JP6357664B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
液晶を利用した液晶表示装置又は有機EL(Electro Luminescence)を利用した有機EL表示装置などのアクティブマトリクス方式の表示装置のバックプレーンには、スイッチング素子又は駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が用いられている。薄膜トランジスタのチャネル層は、ゲート電極に印加される電圧によってキャリアの移動が制御されるチャネル領域を有する。チャネル層の材料としては、アモルファスシリコンなどの種々の半導体材料が検討されている。
近年、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)をチャネル層に用いた酸化物半導体TFTの開発が進められている。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)の金属酸化物(InGaZnO)からなるTAOSをチャネル層に用いた酸化物半導体TFTが実用化されている。
しかし、InGaZnOでは、キャリア移動度が10cm/Vsまでしか見込めないため、近年、さらに高いキャリア移動度を有するTAOS材料が検討されている。
例えば、酸化インジウム(In)に、酸化タングステン(WO)又は酸化シリコン(SiO)などを添加した酸化物半導体(以下、In−X−O系酸化物半導体と記載する)が提案されている。In−X−O系酸化物半導体を用いたTFTは、InGaZnOを用いたTFTより高い移動度を有する。また、In−X−O系酸化物半導体は、酸に可溶な酸化ガリウム(Ga)及び酸化亜鉛(ZnO)を含まないため、ウェットエッチングプロセスを用いた半導体層の加工の制御性が高まるという利点がある(非特許文献1及び2参照)。
Shinya Aikawa, Peter Darmawan, Keiichi Yanagisawa, Toshihide Nabatame, Yoshiyuki Abe, and Kazuhito Tsukagoshi、「Thin−film transistors fabricated by low−temperature process based on Ga− and Zn−free amorphous oxide semicondutor」 APPLIED PHYSICS LETTERS 102, 102101(2013) Shinya Aikawa, Toshihide Nabatame, and Kazuhito Tsukagoshi、「Effects of dopants in InOx−based amorphous oxide semiconductors for thin−film transistor applications」 APPLIED PHYSICS LETTERS 103, 172105(2013)
しかしながら、In−X−O系酸化物半導体は、結晶化温度が低いので、In−X−O系酸化物半導体を成膜した後に、例えば200℃以上の高温プロセスを経た場合に、In−X−O系酸化物半導体が結晶化してしまう。In−X−O系酸化物半導体が結晶化すると、発生した結晶粒界によってキャリアの伝導が阻害されるため、移動度が低下し、TFTの電気特性が劣化するという問題がある。
そこで、本開示は、電気特性の劣化が抑制された薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本開示に係る薄膜トランジスタは、少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層に積層された第1シリコン絶縁層と、前記第1シリコン絶縁層の、前記酸化物半導体層とは反対側に積層された第2シリコン絶縁層とを備え、前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、前記酸化物半導体層は、前記第1シリコン絶縁層に接触する表層部にシリコンがドープされたシリコンドープ層を有する。
また、本開示に係る薄膜トランジスタの製造方法は、少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタの製造方法であって、前記酸化物半導体層上に第1シリコン絶縁層を形成する第1形成工程と、前記第1シリコン絶縁層上に第2シリコン絶縁層を形成する第2形成工程とを含み、前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、前記第1形成工程及び前記第2形成工程の少なくとも一方において、前記第1シリコン絶縁層に含まれるシリコンが前記酸化物半導体層の表層部にドープされることで、前記酸化物半導体層の表層部にシリコンドープ層が形成される。
本開示によれば、電気特性の劣化が抑制された薄膜トランジスタを実現することができる。
