JP2016076657A - 電子部品及び電子部品内蔵配線板及びその製造方法 - Google Patents

電子部品及び電子部品内蔵配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べて電力ロスを抑えることが可能な電子部品及び電子部品内蔵配線板及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の電子部品内蔵配線板10に内蔵されているMLCC17は端子電極42を3つ平行に備えた3極構造になっているので、従来の2極構造のMLCCを内蔵したものに比べて、MLCC17が有するESL及びESRの配置の自由度が高くなり、回路の周波数に応じて電力ロスが低くなるようにMLCC17を接続することができると考えられる。【選択図】図4

Description

本発明は、直方体状をなしかつ外面に金属膜状の端子電極を有する電子部品及び、その電子部品を基板のキャビティに収容して備える電子部品内蔵配線板及びその製造方法に関する。
従来、この種の電子部品内蔵配線板として、電子部品(例えば、積層セラミックコンデンサ(MLCC))をキャビティに収容して備えるものが知られている。その電子部品は、直方体状の本体部の両端部が1対の正負の端子電極で覆われた構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−345560(図1)
上述した従来の電子部品内蔵配線板においては、電子部品を含む回路のESL(等価直列インダクタンス)やESR(等価直列レジスタンス)等に起因して電力ロスが生じることが考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来に比べて電力ロスを抑えることが可能な電子部品及び電子部品内蔵配線板及びその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するためなされた請求項1に係る発明は、キャビティを有する基板と、直方体状をなしかつ外面に金属膜状の端子電極を有し、前記キャビティに収容される電子部品と、前記基板と前記電子部品との上に層間絶縁層を介して積層される導体層と、前記導体層と前記電子部品の前記端子電極との間を接続するビア導体と、を有する電子部品内蔵配線板であって、前記端子電極は、前記電子部品のうち前記層間絶縁層が積層される外面に3つ以上平行に並べられかつ、隣り合う前記端子電極同士の極性が逆に配置され、共通の前記端子電極に接続されて直線状に並んだ複数の前記ビア導体からなるビア導体列が、前記端子電極毎に設けられて、前記ビア導体列同士が平行に配置され、前記平行に並んだ3つ以上の前記端子電極のうち中間に位置する少なくとも一部の前記端子電極では、共通の前記端子電極上に2列の前記ビア導体列が配置されている。
本発明の第1実施形態に係る電子部品内蔵配線板の側断面図 (A)MLCCの斜視図、(B)A−A切断面におけるMLCCの断面図、(C)B−B切断面におけるMLCCの断面図 MLCCの概念図 MLCCの平面図 電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図 電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図 電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図 電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図 電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図 電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図 電子部品内蔵配線板を含むPoPの側断面図 MLCCを含む回路図 MLCCに接続されているビア導体の平面図 第2実施形態に係る電子部品内蔵配線板の側断面図 その電子部品内蔵配線板の平断面図 変形例に係る電子部品内蔵配線板の平断面図 変形例に係るMLCCの平面図 変形例に係るMLCCの平面図 変形例に係るMLCCの平面図
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の電子部品内蔵配線板10は、コア基板11(本発明の「基板」に相当する)の表裏の両面にビルドアップ層20,20を積層してなる。コア基板11には、キャビティ16が貫通形成され、そのキャビティ16に電子部品としての積層セラミックコンデンサ17(以下、「MLCC17」という)が収容されている。
