JP2016082175A - Sm−Fe−N系磁石成形体およびその製造方法 - Google Patents

Sm−Fe−N系磁石成形体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】品質安定性、生産性および加工歩留まりが向上した、より量産に適したSm−Fe−N系磁石成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、Sm−Fe−N系磁石粉末を、1〜5GPaの成形面圧で冷間圧密成形し、相対密度80%以上のSm−Fe−N系磁石成形体を得る冷間圧密成形工程を有するSm−Fe−N系磁石成形体の製造方法が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、Sm−Fe−N系磁石成形体およびその製造方法に関し、より詳細には、生産性が高く、磁力をより向上し得るSm−Fe−N系磁石成形体およびその製造方法に関する。
希土類元素と遷移金属からなる希土類磁石は、結晶磁気異方性、飽和磁化ともに大きいため、永久磁石として多様な用途に有望である。なかでもSm−Fe−N系磁石に代表される希土類−遷移金属−窒素系磁石は、高価な原料を使用しなくとも優れた磁気特性を示すことが知られている。
また、現在、用いられている希土類磁石には、主に焼結磁石とボンド磁石の2種類がある。焼結磁石は、Nd−Fe−B系磁石に代表されるように、高温で焼結して形成体が製造されている。焼結磁石の場合、磁石原料粉末には磁気特性が乏しく、液相が発生する程度の高温に加熱することで優れた磁気特性が発現する。一方、ボンド磁石は、室温で、優れた磁気特性を有する磁石原料粉末を樹脂で固化成形して用いられている。
Sm−Fe−N系磁石は永久磁石として有望である一方、熱的安定性に欠けるという欠点がある。Sm−Fe−N系磁石を600℃を超えて加熱すると希土類窒化物とα−Feに分解するため、従来の粉末冶金法のように焼結法で磁石成形体を作製することができない。そのため、ボンド磁石用の磁石粉末として用いられてきたが、この場合、バインダとして樹脂の体積が全体の約3割を占めるため、十分な磁力を得ることができない。
そこで、Sm−Fe−N系磁石成形体の作製においては、磁石粉末以外の物質をできるだけ含有させない磁石成形体が得られるような、固化成形方法が求められている。このような固化成形法として、現在までに、例えば、特許文献1に記載されている、爆薬を用いた粉末衝撃成形法が検討されている。
特許第3108232号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の爆薬を用いた粉末衝撃成形法は、品質安定性(磁気特性ばらつき)、生産性(量産サイクルタイム)、加工歩留まり(ニアネットシェイプ成形の可否)に課題がある。さらに爆薬を用いた粉末衝撃成形法は、相対密度90%を超えるSm−Fe−N系バルク磁石(磁石成形体)が得られるが、爆薬を用いる手法であるため、量産手法としては制約がある。また、衝撃力が大きすぎるため、Sm−Fe−N系磁石が希土類窒化物とα−Feに分解し、磁気特性を低下させてしまう。
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、品質安定性、生産性および加工歩留まりが向上した、量産に適したSm−Fe−N系磁石成形体とその製造方法を提供することを目的とする。さらに、磁気特性に優れるSm−Fe−N系磁石成形体とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、本発明のSm−Fe−N系磁石成形体の製造方法は、Sm−Fe−N系磁石粉末を、成形型中で、1〜5GPaの成形面圧で冷間圧密成形し、相対密度80%以上のSm−Fe−N系磁石成形体を得る冷間圧密成形工程を有する。
また、本発明のSm−Fe−N系磁石成形体は、焼結することなく、かつ爆薬を用いた粉末衝撃成形法を用いることなく、冷間圧密成形で作製されてなる、相対密度が80%以上であることを特徴とする。
本発明によれば、品質安定性、生産性および加工歩留まりが向上した、量産に適したSm−Fe−N系磁石成形とその製造方法を提供することができる。さらに、磁気特性に優れるSm−Fe−N系磁石成形体とその製造方法を提供することができる。
第一実施形態の製造方法を説明するためのフローチャートである。 第二実施形態の製造方法を説明するためのフローチャートである。 第三実施形態の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図4(a)は成形型の好ましい一例を示す模式図であり、図4(b)は図4(a)の成形型の断面図である。 図5(a)は、図4の「成形型10」を用いた高速インパクトプレス機の例を模式的に示した部分断面図であり、図5(b)は、図5(a)の高速インパクトプレス機を用いてプレスした状態を模式的に示した部分断面図である。 実施例1のSm−Fe−N系磁石成形体(15種類)の試料の冷間圧密成形時の成形面圧と相対密度の関係を表すグラフである。 実施例3のSm−Fe−N系磁石成形体(26種類)の試料の冷間圧密成形時の成形面圧と相対密度の関係を表すグラフである。 実施例4のSm−Fe−N系磁石成形体(3種類)の試料の外観写真を示す図面である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態の製造方法は、図1に示すように、準備工程(S11)と、冷間圧密成形工程(S12)と、熱処理工程(S13)と、を有する。準備工程(S11)は、Sm−Fe−N系磁石粉末を用意する工程であり、任意である。冷間圧密成形工程(S12)では、Sm−Fe−N系磁石粉末を、成形型中で、1〜5GPaの成形面圧で冷間(室温)で圧密成形し、相対密度80%以上のSm−Fe−N系磁石成形体を得る。熱処理工程(S13)では、冷間圧密成形工程(S12)で得られた成形体を、350〜600℃の温度で1〜120分加熱する。しかしながら、準備工程(S11)および熱処理工程(S13)は任意の工程である。このようにして、製品である磁石成形体が得られる。
(準備工程(S11))
本実施形態のSm−Fe−N系磁石成形体は、Sm−Fe−N系磁石粉末を用いて成形する。Sm−Fe−N系磁石粉末は、Sm−Fe−Nを主成分とする磁石相を含有する。上記したとおり、Sm−Fe−N系磁石粉末は、磁気特性に優れるため、永久磁石として有望である。原料となるSm−Fe−N系磁石粉末は、市販品を用いてもよく、自ら調製してもよい。また、Sm−Fe−N系磁石粉末に、金属バインダをブレンドして使用することも好ましい。Sm−Fe−N系磁石粉末の市販品を使用する場合には、特に準備工程は必要ない。しかし、自ら原料となるSm−Fe−N系磁石粉末を調製する場合、および、金属バインダとのブレンド粉を使用する場合には、磁石成形体の原料粉末を用意する準備工程を行う。なお、ブレンド粉もSm−Fe−N系磁石粉末と称する場合がある。
(微粉砕によりSm−Fe−N系磁石粉末を得る工程)
Sm−Fe−N系磁石粉末を調製する場合には、Sm−Fe−N系磁石粗粉を微粉砕し、Sm−Fe−N系磁石粉末を得ることができる。Sm−Fe−N系磁石粉末の大きさ(平均粒子径)は、本実施形態の作用効果を有効に発現し得る範囲内であればよいが、小さい程保磁力が高くなるため、10μm以下になるまで微粉砕することが好ましい。より好ましくは0.1〜8μm、さらに好ましくは0.5〜6μmの範囲である。Sm−Fe−N系磁石粉末の平均粒子径が10μm以下であれば、保磁力に優れた磁石成形体が得られる。なお、Sm−Fe−N系磁石粉末として市販品を用いる場合にも、粉末の平均粒子径は10μm以下、より好ましくは0.1〜8μm、さらに好ましくは0.5〜6μmである。
