JP2016092148A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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健史 原田
英治 武田
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英治 武田
孝啓 川島
Takahiro Kawashima
孝啓 川島
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Abstract

【課題】チャネルとして酸窒化亜鉛層を用いる薄膜トランジスタであって、所望の特性を有する薄膜トランジスタを提供する。【解決手段】ゲート電極20と、チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層41と、第1の酸化物半導体層41上に配置される第2の酸化物半導体層42と、ゲート電極20と第1の酸化物半導体層41との間に配置されるゲート絶縁層30とを備え、第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、第2の酸化物半導体層42は、第1の酸化物半導体層41より、シュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが小さい。【選択図】図1

Description

本開示は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)及びその製造方法に関する。
液晶を利用した液晶表示装置又は有機EL(Electro Luminescence)を利用した有機EL(OLED:Organic Light−Emitting Diode)表示装置等のアクティブマトリクス方式の表示装置には、スイッチング素子又は駆動素子として薄膜トランジスタが用いられている。
薄膜トランジスタのチャネル層は、ゲート電極に印加される電圧によってキャリアの移動が制御されるチャネル領域を有する。チャネル層の材料としては、アモルファスシリコン等の種々の半導体材料が検討されている。
近年、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)をチャネル層に用いた酸化物半導体TFTの開発が進められている。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)の金属酸化物(IGZO)からなるTAOSをチャネル層に用いた酸化物半導体TFTが実用化されている。
しかし、IGZOではキャリア移動度が10cm/Vsまでしか見込めないため、近年、さらに高いキャリア移動度を有するTAOS材料が検討されている(特許文献1)。
特開2010−251604号公報
キャリア移動度が高いTAOS材料として、酸窒化亜鉛(ZnON)が提案されている。ZnONをチャネル層に用いた薄膜トランジスタでは、ZnONのキャリア移動度が高いことにより、大きなオン電流が得られる。これにより、薄膜トランジスタの素子サイズを小さくしても十分なオン電流を得ることができるため、表示装置の画素を高精細化することができる。
ZnONをチャネル層に用いる薄膜トランジスタの製造において、ZnON膜をパターニングする場合に、シュウ酸系のエッチャントによってウェットエッチングを行う方法を採用することができる。しかしながら、当該ウェットエッチングのエッチングレートが1000nm/min程度と非常に大きいため、エッチャントがZnON層全体になじむ前に、ZnON層の一部が除去されることがあり得る。そのため、当該ウェットエッチングによって、所望の形状にパターニングを行うことが困難である。また、多数の薄膜トランジスタが形成された基板を量産する場合に、ZnON層の加工ばらつきが発生し、同一基板内及び基板間の薄膜トランジスタ特性が不均一となることがあり得る。すなわち、チャネルとしてZnON層を用いる薄膜トランジスタであって、所望の特性を有する薄膜トランジスタを安定的に製造することが困難である。
本開示は、チャネルとしてZnON層を用いる薄膜トランジスタであって、所望の特性を有する薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための薄膜トランジスタの一態様は、ゲート電極と、チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層と、前記第1の酸化物半導体層上に配置される第2の酸化物半導体層と、前記ゲート電極と前記第1の酸化物半導体層との間に配置されるゲート絶縁層とを備え、前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、前記第2の酸化物半導体層は、前記第1の酸化物半導体層より、シュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが小さい。
また、上記目的を達成するための薄膜トランジスタの製造方法の一態様は、ゲート電極と、チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層と、第2の酸化物半導体層と、前記ゲート電極と前記第1の酸化物半導体層との間に配置されるゲート絶縁層とを備える薄膜トランジスタの製造方法であって、前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、前記製造方法は、第1の酸化物半導体膜を成膜する第1の成膜工程と、前記第1の酸化物半導体膜上に第2の酸化物半導体膜を成膜する第2の成膜工程と、ウェットエッチングによって前記第1の酸化物半導体膜及び前記第2の酸化物半導体膜を一括してパターニングすることにより、前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層をそれぞれ形成するエッチング工程とを含み、前記第2の酸化物半導体膜は、前記第1の酸化物半導体膜より、前記ウェットエッチングによるエッチングレートが小さい。
チャネルとしてZnON層を用いる薄膜トランジスタであって、所望の特性を有する薄膜トランジスタを実現できる。
図1は、実施の形態1に係る薄膜トランジスタの断面図である。 図2Aは、実施の形態1に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 図2Bは、実施の形態1に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 図2Cは、実施の形態1に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 図3は、実施の形態1に係る酸化物半導体部を成膜するための真空チャンバー内の概要を示す断面図である。 図4は、実施の形態1に係る各酸化物半導体層のXRD(X−Ray Diffraction)による測定結果を示すグラフである。 図5は、実施の形態1に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体部におけるキャリアパスを示す断面図である。 図6は、実施の形態1に係る薄膜トランジスタの断面の走査型電子顕微鏡像例である。 図7は、酸化物半導体部をエッチングする際に起こる現象を説明するための模式図である。 図8は、実施の形態2に係る薄膜トランジスタの断面図である。 図9Aは、実施の形態2に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 図9Bは、実施の形態2に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 図9Cは、実施の形態2に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程を示す断面図である。 図10は、実施の形態2に係る酸化物半導体部の断面の走査型電子顕微鏡像例である。 図11は、実施の形態2に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体部におけるキャリアパスを示す断面図である。 図12は、実施の形態に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。 図13は、実施の形態に係る有機EL表示装置における画素回路の一例の構成を示す電気回路図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔をあけて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1及びその製造方法について、図面を用いて説明する。
[1−1.薄膜トランジスタの構成]
まず、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の断面図である。
薄膜トランジスタ1は、チャネル層として用いられる酸化物半導体層であって、主成分としてZnONを含む酸化物半導体層を備えた酸化物半導体TFTである。図1に示すように、薄膜トランジスタ1は、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁層30と、酸化物半導体部40と、絶縁層50と、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと、保護層70とを備える。本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1は、チャネル保護型でボトムゲート型のTFTであり、トップコンタクト構造が採用されている。
以下、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の各構成要素について詳述する。
基板10は、絶縁材料からなる絶縁基板であり、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス又は高耐熱性ガラス等のガラス材料で構成されるガラス基板である。
