JP2016077604A - 中空糸膜型血液浄化器 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化器であって、
前記中空糸膜は、ポリスルホン系樹脂、親水性高分子及び脂溶性物質を含み、
前記中空糸膜の内表面に存在する前記脂溶性物質の量が内表面面積1m2あたり10〜300mgであり、
前記中空糸膜の全体に存在する前記脂溶性物質の含有量を100質量%とした場合、前記中空糸膜の内表面に存在する前記脂溶性物質の含有量が40〜95質量%であり、
前記中空糸膜型血液浄化器の1.5m2換算したβ2MGのクリアランス値が65mL/min以上であり、
中空糸膜束を長さ方向に5分割し、最端部に位置する分割成分を胴端部とした際に、血液入口側の胴端部に存在する脂溶性物質量が全分割成分に存在する脂溶性物質量の中で最大であり、かつ、当該胴端部において中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の量が内表面面積1m2あたり12mg以上300mg以下である、中空糸膜型血液浄化器。
[2]
血液処理開始から1時間後までのアルブミン漏出の合計量に対する、血液処理開始から5分間後までのアルブミン漏出量が50%以下である、[1]に記載の中空糸膜型血液浄化器。
[3]
血液処理1回の治療時間4時間とした場合、アルブミン漏出の合計量が1.0g/回以上である、[1]又は[2]に記載の中空糸膜型血液浄化器。
[4]
前記1.5m2換算したβ2MGのクリアランスが70mL/min以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化器。
[5]
前記中空糸膜が、当該中空糸膜1gあたり2〜3000μgの炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールをさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化器。
[6]
脂溶性物質量が最大である前記胴端部に存在する中空糸膜内表面1m2あたりの脂溶性物質量をA(mg/m2)、他の分割成分のうち脂溶性物質量が最小であり、分割成分に存在する中空糸膜内表面1m2あたりの脂溶性物質量をB(mg/m2)とした際、AとBの比(A/B)が1.2以上10以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化器。
[7]
前記A/Bが1.5以上10以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化器。
[8]
前記親水性高分子がポリビニルピロリドンである、[1]〜[7]のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化器。
本実施形態の中空糸膜型血液浄化器は、中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化器であって、前記中空糸膜は、ポリスルホン系樹脂、親水性高分子及び脂溶性物質を含む。さらに、本実施形態の中空糸膜型血液浄化器においては、前記中空糸膜の内表面に存在する前記脂溶性物質の量が内表面面積1m2あたり10〜300mgであり、前記中空糸膜の全体に存在する前記脂溶性物質の含有量を100質量%とした場合、前記中空糸膜の内表面に存在する前記脂溶性物質の含有量が40〜95質量%であり、前記中空糸膜型血液浄化器の1.5m2換算したβ2MGのクリアランス値が65mL/min以上であり、中空糸膜束を長さ方向に5分割し、最端部に位置する分割成分を胴端部とした際に、血液入口側の胴端部に存在する脂溶性物質量が全分割成分に存在する脂溶性物質量の中で最大であり、かつ、当該胴端部において中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の量が内表面面積1m2あたり12mg以上300mg以下である。本実施形態の中空糸膜型血液浄化器は、上記のように構成されているため、十分な透水性能及び血液適合性を確保した上で、β2MGとアルブミンとの分画性に優れるとともに、血液処理において一定量のアルブミン漏出を実現できる高い溶質透過性能を発揮し、血液処理の全期間にわたってアルブミン漏出の経時的変化が抑制され得る。
佐藤威ら、日本透析医学会誌(1996年)Vol.29(8)、P.1231〜1245の規定する測定方法に準じてβ2MGのクリアランスを測定する。以下、具体例を紹介するが、その趣旨の範囲内で変形して実施しても構わない。
本実施形態におけるポリスルホン系樹脂とは、スルホン結合を有する高分子化合物の総称であり、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン−ポリアリレートのポリマーアロイ等のポリスルホン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートやその共重合体等のメタクリレート系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート等のセルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等が挙げられる。ポリスルホン系樹脂として、これらの単独、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、ポリマーとしての組成の均一性から合成高分子が好ましく、ポリスルホン(以下、「PSf」と記載する場合がある。)は、血液浄化用途での好適な臨床実績が数多くあり、原料としての安定供給性に優れるためより好ましい。