ここで、磁石粉末の平均粒子径は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)観察、TEM(透過型電子顕微鏡)観察などにより粒度分析(測定)することができる。なお、磁石粉末またはその断面の中には、球状ないし円形状(断面形状)ではなく、縦横比(アスペクト比)が違う不定形状の粉末が含まれている場合もある。したがって、上記でいう平均粒子径は、磁石粉末の形状(ないしその断面形状)が一様でないことから、観察画像内の各磁石粉末の切断面形状の絶対最大長の平均値で表すものとする。絶対最大長とは、磁石粉末(ないしその断面形状)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の長さをいう。この他にも、例えば、X線回折における(Sm−Fe−Nを主成分とする)希土類磁石相の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、または透過型電子顕微鏡像より得られる磁石粉末の粒子径の平均値を求めることにより得ることもできる。なお、他の平均粒子径の測定方法についても、同様にして求めることができる。
Sm−Fe−N系磁石粗粉は、市販品を用いてもよいし、自ら調製してもよい。Sm−Fe−N系磁石粗粉は、例えば、サマリウム酸化物、鉄粉から還元拡散法によりSmFe合金粉末を製造して、Nガス、NHガス、NとHガスの混合ガスなどの雰囲気中で600℃以下の加熱処理(窒化処理)を施すことでSmFeNとしたものを用いることができる。また、SmFe合金を、溶解法で製造し、粗粉砕して得られた粉末に上記と同様の窒化処理を施したものを用いてもよい。
Sm−Fe−N系磁石粗粉を所望の平均粒子径になるまで微粉砕する方法としては、特に制限はなく、公知の粉砕機を使用することができる。好ましくは、乾式ジェットミル、または、湿式ビーズミルを使用することができる。乾式ジェットミルは、平均粒子径が2μm以下になるまで細かく粉砕することは技術的に困難であるが、微粉砕した磁石粉末が不純物を含みにくいという点で有利である。一方、湿式ビーズミルは、磁石粉末を有機溶媒中で粉砕するため、乾式ジェットミルに比較して得られる磁石粉末中の不純物量が若干多くなる傾向にあるが、磁石粉末を平均粒子径を2μm以下にまで微細に粉砕できる。そのため、得られる成形体の保磁力を高くできる点で有利である。
Sm−Fe−N系磁石粗粉を微粉砕して自ら調製する場合には、準備工程以後の工程、すなわち、準備工程、冷間圧密成形工程および熱処理工程を不活性雰囲気下で実施することが好ましい。不活性雰囲気下とは、実質的に酸素を含まない雰囲気下を意味する。不活性雰囲気下であれば、磁石の性能は不純物量と関連があるため、酸素などの不純物量が多くなり、磁気特性が低下することを防止できる。さらに、微粉砕したSm−Fe−N系磁石粉末を加熱する際、酸化により磁気特性が激しく劣化し、粉末が燃焼することを防止しうる。
不活性雰囲気としては、窒素、希ガスなどの不活性ガス雰囲気とすることができる。不活性雰囲気下では、酸素濃度が100ppm以下であることが好ましく、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。なお、Sm−Fe−N系磁石粉末として市販品を用いる場合には、粉末が表面処理されているため、不活性雰囲気下で以後の工程を実施する必要はない。Sm−Fe−N系磁石粗粉を微粉砕してSm−Fe−N系磁石粉末を得る場合には、微粉が表面処理されていない分、不活性雰囲気下で実施することで、磁気特性のよりよい磁石成形体が得られる。
以下、本実施形態で用いうるSm−Fe−N系磁石粉末について説明する。
(Sm−Fe−N系磁石粉末)
Sm−Fe−Nを主成分とする磁石粉末としては、より具体的には、以下のように例えば、SmFe17(ここで、xは、好ましくは1〜6、より好ましくは1.1〜5、更に好ましくは1.2〜3.8、より好ましくは1.7〜3.3、特に好ましくは2.0〜3.0)、SmFe17、(Sm0.75Zr0.25)(Fe0.7Co0.3)N(ここで、xは、好ましくは1〜6である)、SmFe11TiN(ここで、xは好ましくは1〜6である)、(SmZrFe848515、SmFe93(ここで、xは、好ましくは1〜20である)などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。より好ましくは、SmFe17(x=1.7〜3.3)、より好ましくはSmFe17(x=3.0)を主成分とする磁石粉末が望ましい。これは、異方性磁界と飽和磁化が大きく、磁気特性に優れるためである。これらSm−Fe−N系磁石粉末は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の磁石粉末の主成分(Sm−Fe−N)の含有量としては、Sm−Fe−Nを主成分とするものであればよく、Sm−Fe−Nを磁石粉末全体に対して50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは90〜99質量%である。なお、さらに好ましい範囲の上限値を99質量%とし、100質量%としていないのは、表面の酸化物や不可避的不純物が含まれている為である。すなわち、本実施形態では50質量%以上であればよく、100質量%のものを使用することも可能であるが、実際上、表面の酸化物や不可避的不純物を取り除くことは困難かつ複雑ないし高度な精製(精錬)技術を用いる必要があり、高価である。
さらに、Sm−Fe−Nを主成分とする希土類磁石相には、他の元素を含有したものも本実施形態の技術範囲に含まれるものである。含有してよい他の元素としては、例えば、Ga、Nd、Zr、Ti、Cr、Co、Zn、Mn、V、Mo、W、Si、Re、Cu、Al、Ca、B、Ni、C、La、Ce、Pr、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Th、MM、好ましくは、Feを置換するCo、Ni、Nを置換するB、Cなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。これらは1種単独又は2種以上を含有してもよい。これらの元素は主にSm−Fe−Nを主成分とする磁石相の相構造の一部と置換されるか、挿入されるなどして導入されるものである。
同様に、Sm−Fe−Nを主成分とする希土類磁石粉末は、Sm−Fe−N以外の他の希土類磁石相を含んでいてもよい。こうした他の希土類磁石相としては、Sm−Fe−N以外の他の既存の希土類磁石相が挙げられる。かかる他の既存の希土類磁石相としては、例えば、SmFe14B、SmCo14B、Sm(Fe1−xCo14B(ここで、xは好ましくは0≦x≦0.5である)、Sm15Fe77、Sm15Co77、Sm11.77Fe82.355.88、Sm11.77Co82.355.88、Sm1.1Fe、Sm1.1Co、SmFe10、SmCo10、(Sm1−xDy15Fe77(ここで、xは、好ましくは0≦y≦0.4である)、(Sm1−xDy15Co77(ここで、xは、好ましくは0≦y≦0.4である)、SmCo17(ここで、xは好ましくは1〜6である)、Sm15(Fe1−xCo77Al、Sm15(Fe0.80Co0.2077−yAl(ここで、yは、好ましくは0≦y≦5である)、(Sm0.95Dy0.0515Fe77.5Al0.5、(Sm0.95Dy0.0515(Fe0.95Co0.0577.56.5Al0.5Cu0.2、SmFe8020、Sm4.5Fe73CoGaB18、Sm5.5Fe66CrCo18.5、Sm10Fe74Co10SiB、Sm3.5Fe7818.5、SmFe76.518.5、SmFe77.518.5、Sm4.5Fe7718.5、Sm3.5DyFe73CoGaB18.5、Sm4.5Fe72CrCo18.5、Sm4.5Fe73SiB18.5、Sm4.5Fe71CrCo18.5、Sm5.5Fe66CrCo18.5、SmCo、SmCo17、SmCo、SmCo、SmCo、SmCo、SmCo等のSm−Co合金系、SmFe17、SmFe、SmFe等のSm−Fe合金系、CeCo、CeCo17、Ce24Co11、CeCo、CeCo、CeCo、CeCo19等のCe−Co合金系、NdFe17等のNd−Fe合金系、CaCu等のCa−Cu合金系、TbCu等のTb−Cu合金系、SmFe11Ti等のSm−Fe−Ti合金系、ThMn12等のTh−Mn合金系、ThZn17等のTh−Zn合金系、ThNi17等のTh−Ni合金系、LaFe14B、CeFe14B、PrFe14B、GdFe14B、TbFe14B、DyFe14B、HoFe14B、ErFe14B、TmFe14B、YbFe14B、YFe14B、ThFe14B、LaCo14B、CeCo14B、PrCo14B、GdCo14B、TbCo14B、DyCo14B、HoCo14B、ErCo14B、TmCo14B、YbCo14B、YCo14B、ThCo14B、YCo、LaCo、PrCo、NdCo、GdCo、TbCo、DyCo、HoCo、ErCo、TmCo、MMCo、MM0.8Sm0.2Co、Sm0.6Gd0.4Co、YFe11Ti、NdFe11Ti、GdFe11Ti、TbFe11Ti、DyFe11Ti、HoFe11Ti、ErFe11Ti、TmFe11Ti、LuFe11Ti、Pr0.6Sm0.4Co、Sm0.6Gd0.4Co、Ce(Co0.72Fe0.14Cu0.145.2、Ce(Co0.73Fe0.12Cu0.14Ti0.016.5、(Sm0.7Ce0.3)(Co0.72Fe0.16Cu0.12、Sm(Co0.69Fe0.20Cu0.10Zr0.017.4、Sm(Co0.65Fe0.21Cu0.05Zr0.027.67などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。