JP2016079052A - 窓ガラスおよび積層膜付き透明基板 - Google Patents

窓ガラスおよび積層膜付き透明基板 Download PDF

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Abstract

【課題】低緯度から中緯度の暑熱地域での使用に適した高遮熱性の窓ガラスおよび高遮熱性の積層膜付き透明基板を提供する。
【解決手段】透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有する積層膜付き透明基板からなり、前記積層膜が室内側の大気に露出した状態で使用され、JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される熱貫流率(U値)が3.4〜4.7W/m・K、日射熱取得率(η値)が0.17〜0.44、および可視光透過率(Tv)が35%以上であり、 JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上であり、ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である窓ガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は、窓ガラスおよび積層膜付き透明基板に関する。
暑熱地域、例えば、東南アジア等の低緯度から中緯度の地域における建築用窓ガラスの省エネルギー性能を考える場合、高い可視光透過率を有するとともに、高遮熱性能を有することが求められる。一方で、断熱性能に関しては意識されないが、窓ガラスが高断熱性能を有する場合、室内に取り込まれた日射熱が放出されず、結果として冷房負荷が上がってしまう。そのため、建築用窓ガラスには、高可視光透過率、高遮熱性能に加えて低断熱性能が求められる。
ここで、窓ガラスに高遮熱性能を持たせるためには放射率を低くすることが必要とされるが、放射率を過度に低くすると断熱性能が増大することが知られており、放射率を適度に調整する必要があった。さらに、建築用窓ガラスには、透過光や反射光が自然光に近い、すなわち、演色性が高い性質が求められていた。
上記機能を達成する窓ガラスとして、ガラス基板に、銀を主成分として含有する金属層を含む銀系光学多層膜を成膜した単板の窓ガラスが考えられる。しかしながら、従来、銀系光学多層膜は、高断熱性能を有する複層ガラスの内側に設けられて使用されて高遮熱性能を発揮していたものであり、これが露出した状態では化学的耐久性および機械的耐久性が十分に得られない点で問題であった。
また、例えば、緑色や青色に着色された熱線吸収ガラスに化学的耐久性および機械的耐久性を備えるドープ酸化錫等を含む遮熱膜を成膜したガラス物品が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなガラス物品では、高可視光透過率、高遮熱性能に加えて低断熱性能が得られているが、演色性が十分でない点で問題であった。
このように、ガラス基板のような透明基板と各種コーティング膜の組み合わせにおいて、低緯度から中緯度の暑熱地域における窓ガラスとしての使用に適した上記各種特性を満足する、透明基板とコーティング膜を組み合わせた遮熱性の高い窓ガラスが得られていないのが現状であった。
特表2005−529823号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、低緯度から中緯度の暑熱地域での使用に適した高遮熱性の窓ガラスおよび高遮熱性の積層膜付き透明基板の提供を目的とする。
本発明の第1の態様の窓ガラスは、透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有する積層膜付き透明基板からなり、前記積層膜が室内側の大気に露出した状態で使用され、JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される熱貫流率(U値)が3.4〜4.7W/m・K、日射熱取得率(η値)が0.17〜0.44、および可視光透過率(Tv)が35%以上であり、JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上であり、ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である。
本発明の第2の態様の窓ガラスは、透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有する積層膜付き透明基板からなり、前記積層膜が室内側の大気に露出した状態で使用され、JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される日射熱取得率(η値)および可視光透過率(Tv)を用いて、Tv/(η値×100)の式で算出される選択係数が1.1以上であり、JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上であり、ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である。
本発明の第3の態様の積層膜付き透明基板は、透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有し、JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される熱貫流率(U値)が3.4〜4.7W/m・K、前記積層膜側で測定される日射熱取得率(η値)が0.17〜0.44、および可視光透過率(Tv)が35%以上であり、JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上である。
本発明の第4の態様の積層膜付き透明基板は、透明基板と前記透明基板上に成膜された銀を主体とする金属層を含む積層膜を有し、ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である。
本発明によれば、低緯度から中緯度の暑熱地域での使用に適した高遮熱性の窓ガラスおよび高遮熱性の積層膜付き透明基板を提供できる。
本発明の窓ガラスの一実施形態の使用時の一例を示す断面図である。 積層膜付き透明基板の一実施形態の断面図である。 積層膜付き透明基板の一実施形態の変形例を示す断面図である。 積層膜付き透明基板の別の実施形態を示す断面図である。 積層膜付き透明基板の別の実施形態の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、下記説明に限定して解釈されるものではない。
[窓ガラスおよび積層膜付き透明基板]
図1は、本発明の窓ガラスの一実施形態の使用時の一例を示す断面図である。図2、図3は本発明の窓ガラスを構成する積層膜付き透明基板の一実施形態およびその変形例を示す拡大断面図である。さらに、図4、図5は本発明の窓ガラスを構成する積層膜付き透明基板の別の実施形態およびその変形例を示す拡大断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態の窓ガラス30は、透明基板11と透明基板11上に成膜された積層膜12を有する積層膜付き透明基板10からなり、積層膜12が室内側の大気に露出した状態で使用される。本明細書において「窓ガラス」とは、窓ガラス本体をいい、例えば、使用に際して窓ガラスの開閉等のために取り付けられる取っ手や、窓ガラスを窓枠に取り付けるためのサッシ等の枠体等の付属品を含まない、窓ガラス自体をいう。
本発明の第1の態様の窓ガラスにおいて、積層膜付き透明基板10は、JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される以下の(1−a)〜(3−a)の物性値を満足するとともに、以下の(4−a)および(5−a)の物性値を満足するものである。
(1−a)熱貫流率(U値)が3.4〜4.7W/m・Kである。
(2−a)日射熱取得率(η値)が0.17〜0.44である。
(3−a)可視光透過率(Tv)が35%以上である。