MLCC17は、図2(A)に示すように外面を覆う金属膜状の3つの端子電極42を備えている。具体的には、MLCC17のうち端子電極42A,42B,42Cを除いた素子本体43は、例えば、図3(B)に示すように長方形の複数のセラミックシート44を積層してなり、平面形状が長方形の直方体状になっている。それら複数のセラミックシート44は、内部電極44Dが片面に印刷されている複数の内部電極シート44Aと、内部電極44Dを印刷されていない外装シート44Xとからなる。また、複数の内部電極シート44Aは、負極用の第1内部電極シート44A1と正極用の第2内部電極シート44A2とに分けられている。
負極用の第1内部電極シート44A1は、セラミックシート44の1対の短辺側の外縁部に内部電極44Dの両端部を1対の第1側面電極44T1,44T1として備えると共に、1対の長辺側の外縁部には側面電極を有していない構造になっている。一方、正極用の第2内部電極シート44A2は、セラミックシート44の1対の長辺側の外縁部における中央に内部電極44Dを延長してなる1対の第2側面電極44T2,44T2を備えると共に、1対の短辺側の外縁部に側面電極を有していない構造になっている。
そして、第1内部電極シート44A1と第2内部電極シート44A2とが交互に積層したものが、外装シート44X,44Xに挟まれて素子本体43になっている。これにより、図3(A)に示すように、素子本体43の短辺側の側面における横方向の両端部を除く全体に負極の第1側面電極44T1群が配置され、素子本体43の長辺側の側面における横方向中央には、第2側面電極44T2群が配置されている。
そして、図2(B)に示すように、素子本体43の長手方向の両端部に、第1側面電極44T1群に接続された負極の端子電極42A,42C(以下、「負端子電極42A,42C」という)が備えられ、素子本体43の長手方向の中央部に、図2(C)に示すように、第2側面電極44T2に接続された正極の端子電極42B(以下、「正端子電極42B」という)が備えられている。
図2(A)に示すように、一方の負端子電極42Aは、素子本体43のうち第1側面電極44T1が配置された一方側面(素子本体43の長手方向の一端面)の全体を覆うと共に、その一側面と隣り合った両側面及び上下の両面(セラミックシート44の積層方向の両端面)における一側面側の端部を覆っている。他方の負端子電極42Cも同様の形状をなしている。また、正端子電極42Bは、素子本体43のうち第2側面電極44T2が配置された両側面及び上下の両面における長手方向の中央を覆っている。これにより、図2(A)に示すように、素子本体43のうち第2側面電極44T2群を有する両側面及び上下の両面の各面で、負端子電極42A,42C及び正端子電極42Bが平行に並んだ構造になっている。また、それら各面における両端の負端子電極42A,42Cの幅は略同一になっていて、正端子電極42Bの幅は、各負端子電極42A,42Cの幅に対して2倍未満(例えば、1.2〜1.9倍)の範囲で大きくなっている。なお、以下の説明において、負端子電極42A,42C及び正端子電極42Bを区別しないで説明する場合には、単に「端子電極42」ということとする。
図1に示されるコア基板11は、絶縁性部材で構成されている。コア基板11の表側面であるF面11Fと、コア基板11の裏側面であるS面11Sとには、導体回路層12がそれぞれ形成されている。また、コア基板11には、キャビティ16の他に複数の導電用貫通孔14が形成されている。
MLCC17は、コア基板11のキャビティ16に収容されて、例えば、MLCC17の上面がコア基板11のF面11F側に配置される一方、MLCC17の下面がコア基板11のS面11S側に配置されている。また、キャビティ16は、端子電極42を含むMLCC17全体の平面形状より一回り大きくなっている。そして、MLCC17とキャビティ16の内側面との間に素子保持樹脂16Jが充填され、MLCC17がキャビティ16の内側面の全体から離間する位置に配置されている。
また、MLCC17全体の厚さは、コア基板11の板厚より僅かに大きくなっている。そして、コア基板11のF面11F側の導体回路層12の最外面と、MLCC17の表側面の端子電極42の最外面とが略面一になる一方、コア基板11のS面11S側の導体回路層12の最外面と、MLCC17の表側面の端子電極42の最外面とが略面一になっている。
導電用貫通孔14は、コア基板11のF面11F及びS面11Sの両面からそれぞれ穿孔しかつ奥側に向かって徐々に縮径したテーパー孔14A,14Aの小径側端部を互いに連通させた中間括れ形状をなしている。各導電用貫通孔14内にはめっきが充填されて複数のスルーホール導電導体15がそれぞれ形成され、それらスルーホール導電導体15によってF面11Fの導体回路層12とS面11Sの導体回路層12との間が接続されている。