これらは1種単独ででもよいし、2種以上を有していてもよい。その他、希土類磁石粉末は、不可避的な成分として、希土類磁石相の境界部などに存在する希土類酸化物相(SmO相)、Fe・希土類の不純物、Feリッチ相、Feプアー相や他の不可避的不純物等を含み得る。
本実施形態のSm−Fe−Nを主成分とする磁石粉末の形状としては、如何なる形状であってもよい。例えば、球形状、楕円形状(長軸方向に平行な中央部断面の縦横比(アスペクト比)が1.0を超えて10以下の範囲が望ましい)、円柱形状、多角柱(例えば、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、・・n角柱(ここで、mは7以上の整数である))形状、針状ないし棒状形状(長軸方向に平行な中央部断面の縦横比(アスペクト比)が1.0を超えて10以下の範囲が望ましい。)、板状形状、円板(円盤)形状、薄片形状、鱗片形状、不定形状などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。なお、Sm−Fe−Nの希土類磁石相は結晶構造を有しており、結晶成長により所定の結晶形状とすることもできる。
(金属バインダ)
本実施形態のSm−Fe−N系磁石粉末は、金属バインダをブレンドして用いることが好ましい。金属バインダをブレンドすることにより、後述する冷間圧密成形の際に、金属バインダ成分同士の結合により、成形性が向上する。したがって、得られた磁石成形体は機械的強度に優れる。さらに、金属バインダが成形時に発生する内部応力を緩和することができるため、欠陥の少ない磁石成形体を得ることができる。さらに、金属粒子をバインダとして使用することにより、高温の環境においても使用可能な磁石成形体を得ることができる。金属バインダをブレンドする際には、特に制限はなく、Sm−Fe−N系磁石粉末と金属バインダ粉末とが、均一になるまで混合機等で混合すればよい。なお、金属バインダは、ボンド磁石における高分子バインダと比較して相当程度の少量を使用すればよいため、磁気特性に影響しその低下をもたらす恐れはない。
金属バインダは、Sm−Fe−N磁石粉末(金属バインダを含む)の全質量に対して30質量%以下含まれることが好ましく、より好ましくは、0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%含むことができる。金属バインダが30質量%以下であれば、磁石成形体の磁気特性を損なう恐れがない。また、0.1質量%以上であれば、バインダとしての効果が十分に発揮される。
金属バインダとしては、金属バインダ粒子の塑性変形に伴うエネルギーの弾塑性比が50%以下の非磁性金属粒子(以下、弾塑性比が50%以下の非磁性金属粒子とも略記する)が好ましい。弾塑性比が50%以下の変形しやすい粒子が、磁石成形体中の応力を緩和しバインダとして有効に機能するためである。金属バインダが軟質過ぎると付着強度が小さくなりすぎるので、軟質金属でも2.5%程度の弾塑性比があった方が好ましい。弾塑性比としては、好ましくは2.5〜50%、より好ましくは2.5〜45%、特に好ましくは2.5〜40%の範囲である。金属バインダの塑性変形に伴うエネルギーの弾塑性比は、ナノインデンテーション法を用いて、変形のし易さの指標として定義した。
ナノインデンテーション法は、実験装置の基盤上に載置した試料の表面にダイヤモンド製の三角錐の圧子をある荷重まで押し込んだ(圧入)後、その圧子を取り除く(除荷)までの荷重(P)と変位(圧入深さh)の関係(圧入(負荷)−除荷曲線)を測定する方法である。圧入(負荷)曲線は材料の弾塑性的な変形挙動を反映し、除荷曲線は弾性的な回復挙動により得られる。そして、負荷曲線と除荷曲線と横軸で囲まれた面積が、塑性変形に消費したエネルギーEpである。また負荷曲線の最大荷重点から横軸(圧入深さh)に下ろした垂線と除荷曲線とで囲まれた面積が、弾性変形で吸収されたエネルギーEeである。以上から、粒子の塑性変形に伴うエネルギーの弾塑性比=Ep/Ee×100(%)として求められる。例えば、実施例で用いたZn粒子は弾塑性比50%以下である。
弾塑性比が50%以下の変形しやすい非磁性金属粒子としては、Ni、Co、Fe以外の金属元素であり、粉末として得られるものであれば使用することができる。具体体的には、Zn、Cu、Sn、Bi、InおよびAlの少なくとも一種の軟質の金属または合金などが好適に用いられる。このうち、特にZnが好ましい。ただし、本実施形態では、これらに何ら制限されるものではない。
金属バインダの形状としては、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば如何なる形状であってもよい。例えば、球形状、楕円形状(長軸方向に平行な中央部断面の縦横比(アスペクト比)が1.0を超えて10以下の範囲が望ましい)、円柱形状、多角柱(例えば、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、・・N角柱(ここで、Nは7以上の整数である。))形状、針状ないし棒状形状(長軸方向に平行な中央部断面の縦横比が1.0を超えて10以下の範囲が望ましい。)、板状形状、円板(円盤)形状、薄片形状、鱗片形状、不定形状などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
金属バインダの平均粒子径としては、本実施形態の作用効果を有効に発現し得る範囲内であればよく、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜8μm、より好ましくは0.1〜7μmの範囲である。金属バインダ(上記非磁性金属粒子)の平均粒子径が0.01〜10μmであれば、磁石特性(保磁力、残留磁束密度、密着性)に優れた所望の磁石成形体とすることができる。
本実施形態においては、高分子、特に有機高分子からなるバインダは使用しないことが好ましい。有機高分子のバインダは、ボンド磁石成形体に占める割合が3割程度と大きいが、磁石としては機能しないため、磁石成形体の磁気特性は低下してしまうためである。本実施形態は、高分子のバインダを含まなくとも冷間圧密成形によって磁石成形体(バルク磁石)を得られるため、有機高分子バインダによる磁気特性の低下を防止できる点で優れている。また、融点の低い高分子バインダを使用しないことにより、より高温の環境においても使用可能な磁石を得ることができる。また、本実施形態の磁石形成体(バルク磁石)は、ボンド磁石に対して、こうした樹脂が不要となり軽量化できる。しかしながら、本実施形態には、高分子バインダを磁気特性の低下がない程度に微量に含む場合も包含される。
(冷間圧密成形工程(S12))
冷間圧密成形工程(S12)は、Sm−Fe−N系磁石粉末を、成形型中で、1〜5GPaの成形面圧で冷間(室温)で圧密成形し、相対密度80%以上のSm−Fe−N系磁石成形体を得る工程である。本実施形態では、Sm−Fe−N系磁石粉末を高面圧で圧密成形することにより磁石成形体を製造するため、焼結する場合に生じていた磁気特性の劣化は生じない。したがって、Sm−Fe−N系磁石粉末の優れた磁気特性を維持したまま、磁石成形体を得ることができ、磁気特性の向上したSm−Fe−N系磁石成形体を得られる。