(4−a)JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上である。
(5−a)ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に上記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数(以下、単に「耐汗試験による欠点数」という。)が50以下である。
建物側面の全面積における窓の面積の割合が大きい方が、太陽光から建物内部により多くの可視光を取り込むことが可能であるが、同時に取り込まれる日射熱量も多くなる。一般的な大型建築物においては、WWR(Window to Wall Ratio)と呼称される建物側面の全面積における窓の面積の割合が、0.4以上の建物が多く、0.7を超える建物も多く存在する。また、低緯度から中緯度の暑熱地域において、建物側面から外部の熱が窓や壁を通して建物内部に伝わる熱量と、日射熱として窓から入り込む熱量の合計量を建物側面の全面積(壁と窓の合計面積)で除した値としてOTTV(Overall Thermal Transfer Value)が知られている。例えば、これらの指標を用いて暑熱地域において窓ガラスに求められる遮熱性能を示せば、WWRが0.4以上の建物において、OTTVを50W/m以下とすることが求められている。
窓ガラス30を構成する積層膜付き透明基板10が、上記(1−a)および(2−a)を満足することで、例えば、WWRが0.4以上の建物において、OTTVを50W/m以下とすることが可能となる。
なお、熱貫流率(U値)は3.4〜4.4W/m・Kが好ましく、3.4〜4.2W/m・Kがより好ましい。熱貫流率(U値)は、積層膜付き透明基板10の内外で温度差が1度あったときの1時間あたり1mを通過する熱量(W)を示し、断熱性を測る指標となる。熱貫流率(U値)が小さいほど断熱性に優れることを意味する。
また、日射熱取得率(η値)は0.17〜0.40が好ましく、0.17〜0.35がより好ましい。ここで、日射熱取得率(η値)は、積層膜付き透明基板10の透明基板11側から入射した太陽エネルギーを1としたときの積層膜12側に流入する熱量の割合を示す値である。日射熱取得率(η値)により、遮熱性、すなわち太陽光によって生じる熱(日射熱)をどの程度遮断するかを知ることができる。
日射熱取得率は、透明基板11側から入射した太陽エネルギーに対する、直接透過する熱(以下「透過熱」ともいう。)と、吸収されてその後積層膜12側へ放出される熱(以下、「輻射熱」ともいう。)との合計の熱量の割合である。日射熱取得率は、0から1の間の数で表される。なお、日射熱取得率は、具体的には積層膜付き透明基板10における分光特性および放射率を測定し、所定の計算式に導入することで算出できる。日射熱取得率が小さいほど、積層膜付き透明基板10において透明基板11側から入射した日射熱量に対する、透過熱および輻射熱の合計の熱量の割合が少なくなる。
なお、上記の例示においては、窓からの採光性を高めることを目的として、WWRを0.4以上としている。WWRが概ね0.4以上の建物であれば、可視光透過率(Tv)を上記(3−a)の範囲とすることで、建物内への採光を十分とすることができる。可視光透過率(Tv)は、昼間の日射が強い東南アジア等の低緯度から中緯度の地域における窓ガラスに求められる防眩性の観点から65%以下が好ましい。可視光透過率(Tv)は、40〜60%が特に好ましい。
上記(4−a)による演色性が90%以上であることで、建物の外側から窓ガラス30を見た際の外観が自然な中間色となる。演色性は91%以上が好ましく、92%以上がより好ましい。
積層膜付き透明基板10は、図1に示されるとおり、積層膜12が室内側の大気に露出した状態で使用される。そのため、耐久性の観点から、上記(5−a)に示す物性値を満足することが必須である。
耐汗試験は、具体的には、乳酸50g/L、および塩化ナトリウム100g/Lを含有する人工汗液を密閉容器中に注入するとともに、この密閉容器中に人工汗液から離して積層膜付き透明基板10を配置し、密閉状態にして55±5℃で3日間保持した後の、積層膜12表面を顕微鏡で観察することにより行うことができる。
顕微鏡(50倍)で観察される欠点は、具体的には、銀の凝集、変色および剥離である。本明細書において耐汗試験で評価される欠点数は、特に断りのない限りこの3者の個数の合計をいう。なお、これらの判定は、顕微鏡(50倍)を介して目視で行うこととする。上記耐汗試験による欠点数としては30以下であることが好ましく、5以下がより好ましい。
以上説明した本発明の第1の態様の窓ガラスを構成する積層膜付き透明基板の物性値を以下の表1にまとめる。表1において、行は物性の項目であり、列は物性値であり(a)が必須の範囲、(b)が好ましい範囲、(c)がより好ましい範囲を示す。(1)U値の(a)列の範囲を、(1−a)と示す。積層膜付き透明基板の物性値の範囲は、(1)〜(5)の各項目において、それぞれ(a)、(b)、(c)のいずれかを選択して組み合わせたものであってよい。
本発明の第1の態様の窓ガラスを構成する積層膜付き透明基板は、表1に示される(1)〜(5)の各項目の(a)の列の範囲を必須とする積層膜付き透明基板であり、この場合の最も好ましい物性値の範囲の組み合わせは、(1−c)、(2−c)、(3−c)、(4−c)および(5−c)の組み合わせである。
Figure 2016079052
本発明の第1の態様の窓ガラスにおいて、積層膜付き透明基板は、上に説明した表1に示される物性値を有するものである。また、本発明の第2の態様の窓ガラスにおいては、積層膜付き透明基板は、以下の(6−a)の物性値を満足するとともに、上記(4−a)および(5−a)の物性値を満足するものである。
(6−a)JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される日射熱取得率(η値)および可視光透過率(Tv)を用いて、Tv/(η値×100)の式で算出される選択係数が1.1以上である。
上記選択係数は、可視光透過率(Tv)と日射熱取得率(η値)とのバランスをみる指標であり、選択係数が上記範囲にあれば、適度な可視光透過性かつ高遮蔽性を実現することができる。選択係数は、1.2以上が好ましく、1.25以上がより好ましい。
本発明の第2の態様における積層膜付き透明基板の物性を、上記同様に、以下の表2にまとめる。表2において、行は物性の項目であり、列は物性値であり(a)が必須の範囲、(b)が好ましい範囲、(c)がより好ましい範囲を示す。(4)演色性の(a)列の範囲を、(4−a)と示す。積層膜付き透明基板の物性値の範囲は、(4)、(5)および(6)の各項目において、それぞれ(a)、(b)、(c)のいずれかを選択して組み合わせたものであってよい。
本発明の第2の態様の窓ガラスを構成する積層膜付き透明基板は、表2に示される(4)、(5)および(6)の各項目の(a)の列の範囲を必須とする積層膜付き透明基板であり、この場合の最も好ましい物性値の範囲の組み合わせは、(4−c)、(6−c)および(5−c)の組み合わせである。
Figure 2016079052
上記本発明の窓ガラスにおける積層膜付き透明基板は、上記表1の必須の物性範囲に従う第1の態様のものであっても、上記表2の必須の物性範囲に従う第2の態様のものであっても、透明基板側の反射光の色調は、CIE1976L色度座標で、a≦10、b≦5が好ましい。a≦10、b≦5の場合、透明基板側の反射光の赤味が抑制されるために好ましい。aは、−25≦a≦7がより好ましく、−15≦a≦3がさらに好ましい。bは、−25≦b≦5がより好ましく、−23≦b≦5がさらに好ましい。
また、上記第1の態様および第2の態様による積層膜付き透明基板において、積層膜側の反射光の色調は、上記座標で、a≦15、b≦5が好ましい。a≦15、b≦5の場合、積層膜側の反射光の赤味が抑制されるために好ましい。aは、−25≦a≦15がより好ましく、−15≦a≦12がさらに好ましく、−15≦a≦8が特に好ましい。bは、−35≦b≦0がより好ましく、−30≦b≦0がさらに好ましい。
さらに、上記積層膜付き透明基板の透明基板側の可視光反射率(Rv)は25%以下が好ましく、積層膜側の可視光反射率(Rv)は20%以下が好ましい。なお、可視光反射率(Rv)は、JIS R3106:1998に規定されるものである。