コア基板11のF面11F側のビルドアップ層20も、S面11S側のビルドアップ層20も共に、コア基板11側から順番に、第1絶縁樹脂層21(本発明の「層間絶縁層」に相当する)、第1導体層22(本発明の「導体層」に相当する)、第2絶縁樹脂層23、第2導体層24とを積層してなり、第2導体層24上には、ソルダーレジスト層25が積層されている。
第1絶縁樹脂層21及び第2絶縁樹脂層23には、それぞれ複数のビアホール21H,23Hが形成され、それらビアホール21H,23Hは、共にコア基板11側に向かって徐々に縮径したテーパー状になっている。これらビアホール21H,23H内にめっきが充填されて複数のビア導体21D,23Dが形成されている。そして、第1絶縁樹脂層21のビア導体21Dによって、導体回路層12と第1導体層22との間及び、MLCC17と第1導体層22との間が接続され、第2絶縁樹脂層23のビア導体23Dによって、第1導体層22と第2導体層24の間が接続されている。
図4には、MLCC17の端子電極42に対するビア導体21Dの接続位置が示されている。同図に示すように、ビア導体21Dは、両端の端子電極42,42には、ぞれぞれに複数ずつ1列に並べて接続されてビア導体列21Rを構成している。これに対し、中央の端子電極42には、複数のビア導体21Dが2列に並べて接続され、2列のビア導体列21Rを構成している。即ち、MLCC17の表側と裏側とに4列ずつのビア導体列21Rが端子電極42に接続されている。また、全てのビア導体列21Rは、同一複数(例えば、3つ)のビア導体21Dからなり、それら複数のビア導体21Dは、同一の形状及び大きさをなして等間隔に並んでいる。
また、中央の端子電極42に接続されている2列のビア導体列21Rを構成するビア導体21D群は、千鳥配置になっている。具体的には、中央の端子電極42に接続されている2列のビア導体列21Rのうち一方のビア導体列21Rが、他方のビア導体列21Rに対して、各ビア導体列21Rを構成するビア導体21D,21D同士のピッチの半分だけ列方向(ビア導体列21Rを構成するビア導体21Dの並び方向)でずらされ、さらに、一方のビア導体21Dを構成するビア導体21D,21Dの間に、他方のビア導体列21Rを構成するビア導体21Dの一部が収まっている。こにれより、中央の端子電極42の幅が端の端子電極42の幅の2倍未満であるにみ拘わらず、端の端子電極42の2倍の列のビア導体列21Rを中央の端子電極42に接続できるようになっている。
また、両端の端子電極42,42に接続されているビア導体列21R,21Rは、一方の端子電極42(即ち、負端子電極42A)のビア導体列21Rが、他方の端子電極42(即ち、負端子電極42C)のビア導体列21Rに対して、各ビア導体列21Rを構成するビア導体21D,21D同士のピッチの半分だけ列方向にずらされている。そして、中央の端子電極42(即ち、正端子電極42B)のうち一方の負端子電極42A寄りに配置されたビア導体列21Rと、一方の負端子電極42Aのビア導体列21Rとが、ビア導体列21Rの列方向で同じ位置に配置され、中央の端子電極42(即ち、正端子電極42B)のうち他方の負端子電極42A寄りに配置されたビア導体列21Rと、他方の負端子電極42Aのビア導体列21Rとが、ビア導体列21Rの列方向で同じ位置に配置されている。なお、各断面図(図1、図5〜11、図14)では、端子電極42とビア導体21Dとの接続を表すために、図4にて二点鎖線で示される位置における断面が示されている。
ソルダーレジスト層25には、複数のパッド用孔が形成され、第2導体層24の一部がパッド用孔内に位置してパッドになっている。電子部品内蔵配線板10全体の表側面であるF面10Fにおいては、複数のパッドが、大パッド26A群と小パッド26C群とからなり、小パッド26C群が行列状に並べられ、その回りを大パッド26A群が枠状に並べられて囲んでいる。一方、電子部品内蔵配線板10全体の裏側面であるS面10Sのパッドは、小パッド26Cより大きな中パッド26Bになっている。
本実施形態の電子部品内蔵配線板10は、以下のようにして製造される。
(1)図5(A)に示すように、コア基板11としてエポキシ樹脂又はBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂とガラスクロスなどの補強材からなる絶縁性基材11Kの表裏の両面に、銅箔11Cがラミネートされているものが用意される。
(2)図5(B)に示すように、コア基板11にF面11F側から例えばCO2レーザが照射されて導電用貫通孔14(図1参照)を形成するためのテーパー孔14Aが穿孔される。
(3)図5(C)に示すように、コア基板11のS面11Sのうち前述したF面11F側のテーパー孔14Aの真裏となる位置にCO2レーザが照射されてテーパー孔14Aが穿孔され、それらテーパー孔14A,14Aから導電用貫通孔14が形成される。
