JP2016076599A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高移動度を有し、かつ、電気特性の安定性が向上した薄膜トランジスタを提供する。【解決手段】薄膜トランジスタ100の製造方法は、基板110の上方に、酸窒化亜鉛から構成される酸化物半導体層140を形成する工程と、酸化物半導体層140上に第1絶縁層151を形成する工程と、窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下で、第1絶縁層151に第1プラズマ処理を行う工程と、第1プラズマ処理を行った後に、第1絶縁層151上に第2絶縁層152を形成する工程とを含む。【選択図】図4

Description

本開示は、薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
液晶を利用した液晶表示装置又は有機EL(Electro Luminescence)を利用した有機EL表示装置などのアクティブマトリクス方式の表示装置のバックプレーンには、スイッチング素子又は駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が用いられている。薄膜トランジスタのチャネル層は、ゲート電極に印加される電圧によってキャリアの移動が制御されるチャネル領域を有する。チャネル層の材料としては、アモルファスシリコンなどの種々の半導体材料が検討されている。
近年、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)をチャネル層に用いた酸化物半導体TFTの開発が進められている。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)の金属酸化物(InGaZnO)からなるTAOSをチャネル層に用いた酸化物半導体TFTが実用化されている。
しかし、InGaZnOでは、キャリア移動度が10cm/Vsまでしか見込めないため、近年、さらに高いキャリア移動度を有するTAOS材料が検討されている。
例えば、酸窒化亜鉛(ZnON)を用いたTFTは、InGaZnOを用いたTFTより高い移動度(例えば、20cm/Vs以上)を有する。また、ZnONの成膜は、Zn単体の金属ターゲットを用いた反応性スパッタで行うことができ、大面積ガラス基板(G8以上)を用いる製造プロセスに対応することができる(非特許文献1参照)。また、より良好なTFT特性を得るためには、Znに近い組成のZnONを成膜すればよいことが知られている(非特許文献2参照)。
Yan Ye, Rodney Lim, and John M. White, "High mobility amorphous zinc oxynitride semiconductor material for thin film transistor", JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, 2009, 106, 074512 Eunha Lee, Anass Benayad, Taeho Shin, Hyunglk Lee, Dong-Su Ko, Tae Sang Kim, Kyoung Seok Son, Myungkwan Ryu, Sanghun Jeon and Gyeong-Su Park, "Nanocrystalline ZnON; High mobility and low band gap semiconductor material for high performance switch transistor and image sensor application", Scientific Reports, 2014, Volume: 4, Article number: 4948
しかしながら、良好なTFT特性を有するZnONは、Nが過剰にドープされている状態であり、組成的には不安定な材料である。このため、ZnONの格子状態が乱れやすく、TFT特性の不安定性の要因となる。例えば、製造プロセス中にZnONの組成変動が起きやすく、TFT特性の均一性が悪化する。
そこで、本開示は、高移動度を有し、かつ、電気特性の安定性が向上した薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本開示に係る薄膜トランジスタの製造方法は、基板の上方に、酸窒化亜鉛から構成される酸化物半導体層を形成する工程と、前記酸化物半導体層上に第1絶縁層を形成する工程と、窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下で、前記第1絶縁層に第1プラズマ処理を行う工程と、前記第1プラズマ処理を行った後に、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する工程とを含む。
また、本開示に係る薄膜トランジスタは、基板の上方に形成された酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層上に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層とを備え、積層方向における窒素元素の濃度分布において、前記第1絶縁層と前記酸化物半導体層との界面の近傍に、窒素元素の濃度のピークが存在する。
本開示によれば、高移動度を有し、かつ、電気特性の安定性が向上した薄膜トランジスタを提供することができる。
実施の形態に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置のピクセルバンクの一例を示す斜視図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置における画素回路の構成を示す電気回路図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの概略断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタのプロセス条件を示す図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの電流−電圧特性及び移動度曲線を示す図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの電気特性を示す図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの積層方向における元素の濃度分布を示す図である。 実施の形態の変形例に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。 実施の形態の変形例に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明、及び、実質的に同一の構成に対する重複説明などを省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[1.有機EL表示装置]
まず、本実施の形態に係る有機EL表示装置10の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10の一部切り欠き斜視図である。図2は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10のピクセルバンクの一例を示す斜視図である。
[1−1.構成]
図1に示すように、有機EL表示装置10は、複数個の薄膜トランジスタが配置されたTFT基板(TFTアレイ基板)20と、下部電極である陽極41、有機材料からなる発光層であるEL層42及び透明な上部電極である陰極43からなる有機EL素子(発光部)40との積層構造により構成される。
TFT基板20には複数の画素30がマトリクス状に配置されており、各画素30には画素回路31が設けられている。
有機EL素子40は、複数の画素30のそれぞれに対応して形成されており、各画素30に設けられた画素回路31によって各有機EL素子40の発光の制御が行われる。有機EL素子40は、複数の薄膜トランジスタを覆うように形成された層間絶縁膜(平坦化層)の上に形成される。
また、有機EL素子40は、陽極41と陰極43との間にEL層42が配置された構成となっている。陽極41とEL層42との間にはさらに正孔輸送層が積層形成され、EL層42と陰極43との間にはさらに電子輸送層が積層形成されている。なお、陽極41と陰極43との間には、その他の有機機能層が設けられていてもよい。
各画素30は、それぞれの画素回路31によって駆動制御される。また、TFT基板20には、画素30の行方向に沿って配置される複数のゲート配線(走査線)50と、ゲート配線50と交差するように画素30の列方向に沿って配置される複数のソース配線(信号配線)60と、ソース配線60と平行に配置される複数の電源配線(図示せず)とが形成されている。各画素30は、例えば、直交するゲート配線50とソース配線60とによって区画されている。
ゲート配線50は、各画素回路31に含まれるスイッチング素子として動作する薄膜トランジスタのゲート電極と行毎に接続されている。ソース配線60は、各画素回路31に含まれるスイッチング素子として動作する薄膜トランジスタのソース電極と列毎に接続されている。電源配線は、各画素回路31に含まれる駆動素子として動作する薄膜トランジスタのドレイン電極と列毎に接続されている。