本発明は、第3の態様として、透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有する積層膜付き透明基板であって、上記(1−a)、(2−a)、(3−a)および(4−a)の特性を満足する積層膜付き透明基板を提供する。このような特性を満足する本発明の第3の態様の積層膜付き透明基板を、以下、積層膜付き透明基板(A)という。積層膜付き透明基板(A)は、さらに、上記(5−a)に示す物性値を満足することが耐久性の観点から好ましい。
積層膜付き透明基板(A)の物性値を、上記表1を参照して説明すると、積層膜付き透明基板(A)が有する物性値は、表1の物性の項目(1)〜(4)について、それぞれ、(a)、(b)、(c)のいずれかを選択して組み合わせたものであってよい。積層膜付き透明基板(A)が有する物性値は、これらに、さらに、(5−a)、(5−b)または(5−c)を組み合わせたものであってよい。このように、積層膜付き透明基板(A)が備えるべき物性を選択する場合に、(5)の耐汗試験による欠点数は任意の項目である。積層膜付き透明基板(A)における最も好ましい物性値の範囲の組み合わせは、(1−c)、(2−c)、(3−c)、(4−c)および(5−c)の組み合わせである。
本発明は、第4の態様として、透明基板と前記透明基板上に成膜された銀を主体とする金属層を含む積層膜を有する積層膜付き透明基板であって、上記(5−a)の特性を必須の物性値として有する積層膜付き透明基板を提供する。このような本発明の第4の態様の積層膜付き透明基板を、以下積層膜付き透明基板(B)という。
積層膜付き透明基板(B)においては、耐汗試験による欠点数については、上記(5−b)の特性を有することが好ましく、上記(5−c)の特性を有することがより好ましい。積層膜付き透明基板(B)においては、積層膜が銀を主体とする金属層を含むことにより、表1の物性の項目(1)〜(4)においても、(a)の条件を達成しうるといえる。
積層膜付き透明基板(A)および積層膜付き透明基板(B)の用途は限定されない。上記のとおり単板で窓ガラスとして上記積層膜を室内側の大気に露出した状態で使用してもよく、合わせガラスや複層ガラスとして使用してもよい。なお、積層膜付き透明基板(A)を上記のようにして単板で窓ガラスとして用いる場合、上記(5−a)の特性を満足するものが用いられる。
合わせガラスとしては、例えば、対向配置された2枚の透明基板が中間膜を挟持し該中間膜により接着された構成の合わせガラスが挙げられる。このような合わせガラスの透明基板の一方または両方に積層膜付き透明基板(A)、積層膜付き透明基板(B)を用いることができる。その場合、積層膜は中間膜側に配置されてもよく、大気に露出した状態であってもよい。合わせガラスとしては3枚以上の透明基板を有するものであってもよい。
複層ガラスとしては、例えば、対向配置した2枚の透明基板をその周縁部にスペーサを介して封止し対向する透明基板間に中間層を形成した構成の複層ガラスが挙げられる。このような複層ガラスの透明基板の一方または両方に積層膜付き透明基板(A)、積層膜付き透明基板(B)を用いることができる。その場合、積層膜は中間層側に配置されてもよく、大気に露出した状態であってもよい。複層ガラスとしては3枚以上の透明基板を有するものであってもよい。
なお、積層膜付き透明基板(A)を上記のようにして合わせガラスや複層ガラスの透明基板として用いる際に積層膜が大気に露出した状態で用いられ場合には、上記(5−a)の特性を満足するものが用いられる。
ここで本明細書において、窓ガラス、合わせガラス、複層ガラス等の「ガラス」とは、必ずしもそれらが無機ガラス基板を用いているものに限定されず、有機ガラスを含む透明基板を用いて得られる透明物品の概念で用いられる。
[積層膜付き透明基板の構成]
上記本発明の第1の態様の窓ガラスにおける積層膜付き透明基板、第2の態様の窓ガラスにおける積層膜付き透明基板、および積層膜付き透明基板(A)は、いずれも、積層膜が、例えば、銀を主体とする金属層を含む積層膜、または透明導電層と窒素含有光吸収層とを含む積層膜で構成される。積層膜付き透明基板(B)が有する積層膜は、上記のとおり銀を主体とする金属層を含む積層膜である。
以下、本発明に係る積層膜付き透明基板の各構成要素について、上記積層膜の構成別に図面を参照しながら説明する。図2は透明基板と銀を主体とする金属層を含む積層膜とを有する積層膜付き透明基板の一例の断面図である。図3は、透明基板と銀を主体とする金属層を含む積層膜とを有する積層膜付き透明基板の変形例の断面図である。図4は、透明基板と、透明導電層と窒素含有光吸収層とを含む積層膜を有する積層膜付き透明基板の一例の断面図である。図5は、透明基板と、透明導電層と窒素含有光吸収層とを含む積層膜を有する積層膜付き透明基板の変形例の断面図である。
まず、図2または図3に示す、透明基板と、銀を主体とする金属層を含む積層膜を有する積層膜付き透明基板について説明する。
図2に示す積層膜付き透明基板10Aは、透明基板11と、透明基板11上に銀を主体とする金属層123を含む積層膜12Aを有する。
(透明基板)
透明基板11は、特に限定されず、例えば、建築物用の窓ガラスや通常使用されるフロートガラス、またはロールアウト法によって製造されるソーダ石灰ガラス等の無機質の透明性を有するガラス基板を使用できる。ガラス基板としては、クリアガラス、高透過ガラス等の無色のもの等が使用できる。透明基板11として、有機質の透明基板を用いてもよい。有機質の透明基板としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂やポリフェニレンカーボネート等の芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の芳香族ポリエステル系樹脂等からなる透明基板が挙げられる。
積層膜付き透明基板10Aとしての可視光透過率(Tv)を上記範囲とするために、透明基板11の可視光透過率(Tv)は、80〜92%が好ましく、83〜92%がより好ましい。このような可視光透過率を考慮すると、クリアガラス、高透過ガラス等の無色ガラスが好ましい。また、高い演色性を得る観点からも無色ガラスが好ましい。
透明基板11としては、また、風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の各種強化ガラスも使用できる。さらには、ホウケイ酸塩ガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス、低膨張結晶化ガラス、ゼロ膨張結晶化ガラス等の各種ガラスを用いることができる。透明基板11の厚さは、必ずしも限定されないが、透明基板11自体の可視光透過率(Tv)を上記範囲とでき、かつ十分な機械的強度を確保できる厚さが好ましく、例えば0.5〜20mmが好適である。
(銀を主体とする金属層を含む積層膜)
図2に示す積層膜付き透明基板10Aが透明基板11上に有する積層膜12Aは、透明基板11側から順に、第1の窒化ケイ素層121、第1のクロム含有層122、銀を主体とする金属層123、第2のクロム含有層124、および第2の窒化ケイ素層125が成膜されて構成される。このように銀を主体とする金属層が2層のクロム含有層に接するように挟持され、さらに2層の窒化ケイ素層に挟持される構成としたことで、積層膜付き透明基板10Aは、良好な化学的耐久性、機械的耐久性、および熱的耐久性を有する。
金属層123は、銀を主成分として含有する。本明細書においてある成分を主成分として含有するとは、全構成成分に対する主成分として含有する成分の割合が50質量%を超えることをいう。金属層123は、主成分としての銀以外に、パラジウム、金、クロム、コバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含有することが好ましい。以下、パラジウム、金、クロム、コバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を金属Mともいう。金属層123における金属Mの含有量は、銀と金属Mとの合計量に対して0.1〜10質量%の割合が好ましい。以下、金属Mの含有量とは、特に断りのない限り、銀と金属Mとの合計量に対する金属Mの割合(質量%)をいう。
