性単量体を混合する方法は特に限定されず上記の一般的な撹拌方法を用いることができ、好適な例としてPRIMIX社製ホモディスパー等で攪拌混合する方法が挙げられる。光重合開始剤、光重合性単量体はそれぞれ別に加えても良いし、予め混合した組成物として加えても良い。
第四の工程では、さらに溶剤、バインダー樹脂を用いることもできる。
<溶剤>
溶剤としては、例えば、
1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、又は二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独で若しくは混合して用いる。
<バインダー樹脂>
第一の工程、第二の工程、および第四の工程ではバインダー樹脂を用いることができる。バインダー樹脂は、顔料(A)および色素誘導体(B)を分散するもの、もしくは染色、浸透させるものであって、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(感光性樹脂)を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をアルカリ現像型着色レジスト材に用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで着色剤が固定され、耐熱性が良好になり、着色剤の熱による退色(明度低下)を抑制できる。また、現像工程においても着色剤成分の凝集・析出を抑制する効果もある。
感光性樹脂を使用する場合は、第四の工程で用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
エチレン性不飽和二重結合の導入方法としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用着色組成物として好ましい。
上記熱可塑性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、またはα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、またはイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性向上の観点から、エポキシ樹脂、メラミン樹脂がより好適に用いられる。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤(A)を好ましく分散させるためには、5,000〜80,000の範囲が好ましく、より好ましくは7,000〜50,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、および「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
また、着色剤の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である場合がある。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
バインダー樹脂は、着色剤100重量部に対し、20〜500重量部の量で用いることが好ましい。20重量部未満では、成膜性および諸耐性が不十分となり、500重量部より多いと着色剤の濃度が低くなり、色特性を発現できない場合がある。
<光重合性単量体>
本発明に用いることのできる光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、顔料(A)を含む着色剤の全重量を基準(100重量%)として、5〜400重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量%であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<光重合開始剤>
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、顔料(A)を含む着色剤の全量を基準(100重量%)として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量を基準(100重量%)として、3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、更に好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
カラーフィルタ用着色組成物は溶剤現像型あるいはアルカリ現像型カラーフィルタ用着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型カラーフィルタ用着色組成物は、一般的にはバインダー樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は感光性樹脂)と、エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤と、有機溶剤と分散体を混合したものである。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
実施例中に記載するパラメータの測定方法について説明する。
<数平均分子量>
本発明の樹脂の分子量は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
実施例に先立ち、微細化顔料(A)、分散剤(C)、バインダー樹脂、の製造方法について説明する。
<微細化顔料の製造>
(微細化顔料(A−1):PR177)
アントラキノン系赤色顔料C.I.Pigment Red177(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(化合物6)5部、粉砕した食塩800部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で5時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、赤色微細化顔料(A−1)を得た。
(微細化顔料(A−2):PR177)
アントラキノン系赤色顔料C.I.Pigment Red177(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、マルキード32(荒川化学社製)を9部、粉砕した食塩800部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で7時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、赤色微細化顔料(A−2)を得た。
(微細化顔料(A−3):PR254)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.Pigment Red254(BASF社製「イルガフォアレッドB-CF」)100部、色素誘導体(化合物6)7部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で7時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、赤色微細化顔料(A−3)を得た。