なお、基板10は、ガラス基板に限らず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の樹脂材料からなる樹脂基板等であってもよい。また、基板10は、リジッド基板ではなく、フレキシブルガラス基板又はフレキシブル樹脂基板等のシート状又はフィルム状の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。フレキシブル樹脂基板としては、例えば、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム材料の単層又は積層で構成された基板を用いることができる。なお、基板10の表面にアンダーコート層を形成してもよい。
ゲート電極20は、金属等の導電性材料又はその合金等からなる導電膜の単層構造又は多層構造の電極であり、基板10の上方に所定形状で形成される。ゲート電極20の膜厚は、例えば、20nm〜500nmである。
ゲート電極20の材料としては、例えば、モリブデン、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、マンガン、クロム、タンタル、ニオブ、銀、金、プラチナ、パラジウム、インジウム、ニッケル、ネオジム等の金属、又は、これらの中から選ばれる金属の合金(モリブデンタングステン等)が用いられる。
なお、ゲート電極20の材料は、これらに限るものではなく、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物、又は、ポリチオフェンやポリアセチレン等の導電性高分子材料等を用いることもできる。
ゲート絶縁層30は、ゲート電極20と酸化物半導体部40との間に配置される。本実施の形態において、ゲート絶縁層30は、ゲート電極20の上方に配置される。例えば、ゲート絶縁層30は、ゲート電極20が形成された基板10上の全面にゲート電極20を覆うように成膜される。ゲート絶縁層30の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
ゲート絶縁層30は、電気絶縁性を有する材料から構成され、一例として、シリコン酸化膜、窒化シリコン膜、シリコン酸窒化膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜又は酸化ハフニウム膜等の単層膜、あるいは、これらの膜を複数積層した積層膜である。
酸化物半導体部40は、ゲート電極20の上方において、ゲート絶縁層30上に所定形状で形成される。例えば、酸化物半導体部40は、ゲート絶縁層30上に島状に形成される。本実施の形態において、酸化物半導体部40は、薄膜トランジスタ1のチャネル層である。つまり、酸化物半導体部40は、ゲート絶縁層30を挟んでゲート電極20と対向するチャネル領域を含む半導体層である。また、酸化物半導体部40は、図1に示すように、第1の酸化物半導体層41と、第1の酸化物半導体層41上に配置される第2の酸化物半導体層42とを備える。酸化物半導体部40の全体の膜厚は、例えば、30nm〜200nmである。また、第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42の膜厚は、例えば、それぞれ、10nm〜50nm及び20nm〜190nmであり、第1の酸化物半導体層41の膜厚は、第2の酸化物半導体層42の膜厚より小さい。
酸化物半導体部40の第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42は、ともにZnONを主成分として含む層である。ここで、第2の酸化物半導体層42は、第1の酸化物半導体層41より、シュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが小さい。例えば、第1の酸化物半導体層41のエッチングレートは、400nm/minより大きく、第2の酸化物半導体層42のエッチングレートは、30nm/min以上、400nm/min以下である。このようなエッチングレートの違いは、第1の酸化物半導体層41と第2の酸化物半導体層42との結晶性の相違に起因する。すなわち、第1の酸化物半導体層41は、アモルファス状態のZnON層であり、第2の酸化物半導体層42は、アモルファス状態のZnON層にZnO(酸化亜鉛)の結晶相が混在している、言わば、結晶ライクなZnON層である。また、この場合、第2の酸化物半導体層42は、第1の酸化物半導体層41より、バンドギャップが大きくなる。例えば、第1の酸化物半導体層41のバンドギャップは、0.7eVより大きく、0.9eV以下であり、第2の酸化物半導体層42のバンドギャップは、0.9eVより大きく、3.4eV未満である。また、酸化物半導体部40を所望の形状に加工するためには、第2の酸化物半導体層42のシュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートは小さい方が好ましい。すなわち、第2の酸化物半導体層42のバンドギャップはより大きい方が好ましい。一方、第2の酸化物半導体層42のバンドギャップが大き過ぎる場合には、第2の酸化物半導体層42のキャリア移動度が小さくなるため、キャリア移動度の観点からは、バンドギャップは小さい方が好ましい。これらの事項を考慮すると、第2の酸化物半導体層42のバンドギャップは、1.1eV以上、1.8eV以下であることが好ましい。
なお、ZnONはその結晶性によってバルク抵抗が変化する。例えば、第1の酸化物半導体層41のようなアモルファス状のZnONのバルク抵抗は1×10[Ωcm]以下である。また、第2の酸化物半導体層42のような結晶ライクなZnONのバルク抵抗は1×10[Ωcm]より大きい。
絶縁層50は、酸化物半導体部40上に配置される。具体的には、絶縁層50は、酸化物半導体部40を覆うようにゲート絶縁層30上に成膜される。絶縁層50の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
本実施の形態において、絶縁層50は、酸化物半導体部40のチャネル領域を保護する保護膜(チャネル保護層)として機能する。具体的には、絶縁層50は、酸化物半導体部40の上方に形成されるソース電極60S及びドレイン電極60Dをエッチングによってパターニングする際に、酸化物半導体部40がエッチングされることを防止するエッチストッパ層として機能する。これにより、ボトムゲート型TFTにおいて、酸化物半導体部40のバックチャネル側のプロセスダメージを低減することができる。また、本実施の形態において、絶縁層50は、基板10上の全面に形成された層間絶縁層である。
絶縁層50は、電気絶縁性を有する材料から構成される。例えば、絶縁層50は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜又は酸化アルミニウム膜等の単層膜、あるいは、これらの積層膜から構成される。
シリコン酸化膜は、シリコン窒化膜と比べて成膜時における水素の発生が少ない。したがって、絶縁層50としてシリコン酸化膜を用いることによって、水素還元による酸化物半導体部40の性能劣化を抑制できる。さらに、絶縁層50として酸化アルミニウム膜を形成することによって、上層で発生する水素や酸素を酸化アルミニウム膜によってブロックすることができる。これらのことから、絶縁層50としては、例えば、シリコン酸化膜、酸化アルミニウム膜及びシリコン酸化膜の3層構造の積層膜を用いるとよい。
なお、絶縁層50の材料としては、上記のような無機物に限るものではなく、有機物を主成分とする材料を用いてもよい。
また、絶縁層50には、当該絶縁層50の一部を貫通するように開口部(コンタクトホール)が形成されている。この絶縁層50の開口部を介して、酸化物半導体部40とソース電極60S及びドレイン電極60Dとが接続されている。
ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層50の上方に少なくとも一部が位置し、かつ、酸化物半導体部40の第2の酸化物半導体層42と接続されるように所定形状で形成される。具体的には、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層50上においては基板10に水平な方向(基板水平方向)に離間して互いに対向して配置されており、かつ、絶縁層50に形成された開口部を介して酸化物半導体部40の第2の酸化物半導体層42に接続されている。絶縁層50上におけるソース電極60S及びドレイン電極60Dの膜厚は、例えば、20nm〜500nmである。
ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、導電性材料又はその合金等からなる導電膜の単層構造又は多層構造の電極である。ソース電極60S及びドレイン電極60Dの材料には、例えば、アルミニウム、タンタル、モリブデン、タングステン、銀、銅、チタン又はクロム等が用いられる。一例として、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、モリブデンタングステン膜(MoW膜)で形成される単層構造の電極である。
保護層70は、ソース電極60S及びドレイン電極60D上に配置される絶縁膜である。具体的には、保護層70は、ソース電極60S及びドレイン電極60Dを覆うように絶縁層50上に成膜される。保護層70の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
保護層70は、電気絶縁性を有する材料から構成され、一例として、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜又は酸化アルミニウム膜等の単層膜、あるいは、これらの積層膜である。
[1−2.薄膜トランジスタの製造方法]
次に、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法について、図2A〜2Cを用いて説明する。
図2A〜2Cは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法における各工程を示す断面図である。
まず、図2Aの断面図(a)に示すように基板10を準備し、基板10の上方に所定形状のゲート電極20を形成する。例えば、基板10上に金属膜をスパッタ法によって成膜し、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法を用いて金属膜を加工することにより、所定形状のゲート電極20を形成する。なお、ゲート電極20を形成する前に、基板10の表面にシリコン酸化膜等のアンダーコート層を形成してもよい。