図2に示すように、有機EL表示装置10の各画素30は、3色(赤色、緑色、青色)のサブ画素30R、30G、30Bによって構成されており、これらのサブ画素30R、30G、30Bは、表示面上に複数個マトリクス状に配列されるように形成されている。各サブ画素30R、30G、30Bは、バンク21によって互いに分離されている。
バンク21は、ゲート配線50に平行に延びる突条と、ソース配線60に平行に延びる突条とが互いに交差するように、格子状に形成されている。そして、この突条で囲まれる部分(すなわち、バンク21の開口部)の各々とサブ画素30R、30G、30Bの各々とが一対一で対応している。なお、本実施の形態において、バンク21はピクセルバンクとしたが、ラインバンクとしても構わない。
陽極41は、TFT基板20上の層間絶縁膜(平坦化層)上でかつバンク21の開口部内に、サブ画素30R、30G、30B毎に形成されている。同様に、EL層42は、陽極41上でかつバンク21の開口部内に、サブ画素30R、30G、30B毎に形成されている。透明な陰極43は、複数のバンク21上で、かつ、全てのEL層42(全てのサブ画素30R、30G、30B)を覆うように、連続的に形成されている。
さらに、画素回路31は、各サブ画素30R、30G、30B毎に設けられており、各サブ画素30R、30G、30Bと、対応する画素回路31とは、コンタクトホール及び中継電極によって電気的に接続されている。なお、サブ画素30R、30G、30Bは、EL層42の発光色が異なることを除いて同一の構成である。
[1−2.画素回路]
ここで、画素30における画素回路31の回路構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10における画素回路31の構成を示す電気回路図である。
図3に示すように、画素回路31は、駆動素子として動作する薄膜トランジスタ32と、スイッチング素子として動作する薄膜トランジスタ33と、対応する画素30に表示するためのデータを記憶するキャパシタ34とで構成される。本実施の形態において、薄膜トランジスタ32は、有機EL素子40を駆動するための駆動トランジスタであり、薄膜トランジスタ33は、画素30を選択するためのスイッチングトランジスタである。
薄膜トランジスタ32は、薄膜トランジスタ33のドレイン電極33d及びキャパシタ34の一端に接続されるゲート電極32gと、電源配線70に接続されるドレイン電極32dと、キャパシタ34の他端と有機EL素子40の陽極41とに接続されるソース電極32sと、半導体膜(図示せず)とを備える。薄膜トランジスタ32は、キャパシタ34が保持しているデータ電圧に対応する電流を電源配線70からソース電極32sを通じて有機EL素子40の陽極41に供給する。これにより、有機EL素子40では、陽極41から陰極43へと駆動電流が流れてEL層42が発光する。
薄膜トランジスタ33は、ゲート配線50に接続されるゲート電極33gと、ソース配線60に接続されるソース電極33sと、キャパシタ34の一端及び薄膜トランジスタ32のゲート電極32gに接続されるドレイン電極33dと、半導体膜(図示せず)とを備える。薄膜トランジスタ33は、接続されたゲート配線50及びソース配線60に所定の電圧が印加されると、当該ソース配線60に印加された電圧がデータ電圧としてキャパシタ34に保存される。
なお、上記構成の有機EL表示装置10では、ゲート配線50とソース配線60との交点に位置する画素30毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式が採用されている。これにより、各画素30(各サブ画素30R、30G、30B)の薄膜トランジスタ32及び33によって、対応する有機EL素子40が選択的に発光し、所望の画像が表示される。
[2.TFT]
以下では、本実施の形態に係るTFT基板20に形成される薄膜トランジスタについて、図4を用いて説明する。なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、ボトムゲート型、かつ、チャネル保護型の薄膜トランジスタである。
図4は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の概略断面図である。
図4に示すように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100は、基板110と、ゲート電極120と、ゲート絶縁層130と、酸化物半導体層140と、絶縁層150と、ソース電極160sと、ドレイン電極160dとを備える。
薄膜トランジスタ100は、例えば、図3に示す薄膜トランジスタ32である。すなわち、薄膜トランジスタ100は、駆動トランジスタとして利用することができる。具体的には、薄膜トランジスタ100が薄膜トランジスタ32(駆動トランジスタ)である場合、ゲート電極120がゲート電極32gに、ソース電極160sがソース電極32sに、ドレイン電極160dがドレイン電極32dに、それぞれ相当する。
なお、薄膜トランジスタ100は、例えば、図3に示す薄膜トランジスタ33でもよい。すなわち、薄膜トランジスタ100は、スイッチングトランジスタとして利用してもよい。
[2−1.基板]
基板110は、電気絶縁性を有する材料から構成される基板である。例えば、基板110は、無アルカリガラス、石英ガラス、高耐熱性ガラスなどのガラス材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどの樹脂材料、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)などの半導体材料、又は、絶縁層をコーティングしたステンレスなどの金属材料(金属ホイル)からなる基板である。
なお、基板110は、リジッド基板ではなく、フレキシブルガラス基板又はフレキシブル樹脂基板などのシート状又はフィルム状の可撓性を有するフレキシブル基板でもよい。フレキシブル樹脂基板としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのフィルム材料の単層又は積層で構成された基板を用いることができる。なお、基板110の表面にバッファ層(アンダーコート層)を形成してもよい。
[2−2.ゲート電極]
ゲート電極120は、基板110上に所定形状で形成される。ゲート電極120の膜厚は、例えば、30nm〜300nmである。ゲート電極120は、基板110の上方に、例えば、バッファ層(アンダーコート層)などを介して形成されてもよい。なお、本明細書において、数値の範囲について「A〜B」と記載した場合、A以上B以下であることを示す。
ゲート電極120は、導電性を有する材料からなる電極である。例えば、ゲート電極120の材料として、モリブデン、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、マンガン、クロム、タンタル、ニオブ、銀、金、プラチナ、パラジウム、インジウム、ニッケル、ネオジムなどの金属、金属の合金、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)などの導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどの導電性高分子などを用いることができる。また、ゲート電極120は、これらの材料を積層した多層構造であってもよい。
[2−3.ゲート絶縁層]
ゲート絶縁層130は、ゲート電極120と酸化物半導体層140との間に設けられた第3絶縁層の一例である。具体的には、ゲート絶縁層130は、ゲート電極120を覆うように基板110上に形成される。ゲート絶縁層130の膜厚は、例えば、150nm〜600nmであり、好ましくは300nm〜500nmである。
ゲート絶縁層130は、電気絶縁性を有する材料から構成される。例えば、ゲート絶縁層130は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜、酸化ハフニウム膜などの単層膜、又は、これらの積層膜である。
なお、ゲート絶縁層130としてシリコン窒化膜を用いる場合、成膜時に導入するガスが水素元素を含んでいるので、シリコン窒化膜には、水素が含まれる。シリコン窒化膜からの水素の離脱を抑制するために、ゲート絶縁層130の酸化物半導体層140側の表層部は、シリコン酸化膜であることが好ましい。
また、例えば、ゲート絶縁層130の表面は、窒化されている。具体的には、ゲート絶縁層130の表面は、窒素元素を含む第2ガスの雰囲気下でプラズマ処理(第2プラズマ処理)が行われることで、窒素が添加されている。
[2−4.酸化物半導体層]
酸化物半導体層140は、薄膜トランジスタ100のチャネル層として用いられる。酸化物半導体層140は、ゲート電極120に対向するように、基板110の上方に所定形状で形成される。具体的には、酸化物半導体層140は、ゲート電極120に対向する位置に、かつ、ゲート絶縁層130上に島状に形成される。酸化物半導体層140の膜厚は、例えば、30nm〜150nmである。
酸化物半導体層140は、酸窒化亜鉛(ZnON)から構成される。言い換えると、酸化物半導体層140は、ZnONを主成分として含む。酸化物半導体層140の移動度は、例えば、10cm/Vs以上で、好ましくは、20cm/Vs以上である。酸化物半導体層140の膜物性などについては、後で詳細に説明する。
[2−5.絶縁層(チャネル保護層)]