本実施形態における親水性高分子としては、以下に限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン(以下「PVP」と称することがある)、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、紡糸の安定性や、PSfとの親和性の観点から、PVPが好ましく用いられる。親水性高分子として、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態における脂溶性物質とは、一般に水に溶けにくく、アルコールや油脂に溶ける物質をいい、毒性が低い天然物や合成物を用いることができる。脂溶性物質の具体例としては、以下に限定されないが、コレステロール、ヒマシ油・レモン油・シアバターなどの植物油、魚油などの動物油、ショ糖脂肪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸、イソプレノイド、炭素数の大きな炭化水素、シリコーン油などが挙げられる。また、脂溶性のビタミンである、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、及びユビキノンなども好ましく用いられる。これらの中では、過剰摂取をしても障害を誘発しないという観点から、ビタミンEが好適である。脂溶性物質として、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態における中空糸膜は、膜の内表面に存在する脂溶性物質の量が内表面面積1m2あたり10〜300mgであり、さらに、中空糸膜の全体における脂溶性物質の含有量を100質量%とした場合、中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の含有量が40〜95質量%である。なお、「中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の含有量」とは、中空糸膜の内表面に付着、吸着又は被覆した脂溶性物質の含有量をいい、この表面に存在する脂溶性物質の含有量は、例えば、中空糸膜を破壊又は溶解せずに溶媒によって抽出される脂溶性物質の含有量によって定量することができる。
本実施形態において、図3に示すとおり、中空糸膜束を長さ方向に5分割した際に最端部に位置する成分を胴端部と定義する。1つの中空糸膜型血液浄化器に対して胴端部は2か所存在するが、図3では一方の胴端部のみを示している。なお、血液を循環する場合、この胴端部は一方が血液入口側、他方が血液出口側に相当する。
中空糸膜束を長さ方向に5分割した場合、5分割される中空糸膜束とは、中空糸膜型血液浄化器のうち実質的に血液処理能力を有する部分である。例えば、図4に示すように、中空糸膜型血液浄化器を解体した際に、中空糸膜型血液浄化器両端に存在するポッティング層(ポッティング剤添加領域と非添加領域の界面)間に存在する部分である。
高速液体クロマトグラフ装置(ポンプ:日本分光PU−1580、検出器:島津RID−6A、オートインジェクター:島津SIL−6B、データ処理:東ソーGPC−8020、カラムオーブン:GL Sciences556)に、カラム(Shodex Asahipak社製ODP−506E packed column for HPLC)を取り付け、カラム温度40℃において、移動相である高速液体クロマトグラフィー用メタノールを、例えば流量1mL/minで通液し、UV検出器で波長270nmもしくは295nmにおける吸収ピークの面積から脂溶性物質濃度を求める。
本実施形態において、中空糸膜の全体に存在する脂溶性物質の含有量を100質量%とした場合、中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の含有量は40〜95質量%である。中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の割合が40質量%未満である場合、膜厚方向に脂溶性物質が増えることで透水性能が低下する。一方、中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の割合が95質量%を超える場合、膜表面に存在する細孔を脂溶性物質が覆うため透過抵抗が高くなる。上記観点から、中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の割合は45〜90%が好ましく、より好ましくは50〜80%である。