銀を主体とする金属層123が金属Mを好ましくは上記含有量で含有することで、積層膜付き透明基板10Aの上記物性の項目(1)〜(4)、(6)を所定の範囲に調整しやすい。また、積層膜付き透明基板10Aの耐久性、特に積層膜12Aの耐汗性等の化学的耐久性、例えば、上記物性の項目(5)を所定の範囲に向上できる。さらに、金属層123が金属Mを好ましくは上記含有量で含有することで、機械的耐久性も良好となる。機械的耐久性が向上する理由として、金属Mの固溶化により金属層123の硬度が向上し、積層膜12A構造全体としても強度が向上するものと推定される。積層膜12Aの耐久性が良好となることで、積層膜付き透明基板10Aを積層膜12Aが大気に露出するような状態で使用する用途に好適なものとなる。
上記金属Mとしては、パラジウム、金、クロム、コバルトおよびニッケルから選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも金属Mとしては、1種を単独で使用する場合には、パラジウム、金等が好ましい。2種以上の組合せとしては、ニッケルと金、ニッケルとパラジウム等が好ましい。
なお、金属層123における金属Mの含有量の最適な量は金属Mの種類により異なる。金属Mとして、パラジウムを用いる場合には、銀とパラジウムとの合計量に対するパラジウムの割合は、1〜5質量%が好ましい。同様に金については1〜10質量%、クロムについては0.1〜5質量%、コバルトについては0.1〜5質量%、ニッケルについては0.1〜7質量%の含有量がそれぞれ好ましい。また、ニッケルと金を組み合せて用いる場合には、ニッケルを0.1〜7質量%、金を1〜10質量%(ただし、ニッケルと金の合計として10質量%以下)、含有させることが好ましい。
金属層123は、銀および金属M以外の添加元素を含有できる。添加元素としては、例えば、銅、チタン等の金属元素が挙げられる。添加元素を含有する場合、添加元素の合計した含有量は、金属層123を構成する全成分中、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
金属層123の厚さは、10〜30nmが好ましい。金属層123の厚さが10nm以上の場合、積層膜付き透明基板10Aの上記物性の項目(1)〜(4)、(6)が所定の範囲内となり、耐久性、特に積層膜12Aの化学的耐久性、例えば、上記物性の項目(5)が所定の範囲に向上する。金属層123の厚さが30nm以下の場合、積層膜付き透明基板10Aの上記物性の項目(1)〜(4)、(6)が所定の範囲内となるとともに、積層膜12Aの生産性も良好となる。なお、金属層の厚さは、幾何学的厚さを表す(以下、同様である。)。
第1のクロム含有層122は、クロム(Cr)もしくはニッケルクロム合金(NiCr合金)またはこれらの一部が窒化されたクロムの部分窒化物もしくはニッケルクロム合金の部分窒化物からなる。クロムの部分窒化物としては、CrN(0.5<x<1.5)が好適なものとして挙げられる。ニッケルクロム合金の部分窒化物としては、NiCrN(0.5<x<1.5))が好適なものとして挙げられる。積層膜付き透明基板10Aの熱的耐久性の観点からは、第1のクロム含有層122は、窒化されていないクロム(Cr)またはニッケルクロム合金(NiCr合金)からなることが好ましい。
第1のクロム含有層122がニッケルクロム合金(NiCr合金)またはその一部が窒化されたニッケルクロム合金の部分窒化物(NiCrN)からなる場合、クロムとニッケルとの合計量に対するクロムの含有量の割合は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。また、第1のクロム含有層122は、金属層123に接するように成膜される。
第2のクロム含有層124は、第1のクロム含有層122と同様の成分で構成され、金属層123に接するように成膜される。なお、第1のクロム含有層122と第2のクロム含有層124とは、必ずしも同一組成である必要はなく、互いに組成が異なってもよい。
第1のクロム含有層122、第2のクロム含有層124は、可視光を吸収して遮熱性を向上させる光吸収層として、また、必要に応じて熱処理が行われるときに金属層123の酸化を抑制するバリア層等として機能する。
第1のクロム含有層122、第2のクロム含有層124の厚さは0.5〜10nmが好ましい。なお、第1のクロム含有層122の厚さと第2のクロム含有層124の厚さとは、互いに同一の厚さでもよいし、異なる厚さでもよい。第1のクロム含有層122、第2のクロム含有層124の厚さが0.5nm以上の場合、積層膜付き透明基板10Aの上記物性の項目(1)〜(4)、(6)が所定の範囲内となり、その耐久性、特に積層膜12Aの化学的耐久性、例えば、上記物性の項目(5)が所定の範囲に向上する。また、第1のクロム含有層122、第2のクロム含有層124の厚さが10nm以下の場合、積層膜付き透明基板10Aの上記物性の項目(1)〜(4)、(6)が所定の範囲内になりやすく、積層膜12Aの生産性も良好となる。
第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125は、可視域での反射率等を調整して、積層膜12Aの光学特性を所望の特性とするように機能する。また、第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125は、積層膜12Aの耐久性を向上させるように機能する。
第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125は、必ずしも化学量論的な組成比の窒化ケイ素(Si:N=3:4)からなる必要はなく、例えば組成比がこれからずれた非化学量論的な組成比の窒化ケイ素からなるものでもよい。本明細書において、窒化+金属名、酸化+金属名で表記される金属の窒化物や酸化物は、特に断りのない限り化学量論的な組成比または非化学量論的な組成比の窒化物や酸化物を示す。必要に応じて、例えば、窒化ケイ素であればSiNのように記載することもある。
また、第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125は、必ずしも窒化ケイ素のみからなる必要はなく、スパッタリングを容易にするためにスパッタリングターゲットに添加される元素、例えば、アルミニウム等の導電性を付与する添加元素を含有できる。添加元素の含有量は、窒化ケイ素と添加元素との合計量中、15質量%以下が好ましい。なお、第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125を構成する窒化ケイ素は、互いに同一の組成を有する必要はなく、異なる組成を有するものでもよい。
第1の窒化ケイ素層121の厚さは25〜70nmが好ましい。第2の窒化ケイ素層125の厚さは35〜70nmが好ましい。第1の窒化ケイ素層121の厚さが25nm以上、第2の窒化ケイ素層125の厚さが35nm以上の場合、積層膜付き透明基板10Aの上記物性の項目(1)〜(4)、(6)が所定の範囲内になりやすく、その耐久性、特に積層膜12Aの化学的耐久性、例えば、上記物性の項目(5)が所定の範囲に向上する。また、第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125の厚さが70nm以下の場合、積層膜付き透明基板10Aの上記物性の項目(1)〜(4)、(6)が所定の範囲内になりやすく、積層膜12Aの生産性も良好となる。
ここで、積層膜付き透明基板10Aは、非熱処理品と熱処理品とに大別される。非熱処理品は、積層膜12Aの成膜のみが行われて最終的な形態である完成品となり、成膜後に強化または曲げのための熱処理が行われないものである。熱処理品は、積層膜12Aの成膜後、強化または曲げのための熱処理が行われて最終的な形態である完成品となるものである。積層膜付き透明基板10Aは、非熱処理品または熱処理品のいずれでもよい。