絶縁層150は、酸化物半導体層140のチャネル領域を保護するチャネル保護層として機能する。具体的には、絶縁層150は、酸化物半導体層140の上方に形成するドレイン電極160d及びソース電極160sをエッチングによってパターニングする際に、酸化物半導体層140がエッチングされることを防止するエッチングストッパ層として機能する。これにより、ボトムゲート型TFTにおいて、酸化物半導体層140のバックチャネル側のプロセスダメージを低減することができる。また、本実施の形態において、絶縁層150は、基板110の全面に形成された層間絶縁膜である。
絶縁層150は、複数の層を含んでいる。具体的には、図4に示すように、絶縁層150は、2層構造であり、順に積層された第1絶縁層151と、第2絶縁層152とを含んでいる。
[2−5−1.第1絶縁層]
第1絶縁層151は、酸化物半導体層140上に設けられた絶縁膜である。第1絶縁層151は、例えば、窒化されたシリコン酸化膜である。本実施の形態では、第1絶縁層151は、窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下でシリコン酸化膜にプラズマ処理(第1プラズマ処理)を行うことで窒素が添加されたシリコン酸化膜である。第1絶縁層151の膜厚は、例えば、5nm〜10nmである。
本実施の形態では、積層方向における窒素元素の濃度分布において、第1絶縁層151と酸化物半導体層140との界面の近傍に、窒素元素の濃度のピークが存在する。窒素元素の濃度分布の詳細については、後で詳細に説明する。
なお、第1絶縁層151は、窒素元素をより多く含むシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜などでもよい。具体的には、第1絶縁層151は、窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下でシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜にプラズマ処理(第1プラズマ処理)を行うことで窒素が添加されたシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜でもよい。
[2−5−2.第2絶縁層]
第2絶縁層152は、第1絶縁層151上に設けられた絶縁膜である。第2絶縁層152は、例えば、シリコン酸化膜である。なお、第2絶縁層152は、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜でもよい。第2絶縁層152の膜厚は、例えば、絶縁層150としての膜厚が500nm以下になるような厚さである。つまり、第2絶縁層152の膜厚は、第1絶縁層151の膜厚と合わせて500nm以下になるような厚さである。なお、第1絶縁層151と第2絶縁層152とは、同じ材料から構成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。
また、第1絶縁層151及び第2絶縁層152には、ドレイン電極160d及びソース電極160sのそれぞれを酸化物半導体層140に接続するためのコンタクトホールが設けられている。ドレイン電極160d及びソース電極160sを構成する材料がそれぞれ、コンタクトホールの壁面に沿って酸化物半導体層140まで達している。あるいは、コンタクトホールには、ドレイン電極160d及びソース電極160sを構成する材料がそれぞれ充填されていてもよい。
[2−6.ドレイン電極及びソース電極]
ドレイン電極160d及びソース電極160sは、絶縁層150上に所定形状で形成される。例えば、ドレイン電極160d及びソース電極160sは、第2絶縁層152上に、基板水平方向に離間して対向配置されている。具体的には、ドレイン電極160d及びソース電極160sはそれぞれ、コンタクトホールを介して酸化物半導体層140に接続されるように、第2絶縁層152上に形成される。ドレイン電極160d及びソース電極160sの膜厚は、例えば、100nm〜500nmである。
ドレイン電極160d及びソース電極160sは、導電性を有する材料からなる電極である。ドレイン電極160d及びソース電極160sは、例えば、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン、アルミニウム、若しくは、これらのうち少なくとも1つの合金、又は、銅の単層膜(Cu膜)、銅膜及びタングステン膜の積層構造(Cu/W)、銅膜及び窒化チタン膜の積層構造(Cu/TiN)、若しくは、銅及びマンガンの合金膜、銅膜並びにモリブデン膜の積層構造(CuMn/Cu/Mo)などで構成される。あるいは、ドレイン電極160d及びソース電極160sの材料としては、例えば、ゲート電極120と同一の材料を用いることができる。
[3.TFTの製造方法]
続いて、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造方法について、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5A及び図5Bは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造工程を示す概略断面図である。
[3−1.ゲート電極の形成]
まず、図5Aの(a)に示すように、基板110を準備し、基板110の上方に所定形状のゲート電極120を形成する。例えば、基板110上に金属膜をスパッタリングによって成膜し、フォトリソグラフィ及びエッチングによって金属膜を加工することにより、所定形状のゲート電極120を形成する。なお、ゲート電極120を形成する前に、基板110の表面にシリコン酸化膜などのアンダーコート層を形成してもよい。
具体的には、まず、基板110としてガラス基板を準備し、基板110上に、20nmのMo膜と200nmのCu膜とをスパッタリングによって順に成膜する。そして、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングによってMo膜及びCu膜をパターニングすることにより、ゲート電極120を形成する。なお、Mo膜及びCu膜のウェットエッチングは、例えば、過酸化水素水(H)及び有機酸を混合した薬液を用いることができる。
[3−2.ゲート絶縁層の形成]
次に、図5Aの(b)に示すように、基板110の上方にゲート絶縁層130を形成する。例えば、ゲート電極120を覆うようにゲート絶縁層130をプラズマCVD(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition:PE−CVD)又はスパッタリングによって成膜する。
具体的には、ゲート電極120を覆うように基板110上に、220nmのシリコン窒化膜と50nmのシリコン酸化膜とをプラズマCVDによって順に成膜することで、ゲート絶縁層130を形成する。このときの成膜温度は、例えば、350℃〜400℃である。
シリコン窒化膜は、例えば、シランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)及び窒素ガス(N)を導入ガスに用いることで成膜することができる。シリコン酸化膜は、例えば、シランガスと亜酸化窒素ガスとを導入ガスに用いることで成膜することができる。このとき、導入ガスとして、さらに、アルゴンガス(Ar)を用いてもよい。アルゴンガスは、亜酸化窒素ガスの希釈ガスとして機能し、効率的にガスが分解されて良質なシリコン酸化膜を成膜することができる。また、亜酸化窒素ガスの使用量を低減することができ、生産性を高めることもできる。
[3−3.ゲート絶縁層の表層部の窒化処理(第2プラズマ処理)]
次に、図5Aの(c)に示すように、窒素元素を含む第2ガスの雰囲気下で、ゲート絶縁層130にプラズマ処理(第2プラズマ処理)を行う。本実施の形態では、ゲート絶縁層130を形成した後、酸化物半導体層140を形成する前に、第2プラズマ処理を行う。
具体的には、第2プラズマ処理は、ゲート絶縁層130の成膜に連続して行われる。つまり、プラズマCVD装置を用いてゲート絶縁層130を形成した後、チャンバー内の真空を破ることなく、第2プラズマ処理を行う。これにより、不純物が混入する可能性を低減することができる。
なお、第2ガスは、さらに、水素元素を含んでもよい。具体的には、第2ガスは、アンモニアガス(NH)、又は、窒素ガス(N)及び水素ガス(H)の混合ガスである。あるいは、第2ガスは、窒素ガスのみでもよい。
例えば、ゲート絶縁層130の表面をNHプラズマ131に曝すことにより、ゲート絶縁層130の表面を窒化及び水素化する。ゲート絶縁層130は、酸化物半導体層140の下地の絶縁層である。ゲート絶縁層130の表面をプラズマ処理によって窒化又は水素化することで、ゲート絶縁層130と酸化物半導体層140との間の界面における欠陥が終端されて、電気的に優れた界面を形成することができる。
具体的には、ゲート絶縁層130と酸化物半導体層140との間の界面における窒素濃度を高めることで、酸化物半導体層140の窒素濃度の分布の変動を抑制することができる。また、ゲート絶縁層130と酸化物半導体層140との間の界面におけるダングリングボンドを水素によって不活性化することができ、界面準位を低下することもできる。
以下、具体的な第2プラズマ処理の条件について説明する。
基板温度は、例えば、200℃〜400℃である。このとき、基板温度は、ゲート絶縁層130の成膜温度と同じでもよい。この場合、ゲート絶縁層130の成膜と第2プラズマ処理とを同一のチャンバーで連続して行うことができる。なお、第2プラズマ処理の基板温度と、ゲート絶縁層130の成膜温度とが異なる場合は、別のチャンバーを用いてもよい。
