JP2016111092A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

薄膜トランジスタ Download PDF

Info

Publication number
JP2016111092A
JP2016111092A JP2014245180A JP2014245180A JP2016111092A JP 2016111092 A JP2016111092 A JP 2016111092A JP 2014245180 A JP2014245180 A JP 2014245180A JP 2014245180 A JP2014245180 A JP 2014245180A JP 2016111092 A JP2016111092 A JP 2016111092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide semiconductor
semiconductor layer
layer
thin film
film transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014245180A
Other languages
English (en)
Inventor
悠治 岸田
Yuji Kishida
悠治 岸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Joled Inc
Original Assignee
Joled Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Joled Inc filed Critical Joled Inc
Priority to JP2014245180A priority Critical patent/JP2016111092A/ja
Publication of JP2016111092A publication Critical patent/JP2016111092A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】酸窒化亜鉛(ZnON)をチャネル層として用いた場合でも、安定なTFT特性を実現する。【解決手段】酸窒化亜鉛を主成分として含み、チャネル層として用いられる酸化物半導体層40を備える薄膜トランジスタ1であって、酸化物半導体層40のキャリア濃度は、1×1015cm−3以下であり、酸化物半導体層40の界面の状態密度は、2×1012cm−2以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)に関する。
液晶を利用した液晶表示装置又は有機EL(Electro Luminescence)を利用した有機EL(OLED:Organic Light−Emitting Diode)表示装置などのアクティブマトリクス方式の表示装置には、スイッチング素子又は駆動素子としてTFTが用いられている。
TFTのチャネル層は、ゲート電極に印加される電圧によってキャリアの移動が制御されるチャネル領域を有する。チャネル層の材料としては、アモルファスシリコンなどの種々の半導体材料が検討されている。
近年、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)をチャネル層に用いた酸化物半導体TFTの開発が進められている。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)の金属酸化物(InGaZnO)からなるTAOSをチャネル層に用いた酸化物半導体TFTが実用化されている。
しかし、InGaZnOではキャリア移動度が10cm/Vsまでしか見込めないため、近年、さらに高いキャリア移動度を有するTAOS材料が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−251604号公報
キャリア移動度が高いTAOS材料として、酸窒化亜鉛(ZnON)が提案されている。ZnONをチャネル層に用いたTFTでは、ZnONのキャリア移動度が高いことにより、大きなオン電流が得られる。これにより、TFTの素子サイズを小さくしても十分なオン電流を得ることができるため、表示装置の画素を高精細化することができる。
しかしながら、ZnONは、その組成制御及び界面制御が難しく、TFT特性がばらつくという問題がある。
そこで、本開示は、ZnONをチャネル層に用いた場合でも、安定なTFT特性を有する薄膜トランジスタを提供する。
上記課題を解決するため、本開示に係る薄膜トランジスタは、酸窒化亜鉛を主成分として含み、チャネル層として用いられる酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタであって、前記酸化物半導体層のキャリア濃度は、1×1015cm−3以下であり、前記酸化物半導体層の界面の状態密度は、2×1012cm−2以下である。
本開示によれば、ZnONをチャネル層に用いた場合でも、安定なTFT特性を実現することができる。
実施の形態に係る薄膜トランジスタの断面図である。 実施の形態に係る酸化物半導体層のキャリア濃度に対する閾値電圧を示す図である。 図2Aのキャリア濃度が1×1015cm−3の近傍を示す拡大図である。 InGaZnO膜の界面の状態密度に対する閾値電圧を示す図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における主要なプロセス条件の一例を示す図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置における画素回路の一例の構成を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明、及び、実質的に同一の構成に対する重複説明などを省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
また、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔をあけて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法について、図面を用いて説明する。
[1.薄膜トランジスタの構成]
まず、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の断面図である。