実施の形態1に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。 実施の形態1に係る有機EL表示装置のピクセルバンクの一例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る有機EL表示装置における画素回路の構成を示す電気回路図である。 実施の形態1に係る薄膜トランジスタの概略断面図である。 実施の形態1に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係るシリコンリッチ絶縁層、第1絶縁層及び第2絶縁層の成膜条件を示す図である。 実施の形態1において作製したサンプルA及びサンプルBの積層方向における元素の濃度分布を示す図である。 実施の形態1において作製したサンプルAの酸化物半導体層のX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)による測定結果を示す図である。 実施の形態1において作製したサンプルBの酸化物半導体層のXRDによる測定結果を示す図である。 実施の形態2に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。 実施の形態2に係るアモルファスシリコン層及び絶縁層の成膜条件、並びに、酸化性プラズマ処理の条件を示す図である。 実施の形態の変形例に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明、及び、実質的に同一の構成に対する重複説明などを省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[1.有機EL表示装置]
まず、本実施の形態に係る有機EL表示装置10の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10の一部切り欠き斜視図である。図2は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10のピクセルバンクの一例を示す斜視図である。
[1−1.構成]
図1に示すように、有機EL表示装置10は、複数個の薄膜トランジスタが配置されたTFT基板(TFTアレイ基板)20と、下部電極である陽極41、有機材料からなる発光層であるEL層42及び透明な上部電極である陰極43からなる有機EL素子(発光部)40との積層構造により構成される。
TFT基板20には複数の画素30がマトリクス状に配置されており、各画素30には画素回路31が設けられている。
有機EL素子40は、複数の画素30のそれぞれに対応して形成されており、各画素30に設けられた画素回路31によって各有機EL素子40の発光の制御が行われる。有機EL素子40は、複数の薄膜トランジスタを覆うように形成された層間絶縁膜(平坦化層)の上に形成される。
また、有機EL素子40は、陽極41と陰極43との間にEL層42が配置された構成となっている。陽極41とEL層42との間にはさらに正孔輸送層が積層形成され、EL層42と陰極43との間にはさらに電子輸送層が積層形成されている。なお、陽極41と陰極43との間には、その他の有機機能層が設けられていてもよい。
各画素30は、それぞれの画素回路31によって駆動制御される。また、TFT基板20には、画素30の行方向に沿って配置される複数のゲート配線(走査線)50と、ゲート配線50と交差するように画素30の列方向に沿って配置される複数のソース配線(信号配線)60と、ソース配線60と平行に配置される複数の電源配線(図示せず)とが形成されている。各画素30は、例えば、直交するゲート配線50とソース配線60とによって区画されている。
ゲート配線50は、各画素回路31に含まれるスイッチング素子として動作する薄膜トランジスタのゲート電極と行毎に接続されている。ソース配線60は、各画素回路31に含まれるスイッチング素子として動作する薄膜トランジスタのソース電極と列毎に接続されている。電源配線は、各画素回路31に含まれる駆動素子として動作する薄膜トランジスタのドレイン電極と列毎に接続されている。
図2に示すように、有機EL表示装置10の各画素30は、3色(赤色、緑色、青色)のサブ画素30R、30G、30Bによって構成されており、これらのサブ画素30R、30G、30Bは、表示面上に複数個マトリクス状に配列されるように形成されている。各サブ画素30R、30G、30Bは、バンク21によって互いに分離されている。
バンク21は、ゲート配線50に平行に延びる突条と、ソース配線60に平行に延びる突条とが互いに交差するように、格子状に形成されている。そして、この突条で囲まれる部分(すなわち、バンク21の開口部)の各々とサブ画素30R、30G、30Bの各々とが一対一で対応している。なお、本実施の形態において、バンク21はピクセルバンクとしたが、ラインバンクとしても構わない。
陽極41は、TFT基板20上の層間絶縁膜(平坦化層)上でかつバンク21の開口部内に、サブ画素30R、30G、30B毎に形成されている。同様に、EL層42は、陽極41上でかつバンク21の開口部内に、サブ画素30R、30G、30B毎に形成されている。透明な陰極43は、複数のバンク21上で、かつ、全てのEL層42(全てのサブ画素30R、30G、30B)を覆うように、連続的に形成されている。