パワー密度は、例えば、1W/cm〜5.5W/cmである。好ましくは、パワー密度は、1.8W/cm〜3.5W/cmである。
パワー密度が高い程、水素元素がゲート絶縁層130に入り込む量が多くなる。ゲート絶縁層130に混入した水素元素は、酸化物半導体層140を成膜した後のプロセスにおける熱処理中に、ゲート絶縁層130から酸化物半導体層140に拡散する。これにより、酸化物半導体層140中のキャリアを増加させ、酸化物半導体層140の電気抵抗が低下し、TFT特性を不安定化させる。例えば、TFTの閾値電圧が負シフトする。一方で、パワー密度が低い場合には、ゲート絶縁層130の窒化が十分に進まず、界面の電気特性の向上が不十分になる。
プロセス圧力は、例えば、75Pa〜250Paである。なお、プロセス圧力は、チャンバー内の圧力である。具体的には、プロセス圧力は、ガス導入時のチャンバー内の圧力である。プロセス圧力が低い場合には、プラズマの均一性が良くなるが、アーキング(異常放電)が起きやすくなる。
プロセス距離(電極間距離)は、例えば、550mils〜750milsである。プロセス距離が小さい場合には、プラズマの均一性がよくなるが、アーキング(異常放電)が起きやすくなる。
導入ガスとしてアンモニアガスを用いるときの、アンモニアガスの規格化流量は、0.09sccm/cm〜0.55sccm/cmである。なお、規格化流量は、チャンバー内に導入するガスの流量を電極面積で規格化した値である。また、導入ガスとして窒素ガス及び水素ガスの混合ガスを用いるときの、窒素ガスの規格化流量は、0.18sccm/cm〜1.82sccm/cmであり、水素ガスの規格化流量は、0.09sccm/cm〜0.55sccm/cmである。
プロセス時間は、例えば、5秒〜60秒である。
[3−4.酸化物半導体層の形成]
次に、図5Aの(d)に示すように、基板110の上方に、かつ、ゲート電極120に対向する位置に所定形状の酸化物半導体層140を形成する。例えば、ゲート絶縁層130上に酸化物半導体膜をスパッタリングによって全面に成膜する。そして、酸化物半導体膜をパターニングすることにより、所定形状の酸化物半導体層140を形成する。
スパッタリングは、例えば、DCマグネトロンスパッタリング装置又はRFマグネトロンスパッタリング装置を用いることができる。本実施の形態では、金属材料からなるターゲットと、反応ガスとを用いた反応性スパッタ法によって酸化物半導体膜を成膜する。例えば、30nm〜150nmのZnON膜を成膜する。
スパッタリングターゲットとしては、例えば、純粋な亜鉛(例えば、純度が99.99%以上)を用いることができる。あるいは、スパッタリングターゲットとして、微量の金属元素(原子数比1%以下)を含む亜鉛を用いてもよい。具体的には、アルミニウム(原子数比1%以下)がドープされた亜鉛、又は、スズ(原子数比1%以下)がドープされた亜鉛などを用いることができる。
反応ガスとしては、例えば、窒素ガス(N)及び酸素ガス(O)の混合ガス、若しくは、亜酸化窒素ガス(NO)、又は、これらの組み合わせを用いることができる。また、スパッタガスとしては、アルゴンガス(Ar)を用いることができる。
以下、一例として、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いてZnON膜を成膜する場合の成膜条件について説明する。
パワー密度は、例えば、1W/cm〜5W/cmである。好ましくは、パワー密度は、2.5W/cm〜4W/cmである。反応ガスとして酸素ガス及び窒素ガスの混合ガスを用いるときの、酸素ガスと窒素ガスとの混合比は、例えば、O:N=0.01〜1:0.5〜1であり、好ましくは、0.02:1〜0.2:1である。
以上のように、ゲート絶縁層130上に成膜されたZnON膜をパターニングすることで、酸化物半導体層140を島状に形成する。パターニングは、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングによって行われる。ZnON膜のウェットエッチングは、例えば、シュウ酸を用いて室温で行うことができる。
[3−5.加熱(アニール)]
次に、図5Aの(e)に示すように、第1絶縁層151を形成する前に、第3ガスの雰囲気下で、酸化物半導体層140を加熱(アニール)する。第3ガスは、例えば、窒素ガス(N)、酸素ガス(O)、亜酸化窒素ガス(NO)、及び、大気(乾燥空気)の少なくとも1つを含む。
成膜直後のZnONは、窒素欠陥及び酸素欠陥を多く含んでいる。このため、キャリアの発生源が多く、このままTFTのチャネル層として利用することができない場合もある。そこで、本実施の形態では、酸化物半導体層140をアニールすることで、窒素欠陥及び酸素欠陥を補修する。
本実施の形態では、ZnONをパターニングした後にZnONのアニールを行うが、ZnONを成膜した直後、すなわち、パターニング前にアニールしてもよい。アニール時の圧力は、例えば、1Pa以上大気圧以下である。
なお、第3ガスとして、窒素ガス、酸素ガス又は亜酸化窒素ガスを用いる場合は、安全性を高めるために、密閉構造のチャンバー又は真空チャンバーで減圧された雰囲気で行う。具体的には、プラズマCVD装置のチャンバー、又は、ヒータ機構を備えたスパッタリング装置のチャンバーを用いることができる。第3ガスとして乾燥空気を用いる場合は、アニール炉を用いて大気圧下で行う。
アニール温度は、例えば、200℃〜400℃であり、好ましくは、250℃〜350℃である。アニール温度が高過ぎる場合には、ZnONが結晶化してTFTのチャネル層として用いることができなくなる。
アニール時間は、10分〜120分であり、好ましくは、10分〜60分である。
本実施の形態では、例えば、ZnONのパターニング後にアニールを行う。具体的には、プラズマCVD装置のチャンバーを用いて、第3ガスとして窒素ガス又は亜酸化窒素ガスを用いて、アニール温度が250℃、アニール時間が60分、圧力1Paでアニールする。その後、アニール炉を用いて、第3ガスとして乾燥空気を用いて、300℃で60分のアニールを行う。
[3−6.第1絶縁層の成膜]
次に、図5Bの(f)に示すように、酸化物半導体層140上に第1絶縁層151を形成する。本実施の形態では、酸化物半導体層140上にシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。
以下、具体的な第1絶縁層151(シリコン酸化膜)の成膜条件(「ES1−SiO」成膜条件)について説明する。
第1絶縁層151の膜厚は、3nm〜10nmである。成膜温度は、200℃〜300℃である。また、導入ガスとしては、シランガス(SiH)と亜酸化窒素ガス(NO)との混合ガスを用いる。このとき、シランガスのガス流量比(SiH/(SiH+NO))は、例えば、1.1%以下程度である。
プロセス圧力は、例えば、0.5torr〜1.5torrであり、好ましくは、0.7torr〜1.0torrである。プロセス距離は、400mils〜700milsであり、好ましくは、500mils〜600milsである。パワー密度は、0.15W/cm〜0.3W/cmである。
「ES1−SiO」成膜条件の各パラメータの設定理由は、以下の通りである。
成膜温度が高い程、緻密で良質な酸化膜を形成することができる。しかしながら、ZnONの組成変化及び結晶化を起こす可能性が高くなる。また、膜厚が厚くなると、窒素元素の濃度のピークが、酸化物半導体層140と第1絶縁層151との界面からずれてしまう。このため、界面の窒素元素の濃度を高めることによる酸化物半導体層140の組成変動の抑制効果が低減する。
また、シランガスの割合を増加させることで、成膜レートを高くすることができ、生産性を高めることができる。しかしながら、成膜中の水素ラジカルの発生量、及び、シリコン酸化膜中の水素量が増加し、酸化物半導体層140に取り込まれる水素量が増加する。これにより、酸化物半導体層140が低抵抗化する。
また、導入ガスとして、さらに、アルゴンガス又は窒素ガスを加えてもよい。これにより、亜酸化窒素ガスを低減することができるので、製造コストを削減することができる。また、アルゴンガス又は窒素ガスがシランの分解を促進するので、成膜レートを高めることができ、生産性を高めることができる。
しかしながら、成膜中におけるイオン衝撃(Ion Bombardment)によって酸化物半導体層140がダメージを受ける。これにより、酸素欠陥が発生し、キャリアが増加し、酸化物半導体層140が低抵抗化する。このため、導入ガスに添加するアルゴンガス又は窒素ガスの量を少なくする、あるいは、添加しないことが好ましい。
また、プロセス圧力及びプロセス距離が大きい程、プラズマの広がりの均一性が悪化し、成膜レート及びその均一性が悪化する。一方で、プロセス圧力及びプロセス距離が小さすぎる場合には、プラズマで分解した成膜ガスの粒子のエネルギーが高くなり、酸化物半導体層140へのダメージが増加する。
また、パワー密度が小さすぎる場合には、成膜ガスの分解能力が不足し、SiO膜の膜質が悪化する。すなわち、酸素欠陥が多いSiO膜が形成される。このため、酸化物半導体層140の酸素がSiO膜に移動するので、酸化物半導体層140のキャリアが増加し、酸化物半導体層140が低抵抗化する。一方で、パワー密度が大きすぎる場合には、酸化物半導体層140に与えるダメージが大きくなり、酸化物半導体層140が低抵抗化する。
[3−7.プラズマ処理(第1プラズマ処理)]