薄膜トランジスタ1は、酸窒化亜鉛(ZnON)を主成分として含み、チャネル層として用いられる酸化物半導体層40を備える酸化物半導体TFTである。図1に示すように、薄膜トランジスタ1は、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁層30と、酸化物半導体層40と、絶縁層50と、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと、保護層70とを備える。本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1は、チャネル保護型のボトムゲート型TFTであり、また、トップコンタクト構造が採用されている。
以下、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の各構成要素について詳述する。
基板10は、絶縁材料からなる絶縁基板であり、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス又は高耐熱性ガラスなどのガラス材料で構成されるガラス基板である。
なお、基板10は、ガラス基板に限らず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどの樹脂材料からなる樹脂基板などであってもよい。また、基板10は、リジッド基板ではなく、フレキシブルガラス基板又はフレキシブル樹脂基板などのシート状又はフィルム状の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。フレキシブル樹脂基板としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのフィルム材料の単層又は積層で構成された基板を用いることができる。なお、基板10の表面にアンダーコート層を形成してもよい。
ゲート電極20は、金属などの導電性材料又はその合金からなる導電膜の単層構造又は多層構造の電極であり、基板10の上方に設けられる。本実施の形態では、ゲート電極20は、基板10上に所定形状で設けられる。ゲート電極20の膜厚は、例えば、20nm〜500nmである。
ゲート電極20の材料としては、例えば、モリブデン、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、マンガン、クロム、タンタル、ニオブ、銀、金、プラチナ、パラジウム、インジウム、ニッケル、ネオジムなどの金属、又は、これらの中から選ばれる金属の合金(モリブデンタングステンなど)が用いられる。
なお、ゲート電極20の材料は、これらに限るものではなく、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)などの導電性金属酸化物、又は、ポリチオフェン若しくはポリアセチレンなどの導電性高分子材料などを用いることもできる。
ゲート絶縁層30は、ゲート電極20と酸化物半導体層40との間に配置される。具体的には、ゲート絶縁層30は、酸化物半導体層40の第1主面(ここでは、基板10側の主面(下面))に接触して積層された第1絶縁層の一例である。本実施の形態では、ゲート絶縁層30は、ゲート電極20の上方に位置するように配置される。例えば、ゲート絶縁層30は、ゲート電極20が形成された基板10上の全面にゲート電極20を覆うように形成される。ゲート絶縁層30の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
ゲート絶縁層30は、電気絶縁性を有する材料から構成され、一例として、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜若しくは酸化ハフニウム膜などの単層膜、又は、これらの膜を複数積層した積層膜である。
酸化物半導体層40は、ゲート絶縁層30の上方において、ゲート電極20に対向する位置に所定形状で設けられる。例えば、酸化物半導体層40は、ゲート絶縁層30上に島状に形成される。本実施の形態において、酸化物半導体層40は、薄膜トランジスタ1のチャネル層として用いられる。具体的には、酸化物半導体層40は、チャネル領域を含む半導体層である。酸化物半導体層40は、例えば、チャネル長Lが13μm以上で、チャネル幅Wが5μm以上になるように、島状に形成される。
酸化物半導体層40は、酸窒化亜鉛(ZnON)を主成分として含んでいる。酸化物半導体層40の移動度は、例えば、10cm/Vs以上で、好ましくは、20cm/Vs以上である。酸化物半導体層40のキャリア濃度は、1×1015cm−3以下である。酸化物半導体層40の界面の状態密度は、2×1012cm−2以下であり、好ましくは、5×1011cm−2以下である。また、酸化物半導体層40の膜中の水素元素の濃度及び酸素元素の濃度は、それぞれ、例えば3at%〜7at%以下である。
絶縁層50は、酸化物半導体層40の上方に設けられる。具体的には、絶縁層50は、酸化物半導体層40の第2主面(ここでは、基板10とは反対側の主面(上面))に接触して積層された第2絶縁層の一例である。本実施の形態では、絶縁層50は、酸化物半導体層40を覆うようにゲート絶縁層30上に成膜される。絶縁層50の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
本実施の形態において、絶縁層50は、酸化物半導体層40のチャネル領域を保護する保護膜(チャネル保護層)として機能する。具体的には、絶縁層50は、酸化物半導体層40の上方に形成するソース電極60S及びドレイン電極60Dをエッチングによってパターニングする際に、酸化物半導体層40がエッチングされることを防止するエッチストッパ層として機能する。これにより、ボトムゲート型TFTにおいて、酸化物半導体層40のバックチャネル側のプロセスダメージを低減することができる。また、本実施の形態において、絶縁層50は、基板10の全面に形成された層間絶縁層である。
絶縁層50は、電気絶縁性を有する材料から構成され、一例として、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜若しくは酸化アルミニウム膜などの単層膜、又は、これらの積層膜である。本実施の形態では、絶縁層50は、シリコン酸化膜の単層構造を有する。この場合、シリコン元素と酸素元素との比は、例えば、1:1.9〜1:2.0である。
なお、シリコン酸化膜は、シリコン窒化膜と比べて成膜時における水素の発生が少ない。したがって、絶縁層50としてシリコン酸化膜を用いることによって、水素還元による酸化物半導体層40の性能劣化を抑制できる。さらに、絶縁層50として酸化アルミニウム膜を形成することによって、上層で発生する水素や酸素を酸化アルミニウム膜によってブロックすることができる。これらのことから、絶縁層50としては、例えば、シリコン酸化膜、酸化アルミニウム膜及びシリコン酸化膜の3層構造の積層膜を用いてもよい。
なお、絶縁層50の材料としては、上記のような無機物に限るものではなく、有機物を主成分とする材料を用いてもよい。