(4)無電解めっき処理が行われ、銅箔11C上と導電用貫通孔14の内面に無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
(5)図5(D)に示すように、銅箔11C上の無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト33が形成される。
(6)電解めっき処理が行われ、図6(A)に示すように、電解めっきが導電用貫通孔14内に充填されてスルーホール導電導体15が形成されると共に、銅箔11C上の無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト33から露出している部分に電解めっき膜34が形成される。
(7)めっきレジスト33が剥離されると共に、めっきレジスト33の下方の無電解めっき膜(図示せず)及び銅箔11Cが除去され、図6(B)に示すように、残された電解めっき膜34、無電解めっき膜及び銅箔11Cにより、コア基板11のF面11F上に導体回路層12が形成されると共に、コア基板11のS面11S上に導体回路層12が形成される。そして、F面11Fの導体回路層12とS面11Sの導体回路層12とがスルーホール導電導体15によって接続された状態になる。
(8)図6(C)に示すように、コア基板11に、ルーター又はCO2レーザによってキャビティ16が形成される。
(9)図6(D)に示すように、キャビティ16が塞がれるように、PETフィルムからなるテープ90がコア基板11のF面11F上に張り付けられる。
(10)MLCC17が用意される。
(11)図7(A)に示すように、MLCC17がマウンター(図示せず)によってキャビティ16に収められる。
(12)図7(B)に示すように、コア基板11のF面11F上の導体回路層12上に、第1絶縁樹脂層21としてのプリプレグ(心材を樹脂含浸してなるBステージの樹脂シート)と銅箔37が積層されてから、加熱プレスされる。その際、コア基板11のS面11Sの導体回路層12,12同士の間がプリプレグにて埋められ、プリプレグから染み出た熱硬化性樹脂がキャビティ16の内面とMLCC17との隙間に充填される。
(13)図7(C)に示すように、テープ90が除去される。
(14)図7(D)に示すように、コア基板11のF面11F上の導体回路層12上に第1絶縁樹脂層21としてのプリプレグと銅箔37が積層されてから、加熱プレスされる。その際、コア基板11のF面11Fの導体回路層12,12同士の間がプリプレグにて埋められ、プリプレグから染み出た熱硬化性樹脂がキャビティ16の内面とMLCC17との隙間に充填される。また、コア基板11のF面11F及びS面11Sのプリプレグから染み出てキャビティ16の内面とMLCC17との隙間に充填された熱硬化性樹脂によって前述の素子保持樹脂16Jが形成される。
なお、第1絶縁樹脂層21としてプリプレグの代わりに心材を含まない樹脂フィルムを用いてもよい。その場合は、銅箔を積層することなく、樹脂フィルムの表面に、直接、セミアディティブ法で導体回路層を形成することができる。
(15)図8(A)に示すように、上記したプリプレグによって形成されたコア基板11の表裏の両側の第1絶縁樹脂層21,21にCO2レーザが照射されて、複数のビアホール21Hが形成される。それら複数のビアホール21Hの一部のビアホール21Hは、導体回路層12上に配置され、他の一部のビアホール21HはMLCC17上に配置される。
(16)無電解めっき処理が行われ、第1絶縁樹脂層21,21上と、ビアホール21H,21H内とに無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
(17)図8(B)に示すように、銅箔37上の無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト40が形成される。
(18)電解めっき処理が行われ、図8(C)に示すように、めっきがビアホール21H,21H内に充填されてビア導体21D,21Dが形成され、さらには、第1絶縁樹脂層21,21上の無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト40から露出している部分に電解めっき膜39,39が形成される。
(19)めっきレジスト40が剥離されると共に、めっきレジスト40の下方の無電解めっき膜(図示せず)及び銅箔37が除去され、図9(A)に示すように、残された電解めっき膜39、無電解めっき膜及び銅箔37により、コア基板11の表裏の各第1絶縁樹脂層21上に第1導体層22が形成される。そして、コア基板11の表裏の各第1導体層22の一部と導体回路層12とがビア導体21Dによって接続されると共に、各第1導体層22の他の一部とMLCC17とがビア導体21Dによって接続された状態になる。