(微細化顔料(A−4):PR254)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.Pigment Red254(BASF社製「イルガフォアレッドB-CF」)100部、マルキード32(荒川化学社製)を10部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で8時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、赤色微細化顔料(A−4)を得た。
<櫛型の分散剤(C2)の製造>
(櫛型の分散剤(C2−1))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート45.0部、メタクリル酸15.0部、エチルアクリレート40.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール1.0部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.3部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、数平均分子量が9500であった。次に、リカシッドBT−100(新日本理化製)を8.0部、シクロヘキサノン69.2部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.2部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分が50重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して調製し、数平均分子量25000の櫛型の分散剤(C2−1)の溶液を得た。
(櫛型の分散剤(C2−2))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート45.0部、メタクリル酸15.0部、エチルアクリレート40.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール3.2部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.3部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、数平均分子量が5900であった。次に、リカシッドBT−100(新日本理化製)を8.1部、シクロヘキサノン69.2部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.2部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分が50重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して調製し、数平均分子量15000の櫛型の分散剤(C2−2)の溶液を得た。
(櫛型の分散剤(C2−3))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート45.0部、メタクリル酸15.0部、エチルアクリレート40.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール9.6部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.3部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、数平均分子量が3500であった。次に、リカシッドBT−100(新日本理化製)を24.3部、シクロヘキサノン69.2部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.2部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分が50重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して調製し、数平均分子量10000の櫛型の分散剤(C2−6)の溶液を得た。
<バインダー樹脂の製造例>
(バインダー樹脂(D−1))
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸12.3部、メタクリル酸ベンジル49.2部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM−110」)24.2部、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート14.3部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約30000であった。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が50重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂(D−1)溶液を調製した。
[実施例1]
<分散体1−1>
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し分散体1−1を作製した。
・顔料A(A−2) 12.12部
・色素誘導体B(B−1) 0.88部
・分散剤C(C2−2) 10.80部
・バインダー樹脂(D−1) 3.20部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.00部
(色素誘導体B−1)
化合物5

<分散体2−1>
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し分散体2−1を作製した。
・顔料A(A−3) 11.00部
・色素誘導体B(B−2) 0.50部
・色素誘導体B(B−3) 0.50部
・分散剤C(C2−3) 10.80部
・バインダー樹脂(D−1) 5.20部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 72.00部
(色素誘導体B−2)
化合物1
(色素誘導体B−3)
化合物11


<カラーフィルタ用着色組成物>
(カラーフィルタ用着色組成物Y−1)
分散体1−1および分散体2−1をPRIMIX社製T.K.ホモディスパーを用いて均一になるように攪拌混合して分散体3−1を作製した。
・分散体1−1 23.4部
・分散体2−1 28.6部
次いで、分散体3−1に下記組成の混合物を加え、PRIMIX社製T.K.ホモディスパーを用いて均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、カラーフィルタ用着色組成物(Y−1)を得た。
・光重合性単量体 15.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」 トリメチロールプロパントリアクリレート)
・光重合開始剤 2.0部
(BASF社製「イルガキュアー907」 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン))
・増感剤 1.2部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」 4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン)
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 29.8部
[実施例2〜11]
表1に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ用着色組成物Y2〜Y11を得た。
