JP4992104B2 - 血液濾過または血液濾過透析用のモジュール - Google Patents
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Description
性高分子と親水性高分子よりなる中空糸膜、とりわけ、ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンとよりなる中空糸膜を用いたモジュールであって、体外循環回路中の血液の圧上昇を起こさないライフタイムが長く、かつ、有用蛋白質であるアルブミンの損失の少ない血液濾過または血液濾過透析用のモジュールは知られていなかった。
山下芳久、鈴木洋通、集中治療 vol.12 s15−s16別冊号 2000
すなわち、本発明は、以下の血液濾過用モジュールに関する。
該中空糸膜はポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなり、
該中空糸膜の内径は205〜250μmであって、
毛細管上昇法で測定した該中空糸膜の液面上昇値が内径230μmの中空糸膜に換算すると60mm〜120mmになり、
該中空糸膜の開口端面間距離をL、該筒状容器の最小内径をDとしたときのL/Dが3.5〜6.5であることを特徴とする、血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
(2) in vitroにおける牛血漿濾過性能試験における3時間後のアルブミンの篩係数が0.0054以下であることを特徴とする、(1)記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
(3) 前記血液濾過または血液濾過透析用のモジュールであって、
以下a〜dからなる体外循環用モジュールのライフタイム評価条件;
a)血液プールを30〜37℃に加温し:
b)血液濾過ポンプを配した濾過回路を体外循環モジュールの濾過側に接続し:
c)血液循環ポンプにより50ml/分の血液流量で血液を循環させ、血液濾過ポンプにより10ml/分の流量で得た濾液を血液プールに戻す血液循環を施行しながら:
d)血液循環開始から30分経過後にカルシウムイオノホアA23187を10μMとなるように循環血液に添加する:
において、体外循環用モジュールの血液入口側と出口側との圧力損失が150mmHgに到達する所要時間が200分以上であることを特徴とする、(1)〜(2)の何れかに記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
(4) 前記中空糸膜の筒状容器への充填率が50%以上75%未満である(1)〜(3)の何れかに記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
(5) 照射滅菌されている(1)〜(4)の何れかに記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
(6) 抗酸化剤溶液が充填されている(1)〜(5)の何れかに記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
本発明でいう血液濾過または血液濾過透析用モジュールとは、持続的血液浄化療法のように長時間の血液濾過や、濾過に透析を併用する血液濾過透析を行うためのものである。モジュールについては、血液濾過透析専用のモジュールはなく、専ら血液濾過用モジュールが兼用されているのが現状である。従って、以下の説明では単に「血液濾過用モジュール」と称するが、これは血液濾過透析用のモジュールも当然含んでいる。
具体的には、以下の(1)、(2)の前処理、すなわち(1)血液濾過モジュールの血液流出入口及び液体の出入口の夫々一方から注射用蒸留水を各々500mL流し、中空部及び中空糸膜外部を洗浄する、(2)血液濾過用モジュール内の水を十分に廃棄後、モジュールを解体し、中空糸膜を取り出して乾燥させる、の後、乾燥させた中空糸膜の中空開口部の一端を水溶液に浸し、一定時間後に毛細管現象で管状の構造体の中空部を上昇した液面の水面からの高さを測定する方法のことをいう。このような前処理を行う理由は、中空糸膜がグリセリンや充填液を含んでいるとその表面特性を正確に評価できないこと、および、実際に血液が接触する状態で評価する方が適切であることによる。
h=2γcosθ/rρg (1)
h:液体面からの上昇位
γ:液体の表面張力
θ:接触角(固体と液体の接触面から液体と気体の接触面への角度)