また、絶縁層50には、絶縁層50の一部を貫通するように開口部(コンタクトホール)が形成されている。この絶縁層50の開口部を介して、酸化物半導体層40とソース電極60S及びドレイン電極60Dとが電気的及び物理的に接続されている。
ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層50の上方に少なくとも一部が位置し、かつ、酸化物半導体層40と接続されるように所定形状で形成される。具体的には、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層50上においては基板10に水平な方向(基板水平方向)に離間して互いに対向して配置されており、かつ、絶縁層50に形成された開口部を介して酸化物半導体層40に接続されている。絶縁層50上におけるソース電極60S及びドレイン電極60Dの膜厚は、例えば、100nm〜500nmである。
ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、導電性材料又はその合金等からなる導電膜の単層構造又は多層構造の電極である。ソース電極60S及びドレイン電極60Dの材料としては、例えば、アルミニウム、タンタル、モリブデン、タングステン、銀、銅、チタン又はクロムなどが用いられる。一例として、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、モリブデンタングステン膜(MoW膜)で形成される単層構造の電極である。
保護層70は、ソース電極60S及びドレイン電極60D上に配置される絶縁膜である。具体的には、保護層70は、ソース電極60S及びドレイン電極60Dを覆うように絶縁層50上に成膜される。保護層70の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
保護層70は、電気絶縁性を有する材料から構成され、一例として、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜又は酸化アルミニウム膜等の単層膜、あるいは、これらの積層膜である。
[2.キャリア密度と閾値電圧]
次に、本実施の形態に係る酸化物半導体層40のキャリア濃度と薄膜トランジスタ1の閾値電圧との関係について説明する。
図2Aは、本実施の形態に係る酸化物半導体層40のキャリア濃度に対する閾値電圧Vthを示す図である。図2Bは、図2Aのキャリア濃度が1×1015cm−3の近傍を示す拡大図である。図2A及び図2Bにおいて、横軸は、酸化物半導体層40のキャリア濃度を示し、縦軸は、酸化物半導体層40を備える薄膜トランジスタ1の閾値電圧Vthを示している。また、ここでは、酸化物半導体層40の膜厚が100nm及び200nmの場合について示している。
薄膜トランジスタ1の閾値電圧Vthは、薄膜トランジスタ1の電流−電圧特性を測定することにより決定される。つまり、閾値電圧Vthは、薄膜トランジスタ1のドレイン電極60Dとソース電極60Sとの間にドレイン電流が流れ始めるときのゲート電圧(ゲート電極20とソース電極60Sとの間の電圧)である。
図2A及び図2Bに示すように、酸化物半導体層40の膜厚に関わらず、キャリア濃度が1×1015cm−3を境界として、閾値電圧Vthの値が大きく変化している。具体的には、キャリア濃度が1×1015cm−3以下の場合、閾値電圧Vthは、所定の範囲で安定している。したがって、この場合、キャリア濃度にばらつきが生じたとしても、閾値電圧Vthのばらつきは抑制される。
なお、このとき、酸化物半導体層40の膜厚が大きい方が、閾値電圧Vthは大きい値で安定している。例えば、酸化物半導体層40の膜厚が100nmの場合は、閾値電圧Vthは1V〜1.4V付近の値であるのに対して、膜厚が200nmの場合は、閾値電圧Vthは1.5V〜1.9V付近の値である。
一方で、キャリア濃度が1×1015cm−3より大きい場合、閾値電圧Vthは、キャリア濃度が大きくなるにつれて小さくなっている。したがって、キャリア濃度の僅かな違いによって、閾値電圧Vthは大きく変化し、その値がばらついてしまう。
本実施の形態では、酸化物半導体層40のキャリア濃度が1×1015cm−3以下であるので、閾値電圧Vthのばらつきを抑制することができる。つまり、本実施の形態によれば、安定なTFT特性を実現することができる。
また、閾値電圧Vthと酸化物半導体層40のホール移動度μとの間には、正の相関関係を有する。つまり、閾値電圧Vthが安定しているということは、ホール移動度μも安定していることを意味する。具体的には、酸化物半導体層40のキャリア濃度が1×1015cm−3以下の場合において、ホール移動度は、膜厚が100nmのときは25cm/Vs〜40cm/Vs程度であり、膜厚が200nmのときは50cm/Vs〜60cm/Vs程度であった。したがって、酸化物半導体層40のキャリア濃度が1×1015cm−3以下であれば、大きなオン電流を得ることができる。
[3.界面の状態密度と閾値電圧]
次に、本実施の形態に係る酸化物半導体層40の界面の状態密度DOS(Density Of States)と、薄膜トランジスタ1の閾値電圧Vthとの関係について説明する。
図3は、InGaZnO膜の界面の状態密度DOSに対する閾値電圧Vthを示す図である。図3において、横軸は、InGaZnO膜の界面の状態密度DOSを示し、縦軸は、InGaZnO膜をチャネル層として備える薄膜トランジスタの閾値電圧Vthを示している。
なお、InGaZnO膜をチャネル層として備える薄膜トランジスタの構成は、図1に示す薄膜トランジスタ1と略同じである。つまり、図3の測定に用いたTFTは、図1において、ZnONを主成分として含む代わりに、InGaZnOを主成分として含む酸化物半導体層を備えたTFTである。図3におけるInGaZnO膜のキャリア濃度は、6×1014cm−3であった。また、測定した状態密度DOSは、InGaZnO膜とゲート絶縁層30との界面、及び、InGaZnO膜と絶縁層50との界面における状態密度である。
図3に示すように、閾値電圧Vthは、界面の状態密度DOSが5×1011cm−2以上になると、徐々に上昇する傾向にある。さらに、閾値電圧Vthは、界面の状態密度DOSが2×1012cm−2以上になると、その上昇の割合が大きくなる。
したがって、InGaZnO膜において、安定な閾値電圧を実現するためには、状態密度DOSは、2×1012cm−2以下、好ましくは、5×1011cm−2以下であればよい。
ところで、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1では、酸化物半導体層40としてZnONを利用している。ZnONは、InGaZnOと同様に酸化物半導体であり、多くの共通する特徴を有する。例えば、ホール移動度が高いこと、酸素欠陥の量によってキャリア濃度及び界面準位が変化することなどである。