なお、積層膜付き透明基板10Aは、各層が上記順序で成膜されることによって製造されたものであればよく、全体の成膜後、さらには熱処理後については、必ずしも各層はそれらの成膜時の状態、例えば、組成、厚さ等が厳密に維持されている必要はない。しかし、積層膜付き透明基板10Aについては、成膜時や熱処理時の各層の変化が基本的に抑制されることから、全体の成膜後や熱処理後についても各層はその成膜時の状態を維持していることが好ましい。また、上記物性の項目(1)〜(6)については、成膜後の状態、すなわち熱処理されていない状態で所定の範囲内となればよいが、熱処理が行われる場合には熱処理後についても同様の範囲内となることが好ましい。
特に、積層膜付き透明基板10Aが熱処理品であって、これを得るための熱処理が積層膜付き透明基板10Aと同様の構成の非熱処理品の表面温度を600℃以上に加熱する熱処理である場合、第1のクロム含有層122の厚さが2.0〜10nm、かつ第2のクロム含有層124の厚さが2.0〜10nmの範囲であることが好ましい。上記範囲外では、熱処理品として得られる積層膜付き透明基板10Aの積層膜12Aにおいて機械的耐久性(耐擦傷性)が十分でなくなるおそれがある。
図3は、図2に示す積層膜付き透明基板10Aにおいて透明基板11上に積層膜12Aの代わりに積層膜12Bが成膜された構成の積層膜付き透明基板10Bの断面図を示す。積層膜12Bは、透明基板11側から順に、第1の窒化ケイ素層121、第1のクロム含有層122、銀を主体とする金属層123、第2のクロム含有層124、第2の窒化ケイ素層125および保護層126が成膜されて構成されている。積層膜12Bは、保護層126以外は、積層膜12Aと同様とできる。
保護層126は、積層膜12Bの機械的耐久性、特に表面の耐擦傷性を向上させる機能を有する。保護層126としては、機械的耐久性を向上させるものであれば特に制限されないが、例えば、炭素を主成分として含有する炭素層が好ましい。なお、保護層126が炭素膜の場合、熱処理を行ったときに消失するが、成膜から熱処理までの耐擦傷性を向上できる。一方、非熱処理品においても、炭素膜である保護層126が成膜された場合、最表面の摩擦係数が低下することにより耐擦傷性を向上できる。
保護層126の厚さは、1nm以上が好ましい。保護層126の厚さが1nm以上の場合、機械的耐久性が効果的に向上する。保護層126の厚さは、15nmもあれば機械的耐久性の確保に十分であり、これ以下とすることで保護層126の生産性が向上する。保護層126の厚さは、10nm以下がより好ましく、6nm以下がさらに好ましい。
なお、図示しないが、積層膜12Aや積層膜12Bには、上記した各層に加えて、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、他の層を成膜してもよい。例えば、第1の窒化ケイ素層121と第1のクロム含有層122との間、または第2のクロム含有層124と第2の窒化ケイ素層125との間に、光吸収層、またはバリア層等として機能する金属層、酸化物層、窒化物層、炭化物層、またはこれらの複合化合物層を設けてもよい。具体的には、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、クロム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、またはスズ等の元素を含有する金属層、酸化物層、窒化物層、炭化物層、または複合化合物層が挙げられる。
図2に示す積層膜付き透明基板10Aおよび図3に示す積層膜付き透明基板10Bは例えば、以下の方法で製造できる。
積層膜付き透明基板10A、10Bは、透明基板11の表面を清浄化処理した後、この表面に各層を成膜して得られる。成膜方法は、特に限定されず、物理的蒸着法(真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法)、化学的蒸着法(熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法)、イオンビームスパッタリング法等を適用できる。透明基板11の面積が大きい場合、厚さの均一性が制御しやすく、生産性に優れることから、直流または交流デュアルスパッタリング法が好ましい。
第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125は、例えば、スパッタターゲットとしてケイ素を主成分とするターゲットを使用して、窒素のみを含む雰囲気、または窒素とアルゴンとを含む雰囲気下でスパッタリングを行って成膜する。
第1のクロム含有層122、第2のクロム含有層124は、例えば、スパッタターゲットとして、クロムまたはニッケルクロム合金を主成分とするターゲットを使用して、アルゴンのみを含む雰囲気、または窒素とアルゴンとを含む雰囲気下でスパッタリングを行って成膜する。
金属層123は、例えば、スパッタターゲットとして、銀を主成分として含有し、パラジウム、金、クロム、コバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属(金属M)を、銀と前記金属との合計量に対して0.1〜10質量%の割合で含有するターゲットを使用して、アルゴンのみを含む雰囲気下でスパッタリングを行って成膜する。
積層膜付き透明基板10Bが、保護層126として、例えば、炭素を主成分として含有する炭素層を有する場合には、該炭素層は、炭素ターゲットを使用して、アルゴンのみを含む雰囲気下でスパッタリングを行って成膜すればよい。
以上のようにして積層膜付き透明基板10A、10Bの非熱処理品が得られる。積層膜付き透明基板10A、10Bを熱処理品とする場合には、上記で得られた積層膜付き透明基板10A、10Bを加熱炉で目的に応じた、例えば、強化のための加熱温度や曲げ加工のために加熱温度で所定の時間、加熱する。例えば、透明基板としてフロートガラス基板を用いた積層膜付き透明基板10A、10Bについて、該ガラス基板の風冷強化を行う場合には、加熱処理は、積層膜付き透明基板10A、10Bの表面温度として500〜700℃で1〜30分間が好ましい。
次に、図4または図5に示す、透明基板と、透明導電層と窒素含有光吸収層とを含む積層膜を有する積層膜付き透明基板について説明する。
図4に示す積層膜付き透明基板10Cは、透明基板11と、透明基板11上に透明導電層221と窒素含有光吸収層222を含む積層膜12Cを有する。透明基板11については、上記図2に示す積層膜付き透明基板10Aと同様にできる。
(透明導電層と窒素含有光吸収層とを含む積層膜)
図4に示す積層膜付き透明基板10Cが透明基板11上に有する積層膜12Cは、透明基板11側から順に、透明導電層221および窒素含有光吸収層222が成膜されて構成される。
透明導電層221としては、例えば、透明基板11上に透明な層を形成できる金属酸化物であって、導電性を具備するもの(以下、「透明導電性金属酸化物」という。)を主体とする層であれば特に限定されない。
透明導電性金属酸化物としては、例えば、金属酸化物自体を構成する金属以外の元素がドープされた金属酸化物が挙げられる。具体的には、スズ、チタン、タングステン、モリブデン、亜鉛および水素から選ばれる少なくとも1種がドープされた酸化インジウム;アンチモン、インジウム、タンタル、塩素およびフッ素から選ばれる少なくとも1種がドープされた酸化スズ;インジウム、アルミニウム、スズ、ガリウム、フッ素およびホウ素から選ばれる少なくとも1種がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記透明導電性金属酸化物は1種を単独で用いて、または2種以上を併用して、透明導電層221を形成してもよい。
透明導電層221は、低抵抗とできる観点からスズがドープされた酸化インジウム(ITO)を主体とする透明導電性金属酸化物からなることが好ましく、ITOのみからなることがより好ましい。ITOにおけるスズのドープ量としては、InとSnOとの総量に対するSnOの含有量として1〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
透明導電層221の厚さは、上記物性の項目(1)〜(6)を所定の範囲内とできる厚さであれば特に制限されない。透明導電層221の厚さは、例えば、10〜600nmであってよく、10〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがより好ましい。