次に、図5Bの(g)に示すように、窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下で、第1絶縁層151にプラズマ処理(第1プラズマ処理)を行う。本実施の形態では、第1絶縁層151を形成した後、第2絶縁層152を形成する前に、第1プラズマ処理を行う。
具体的には、第1プラズマ処理は、第1絶縁層151の成膜に連続して行われる。つまり、プラズマCVD装置を用いて第1絶縁層151を成膜した後、チャンバー内の真空を破ることなく、第1プラズマ処理を行う。これにより、不純物が混入する可能性を低減することができる。
第1ガスは、窒素ガス(N)又は亜酸化窒素ガス(NO)である。つまり、窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下でプラズマ処理を行うことで、第1絶縁層151を窒化する。例えば、第1絶縁層151をNOプラズマ153に曝すことにより、第1絶縁層151と酸化物半導体層140との界面の窒素濃度を高める。
なお、第1ガスは、水素元素を含まない方が好ましい。例えば、第1ガスとしてアンモニアガスを用いた場合、高エネルギーの水素が第1絶縁層151を介して酸化物半導体層140に注入され、酸化物半導体層140のキャリアが増加し、酸化物半導体層140が低抵抗化する。
以下、具体的な第1プラズマ処理の条件について説明する。
パワー密度、プロセス圧力、プロセス距離及びプロセス温度(プラズマ処理の基板温度)は、「ES1−SiO」成膜条件と同じである。プロセス時間は、5秒〜300秒であり、好ましくは、30秒〜180秒である。窒素ガス又は亜酸化窒素ガスの規格化流量は、0.3sccm/cm〜0.7sccm/cmである。
このとき、プラズマ処理の基板温度は、第1絶縁層151の成膜温度と同じであることが好ましい。これにより、第1絶縁層151の成膜、第1プラズマ処理、及び、第2絶縁層152の成膜を同一のチャンバー内で連続して行うことができる。また、基板温度が同じであるから、基板温度の変更に要する時間も必要ないので、プロセス時間を短くすることができ、生産性を高めることができる。
なお、第1絶縁層151の成膜温度と第2絶縁層152の成膜温度とが異なっている場合、第1プラズマ処理の基板温度は、第2絶縁層152の成膜温度と同じにしてもよい。具体的には、第2絶縁層152の成膜と同じチャンバー内で、第2絶縁層152の成膜の直前に行う。これにより、プラズマの浸透力を高めることができる。
また、第1絶縁層151を形成することなく、第1プラズマ処理を行った場合、酸化物半導体層140の表面が、NOプラズマ153に直接曝される。このため、酸化物半導体層140と絶縁層150との界面にダメージが発生し、界面準位及び固定電荷が増加するので好ましくない。
[3−8.第2絶縁層の形成]
次に、図5Bの(h)に示すように、第1プラズマ処理を行った後に、第1絶縁層151上に第2絶縁層152を形成する。本実施の形態では、第1絶縁層151上にシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。
以下、具体的な第2絶縁層152(シリコン酸化膜)の成膜条件(「ES2−SiO」成膜条件)について説明する。
パワー密度、プロセス圧力、プロセス距離、プロセス温度及びガス流量は、「ES1−SiO」成膜条件と同じである。第2絶縁層152の膜厚は、第1絶縁層151との合計膜厚が500nm以下になるように設定される。
第2絶縁層152の成膜温度は、第1絶縁層151の成膜温度、及び、第1プラズマ処理の基板温度と同じでもよい。この場合、第1絶縁層151の成膜、第1プラズマ処理、及び、第2絶縁層152の成膜を同一のチャンバー内で連続して行うことができる。
また、第2絶縁層152の成膜温度は、第1絶縁層151の成膜温度とは異なっていてもよく、例えば、300℃以上の温度でもよい。これにより、第2絶縁層152の膜質を高めることができる。
なお、第2絶縁層152は、第1絶縁層151よりも膜厚が大きいので、シランガスの流量を大きくすることで、成膜レートを高めて生産性を高めることができる。しかしながら、上述したように、水素ラジカルが第1絶縁層151を浸透して、酸化物半導体層140に取り込まれる量が増加する。このため、シランガスの流量は、第1絶縁層151の成膜時よりも大きすぎないようにすることが好ましい。
プロセス圧力、プロセス距離及びパワー密度についても、第1絶縁層151と同様のことが言える。
このようにして、酸化物半導体層140上にシリコン酸化膜を形成することで、シリコン酸化膜の酸化物半導体層140側の窒素元素の濃度を制御しながら増加させることができる。
[3−9.ドレイン電極及びソース電極の形成]
次に、図5Bの(i)に示すように、第2絶縁層152(絶縁層150)上にドレイン電極160d及びソース電極160sを形成する。具体的には、まず、絶縁層150の一部をエッチング除去することで、コンタクトホールを形成する。つまり、酸化物半導体層140の一部を露出させるためのコンタクトホールを絶縁層150に形成する。
例えば、絶縁層150がシリコン酸化膜である場合、ドライエッチングとして反応性イオンエッチング(RIE)を用いることができる。このとき、エッチングガスとしては、例えば、四フッ化炭素(CF)及び酸素ガス(O)を用いることができる。ガス流量、圧力、印加電力及び周波数などのパラメータは、基板サイズ、及び、エッチングの膜厚などによって適宜設定される。
そして、形成したコンタクトホールを埋めるようにして、絶縁層150上に金属膜をスパッタリングによって成膜する。例えば、20nmのMo膜、300nmのCu膜、及び、20nmの銅及びマンガンの合金膜(CuMn膜)を順に絶縁層150上に積層する。その後、フォトリソグラフィ及びエッチングによって、積層した金属膜を加工することで、所定形状のドレイン電極160d及びソース電極160sを形成する。Mo膜、Cu膜及びCuMn膜のウェットエッチングは、例えば、過酸化水素水(H)及び有機酸を混合した薬液を用いることができる。
ドレイン電極160d及びソース電極160sを形成した後、乾燥空気の雰囲気下でアニールを行ってもよい。例えば、アニール温度は、200℃〜300℃であり、アニール時間は30分〜60分である。これにより、成膜の際に絶縁層150に混入する水素及び水分を脱離させることができる。
以上のようにして、図4に示す薄膜トランジスタ100を製造することができる。なお、薄膜トランジスタ100の上方に平坦化膜などを形成した後で、有機EL素子を形成することもできる。
[4.TFTの評価]
続いて、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の電気特性について説明する。ここでは、比較例に係るサンプルAと、実施例に係るサンプルBとを作成して、それぞれのサンプルの電気特性について測定した。まず、サンプルA及びサンプルBの構成及び製造条件について以下で説明する。
[4−1.サンプルの構成及び製造条件]
サンプルA及びサンプルBは、図4に示す薄膜トランジスタ100と同様の構成を有する。ただし、サンプルAとサンプルBとでは、絶縁層150の構成が異なっている。
基板110は、厚さが0.7mm、径が6インチのガラス基板である。ゲート電極120は、DCスパッタリング装置を用いて成膜した厚さ100nmのモリブデンとタングステンとの合金膜である。ゲート絶縁層130は、厚さ65nmのシリコン窒化膜と厚さ85nmのシリコン酸化膜との積層膜である。ゲート絶縁層130の表面には、アンモニアプラズマ処理(第2プラズマ処理)を30秒間行った。酸化物半導体層140は、DCスパッタリング装置を用いて成膜した厚さ50nmのZnON膜である。ドレイン電極160d及びソース電極160sは、DCスパッタリング装置を用いて成膜した100nmのモリブデンとタングステンとの合金膜である。また、ドレイン電極160d及びソース電極160sの形成後に、乾燥空気の雰囲気下で200℃、30分のアニールを行った。
比較例に係るサンプルAでは、絶縁層150は、厚さ180nmの単層のシリコン酸化膜である。絶縁層150と酸化物半導体層140との界面における窒素濃度を高めるための第1プラズマ処理は行っていない。
これに対して、実施例に係るサンプルBでは、絶縁層150は、第1絶縁層151である厚さ10nmのシリコン酸化膜と、第2絶縁層152である厚さ170nmのシリコン酸化膜との積層構造を有する。さらに、第1絶縁層151を成膜後に、亜酸化窒素ガスを用いた第1プラズマ処理を行った。
ゲート絶縁層130及び絶縁層150の成膜、並びに、第1プラズマ処理及び第2プラズマ処理は、プラズマCVD装置を用いて行った。具体的には、G8.5基板用のプラズマCVD装置を用いた。より具体的には、G8.5ガラス基板(厚さ0.7mm、2500mm×2200mm)の中心付近に基板110を貼り付けて、成膜及びプラズマ処理を行った。
詳細な成膜条件、及び、プラズマ処理条件を図6に示す。なお、図6は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100のプロセス条件を示す図である。
図6において、GI−SiN、GI−SiO、ES1−SiO及びES2−SiOはそれぞれ、ゲート絶縁層130のシリコン窒化膜、ゲート絶縁層130のシリコン酸化膜、第1絶縁層151及び第2絶縁層152の成膜条件を示している。また、NHプラズマ及びNOプラズマはそれぞれ、第2プラズマ処理及び第1プラズマ処理の条件を示している。