また、本実施形態ではSm−Fe−N系磁石粉末は、600℃以下の磁気特性が大きく変化しない温度である室温(加熱しない状態)で冷間圧密成形する。そのため、相対密度80%以上の成形体を得ることができる。本実施形態は、爆薬を用いた粉末衝撃成形法とは異なり、成形型(金型)を用いることができる。これにより、当該成形型(金型)を繰り返し利用することができ(=成形型の寿命を伸ばすことができ)、より生産性が高く工業生産に適している。冷間圧密成形時のSm−Fe−N系磁石粉末の温度は、室温(加熱しない状態)であればよい。具体的には、年間を通じた作業環境にもよるが概ね0〜50℃未満の範囲であればよいといえる。
本実施形態では、相対密度80%の磁石成形体を得る。相対密度が80%以上であると、自動車のモータ等の用途に十分な抗折強度の磁石成形体となるためである。相対密度は、磁石の組成と圧密成形時の圧力とに影響される。相対密度は高ければ高い程良いことから、好ましくは相対密度は85%以上であり、より好ましくは90%以上である。相対密度は、計算により求めた真密度と、磁石成形体の寸法および重量測定から求めた実測密度とを用いて求める。相対密度は真密度に対する実測密度の割合(%)であり、実測密度の値を理論密度の値で除し、100をかけて計算したものである。
また、本実施形態によれば、用途に適した成形型を選択することができる。そのため、成形型として所望の磁石成形体の形状のものを用いれば、ほぼそのまま次工程に使用でき、加工しろの非常に少ない、いわゆるニアネットシェイプ成形が可能となる。したがって、加工歩留まりがよく、製造工程が簡便になり、本実施形態はこれらの点から量産に適している。さらに、本実施形態で得られるのは、圧密成形のみで作製されたSm−Fe−N系磁石成形体であり、従来の製造方法(焼結法や爆薬を用いた粉末衝撃成形法)よりも磁気特性のばらつきが少なく、したがって品質安定性に優れている。
圧密成形は、Sm−Fe−N系磁石粉末を成形型に投入した後、室温(加熱しない状態)で、Sm−Fe−N系磁石粉末を1〜5GPaの高面圧で形成するものである。成形面圧が1GPa未満であると、相対密度80%以上の高密度磁石成形体を得ることが困難になり、成形面圧が5GPaを超えると、成形型(金型)が割れるなど、成形型(金型)の寿命が短くなる恐れがある。成形面圧は、所望の相対密度および磁気特性の成形体を得つつも成形型(金型)寿命をより伸ばせるとの観点から、より好ましくは3〜4GPaである。圧密成形する方法としては特に制限はなく、所望の大きさの磁石形成体の金型を覆う広い面積に上記の高面圧をかけられる方法であればよい。好ましくは、鍛造に用いる高出力のプレス機を使用することができ、油圧プレス機、電動プレス機、インパクトプレス機等を使用する。なお、(高速)インパクトプレス機を用いて所定の成形速度で圧縮圧力を負荷し、圧密成形する場合には、成形速度を圧縮圧力(成形面圧)に換算した値が、1〜5GPaの成形面圧の範囲内であればよい。
成形型は、1〜5GPaの高面圧に耐えうるものであれば、特に制限はなく、どのようなものも使用できる。図4(a)は、好ましい成形型の例を模式的に示した上面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A方向の断面図である。図4(a)に示すように、成形型10は、外形が円筒形(上面環形状)円形の内側金型11が高面圧に耐えうる超硬合金で形成され、円筒形の外側金型12がより柔らかい金属で形成されている。また、図4(b)に示すように、内側金型11の中央の空間には四角柱形状の下部金型15上に、磁石粉末14が投入され、その上部には、四角柱形状の上部金型16が挿入されている。上部金型16の上部は、金型11、12の上面から突出しており(この突出した部分を突出部とする)を、成形型10を上部から油圧プレスで加圧(押圧)する際に、上部金型16の突出部が押圧され、その下部の磁石粉末14を圧密成形することにより、四角柱形状の磁石成形体を形成できるようになっている。すなわち内側金型11の空間形状を変えることで、円柱形状、多角柱形状等の磁石成形体を形成することができる。また、図4(a)(b)に示すように、成形型にはカートリッジヒータを通すための貫通孔13a、13bが設けられていてもよい。これは、後述する熱処理工程を、当該成形型10を用い実施する場合に、好適に利用し得るものである。即ち、後工程の熱処理工程で、当該成形型10内の磁石成形体を加熱する際に、貫通孔13a、13b内のカートリッジヒータ(不図示)により、成形型全体が加熱され、成形空間内の磁石成形体が350〜600℃の温度範囲内に維持された状態で、1〜120分加熱することができる。また、後述する熱処理工程を、当該成形型10を用い実施する場合には、図4(a)に示すように、外側金型12には温度センサ用孔17が設けられており、温度センサ用孔17内の温度センサ(不図示)によって、外側金型12の温度を計測する。図4(b)に示すように、温度センサ用孔17は、磁石成形体の上面に近い高さに設けられている。したがって、加熱された外側金型12と、内側金型11、下部金型15、上部金型16および磁石成形体とが熱的に平衡な状態になるまで所定の時間静置した後は、温度センサ用孔17内の温度センサの示す温度を、磁石成形体の温度とみなすことができる。なお、後述する熱処理工程に、当該成形型10を用いない場合には、貫通孔13a、13bや温度センサ用孔17は、設けなくてもよい。
また、図5(a)は、図4の「成形型10」を用いた高速インパクトプレス機の例を模式的に示した部分断面図であり、図5(b)は、図5(a)の高速インパクトプレス機を用いてプレスした状態を模式的に示した部分断面図である。図5(a)に示すように、高速インパクトプレス機では、上記成形型10(磁石粉末14を投入済みのもの)を、受圧板(超硬)18を含むプレート19上に設置する。設置した成形型10の金型12の側面外周部分(及びプレート19の側面外周部分)をその固定部材であるダイホルダー20、ボトムプレートカバー21及びボトムプレート22で固定する。更に設置した成形型10の上部金型16の上面に、受圧板(上)(超硬)23とその固定部材であるプレート24及びインパクトキャップ25、26、27を設置する。これらを設置、固定した後、図5(b)に示すように、インパクトプレス機のピストン28の高さ(落下距離)を調整し、ピストン28を所定の落下速度(成形速度)でインパクトキャップ27に落下させる。これにより、該インパクトキャップ27、受圧板(上)(超硬)23(更に固定部材であるインパクトキャップ25〜27)、上部金型16を介して、成形型10の上部から、所望の成形面圧が、磁石粉末14に印加されるように加圧(押圧)して圧密成形するものである。例えば、ピストン28(荷重35kg)の高さ(落下距離)がMAX80mmの場合、ピストン28の落下速度(成形速度)は、3m/s〜13m/s(MAX)であり、当該装置を用いて後述する実施例3の落下速度(成形速度)7m/s〜11m/sで成形面圧(圧縮圧力)を負荷した場合、当該落下速度(成形速度)を成形面圧(圧縮圧力)に換算すると、およそ2GPa〜4GPaとなる。
(熱処理工程(S13))
熱処理工程は、冷間圧密成形工程の後、形成された成形体を350〜600℃の温度で、1〜120分加熱する。熱処理工程は必須ではないが、最大に近い磁気特性を引き出すことができるため、実施することが好ましい。また、金属バインダを使用した場合に、Sm−Fe−N系磁石粉末(更には成形体)表面の軟磁性層や欠陥などが低減されるため、実施することが好ましい。これにより、Sm−Fe−N系磁石成形体の磁気特性のさらなる向上ができる。
成形体を熱処理するには、特に制限はなく、上記の温度で加熱できればどのような方法を用いてもよい。例えば、冷間圧密成形工程で用いた成形型(金型)を用いて成形体を加熱することができる。詳しくは、冷間圧密成形工程において、成形型(金型)中で、1〜5GPaの成形面圧で冷間(室温)圧密成形した後に、成形型中に設置したヒータで成形型とSm−Fe−N系磁石成形体とを共に加熱することができる。また、Sm−Fe−N系磁石成形体を成形型から取り出して、別途オーブンに入れて熱処理することもできる。熱処理工程は、より好ましくは380〜480℃で、10〜60分加熱することができる。