透明導電層221の形成方法は特に制限されないが、通常、後述するように熱処理を伴う方法で作製される。透明導電層221の熱処理前の態様を透明導電層221の前駆層という。透明導電層221の前駆層と熱処理後の透明導電層221はほぼ同様の組成であるが、熱処理時に雰囲気中や透明基板中に含まれる酸素により適度に酸化されることで酸化度が調整され、所望の抵抗値の透明導電層221が形成される。通常、熱処理において、該熱処理が透明導電層の厚さに影響を及ぼすことはない。また、透明導電層221の厚さ、すなわちその前駆層の厚さが、上記厚さであると、層の深さ方向で酸化の程度に不均一が生じないという効果を奏する。
窒素含有光吸収層222は、例えば、透明基板11上に成膜可能な金属の窒化物および/または酸窒化物からなる光吸収性を具備するもの(以下、「窒素含有光吸収性金属化合物」という。)を主体とする層であれば特に限定されない。図4に示す積層膜付き透明基板10Cにおいては、透明基板11側から順に、透明導電層221および窒素含有光吸収層222が形成されているが、上記物性の項目(1)〜(6)を所定の範囲内とする観点からは、透明基板11側から窒素含有光吸収層222、透明導電層221の順で形成されてもよい。
窒素含有光吸収層222が有する光吸収性としては、可視光領域から赤外領域にかけて広範囲に適度な量の光を吸収する性質が好ましい。窒素含有光吸収層222がこのような光吸収性を有することで、得られる積層膜付き透明基板10Cにおける上記物性の項目(1)〜(4)、(6)を所定の範囲内とすることに寄与できる。
積層膜付き透明基板10Cにおいては、透明導電層221と窒素含有光吸収層222は互いに接するように設けられている。このような構成とすれば、例えば、上記熱処理を伴う製造方法により積層膜付き透明基板10Cを製造する際の熱処理時に、窒素含有光吸収層222と透明導電層221で酸素の受け渡しが発生し、透明導電層221の酸化度を適度に調整する役割を果たすことができる。すなわち、製造の過程において、熱処理時に透明導電層221の前駆層に過剰に酸素が含まれていても、窒素含有光吸収層222の前駆層に酸素を受け渡すことで、酸化度がより好ましい程度に調整されて、最終的に抵抗が低い透明導電層221が得られると考えられる。
なお、この場合、窒素含有光吸収層222を構成する窒素含有光吸収性金属化合物は、その前駆層を構成する成分が上記熱処理時に酸化されて得られる成分である。ここで、窒素含有光吸収層222が透明導電層221と接しておらず、酸素の受け渡しを遮る能力を持つ層(以下酸素バリア層)が存在する場合には、上記熱処理後の窒素含有光吸収層222を構成する窒素含有光吸収性金属化合物の酸化度は、透明導電層221と接している場合に比べて低い。
窒素含有光吸収層222を主として構成する窒素含有光吸収性金属化合物として、具体的には、窒化ジルコニウム、窒化クロム、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化ハフニウム、酸窒化ジルコニウム、酸窒化クロム、酸窒化チタン、酸窒化ニオブ、および酸窒化ハフニウム等が挙げられる。窒素含有光吸収性金属化合物としては、上に例示した金属窒化物が好ましい。窒素含有光吸収性金属化合物が、上に例示した金属の酸窒化物である場合、該化合物中の窒素1モルに対する酸素の割合は0.5モル以下が好ましく、0.2モル以下がより好ましい。上記窒素含有光吸収性金属化合物は1種を単独で用いて、または2種以上を併用して、窒素含有光吸収層222を形成してもよい。
窒素含有光吸収層222は窒化チタンを主体とする窒素含有光吸収性金属化合物からなることが好ましく、窒化チタンのみからなるものが好ましい。なお、窒化チタンは必ずしも化学量論的な組成比の窒化チタン(Ti:N=1:1)からなる必要はなく、例えば、組成比がこれからずれた所謂非化学量論的な組成比の窒化チタンからなるものでもよい。上記した他の金属の窒化物についても同様である
また、例えば、窒素含有光吸収層222の前駆層を窒化チタンで構成し、これを上記のように熱処理した場合は、前駆層の窒化チタンは酸化され酸窒化チタンとなる。すなわち、このようにして得られる窒素含有光吸収層222は酸窒化チタンからなり、この場合、上記同様に窒素1モルに対する酸素の割合は0.5モル以下が好ましく、0.2モル以下がより好ましい。
窒素含有光吸収層222の厚さは、上記物性の項目(1)〜(6)を所定の範囲内とできる厚さであれば特に制限されない。そのために、窒素含有光吸収層222の厚さは、10nm超であり、20〜60nmが好ましく、25〜50nmがより好ましい。なお、上記好ましい範囲は、図4に示す積層膜付き透明基板10Cのように、透明基板11側から順に、透明導電層221および窒素含有光吸収層222が形成されている場合である。上に示した透明導電層221の厚さも該積層順における好ましい厚さである。
透明導電層221および窒素含有光吸収層222が透明基板11側から窒素含有光吸収層222、透明導電層221の順で形成されている場合は、窒素含有光吸収層222の厚さは、10nm超であり、20〜60nmが好ましく、25〜50nmがより好ましい。また、この場合、透明導電層221の厚さは、10〜200nmが好ましく、50〜150nmがより好ましい。
図5は、図4に示す積層膜付き透明基板10Cにおいて透明基板11上に積層膜12Cの代わりに積層膜12Dが成膜された構成の積層膜付き透明基板10Dの断面図を示す。積層膜12Dは、透明基板11側から順に、透明導電層221、窒素含有光吸収層222および誘電体層223が成膜されて構成されている。積層膜12Dは、誘電体層223以外は、積層膜12Cと同様とできる。
誘電体層223は、積層膜12Dの機械的耐久性、化学的耐久性を向上させ、窒素含有光吸収層222が雰囲気中の酸素によって酸化されることを抑制する機能を有する。誘電体層223としては、上記機能を有するものであれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、ホウ素等がドープされていてもよい窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、アルミニウム、ホウ素等がドープされていてもよい酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム等の金属酸窒化物、スズ亜鉛酸化物等の金属酸化物等から選ばれる金属化合物を含む誘電体で構成できる。
窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、アルミニウムおよび/またはホウ素がドープされた窒化ケイ素または酸窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、スズ亜鉛酸化物から選ばれる少なくとも1種を主体とする誘電体層223が好ましい。上記誘電体である金属化合物は1種を単独で用いて、または2種以上を併用して、誘電体層223を形成してもよい。
誘電体層223は、アルミニウムおよび/またはホウ素等がドープされていてもよい窒化ケイ素を主体とする材料で構成されることが好ましい。例えば、上記図2に示す積層膜付き透明基板10Aにおける第1の窒化ケイ素層121、第2の窒化ケイ素層125と同様の構成とすることができる。
誘電体層223の厚さは、上記物性の項目(1)〜(6)を所定の範囲内とできる厚さであれば特に制限されない。誘電体層223の厚さは、具体的には、20〜80nmが好ましく、30〜70nmがより好ましい。
図5に示す積層膜付き透明基板10Dにおいては、透明基板11側から順に、透明導電層221、窒素含有光吸収層222および誘電体層223が形成されている。上記積層膜付き透明基板10Cと同様、積層膜付き透明基板10Dにおいても、上記積層膜を構成する各層は、適度な可視光透過率を有するとともに、高遮熱性、低断熱性および高演色性を達成できるのであれば、透明基板11側から窒素含有光吸収層222、透明導電層221および誘電体層223の順で形成されてもよい。