さらに、画素回路31は、各サブ画素30R、30G、30B毎に設けられており、各サブ画素30R、30G、30Bと、対応する画素回路31とは、コンタクトホール及び中継電極によって電気的に接続されている。なお、サブ画素30R、30G、30Bは、EL層42の発光色が異なることを除いて同一の構成である。
[1−2.画素回路]
ここで、画素30における画素回路31の回路構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10における画素回路31の構成を示す電気回路図である。
図3に示すように、画素回路31は、駆動素子として動作する薄膜トランジスタ32と、スイッチング素子として動作する薄膜トランジスタ33と、対応する画素30に表示するためのデータを記憶するキャパシタ34とで構成される。本実施の形態において、薄膜トランジスタ32は、有機EL素子40を駆動するための駆動トランジスタであり、薄膜トランジスタ33は、画素30を選択するためのスイッチングトランジスタである。
薄膜トランジスタ32は、薄膜トランジスタ33のドレイン電極33d及びキャパシタ34の一端に接続されるゲート電極32gと、電源配線70に接続されるドレイン電極32dと、キャパシタ34の他端と有機EL素子40の陽極41とに接続されるソース電極32sと、半導体膜(図示せず)とを備える。薄膜トランジスタ32は、キャパシタ34が保持しているデータ電圧に対応する電流を電源配線70からソース電極32sを通じて有機EL素子40の陽極41に供給する。これにより、有機EL素子40では、陽極41から陰極43へと駆動電流が流れてEL層42が発光する。
薄膜トランジスタ33は、ゲート配線50に接続されるゲート電極33gと、ソース配線60に接続されるソース電極33sと、キャパシタ34の一端及び薄膜トランジスタ32のゲート電極32gに接続されるドレイン電極33dと、半導体膜(図示せず)とを備える。薄膜トランジスタ33は、接続されたゲート配線50及びソース配線60に所定の電圧が印加されると、当該ソース配線60に印加された電圧がデータ電圧としてキャパシタ34に保存される。
なお、上記構成の有機EL表示装置10では、ゲート配線50とソース配線60との交点に位置する画素30毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式が採用されている。これにより、各画素30(各サブ画素30R、30G、30B)の薄膜トランジスタ32及び33によって、対応する有機EL素子40が選択的に発光し、所望の画像が表示される。
[2.TFT]
以下では、本実施の形態に係るTFT基板20に形成される薄膜トランジスタについて、図4を用いて説明する。なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、ボトムゲート型、かつ、チャネル保護型の薄膜トランジスタである。
図4は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の概略断面図である。
図4に示すように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100は、基板110と、ゲート電極120と、ゲート絶縁層130と、酸化物半導体層140と、シリコンリッチ絶縁層150と、絶縁層160と、ソース電極170sと、ドレイン電極170dとを備える。
薄膜トランジスタ100は、例えば、図3に示す薄膜トランジスタ32である。すなわち、薄膜トランジスタ32は、駆動トランジスタとして利用することができる。具体的には、薄膜トランジスタ100が薄膜トランジスタ32(駆動トランジスタ)である場合、ゲート電極120がゲート電極32gに、ソース電極170sがソース電極32sに、ドレイン電極170dがドレイン電極32dに、それぞれ相当する。
なお、薄膜トランジスタ100は、例えば、図3に示す薄膜トランジスタ33でもよい。すなわち、薄膜トランジスタ100は、スイッチングトランジスタとして利用してもよい。
[2−1.基板]
基板110は、電気絶縁性を有する材料から構成される基板である。例えば、基板110は、無アルカリガラス、石英ガラス、高耐熱性ガラスなどのガラス材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどの樹脂材料、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)などの半導体材料、又は、絶縁層をコーティングしたステンレスなどの金属材料からなる基板である。
なお、基板110は、樹脂基板などのフレキシブル基板でもよい。この場合、薄膜トランジスタ100をフレキシブルディスプレイなどに利用することができる。
[2−2.ゲート電極]