したがって、ZnONは、界面における状態密度についても、InGaZnOと同様の結果が得られると考えられる。よって、本実施の形態に係る酸化物半導体層40の界面の状態密度DOSは、2×1012cm−2以下、好ましくは、5×1011cm−2以下であればよい。これにより、閾値電圧Vthのばらつきを抑制することができ、安定なTFT特性を実現することができる。
[4.薄膜トランジスタの製造方法]
次に、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法について、図4、図5A及び図5Bを用いて説明する。図4は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法における主要なプロセス条件の一例を示す図である。図5A及び図5Bは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法における各工程を示す断面図である。
まず、図5Aの(a)に示すように、基板10を準備し、基板10の上方に所定形状のゲート電極20を形成する。例えば、基板10上に金属膜をスパッタ法によって成膜する。例えば、図4に示すように、金属膜として、厚さ75nmのモリブデンタングステン膜(MoW膜)を成膜する。
そして、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法を用いて金属膜を加工することにより、所定形状のゲート電極20を形成する。MoW膜のウェットエッチングは、例えば、過酸化水素水(H)及び有機酸を混合した薬液を用いることで行われる。なお、ゲート電極20を形成する前に、基板10の表面にシリコン酸化膜などのアンダーコート層を形成してもよい。
次に、図5Aの(b)に示すように、ゲート電極20の上方にゲート絶縁層30を形成する。本実施の形態では、ゲート電極20を覆うように基板10上の全面にゲート絶縁層30を形成する。なお、基板10の表面にアンダーコート層が形成されている場合には、アンダーコート層上にゲート絶縁層30を形成する。
ゲート絶縁層30は、例えば、図4に示すように、厚さ85nmのシリコン窒化膜と厚さ65nmのシリコン酸化膜との積層構造を有する。この場合、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって成膜することができる。
例えば、シリコン窒化膜は、シランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)及び窒素ガス(N)を導入ガスに用いることで成膜することができる。シリコン酸化膜は、シランガス(SiH)及び亜酸化窒素ガス(NO)を導入ガスに用いることで成膜することができる。なお、亜酸化窒素ガスの希釈ガスとしてアルゴン(Ar)を添加してもよい。これにより、効率的にガスが分解され、良質なシリコン酸化膜が形成され、かつ、亜酸化窒素ガスの使用量を抑えることができる。
次に、図5Aの(c)に示すように、ゲート絶縁層30の界面処理として、NHプラズマ処理を行う。具体的には、形成したゲート絶縁層30の表面をNHプラズマ90に曝すことで、ゲート絶縁層30の表面(ゲート絶縁層30と酸化物半導体層40との界面)を改善する。より具体的には、界面(表面)近傍のシリコン元素のダングリングボンドを、NHプラズマ90に含まれる水素によって終端する。これにより、界面の状態密度を2×1012cm−2以下、好ましくは、5×1011cm−2以下にする。
例えば、図4に示すように、基板温度が300℃で、60秒間のNHプラズマ処理を行う。具体的には、チャンバー内の圧力は3Torrであり、パワーは1.02W/cmであり、NHガス流量は、100sccm以下である。なお、NHプラズマ処理のこれらの条件は一例であって、これに限らない。ゲート絶縁層30と酸化物半導体層40との界面の状態密度を2×1012cm−2以下、好ましくは、5×1011cm−2以下にすることができれば、いかなる条件でもよい。例えば、NHプラズマ処理における基板温度は、250℃〜400℃、プラズマ処理時間は、10秒〜120秒、NHガス流量は、50sccm〜200sccm、圧力は、2Torr〜4Torr、パワー密度は、0.57W/cm〜1.13W/cmである。
次に、図5Aの(d)に示すように、基板10の上方に酸化物半導体膜40aを成膜する。例えば、図4に示すように、ゲート絶縁層30上に、ZnONを主成分として含む厚さ100nmの酸化物半導体膜40a(ZnON膜)をスパッタリングによって成膜する。
より具体的には、スパッタリングターゲットとして、亜鉛(Zn、純度:99.99%以上)を用いて、真空チャンバー内に不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを流入するとともに反応性ガスとして窒素(N)、酸素(O)を含むガスを流入する。なお、反応性ガスに亜酸化窒素(NO)が含まれてもよい。そして、パワー密度が1W/cm〜5W/cmとなるように、電圧をターゲット材に印加する。これにより、ゲート絶縁層30上にZnON膜を主成分として含む酸化物半導体膜40aを成膜することができる。なお、スパッタリングターゲットは、純粋な亜鉛に限られない。例えば、スパッタリングターゲットは、1%以下のアルミニウム(Al)又は錫(Sn)を含む亜鉛でもよい。
また、酸化物半導体膜40aの成膜条件としては、反応性ガスとして酸素(O)及び窒素(N)を用いる場合、酸素と窒素との流量比を調整することによって、酸化物半導体層40の膜質を変更することができる。例えば、酸素と窒素との流量比は、1:100〜3:100にすればよい。また、基板温度は、例えば、室温に設定すればよい。
次に、図5Aの(e)に示すように、酸化物半導体膜40aを成膜した後、加熱処理(アニール)を行う。例えば、図4に示すように、窒素ガス雰囲気下において、350℃で1時間のアニールを行う。成膜直後の酸化物半導体膜40aは、窒素欠陥及び酸素欠陥を多く含んでいる。このため、キャリアの発生源が多く、このままTFTのチャネル層として利用することができない場合もある。そこで、本実施の形態では、酸化物半導体膜40aをアニールすることで、窒素欠陥及び酸素欠陥を補修し、キャリア濃度を低下させる。
次に、図5Aの(f)に示すように、酸化物半導体膜40aを所定の形状に加工することによって、所定形状の酸化物半導体層40を形成する。例えば、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法を用いて酸化物半導体膜40aを加工することにより、酸化物半導体層40を形成する。なお、ZnON膜のウェットエッチングは、例えば、シュウ酸を用いて行う。より具体的には、図4に示すように、室温(R.T.)で、ZnON膜をシュウ酸に36秒間浸すことで、ZnON膜のウェットエッチングを行う。