血液処理として血液透析を例にすると、当該血液処理1回の治療時間を4時間とした場合、アルブミンの漏出の合計量は1.0g/回以上であることが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0g/回であり、さらに好ましくは1.2〜8.0g/回であり、よりさらに好ましくは1.5〜8.0g/回である。1.0g/回以上である場合、尿毒素となったアルブミンを除去し、新陳代謝を促す観点から好ましく、8g/session以下である場合、治療の継続に伴って生じうる低アルブミン症の発症リスクを低減する観点から好ましい。なお、上記のとおり、例えば血液透析の場合は血液処理1回の治療時間を240分間(4時間)とすることが標準的である。本発明者らの行った検討によれば、膜面積あたりの濾過流量を一定にすれば血液浄化器の膜面積の変更はアルブミン漏出量測定値に大きな差を与えない。このため、測定に使用する血液浄化器の膜面積は特に限定されないが、主流膜面積である1.5m2又はその近辺であることが好ましい。本実施形態の中空糸膜型血液浄化器を用いた場合の1回の治療全体でのアルブミンの漏出量は以下に説明する測定方法によって、240分間を血液処理1回の治療時間とする模擬治療実験により推定することができる。
アルブミン漏出量の測定方法について、血液処理治療のひとつである透析治療を例にして以下に説明する。
血液処理開始から1時間後までのアルブミン漏出量(単に「アルブミン漏出量1時間積算値」ともいう)に対する、血液処理開始から5分間後までのアルブミン漏出量(単に「アルブミン漏出量5分間積算値」ともいう)の比率は50%以下であることが好ましく、より好ましくは45%以下、さらに好ましくは35%以下である。この比率が50%以下である場合、透析開始直後のアルブミン濃度の急激な低下を防止し、不均衡症候群を誘発するリスクを低減する観点から好ましい。本実施形態の血液浄化器を用いた場合のアルブミン漏出量1時間積算値に対するアルブミン漏出量5分間積算値の比率は、上記アルブミン漏出量測定方法によって、血液処理開始後5分間の積算値と血液処理開始後1時間の積算値をそれぞれ測定してその比を算出すればよい。
血液処理の全期間にわたるアルブミン漏出(単に「アルブミン漏出量全積算値」ともいう)に対する、アルブミン漏出量5分間積算値の比率は30%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下である。この比率が30%以下である場合、透析開始直後のアルブミン濃度の急激な低下を防止し、不均衡症候群を誘発するリスクを低減する観点から好ましい。なお、本実施形態においては、治療全期間(1 session)を240分間(4時間)とし、アルブミン漏出量全積算値をアルブミン漏出量4時間積算値とする。本実施形態の血液浄化器を用いた場合のアルブミン漏出量全積算値(又はアルブミン漏出量4時間積算値)に対するアルブミン漏出量5分間積算値の比率は、上記アルブミン漏出量測定方法によって、血液処理開始後5分間の積算値と全処理期間である4時間の積算値をそれぞれ測定してその比を算出すればよい。
従来においては、脂溶性物質を添加する工程において、中空糸膜の性能低下が生じる場合があった。上述したように、本発明者らは、本実施形態のなだらかにアルブミンを漏出させる効果は、膜の分離活性層に少数存在する粗大孔に由来すると推定している。このため、脂溶性物質を添加する工程において、膜の孔径分布の変化が生じると、所望のレベルのアルブミン漏出が得られず、過大あるいは過少となるリスクがあった。脂溶性物質を添加する工程における中空糸膜の性能低下は、脂溶性物質と、中空糸膜の基材樹脂(ポリスルホン系樹脂)とが、低いながらも相溶性を有し、基材樹脂の構造保持力が低下し、孔径分布が変化するためであると推測される。仮に中空糸膜の基材樹脂と、脂溶性物質とに相溶性が全く無ければ、脂溶性物質は、膜基材の内表面に油層として付着するのみで膜基材としてのPSfに入り込むことは無く、孔径分布の変化も生じないと推測される。
血液浄化器を解体し、中空糸膜を取り出し、市販の遠心分離機を用いて3500rpmで10分間、あるいはそれ以上の条件にて水分を除去する。水分を除去した中空糸膜の一部又は全部の質量を測定する(「w1(g)」とする)。測定後、例えば100倍量のN−メチル−2−ピロリドン(「w2(g)」とする)を加えて溶解し、例えばガスクロマトグラフにより成分Cの濃度x(w/w%)を測定する。中空糸膜1gあたりの成分Cの含有量(「D(g/g中空糸膜)」)を、以下の数式(8)〜(9)に数値w1、xを代入して算出する。
中空糸膜型血液浄化器の解体を行って、中空糸膜束を取り出す。塩化カルシウムなどを乾燥剤としたデシケーター中で恒量となるまで乾燥を行い、この質量を精秤した(「w3(g)」)後、N−メチル−2−ピロリドン(「w4(g)」とする)を加え、攪拌し、溶解した後、上記方法で成分Cの濃度y(w/w%)を算出する。続いて、w3とyを以下の数式(10)に代入して中空糸膜1gあたりの成分Cの含有量(「D(g/g中空糸膜)」)を算出する。
本実施形態における中空糸膜は、公知の乾湿式製膜技術を利用することにより製造できる。該方法は、例えばポリスルホン系樹脂及び親水性高分子を含む膜中間物質を乾湿式紡糸法で得る紡糸工程と、膜中間物質に脂溶性物質を固定化する固定工程とを有するものとすることができる。また、上記紡糸工程において、ポリスルホン系樹脂の溶媒及び非溶媒の混合液であって、混合液における溶媒の濃度が50〜60%である中空形成剤を用いてもよい。
本実施形態の中空糸膜型血液浄化器の好ましい製造方法としては、例えば、先ず、上述したように中空糸膜を製造し、当該中空糸膜を用いてモジュールを製造する方法が挙げられる。
中空糸膜へ脂溶性物質を固定化する工程は、基本的に公知の方法を用いることができる。中でもコート法は、既存の設備や製品ラインナップを利用して様々な透過性能を有する脂溶性物質固定化膜生産を実現できるという点で優れている。