ゲート電極120は、酸化物半導体層140との間にゲート絶縁層130を挟んで、酸化物半導体層140に対向する位置に設けられている。本実施の形態では、ゲート電極120は、基板110上に所定形状で形成される。ゲート電極120の膜厚は、例えば、20nm〜300nmである。なお、ゲート電極120は、基板110の上方に、例えば、バッファ層(アンダーコート層)などを介して形成されてもよい。
なお、数値の範囲について「A〜B」と記載した場合、A以上B以下であることを示す。以降の記載においても同様である。
ゲート電極120は、導電性を有する材料からなる電極である。例えば、ゲート電極120の材料として、モリブデン、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、マンガン、クロム、タンタル、ニオブ、銀、金、プラチナ、パラジウム、インジウム、ニッケル、ネオジムなどの金属、金属の合金、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)などの導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどの導電性高分子などを用いることができる。また、ゲート電極120は、これらの材料を積層した多層構造であってもよい。
[2−3.ゲート絶縁層]
ゲート絶縁層130は、酸化物半導体層140の、シリコンリッチ絶縁層150とは反対側に設けられた絶縁層である。本実施の形態では、ゲート絶縁層130は、ゲート電極120と酸化物半導体層140との間に形成される。具体的には、ゲート絶縁層130は、ゲート電極120を覆うようにゲート電極120上及び基板110上に形成される。ゲート絶縁層130の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
ゲート絶縁層130は、電気絶縁性を有する材料から構成される。例えば、ゲート絶縁層130は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜、酸化ハフニウム膜などの単層膜、又は、これらの積層膜である。
[2−4.酸化物半導体層]
酸化物半導体層140は、薄膜トランジスタ100のチャネル層として用いられる。酸化物半導体層140は、ゲート電極120に対向するように、基板110の上方に所定形状で形成される。具体的には、酸化物半導体層140は、ゲート電極120に対向する位置に、かつ、ゲート絶縁層130上に島状に形成される。酸化物半導体層140の膜厚は、例えば、30nm〜150nmである。
酸化物半導体層140は、少なくともインジウム(In)を含む酸化物半導体から構成される。本実施の形態では、酸化物半導体層140は、In−X−O系酸化物半導体から構成される。Xは、1種類以上の金属原子を意味し、具体的には、タングステン(W)又はチタン(Ti)などである。酸化物半導体は、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)である。
In−X−O酸化物半導体は、例えば、移動度が30cm/Vs以上であり、InGaZnO(大きくても10cm/Vs程度)より大きい。つまり、本実施の形態では、In−X−O系酸化物半導体には、InGaZnOは含まれない。より具体的には、In−X−O系酸化物半導体には、インジウム(In)とガリウム(Ga)と亜鉛(Zn)との原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1になる酸化物半導体は含まれない。
酸化物半導体層140は、図4に示すように、InXO層141と、シリコンドープ層142とを有する。
InXO層141は、酸化物半導体層140の主たる層であり、In−X−O系酸化物半導体から構成される。具体的には、InXO層141は、酸化物半導体層140のバルク層であり、ゲート電極120に印加される電圧によってキャリアの移動が制御されるチャネル領域を含む。本実施の形態では、InXO層141は、インジウム及びタングステンを含む酸化物半導体から構成されるInWO層である。
シリコンドープ層142は、酸化物半導体層140の表層部であって、シリコンリッチ絶縁層150に接触する部分にシリコンがドープされた層である。具体的には、シリコンドープ層142は、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体にシリコンがドープされることで形成される。本実施の形態では、シリコンドープ層142は、インジウム、タングステン及びシリコンを含むInWSiO層である。
本実施の形態では、積層方向におけるシリコン濃度分布において、シリコンドープ層142とシリコンリッチ絶縁層150との界面に、シリコン濃度のピークが存在する。このときの、ピークにおけるシリコン濃度は、1.0×1022atoms/cm〜3.0×1022atoms/cmである。
なお、酸化物半導体層140の膜物性の詳細については、後で説明する。
[2−5.シリコンリッチ絶縁層]