次に、図2Aの断面図(b)に示すように、ゲート電極20上にゲート絶縁層30を形成する。本実施の形態では、ゲート電極20を覆うように基板10上の全面にゲート絶縁層30を成膜する。なお、基板10の表面にアンダーコート層が形成されている場合には、アンダーコート層上にゲート絶縁層30を成膜する。
ゲート絶縁層30は、例えば、シリコン酸化膜である。この場合、シランガス(SiH)及び亜酸化窒素ガス(NO)を導入ガスに用いて、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってシリコン酸化膜を成膜することができる。なお、亜酸化窒素ガスの希釈ガスとしてアルゴン(Ar)を添加してもよい。これにより効率的にガスが分解され、良質なシリコン酸化膜が形成され、かつ、亜酸化窒素ガスの使用量を抑えることができる。
ゲート絶縁層30は、単層膜でもよいが、積層膜としてもよい。例えば、ゲート絶縁層30として、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とを順に成膜した積層膜を用いることができる。シリコン窒化膜は、例えば、シランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)及び窒素ガス(N)を導入ガスに用いて、プラズマCVD法によって成膜することができる。
次に、図2Aの断面図(c)に示すように、ゲート絶縁層30の表面を、窒素元素を含むガスを用いたプラズマ300に曝すことによって、ゲート絶縁層30の表面に窒素原子を付着させる。これにより、ゲート絶縁層30上にZnON膜を成膜する際に、ZnON膜の結晶化を抑制することができる。本実施の形態では、ゲート絶縁層30を形成した後、後述する第1の酸化物半導体膜41aを成膜する前に、当該プラズマ処理を行う。
具体的には、当該プラズマ処理は、ゲート絶縁層30の成膜に連続して行われる。つまり、プラズマCVD装置を用いてゲート絶縁層30を成膜した後、チャンバー内の真空を破ることなく、当該プラズマ処理を行う。これにより、不純物が混入する可能性を低減することができる。
窒素元素を含むガスは、窒素ガス(N)又は亜酸化窒素ガス(NO)である。つまり、窒素元素を含むガスの雰囲気下でプラズマ処理を行うことで、ゲート絶縁層30の表面に窒素原子を付着させる。
以下、具体的なプラズマ処理の条件について説明する。
プロセス圧力は、例えば、50Pa〜200Paであり、好ましくは、100Pa〜150Paである。プロセス距離は、500mils〜1000milsであり、好ましくは、600mils〜800milsである。パワー密度は、0.1W/cm〜0.2W/cmである。
プロセス時間は、10秒〜300秒であり、好ましくは、30秒〜60秒である。窒素ガス又は亜酸化窒素ガスの規格化流量は、0.3sccm/cm〜1.0sccm/cmである。
このとき、プラズマ処理の基板温度は、ゲート絶縁層30の成膜温度と同じであることが好ましい。これにより、ゲート絶縁層30の成膜、及び、プラズマ処理を同一のチャンバー内で連続して行うことができる。また、基板温度が同じであるから、基板温度の変更に要する時間も必要ないので、プロセス時間を短くすることができ、生産性を高めることができる。
次に、図2Aの断面図(d)に示すように、基板10の上方に第1の酸化物半導体膜41aを成膜する。具体的には、ゲート絶縁層30上に、ZnONを主成分として含む酸化物半導体から構成される第1の酸化物半導体膜41a(ZnON膜)をスパッタリングによって成膜する。
より具体的には、スパッタリングターゲットとして、亜鉛(Zn、純度:99.99%以上)を用いて、真空チャンバー内に不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを流入するとともに反応性ガスとして窒素(N)、酸素(O)を含むガスを流入する。なお、反応性ガスに亜酸化窒素(NO)がふくまれてもよい。そして、パワー密度が0.15W/cm〜0.25W/cmとなるように、電圧をターゲット材に印加する。これにより、ゲート絶縁層30上にZnON膜からなる第1の酸化物半導体膜41aを成膜することができる。ここで、パワー密度が小さい方がZnONの結晶性が結晶ライクになり、バンドギャップが大きくなる傾向がある。なお、スパッタリングターゲットは、純粋な亜鉛に限られない。例えば、スパッタリングターゲットは、1%以下のアルミニウム(Al)又は錫(Sn)を含む亜鉛でもよい。
また、反応性ガスとして酸素ガス(O)及び窒素ガス(N)を用いる場合、成膜時における酸素ガス及び窒素ガスの流量の和に対する酸素ガスの流量の比が、1%〜3%となるように調整される。当該酸素ガスの流量の比と上記パワー密度とを調整することによって、第1の酸化物半導体膜41a(ZnON膜)の窒素濃度、結晶性、バンドギャップ、バルク抵抗等を変更することができる。例えば、上記流量の比が大きい方がZnONの結晶性が結晶ライクになり、バンドギャップが大きくなる傾向がある。また、基板温度は、例えば、室温に設定すればよい。また、成膜圧力は、0.2Pa〜1.0Paに設定すればよい。例えば、真空チャンバー内の成膜圧力を0.6Pa程度に維持し、上記酸素ガスの流量の比が2%となるように酸素ガス及び窒素ガスを真空チャンバー内に流入させ、パワー密度が0.2W/cmとなるように電圧をターゲット在に印加することにより、アモルファス状態のZnONから構成される第1の酸化物半導体膜41aを成膜することができる。
次に、図2Bの断面図(e)に示すように、基板10の上方に第2の酸化物半導体膜42aを成膜する。具体的には、第1の酸化物半導体膜41a上に、ZnONを主成分として含む酸化物半導体から構成される第2の酸化物半導体膜42a(ZnON膜)をスパッタリングによって成膜する。
より具体的には、スパッタリングターゲット及び真空チャンバー内に流入するガスの種類として、上述の第1の酸化物半導体膜41aの場合と同様のものを用いる。そして、パワー密度が0.05W/cm〜0.15W/cmとなるように、電圧をターゲット材に印加する。これにより、第1の酸化物半導体膜41a上にZnON膜からなる第2の酸化物半導体膜42aを成膜することができる。
また、反応性ガスとして酸素(O)及び窒素(N)を用いる場合、成膜時における酸素ガス及び窒素ガスの流量の和に対する酸素ガスの流量の比が、1%〜20%となるように調整される。この流量の比を調整することによって、第2の酸化物半導体膜42a(ZnON膜)の窒素濃度、結晶性、バンドギャップ等を変更することができる。また、基板温度は、例えば、室温に設定すればよい。また、成膜圧力は、0.2Pa〜1.0Paに設定すればよい。例えば、成膜圧力を0.6Pa程度に維持し、上記酸素ガスの流量の比が5%となるように酸素ガス及び窒素ガスを真空チャンバー内に流入させ、パワー密度が0.07W/cmとなるように電圧をターゲット在に印加することにより、結晶ライクなZnONから構成される第2の酸化物半導体膜42aを成膜することができる。
なお、本実施の形態では、上述の第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aの成膜において、さらに、膜質を向上するための手段を用いているが、当該手段については、後述する。
次に、図2Bの断面図(f)に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて、第2の酸化物半導体膜42a上にレジスト80を形成する。本実施の形態では、レジスト80をゲート電極20に対向する位置を含む領域に島状に形成する。
次に、図2Bの断面図(g)に示すように、第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aのうち、レジスト80で覆われていない部分をウェットエッチングによって除去する。これにより、ゲート電極20に対向する位置を含む島状の第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42を形成することができる。ここで、ウェットエッチングにおいて用いるエッチャントとしては、シュウ酸系のエッチャントが用いられる。エッチング時の温度は40℃でよい。
なお、当該エッチャントに対する第1の酸化物半導体膜41aのエッチングレートは1000nm/min程度と非常に大きい。そのため、第1の酸化物半導体膜41aだけをエッチングする場合には、エッチャントが酸化物半導体部40層全体になじむ前に(例えば、20秒程度以内に)、第1の酸化物半導体膜41aの一部が除去されることがあり得る。しかしながら、本実施の形態では、第1の酸化物半導体膜41a上に、シュウ酸系のエッチャントに対するエッチングレートが比較的小さい第2の酸化物半導体膜42aが設けられている。これにより、エッチャントが第2の酸化物半導体膜42a全体になじむ前に、第2の酸化物半導体膜42a及びそれに覆われた第1の酸化物半導体膜41aが除去されることが抑制される。したがって、第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aをレジスト80の形状に即した所望の形状に加工することができる。また、本実施の形態では、第2の酸化物半導体膜42aの膜厚が、第1の酸化物半導体膜41aの膜厚より大きくなるように成膜される。これにより、薄膜トランジスタ1の第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aを同時に、シュウ酸系のエッチャントを用いてエッチングする場合に、膜厚の大きい第2の酸化物半導体膜42aのエッチングレートが支配的となる。
次に、図2Bの断面図(h)に示すように、アルカリ溶液等の剥離液によってレジスト80を除去する。
次に、図2Cの断面図(i)に示すように、酸化物半導体部40上に絶縁層50を形成する。本実施の形態では、酸化物半導体部40を覆うようにしてゲート絶縁層30上の全面に絶縁層50を成膜する。
絶縁層50は、例えば、シリコン酸化膜である。この場合、シランガス(SiH)及び亜酸化窒素ガス(NO)を導入ガスに用いて、プラズマCVD法によってシリコン酸化膜を成膜することができる。