中空糸膜束の血液入口側の胴端部に相当する中空糸膜の束における部分を、脂溶性物質溶液中に直接浸漬する。一定時間経過後、溶液から中空糸膜を取り出す。次いで、必要に応じて中空糸膜の端の一方からエアーブロー等によって中空糸膜中に残存する溶液を吹き飛ばし乾燥する(エアーブロー工程)。脂溶性物質溶液に浸漬させた側から非浸漬側に向かってエアーブローすることにより、浸漬していない側にも少量の脂溶性物質をコートすることが可能である。エアーブロー工程を実施せずに乾燥してもよい。
血液入口側の胴端部に相当する中空糸膜の束における部分を、脂溶性物質溶液中に直接浸漬する。一定時間経過後、中空糸膜全体を脂溶性物質溶液中にさらに直接浸漬する。脂溶性物質溶液から中空糸膜を取り出し、必要に応じて中空糸膜の端の一方からエアーブロー等によって中空糸膜中に残存する溶液を吹き飛ばし乾燥する。この際、該胴端部が相対的に長時間脂溶性物質溶液に浸漬しているので、該胴端部の脂溶性物質固定化量が最大となる。エアーブロー工程を実施せずに乾燥してもよい。
血液入口側の胴端部に相当する中空糸膜の束における部分を、脂溶性物質溶液中に直接浸漬する。この際、脂溶性物質溶液に用いられる溶媒として、脂溶性物質の良溶媒と貧溶媒からなる混合溶媒、例えば、アルコール/水を用い、さらに良溶媒(例としてはアルコール)の濃度を、脂溶性物質が溶解し得る最低濃度としておく。一定時間経過後、中空糸膜を脂溶性物質の溶液から取り出すか、又は中空糸膜全体を脂溶性物質の溶液中にさらに一定時間直接浸漬後、脂溶性物質の溶液から取り出す。得られた中空糸膜を、必要に応じて中空糸膜の端の一方からエアーブロー等によって中空糸膜中に残存する溶液を吹き飛ばし乾燥する。この際、該胴端部が相対的に長時間、脂溶性物質の溶液に浸漬し、さらに良溶媒(例としてはアルコール)の濃度を、脂溶性物質が溶解可能な下限域まで下げているので、疎水性高分子に選択的に脂溶性物質が固定化されるため、該胴端部の脂溶性物質の固定化量が最大となる。エアーブロー工程を実施せずに乾燥してもよい。
脂溶性物質を固定化し、組み立てられた中空糸膜型血液浄化器は、滅菌前に水系溶液で中空糸膜を湿潤化してもよい。水系溶液で中空糸膜を湿潤することにより中空糸膜が安定し、透水性能、透析性能、濾過性能等の性能の変化を起こすことが少なくなる。水系溶液で中空糸膜を湿潤化する方法は、中空糸膜を充填した容器に水系溶液を充填する方法、容器に水系溶液を充填した後排液する方法等が挙げられる。この中空糸膜の湿潤化工程は、以下に述べる滅菌保護剤の添加工程を兼ねることもできる。
滅菌保護剤とは、後述する滅菌処理工程において照射される放射線エネルギーによって、中空糸膜の親水性高分子が著しく変性を受けないように保護するためのものであって、一分子中に複数の水酸基や芳香環を有するラジカル捕捉剤である。
炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールは、以下の方法を用いて中空糸膜に含有させることができる。例えば、中空糸膜型血液浄化器を組み立て、脂溶性物質溶液を通液させた後、炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールの蒸気雰囲気下において乾燥させる方法が挙げられる。具体的にはコート溶媒を炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールとし、乾燥条件を工夫することにより炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールの蒸気雰囲気を保持することもできる。導入する乾燥用気体に炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールを人為的に含有させることにより蒸気雰囲気を保持し、炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールの固定を行うこともできる。
上述した中空糸膜型血液浄化器に対して、滅菌処理を施すことが好ましい。滅菌方法には放射線滅菌法、蒸気滅菌法等、いずれの方法であってもよい。脂溶性物質を多量に含む中空糸膜は、極度な加熱により中空糸破損を起こすリスクが生じるため、放射線滅菌法がより好ましい。放射線滅菌法には、電子線、ガンマ線、エックス線等を用いることができるが、いずれを用いてもよい。放射線の照射線量は、γ線や電子線の場合は通常5〜50kGyであるが、20〜40kGyの線量範囲で照射することが好ましい。
中空糸膜型血液浄化器を分解して中空糸膜を採取し、水洗した後、恒量となるまで40℃で真空乾燥した。乾燥後の中空糸膜0.2m2をガラス瓶に秤取し、N−メチル−2−ピロリドンを50mL加え、攪拌・溶解を行った。
中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の量を、以下のようにして測定した。
上記のようにして測定された、中空糸膜の全体に存在する脂溶性物質の含有量及び中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の含有量から、中空糸膜の全体に存在する脂溶性物質の含有量に対する中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の含有量の比率を算出した。なお、上記のようにして得られた比率を、表1において「膜内表面脂溶性物質の割合(%)」と表記する。