本実施形態によれば、Sm−Fe−N系磁石成形体は、品質安定性(磁気特性ばらつき)が向上し、磁気特性に優れるものである。具体的には、本実施形態のSm−Fe−N系磁石成形体は残留磁束密度(Br)が0.5T以上、固有保磁力(HcJ)が500kA/m以上であるものを得ることができる。より好ましくは、残留磁束密度(Br)が0.6T以上、固有保磁力(HcJ)が600kA/m以上であるのが望ましい。残留磁束密度および固有保磁力の測定方法は実施例に記載の方法に従って測定したものである。
<第二実施形態>
第二実施形態の製造方法は、第一実施形態の温間圧密成形工程(S12)の代わりに、磁場中での冷間圧密成形工程(S22)を有する。すなわち、図2に示すように、準備工程(S21)、磁場中冷間圧密成形工程(S22)、および熱処理工程(S23)により、製品である磁石成形体を得る。Sm−Fe−N系磁石粉末の準備工程(S21)および熱処理工程(S23)は、それぞれ第一実施形態の準備工程(S11)および(S13)と同様であり、また、任意の工程である。
(磁場中冷間圧密成形工程(S22))
冷間圧密形成工程(S22)では、6kOe以上の磁場中で、Sm−Fe−N系磁石粉末を、成形型中で、1〜5GPaの成形面圧で冷間圧密成形し、相対密度80%以上のSm−Fe−N系磁石成形体を得る。冷間圧密形成工程(S22)は、冷間圧密成形工程を磁場中で実施する以外は、第一実施形態の冷間圧密成形工程(S12)と同様である。
第二実施形態において使用するSm−Fe−N系磁石粉末は、異方性であることが好ましい。異方性のSm−Fe−N系磁石粉末を用いて磁場中で冷間圧密成形を行うことにより、磁石粉末の磁化容易軸が磁場方向に揃った状態で成形される。したがって、得られたSm−Fe−N系磁石成形体は、さらに高い残留磁束密度を有する、異方性の磁石成形体となる。印加する磁場は、より好ましくは17kOe以上である。なお、印加する磁場の上限については特に制限はない。これは、磁場のかけ方によっては、100kOe程度でもより良くなる可能性もあるためである。
磁場中で冷間圧密成形工程を実施するには、6kOe以上の磁場を設けることができれば、特に制限はない。例えば、成形型の周囲に公知の磁場配向装置を設置し、磁場を印加した状態で圧密成形を行うことができる。磁場配向装置としては、所望の磁石成形体の形状、寸法などから、公知の磁場配向装置から適したものを選択することができる。磁場の印加方法としては、通常の磁場成形装置に配置されている電磁石のように静磁場を印加する方法や、交流を用いたパルス磁場を印加する方法のどちらを採用してもよい。
上記のようにして、本実施形態のSm−Fe−N系磁石成形体を得る。または、さらに、必要に応じて熱処理工程(S23)を実施することにより、Sm−Fe−N系磁石成形体を得ることができる。
<第三実施形態>
第三実施形態の製造方法は、第一実施形態の冷間圧密成形工程(S12)の代わりに、磁場中での予備圧縮成形工程(S32)および冷間圧密成形工程(S33)を有する。Sm−Fe−N系磁石粉末の準備工程(S31)および熱処理工程(S34)は、それぞれ第一実施形態の準備工程(S11)および(S13)と同様であり、また、任意の工程である。すなわち、図3に示すように、準備工程(S31)、磁場中予備圧縮成形工程(S32)、冷間圧密成形工程(S33)、および熱処理工程(S34)により、製品である磁石成形体を得る。
(磁場中予備圧縮成形工程(S32))
本実施形態では、冷間圧密成形工程(S33)の前に、Sm−Fe−N系磁石粉末を6kOe以上の磁場中で圧縮成形し、相対密度30%以上のSm−Fe−N系予備圧縮成形体を得る予備圧縮成形工程(S32)をさらに有する。冷間圧密成形は、高面圧のプレス機を用いる。したがって、このような大型装置に磁場配向装置を取り付けるのは、広いスペースを必要とするため、実使用上は難しい場合がある。そこで、高面圧のプレス機に比して小型の低面圧プレス機に磁場配向機を取り付け、相対密度30%程度の予備圧縮成形体を予め作製する。その後、その予備圧縮成形体を、高面圧プレス機で冷間圧密成形する。工程数が増えるものの、量産を考慮すると、予備圧縮成形工程を設けることが好ましい場合があるためである。
第三実施形態において使用するSm−Fe−N系磁石粉末は、異方性であることが好ましい。異方性のSm−Fe−N系磁石粉末を用いて磁場中で予備圧縮成形工程を実施することにより、予備圧縮成形体において、異方性を有するSm−Fe−N系磁石粉末は、磁化容易軸が磁場方向に揃った状態で予備圧縮成成形される。そのため、その後の冷間圧密成形工程を経て得られる磁石成形体も、磁化容易軸が揃い、より高い残留磁束密度を有する、異方性の磁石成形体となる。予備圧縮成形時に印加する磁場は、より好ましくは17kOe以上である。なお、印加する磁場の上限については特に制限はない。これは、磁場のかけ方によっては、100kOe程度でもより良くなる可能性もあるためである。
予備圧縮成形工程では、搬送、運搬中に成形体が破損しない程度の相対密度の成形体が得られればよいため、相対密度30%以上の予備圧縮成形体を形成する。相対密度30%以上の予備圧縮成形体であれば、磁場方向に磁化容易軸が揃ったSm−Fe−N系磁石粉末は、移動することがなく、磁化容易軸はそろった状態で維持される。予備圧縮成形体の相対密度の上限値は、特に制限はないが、80%未満である。
磁場を印加するには特に制限はなく、磁場配向機中にプレス機を設置することができる。磁場配向機としては、第二実施形態と同様の磁場配向機を使用することができる。また、プレス機としても、特に制限はなく、相対密度30%以上の磁石粉末の予備圧縮成形体が得られるプレス機であれば、どのようなものも使用できる。例えば、油圧プレス機、電動プレス機を使用できるが、冷間圧密成形工程に用いるプレス機よりも、小型でなお且つ低面圧のプレス機を使用することができる。
得られた予備圧縮成形体は、次の冷間圧密成形工程(S33)において、第一実施形態の冷間圧密成形工程(S12)と同様にして、冷間圧密成形する。この際、第一実施形態の冷間圧密成形工程(S12)のSm−Fe−N系磁石粉末に代えて、第三実施形態の冷間圧密成形工程(S33)では、予備圧縮成形工程(S32)で得られた予備圧縮成形体を用いればよい。さらに、必要に応じて熱処理工程(S34)を実施することにより、Sm−Fe−N系磁石成形体を得ることができる。
<第四実施形態>
第四実施形態の磁石成形体は、焼結することなく、かつ爆薬を用いた粉末衝撃成形法を用いることなく、冷間圧密成形で作製されてなる、相対密度が80%以上のSm−Fe−N系磁石成形体である。詳しくは、上記した第一〜第三実施形態の製造方法により得られてなるSm−Fe−N系磁石成形体である。本実施形態の磁石成形体では、Sm−Fe−N系磁石を600℃を超えた高温で加熱(焼結)する必要がないため、希土類窒化物とα−Feに分解することなく、熱的安定性に優れる。また、爆薬を用いた粉末衝撃成形法を用いる必要がないため、大きな衝撃力によりSm−Fe−N系磁石が希土類窒化物とα−Feに分解することもなく、磁気特性の低下を防止することができる点で優れている。
本実施形態の磁石成形体は、上記した第一〜第三実施形態の製造方法により得られてなる相対密度が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上のSm−Fe−N系磁石成形体である。そのため、品質安定性がよく(=磁気特性のバラツキが少なく)、生産性が高く(=生産サイクルタイムが短い)、加工歩留まりが良い(=ニアネットシェイプ成形が可能)、量産に適したものである。さらに、第一〜第三実施形態で説明した通り、優れた磁気特性を有するものである。即ち、本実施形態の磁石成形体は、異相(磁気特性を劣化させるα−Fe)が発生しない圧力範囲で圧密成形されているため、品質安定性がよく(=磁気特性のバラツキが少なく)、残留磁束密度Brが0.5T以上、保磁力が500kA/m以上の特性を有する。好ましくは、残留磁束密度が0.6T以上、保磁力が600kA/m以上の特性を有するものである。その結果、本実施形態の磁石成形体を磁石モータ(例えば、小型家電用、表面磁石型など)等の用途に用いた場合に、同等の特性を軽量、小型高性能システムとして得ることができる。また、本実施形態の磁石成形体を磁石モータ等に加工する際の加工歩留まりが良く(=ニアネットシェイプ成形が可能)点で優れている。
