JP2016079271A - シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(A)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
(式(1)中、R1は炭素数6〜12の一価芳香族炭化水素基であり、R2は炭素数1〜12の、不飽和結合を有してもよい一価脂肪族炭化水素基であり、R3は炭素数7〜50の一価脂環式エポキシ基であり、RはR1、R2、及びR3のための選択肢から選ばれる基であり、0≦k<0.5、0.1≦m≦0.5、0≦n<0.8、0.01≦p≦0.5、0≦q<0.6であり、k+m+n+p+q=1であり、但し、k及びnは同時に0でない。上記括弧内にある各シロキサン単位の結合順序は制限されないが、−O1/2Xの少なくとも2つは末端に結合されており、Xは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、rは−O1/2Xの個数であり、q=0のときrは2であり、q≠0のときrは(RSiO3/2)単位の個数+2である)
(B)エポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤 (A)成分中のエポキシ基1個に対する(B)成分中のエポキシ基と反応する官能基の個数が0.3〜1個となる量、及び
(C)硬化触媒 触媒量
を含有するシリコーン樹脂組成物を提供する。
(A)オルガノポリシロキサン
(A)成分は、下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである。
(式(1)中、R1は炭素数6〜12の一価芳香族炭化水素基であり、R2は炭素数1〜12の、不飽和結合を有してもよい一価脂肪族炭化水素基であり、R3は炭素数7〜50の一価脂環式エポキシ基であり、RはR1、R2、及びR3のための選択肢から選ばれる基であり、0≦k<0.5、0.1≦m≦0.5、0≦n<0.8、0.01≦p≦0.5、0≦q<0.6であり、k+m+n+p+q=1であり、但し、k及びnは同時に0でない。上記括弧内にある各シロキサン単位の結合順序は制限されないが、−O1/2Xの少なくとも2つは末端に結合されており、Xは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、rは−O1/2Xの個数であり、q=0のときrは2であり、q≠0のときrは(RSiO3/2)単位の個数+2である)
(R4は好ましくは炭素数1〜20のアルキレン基であり、より好ましくはエチレン基である。)
特に好ましくは下記構造の脂環式エポキシ基(β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチル基)である。
(式(7)中、R6はR1またはR2であり、R1及びR2は上記の通りであり、Xは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。eは1〜20の整数である)
(式(8)中、Rは上記の通りであり、R7は炭素数1〜12の一価脂肪族炭化水素基あるいは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、少なくとも1のR7は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、Xは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。eは1〜20の整数である)
硬化剤は、エポキシ基と反応性の官能基を有する従来公知の硬化剤を使用すればよい。例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、及び酸無水物系硬化剤が挙げられる。本発明において「エポキシ基と反応性を有する官能基」とは、アミン系硬化剤が有するアミノ基、フェノール系硬化剤が有するフェノール性水酸基、酸無水物系硬化剤が有する酸無水物基を意味する。尚、酸無水物系硬化剤における酸無水物基は−CO−O−CO−で表される。中でも酸無水物系硬化剤が好ましい。
硬化触媒は特に制限されるものでなく、シリコーン樹脂組成物に従来使用されている硬化触媒から選択すればよい。例えば、テトラブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの第四級ホスホニウム塩、トリフェニルフォスフィン、ジフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン系硬化触媒、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系硬化触媒、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7p−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 ギ酸塩等の第四級アンモニウム塩、オクチル酸亜鉛、ナフチル酸亜鉛等の有機カルボン酸塩、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。中でも第四級ホスホニウム塩、及び第四級アンモニウム塩が好ましい。
本発明のシリコーン樹脂組成物はさらに酸化防止剤を含有するのが好ましい。該酸化防止剤としては、亜リン酸化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。特にはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、N,N’−プロパン−1,3−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6,6’−ジ−tert−ブチル−2,2’−チオジ−p−クレゾール、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、2,2’−エチリデンビス[4,6−ジ−tert−ブチルフェノール]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−シ゛−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−シ゛−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、6,6’−ジ−tert−ブチル−4,4’−チオジ−m−クレゾール、ジフェニルアミン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−1−ベンゾピラン−6−オール、2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、ジドデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネートが例示される。