中空糸膜型血液浄化器を分解して中空糸膜を採取し、水洗した後、恒量となるまで40℃で真空乾燥した。乾燥後の中空糸膜を長さ方向に5等分し、分割後の各5成分から0.2m2ずつガラス瓶に秤取した。以下、各分割成分中に含まれる脂溶性物質の測定方法は、上述した中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の含有量の定量方法と同様に行った。血液入口側の内表面に存在する脂溶性物質量の値を(A)とし、血液入口側以外の分割成分の中で内表面に存在する脂溶性物質量が最も少ないものの値を(B)とした。中空糸膜内の脂溶性物質の濃度分布を最大で示す為に、脂溶性物質量が最大である(A)と最少である(B)との商を求め、A/Bの値とした。
注射用水1Lにクエン酸三ナトリウム二水和物30g、ブドウ糖23.2g、クエン酸一水和物3.58g、リン酸二水素ナトリウム二水和物2.51gを溶解して抗凝固剤(CPD)を作成した。牛新鮮血5LにCPDを614mL添加して抗凝固化牛血液を得た。得られた血液を3500rpm、20分間遠心して血漿を分離した。得られた血漿は生理食塩水で希釈し総蛋白濃度を6.5±0.5g/dLに調整した。さらにβ2MG(栄研化学)を1Lあたり1mg添加し、血液側試験液とした。別途純水20Lに塩化ナトリウム121.54g、塩化カリウム2.98g、塩化マグネシウム8.14g、酢酸ナトリウム9.83g、ブドウ糖10gを溶解して透析側試験液を作成した。血液側試験液及び透析液側試験液のいずれも37±1℃に保温して試験に供した。
上記の抗凝固化牛血液を用い、牛血漿あるいは生理食塩水で希釈し、ヘマトクリットを35±2% 、総蛋白濃度6.5±0.5g/dLに調製した。該血液を血液浄化器の血液流路に200mL/minで循環させながら、市販透析液(扶桑薬品工業製、キンダリー透析液AF2号)を血液浄化器の血液流路に500mL/min、ワンパスで送液し、除水を6ml/min/m2で行いながら透析を実施した。なお、アルブミン漏出量全積算値(=アルブミン漏出量4時間積算値)、アルブミン漏出量1時間積算値に対するアルブミン漏出量5分間積算値の比率、及びアルブミン漏出量の全漏出量のばらつき(CV)の2項目の測定のため、1条件においてアルブミン漏出量を(1)5分積算時点、(2)1時間積算時点、アルブミン全漏出量を測定するため(3)4時間積算時点の3点を測定した。透析液の送液は、日機装社製DBG−03を用いた。溶血を防止する目的で血液浄化器は予め生理食塩水で十分に置換しておく。牛血液循環開始と同時に透析液送液、除水を開始し、除水液のサンプリングを開始した。除水液のみのサンプリングが難しい場合は、透析廃液すべてを集めてもよい。除水液、又は透析廃液を循環開始より(1)0〜5分間、(2)5分〜1時間、(3)1〜4時間の間サンプリングを行い、それぞれ試験液(1)、試験液(2)、試験液(3)とした。各試験液をよく混和し、試験液中のアルブミン濃度(単位:g/mL)を、イアトロU−ALB(TIA)試薬(三菱化学メディエンス(株)製)を用いて、自動分析装置Biolis24i(東京貿易メディカルシステム株式会社)にて定量した。アルブミン漏出量全積算値(=アルブミン漏出量4時間積算値)、アルブミン漏出量1時間積算値に対するアルブミン漏出量5分間積算値の比率、及びアルブミン漏出量4時間積算値に対するアルブミン漏出量5分間積算値の比率は試験液(1)〜(3)の濃度と除水液量(単位:mL)から以下の数式(11)、数式(12)、数式(13)、数式(14)、及び数式(15)により算出した。
中空糸膜型血液浄化器内の、炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコール(以下、「成分C」という)の、中空糸膜1gあたりの含有量を、以下の方法により測定した。
中空糸膜型血液浄化器の解体を行って、中空糸膜束を取り出した。塩化カルシウム乾燥剤としたデシケーター中で恒量となるまで乾燥を行い、この質量を精秤した(「w3(g)」)後、N−メチル−2−ピロリドン(「w4(g)」とする)を加え、攪拌し、溶解した後、上記方法で成分Cの濃度y(w/w%)を算出した。続いて、w3とyを以下の数式(18)に代入して中空糸膜1gあたりの成分Cの含有量を算出した。
実施例及び比較例で製造された中空糸膜型血液浄化器、及び、該中空糸膜型血液浄化器の脂溶性物質量が最大である血液入口側の胴端部と同量の脂溶性物質量が、長さ方向に略均一に固定化されている中空糸膜型血液浄化器(別途、調製した)の両方において、一定圧力(200mmHg)、温度(37℃)条件下において、中空糸膜型血液浄化器内を純水で全濾過させ、濾過に要する時間を測定した。この結果より、透水性能(UFR(mL/hr・mmHg))を算出した。続いて、下記数式(19)により透水性能増加量の算出を行った。
中空糸膜型血液浄化器を分解して中空糸膜を採取し、有効長15cm、中空糸膜の内表面面積が50mm2となるように両端をエポキシ接着剤で接着してミニモジュールを作製した。このミニモジュールに対し、生理食塩水(大塚製薬、大塚生食注)3mLを流速0.6mL/minで中空糸膜の内腔部に流し洗浄した。
同様に血液と反応させていない中空糸膜(ブランク)についても吸光度を測定し、下記数式(20)により吸光度の差を算出した。さらに下記数式(20)で得られた値を、中空糸膜の内表面面積で割った下記数式(21)で得られた値をLDH活性として測定した。