[比較例1〜6]
表1に示す材料および配合量、製造方法に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ用着色組成物Y12〜Y17を得た。
<カラーフィルタ用着色組成物(レジスト)の評価>
得られたカラーフィルタ用着色組成物(レジスト)について、粘度、CR、明度に関する試験を以下の方法で行った。評価試験の結果を表1に示す。
〈粘度特性の測定〉
カラーフィルタ用緑色着色組成物(レジスト)の粘度は、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて回転数20rpmにおける粘度を測定した。さらに回転数が6rpmと60rpmにおける粘度の比(チキソインデックスと呼び、値が大きいほどチキソトロピックス性が高い)を求め、チキソトロピック性の評価を行った。
判定基準は次の通りである。
◎:粘度 2.8以上3.0未満 :非常に良好なレベル
○:粘度 3.2以上3.4未満 :良好なレベル
△:粘度 3.4以上3.5未満 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:粘度 3.5以上 :実用には適さないレベル
×× :評価不能
得られたカラーフィルタ用着色組成物(レジスト)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、回転数を変えて、230℃での熱処理後の顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定したC光源におけるx値がx=0.658を挟んだ3枚の基板となるように塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで230℃で60分間加熱、放冷後、得られた塗膜基板のそれぞれx値およびコントラスト比を測定し、3点のデータからC光源でx=0.658におけるコントラストを一次相関法で求めた。
判定基準は次の通りである。
◎:コントラスト 16000以上 :非常に良好なレベル
○:コントラスト 15000以上16000未満 :良好なレベル
△:コントラスト 14000以上15000未満 :○より劣るが実用可能なレベル
×:コントラスト 14000未満 :実用には適さないレベル
×× :評価不能
〈明度の測定〉
得られたカラーフィルタ用着色組成物(レジスト)を、をスピンコーターにて、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定したC光源のおけるx値がx=0.658になるように、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に塗布し、50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で60分焼成し、得られたカラーフィルタ用着色組成物の塗布基板を得た。得られた塗布基板を用いて、明度(C光源におけるY値)を測定した。
判定基準は以下の通りである。
◎:明度 19.1以上 :非常に良好なレベル
○:明度 18.9以上19.1未満 :良好なレベル
△:明度 18.7以上18.9未満 :○より劣るが実用可能なレベル
×:明度 18.7未満 :実用には適さないレベル
×× :評価不能
〈保存安定性〉
得られたカラーフィルタ用着色組成物(レジスト)について、下記の方法で保存安定性を評価した。
カラーフィルタ用着色組成物(レジスト)を調製した翌日の初期粘度と、40℃で1週間、経時促進させた経時粘度を、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定した。この初期粘度及び経時粘度の値から、下記式で経時粘度変化率を算出し、保存安定性を3段階で評価した。
[経時粘度変化率]=|([初期粘度]−[経時粘度])/[初期粘度]|×100
○ : 変化率5%未満のもの
△ : 変化率5%〜10%のもの
× : 変化率10%以上のもの
表1において、分散体1と分散体2の混合順は下記の通りである。
・ 先に混合:分散体1と分散体2を混合し分散体3を作製した後に、光重合開始剤および光重合性単量体を混合する
・ 後で混合:分散体1に光重合開始剤および光重合性単量体を混合した後に、さらに分散体2を混合する
表1に示すとおり、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、比較例に示す着色組成物に比べ、初期粘度、保存安定性を維持しながら、高明度化を達成することが出来た。



Claims (5)

  1. 顔料(A)と、色素誘導体(B)と、前記色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を有する分散剤(C)を含有するカラーフィルタ用着色組成物の製造方法であって、
    (i)顔料(A)としてC.I.ピグメントレッド177、色素誘導体(B)および分散剤(C)を混合し分散体1を製造する第一の工程と、
    (ii)顔料(A)としてC.I.ピグメントレッド254、色素誘導体(B)および分散剤(C)を混合し分散体2を製造する第二の工程と、
    (iii)前記分散体1と分散体2を混合し、分散体3を製造する第三の工程と、
    (iV)さらに、光重合開始剤、光重合性単量体を混合してカラーフィルタ用着色組成物を製造する第四の工程と、を有し、
    前記分散体1において、色素誘導体(B)が、C.I.ピグメントレッド177、100重量部に対し8重量部以下であり、かつ、分散剤(C)が、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を片末端に有する、数平均分子量が5000以上である直鎖状の分散剤(C1)、および/または、色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)を主鎖に有する、側鎖の数平均分子量が5000以上である櫛形の分散剤(C2)であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物の製造方法。
  2. 色素誘導体(B)が塩基性基を有し、分散剤(C)中の色素誘導体(B)と塩形成する部位(x)が酸性基を有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法。
  3. 色素誘導体(B)が、塩基性基を有する色素誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するトリアジン誘導体、及び塩基性基を有するアクリドン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法。
  4. 分散剤(C)が、片末端に水酸基を有する重合体(X)と、芳香族トリカルボン酸無水物(Y1) および/または芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)とを反応させてなる、芳香族カルボキシル基を有する分散剤であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法。
  5. 基板上に、請求項1〜4いずれか記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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