(20)上記した(12)〜(19)と同様の処理により、図9(B)に示すように、コア基板11の表裏の各第1導体層22上に第2絶縁樹脂層23と第2導体層24とが形成されて、各第2導体層24の一部と第1導体層22とがビア導体23Dによって接続された状態になる。
(21)図9(C)に示すように、コア基板11の表裏の各第2導体層24上にソルダーレジスト層25,25が積層される。
(22)図10に示すように、コア基板11の表裏のソルダーレジスト層25,25の所定箇所にテーパー状のパッド用孔が形成され、コア基板11の表裏の各第2導体層24のうちパッド用孔から露出した部分がパッド26になる。
(23)パッド26上に、ニッケル層、パラジウム層、金層の順に積層されて図1に示した金属膜41が形成される。以上で電子部品内蔵配線板10が完成する。
本実施形態の電子部品内蔵配線板10の構造及び製造方法に関する説明は以上である。次に電子部品内蔵配線板10の作用効果を、電子部品内蔵配線板10の使用例と共に説明する。本実施形態の電子部品内蔵配線板10は、例えば、以下のようにして使用される。即ち、図11に示すように、電子部品内蔵配線板10の有する前述の大、中、小のパッド26A,26B,26C上に、それら各パッドの大きさに合った大、中、小の半田バンプ27A,27B,27Cが形成される。そして、例えば、電子部品内蔵配線板10のF面10Fの小パッド群と同様に配置されたパッド群を下面に有するCPU80が、各製品領域R2の小半田バンプ27C群上に搭載されて半田付けされて、第1パッケージ基板10Pが形成される。ここで、CPU80のパッドが、ビア導体21D,23Dを介してMLCC17に接続される。
次いで、メモリ81を回路基板82のF面82Fに実装してなる第2パッケージ基板82Pが、CPU80の上方から第1パッケージ基板10P上に配されて、その第2パッケージ基板82Pにおける回路基板82のS面82Sに備えるパッドに第1パッケージ基板10Pにおける電子部品内蔵配線板10の大半田バンプ27Aが半田付けされてPoP83(Package on Package83)が形成される。なお、PoP83における電子部品内蔵配線板10と回路基板82の間には図示しない樹脂が充填される。
次いで、PoP83がマザーボード84上に配されて、そのマザーボード84が有するパッド群にPoP83における電子部品内蔵配線板10の中半田バンプ27Bが半田付けされる。このとき、マザーボード84が有する例えばグランド用のパッドがビア導体21D,23Dを介してMLCC17の負端子電極42A,42Cに接続される。そして、MLCC17が、例えば、高周波ノイズを除去するためのバイパスコンデンサとして使用されることが考えられる。
具体的には、図12(A)に示すように、3つの端子電極42のうち同じ極性の2つの端子電極42(本実施形態では、負端子電極42A,42C)がグランドに接続され、残りの他方の極性の1つの端子電極42(本実施形態では、正端子電極42B)が電源ライン又は信号ライン(以下、これらを総称して「通電ライン」という)に接続されている。これにより、図12(B)に示すように、従来の2極型のMLCC17をグランドと通電ラインとの間に接続した場合に比べてESRを減らすことができ、ESRの影響が大きい回路において電力ロスを抑えることができると考えられる。
なお、本実施形態では、負極の端子電極42(負端子電極42A,42C)がグランドに接続されているが、MLCCが有する正負の端子電極のうち何れの極性の端子電極がグランドに接続されていてもよく、また、3極のうち中央の端子電極が正負の何れであってもよく、両端の端子電極が正負の何れであってもよい。
また、ESRよりESLが問題になる場合には、図12(C)に示すように、3つの端子電極42のうち同じ極性の2つの端子電極42を通電ラインの途中に直列接続し、残りの他方の極性の1つの端子電極42をグランドに接続すればよいと考えられる。そうすれば、図12(D)に示すように、従来の2極型のMLCC17をグランドと通電ラインとの間にMLCC17を接続した場合に比べて、グランドと通電ラインとの間のESLを減らすことができ、ESLの影響が大きい回路において電力ロスを抑えることができると考えられる。
このように本実施形態の電子部品内蔵配線板10に内蔵されているMLCC17は、正負の2極の端子電極しか有しない従来のMLCCに、さらにもう1つ端子電極42を加えた3極構造になっているので、電子部品内蔵配線板10の回路上において、MLCC17が有するESL及びESRの配置の自由度が高くなると考えられる。これにより、回路に通電される電力又は信号の周波数に応じて電力ロスが低くなるようにMLCC17を接続することができると考えられる。また、本実施形態のMLCC17では、一般にグランドに接続される場合が多い負端子電極42A,42Cを両端に備えているので、2つの負極をグランドに接続する回路構成を容易に実現することができると考えられる。