ポリスルホン(ソルベイ社製P−1700)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20.0質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを57.1質量%、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を0.12質量%とし、アセトン蒸気を乾燥空気に吹き込んだ以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを57.1質量%、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を3.2質量%とし、エタノール蒸気を乾燥空気に吹き込んだ以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを55.0質量%、化学式(1)に示すポリスルホンの代わりに化学式(2)に示すポリエーテルスルホン(住友化学社製4800P)を用い、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を1.1質量%とした以外は、実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを57.1質量%、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を3.3質量%とし、エタノール蒸気を乾燥空気に吹き込んだ以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを55.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法により乾燥膜を得た。次に、イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性物質としてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を1.1質量%溶解した溶液中に、乾燥膜の長さ方向略1/5(血液入口側の胴端部)を含む部分を直接浸漬させた。1分経過後、溶液から中空糸膜を取り出し、中空糸膜の端のうち、イソプロパノール溶液に浸漬させた側からエアーブローすることによって膜中に残存する溶液を吹き飛ばすと同時にコート液の非浸漬部分にもコート液を塗布した。次いで、24℃のイソプロパノール雰囲気の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性物質を被覆により固定化した。
脂溶性物質被覆溶液を中空糸膜の内腔部に40℃温度で通液及び乾燥し、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を1.1質量%とした以外は、実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
脂溶性物質被覆溶液を中空糸膜の内腔部に20℃温度で通液及び乾燥した以外は、実施例7と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
実施例2で得られた中空糸膜の血液入口側の胴端部を含む部分を、イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性物質としてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を0.64質量%溶解した溶液中にさらに浸漬させた。1分経過後、溶液から中空糸膜を取り出し、中空糸膜の端のうち、イソプロパノール溶液に浸漬させた側と反対側からエアーブローすることによって膜中に残存する溶液を吹き飛ばし、24℃の、24℃のエタノール雰囲気の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。上記以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを57.1質量%、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を3.3質量%とした以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを57.1質量%、被覆溶液の脂溶性物質をひまし油にした以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内腔部に存在する被覆溶液の残液を除去した後、乾燥空気に成分Cの蒸気を吹き込まず、乾燥温度を80℃とした以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを57.1質量%、24℃のイソプロパノール雰囲気の乾燥空気を60分間通気とした以外は実施例3と同様の方法により中空糸膜型血液浄化膜を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内腔部に存在する被覆溶液の残液を除去した後、乾燥空気に成分Cの蒸気を吹き込まず、乾燥温度を80℃とした以外は実施例10と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを55.5質量%、脂溶性物質被覆工程及び成分Cの固定化工程を有しない以外は、実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを48.0質量%とした以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