シリコンリッチ絶縁層150は、酸化物半導体層140に積層された第1シリコン絶縁層の一例である。シリコンリッチ絶縁層150は、絶縁層160と酸化物半導体層140との間に設けられた、絶縁層160よりシリコン濃度が高い絶縁層である。シリコンリッチ絶縁層150は、酸化物半導体層140を覆うように、ゲート絶縁層130上に形成される。
シリコンリッチ絶縁層150は、シリコンを含む絶縁層であり、本実施の形態では、シリコン酸化膜(SiO)である。なお、シリコンリッチ絶縁層150は、例えば、シリコン窒化膜(SiN)又はシリコン酸窒化膜(SiON)でもよい。シリコンリッチ絶縁層150の膜厚は、例えば、1nm〜15nmである。
なお、シリコンリッチ絶縁層150のシリコン濃度については、後で説明する。
[2−6.絶縁層]
絶縁層160は、シリコンを含む絶縁層であり、シリコンリッチ絶縁層150の、酸化物半導体層140とは反対側に積層された第2シリコン絶縁層の一例である。絶縁層160は、シリコンリッチ絶縁層150上に形成される。絶縁層160の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
本実施の形態では、絶縁層160は、酸化物半導体層140のチャネル領域を保護する保護膜(チャネル保護層)として機能する。具体的には、絶縁層160は、酸化物半導体層140の上方に形成するドレイン電極170d及びソース電極170sをエッチングによってパターニングする際に、酸化物半導体層140がエッチングされることを防止するエッチングストッパ層として機能する。これにより、ボトムゲート型TFTにおいて、酸化物半導体層140のバックチャネル側のプロセスダメージを低減することができる。また、本実施の形態において、絶縁層160は、基板110の全面に形成された層間絶縁膜である。
絶縁層160は、複数の層を含んでいる。具体的には、図4に示すように、絶縁層160は、2層構造であり、順に積層された第1絶縁層161及び第2絶縁層162を含んでいる。
[2−6−1.第1絶縁層]
第1絶縁層161は、酸化物半導体層140上に設けられた絶縁膜である。本実施の形態では、第1絶縁層161は、シリコンを含む絶縁層であり、例えば、シリコン酸化膜である。なお、第1絶縁層161は、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜でもよい。第1絶縁層161の膜厚は、例えば、5nm〜40nmである。
[2−6−2.第2絶縁層]
第2絶縁層162は、第1絶縁層161上に設けられた絶縁膜である。例えば、第2絶縁層162は、シリコンを含む絶縁層であり、本実施の形態では、シリコン酸化膜である。なお、第2絶縁層162は、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜でもよい。第2絶縁層162の膜厚は、例えば、絶縁層160としての膜厚が500nm以下となるような厚さである。つまり、第2絶縁層162の膜厚は、第1絶縁層161の膜厚と合わせて500nm以下となるような厚さである。
なお、第1絶縁層161と第2絶縁層162とは、同じ材料から構成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。
また、第1絶縁層161及び第2絶縁層162並びにシリコンリッチ絶縁層150には、ドレイン電極170d及びソース電極170sのそれぞれを酸化物半導体層140に接続するためのコンタクトホールが設けられている。ドレイン電極170d及びソース電極170sを構成する材料がそれぞれ、コンタクトホールの壁面に沿って酸化物半導体層140まで達している。あるいは、コンタクトホールには、ドレイン電極170d及びソース電極170sを構成する材料がそれぞれ充填されていてもよい。
[2−7.ドレイン電極及びソース電極]
ドレイン電極170d及びソース電極170sは、絶縁層160上に所定形状で形成される。例えば、ドレイン電極170d及びソース電極170sは、第2絶縁層162上に、基板水平方向に離間して対向配置されている。具体的には、ドレイン電極170d及びソース電極170sはそれぞれ、コンタクトホールを介して酸化物半導体層140(具体的には、シリコンドープ層142)に接続されるように、第2絶縁層162上に形成される。ドレイン電極170d及びソース電極170sの膜厚は、例えば、100nm〜500nmである。
ドレイン電極170d及びソース電極170sは、導電性を有する材料からなる電極である。ドレイン電極170d及びソース電極170sは、例えば、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)、若しくは、これらのうち少なくとも1つの合金、又は、銅の単層膜(Cu膜)、銅膜及びタングステン膜の積層構造(Cu/W)、銅膜及び窒化チタン膜の積層構造(Cu/TiN)、若しくは、銅及びマンガンの合金膜、銅膜並びにモリブデン膜の積層構造(CuMn/Cu/Mo)などで構成される。あるいは、ドレイン電極170d及びソース電極170sの材料としては、例えば、ゲート電極120の材料と同一の材料を用いることができる。