次に、図5Aの(g)に示すように、ウェットエッチングによってパターニングした後、加熱処理(アニール)を行う。例えば、図4に示すように、大気中において、300℃で30分間のアニールを行う。これにより、酸化物半導体層40に含まれる窒素欠陥及び酸素欠陥を補修し、キャリア濃度を低下させる。
なお、このとき、アニール温度及びアニール時間を変更して、閾値電圧Vthの変化を測定した。アニール時間が1時間の場合、アニール温度が250℃、300℃及び350℃の場合は、閾値電圧Vthは安定していたものの、アニール温度が400℃の場合、閾値電圧Vthの負シフトが大きくなった。
以上のことから、アニール時間は、例えば、1時間であり、アニール温度は、250℃〜350℃であればよい。
次に、図5Bの(h)に示すように、酸化物半導体層40の界面処理として、NOプラズマ処理を行う。具体的には、形成した酸化物半導体層40の表面をNOプラズマ91に曝すことで、酸化物半導体層40の表面(酸化物半導体層40と絶縁層50との界面)を改善する。より具体的には、酸化物半導体層40の界面における窒素欠陥及び酸素欠陥を補修し、キャリア濃度を低下させる。
例えば、NOプラズマ処理において、チャンバー内の圧力は3Torrであり、パワー密度は、0.17W/cmであり、NOガス流量は、1500sccmである。なお、NOプラズマ処理の条件は一例であって、これに限らない。酸化物半導体層40と絶縁層50との界面の状態密度を2×1012cm−2以下、好ましくは、5×1011cm−2以下にすることができれば、いかなる条件でもよい。例えば、NOプラズマ処理における基板温度は、170℃〜250℃、時間は、10秒〜120秒、NOガス流量は、1000sccm〜2000sccm、圧力は、2Torr〜4Torr、パワー密度は、0.14W/cm〜0.57W/cmである。
次に、図5Bの(i)に示すように、酸化物半導体層40上に絶縁膜51を成膜する。具体的には、まず、酸化物半導体層40を覆うようにして、ゲート絶縁層30上の全面に絶縁膜51を成膜する。
例えば、プラズマCVD法によってシリコン酸化膜を、絶縁膜51として成膜する。シリコン酸化膜は、例えば、シランガス(SiH)及び亜酸化窒素ガス(NO)を導入ガスに用いることで成膜することができる。例えば、図4に示すように、成膜温度は200℃であり、シラン流量比(=全ガス(シランガス+亜酸化窒素ガス)中のシランガスの割合)は1.0%であり、膜厚は240nmである。
次に、図5Bの(j)に示すように、酸化物半導体層40の一部を露出させるためのコンタクトホールを形成することで、絶縁層50を形成する。具体的には、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によって絶縁膜51の一部をエッチング除去することによって、ソース領域及びドレイン領域となる領域上にコンタクトホール(開口部)を形成する。
例えば、絶縁膜51がシリコン酸化膜である場合、反応性イオンエッチング(RIE)法によるドライエッチング法によってシリコン酸化膜にコンタクトホールを形成することができる。この場合、エッチングガスとしては、例えば、四フッ化炭素(CF)及び酸素ガス(O)を用いることができる。
次に、図5Bの(k)に示すように、酸化物半導体層40に接続されたソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。例えば、絶縁層50に形成されたコンタクトホールを埋めるようにして、絶縁層50上に所定形状のソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。
本実施の形態では、ソース電極60S及びドレイン電極60Dとして、MoW膜の単層構造の電極を形成する。この場合、まず、絶縁層50のコンタクトホールを埋めるようにして絶縁層50上に、MoW膜をスパッタリング法によって成膜する。その後、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法によって、MoW膜をパターニングする。これにより、所定形状のソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成することができる。なお、MoW膜のエッチング液としては、例えば、過酸化水素水(H)及び有機酸を混合した薬液を用いることができる。
次に、図5Bの(l)に示すように、ソース電極60S及びドレイン電極60Dの上に保護層70を形成する。本実施の形態では、ソース電極60S及びドレイン電極60Dを覆うようにして絶縁層50上の全面に保護層70を成膜する。
保護層70は、例えば、シリコン酸化膜である。この場合、シランガス(SiH)及び亜酸化窒素ガス(NO)を導入ガスに用いて、プラズマCVD法によってシリコン酸化膜を成膜することができる。例えば、図4に示すように、成膜温度は200℃であり、膜厚は420nmである。
最後に、図5Bの(m)に示すように、加熱処理(アニール)を行う。例えば、図4に示すように、大気中で、250℃で30分のアニールを行う。これにより、プロセス中に酸化物半導体層40が受けたダメージを修復することができる。
以上のようにして、図1に示す構成の薄膜トランジスタ1を製造することができる。
[5.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1は、酸窒化亜鉛を主成分として含み、チャネル層として用いられる酸化物半導体層40を備える薄膜トランジスタ1であって、酸化物半導体層40のキャリア濃度は、1×1015cm−3以下であり、酸化物半導体層40の界面の状態密度は、2×1012cm−2以下である。
これにより、閾値電圧Vthのばらつきを抑制することができ、安定なTFT特性を実現することができる。
また、例えば、本実施の形態では、界面の状態密度は、5×1011cm−2以下である。
これにより、閾値電圧Vthのばらつきをより一層抑制することができ、より安定なTFT特性を実現することができる。
また、例えば、本実施の形態では、薄膜トランジスタ1は、さらに、酸化物半導体層40の第1主面(下面)に接触して積層されたゲート絶縁層30と、酸化物半導体層40の第1主面と反対側の第2主面(上面)に接触して積層された絶縁層50とを備え、酸化物半導体層40とゲート絶縁層30との界面の状態密度、及び、酸化物半導体層40と絶縁層50との界面の状態密度はそれぞれ、2×1012cm−2以下である。
これにより、酸化物半導体層40のバックチャネル側及びフロントチャネル側の両方の界面を改善することができるので、閾値電圧Vthのばらつきをより一層抑制することができ、より安定なTFT特性を実現することができる。
[6.表示装置]