次に、図2Cの断面図(j)に示すように、酸化物半導体部40の第2の酸化物半導体層42の一部を露出させるように、絶縁層50にコンタクトホールを形成する。具体的には、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によって絶縁層50の一部をエッチング除去することによって、第2の酸化物半導体層42のソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域となる領域上にコンタクトホール(開口部)を形成する。
例えば、絶縁層50がシリコン酸化膜である場合、反応性イオンエッチング(RIE)法によるドライエッチング法によってシリコン酸化膜にコンタクトホールを形成することができる。この場合、エッチングガスとしては、例えば、四フッ化炭素(CF)及び酸素ガス(O)を用いることができる。
次に、図2Cの断面図(k)に示すように、酸化物半導体部40の第2の酸化物半導体層42に接続されたソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。例えば、絶縁層50に形成したコンタクトホールを埋めるようにして、絶縁層50上に所定形状のソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。
本実施の形態では、ソース電極60S及びドレイン電極60Dとして、MoW膜の単層構造の電極を形成する。この場合、まず、絶縁層50のコンタクトホールを埋めるようにして絶縁層50上に、MoW膜をスパッタリング法によって成膜する。その後、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法によって、MoW膜をパターニングする。これにより、所定形状のソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成することができる。
なお、MoW膜のエッチング液としては、例えば、過酸化水素水(H)及び有機酸を混合した薬液を用いることができる。
次に図2Cの断面図(m)に示すように、ソース電極60S及びドレイン電極60Dの上に保護層70を形成する。本実施の形態では、ソース電極60S及びドレイン電極60Dを覆うようにして絶縁層50上の全面に保護層70を成膜する。
保護層70は、例えば、シリコン酸化膜である。この場合、シランガス(SiH)及び亜酸化窒素ガス(NO)を導入ガスに用いて、プラズマCVD法によってシリコン酸化膜を成膜することができる。
以上のようにして、図1に示す構成の薄膜トランジスタ1を製造することができる。
[1−3.酸化物半導体膜の膜質向上手段]
上述したとおり、本実施の形態では、第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aが成膜されるが、これらの膜質を向上させるために、以下の三つの手段が用いられる。
[1−3−1.マスクに対するプリスパッタ]
膜質向上のための手段として、まず、マスクに対するプリスパッタについて、図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る酸化物半導体部40を成膜するための真空チャンバー内の概要を示す断面図である。
図3に示すように、真空チャンバー200内には、基板10以外に、基板10を支持するステージ240、ターゲット210、マスク220などが備えられる。ここで、マスク220は、スパッタリング時に酸化物半導体が真空チャンバー200の内面などに付着することを軽減するための部材であって、基板10の周囲に設けられる。マスク220は、例えば、ステンレスなどで構成される。ここで、スパッタリングによってマスク220に付着した酸化物半導体が、マスク220から剥がれ落ちる場合がある。マスク220から剥がれ落ちた酸化物半導体粒子が基板10上に付着すると、基板10上の薄膜トランジスタ1の品質劣化を引き起こす。そこで、本実施の形態では、マスク220から酸化物半導体が剥がれることを抑制するために、マスク220の表面に亜鉛膜230をスパッタリングによって予め形成しておく(すなわち、プリスパッタしておく)。これにより、ZnONから構成される酸化物半導体が亜鉛膜230に安定的に付着し、剥がれにくくなる。また、酸化物半導体が剥がれることをより軽減するために、マスク220の表面に微小な凹凸を設けてもよい。なお、亜鉛膜230は、スパッタリング以外の公知の成膜方法によって形成してもよい。
[1−3−2.基板温度の安定化]
次に、成膜時の基板10の温度の安定化制御について、図3を用いて説明する。
スパッタリングによって酸化物半導体膜を成膜する際に、真空チャンバー200内が加熱され、基板10の温度も上昇する。これにより、酸化物半導体膜の膜質が変化する。特に、本実施の形態では、第1の酸化物半導体膜41aとしてキャリア移動度が高いアモルファス状態のZnON膜を成膜するが、基板10の温度が上昇することによってZnON膜の一部が結晶化し、アモルファス状態のZnONを得られない場合がある。そのため、本実施の形態では、基板10の温度を安定化させるように制御が行われる。基板10の温度を安定化させるために、主に、基板10を支持するステージ240(図3参照)の温度を制御する。ステージ240の温度を制御するための態様としては、例えば、ステージ240内に温度制御用の配管を設けて、温度センサの出力に基づいて、温度制御された液体又は気体を当該配管内に循環させてもよい。又は、ステージ240にペルチェ素子を設けて温度制御してもよい。さらに、真空チャンバー200及び真空チャンバー200内のステージ240以外の構成要素の温度を制御してもよい。
[1−3−3.成膜位置毎のガス流量制御]
次に、成膜時の成膜位置(基板10上の位置)毎のガス流量を制御する手段について説明する。
基板10上に、均一な膜質の酸化物半導体膜を成膜するためには、基板10上のガス流量を均一にする必要がある。しかしながら、特に基板10の寸法が大きい場合には、基板10上のガス流量が不均一になりやすい。そこで、本実施の形態では、真空チャンバー200にガス導入口(図示せず)を複数設けて、各ガス導入口から真空チャンバー200内に流入するガス流量を制御することによって、成膜位置(基板10上の位置)毎のガス流量を均一化する。例えば、ガス導入口は、ガス種毎に四か所以上あればよい。ガス導入口を四か所設ける場合には、基板10の四隅からガスを流入させて、各ガス導入口からのガス流量を制御することによって、成膜位置毎のガス流量を均一化できる。これにより、成膜位置毎の膜質を均一化できる。なお、ガス導入口の個数及び位置は、真空チャンバー200及び基板10の形状、寸法などに応じて、ガス種毎に適宜選択してよい。
[1−4.薄膜トランジスタの特性]
次に、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の特性について図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の各酸化物半導体層の結晶性について、図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る各酸化物半導体層のXRD(X−Ray Diffraction)による測定結果を示すグラフである。図4のグラフ(a)及びグラフ(b)が第1の酸化物半導体層41、及び、第2の酸化物半導体層42の測定結果をそれぞれ示す。また、図4において、点線によって、ZnO結晶相の回折ピークを示し、点線付近に記された数字は、ZnO結晶の結晶格子面を示す。
図4のグラフ(a)に示すように、第1の酸化物半導体層41の測定結果においては、ZnO結晶相を示すピークが見られない。したがって、第1の酸化物半導体層41は、アモルファス状態のZnONから構成されると認められる。
また、図4のグラフ(b)に示すように、第2の酸化物半導体層42の測定結果においては、複数のピークが確認される。したがって、第2の酸化物半導体層42は、ZnOの結晶相が混在しているZnONから構成されると認められる。
以上に述べたような各酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタ1のキャリアパスについて図5を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の酸化物半導体部40におけるキャリアパスを示す断面図である。図5において、点線によってキャリアパス301が示されている。
また、図5に示すように、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、バンドギャップの大きい第2の酸化物半導体層42に接続される。そのため、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと第2の酸化物半導体層42とが接続される部分がキャリアパスの一部を構成する。ここで、ゲート電極20は、ゲート絶縁層30を挟んで第1の酸化物半導体層41と対向する。これにより、第1の酸化物半導体層41にチャネルが形成されるため、キャリアパスは、ソース電極60S及びドレイン電極60D付近を除いて、大部分が第1の酸化物半導体層41内に形成される。
したがって、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1では、そのキャリアパスの大部分が、バンドギャップが小さくキャリア移動度が高い第1の酸化物半導体層41内に形成されるため、大きいオン電流が得られる。
[1−5.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1は、ゲート電極20と、チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層41と、第1の酸化物半導体層41上に配置される第2の酸化物半導体層42と、ゲート電極20と第1の酸化物半導体層41との間に配置されるゲート絶縁層30とを備える。ここで、第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42は、主成分としてZnON(酸窒化亜鉛)を含み、第2の酸化物半導体層42は、第1の酸化物半導体層41より、シュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが小さい。