[3.TFTの製造方法]
続いて、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造方法について、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5A及び図5Bは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造工程を示す概略断面図である。
[3−1.ゲート電極の形成]
まず、図5Aの(a)に示すように、基板110を準備し、基板110の上方に所定形状のゲート電極120を形成する。例えば、基板110上に金属膜をスパッタリングによって成膜し、フォトリソグラフィ及びエッチングによって金属膜を加工することにより、所定形状のゲート電極120を形成する。なお、ゲート電極120を形成する前に、基板110の表面にシリコン酸化膜などのアンダーコート層を形成してもよい。
具体的には、まず、基板110としてガラス基板を準備し、基板110上に、20nmのMo膜と200nmのCu膜とをスパッタリングによって順に成膜する。そして、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングによってMo膜及びCu膜をパターニングすることにより、ゲート電極120を形成する。なお、Mo膜及びCu膜のウェットエッチングは、例えば、過酸化水素水(H)及び有機酸を混合した薬液を用いることができる。
[3−2.ゲート絶縁層の形成]
次に、図5Aの(b)に示すように、基板110の上方にゲート絶縁層130を形成する。例えば、ゲート電極120を覆うようにゲート絶縁層130をプラズマCVD(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition:PE−CVD)又はスパッタリングによって成膜する。
具体的には、ゲート電極120を覆うように基板110上に、220nmのシリコン窒化膜と50nmのシリコン酸化膜とをプラズマCVDによって順に成膜することで、ゲート絶縁層130を形成する。このときの成膜温度は、例えば、350℃〜400℃である。
シリコン窒化膜は、例えば、シランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)及び窒素ガス(N)を導入ガスに用いることで成膜することができる。シリコン酸化膜は、例えば、シランガス(SiH)と亜酸化窒素ガス(NO)とを導入ガスに用いることで成膜することができる。なお、ゲート絶縁層130は、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜の単層膜でもよい。
[3−3.酸化物半導体層の形成]
次に、図5Aの(c)に示すように、基板110の上方に、かつ、ゲート電極120に対向する位置に所定形状の酸化物半導体層140を形成する。例えば、ゲート絶縁層130上に酸化物半導体膜をスパッタリングによって成膜する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングによって酸化物半導体膜を加工することにより、所定形状の酸化物半導体層140を形成する。スパッタリングは、例えば、DCマグネトロンスパッタリング装置又はRFマグネトロンスパッタリング装置を用いることができる。
具体的には、スパッタリングターゲットとして、インジウム及びタングステンを含む酸化物半導体(InWO)を、真空チャンバー内のカソードに配置する。そして、真空チャンバー内に、不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを流入するとともに、反応性ガスとして酸素(O)を含むガスを流入し、所定のパワー密度の電圧をターゲット材に印加する。これにより、ゲート絶縁層130上にInWO膜を酸化物半導体層140として成膜することができる。
このとき、成膜条件としては、例えば、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、真空チャンバー内に流入するガスの全圧が0.2Pa〜0.5Paで、酸素分圧が0.01Pa〜0.05Paにすればよい。また、基板温度は、例えば、室温〜50℃に設定し、パワー密度は、例えば、1.0W/cm〜4.0W/cmにすればよい。
また、ターゲット材(InXO)に含まれる酸化タングステン(WO)の添加量は、例えば1wt%〜5wt%である。このとき、ターゲット材には、酸化チタン(TiO)を1wt%〜5wt%含んでいてもよい。また、ターゲット材が含む酸化インジウム(In)の量は、例えば、89wt%〜99wt%である。
次に、ゲート絶縁層130上に成膜されたInWOをウェットエッチングすることで、酸化物半導体層140を形成する。InWOのウェットエッチングは、例えば、リン酸(HPO)、硝酸(HNO)、酢酸(CHCOOH)及び水を混合した薬液を用いて行うことができる。
[3−4.シリコンリッチ絶縁層の形成]