[GPC測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/min
カラム:TSK Guardcоlumn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D ×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D ×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D ×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μl(試料濃度:0.5wt%−テトラヒドロフラン溶液)
検出器:示差屈折率計(RI)
[β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシランの合成]
2Lのセパラブルフラスコに0.5質量%塩化白金酸トルエン溶液0.39g、メタノール10g、セロキサイド2000(1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ダイセル化学工業株式会社製)546gを入れ、攪拌した後、内温を50℃まで上昇させた。その後、ジメトキシメチルシラン 425gを3時間かけて滴下し、70℃で3時間反応させた。トルエンを減圧蒸留した後、アンテージW−500(2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−ターシャルブチルフェノール)、川口化学工業株式会社製)0.9gとアクセルDM(2−ベンゾチアゾイル−ジサルファイド、川口化学工業株式会社製)0.9gを添加、攪拌した。溶解したのを確認した後、減圧蒸留(110℃、5mmHg)を行うことで、下記式(14)で示される化合物568g(収率63%)を得た。
[合成例2]
[オルガノポリシロキサン1の合成]
2Lのセパラブルフラスコにジフェニルシランジオール216g、XO―(MePhSiO)a―X(Xは水素原子またはメチル基であり、aは3〜10の整数であり平均7である)486g、合成例1で得られたβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン230gを入れ、攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン900gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(15)で表される、直鎖状のオルガノポリシロキサン1を得た。
上記式(15)において、m、n、及びpは、各シロキサン単位のモル比として、m=0.18、n=0.64、p=0.18であった。−O1/2Xの数(r)は2個であり、両末端に存在する。Xは水素原子またはメチル基である。
上記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は50%であった。
得られたオルガノポリシロキサン1の、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は2500であり、エポキシ当量は885g/eqであった。
[オルガノポリシロキサン2の合成]
2Lのセパラブルフラスコにジフェニルシランジオール195g、XO―(MePhSiO)a―X(Xは水素原子またはメチル基であり、aは3〜10の整数であり平均7である)583g、合成例1で得られたβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン115gを攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン900gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(16)で表される、直鎖状のオルガノポリシロキサン2を得た。
上記式(16)において、m、n、及びpは、各シロキサン単位のモル比として、m=0.15、n=0.69、p=0.16であった。−O1/2Xの数(r)は2個であり、両末端に存在する。Xは水素原子またはメチル基である。
上記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は50%であった。
得られたオルガノポリシロキサン2の、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は2600であり、エポキシ当量は959g/eqであった。
[オルガノポリシロキサン3の合成]
2Lのセパラブルフラスコにジフェニルシランジオール216g、XO―(MePhSiO)a―X(Xは水素原子またはメチル基であり、aは3〜10の整数であり平均7である)486g、合成例1で得られたβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン115g、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学工業株式会社製)123gを攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン900gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(17)で表される、分岐構造を有するオルガノポリシロキサン3を得た。
上記式(17)において、m、n、p、及びqは、各シロキサン単位のモル比として、m=0.18、n=0.64、p=0.09、q=0.09であった。−O1/2Xの数(r)はT単位の数+2個である。Xは水素原子またはメチル基である。
上記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は52%であった。
得られたオルガノポリシロキサン3の、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は2800であり、エポキシ当量は878g/eqであった。