本実施形態の磁石成形体の用途としては、磁石モータに何ら制限されるものではなく、幅広い分野に適用することができるものである。即ち、希土類磁石が用いられる、オーディオ機器のキャプスタンモータ、スピーカ、ヘッドホン、CDのピックアップ、カメラの巻上げ用モータ、フォーカス用アクチュエータ、ビデオ機器等の回転ヘッド駆動モータ、ズーム用モータ、フォーカス用モータ、キャプスタンモータ、DVDやブルーレイの光ピックアップ、空調用コンプレッサ、室外機ファンモータ、電気かみそり用モータなどの民生用電子機器分野;ボイスコイルモータ、スピンドルモータ、CD−ROM、CD−Rの光ピックアップ、ステッピングモータ、プロッタ、プリンタ用アクチュエータ、ドットプリンタ用印字ヘッド、複写機用回転センサなどのコンピュータ周辺機器・OA機器;時計用ステッピングモータ、各種メータ、ペジャー、携帯電話用(携帯情報端末を含む)振動モータ、レコーダーペン駆動用モータ、加速器、放射光用アンジュレータ、偏光磁石、イオン源、半導体製造機器の各種プラズマ源、電子偏光用、磁気探傷バイアス用などの計測、通信、その他の精密機器分野;永久磁石型MRI、心電図計、脳波計、歯科用ドリルモータ、歯固定用マグネット、磁気ネックレスなどの医療用分野;ACサーボモータ、同期モータ、ブレーキ、クラッチ、トルクカップラ、搬送用リニアモータ、リードスイッチ等のFA分野;リターダ、イグニッションコイルトランス、ABSセンサ、回転、位置検出センサ、サスペンション制御用センサ、ドアロックアクチュエータ、ISCVアクチュエータ、電気自動車駆動用モータ、ハイブリッド自動車駆動用モータ、燃料電池自動車駆動用モータ、ブラシレスDCモータ、ACサーボモータ、ACインダクション(誘導)モータ、パワーステアリング、カーエアコン、カーナビゲーションの光ピックアップなど自動車電装分野など極めて幅広い分野の各種用途に適用することができるものである。これは、成形型(金型)の形状を自在に変えることで、本実施形態の磁石成形体を各用途に適した形状にできるためである。
以下、本発明を、実施例を通して具体的に説明するが、本発明は以下の実施例には限定されない。
<実施例1>
(準備工程)
Sm−Fe−N系磁石粉末には、平均粒子径D50=3μmの異方性SmFe17粉(x≒3)(日亜化学工業株式会社製)を用いた。金属バインダには、亜鉛(Zn)粉末(株式会社高純度化学研究所製)、銅(Cu)粉末(日本アトマイズ加工株式会社製)を用いた。Zn粉末、Cu粉末の平均粒子径D50はそれぞれ7μm、1μmであった。Sm−Fe−N系磁石粉末と金属バインダ粉末を表1−1に示す割合(質量比)で混合し、ブレンド粉末A〜Cを調製した。
(磁場中での予備圧縮成形工程)
上記準備工程で得られた各ブレンド粉末AないしCからそれぞれ15gを秤量し、直径25mmサイズの超硬合金製ダイセット(円筒形成形型)に投入、充填し、磁場成形プレス装置を用いて、21kOeの磁界(磁場)中で予備圧縮成形し、相対密度50%のSm−Fe−N系予備圧縮成形体をそれぞれ得た。
(冷間圧密成形工程)
上記予備圧縮成形工程で得られた磁場配向した予備圧縮成形体をそれぞれ直径25mmサイズの超硬合金製ダイセット(円筒形金型;図4の符号14参照)に投入、充填し、油圧プレスを用いて1〜5GPaの成形面圧(圧縮圧力)を負荷し、30秒下死点保持して冷間(室温;おおむね25℃)で圧密成形した。以上のような工程で本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(ブレンド粉末と冷間圧密成形時の成形面圧の異なる組合せ15種類)をそれぞれ得た。なお、冷間圧密成形時の成形面圧が5GPaを超えると、型割れを起こしてしまったため、所望の磁石成形体が得られなかった。
(評価方法)
上記圧密成形工程で得られた本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(15種類)の試料をそれぞれ3.5×7×7mmサイズに加工し、2枚重ねて7×7×7mmサイズの測定用試料とした。磁気特性は、日本電磁測器株式会社製のパルス励磁型磁石BH特性測定装置を用いて測定した。このときのSm−Fe−N系磁石成形体(15種類)試料は、10Tのパルス磁界で着磁した。このように得られたSm−Fe−N系磁石成形体(15種類)の相対密度、残留磁束密度(Br)、固有保磁力(HcJ)を評価した。なお、相対密度は、計算により求めた真密度と、磁石成形体の寸法および重量測定から求めた実測密度とを用いて求めた。相対密度は、真密度に対する実測密度の割合(%)であり、実測密度の値を理論密度の値で除し、100をかけて計算したものである(以下の実施例でも同様にして算出した)。
上記評価方法で着磁した本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(15種類)の試料の冷間圧密成形時の成形面圧と相対密度の関係を図6に示す。なお、図6には示していないが、上記評価方法で着磁した本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(15種類)以外の冷間圧密成形時の成形面圧が1GPa未満の試料では相対密度は80%以上にはならない(図示せず)。同様に冷間圧密成形時の成形面圧が5GPaを超える試料では、型割れを起こしてしまったため、評価(相対密度測定)できなかった。また、図6から、成形面圧1〜5GPaの範囲内では、成形面圧が大きくなるにつれて、相対密度も80%から93%程度まで大きくなることがわかる。さらに同じ成形面圧の場合、相対密度は粉末A<粉末B<粉末Cの関係にあることから、Sm−Fe−N系磁石成形体中の金属バインダの含有量と(比例)関係があることがわかる(表1−1参照)。
上記評価方法で着磁したSm−Fe−N系磁石成形体(15種類)のうち、4GPaで冷間圧密成形して得られたSm−Fe−N系磁石成形体(ブレンド粉末の異なる3種類)の試料の磁気特性結果を下記表1−2に示す。
表1−1、表1−2より、Sm−Fe−N系磁石粉末の含有量が多くなる程、残留磁束密度(Br)が大きくなる事がわかる。また、金属バインダ(特に、Zn粉末)の含有量が多くなるほど、固有保磁力(HcJ)も大きくなることがわかる。
<実施例2>
(準備工程)
Sm−Fe−N系磁石粉末には、平均粒子径D50=3.9μmの異方性SmFe17粉(x≒3)(住友金属鉱山株式会社製)を用いた。金属バインダには、平均粒子径D50=3μmの亜鉛(Zn)粉末(堺化学工業株式会社製)を用いた。Sm−Fe−N系磁石粉末と金属バインダ粉末を、Sm−Fe−N系磁石粉末:Zn粉末=80:20の割合(質量比)で混合し、ブレンド粉末Dを調製した。
(磁場中冷間圧密成形工程)
上記準備工程で得られたブレンド粉末Dからそれぞれ2.6gを秤量し、7×7mmサイズの超硬合金製ダイセット(四角柱状金型;図4の符号14参照)に投入、充填し、磁場成形プレス装置を用いて、9〜25kOeの磁界中で4GPaの成形面圧を負荷し、60秒下死点保持して冷間(室温;おおむね25℃)で圧密成形した。以上のような工程で本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(磁場中冷間圧密成形時の磁場の異なる5種類)をそれぞれ得た。
(評価方法)
上記圧密成形工程で得られた本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(5種類)の試料を7mm角(7×7×7mm)サイズに加工し、磁気特性測定用試料とした。磁気特性は、日本電磁測器株式会社製のパルス励磁型磁石BH特性測定装置を用いて測定した。このときのSm−Fe−N系磁石成形体(5種類)試料は、10Tのパルス磁界で着磁した。このように得られたSm−Fe−N系磁石成形体(5種類)の相対密度、残留磁束密度(Br)、固有保磁力(HcJ)を評価した。
上記評価方法で着磁した本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(5種類)の試料の相対密度は、いずれも89%であった。また、上記評価方法で着磁した本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(5種類)の試料の磁気特性結果を表2に示す。