積層膜付き透明基板における積層膜が、透明導電層、窒素含有光吸収層および誘電体層を有する場合、積層膜における上記3層の積層順は、透明基板側から順に透明導電層、窒素含有光吸収層および誘電体層とすることが好ましい。このような積層膜とすることで、透明基板側の反射光の色調を透明導電層の膜厚により調整でき、積層膜側の反射光の色調を誘電体層の膜厚により調整できるという利点を有する。
なお、図示しないが、積層膜12Cや積層膜12Dには、上記した各層に加えて、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、他の層を成膜してもよい。例えば、透明基板11と透明導電層221との間、透明導電層221と窒素含有光吸収層222との間、窒素含有光吸収層222と誘電体層223との間に、バリア層等として機能する金属層、酸化物層、窒化物層、炭化物層、またはこれらの複合化合物層を設けてもよい。具体的には、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、クロム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、またはスズ等の元素を含有する金属層、酸化物層、窒化物層、炭化物層、または複合化合物層が挙げられる。
図4に示す積層膜付き透明基板10Cおよび図5に示す積層膜付き透明基板10Dは例えば、以下の方法で製造できる。
積層膜付き透明基板10C、10Dは、透明基板11の表面を清浄化処理した後、この表面に各層の前駆層を成膜した後、熱処理を施すことで得られる。成膜方法は、特に限定されず、上記積層膜付き透明基板10A、10Bにおいて例示したのと同様の方法が適用できる。
例えばスパッタリング法によって透明導電層221の前駆層を形成する場合、透明導電性金属酸化物のターゲットを用い、通常の処理条件で透明導電層221の前駆層を形成することができる。スパッタガス種、反応温度、反応時間を調整することで厚さを調整することができる。同様にして、窒素含有光吸収層222の前駆層と誘電体層223の前駆層を形成する。
次いで、上記前駆層付き透明基板を熱処理する。熱処理温度は550〜750℃が好ましく、600〜750℃がより好ましく、600〜720℃が特に好ましい。熱処理がこのような温度の場合、透明基板としてはガラス基板が用いられ、積層膜付き透明基板10C、10Dとして、十分な信頼性を持って強化されたものが得られるという効果を奏する。
上記熱処理温度はまた150〜450℃であってもよい。この場合、200〜400℃がより好ましく、250〜350℃が特に好ましい。熱処理がこのような温度の場合、透明基板としては樹脂基板を用いることも可能である。また、透明基板がガラス基板の場合、強化はできないが、低温処理なので安価な装置を用いることができるという効果を奏する。
熱処理時間は、熱処理温度が550〜750℃の場合には、1〜30分間が好ましい。熱処理温度が150〜450℃の場合には、熱処理時間は、15分間〜4時間が好ましい。熱処理方法は特に限定されない。例えば大気中に設置した加熱炉で上記前駆層付き透明基板を加熱する方法が挙げられる。すなわち、熱処理工程では、気密な構造の加熱炉を用いて、例えば酸化性ガスを含まない不活性ガス雰囲気や真空雰囲気などに制御された雰囲気下で熱処理をおこなわなくてもよい。それにより、簡単な構造の加熱炉を用いることができて好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定しない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、積層膜付き透明基板は、建築物用に好適であるが、必ずしも建築物用に限られず、適用可能な限度において自動車等の車両用に用いることもできる。
以下、実施例および比較例によって、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
透明基板としての厚さ3mmのソーダライムガラス板(旭硝子株式会社製、FL3)を準備し、その一方の主面上に、スパッタリング法により、表3に示す膜構成および厚さとなるように各膜を成膜して、透明基板上に積層膜を有する積層膜付き透明基板Aを製造した。表3において、透明基板、積層膜の各膜は左から積層順に記載されている。各膜は構成材料と括弧内の数字で示す厚さ(単位は全て[nm]である)で表示した。
成膜にはインライン型スパッタ装置を使用し、スパッタ室に、10質量%のアルミニウムを含有するケイ素ターゲット、80質量%のニッケルを含有するニッケルクロムターゲット、およびパラジウムを1質量%含有する銀パラジウムターゲット、および炭素ターゲットを設置した。
このインライン型スパッタ装置に洗浄したソーダライムガラス板を導入し、ロードロック室において真空度が2×10−6Torr以下になるまで真空排気した。続いて、ソーダライムガラス板をスパッタ室に導入し、第1の窒化ケイ素層としてアルミニウムを含有する窒化ケイ素層(SiN:Al層)、第1のクロム含有層としてニッケルクロム合金層(NiCr層)、金属層として銀パラジウム合金層(AgPd層)、第2のクロム含有層としてニッケルクロム合金層(NiCr層)、および第2の窒化ケイ素層としてアルミニウムを含有する窒化ケイ素層(SiN:Al層)を順に成膜して積層膜とした。各層の成膜条件は以下に示す通りである。なお、成膜圧力はいずれも3〜5mTorrとした。
窒化ケイ素層(SiN:Al層)は、10質量%のアルミニウムを含有するケイ素ターゲットを使用して、導入ガスを流量比で窒素/アルゴン=3/7、パワー密度を3.6W/cmとして成膜を行った。
ニッケルクロム合金層(NiCr層)は、80質量%のニッケルを含有するニッケルクロムターゲットを使用して、導入ガスをアルゴン100%、パワー密度を0.4W/cmとして成膜を行った。
銀パラジウム合金層(AgPd層)は、銀を99質量%、パラジウムを1質量%含有する銀パラジウムターゲットを使用して、導入ガスをアルゴン100%、パワー密度を0.7W/cmとして成膜を行った。
(実施例2)
透明基板として、厚さが6.0mmのソーダライムガラス(旭硝子株式会社製、FL6)を用意し、このガラス基板を洗浄後、基板ホルダーにセットした。
InとSnOとの総量に対してSnO含有量が10質量%である複合酸化物焼結体ターゲット(以下、「ITO複合酸化物焼結体ターゲット」ともいう。)および金属Tiターゲット、10質量%のアルミニウムを含む珪素ターゲット(以下、SiAlターゲットとする)を間欠直流マグネトロンスパッタを行うカソードに取り付けた。なお、間欠周期はON時間を5μs、OFF時間を45μsとした。
次に、成膜室内を真空に排気した後、間欠直流マグネトロンスパッタ法により、ITO複合酸化物焼結体ターゲットを用いて、厚さが96nmのITO層をガラス基板上に形成した。ここでスパッタガスとしてアルゴンのみを用い、スパッタ時の圧力は3mTorrとした。成膜されたITO層の組成はターゲットと同等であった。なお、スパッタガスに少量の酸素を導入した。
次に、間欠直流マグネトロンスパッタ法で、金属Tiターゲットを用いて厚さが33nmの窒化チタン層(TiN層)をITO層上に形成した。スパッタガスはアルゴンと窒素を用い、アルゴン/窒素の比率は17/3とした。スパッタ時の圧力は、3mTorrとした。
次に、間欠直流マグネトロンスパッタ法で、SiAlターゲットを用いて厚さが55nmのAlドープ窒化ケイ素層(SiN:Al層)を形成した。ここでスパッタガスとしてアルゴンと窒素を用い、アルゴン/窒素の比率は9/7とした。スパッタ時の圧力は、3mTorrとした。
なお、いずれの層の成膜時にも、ガラス基板の加熱は行わなかった。得られた前駆層付きガラス板に風冷強化処理、すなわち、電気焼成炉で、大気中、650℃、5分間の熱処理を施し、積層膜付き透明基板Bを得た。なお、表3には、熱処理前の積層膜の構成を示す。
(実施例3)
実施例2において、コーティング付きガラス基板として、ITO層の厚さを72nm、窒化チタン層の厚さを42nm、Alドープ窒化ケイ素層の厚さを59nmとしたコーティング付きガラス基板を作製した以外は、実施例2と同様にして積層膜付き透明基板Cを得た。
(実施例4)
実施例2において、コーティング付きガラス基板として、ITO層の厚さを131nm、窒化チタン層の厚さを32nm、Alドープ窒化ケイ素層の厚さを40nmとしたコーティング付きガラス基板を作製した以外は、実施例2と同様にして積層膜付き透明基板Dを得た。