次に、図5Aの(d)に示すように、酸化物半導体層140上にシリコンリッチ絶縁層150を形成する。例えば、酸化物半導体層140を覆うように、全面にシリコンリッチのシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。例えば、平行平板型(容量結合型)のプラズマCVD装置を利用することができる。具体的には、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度T1で、シリコンリッチ絶縁層150を成膜する。
シリコンリッチ絶縁層150の成膜条件を図6に示す。なお、図6は、本実施の形態に係るシリコンリッチ絶縁層150、第1絶縁層161及び第2絶縁層162の成膜条件を示す図である。
図6において、温度Tcは、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体の結晶化温度である。本実施の形態では、酸化物半導体としてInWOを用いているので、温度Tcは、InWOの結晶化温度である。具体的には、温度Tcは、約200℃である。
シリコンリッチ絶縁層150の成膜条件は、図6の「Si−rich SiO」の列に示す通りである。具体的には、シリコンリッチ絶縁層150の成膜温度(第1温度T1)は、酸化物半導体の結晶化温度Tcより低い温度である。また、プラズマCVDのパワー密度は、0.55W/cm〜1.0W/cmであり、圧力は100Pa〜400Pa、電極間距離は、400mils〜700milsである。また、シリコンリッチ絶縁層150の膜厚は、1.0nm〜15.0nmであり、好ましくは、5.0nm〜10.0nmである。
また、反応性ガスとしては、シランガス及び亜酸化窒素ガスを用いる。このとき、希釈ガス(例えば、Arガス)を用いた場合には、亜酸化窒素ガスの使用割合を減らし、低コスト化を実現することができる。しかしながら、酸化物半導体層140の表面及びバルクにダメージ(欠陥)を与えてしまう。したがって、薄膜トランジスタ100の電気特性を向上させるためには、希釈ガスを用いないことが好ましい。
シラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、3.0%〜6.0%であり、好ましくは、2.0%〜5.0%である。規格化トータル流量は、3.0sccm/cm〜8.0sccm/cmである。シラン流量比を大きくすることで、他のシリコン酸化膜(具体的には、絶縁層160)よりシリコン濃度を大きくすることができる。なお、規格化流量は、ガス流量を電極面積で割ることで求められる。
[3−5.第1絶縁層及びシリコンドープ層の形成]
次に、図5Bの(e)に示すように、シリコンリッチ絶縁層150上に第1絶縁層161を形成する。例えば、シリコンリッチ絶縁層150上にシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。具体的には、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体の結晶化温度以上の第2温度T2で、第1絶縁層161を成膜する。
このとき、第1絶縁層161の成膜中に、シリコンリッチ絶縁層150に含まれるシリコンが酸化物半導体層140の表層部にドープされる。これにより、酸化物半導体層140の表層部にシリコンドープ層142が形成される。なお、ここでは、第1絶縁層161の形成工程において、シリコンがドープされる場合について示すが、シリコンリッチ絶縁層150の形成工程において、シリコンがドープされてもよい。
第1絶縁層161の成膜条件は、図6の「ES1−SiO」の列に示す通りである。具体的には、第1絶縁層161の成膜温度(第2温度T2)は、結晶化温度Tc以上の温度である。また、プラズマCVDのパワー密度は、0.55W/cm〜1.2W/cmであり、圧力は70Pa〜400Pa、電極間距離は、400mils〜700milsである。なお、好ましくは、プラズマCVDのパワー密度は、0.9W/cm〜1.2W/cmであり、圧力は100Pa〜200Paであり、電極間距離は500mils〜600milsである。
シラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、0.8%〜1.2%である。規格化トータル流量は、7.0sccm/cm〜10.0sccm/cmである。シリコンリッチ絶縁層150の成膜時と同様に、アルゴンガスを用いていない。
なお、第1絶縁層161の膜厚は、シリコンが酸化物半導体層140の表層部にドープできる程度の厚さであればよい。例えば、第1絶縁層161の膜厚は、20nm以下であればよく、一例として、10nmである。
また、シリコンドープ層142の膜厚、すなわち、シリコンがドープされる深さは、例えば、20nm以下である。
[3−6.第2絶縁層の形成]
次に、図5Bの(f)に示すように、第1絶縁層161上に第2絶縁層162を形成する。例えば、第1絶縁層161上にシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。具体的には、第1絶縁層161上に、第2温度T2以上の温度の第3温度T3で第2絶縁層162を成膜する。