[オルガノポリシロキサン4の合成]
2Lのセパラブルフラスコにジフェニルシランジオール281g、XO―(Me2SiO)a―X(Xは水素原子またはメチル基であり、aは2〜5の整数であり平均は3.5である)55g、合成例1で得られたβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン230gを攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン900gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(18)で表される、直鎖状のオルガノポリシロキサン4を得た。
上記式(18)において、k、m、及びpは、各シロキサン単位のモル比として、k=0.23、m=0.44、p=0.33であった。−O1/2Xの数(r)は2個であり、両末端に存在する。Xは水素原子またはメチル基である。
上記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は53%であった。
得られたオルガノポリシロキサン4の、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は3100であり、エポキシ当量は513g/eqであった。
[合成例6]
[オルガノポリシロキサン5の合成]
2Lのセパラブルフラスコにジフェニルシランジオール216g、XO―(MePhSiO)a―X(Xは水素原子またはメチル基であり、aは3〜10の整数であり平均は7である)486g、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学工業株式会社製)246gを攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン900gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(19)で表される、分岐を有するオルガノポリシロキサン5を得た。
上記式(18)において、m、n、及びqは、各シロキサン単位のモル比として、m=0.18、n=0.64、q=0.18であった。−O1/2Xの数(r)はT単位の個数+2個である。Xは水素原子またはメチル基である。
上記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は50%であった。
得られたオルガノポリシロキサン5の、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は3200であり、エポキシ当量は871g/eqであった。
[オルガノポリシロキサン6の合成]
2LのセパラブルフラスコにXO―(MePhSiO)a―X(Xは水素原子またはメチル基であり、aは3〜10の整数であり平均は7である)486g、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学工業株式会社製)123gを攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン600gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(20)で表される、分岐を有するオルガノポリシロキサン6を得た。
上記式(20)において、n及びqは、各シロキサン単位のモル比として、n=0.88、q=0.12であった。−O1/2Xの数(r)はT単位の個数+2個である。Xは水素原子またはメチル基である。
上記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は47%であった。
得られたオルガノポリシロキサン6のGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は5400であり、エポキシ当量は1171g/eqであった。
[オルガノポリシロキサン7の合成]
2Lのセパラブルフラスコにジフェニルシランジオール216g、合成例1で得られたβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン345gを攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン900gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(21)で表される、直鎖状のオルガノポリシロキサン7を得た。
上記式(21)において、m及びqは、各シロキサン単位のモル比として、m=0.4、p=0.6であった。−O1/2Xの数(r)は2個であり、両末端に存在する。Xは水素原子またはメチル基である。
上記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は40%であった。
得られたオルガノポリシロキサン7のGPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は2300であり、エポキシ当量は426g/eqであった。
[オルガノポリシロキサン8の合成]
2Lのセパラブルフラスコにジフェニルシランジオール108g、XO―(MePhSiO)a―X(Xは水素原子またはメチル基であり、aは3〜10の整数であり平均は7である)971g、合成例1で得られたβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン230gを攪拌した後、内温を80℃まで上昇させた。その後、触媒として水酸化ストロンチウム2.4gを加え、80℃でメタノールを留去しながら4時間反応させた。反応終了後、トルエン900gを加え、攪拌した後、0.8μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、触媒を除去した。その後、得られた反応溶液を熱水で水洗した後、共沸脱水し、トルエンを減圧蒸留することで、下記式(22)で表される、直鎖状のオルガノポリシロキサン8を得た。
上記式(22)において、m、n、及びpは、各シロキサン単位のモル比として、m=0.06、n=0.82、p=0.12であった。−O1/2Xの数(r)は2個であり、両末端に存在する。Xは水素原子またはメチル基である。
記括弧内に示す各単位の結合順序は特に制限されない。