(比較例1)
透明基板として、厚さが3.0mmのソーダライムガラス(旭硝子株式会社製、FL3)を用い、該透明基板上に実施例1と同様のスパッタ装置により、Alドープ酸化亜鉛層(Al:ZnO層)、実施例1と同様の銀パラジウム合金層(AgPd層)、Alドープ亜鉛犠牲層(Al:Zn)、Alドープ酸化亜鉛層(Al:ZnO層)、をその順に成膜し、積層膜付き透明基板Eを得た。なお、Alドープ酸化亜鉛層(Al:ZnO層)はいずれも、2質量%のアルミニウムを含有する亜鉛アルミ金属ターゲットを使用して、成膜圧力が4.5mTorrとなるように二酸化炭素ガスを導入し、パワー密度を3.6W/cmとして成膜した。また、Alドープ亜鉛犠牲層(Al:Zn)は、2質量%のアルミニウムを含有する亜鉛アルミ金属ターゲットを使用して、成膜圧力が4mTorrとなるようにアルゴンを導入し、パワー密度を0.1W/cmとして成膜した。
なお、Alドープ亜鉛犠牲層は、その上に形成されるAlドープ酸化亜鉛層(Al:ZnO層)の成膜時に、該層に包含されてそれ自体は残らない層である。
(比較例2)
実施例2において、コーティング付きガラス基板として、ITO層の厚さを96nm、窒化チタン層の厚さを5nm、Alドープ窒化ケイ素層の厚さを55nmとしたコーティング付きガラス基板を作製した以外は、実施例2と同様にして積層膜付き透明基板Fを得た。
(比較例3)
透明基板として、厚さが6mmの緑色の熱線吸収ガラス(旭硝子株式会社製、表3中において「TG」と示す)を作製する際に、ガラスを製造するフロートライン上に設置したChemical Vapor Deposition(CVD)装置にて、SiOC層(80nm)、SbドープSnO層(320nm)をその順に成膜し、積層膜付き透明基板Hを得た。
(比較例4)
透明基板として、厚さが6.0mmのソーダライムガラス(旭硝子株式会社製、FL6)を用い、該透明基板上に実施例2と同様のスパッタ装置により、窒化ケイ素層(10nm)、窒化クロム層(10nm)、窒化ケイ素層(20nm)をその順に成膜し、積層膜付き透明基板Iを得た。
次に、実施例および比較例の積層膜付き透明基板について、以下の評価を行った。結果を表4に示す。
(光学特性)
日立分光光度計(U−3100型)を使用して積層膜付き透明基板の分光測定を行った。JIS R3106/3107(1998)に準拠して、熱貫流率(U値)、透明基板から光が入射する場合の日射熱取得率(η値)、可視光透過率(Tv)を求めた。また、JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性を求めた。さらに、可視光透過率(Tv)と日射熱取得率(η値)から、選択係数(Tv/(η値×100))を算出した。
(耐久性;耐汗試験)
ISO12870に準じて耐汗試験を行った。すなわち、密閉容器中に人工汗液を注入するとともに、この密閉容器中に人工汗液から離して積層膜付き透明基板を配置した後、密閉状態にして55±5℃で3日間保持した。なお、人工汗液は、乳酸50g/L、および塩化ナトリウム100g/Lを含有する。その後、密閉容器から積層膜付き透明基板を取り出して、積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察し、1mm×1mmの範囲における欠点数を目視で計測し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
5;欠点数が101個以上
4;欠点数が51〜100個
3;欠点数が31〜50個
2;欠点数が6〜30個
1;欠点数が0〜5個
Figure 2016079052
Figure 2016079052
30…窓ガラス、10…積層膜付き透明基板、11…透明基板、12…積層膜、
10A,10B,10C,10D…積層膜付き透明基板
12A,12B,12C,12D……積層膜
121…第1の窒化ケイ素層、122…第1のクロム含有層、123…銀層、124…第2のクロム含有層、125…第2の窒化ケイ素層、126…保護層
221…透明導電層、222…窒素含有光吸収層、223…誘電体層

Claims (13)

  1. 透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有する積層膜付き透明基板からなる窓ガラスであって、
    前記積層膜が室内側の大気に露出した状態で使用され、
    JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される熱貫流率(U値)が3.4〜4.7W/m・K、日射熱取得率(η値)が0.17〜0.44、および可視光透過率(Tv)が35%以上であり、
    JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上であり、
    ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である窓ガラス。
  2. 透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有する積層膜付き透明基板からなる窓ガラスであって、
    前記積層膜が室内側の大気に露出した状態で使用され、
    JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される日射熱取得率(η値)および可視光透過率(Tv)を用いて、Tv/(η値×100)の式で算出される選択係数が1.1以上であり、
    JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上であり、
    ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である窓ガラス。
  3. 前記積層膜が銀を主体とする金属層を含む請求項1または2に記載の窓ガラス。
  4. 前記積層膜が透明導電層と窒素含有光吸収層とを含む請求項1または2に記載の窓ガラス。
  5. 透明基板と前記透明基板上に成膜された積層膜を有し、
    JIS R3106/3107(1998)に準拠して測定される熱貫流率(U値)が3.4〜4.7W/m・K、前記積層膜側で測定される日射熱取得率(η値)が0.17〜0.44、および可視光透過率(Tv)が35%以上であり、
    JIS Z8726(1990)に準拠してD65光源を使用し平均演色性評価数(Ra)により評価される透過光の演色性が90%以上である積層膜付き透明基板。
  6. ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である請求項5記載の積層膜付き透明基板。
  7. 前記積層膜が銀を主体とする金属層を含む請求項5または6記載の積層膜付き透明基板。
  8. 前記積層膜が透明導電層と窒素含有光吸収層とを含む請求項5または6記載の積層膜付き透明基板。
  9. 透明基板と前記透明基板上に成膜された銀を主体とする金属層を含む積層膜を有し、
    ISO12870に準拠した3日間の耐汗試験後に前記積層膜表面を顕微鏡(50倍)で観察して計測される、1mm×1mmの範囲における欠点数が50以下である積層膜付き透明基板。
  10. 前記金属層が、さらに、パラジウム、金、クロム、コバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含む請求項9記載の積層膜付き透明基板。
  11. 前記積層膜が、少なくとも前記金属層の透明基体と反対側に、窒化ケイ素を主体とする窒化ケイ素層をさらに有する請求項9または10記載の積層膜付き透明基板。
  12. 前記積層膜が、さらに、クロム、ニッケルクロム合金、クロムの部分窒化物、またはニッケルクロム合金の部分窒化物のいずれかからなる2層のクロム含有層を前記金属層に接するように有する請求項9〜11のいずれか1項記載の積層膜付き透明基板。
  13. 複層ガラスまたは合わせガラスに用いられる請求項5〜12のいずれか1項に記載の積層膜付き透明基板。
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