これにより、薄膜トランジスタ1の第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42を、第1の酸化物半導体膜41aとその上に配置されたエッチングレートが小さい第2の酸化物半導体膜42aとを同時に、シュウ酸系のエッチャントを用いてエッチングすることによって形成することができる。この場合、第1の酸化物半導体膜41aを、第2の酸化物半導体膜42aとほぼ同じエッチングレートでエッチングできるため、第1の酸化物半導体膜41a単体をエッチングする場合より、所望の形状にエッチングし易い。したがって、薄膜トランジスタ1は、第2の酸化物半導体層42を備えない薄膜トランジスタと比較して、第1の酸化物半導体層41を所望の形状にパターニングし易い構成を有する。つまり、薄膜トランジスタ1は、チャネルとしてキャリア移動度が高いZnON層を用い、かつ、所望の特性を備えるように製造し易い構成を有する。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1において、第2の酸化物半導体層42は、第1の酸化物半導体層41より、バンドギャップが大きいとも言える。すなわち、主成分としてZnONを含む酸化物半導体層のシュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートは、バンドギャップの大きさと対応する。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1において、第1の酸化物半導体層41のバンドギャップは、0.7eVより大きく、0.9eV以下であり、第2の酸化物半導体層42のバンドギャップは、0.9eVより大きく、3.4eV未満である。
この場合、第1の酸化物半導体層41はアモルファス状態で、キャリア移動度が高いZnON層であるため、薄膜トランジスタ1において大きいオン電流を得られる。一方、第2の酸化物半導体層42は、結晶ライクな状態であるため、そのエッチングレートが第1の酸化物半導体層41より小さい。したがって、上述のとおり、薄膜トランジスタ1は、第1の酸化物半導体層41を所望の形状にパターニングし易い構成を有する。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1において、第2の酸化物半導体層42のバンドギャップは、1.1eV以上、1.8eV以下である。
この場合、第2の酸化物半導体層42のエッチングレートが第1の酸化物半導体層41より十分小さく、かつ、第2の酸化物半導体層42におけるキャリア移動度が小さくなり過ぎることを抑制できる。したがって、薄膜トランジスタ1は、第1の酸化物半導体層41を所望の形状にパターニングし易い構成を有し、かつ、高いオン電流を得ることができる。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1において、第1の酸化物半導体層41のシュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートは、400nm/minより大きく、第2の酸化物半導体層42のエッチングレートは、30nm/min以上、400nm/min以下である。
これにより、第2の酸化物半導体層42は、エッチングによって所望の形状に加工できるエッチングレートを有する。したがって、薄膜トランジスタ1は、第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42をエッチングによって所望の形状にパターニングできる構成を有する。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1において、第1の酸化物半導体層41の膜厚は、第2の酸化物半導体層42の膜厚より小さい。
これにより、薄膜トランジスタ1の第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42を同時に、シュウ酸系のエッチャントを用いたエッチングによって形成する場合に、膜厚の大きい第2の酸化物半導体層42のエッチングレートが支配的となる。したがって、薄膜トランジスタ1は、第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42をエッチングによって所望の形状にパターニングできる構成を有する。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1の製造方法は、第1の酸化物半導体膜41aを成膜する第1の成膜工程と、第1の酸化物半導体膜41a上に第2の酸化物半導体膜42aを成膜する第2の成膜工程と、ウェットエッチングによって第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aを一括してパターニングすることにより、第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42をそれぞれ形成するエッチング工程とを含む。ここで、第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aは、主成分としてZnONを含み、第2の酸化物半導体膜42aは、第1の酸化物半導体膜41aより、ウェットエッチングによるエッチングレートが小さい。
これにより、薄膜トランジスタ1の第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42は、第1の酸化物半導体膜41aとその上に配置されたエッチングレートが小さい第2の酸化物半導体膜42aとを、同時にシュウ酸系のエッチャントによってエッチングすることによって形成される。この場合、第1の酸化物半導体膜41aを、第2の酸化物半導体膜42aとほぼ同じエッチングレートでエッチングできるため、第1の酸化物半導体膜41a単体をエッチングする場合より、所望の形状にエッチングし易い。したがって、薄膜トランジスタ1の製造方法によって、第1の酸化物半導体層41を所望の形状にパターニングすることができる。つまり、薄膜トランジスタ1の製造方法によって、チャネルとしてキャリア移動度が高いZnON層を用い、かつ、所望の特性を備える薄膜トランジスタ1を製造することができる。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1の製造方法において、第1の酸化物半導体膜41aのエッチングレートは、400nm/minより大きく、第2の酸化物半導体膜42aのエッチングレートは、30nm/min以上、400nm/min以下である。
これにより、第2の酸化物半導体膜42aは、エッチングによって所望の形状に加工できるエッチングレートを有する。したがって、薄膜トランジスタ1の製造方法においては、第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aをエッチングによって所望の形状にパターニングできる。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1の製造方法において、第1の成膜工程及び第2の成膜工程において、酸素ガス及び窒素ガスを供給しながらスパッタリングを行うことによって成膜し、第2の成膜工程における、酸素ガス及び窒素ガスの流量の和に対する酸素ガスの流量の比は、第1の成膜工程における当該比より大きい。
これにより、第2の酸化物半導体膜42aは、第1の酸化物半導体膜41aより、窒素濃度が小さくなる。すなわち、第2の酸化物半導体膜42aは、第1の酸化物半導体膜41aより結晶ライクなZnON膜となる。そのため、第2の酸化物半導体膜42aのシュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが、第1の酸化物半導体膜41aより小さくなる。
また、本実施の形態の薄膜トランジスタ1の製造方法において、第1の成膜工程において、第1のスパッタリングパワーでスパッタリングを行うことによって成膜し、第2の成膜工程において、第1のスパッタリングパワーより小さい第2のスパッタリングパワーでスパッタリングを行うことによって成膜する。
これにより、第2の酸化物半導体膜42aは、第1の酸化物半導体膜41aより結晶ライクなZnON膜となる。そのため、第2の酸化物半導体膜42aのシュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが、第1の酸化物半導体膜41aより小さくなる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る薄膜トランジスタ2及びその製造方法について、図面を用いて説明する。
本実施の形態では、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1より好ましい形状に酸化物半導体部を形成することができる薄膜トランジスタ2及びその製造方法を示す。
まず、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1の酸化物半導体部40について図6及び図7を用いて説明する。
図6は、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1の断面の走査型電子顕微鏡像例である。
図6に示すように、薄膜トランジスタ1の酸化物半導体部40をエッチングによって形成することによって、酸化物半導体部40の端部において、第2の酸化物半導体層42は残り、第1の酸化物半導体層41だけが抉られるように深くまで除去される場合がある(図6に示す破線の円の内部参照)。図6に示す例を、図7を用いて以下で説明する。
図7は、酸化物半導体部40をエッチングする際に起こる現象を説明するための模式図である。
図7に示すように、酸化物半導体部40をエッチングする場合に、酸化物半導体部40の端部においては、エッチングレートの大きい第1の酸化物半導体層41がエッチャントに曝される。そのため、第1の酸化物半導体層41は、その端部41eの特に下方において、第2の酸化物半導体層42より深くまで除去されて、逆テーパー形状となる場合がある。