次に、上述した薄膜トランジスタ1を表示装置に適用した例について、図6を用いて説明する。なお、本実施の形態では、表示装置の一例として、有機EL表示装置について説明する。
図6は、本実施の形態に係る有機EL表示装置100の一部切り欠き斜視図である。上述の薄膜トランジスタは、有機EL表示装置100におけるアクティブマトリクス基板のスイッチング素子又は駆動素子として用いることができる。
図6に示すように、有機EL表示装置100は、複数個の薄膜トランジスタが配置されたTFT基板(TFTアレイ基板)110と、下部電極(反射電極)である陽極131、EL層(発光層)132及び上部電極(透明電極)である陰極133からなる有機EL素子(発光部)130との積層構造により構成される。
本実施の形態に係るTFT基板110には、上記各実施の形態に係る薄膜トランジスタを用いている。TFT基板110には複数の画素120がマトリクス状に配置されており、各画素120には画素回路が設けられている。
有機EL素子130は、複数の画素120のそれぞれに対応して形成されており、各画素120に設けられた画素回路によって各有機EL素子130の発光の制御が行われる。有機EL素子130は、複数の薄膜トランジスタを覆うように形成された層間絶縁層(平坦化膜)上に形成される。
また、有機EL素子130は、陽極131と陰極133との間にEL層132が配置された構成となっている。陽極131とEL層132との間にはさらに正孔輸送層が積層形成され、EL層132と陰極133との間にはさらに電子輸送層が積層形成されている。なお、陽極131と陰極133との間には、その他の機能層が設けられていてもよい。EL層132などの、陽極131と陰極133との間に形成される機能層は、有機材料によって構成された有機層である。
各画素120は、それぞれの画素回路によって駆動制御される。また、TFT基板110には、画素120の行方向に沿って配置される複数のゲート配線(走査線)140と、ゲート配線140と交差するように画素120の列方向に沿って配置される複数のソース配線(信号配線)150と、ソース配線150と平行に配置される複数の電源配線(図6では省略)とが形成されている。各画素120は、例えば直交するゲート配線140とソース配線150とによって区画されている。
ゲート配線140は、各画素回路に含まれるスイッチング素子として動作する第1薄膜トランジスタのゲート電極と行毎に接続されている。ソース配線150は、第1薄膜トランジスタのソース電極と列毎に接続されている。電源配線は、各画素回路に含まれる駆動素子として動作する第2薄膜トランジスタのドレイン電極と列毎に接続されている。
ここで、画素120における画素回路の一例について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係る有機EL表示装置100における画素回路の一例の構成を示す電気回路図である。なお、画素回路は、図7に示す構成に限定されるものではない。
図7に示すように、画素回路は、スイッチング素子として動作する第1薄膜トランジスタSwTrと、駆動素子として動作する第2薄膜トランジスタDrTrと、対応する画素120に表示するためのデータを記憶するキャパシタCとで構成される。本実施の形態において、第1薄膜トランジスタSwTrは、画素120を選択するためのスイッチングトランジスタであり、第2薄膜トランジスタDrTrは、有機EL素子130を駆動するための駆動トランジスタである。
第1薄膜トランジスタSwTrは、ゲート配線140に接続されるゲート電極G1と、ソース配線150に接続されるソース電極S1と、キャパシタC及び第2薄膜トランジスタDrTrのゲート電極G2に接続されるドレイン電極D1と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。第1薄膜トランジスタSwTrは、接続されたゲート配線140及びソース配線150に所定の電圧が印加されると、当該ソース配線150に印加された電圧がデータ電圧としてキャパシタCに保存される。
第2薄膜トランジスタDrTrは、第1薄膜トランジスタSwTrのドレイン電極D1及びキャパシタCに接続されるゲート電極G2と、電源配線160及びキャパシタCに接続されるドレイン電極D2と、有機EL素子130の陽極131に接続されるソース電極S2と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。第2薄膜トランジスタDrTrは、キャパシタCが保持しているデータ電圧に対応する電流を電源配線160からソース電極S2を通じて有機EL素子130の陽極131に供給する。これにより、有機EL素子130では、陽極131から陰極133へと駆動電流が流れてEL層132が発光する。
なお、上記構成の有機EL表示装置100では、ゲート配線140とソース配線150との交点に位置する画素120毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式が採用されている。これにより、各画素120における第1薄膜トランジスタSwTr及び第2薄膜トランジスタDrTrによって、対応する有機EL素子130が選択的に発光し、所望の画像が表示される。
以上、本実施の形態に係るTFT基板110には、上記実施の形態に係る薄膜トランジスタ1が用いられているので、表示性能に優れた有機EL表示装置100を実現することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
そこで、以下では、他の実施の形態を例示する。
例えば、上記実施の形態では、酸化物半導体層40とゲート絶縁層30との界面の状態密度、及び、酸化物半導体層40と絶縁層50との界面の状態密度がそれぞれ、2×1012cm−2以下である例について示したが、これに限らない。酸化物半導体層40とゲート絶縁層30との界面の状態密度、及び、酸化物半導体層40と絶縁層50との界面の状態密度の少なくとも一方が、2×1012cm−2以下、好ましくは、5×1011cm−2以下であればよい。
また、例えば、上記実施の形態では、酸化物半導体膜40aの成膜直後、酸化物半導体膜40aのウェットエッチングの直後、及び、保護層70を形成した直後にアニール処理をしているが、これに限らない。例えば、絶縁層50を形成した後、ソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する前に、アニール処理を行ってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、薄膜トランジスタ1は、チャネル保護型のボトムゲート型TFTである例について示したが、これに限らない。薄膜トランジスタ1は、チャネルエッチ型のボトムゲート型TFT、又は、トップゲート型TFTでもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、薄膜トランジスタ1を用いた表示装置として有機EL表示装置100について説明したが、上記実施の形態における薄膜トランジスタ1は、液晶表示装置など、アクティブマトリクス基板が用いられる他の表示装置にも適用することができる。