r:管半径
ρ:液体の密度
g:重力加速度
を利用すればよく、例えば、軟質チューブからなる血液回路、ローラーポンプ等の送液装
置、水銀マノメーターやディジタルマノメーター等の圧力検出器を用いるとよい。また、
血液循環を行なう上で取り付けたほうが好ましいクランプやドリップチャンバー等の部品
を適宜取り付けても構わない。さらに、実際の血液濾過や血液透析を模して、前記の血液
流路に濾過回路や透析回路を併設してもよい。例えば、血液濾過ポンプ10を配した濾過
回路9を体外循環用モジュールの濾過側のノズルに接続し、一定流量で濾過しながら血液
循環を行ったり、透析液の導入回路および排出回路を体外循環用モジュールの濾過側のノ
ズルに接続すれば、血液濾過透析の条件でライフタイムの評価をすることもできる。
体外循環用モジュールの圧力損失=血液入口側圧力−血液出口側圧力 (2)
前記モジュールに内蔵されるポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなる中空糸膜は、公知の乾湿式紡糸方法を利用して得ることができる。このような組成の中空糸膜は、膜表面が親水化された構造となるので血液接触面において血液凝固系を活性化し難く、血液濾過用モジュールのライフタイムを長くできる。
まず、抗凝固剤としてCPD溶液を血液1mlに対して0.13mlになるように添加した牛血液から遠心分離によって血漿成分だけを分離し、その血漿に対して生理食塩水を用いて総蛋白濃度を6.5±0.5g/dlに調整した血漿1Lをプールしておき、次に、血液回路を血液濾過または血液濾過透析用のモジュールの血液の入口および出口となるヘッダーキャップに接続し、前述の血漿を血液循環ポンプにより100ml/分の血漿流量で37℃にて循環させ、同時に血液濾過ポンプにより10ml/分の流量で濾過を行い、濾液は前述の血漿プールに戻す。
アルブミンの篩係数(Alb−Sc)=2(CF)/(CBi+CBo) (3)
(I)1〜30時間までの実測アルブミン濃度より篩係数を算出する。
(II)(I)の篩係数から、近似曲線を描き、近似式を求める。
(III)(II)の近似式から、1〜30時間の15分毎の篩係数を求める。
(IV)1〜30時間の平均篩係数を求め、その値を下記式(4)にあてはめる。
アルブミン総損失量(g)
=アルブミン濃度(g/ml)×平均篩係数(1-30Hrの平均値)
×濾過流量(ml/min)×時間(min) (4)
ポリスルホン樹脂(ソルベイ社製、P-1700)18.5重量部、ポリビニルピロリドン(アイ・エス・ピー社製、K-92)6.7重量部、ジメチルアセトアミド(以下、DMAC)74.8重量部からなる均一な紡糸原液を作成した。この紡糸原液をDMAC濃度20重量%の中空内液とともにスリット幅60μmの二重環状口金から吐出し、105cm下方に設けた60℃の水中に浸漬し70m/分の速度で巻き取った。中空糸膜厚を45μm、内径を205μmに合わせるように紡糸原液、中空内液の吐出量を調整した。7100本のフィラメントを巻き取ったところで、ロープを300mmの長さに切断後、90℃の熱水で24hrシャワー洗浄し、洗浄液においてUV吸光度220nmのピークが認められないことを確認した。次にグリセリン20%水溶液に含浸させ、85℃にて7時間熱風乾燥させた。乾燥後、再び内径、膜厚を測定し、中空糸内径が205μmに合っていることを確認した。
得られた持続式血液濾過器は、夫々生理食塩水1Lで内部を洗浄し体外循環用の回路に接続した。血小板活性化試薬の影響を確認するために、血小板活性化試薬としてカルシウムイオノホアA23187(SIGMA製)(実施例1)、PAF(SIGMA製)(実施例2)、トロンビン(Pacific Hemostasis製)(実施例3)、エンドトキシン(SIGMA製)(実施例4)の4種類を準備した。抗凝固剤としてヘパリン系抗凝固剤(三菱ウェルファーマ製)を添加した牛血液2000mL(血小板濃度25万個/μL)を血液プールとし、37℃に保ちながら血液流量50mL/分で持続式血液濾過器内を再循環させた。同時に濾過流量10mL/分で濾過を行い、得られた濾液は血液プールに戻した。循環開始直後にカルシウムイオノホアA23187を10μmol/L、PAFを0.5μmol/L、トロンビンを3000IU/L、エンドトキシンを5μmol/Lの血中濃度になるようにそれぞれの血液プールに加え、持続式血液濾過器の入口側及び出口側の圧力変化を観察した。比較例1として血小板活性化試薬を加えない試験も行なった。