本実施の形態の薄膜トランジスタ2及びその製造方法は、以上に述べた酸化物半導体部端部における逆テーパー形状の発生を抑制するための構成を有する。以下、本実施の形態の薄膜トランジスタ2及びその製造方法について、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1及びその製造方法との相違点を中心に説明し、共通する構成及び製造工程については、説明を省略する。
[2−1.薄膜トランジスタの構成]
まず、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の構成について、図8を用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の断面図である。
薄膜トランジスタ2は、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1と同様に、チャネルとして用いられる酸化物半導体層であって、主成分としてZnONを含む酸化物半導体層を備えた酸化物半導体TFTである。図8に示すように、薄膜トランジスタ2は、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁層30と、酸化物半導体部40Aと、絶縁層50と、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと、保護層70とを備える。
薄膜トランジスタ2の構成要素のうち、基板10、ゲート電極20、ゲート絶縁層30、絶縁層50、ソース電極60S、ドレイン電極60D及び保護層70は、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1のそれらと同様の構成要素である。
本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2は、酸化物半導体部40Aの構成において、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1と相違する。以下、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の酸化物半導体部40Aについて詳述する。なお、特記しない限り、各構成要素を構成する材料等は、上記実施の形態1の各構成要素と同様である。
図8に示すように、酸化物半導体部40Aは、ゲート電極20の上方において、ゲート絶縁層30上に所定形状で形成される。例えば、酸化物半導体部40Aは、ゲート絶縁層30上に島状に形成される。本実施の形態において、酸化物半導体部40Aは、薄膜トランジスタ2のチャネル層である。つまり、酸化物半導体部40Aは、ゲート絶縁層30を挟んでゲート電極20と対向するチャネル領域を含む半導体層である。本実施の形態に係る酸化物半導体部40Aは、第1の酸化物半導体層41、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43を備える。酸化物半導体部40Aの全体の膜厚は、例えば、30nm〜200nmである。
第1の酸化物半導体層41及び第2の酸化物半導体層42は、上記実施の形態1と同様の構成を有する。
第3の酸化物半導体層43は、第1の酸化物半導体層41の下に配置され、主成分としてZnONを含む層である。また、第3の酸化物半導体層43は、第1の酸化物半導体層41より、シュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが小さい。例えば、第3の酸化物半導体層43のエッチングレートは、30nm/min以上、400nm/min以下である。また、第3の酸化物半導体層43の膜厚は、例えば、1nm〜10nmである。第3の酸化物半導体層43の膜厚が10nmより大きい場合には、キャリア移動度の大きい第1の酸化物半導体層41にチャネル領域が形成されず、所望のオン電流を得られないおそれがある。また、第3の酸化物半導体層43のバンドギャップは、0.9eVより大きく、3.4eV未満である。また、酸化物半導体部40Aを所望の形状に加工するためには、第3の酸化物半導体層43のシュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートは大きい方が好ましい。すなわち、第3の酸化物半導体層43のバンドギャップはより大きい方が好ましい。そのため、第3の酸化物半導体層43のバンドギャップは、1.1eV以上、3.4eV未満であることが好ましい。
[2−2.薄膜トランジスタの製造方法]
次に、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の製造方法について、図9A〜9Cを用いて説明する。
図9A〜9Cは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の製造方法における各工程を示す断面図である。
以下、各層の形成方法が、上記実施の形態1と同様であるものについては、詳細な形成方法の説明を省略する。
まず、図9Aの断面図(a)に示すように、上記実施の形態1に係る薄膜トランジスタ1と同様に、基板10の上方に、所定形状のゲート電極20及びゲート絶縁層30を形成する。なお、上記実施の形態1では、ゲート絶縁層30の表面を、窒素元素を含むガスを用いたプラズマ300に曝すことによって、ゲート絶縁層30の表面に窒素原子を付着させるプラズマ処理工程を用いたが、本実施の形態では、当該工程は用いても用いなくてもよい。
次に、図9Aの断面図(b)に示すように、基板10の上方に第3の酸化物半導体膜43aを成膜する。具体的には、ゲート絶縁層30上に、ZnONを主成分として含む酸化物半導体から構成される第3の酸化物半導体膜43a(ZnON膜)をスパッタリングによって成膜する。成膜条件などは、上記実施の形態1の第2の酸化物半導体膜42aの成膜条件などと同様である。
次に、図9Aの断面図(c)及び断面図(d)に示すように、第3の酸化物半導体膜43a上に第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aを順に成膜する。第1の酸化物半導体膜41a及び第2の酸化物半導体膜42aの成膜条件などは、上記実施の形態1と同様である。
次に、図9Bの断面図(e)に示すように、上記実施の形態1と同様に、フォトリソグラフィ法を用いて、第2の酸化物半導体膜42a上にレジスト80を形成する。
次に、図9Bの断面図(f)に示すように、第1の酸化物半導体膜41a、第2の酸化物半導体膜42a及び第3の酸化物半導体膜43aのうち、レジスト80で覆われていない部分をウェットエッチングによって除去する。これにより、ゲート電極20に対向する位置を含む島状の第1の酸化物半導体層41、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43を形成することができる。ここで、ウェットエッチングにおいて用いるエッチャントとしては、シュウ酸系のエッチャントが用いられ、エッチング時の温度は40℃でよい。
本実施の形態では、第1の酸化物半導体膜41aの成膜を行う前に、第3の酸化物半導体膜43aを成膜する。これにより、図7に示されるように、第1の酸化物半導体膜41aの端部41eがエッチャントによって、深く抉られることが軽減される。本効果が得られる理由は、完全には解明されていないが、第1の酸化物半導体膜41aの両面がZnONから構成される第2の酸化物半導体膜42a及び第3の酸化物半導体膜43aと強く結合するため、エッチングによって除去されにくくなるためであると推測される。
次に、図9Bの断面図(g)に示すように、アルカリ溶液等の剥離液によってレジスト80を除去する。
次に、図9Bの断面図(h)に示すように、酸化物半導体部40A上に絶縁層50を形成する。
次に、図9Cの断面図(i)に示すように、酸化物半導体部40Aの第2の酸化物半導体層42の一部を露出させるように、絶縁層50にコンタクトホールを形成する。
次に、図9Cの断面図(j)に示すように、酸化物半導体部40Aの第2の酸化物半導体層42に接続されたソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。例えば、絶縁層50に形成したコンタクトホールを埋めるようにして、絶縁層50上に所定形状のソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。
次に、図9Cの断面図(k)に示すように、ソース電極60S及びドレイン電極60Dの上に保護層70を形成する。
以上のようにして、図8に示す構成の薄膜トランジスタ2を製造することができる。
[2−3.薄膜トランジスタの特性]
次に、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の特性について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る酸化物半導体部40Aの端部形状について図10を用いて説明する。
図10は、本実施の形態に係る酸化物半導体部40Aの断面の走査型電子顕微鏡像例である。
図10に示すように、酸化物半導体部40Aは、端部において第1の酸化物半導体層41の端部が抉られておらず、理想的なテーパー形状となっている(図10に示す破線の円の内部参照)。
次に、以上に述べたような酸化物半導体部を備える薄膜トランジスタ2のキャリアパスについて図11を用いて説明する。
図11は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の酸化物半導体部40Aにおけるキャリアパスを示す断面図である。図11において、点線によってキャリアパス302が示されている。
また、図11に示すように、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、バンドギャップの大きい第2の酸化物半導体層42に接続される。そのため、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと第2の酸化物半導体層42とが接続される部分がキャリアパスの一部を構成する。ここで、ゲート電極20は、ゲート絶縁層30を挟んで第3の酸化物半導体層43と対向する。しかしながら、第3の酸化物半導体層43は、十分に薄い膜厚で形成されるため、チャネルは第3の酸化物半導体層43上の第1の酸化物半導体層41に主に形成される。このため、上記実施の形態1と同様に、キャリアパスは、ソース電極60S及びドレイン電極60D付近を除いて、大部分が第1の酸化物半導体層41内に形成される。