さらには、キャビティ16がコア基板11を貫通していて、そのキャビティ16内に収容されているMLCC17は表裏の両面に端子電極42を備えているので、MLCC17をコア基板11の表裏の回路に短い距離で接続することができ、MLCC17を含む電子部品内蔵配線板10の回路全体のESL及びESRを抑えることができ、電力ロスを低くすることができると考えられる。
各端子電極42に複数ずつのビア導体21Dが接続されているので、それら共通の端子電極に接続されているビア導体21D同士の間で、図13に示すように、隣り合った一方のビア導体21Dの回りの磁界E1と、他方のビア導体21Dの回りの磁界E2とが逆向きになって磁気ノイズの発生を抑えることができると考えられる。
さらに、本実施形態のMLCC17では、中央の正端子電極42Bにおいてビア導体21Dが千鳥配置になっているので、マトリクス状に配置されるものと比べて、端子電極42に配置可能なビア導体21Dの数を多くすることができ、上記効果をより享受することができると考えられる。
[第2実施形態]
図14及び図15には、第2実施形態に係る電子部品内蔵配線板10Vが示されている。図14に示すように、本実施形態の電子部品内蔵配線板10Vでは、コア基板11のF面11F上及びS面11S上に、キャビティ16を囲むように枠状パターン60が形成されている。そして、MLCC17の負端子電極42A,42Cに接続されているビア導体21Dと、枠状パターン60に接続されているビア導体21Dとが第1導体層22によって接続され、枠状パターン60がグランドして使用されている。
また、コア基板11のF面11F及びS面11S上では、図15に示すように、負端子電極42A,42Cと枠状パターン60の内縁部との間の最短距離L1より、正端子電極42Bと枠状パターン60の内縁部との間の最短距離L2が大きくなっている。これにより、製造状のばらつきで、正端子電極42Bが枠状パターン60に導通することが防がれると考えられる。また、製造状のばらつきで負端子電極42A,42Cが枠状パターン60に導通することがあっても、そもそも負端子電極42A,42Cは第1導体層22等を介して枠状パターン60に接続されて同電位になっているので問題にはならない。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1及び第2実施形態の電子部品内蔵配線板10,10Vでは、コア基板11の表裏にビルドアップ層20,20が積層されていたが、基板の表裏の一方の面のみにビルドアップ層を積層した構成にしてもよい。
(2)前記第2実施形態の電子部品内蔵配線板10Vでは、コア基板11のF面11F上及びS面11S上において枠状パターン60とMLCC17とは接続されていなかったが、図16(A)及び図16(B)に示すように、MLCC17の両端の端子電極42を枠状パターン60に接続した構成や、MLCC17の中央の端子電極42を枠状パターン60に接続した構成としてもよい。また、3極のうち中央の端子電極が正負の何れであってもよく、両端の端子電極が正負の何れであってもよい。
(3)前記第1及び第2実施形態のMLCC17は、平行に並んだ端子電極42の数が3つであったが、図17に示すように負端子電極42A,42Cと、正端子電極42B,42Dとの4つの端子電極42を正負が交互に配置されるように平行に並べた構成にしてもよい。また、平行に並んだ端子電極42の数は5つ以上であってもよい。そして、図17に示すように、MLCC17のうち同じ外面上で平行に並んだ3つ以上の端子電極のうち中間に位置する全ての端子電極42(正端子電極42B及び負端子電極42C)においては、共通の端子電極42上に2列のビア導体列21Rが配置される一方、両端に位置する2つの端子電極42においては、共通の端子電極42上に1列のビア導体列21Rが配置されていることが、磁気ノイズを低減させる上で好ましい。
(4)また、図18に示すように、MLCC17の一端の負端子電極42Aの隣に別のMLCC17Vの正端子電極42Eが配置される場合に、隣のMLCC17Vの正端子電極42Eにおけるビア導体列21Rに対応させるために、MLCC17の一端の負端子電極42Aに2列のビア導体列21Rを設けてもよい。
(5)前記第1及び第2実施形態の電子部品内蔵配線板10,10Vでは、MLCC17の各42に接続されている各ビア導体列21Rを構成するビア導体21Dの数が同一であったが、図19(A)及び図19(B)に示すように、各ビア導体列21Rを構成するビア導体21Dの数が異なっていてもよい。この場合、図19(A)に示すように、隣り合う正負の端子電極42A,42B(42B,42C)上にそれぞれ配置されて相互に隣り合うビア導体列21Rの全てのペアにおいて、一方のビア導体列21Rを構成するビア導体21Dの数と、他方のビア導体列21Rを構成するビア導体21Dの数とが同じであることが磁気ノイズを低減させる上で好ましいが、図19(B)に示すように、それらペアの一方と他方のビア導体列21Rを構成するビア導体21Dの数が異なっていてもよい。