実施例1と同様の製造方法で得られた持続式血液濾過器3本を、夫々生理食塩水1Lで内部を洗浄した後、体外循環回路に接続した。
カルシウムイオノホアA23187の添加量の影響を確認するため、抗凝固剤としてヘパリン系抗凝固剤を添加した牛血液2000mL(血小板濃度25/μL)を血液プールとし、37℃に保ち、血液流量50mL/分で持続式血液濾過器内を再循環させ、濾過流量10mL/分で濾過を行い、得られた濾液は血液プールに戻した。血小板活性化試薬は、開始30分後にカルシウムイオノホアA23187を血中濃度として2μM、8μM、10μMとなるように添加し(それぞれ実施例5,6,7とする)、持続式血液濾過器の入口側と出口側の圧力変化を観察し、持続式血液濾過器の圧力損失が150mmHgに到達する所要時間を測定した。
その結果、添加した血小板活性化試薬の血中濃度によりライフタイム評価の感度を調節でき、濃度が高いほど感度も高くなることがわかる。結果を表2および図3に示す。
実施例1と同様の製造方法で得られた持続式血液濾過器6本を、夫々生理食塩水1Lでモジュール内を洗浄し、回路に接続した。
血小板濃度が30万/μLより高い血液、血小板濃度が10万/μL未満の血液、血小板濃度が10〜30万/μLの3種類の血液を準備した。血小板濃度の影響、血液温度の影響を確認するため、抗凝固剤としてヘパリン系抗凝固剤を添加した牛血液2000mLを血液プールとし、血液温度を25℃、37℃、40℃に保ち(それぞれ実施例8,9,10とする)、血液流量50mL/分で持続式血液濾過器内を再循環させ、濾過流量10mL/分で濾過を行い、得られた濾液は血液プールに戻した。開始30分後にカルシウムイオノホアA23187を血中濃度10μmol/Lとなるように添加し、持続式血液濾過器の圧力損失が150mmHgに到達する所要時間を測定した。また、血液温度37℃では、血小板濃度が30万/μLより高い血液(実施例11)、および血小板濃度が10万/μL未満の血液(比較例2)で同様な実験を行った。すなわち、血小板濃度の影響、血液温度の影響を表3に示す条件で評価した。比較例3として、カルシウムイオノホアを添加しないケースをコントロールとした。
実施例1と同様な製膜条件で、中空膜糸の膜厚は変えないようにして、内径だけを変化させた中空糸膜を得た。得られた中空糸膜は内径が205μm、230μm、250μmの3種類であった。
前記中空糸膜を用いて、実施例1と同様な製造方法により、中空糸膜の内径250μm、中空糸本数5800本の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器3、実施例12)、中空糸膜の内径230μm、中空糸本数6400本の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器2、実施例13)、実施例1で作製したものと同じ持続式血液濾過器1(実施例14)を準備した。また、ポリスルホン系中空糸膜を充填した持続式血液濾過器の比較対象として、X社製血液濾過器(比較例4)及びY社製血液濾過器(比較例5)を準備した。夫々の持続式血液濾過器の内部を生理食塩液500mLで洗浄し、体外循環回路と連結した。抗凝固剤としてヘパリン系抗凝固剤を添加した牛血液2000mL(血小板濃度25/μL)を血液プールとし、37℃に保ち、血液流量50mL/分で持続式血液濾過器内を再循環させ、濾過流量10mL/分で濾過を行い、得られた濾液は血液プールに戻した。開始30分後にカルシウムイオノホアA23187を血中濃度10μMになるように添加し、持続式血液濾過器の圧力損失が150mmHgに到達する所要時間を測定した。
ポリスルホン樹脂(ソルベイ社製、P-1700)18.5重量部、ポリビニルピロリドン(アイ・エス・ピー社製、K-92)6.5重量部、ジメチルアセトアミド(以下、DMAC)75重量部からなる均一な紡糸原液を作成した。この紡糸原液をDMAC濃度22重量%の内部凝固液とともにスリット幅60μmの二重環状口金から吐出し、100cm下方に設けた60℃の水中に浸漬し70m/分の速度で巻き取った。中空糸膜厚を45μm、内径を230μmに合わせるように紡糸原液、内部凝固液の吐出量を調整した。6400本のフィラメントを巻き取ったところで、ローブを300mmの長さに切断し、90℃熱水で24時間シャワー洗浄し、不安定なポリビニルピロリドン等の水溶性高分子がフィラメントに存在しないことを、洗浄液においてUV吸光度220nmのピークが認められないことで確認した。次にグリセリン20%水溶液に含浸させ、85℃にて7時間熱風乾燥させた。乾燥後、再び内径と膜厚を測定し、中空糸内径が230μmに合っていることを確認した。