なお、サンプルAにおける絶縁層150の成膜条件は、ES1−SiOの条件と同じである。また、サンプルAでは、上述した通り、第1プラズマ処理を行っていない。
[4−2.TFT特性]
続いて、サンプルA及びサンプルBのTFT特性について、図7A及び図7Bを用いて説明する。図7Aは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの電流−電圧特性及び移動度曲線を示す図である。図7Bは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの電気特性を示す図である。
ここでは、サンプルA及びサンプルBのそれぞれについて、基板中央部のTFTと基板周辺部(中央から50mmの位置)のTFTとについて測定した。TFTの測定条件は、ドレイン−ソース間に5Vの電圧Vdsを印加し、ゲート−ソース間の電圧Vgsを−10V〜+10Vの範囲で0.1V刻みで変化させ、このときのドレイン電流Idsと移動度μとを測定した。なお、測定したTFTのチャネル長Lは10μm、チャネル幅Wは50μmである。
図7Aに示すように、サンプルAでは、中央部分と周辺部分とで、特に移動度μの特性が異なっている。例えば、中央部分のTFTでは、Vgs=約5Vの位置に移動度μのピークが現れているのに対して、周辺部分のTFTでは、Vgs=約8Vの位置に移動度μのピークが現れている。また、図7Bに示すように、中央部分のTFTでは、移動度μのピークの値が約12.9cm/Vsであるのに対して、周辺部分のTFTでは、約9.2cm/Vsになっている。
また、サンプルAでは、電流−電圧特性についても、中央部分のTFTと周辺部分のTFTとで異なっている。例えば、図7Bに示すように、中央部分のTFTでは、閾値電圧Vthが−2.9Vであり、サブスレッショルドスイング(S値)は1.71V/decであるのに対して、周辺部分のTFTでは、閾値電圧Vthが−4.2Vであり、S値は1.83V/decである。このように、サンプルAでは、中央部分のTFTと周辺部分のTFTとでは、閾値電圧が1V以上も異なり、また、S値については0.1V/dec以上異なっている。
なお、移動度μは、次の(式1)及び(式2)によって算出される。
Figure 2016076599
ここで、(式1)において、Coxは、単位面積当たりのゲート容量である。シリコン酸化膜の比誘電率を4.1、シリコン窒化膜の比誘電率を7.0として計算した。
また、閾値電圧Vthは、以下の(式3)で示すドレイン電流Idsが流れるときのゲート−ソース間電圧Vgsで示される。
Figure 2016076599
また、サブスレッショルドスイング(S値)は、(式4)で算出される。
Figure 2016076599
一方で、サンプルBでは、図7Aに示すように、中央部分のTFTと周辺部分のTFTとで、電流−電圧特性及び移動度曲線が略同じである。また、図7Bに示すように、移動度μのピーク値、閾値電圧Vth及びS値のいずれも略同じである。
つまり、サンプルBでは、基板の面内均一性が向上していることが分かる。
[4−3.元素の濃度分布]
図8は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の元素の濃度分布を示す図である。具体的には、図8は、TOF−SIMS(Time Of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)分析によるサンプルA(比較例)及びサンプルB(実施例)の積層方向における元素の濃度分布を示している。図8の(a)は、窒素元素の濃度分布を示し、図8の(b)は、亜鉛元素の濃度分布を示している。
ここでは、サンプルA及びサンプルBのそれぞれの基板の中央部分及び周辺部分のそれぞれの層構成のパターン(650μm×650μm)を用いて、積層方向の元素分析を行った。TOF−SIMSの測定条件は、以下の通りである。
一次イオンは、30kVのBi である。分析エリアは、50μm×50μmである。スパッタリングイオンは、1kVのCsである。スパッタリングエリアは、150μm×150μmである。また、中和フラッド銃を動作させた。
図8において、深さが0nm〜180nmの範囲がシリコン酸化膜(絶縁層150に相当、以降「ES−SiO」と記載)である。深さが180nm〜230nmの範囲が酸窒化亜鉛膜(酸化物半導体層140に相当、以降「ZnON」と記載)である。深さが240nm以上の範囲がシリコン酸化膜(ゲート絶縁層130に相当、以降「GI−SiO」と記載)である。なお、サンプルBでは、深さが0nm〜170nmの範囲は第2絶縁層152に相当し、170nm〜180nmの範囲は第1絶縁層151に相当する。
図8の(a)に示すように、サンプルBでは、深さが約180nmの位置、すなわち、ZnONとES−SiOとの界面に窒素元素の濃度のピーク(以降、第1ピークと記載)が現れている。これは、NOプラズマによって界面が窒化されていることを示す。
また、深さが約230nmの位置、すなわち、ZnONとGI−SiOとの界面にも窒素元素の濃度のピーク(以降、第2ピークと記載)が存在する。これは、NHプラズマによってGI−SiOの表面が窒化されていることを示す。
なお、第1ピークは、第2ピークより大きい。具体的には、第1ピークのピーク値は、第2ピークのピーク値より大きく、また、第1ピークの幅は、第2ピークの幅より大きい。ピークの幅は、例えば、ZnON内の窒素濃度の安定値を基準としたときの半値幅などで表される。第1ピーク及び第2ピークともに山型のピークであり、所定の傾斜を有する。
ZnON内の窒素濃度は、約190nm〜約230nmの範囲で安定している。同様に、ES−SiO内の窒素濃度は、約10nm〜約150nmの範囲で安定しており、GI−SiO内の窒素濃度は、約250nm以上の範囲で安定している。ZnON内の窒素濃度の安定値は、ES−SiO内の窒素濃度の安定値より大きい。
また、ES−SiO内の窒素濃度の安定値は、GI−SiO内の窒素濃度の安定値より大きい。これは、ES−SiOの成膜とGI−SiOの成膜とに用いるNOガスの流量が異なっているためである。
また、サンプルBの深さが約170nm〜約180nmの範囲(すなわち、第1絶縁層151)の窒素濃度は、ZnON内の窒素濃度の安定値よりも高い。
一方で、サンプルAでは、ZnONとES−SiOとの界面近傍を除いて、窒素濃度の濃度分布はサンプルBと同じである。
サンプルAでは、ZnONとES−SiOとの界面に、窒素元素の濃度のピークは現れていない。また、サンプルAの中央部分と周辺部分とでは、ZnONとES−SiOとの界面で窒素元素の濃度分布が異なっている。具体的には、周辺部分の方が、中央部分よりも窒素元素の濃度が低くなっている。言い換えると、サンプルAでは、周辺部分と中央部分とでZnONの組成比が異なっている。このため、図7A及び図7Bで示したように、サンプルAでは、周辺部分と中央部分とでTFT特性が異なり、面内均一性が悪い。
これに対して、サンプルBでは、基板の中央部分と周辺部分とで、窒素濃度及び亜鉛濃度の分布に差異はほとんどない。つまり、サンプルBでは、ZnONの面内均一性が保たれている。
また、図8の(b)に示すように、深さが約180nm〜約230nmの範囲では、亜鉛の濃度が安定している。一方で、亜鉛の濃度分布は、ZnONとES−SiOとの界面、及び、ZnONとGI−SiOとの界面のそれぞれにおいて傾斜している。つまり、亜鉛元素は、ES−SiO及びGI−SiOに拡散している。
亜鉛元素については、サンプルA及びサンプルBのいずれにおいても、略同じ濃度分布が得られた。このことから、上述した第1プラズマ処理を行ったとしても、ZnONにおける亜鉛の組成比に変動は起きていないことが分かる。
ただし、サンプルAでは、中央部分と周辺部分とでは、GI−SiO内の亜鉛元素の濃度分布が若干異なっている。一方で、サンプルBでは、中央部分及び周辺部分のいずれにおいても、略同じ濃度分布が得られた。このことから、亜鉛の濃度分布の面内均一性が得られていることが分かる。
以上のように、実施例に係るサンプルBでは、SiOとZnONとの界面において、ZnON側の界面の欠陥が補修され、界面準位(トラップ準位)及び固定電荷が低減されている。また、酸素より結合エネルギーの大きい窒素元素で欠陥を補修するので、以降の熱工程においてZnONの組成が変動しにくくなる。このため、個々のTFTの特性のばらつきを抑制することができる。
[5.まとめ]
酸窒化亜鉛は、10cm/Vs以上の高移動度を実現することができる酸化物半導体であるが、上述したように、組成比の変動を抑制することが難しい。
これに対して、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造方法は、基板110の上方に、酸窒化亜鉛から構成される酸化物半導体層140を形成する工程と、酸化物半導体層140上に第1絶縁層151を形成する工程と、窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下で、第1絶縁層151に第1プラズマ処理を行う工程と、第1プラズマ処理を行った後に、第1絶縁層151上に第2絶縁層152を形成する工程とを含む。
これにより、酸化物半導体層140と第1絶縁層151との界面を第1プラズマ処理によって窒化するので、酸化物半導体層140と第1絶縁層151との界面の窒素濃度の変動を抑制することができる。つまり、酸化物半導体層140と第1絶縁層151との窒素濃度を高めることで、当該界面における窒素濃度の急激な変化を抑制し、電気特性のばらつき及び変動を抑制することができる。