10,10V 電子部品内蔵配線板
11 コア基板(基板)
16 キャビティ
17 MLCC(積層セラミックコンデンサ,電子部品)
21 第1絶縁樹脂層(層間絶縁層)
21D ビア導体
21R ビア導体列
22 第1導体層(導体層)
42 端子電極
42A,42C 負端子電極
42B 正端子電極
60 枠状パターン

Claims (20)

  1. キャビティを有する基板と、
    直方体状をなしかつ外面に金属膜状の端子電極を有し、前記キャビティに収容される電子部品と、
    前記基板と前記電子部品との上に層間絶縁層を介して積層される導体層と、
    前記導体層と前記電子部品の前記端子電極との間を接続するビア導体と、を有する電子部品内蔵配線板であって、
    前記端子電極は、前記電子部品のうち前記層間絶縁層が積層される外面に3つ以上平行に並べられかつ、隣り合う前記端子電極同士の極性が逆に配置され、
    共通の前記端子電極に接続されて直線状に並んだ複数の前記ビア導体からなるビア導体列が、前記端子電極毎に設けられて、前記ビア導体列同士が平行に配置され、
    前記平行に並んだ3つ以上の前記端子電極のうち中間に位置する少なくとも一部の前記端子電極では、共通の前記端子電極上に2列の前記ビア導体列が配置されている。
  2. 請求項1に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記基板を貫通し、前記電子部品を収容する前記キャビティと、
    前記基板の表裏の両面に備えられる前記層間絶縁層、前記導体層及び前記ビア導体とを備え、
    前記端子電極は、前記電子部品の表裏の両面に3つ以上平行に並べられかつ、隣り合う前記端子電極同士の極性が逆に配置され、
    前記電子部品の表裏の両面で、共通の前記端子電極に接続されて直線状に並んだ複数の前記ビア導体からなるビア導体列が、前記端子電極毎に設けられて、前記ビア導体列同士が平行に配置されている。
  3. 請求項1又は2に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記電子部品のうち同じ外面上で前記平行に並んだ3つ以上の前記端子電極のうち中間に位置する全ての前記端子電極においては、共通の前記端子電極上に2列の前記ビア導体列が配置される一方、両端に位置する2つの前記端子電極においては、共通の前記端子電極上に1列の前記ビア導体列が配置されている。
  4. 請求項3に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    隣り合う前記端子電極上にそれぞれ配置されて相互に隣り合う前記ビア導体列の全てのペアにおいて、一方の前記ビア導体列を構成する前記ビア導体の数と、他方の前記ビア導体列を構成する前記ビア導体の数とが同じになっている。
  5. 請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    2列の前記ビア導体列を上方に有する前記端子電極の幅が、1列の前記ビア導体列を上方に有する端子電極の幅に対して2倍未満の範囲で大きくなっていると共に、前記2列の前記ビア導体列を構成するビア導体群が千鳥配置になっている。
  6. 請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記基板のうち前記層間絶縁層が積層される面に形成されて前記キャビティを囲む導電性の枠状パターンを備え、
    正極又は負極の一方の前記端子電極と前記枠状パターンの内縁部との間の最短距離より、正極又は負極の他方の前記端子電極と前記枠状パターンの内縁部との間の最短距離が大きくなっている。
  7. 請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記電子部品は、積層セラミックコンデンサである。
  8. 請求項7に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記電子部品のうち同じ外面上で平行に並ぶ前記端子電極の数が3つであり、
    前記3つ平行に並ぶ前記端子電極のうち両端の前記端子電極が接続されるグランドを備えている。
  9. 請求項7又は8の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記電子部品のうち同じ外面上で平行に並ぶ前記端子電極の数が奇数であると共に、両端の前記端子電極が負極である。