したがって、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2でも、そのキャリアパスの大部分が、バンドギャップが小さくキャリア移動度が高い第1の酸化物半導体層41内に形成されるため、大きいオン電流が得られる。
[2−4.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2は、ゲート電極20と、チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層41と、第1の酸化物半導体層41上に配置される第2の酸化物半導体層42と、第1の酸化物半導体層41の下に配置される第3の酸化物半導体層43と、ゲート電極20と第1の酸化物半導体層41との間に配置されるゲート絶縁層30とを備える。ここで、第1の酸化物半導体層41、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43は、主成分としてZnON(酸窒化亜鉛)を含み、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43は、第1の酸化物半導体層41より、シュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが小さい。
これにより、薄膜トランジスタ2の第1の酸化物半導体層41、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43を、第1の酸化物半導体膜41aとその上及び下にそれぞれ配置されたエッチングレートが小さい第2の酸化物半導体膜42a及び第3の酸化物半導体膜43aとを同時に、シュウ酸系のエッチャントを用いてエッチングすることによって形成することができる。この場合、第1の酸化物半導体膜41aを、第2の酸化物半導体膜42aとほぼ同じエッチングレートでエッチングできるため、第1の酸化物半導体膜41a単体をエッチングする場合より、所望の形状にエッチングし易い。したがって、薄膜トランジスタ2は、第2の酸化物半導体層42を備えない薄膜トランジスタと比較して、第1の酸化物半導体層41を所望の形状にパターニングし易い構成を有する。つまり、薄膜トランジスタ2は、チャネルとしてキャリア移動度が高いZnON層を用い、かつ、所望の特性を備えるように製造し易い構成を有する。さらに、薄膜トランジスタ2においては、第3の酸化物半導体層43を備えることにより、エッチングの際に第1の酸化物半導体層41の端部が抉れることを抑制できる。
また、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ2の製造方法は、第1の酸化物半導体膜41aを成膜する第1の成膜工程と、第1の酸化物半導体膜41a上に第2の酸化物半導体膜42aを成膜する第2の成膜工程と、第1の成膜工程を行う前に第3の酸化物半導体膜43aを成膜する第3の成膜工程と、ウェットエッチングによって第1の酸化物半導体膜41a、第2の酸化物半導体膜42a及び第3の酸化物半導体膜43aを一括してパターニングすることにより、第1の酸化物半導体層41、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43をそれぞれ形成するエッチング工程とを含む。ここで、第1の酸化物半導体膜41a、第2の酸化物半導体膜42a及び第3の酸化物半導体膜43aは、主成分としてZnONを含み、第2の酸化物半導体膜42a及び第3の酸化物半導体膜43aは、第1の酸化物半導体膜41aより、ウェットエッチングによるエッチングレートが小さい。
これにより、薄膜トランジスタ2の第1の酸化物半導体層41、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43は、第1の酸化物半導体膜41aとその上及び下にそれぞれ配置されたエッチングレートが小さい第2の酸化物半導体膜42a及び第3の酸化物半導体膜43aとを、同時にシュウ酸系のエッチャントによってエッチングすることによって形成される。この場合、第1の酸化物半導体膜41aを、第2の酸化物半導体膜42aとほぼ同じエッチングレートでエッチングできるため、第1の酸化物半導体膜41a単体をエッチングする場合より、所望の形状にエッチングし易い。したがって、薄膜トランジスタ1の製造方法によって、第1の酸化物半導体層41を所望の形状にパターニングすることができる。つまり、薄膜トランジスタ1の製造方法によって、チャネルとしてキャリア移動度が高いZnON層を用い、かつ、所望の特性を備える薄膜トランジスタ1を製造することができる。さらに、薄膜トランジスタ2においては、第3の酸化物半導体膜43aを成膜することにより、エッチングの際に第1の酸化物半導体層41の端部が抉れることを抑制できる。
(表示装置)
次に、上記各実施の形態に係る薄膜トランジスタを表示装置に適用した例について、図12を用いて説明する。なお、本実施の形態では、有機EL表示装置への適用例について説明する。
図12は、実施の形態に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。上述の薄膜トランジスタは、有機EL表示装置におけるアクティブマトリクス基板のスイッチング素子又は駆動素子として用いることができる。
図12に示すように、有機EL表示装置100は、複数個の薄膜トランジスタが配置されたTFT基板(TFTアレイ基板)110と、下部電極(反射電極)である陽極131、EL層(発光層)132及び上部電極(透明電極)である陰極133からなる有機EL素子(発光部)130との積層構造により構成される。
本実施の形態に係るTFT基板110には、上記各実施の形態に係る薄膜トランジスタを用いている。TFT基板110には複数の画素120がマトリクス状に配置されており、各画素120には画素回路が設けられている。
有機EL素子130は、複数の画素120のそれぞれに対応して形成されており、各画素120に設けられた画素回路によって各有機EL素子130の発光の制御が行われる。有機EL素子130は、複数の薄膜トランジスタを覆うように形成された層間絶縁層(平坦化膜)上に形成される。
また、有機EL素子130は、陽極131と陰極133との間にEL層132が配置された構成となっている。陽極131とEL層132との間にはさらに正孔輸送層が積層形成され、EL層132と陰極133との間にはさらに電子輸送層が積層形成されている。なお、陽極131と陰極133との間には、その他の機能層が設けられていてもよい。EL層132をはじめ陽極131と陰極133との間に形成される機能層は、有機材料によって構成された有機層である。
各画素120は、それぞれの画素回路によって駆動制御される。また、TFT基板110には、画素120の行方向に沿って配置される複数のゲート配線(走査線)140と、ゲート配線140と交差するように画素120の列方向に沿って配置される複数のソース配線(信号配線)150と、ソース配線150と平行に配置される複数の電源配線(図12では省略)とが形成されている。各画素120は、例えば直交するゲート配線140とソース配線150とによって区画されている。
ゲート配線140は、各画素回路に含まれるスイッチング素子として動作する第1薄膜トランジスタのゲート電極と行毎に接続されている。ソース配線150は、第1薄膜トランジスタのソース電極と列毎に接続されている。電源配線は、各画素回路に含まれる駆動素子として動作する第2薄膜トランジスタのドレイン電極と列毎に接続されている。
ここで、画素120における画素回路の一例について、図13を用いて説明する。
図13は、実施の形態に係る有機EL表示装置における画素回路の一例の構成を示す電気回路図である。なお、画素回路は、図13に示す構成に限定されるものではない。
図13に示すように、画素回路は、スイッチング素子として動作する第1薄膜トランジスタSwTrと、駆動素子として動作する第2薄膜トランジスタDrTrと、対応する画素120に表示するためのデータを記憶するキャパシタCとで構成される。本実施の形態において、第1薄膜トランジスタSwTrは、画素120を選択するためのスイッチングトランジスタであり、第2薄膜トランジスタDrTrは、有機EL素子130を駆動するための駆動トランジスタである。
第1薄膜トランジスタSwTrは、ゲート配線140に接続されるゲート電極G1と、ソース配線150に接続されるソース電極S1と、キャパシタC及び第2薄膜トランジスタDrTrのゲート電極G2に接続されるドレイン電極D1と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。第1薄膜トランジスタSwTrは、接続されたゲート配線140及びソース配線150に所定の電圧が印加されると、当該ソース配線150に印加された電圧がデータ電圧としてキャパシタCに保存される。
第2薄膜トランジスタDrTrは、第1薄膜トランジスタSwTrのドレイン電極D1及びキャパシタCに接続されるゲート電極G2と、電源配線160及びキャパシタCに接続されるドレイン電極D2と、有機EL素子130の陽極131に接続されるソース電極S2と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。第2薄膜トランジスタDrTrは、キャパシタCが保持しているデータ電圧に対応する電流を電源配線160からソース電極S2を通じて有機EL素子130の陽極131に供給する。これにより、有機EL素子130では、陽極131から陰極133へと駆動電流が流れてEL層132が発光する。
なお、上記構成の有機EL表示装置100では、ゲート配線140とソース配線150との交点に位置する画素120毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式が採用されている。これにより、各画素120における第1薄膜トランジスタSwTr及び第2薄膜トランジスタDrTrによって、対応する有機EL素子130が選択的に発光し、所望の画像が表示される。
以上、本実施の形態に係るTFT基板110には、上記実施の形態に係る薄膜トランジスタ1が用いられているので、表示性能に優れた有機EL表示装置を実現できる。
(その他変形例等)