フェニル基、メチル基、及び脂環式エポキシ基の合計個数に対するフェニル基の含有量は47%であった。
得られたオルガノポリシロキサン8の、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は3000であり、エポキシ当量は1140g/eqであった。
下記表1に示す組成及び配合(質量部)でシリコーン樹脂組成物を調製した。表1に記載の各成分は以下のとおりである。また、表中、空欄は「0」を意味する。
(B)硬化剤:4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化株式会社製、リカシッドMH)
(C)硬化触媒:第四級ホスホニウム塩(サンアプロ株式会社製、U−CAT5003)
(D)酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](株式会社ADEKA社製、アデカスタブAO−60)
下記において組成物の硬化は、100℃で1時間加熱し、次いで150℃で4時間加熱して行った。各組成物及び各硬化物を以下の方法で評価した。
(1)粘度
各組成物の粘度を、東機産業製B型回転粘度計(製品名:TVB−15M)にて、23℃で測定した。結果を表1に示す。
(2)硬度
上記方法により各組成物を硬化して棒状硬化物を作成した。各硬化物の硬度(タイプD)をJIS K6301に準拠して測定した。結果を表1に示す。
(3)耐UV性
上記方法により各組成物を硬化して1mm厚のシート状硬化物を作成した。該硬化物の波長450nmにおける光透過率(T0)を、分光光度計U−4100(日立ハイテック社製)にて測定した。次いで、365nmバンドパスフィルターを装備したUV照射装置(照度100mW/cm2)にて該硬化物に24時間UV照射した。UV照射後の各硬化物の光透過率(T1)を上記と同じ方法で測定した。T1/T0(%)の値を表1に示す。
(4)耐熱性
上記方法により各組成物を硬化して1mm厚のシート状硬化物を作成した。該硬化物の波長450nmにおける光透過率(T0)を分光光度計U−4100(日立ハイテック社製)にて測定した。次いで、該硬化物を150℃×400時間加熱した。加熱後の各硬化物の光透過率(T1)を上記と同じ方法で測定した。T1/T0(%)の値を表1に示す。
(5)水蒸気透過率
上記方法により各組成物を硬化して1mm厚のシート状硬化物を作成した。各硬化物の水蒸気透過率をJIS K 7129に準拠して測定した。結果を表1に示す。
比較例2のシリコーン樹脂組成物はジフェニルシロキサン単位を有さない。該オルガノポリシロキサンを含む組成物は低ガス透過性に劣る。
比較例3のシリコーン樹脂組成物は、オルガノポリシロキサンがジフェニルシロキサン単位及び脂環式エポキシ基含有D単位を有するが、ジメチルシロキサン単位及びメチルフェニルシロキサン単位を有さない。該オルガノポリシロキサンを含む組成物は粘度が高すぎる。
比較例4のシリコーン樹脂組成物は、オルガノポリシロキサンがジフェニルシロキサン単位、フェニルメチルシロキサン単位、及び脂環式エポキシ基含有D単位を有するが、ジフェニルシロキサン単位の含有比率が小さすぎる。該オルガノポリシロキサンを含む組成物は低ガス透過性に劣る。
これに対し本発明のシリコーン樹脂組成物は粘度が低く作業性に優れ、且つ、低ガス透過性に優れた硬化物を与え、さらに耐熱性及び耐UV性に優れる。
Claims (9)
- (A)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
(式(1)中、R1は炭素数6〜12の一価芳香族炭化水素基であり、R2は炭素数1〜12の、不飽和結合を有してもよい一価脂肪族炭化水素基であり、R3は炭素数7〜50の一価脂環式エポキシ基であり、RはR1、R2、及びR3のための選択肢から選ばれる基であり、0≦k<0.5、0.1≦m≦0.5、0≦n<0.8、0.01≦p≦0.5、0≦q<0.6であり、k+m+n+p+q=1であり、但し、k及びnは同時に0でない。上記括弧内にある各シロキサン単位の結合順序は制限されないが、−O1/2Xの少なくとも2つは末端に結合されており、Xは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、rは−O1/2Xの個数であり、q=0のときrは2であり、q≠0のときrは(RSiO3/2)単位の個数+2である)
(B)エポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤 (A)成分中のエポキシ基1個に対する(B)成分中のエポキシ基と反応する官能基の個数が0.3〜1個となる量、及び
(C)硬化触媒 触媒量
を含有するシリコーン樹脂組成物。 - 上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンが、一価芳香族炭化水素基(R1)を、R、R1、R2、及びR3で示される基の合計個数に対し40%以上95%以下となる個数で有する、請求項1記載のシリコーン樹脂組成物。
- 一価芳香族炭化水素基(R1)がフェニル基である、請求項1または2記載のシリコーン樹脂組成物。
- さらに(D)酸化防止剤を含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーン樹脂組成物。
- 前記(A)オルガノポリシロキサンが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)2,000以上10,000以下を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーン樹脂組成物。
- JIS K 7117−1:1999に準拠しB型粘度計により測定される23℃での粘度0.5Pa・s以上30Pa・s以下を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載のシリコーン樹脂組成物。
- 光半導体素子封止用である、請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコーン樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコーン樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を備える光半導体装置。
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