上記表2から、少なくとも配向磁場が9kOe以上あれば、ほぼ同等の残留磁束密度(Br)および固有保磁力(HcJ)が得られる事がわかり、配向磁場が9kOe以上17kOe未満、好ましくは9〜13kOe以上であるのが望ましいことがわかる。
<実施例3>
(準備工程)
Sm−Fe−N系磁石粉末には、平均粒子径D50=3μmの異方性SmFe17粉(x≒2〜3)(日亜化学工業株式会社製)を用いた。金属バインダには、亜鉛(Zn)粉末(株式会社高純度化学研究所製)、銅(Cu)粉末(日本アトマイズ加工株式会社製)を用いた。Zn粉末、Cu粉末の平均粒子径D50はそれぞれ7μm、1μmであった。Sm−Fe−N系磁石粉末と金属バインダ粉末を表3−1に示す割合(質量比)で混合し、ブレンド粉末E〜Jを調製した。
(磁場中での予備圧縮成形工程)
上記準備工程で得られた各ブレンド粉末EないしJをそれぞれ7.6g秤量し、直径20mmサイズの超硬合金製ダイセット(円筒形成形型)に投入、充填し、磁場成形プレス装置を用いて、21kOeの磁界(磁場)中で予備圧縮成形し、相対密度50%のSm−Fe−N系予備圧縮成形体をそれぞれ得た。
(冷間圧密成形工程)
上記予備圧縮成形工程で得られた磁場配向した予備圧縮成形体をそれぞれ直径20mmサイズの超硬合金製成形型(円筒形金型;図5の符号14参照)に投入、充填し、高速インパクトプレス機を用いて7m/s〜11m/sの成形速度で圧縮圧力を負荷し、冷間(室温;おおむね25℃)で圧密成形した。成形速度(による圧縮圧力)を成形面圧に換算すると、およそ2GPa〜4GPaとなる。ここで、高速インパクトプレス機の構成は、上記した図5に示すとおりであり高速インパクトプレス機の仕様は表3−2に示すとおりである。以上のような工程で本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(ブレンド粉末と冷間圧密成形時の成形速度(成形面圧)の異なる組合せ26種類)をそれぞれ得た。なお、冷間圧密成形時の成形面圧が5GPaを超えると、型割れを起こしてしまったため、所望の磁石成形体が得られなかった。
(評価方法)
上記圧密成形工程で得られた本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(26種類)の試料をそれぞれ3.5×7×7mmサイズに加工し、2枚重ねて7×7×7mmサイズの測定用試料とした。磁気特性は、日本電磁測器株式会社製のパルス励磁型磁石BH特性測定装置を用いて測定した。このときのSm−Fe−N系磁石成形体(26種類)試料は、10Tのパルス磁界で着磁した。このように得られた希土類磁石成形体(26種類)の相対密度、残留磁束密度(Br)、固有保磁力(HcJ)を評価した。
上記評価方法で着磁した本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(26種類)の試料の冷間圧密成形時の成形速度(による圧縮圧力)を換算した成形面圧と相対密度の関係を図7に示す。なお、図7には示していないが、上記評価方法で着磁した本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(26種類)以外の冷間圧密成形時の成形速度(による圧縮圧力)を換算した成形面圧が1GPa未満の試料では相対密度は80%以上にはならない(図示せず)。同様に冷間圧密成形時の成形面圧が5GPaを超える試料では、型割れを起こしてしまったため、評価(相対密度測定)できなかった。また、図7から、成形面圧がおよそ2〜4GPaの範囲内では、成形面圧が大きくなるにつれて、相対密度も80%から91%程度まで大きくなることがわかる。さらに同じ成形面圧の場合、相対密度は粉末E<粉末F<粉末H<粉末I<粉末J≦粉末Gの関係にあることから、Sm−Fe−N系磁石成形体中の金属バインダの含有量と(比例)関係があることがわかる(表3−1参照)。
上記評価方法で着磁したSm−Fe−N系磁石成形体(26種類)のうち、11m/sの成形速度(およそ4GPaの成形面圧)で冷間圧密成形して得られたSm−Fe−N系磁石成形体(ブレンド粉末の異なる6種類)の試料の磁気特性結果を下記表3−3に示す。
上記表3−3から、高速インパクトプレスによる成形に関しても、Sm−Fe−N系磁石粉末の含有量が多くなる程、残留磁束密度(Br)が大きくなる事がわかる。また、金属バインダ(特に、Zn粉末)の含有量が多くなるほど、固有保磁力(HcJ)が大きくなることがわかる。
<実施例4>
(準備工程)
Sm−Fe−N系磁石粉末には、平均粒子径D50=3μmのSmFe17(x=2〜3)(日亜化学工業株式会社製)を用いた。金属バインダには、亜鉛(Zn)粉末(株式会社高純度化学研究所)、銅(Cu)粉末(日本アトマイズ加工株式会社製)を用いた。Zn粉末、Cu粉末の平均粒子径D50はそれぞれ7μm、1μmであった。Sm−Fe−N系磁石粉末と金属バインダ粉末を、Sm−Fe−N系磁石粉末:Zn粉末:Cu粉末=85:10:5の割合(質量比)で混合し、ブレンド粉末K(ブレンド粉末Hと同様の混合比のもの)を調製した。
(冷間圧密成形工程)
上記準備工程で得られたブレンド粉末Kからそれぞれ13g、19.5g、26gを秤量し、17×28mmサイズの超硬合金製ダイセット(四角柱状金型;図4の符号14参照)に投入、充填し、油圧プレスを用いて3GPaの成形面圧(圧縮圧力)を負荷し、30秒下死点保持して冷間(室温;おおむね25℃)で圧密成形した。以上のような工程で本実施例のSm−Fe−N系磁石成形体(ブレンド粉末量の異なる3種類)をそれぞれ得た。
(評価方法)
上記圧密成形工程で得られたSm−Fe−N系磁石成形体(3種類)の試料の相対密度を下記表4に示す。また、図8に、上記圧密成形工程で得られたSm−Fe−N系磁石成形体(3種類)の試料の外観写真を示す。
表4より、Sm−Fe−N系磁石粉末(ブレンド粉末K)の充填量(13〜26gの範囲)の違いによらず、ほぼ同等の相対密度が得られる事がわかる。また、図8では、左側から順に、ブレンド粉末Kの充填量を、13g、19.5g、26gとして冷間圧密成形された磁石成形体の外観を表している。いずれも17×28mmサイズの共通の超硬合金製ダイセットを用い、同じ成形面圧を負荷してほぼ同等の相対密度が得られていることから、ブレンド粉末Kの充填量の増加により、磁石成形体の厚さが増加していることがわかる。このことから、図8に示すように、厚い磁石(成形体)(厚さ8.3mm)も成形可能であることがわかる。また、ブレンド粉末Kは、ブレンド粉末Hと同様の混合比のものであることから、実施例3の図7及び表3−3から、図8に示すように、厚い磁石(成形体)であっても、優れた磁石特性を有効に発現し得ることがわかる。
<実施例5〜7>
(準備工程)
Sm−Fe−N系粗粉は、平均粒子径D50≒20μmの異方性SmFe17粉(x≒3)(住友金属鉱山株式会社製)を用いた。Sm−Fe−N系粗粉を日本ニューマチック工業株式会社製の乾式ジェットミル装置PJM−80SPを用いて微粉砕して、Sm−Fe−N系微粉を得た。Sm−Fe−N系微粉(磁粉)は、平均粒子径D50=3.9μmで、酸素量はおよそ0.4質量%であった。
上記Sm−Fe−N系微粉と金属バインダ粉末としてZn粉末を、Sm−Fe−N系微粉:Zn粉末=95:5(ブレンド粉末L)、90:10(ブレンド粉末M)、80:20(ブレンド粉末N)の割合(質量比)で混合し、ブレンド粉末L〜Nを調製した。なお、亜鉛(Zn)粉末は、株式会社高純度化学研究所製であり、平均粒子径D50は3μmであった。
(磁場中冷間圧密成形工程)
上記準備工程で得られたブレンド粉末L〜Nをそれぞれ2.6g秤量し、7×7mmサイズの超硬合金製ダイセット(四角柱状金型;図4の符号14参照)に投入、充填し、磁場成形プレス装置を用いて、21kOeの磁界(磁場)中で4GPaの成形面圧を負荷し、30秒下死点保持して冷間(室温;おおむね25℃)で圧密成形して、Sm−Fe−N系磁石成形体を得た。
(熱処理工程)