このように、窒素濃度の高い第1絶縁層151が窒素濃度の変化を抑制するバッファ層と機能するので、酸化物半導体層140の組成比の変動を抑制し、電気特性の安定性を向上させることができる。よって、本実施の形態によれば、高移動度を有し、かつ、電気特性の安定性が向上した薄膜トランジスタ100を提供することができる。
なお、本実施の形態では、第1絶縁層151を成膜した後に、プラズマ処理によって第1絶縁層151を窒化するが、第1絶縁層151として、窒素を含む酸化膜(例えば、シリコン酸窒化膜)を成膜することもできる。例えば、プラズマCVD装置を用いて、アンモニアガスとシランガスとを成膜ガスとして導入することで、シリコン酸窒化膜を成膜することができる。
しかしながら、この場合、プラズマ中に発生する高エネルギーの水素がZnONに注入されてしまう。このため、酸化物半導体層140が、キャリア過剰で低抵抗化するので好ましくない。
また、スパッタリングによるZnONの成膜の際に、絶縁層150側のみ窒素濃度を高めることもできる。例えば、導入する窒素ガス又は亜酸化窒素ガスのガス流量を成膜中に変更することで、酸化物半導体層140の表層部の窒素濃度を高めることができる。
しかしながら、この場合、ZnOに過剰に窒素がドープされた状態であるZnONにさらに窒素をドープすることになるので、スパッタリングのプロセス条件の調整が困難である。
これらに対して、本実施の形態では、簡単なプロセスで、電気特性の安定した薄膜トランジスタ100を製造することができる。
また、例えば、本実施の形態では、第1ガスは、亜酸化窒素ガス又は窒素ガスである。
また、例えば、本実施の形態では、第1絶縁層151の膜厚は、5nm以上10nm以下であり、第1プラズマ処理は、プラズマCVD装置を用いて、プロセス圧力が0.5torr以上1.5torr以下、プロセス距離が400mils以上700mils以下、パワー密度が0.15W/cm以上0.3W/cm以下、基板温度が200℃以上300℃以下、かつ、亜酸化窒素ガス又は窒素ガスの規格化流量が0.3sccm/cm以上0.7sccm/cm以下を満たす条件下で行われる。
また、例えば、本実施の形態では、薄膜トランジスタ100の製造方法は、さらに、酸化物半導体層140を形成する前に、基板110の上方にゲート絶縁層130を形成する工程と、窒素元素を含む第2ガスの雰囲気下で、ゲート絶縁層130に第2プラズマ処理を行う工程とを含み、酸化物半導体層140を形成する工程では、第2プラズマ処理を行った後に、ゲート絶縁層130上に酸化物半導体層140を形成する。
これにより、酸化物半導体層140とゲート絶縁層130との界面を第2プラズマ処理によって窒化するので、酸化物半導体層140とゲート絶縁層130との界面の窒素濃度の変動を抑制することができる。したがって、酸化物半導体層140の組成比の変動を抑制し、電気特性の安定性を向上させることができる。
また、例えば、本実施の形態では、第2ガスは、さらに、水素元素を含む。また、例えば、本実施の形態では、第2ガスは、アンモニアガス、又は、窒素ガス及び水素ガスの混合ガスである。
これにより、ゲート絶縁層130と酸化物半導体層140との界面におけるダングリングボンドを水素によって不活性化することができる。これにより、界面準位を低下させることができる。
また、例えば、本実施の形態では、第2プラズマ処理は、プラズマCVD装置を用いて、プロセス圧力が75Pa以上250Pa以下、プロセス距離が550mils以上750mils以下、パワー密度が1W/cm以上5.5W/cm以下、基板温度が200℃以上400℃以下、かつ、アンモニアガスの規格化流量が0.09sccm/cm以上0.55sccm/cm以下、又は、窒素ガス及び水素ガスの規格化流量がそれぞれ、0.18sccm/cm以上1.82sccm/cm以下、及び、0.09sccm/cm以上0.55sccm/cm以下を満たす条件下で行われる。
また、例えば、本実施の形態では、薄膜トランジスタ100の製造方法は、さらに、第1絶縁層151を形成する前に、窒素ガス、酸素ガス、亜酸化窒素ガス及び大気の少なくとも1つを含む第3ガスの雰囲気下で、酸化物半導体層140を加熱する工程を含む。
また、例えば、本実施の形態では、加熱は、プロセス圧力が1Pa以上大気圧以下、加熱温度が200℃以上400℃以下、加熱時間が10分以上120分以下を満たす条件下で行われる。
これにより、加熱によって酸化物半導体層140の欠陥を補修することができる。
また、例えば、本実施の形態では、第1絶縁層151及び第2絶縁層152は、主としてシリコン酸化膜から構成される。
また、例えば、本実施の形態では、薄膜トランジスタ100の製造方法では、さらに、基板110の上方にゲート電極120を形成する工程と、第2絶縁層152の上方に、各々が酸化物半導体層140に接続されるソース電極160s及びドレイン電極160dを形成する工程とを含み、酸化物半導体層140を形成する工程では、ゲート電極120の上方であって、かつ、ゲート電極120に対向する位置に酸化物半導体層140を形成する。
また、例えば、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100は、基板110の上方に形成された酸化物半導体層140と、酸化物半導体層140上に形成された第1絶縁層151と、第1絶縁層151上に形成された第2絶縁層152とを備え、積層方向における窒素元素の濃度分布において、第1絶縁層151と酸化物半導体層140との界面の近傍に、窒素元素の濃度のピークが存在する。
これにより、酸化物半導体層140と第1絶縁層151との界面の窒素濃度の変動を抑制することができる。したがって、酸化物半導体層140の組成比の変動を抑制し、電気特性の安定性を向上させることができる。よって、本実施の形態によれば、高移動度を有し、かつ、電気特性の安定性が向上した薄膜トランジスタ100を提供することができる。
なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタ100がチャネル保護型のTFTである例について示したが、薄膜トランジスタ100は、チャネルエッチ型のTFTでもよい。
(変形例)
続いて、実施の形態の変形例に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法について説明する。
上記実施の形態では、薄膜トランジスタがボトムゲート型かつチャネル保護型のTFTである例について説明したが、本変形例に係る薄膜トランジスタは、トップゲート型のTFTである。
図9A及び図9Bは、本変形例に係る薄膜トランジスタ200の製造工程を示す概略断面図である。以下では、上記実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造方法と異なる点を中心に説明する。
本変形例に係る薄膜トランジスタ200は、図9Bの(i)に示すように、基板110と、バッファ層215と、ゲート電極220と、ゲート配線層221と、ゲート絶縁層230と、酸化物半導体層240と、層間絶縁膜250と、ドレイン電極260dと、ソース電極260sとを備える。
以下では、本変形例に係る薄膜トランジスタ200の製造方法について説明しながら、実施の形態に係る薄膜トランジスタ100と異なる構成についても説明する。
まず、図9Aの(a)に示すように、基板110上にバッファ層215を形成する。バッファ層215は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又はこれらの積層膜である。シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜の成膜は、例えば、プラズマCVD装置を用いて、実施の形態1に係るゲート絶縁層130の成膜と同様にして行う(図5Aの(b)参照)。
なお、バッファ層215は、酸化物半導体層240の基板110に対する密着性の向上、及び、基板110から酸化物半導体層240への不純物の拡散を抑制するために設けられる。バッファ層215は、酸化物半導体層240の下地の絶縁層である第3絶縁層の一例である。バッファ層215の膜厚は、例えば、100nm〜300nmである。
次に、図9Aの(b)に示すように、バッファ層215に第2プラズマ処理を行う。具体的には、バッファ層215の表面をNHプラズマ216に曝すことにより、バッファ層215の表面を窒化及び水素化する。これにより、バッファ層215と酸化物半導体層240とに良質な界面を形成することができる。なお、具体的な処理は、実施の形態1に係るゲート絶縁層130への第2プラズマ処理と同様である(図5Aの(c)参照)。
次に、図9Aの(c)に示すように、バッファ層215上に所定形状の酸化物半導体層240を形成する。酸化物半導体層240の形成は、実施の形態1に係る酸化物半導体層140の形成と同様にして行う(図5Aの(d)参照)。なお、酸化物半導体層240を形成した後に、酸化物半導体層240をアニールしてもよい。アニール条件は、実施の形態1に係る酸化物半導体層140のアニールと同様である。
次に、図9Aの(d)に示すように、酸化物半導体層240上に第1絶縁層231を形成する。第1絶縁層231の成膜条件は、上述した「ES1−SiO」成膜条件である(図5Bの(f)参照)。
次に、図9Aの(e)に示すように、酸化物半導体層240に第1プラズマ処理を行う。具体的には、酸化物半導体層240をNOプラズマ233に曝すことにより、第1絶縁層231と酸化物半導体層240との界面の窒素濃度を高める。なお、具体的な処理は、実施の形態1に係る第1絶縁層151への第1プラズマ処理と同様である(図5Bの(g)参照)。