  10. 請求項7に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記電子部品のうち同じ外面上で平行に並ぶ前記端子電極の数が3つであり、
    前記3つ平行に並ぶ前記端子電極のうち中央の前記端子電極が接続されるグランドを備えている。
  11. 請求項1乃至10の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
    前記電子部品全体で、負極に接続される前記ビア導体の総数が正極に接続される前記ビア導体の総数以上となっている。
  12. 基板にキャビティを形成することと、
    前記キャビティに電子部品を収容することと、
    前記基板及び前記電子部品の上に層間絶縁層を介して導体層を積層することと、
    前記導体層と前記電子部品の前記端子電極との間を接続するビア導体を形成することと、を行う電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
    前記電子部品のうち前記層間絶縁層が積層される外面に前記端子電極を3つ以上平行に並べ、隣り合う前記端子電極同士の極性を逆に配置することと、
    共通の前記端子電極に接続されて直線状に並んだ複数の前記ビア導体からなるビア導体列を前記端子電極毎に設けて、前記ビア導体列同士を平行に配置することとを行い、
    前記平行に並んだ3つ以上の前記端子電極のうち中間に位置する少なくとも一部の前記端子電極において共通の前記端子電極上に2列の前記ビア導体列を配置する。
  13. 請求項12に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
    前記キャビティを前記基板の表裏の両面に開口させると共に、前記基板の表裏の両面に前記層間絶縁層、前記導体層及び前記ビア導体を設けることと、
    前記電子部品の表裏の両面に前記端子電極を3つ以上平行に並べかつ、隣り合う前記端子電極同士の極性を逆に配置することと、
    前記電子部品の表裏の両面で、共通の前記端子電極に接続されて直線状に並んだ複数の前記ビア導体からなるビア導体列を前記端子電極毎に設けられて、前記ビア導体列同士を平行に配置することとを行う。
  14. 請求項12又は13に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
    前記電子部品のうち同じ外面上で前記平行に並んだ3つ以上の前記端子電極のうち中間に位置する全ての前記端子電極においては、共通の前記端子電極上に2列の前記ビア導体列を配置する一方、両端に位置する2つの前記端子電極においては、共通の前記端子電極上に1列の前記ビア導体列を配置する。
  15. 請求項14に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
    隣り合う前記端子電極上にそれぞれ配置されて相互に隣り合う前記ビア導体列の全てのペアにおいて、一方の前記ビア導体列を構成する前記ビア導体の数と、他方の前記ビア導体列を構成する前記ビア導体の数とを同じする。
  16. 請求項12乃至15の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
    2列の前記ビア導体列を上方に有する前記端子電極の幅を、1列の前記ビア導体列を上方に有する端子電極の幅に対して2倍未満の範囲で大きくすると共に、前記2列の前記ビア導体列を構成するビア導体群を千鳥配置にする。
  17. 請求項12乃至16の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
    前記電子部品は、積層セラミックコンデンサである。
  18. 基板に形成されるキャビティに収容されて、前記基板上に層間絶縁層を介して積層される導体層にビア導体にて接続される端子電極を有する電子部品であって、
    前記端子電極は、前記電子部品のうち前記層間絶縁層が積層される外面に3つ以上平行に並べられかつ、隣り合う前記端子電極同士の極性が逆に配置され、
    それら3つ以上平行に並ぶ前記端子電極のうち両端を除く中間の前記端子電極の幅が、両端の前記端子電極の幅に対して2倍未満の範囲で大きくなっている。
  19. 請求項18に記載の電子部品であって、
    前記電子部品のうち同じ外面上で平行に並ぶ前記端子電極の数が奇数であると共に、両端の前記端子電極が負極である。
  20. 積層セラミックコンデンサである請求項18又は19に記載の電子部品。
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