上記磁場中冷間圧密成形工程で得られたSm−Fe−N系磁石成形体を、下記表5の条件で熱処理をした。以上のような工程で実施例5〜7のSm−Fe−N系磁石成形体をそれぞれ得た。なお、微粉砕以降の工程はすべて、100ppm以下の低酸素(雰囲気)の不活性(Nガス)雰囲気下で行った。
(評価方法)
上記熱処理工程で得られた実施例5〜7のSm−Fe−N系磁石成形体の試料を7mm角(7×7×7mm)サイズに加工し、磁気特性測定用試料とした。磁気特性は、日本電磁測器株式会社製のパルス励磁型磁石BH特性測定装置を用いて測定した。このとき実施例5〜7のSm−Fe−N系磁石成形体の試料は、10Tのパルス磁界で着磁した。このように得られた実施例5〜7のSm−Fe−N系磁石成形体の試料の相対密度、残留磁束密度(Br)、固有保磁力(HcJ)を評価した。
上記評価方法で着磁した実施例5〜7のSm−Fe−N系磁石成形体の試料の相対密度、残留磁束密度(Br)及び固有保磁力(HcJ)の結果を下記表5に示す。
上記実施例3(表3−3のブレンド粉末F)と実施例6(表5のブレンド粉末M)は、同じ混合比で、尚且つ同じ成形面圧(4GPa)として磁石成形体を圧密成形している。それにもかかわらず、(準備工程で乾式で微粉砕し)冷間圧密成形工程後に熱処理工程を行った実施例6では、(微粉砕も)熱処理工程を行っていない実施例3(ブレンド粉末F)に比べて、得られた磁石成形体の相対密度は、ほぼ同等であるが、磁気特性(Br及びHcJ)がいずれも、改善されている。
また、表5より、Sm−Fe−N系磁石粉末の含有量が多くなるほど、残留磁束密度(Br)が大きくなることがわかる。また、金属バインダの含有量が多くなるほど、固有保磁力(HcJ)が大きくなることがわかる(これらは、表1−2から得られた結果と同じである)。
<実施例8〜9>
(準備工程)
Sm−Fe−N系粗粉は、平均粒子径D50≒20μmの異方性SmFe17粉(x≒3)(住友金属鉱山株式会社製)を用いた。Sm−Fe−N系粗粉をアシザワ・ファインテック(株)の湿式ビーズミルLMZ2を用いて微粉砕して、Sm−Fe−N系微粉を得た。Sm−Fe−N系微粉(磁粉)は、平均粒子径D50=1.7μmで、酸素量はおよそ1質量%であった。
上記Sm−Fe−N系微粉と金属バインダ粉末としてZn粉末を、Sm−Fe−N系微粉:Zn粉末=95:5(ブレンド粉末O)、90:10(ブレンド粉末P)の割合(質量比)で混合し、ブレンド粉末O、Pを調製した。なお、亜鉛(Zn)粉末は、株式会社高純度化学研究所製であり、平均粒子径D50は3μmであった。
(磁場中冷間圧密成形工程)
上記準備工程で得られたブレンド粉末O、Pをそれぞれ2.6g秤量し、7×7mmサイズの超硬合金製ダイセット(四角柱状金型;図4の符号14参照)に投入、充填し、磁場成形プレス装置を用いて、21kOeの磁界(磁場)中で4GPaの成形面圧を負荷し、30秒下死点保持して冷間(室温;おおむね25℃)で圧密成形して、Sm−Fe−N系磁石成形体を得た。
(熱処理工程)
上記磁場中冷間圧密成形工程で得られたSm−Fe−N系磁石成形体を、下記表6の条件で熱処理をした。以上のような工程で実施例8〜9のSm−Fe−N系磁石成形体をそれぞれ得た。なお、微粉砕以降の工程はすべて、100ppm以下の低酸素(雰囲気)の不活性(Nガス)雰囲気下で行った。
(評価方法)
上記熱処理工程で得られた実施例8〜9のSm−Fe−N系磁石成形体の試料を7mm角(7×7×7mm)サイズに加工し、磁気特性測定用試料とした。磁気特性は、日本電磁測器株式会社製のパルス励磁型磁石BH特性測定装置を用いて測定した。このとき実施例8〜9のSm−Fe−N系磁石成形体の試料は、10Tのパルス磁界で着磁した。このように得られた実施例8〜9のSm−Fe−N系磁石成形体の試料の相対密度、残留磁束密度(Br)、固有保磁力(HcJ)を評価した。
上記評価方法で着磁した実施例8〜9のSm−Fe−N系磁石成形体の試料の相対密度、残留磁束密度(Br)及び固有保磁力(HcJ)の結果を下記表6に示す。
上記実施例3(表3−3のブレンド粉末F)と実施例9(表6のブレンド粉末P)は、同じ混合比で、尚且つ同じ成形面圧(4GPa)として磁石成形体を圧密成形している。それにもかかわらず、(準備工程で湿式で微粉砕し)冷間圧密成形工程後に熱処理工程を行った実施例9では、(微粉砕も)熱処理工程を行っていない実施例3(ブレンド粉末F)に比べて、得られた磁石成形体の相対密度は、ほぼ同等であるが、固有保磁力(HcJ)が効果的かつ大幅に増加(約3倍)していることがわかる。
また、表6より、Sm−Fe−N系磁石粉末の含有量が多くなるほど、残留磁束密度(Br)が大きくなることがわかる。また、金属バインダの含有量が多くなるほど、固有保磁力(HcJ)が大きくなることがわかる(これらは、表1−2から得られた結果と同じである)。
10 成形型、
11 内側金型、
12 外側金型、
13a、13b 貫通孔、
14 磁石粉末(磁石成形体)、
15 下部金型、
16 上部金型、
17 温度センサ用孔、
18 受圧板(超硬)、
19 プレート、
20 ダイホルダー、
21 ボトムプレートカバー、
22 ボトムプレート、
23 受圧板(上)(超硬)、
24 プレート、
25〜27 インパクトキャップ、
28 ピストン、
S11、S21、S31 準備工程、
S12、S33 冷間圧密成形工程、
S13、S23、S34 熱処理工程、
S22 磁場中冷間圧密成形工程、
S32 磁場中予備圧縮成形工程。

Claims (13)

  1. Sm−Fe−N系磁石粉末を、1〜5GPaの成形面圧で冷間圧密成形し、相対密度80%以上のSm−Fe−N系磁石成形体を得る冷間圧密成形工程を有することを特徴とするSm−Fe−N系磁石成形体の製造方法。
  2. 前記冷間圧密成形工程において、前記冷間圧密成形が6kOe以上の磁場中で行われる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記冷間圧密成形工程の前に、前記Sm−Fe−N系磁石粉末を6kOe以上の磁場中で圧縮成形し、相対密度30%以上のSm−Fe−N系予備圧縮成形体を得る予備圧縮成形工程をさらに有し、
    前記冷間圧密成形工程のSm−Fe−N系磁石粉末に代えて前記予備圧縮成形体を用いることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記冷間圧密成形工程における前記成形面圧が、3〜4GPaである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記冷間圧密成形工程の後、350〜600℃の温度で、1〜120分加熱する熱処理工程をさらに含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記Sm−Fe−N系磁石粉末が、金属バインダを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記Sm−Fe−N系磁石粉末の平均粒子径が、10μm以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記冷間圧密成形工程または前記予備圧縮成形工程の前に、Sm−Fe−N系磁石粗粉を微粉砕し、前記Sm−Fe−N系磁石粉末を得る準備工程をさらに有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記微粉砕が、乾式ジェットミルを用いて行われる請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記微粉砕が、湿式ビーズミルを用いて行われる請求項8に記載の製造方法。
  11. 前記準備工程以後の工程が、不活性雰囲気中で行われる請求項8〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 焼結することなく、かつ爆薬を用いた粉末衝撃成形法を用いることなく、冷間圧密成形で作製されてなる、相対密度が80%以上であるSm−Fe−N系磁石成形体。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法により得られてなることを特徴とする請求項12に記載のSm−Fe−N系磁石成形体。
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