上記の血液濾過用モジュールの血液側および濾液側をそれぞれ注射用蒸留水500mlで洗浄し、十分に水を廃棄した後、モジュールを解体して中空糸膜を取り出した。中空糸膜を乾燥機にて乾燥させ、各々の中空糸膜の水分率が5%以下であることを確認した。
両面テープを貼ったガラス板に、ガラス板の片端に中空糸膜の末端を揃えるように各々の中空糸膜を10本ずつ鉛直に並べて貼り付けた。その後、ガラス板に末端を揃えた側の中空糸膜の端部約5mmを0.1%のコンゴーレッド水溶液に浸漬し、1分後に水溶液の上昇した液面の水面からの距離を測定し、その平均値を求めた。また、比較例7および8の中空糸膜については、その内径が230μmに相当するように液面上昇値の補正値も求めた。その結果を表5に示した。
実施例15と同様な製膜条件で、中空膜糸の膜厚は45μmで変えないようにして、内径が205μm、230μm、250μm,200μm、180μmの5種類の中空糸膜を作製した。
前記中空糸膜を用いて、実施例16と同様な製造方法により、L/Dが5.4になるように、中空糸膜の内径250μm、中空糸本数5800本の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器8、実施例17)、中空糸膜の内径230μm、中空糸本数6400本の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器7、実施例18)、中空糸膜の内径205μm、中空糸本数7100本の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器6、実施例19)、中空糸膜の内径200μm、中空糸本数7300本の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器5、比較例9)、中空糸膜の内径180μm、中空糸本数8100本の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器4、比較例10)を準備した。
夫々の持続式血液濾過器の牛血漿濾過性能試験は、CPD溶液を牛血液1mlに対して0.13mlになるように添加した牛血液から分離した牛血漿の総蛋白濃度を6.5g/dlに調整し、血漿1Lを血漿プールとし、37℃に保ちながら血漿流量100ml/分で持続式血液濾過器内を再循環させた。同時に濾過流量10ml/分で濾過を行い、得られた濾液は血漿プールに戻し、3時間後のアルブミンの篩い係数(Alb−Sc)を計測した。
実施例18と同様な製膜条件で、中空膜糸の膜厚45μmで変えないようにして、内径が230μmの中空糸膜を作製した。
前記中空糸膜を用いて、実施例16と同様な製造方法により、各々の持続式濾過器の膜面積が0.7m2一定になるようにして、L/Dが4.3の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器9、実施例20)、L/Dが5.4の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器10、実施例21)、L/Dが6.5の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器11、実施例22)、L/Dが7.5の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器12、比較例11)、L/Dが10の持続式血液濾過器(持続式血液濾過器13、比較例12)を準備した。
夫々の持続式血液濾過器の牛血漿濾過性能試験は、CPD溶液を牛血液1mlに対して0.13mlになるように添加した牛血液から分離した牛血漿の総蛋白濃度を6.5g/dlに調整し、血漿1Lを血漿プールとし、37℃に保ちながら血漿流量100ml/分で持続式血液濾過器内を再循環させた。同時に濾過流量10ml/分で濾過を行い、得られた濾液は血漿プールに戻し、3時間後のアルブミンの篩い係数(Alb−Sc)を計測した。
in vitroにおけるライフタイムの評価については、夫々の持続式血液濾過器の内部を生理食塩液500mLで洗浄し、体外循環回路と連結した。抗凝固剤としてヘパリン系抗凝固剤を添加した牛血液2000mL(血小板濃度25万個/μL)を血液プールとし、37℃に保ち、血液流量50mL/分で持続式血液濾過器内を再循環させ、濾過流量10mL/分で濾過を行い、得られた濾液は血液プールに戻した。開始30分後にカルシウムイオノホアA23187を血中濃度10μMになるように添加し、持続式血液濾過器の圧力損失が150mmHgに到達する所要時間を測定した。