以上、薄膜トランジスタ及びその製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態では、第1の酸化物半導体層41、第2の酸化物半導体層42及び第3の酸化物半導体層43の各層間の境界で不連続的に結晶性及びバンドギャップが変化する構成を採用したが、各層間で連続的に徐々に結晶性及びバンドギャップが変化する構成としてもよい。当該構成を実現するために、例えば、成膜時に徐々にガス流量比又はスパッタリングのパワー密度を変えてもよい。
また、上記各実施の形態では、トップコンタクト型の薄膜トランジスタを示したが、サイドコンタクト型であってもよい。
また、上記各実施の形態では、ソース電極60S及びドレイン電極60Dが、第2の酸化物半導体層42と直接的に接続される構成を示したが、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと、第2の酸化物半導体層42との接続は、直接的でも間接的でもよい。例えば、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと第2の酸化物半導体層42とは、コンタクト層などの導電性の層を介して、電気的に接続されてもよい。
また、上記実施の形態に係る薄膜トランジスタは、有機EL表示装置に適用する例について説明したが、上記実施の形態及び変形例における薄膜トランジスタは、液晶表示装置等の他の表示装置にも適用することもできる。
この場合、有機EL表示装置(有機ELパネル)や液晶表示装置等の表示装置は、フラットパネルディスプレイとして利用することができる。例えば、有機EL表示装置は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ又は携帯電話等、あらゆる電子機器の表示パネルとして利用することができる。
その他、各実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
ここに開示された技術は、薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法として有用であり、薄膜トランジスタを用いた有機EL表示装置等の表示装置又は薄膜トランジスタを用いたその他様々な電子機器等において広く利用することができる。
1、2 薄膜トランジスタ
10 基板
20、G1、G2 ゲート電極
30 ゲート絶縁層
40、40A 酸化物半導体部
41 第1の酸化物半導体層
41a 第1の酸化物半導体膜
41e 端部
42 第2の酸化物半導体層
42a 第2の酸化物半導体膜
43 第3の酸化物半導体層
43a 第3の酸化物半導体膜
50 絶縁層
60S、S1、S2 ソース電極
60D、D1、D2 ドレイン電極
70 保護層
80 レジスト
100 有機EL表示装置
110 TFT基板
120 画素
130 有機EL素子
131 陽極
132 EL層
133 陰極
140 ゲート配線
150 ソース配線
160 電源配線
200 真空チャンバー
210 ターゲット
220 マスク
230 亜鉛膜
240 ステージ
300 プラズマ

Claims (15)

  1. ゲート電極と、
    チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層と、
    前記第1の酸化物半導体層上に配置される第2の酸化物半導体層と、
    前記ゲート電極と前記第1の酸化物半導体層との間に配置されるゲート絶縁層とを備え、
    前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、
    前記第2の酸化物半導体層は、前記第1の酸化物半導体層より、シュウ酸系のエッチャントによるエッチングレートが小さい
    薄膜トランジスタ。
  2. 前記第1の酸化物半導体層の前記エッチングレートは、400nm/minより大きく、
    前記第2の酸化物半導体層の前記エッチングレートは、30nm/min以上、400nm/min以下である
    請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記第1の酸化物半導体層の下に配置される第3の酸化物半導体層をさらに備え、
    前記第3の酸化物半導体層は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、かつ、前記第1の酸化物半導体層より、前記エッチングレートが小さい
    請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. ゲート電極と、
    チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層と、
    前記第1の酸化物半導体層上に配置される第2の酸化物半導体層と、
    前記ゲート電極と前記第1の酸化物半導体層との間に配置されるゲート絶縁層と、
    ソース電極及びドレイン電極とを備え、
    前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、
    前記第2の酸化物半導体層は、前記第1の酸化物半導体層より、バンドギャップが大きい
    薄膜トランジスタ。
  5. 前記第1の酸化物半導体層のバンドギャップは、0.7eVより大きく、0.9eV以下であり、
    前記第2の酸化物半導体層のバンドギャップは、0.9eVより大きく、3.4eV未満である
    請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記第2の酸化物半導体層のバンドギャップは、1.1eV以上、1.8eV以下である
    請求項5に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記第1の酸化物半導体層の下に配置される第3の酸化物半導体層をさらに備え、
    前記第3の酸化物半導体層は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、かつ、前記第1の酸化物半導体層より、バンドギャップが大きい
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記第1の酸化物半導体層の窒素濃度は、前記第2の酸化物半導体層の窒素濃度より大きい
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  9. 前記第1の酸化物半導体層の膜厚は、前記第2の酸化物半導体層の膜厚より小さい
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  10. ゲート電極と、チャネルとして用いられる第1の酸化物半導体層と、第2の酸化物半導体層と、前記ゲート電極と前記第1の酸化物半導体層との間に配置されるゲート絶縁層とを備える薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層は、主成分として酸窒化亜鉛を含み、
    前記製造方法は、
    第1の酸化物半導体膜を成膜する第1の成膜工程と、
    前記第1の酸化物半導体膜上に第2の酸化物半導体膜を成膜する第2の成膜工程と、
    ウェットエッチングによって前記第1の酸化物半導体膜及び前記第2の酸化物半導体膜を一括してパターニングすることにより、前記第1の酸化物半導体層及び前記第2の酸化物半導体層をそれぞれ形成するエッチング工程とを含み、
    前記第2の酸化物半導体膜は、前記第1の酸化物半導体膜より、前記ウェットエッチングによるエッチングレートが小さい
    薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記第1の酸化物半導体膜の前記エッチングレートは、400nm/minより大きく、
    前記第2の酸化物半導体膜の前記エッチングレートは、30nm/min以上、400nm/min以下である
    請求項10に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 前記第1の成膜工程及び前記第2の成膜工程において、酸素ガス及び窒素ガスを供給しながらスパッタリングを行うことによって成膜し、
    前記第2の成膜工程における、酸素ガス及び窒素ガスの流量の和に対する酸素ガスの流量の比は、前記第1の成膜工程における前記比より大きい
    請求項10又は11に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 前記第1の成膜工程において、第1のスパッタリングパワーでスパッタリングを行うことによって成膜し、
    前記第2の成膜工程において、前記第1のスパッタリングパワーより小さい第2のスパッタリングパワーでスパッタリングを行うことによって成膜する
    請求項10〜12のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  14. 前記薄膜トランジスタは、主成分として酸窒化亜鉛を含み、かつ、前記第1の酸化物半導体層の下に配置される第3の酸化物半導体層をさらに備え、
    前記製造方法は、
    前記第1の成膜工程を行う前に、第3の酸化物半導体膜を成膜する第3の成膜工程を、さらに含み、
    前記エッチング工程において、ウェットエッチングにより、前記第1の酸化物半導体膜及び前記第2の酸化物半導体膜に加えて、前記第3の酸化物半導体膜をも一括してパターニングすることにより、前記第1の酸化物半導体層、前記第2の酸化物半導体層及び前記第3の酸化物半導体層をそれぞれ形成し、
    前記第3の酸化物半導体膜は、前記第1の酸化物半導体膜より、前記エッチングレートが小さい
    請求項10〜13のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  15. 前記第2の成膜工程において、前記第2の酸化物半導体膜は、前記第1の酸化物半導体膜より膜厚が大きくなるように成膜される
    請求項10〜14のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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