また、上述した有機EL表示装置100などの表示装置(表示パネル)については、フラットパネルディスプレイとして利用することができ、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話など、表示パネルを有するあらゆる電子機器に適用することができる。特に、大画面及び高精細の表示装置に適している。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示に係る薄膜トランジスタは、例えば、例えば、有機EL表示装置などの表示装置若しくはその他の電子機器などに利用することができる。
1 薄膜トランジスタ
10 基板
20 ゲート電極
30 ゲート絶縁層
40 酸化物半導体層
40a 酸化物半導体膜
50 絶縁層
51 絶縁膜
60D ドレイン電極
60S ソース電極
70 保護層
90 NHプラズマ
91 NOプラズマ
100 有機EL表示装置
110 TFT基板
120 画素
130 有機EL素子
131 陽極
132 EL層
133 陰極
140 ゲート配線
150 ソース配線
160 電源配線

Claims (3)

  1. 酸窒化亜鉛を主成分として含み、チャネル層として用いられる酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタであって、
    前記酸化物半導体層のキャリア濃度は、1×1015cm−3以下であり、
    前記酸化物半導体層の界面の状態密度は、2×1012cm−2以下である
    薄膜トランジスタ。
  2. 前記界面の状態密度は、5×1011cm−2以下である
    請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記薄膜トランジスタは、さらに、
    前記酸化物半導体層の第1主面に接触して積層された第1絶縁層と、
    前記酸化物半導体層の前記第1主面と反対側の第2主面に接触して積層された第2絶縁層とを備え、
    前記酸化物半導体層と前記第1絶縁層との界面の状態密度、及び、前記酸化物半導体層と前記第2絶縁層との界面の状態密度はそれぞれ、2×1012cm−2以下である
    請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
JP2014245180A 2014-12-03 2014-12-03 薄膜トランジスタ Pending JP2016111092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014245180A JP2016111092A (ja) 2014-12-03 2014-12-03 薄膜トランジスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014245180A JP2016111092A (ja) 2014-12-03 2014-12-03 薄膜トランジスタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016111092A true JP2016111092A (ja) 2016-06-20

Family

ID=56124762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014245180A Pending JP2016111092A (ja) 2014-12-03 2014-12-03 薄膜トランジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016111092A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108269854A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 乐金显示有限公司 薄膜晶体管基板及其制造方法和显示装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275236A (ja) * 2007-04-25 2009-11-26 Canon Inc 酸窒化物半導体
JP2010535431A (ja) * 2007-08-02 2010-11-18 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 薄膜半導体材料を用いる薄膜トランジスタ
WO2013106166A1 (en) * 2012-01-13 2013-07-18 Applied Materials, Inc. Thin film semiconductors made through low temperature process
JP2013211537A (ja) * 2012-02-29 2013-10-10 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置
JP2014082424A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Idemitsu Kosan Co Ltd 半導体装置の製造方法
US20140225106A1 (en) * 2013-02-13 2014-08-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Thin film, method of forming thin film, semiconductor device including thin film, and method of manufacturing semiconductor device
WO2014136916A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 住友金属鉱山株式会社 酸窒化物半導体薄膜
US20140273342A1 (en) * 2013-03-13 2014-09-18 Applied Materials, Inc. Vth control method of multiple active layer metal oxide semiconductor tft

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275236A (ja) * 2007-04-25 2009-11-26 Canon Inc 酸窒化物半導体