次に、図9Bの(f)に示すように、第1絶縁層231上に第2絶縁層232を成膜する。第2絶縁層232の成膜条件は、上述した「ES2−SiO」成膜条件である(図5Bの(h)参照)。
なお、本変形例に係る薄膜トランジスタ200はトップゲート型のTFTであるから、酸化物半導体層240の上に設けられる絶縁層がゲート絶縁層230になる。ゲート絶縁層230は、第1絶縁層231と第2絶縁層232とを含んでいる。
次に、図9Bの(g)に示すように、ゲート絶縁層230上に、所定形状のゲート電極220を形成する。ゲート電極220の形成は、実施の形態1に係るゲート電極120の形成と同様にして行う(図5Aの(a)参照)。
次に、図9Bの(h)に示すように、ゲート電極220を覆うように層間絶縁膜250を形成する。層間絶縁膜250は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、酸化アルミニウム膜又はこれらの積層膜である。シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜の成膜は、例えば、プラズマCVD装置を用いて、実施の形態1に係るゲート絶縁層130の成膜と同様にして行う。
次に、図9Bの(i)に示すように、層間絶縁膜250上に、ゲート配線層221、ドレイン電極260d及びソース電極260sを形成する。具体的には、まず、層間絶縁膜250及びゲート絶縁層230の一部をエッチング除去することで、コンタクトホールを形成する。つまり、酸化物半導体層240の一部、及び、ゲート電極220の一部を露出させるためのコンタクトホールを形成する。
その後、形成したコンタクトホールを埋めるようにして、層間絶縁膜250上に金属膜をスパッタリングによって成膜する。成膜した金属膜をパターニングすることで、ゲート配線層221、ドレイン電極260d及びソース電極260sを形成する。
なお、具体的な処理は、実施の形態1に係るドレイン電極160d及びソース電極160sの形成と同様である。
以上のようにして、トップゲート型の薄膜トランジスタ200を製造することができる。
本実施の形態に係るトップゲート型の薄膜トランジスタ200は、実施の形態1と同様に、酸化物半導体層240の組成比の変動が抑制される。したがって、本実施の形態によれば、高移動度を有し、かつ、電気特性の安定性が向上した薄膜トランジスタ200を提供することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下では、他の実施の形態を例示する。
例えば、上記実施の形態では、薄膜トランジスタ100を用いた表示装置として有機EL表示装置10について説明したが、上記実施の形態における薄膜トランジスタ100は、液晶表示装置など、アクティブマトリクス基板が用いられる他の表示装置にも適用することができる。
また、上述した有機EL表示装置10などの表示装置(表示パネル)については、フラットパネルディスプレイとして利用することができ、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話など、表示パネルを有するあらゆる電子機器に適用することができる。特に、大画面及び高精細の表示装置に適している。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法は、例えば、有機EL表示装置などの表示装置若しくはその他の電子機器、又は、これらの製造方法などに利用することができる。
10 有機EL表示装置
20 TFT基板
21 バンク
30 画素
30B、30G、30R サブ画素
31 画素回路
32、33、100、200 薄膜トランジスタ
32d、33d、160d、260d ドレイン電極
32g、33g、120、220 ゲート電極
32s、33s、160s、260s ソース電極
34 キャパシタ
40 有機EL素子
41 陽極
42 EL層
43 陰極
50 ゲート配線
60 ソース配線
70 電源配線
110 基板
130、230 ゲート絶縁層
131、216 NHプラズマ
140、240 酸化物半導体層
150 絶縁層
151、231 第1絶縁層
152、232 第2絶縁層
153、233 NOプラズマ
215 バッファ層
221 ゲート配線層
250 層間絶縁膜

Claims (12)

  1. 基板の上方に、酸窒化亜鉛から構成される酸化物半導体層を形成する工程と、
    前記酸化物半導体層上に第1絶縁層を形成する工程と、
    窒素元素を含む第1ガスの雰囲気下で、前記第1絶縁層に第1プラズマ処理を行う工程と、
    前記第1プラズマ処理を行った後に、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する工程とを含む
    薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 前記第1ガスは、亜酸化窒素ガス又は窒素ガスである
    請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 前記第1絶縁層の膜厚は、5nm以上10nm以下であり、
    前記第1プラズマ処理は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、プロセス圧力が0.5torr以上1.5torr以下、プロセス距離が400mils以上700mils以下、パワー密度が0.15W/cm以上0.3W/cm以下、基板温度が200℃以上300℃以下、かつ、亜酸化窒素ガス又は窒素ガスの規格化流量が0.3sccm/cm以上0.7sccm/cm以下を満たす条件下で行われる
    請求項2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記薄膜トランジスタの製造方法は、さらに、
    前記酸化物半導体層を形成する前に、前記基板の上方に第3絶縁層を形成する工程と、
    窒素元素を含む第2ガスの雰囲気下で、前記第3絶縁層に第2プラズマ処理を行う工程とを含み、
    前記酸化物半導体層を形成する工程では、前記第2プラズマ処理を行った後に、前記第3絶縁層上に前記酸化物半導体層を形成する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記第2ガスは、さらに、水素元素を含む
    請求項4に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 前記第2ガスは、アンモニアガス、又は、窒素ガス及び水素ガスの混合ガスである
    請求項5に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記第2プラズマ処理は、プラズマCVD装置を用いて、プロセス圧力が75Pa以上250Pa以下、プロセス距離が550mils以上750mils以下、パワー密度が1W/cm以上5.5W/cm以下、基板温度が200℃以上400℃以下、かつ、アンモニアガスの規格化流量が0.09sccm/cm以上0.55sccm/cm以下、又は、窒素ガス及び水素ガスの規格化流量がそれぞれ、0.18sccm/cm以上1.82sccm/cm以下、及び、0.09sccm/cm以上0.55sccm/cm以下を満たす条件下で行われる
    請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記薄膜トランジスタの製造方法は、さらに、
    前記第1絶縁層を形成する前に、窒素ガス、酸素ガス、亜酸化窒素ガス及び大気の少なくとも1つを含む第3ガスの雰囲気下で、前記酸化物半導体層を加熱する工程を含む
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記加熱は、プロセス圧力が1Pa以上大気圧以下、加熱温度が200℃以上400℃以下、加熱時間が10分以上120分以下を満たす条件下で行われる
    請求項8に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、主としてシリコン酸化膜から構成される
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記薄膜トランジスタの製造方法では、さらに、
    前記基板の上方にゲート電極を形成する工程と、
    前記第2絶縁層の上方に、各々が前記酸化物半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを含み、
    前記酸化物半導体層を形成する工程では、前記ゲート電極の上方であって、かつ、前記ゲート電極に対向する位置に前記酸化物半導体層を形成する
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 基板の上方に形成された酸化物半導体層と、
    前記酸化物半導体層上に形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層とを備え、
    積層方向における窒素元素の濃度分布において、前記第1絶縁層と前記酸化物半導体層との界面の近傍に、窒素元素の濃度のピークが存在する
    薄膜トランジスタ。
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