実施例15,16、18の持続式血液濾過器を用いて、牛血漿を用いて30時間の牛血漿濾過性能試験を行った。牛血漿の総蛋白濃度を6.5g/dlに調整し、血漿1Lを血漿プールとし、37℃に保ちながら血漿流量50ml/分で持続式血液濾過器内を再循環させた。同時に濾過流量10ml/分で濾過を行い、得られた濾液は血漿プールに戻した。その後、1時間、3時間、10時間、20時間、30時間後のアルブミンの篩い係数(Sc)を計測した。その結果を表8に示す。
(I)1〜30時間までの実測アルブミン濃度より篩係数を算出する。
(II)(I)の篩係数から、近似曲線を描き、近似式を求める。
(III)(II)の近似式から、1〜30時間の15分毎の篩係数を求める。
(IV)1〜30時間の平均篩係数を求め、その値を下記式にあてはめる。
アルブミン総損失量(g)=アルブミン濃度(g/ml)×平均篩係数(1-30Hrの平均値)×濾過流量(ml/min)×時間(min)
y= 0.0066x^(−0.4579)
と計算された。この近似式を用いて、1〜30時間の平均篩係数を求めると0.0022と計算された。アルブミン濃度としてヒト血漿中の平均アルブミン濃度0.045(g/ml)を用い、上記式より求められたアルブミンの総損失量は、1.82gと計算された。
一方、上記近似式から、30時間後のアルブミンの総損失量が3.0gを超えない、3時間後のアルブミンの篩係数(Sc)は、シミュレーションの結果、0.0054と計算された。
2 ・・・ 体外循環用モジュール
3 ・・・ 動脈側血液回路
4 ・・・ 静脈側血液回路
5 ・・・ 血液循環ポンプ
6 ・・・ 血液入口側圧力検出器
7 ・・・ 血液出口側圧力検出器
8 ・・・ 血液プール
9 ・・・ 濾過側回路
10・・・ 血液濾過ポンプ
Claims (5)
- 筒状容器の内部に中空糸膜の束が充填され、該中空糸膜の両端部が硬化性樹脂により筒状容器両端部にポッティング加工されて容器両端部で開口端面となっており、該開口端面の夫々に血液の入口または出口を有するヘッダーキャップが取り付けられ、更に中空糸膜濾過液側空間に通じる濾過液の流通口を有する中空糸膜型の体外循環用モジュールにおいて、
該中空糸膜はポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなり、
該中空糸膜の内径は205〜250μmであって、
毛細管上昇法で測定した該中空糸膜の液面上昇値が内径230μmの中空糸膜に換算すると60mm〜120mmになり、
該中空糸膜の開口端面間距離をL、該筒状容器の最小内径をDとしたときのL/Dが3.5〜6.5であり、かつ
以下a〜dからなる体外循環用モジュールのライフタイム評価条件;
a)血液プールを30〜37℃に加温し:
b)血液濾過ポンプを配した濾過回路を体外循環モジュールの濾過側に接続し:
c)血液循環ポンプにより50ml/分の血液流量で血液を循環させ、血液濾過ポンプにより10ml/分の流量で得た濾液を血液プールに戻す血液循環を施行しながら:
d)血液循環開始から30分経過後にカルシウムイオノホアA23187を10μMとなるように循環血液に添加する:
において、体外循環用モジュールの血液入口側と出口側との圧力損失が150mmHgに到達する所要時間が200分以上であることを特徴とする、血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。 - in vitroにおける牛血漿濾過性能試験における3時間後のアルブミンの篩係数が0.0054以下であることを特徴とする、請求項1記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
- 前記中空糸膜の筒状容器への充填率が50%以上75%未満である請求項1〜2の何れかに記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
- 照射滅菌されている請求項1〜3の何れかに記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
- 抗酸化剤溶液が充填されている請求項1〜4の何れかに記載の血液濾過または血液濾過透析用のモジュール。
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