脂溶性物質被覆工程を行わない以外は、比較例2と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
ポリエーテルスルホン18.0質量%、ポリビニルピロリドン3.0質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド74.5質量%、水4.5質量%に溶解して均一な溶液とし、内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを46.0質量%とし、脂溶性物質被覆工程に用いる被覆溶液をα−トコフェロールを含まないイソプロパノール57質量%の水溶液にて行った以外は、実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
脂溶性物質被覆溶液を中空糸膜の内腔部に55℃温度で通液及び乾燥した以外は、実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。紡糸原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この紡糸原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを55.5質量%とし、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を0.2質量%とした以外は比較例7と同様の方法により中空糸膜型血液浄化膜を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
内部液のN,N−ジメチルアセトアミドを57.1質量%、被覆溶液の脂溶性物質の濃度を5.6質量%とした以外は実施例1と同様の方法により中空糸膜型血液浄化器を得た。この中空糸膜型血液浄化器を上述したとおりの測定評価に供して得られた結果を表1に併せて示す。
1a 第一の流路
2 筒状容器
2a,2b ポート
3a,3b 封止樹脂
6a,6b ノズル
7a、7b ヘッダーキャップ
8 ヘッダー内空間
10 中空糸膜型血液浄化装置
11 第2の流路
Fa 処理液1(例として透析液または血液)の流れ方向
Fb 処理液2(例として血液)の流れ方向
Claims (8)
- 中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化器であって、
前記中空糸膜は、ポリスルホン系樹脂、親水性高分子及び脂溶性物質を含み、
前記中空糸膜の内表面に存在する前記脂溶性物質の量が内表面面積1m2あたり10〜300mgであり、
前記中空糸膜の全体に存在する前記脂溶性物質の含有量を100質量%とした場合、前記中空糸膜の内表面に存在する前記脂溶性物質の含有量が40〜95質量%であり、
前記中空糸膜型血液浄化器の1.5m2換算したβ2MGのクリアランス値が65mL/min以上であり、
中空糸膜束を長さ方向に5分割し、最端部に位置する分割成分を胴端部とした際に、血液入口側の胴端部に存在する脂溶性物質量が全分割成分に存在する脂溶性物質量の中で最大であり、かつ、当該胴端部において中空糸膜の内表面に存在する脂溶性物質の量が内表面面積1m2あたり12mg以上300mg以下である、中空糸膜型血液浄化器。 - 血液処理開始から1時間後までのアルブミン漏出の合計量に対する、血液処理開始から5分間後までのアルブミン漏出量が50%以下である、請求項1に記載の中空糸膜型血液浄化器。
- 血液処理1回の治療時間4時間とした場合、アルブミン漏出の合計量が1.0g/回以上である、請求項1又は2に記載の中空糸膜型血液浄化器。
- 前記1.5m2換算したβ2MGのクリアランスが70mL/min以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化器。
- 前記中空糸膜が、当該中空糸膜1gあたり2〜3000μgの炭素数1〜4のケトン及び/又はアルコールをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化器。
- 脂溶性物質量が最大である前記胴端部に存在する中空糸膜内表面1m2あたりの脂溶性物質量をA(mg/m2)、他の分割成分のうち脂溶性物質量が最小であり、分割成分に存在する中空糸膜内表面1m2あたりの脂溶性物質量をB(mg/m2)とした際、AとBの比(A/B)が1.2以上10以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化器。
- 前記A/Bが1.5以上10以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化器。
- 前記親水性高分子がポリビニルピロリドンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化器。
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