JP2010535431A (ja) * 2007-08-02 2010-11-18 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 薄膜半導体材料を用いる薄膜トランジスタ
WO2013106166A1 (en) * 2012-01-13 2013-07-18 Applied Materials, Inc. Thin film semiconductors made through low temperature process
JP2013211537A (ja) * 2012-02-29 2013-10-10 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置
JP2014082424A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Idemitsu Kosan Co Ltd 半導体装置の製造方法
US20140225106A1 (en) * 2013-02-13 2014-08-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Thin film, method of forming thin film, semiconductor device including thin film, and method of manufacturing semiconductor device
WO2014136916A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 住友金属鉱山株式会社 酸窒化物半導体薄膜
US20140273342A1 (en) * 2013-03-13 2014-09-18 Applied Materials, Inc. Vth control method of multiple active layer metal oxide semiconductor tft

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108269854A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 乐金显示有限公司 薄膜晶体管基板及其制造方法和显示装置
CN108269854B (zh) * 2016-12-30 2021-06-29 汉阳大学校产学协力团 薄膜晶体管基板及其制造方法和显示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10665614B2 (en) Display panel and method for manufacturing thin film transistor substrate
US10204973B2 (en) Display device and thin-film transistors substrate
US20120032173A1 (en) Top gate thin film transistor and display apparatus including the same
JP2011138934A (ja) 薄膜トランジスタ、表示装置および電子機器
US8633479B2 (en) Display device with metal oxidel layer and method for manufacturing the same
US20160163868A1 (en) Thin-film transistor, method of fabricating thin-film transistor, and display device
US8785243B2 (en) Method for manufacturing a thin film transistor array panel
US20160343739A1 (en) Thin film transistor, method of manufacturing thin film transistor, array substrate and display device
JP2011155061A (ja) 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、表示装置、電子機器
US9893193B2 (en) Thin-film transistor including a gate electrode with a side wall insulating layer and display device
US9691906B2 (en) Method for producing thin film transistor
JP2015149467A (ja) 薄膜トランジスタ基板の製造方法
JP6331052B2 (ja) 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法及び有機el表示装置
JP6142300B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP2016092148A (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP6277356B2 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2016111092A (ja) 薄膜トランジスタ
JP6500202B2 (ja) 薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法
JP2016058554A (ja) 薄膜トランジスタ
JP6358595B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP6358434B2 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
KR20160049172A (ko) 박막트랜지스터 어레이 기판 및 이를 포함하는 표시장치
JP6500203B2 (ja) 薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法
US20200373431A1 (en) Thin film transistor, method for manufacturing same, and display apparatus
JPWO2015045213A1 (ja) 薄膜トランジスタ基板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190305