第2絶縁層162の成膜条件は、図6の「ES2−SiO」の列に示す通りである。具体的には、第2絶縁層162の成膜温度(第3温度T3)は、結晶化温度Tcより高い温度であり、例えば、第1絶縁層161の成膜温度以上の温度である。例えば、第2絶縁層162の成膜温度は、300℃以下の温度である。
また、プラズマCVDのパワー密度は、0.55W/cm〜1.2W/cmであり、圧力は70Pa〜400Pa、電極間距離は、400mils〜700milsである。なお、好ましくは、プラズマCVDのパワー密度は、0.9W/cm〜1.2W/cmであり、圧力は100Pa〜200Paであり、電極間距離は500mils〜600milsである。
シラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、0.8%〜1.2%である。規格化トータル流量は、7.0sccm/cm〜10.0sccm/cmである。シリコンリッチ絶縁層150の成膜時と同様に、アルゴンガスを用いていない。
また、第2絶縁層162の膜厚は、第1絶縁層161の膜厚より大きい。例えば、第2絶縁層162の膜厚は、第1絶縁層161との合計膜厚(すなわち、絶縁層160の膜厚)が例えば50nm〜300nmになるように制御される。
なお、シリコンリッチ絶縁層150、第1絶縁層161及び第2絶縁層162の成膜は、第1温度T1、第2温度T2及び第3温度T3が互いに異なるため、それぞれの温度に設定された真空チャンバー(具体的には、第1温度T1に設定された第1真空チャンバー、第2温度T2に設定された第2真空チャンバー及び第3温度T3に設定された第3真空チャンバー)を用いて、各層ずつ形成する必要がある。その一方で、1つの同じ真空チャンバー内で、基板ステージ温度を切り替えることにより、連続成膜することもできる。これにより、薄膜トランジスタ100の製造装置を簡略化でき、低コスト化を実現することができる。
[3−7.ドレイン電極及びソース電極の形成]
次に、図5Bの(g)に示すように、第2絶縁層162(絶縁層160)上にドレイン電極170d及びソース電極170sを形成する。具体的には、まず、絶縁層160及びシリコンリッチ絶縁層150の一部をエッチング除去することで、コンタクトホールを形成する。つまり、酸化物半導体層140(具体的には、シリコンドープ層142)の一部を露出させるためのコンタクトホールを絶縁層160及びシリコンリッチ絶縁層150に形成する。
例えば、シリコンリッチ絶縁層150及び絶縁層160がシリコン酸化膜である場合、ドライエッチングとして反応性イオンエッチング(RIE)を用いることができる。このとき、エッチングガスとしては、例えば、四フッ化炭素(CF)及び酸素ガス(O)を用いることができる。ガス流量、圧力、印加電力及び周波数などのパラメータは、基板サイズ、及び、エッチングの膜厚などによって適宜設定される。
そして、形成したコンタクトホールを埋めるようにして、絶縁層160上に金属膜をスパッタリングによって成膜する。例えば、20nmのMo膜、300nmのCu膜、及び、20nmの銅及びマンガンの合金膜(CuMn膜)を順に絶縁層160上に積層する。その後、フォトリソグラフィ及びエッチングによって、積層した金属膜を加工することで、所定形状のドレイン電極170d及びソース電極170sを形成する。Mo膜、Cu膜及びCuMn膜のウェットエッチングは、例えば、過酸化水素水(H)及び有機酸を混合した薬液を用いることができる。
以上のようにして、図4に示す薄膜トランジスタ100を製造することができる。なお、薄膜トランジスタ100の上方に平坦化膜などを形成した後で、有機EL素子を形成することもできる。
[4.元素の濃度分布]
続いて、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の積層方向における元素の濃度分布について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態において作製したサンプルの積層方向における元素の濃度分布を示す図である。
[4−1.サンプルの構成及び製造条件]
図7には、2つのサンプル(サンプルA及びサンプルB)のそれぞれの濃度分布を示している。サンプルAとサンプルBとでは、InWOから構成される酸化物半導体を覆うシリコン酸化膜の形成方法が異なっている。
具体的には、サンプルAでは、180nmのシリコン酸化膜を、InWOから構成される酸化物半導体層140の上に成膜したデバイスである。つまり、サンプルAは、上述したシリコンリッチ絶縁層150及びシリコンドープ層142を備えていない。
サンプルBでは、図5A及び図5Bに示した製造方法に基づいて、InWOから構成される酸化物半導体層140上に、シリコンリッチ絶縁層150を10nm成膜した後、の第1絶縁層161及びの第2絶縁層162を順に合計170nm成膜したデバイスである。つまり、サンプルBは、シリコンリッチ絶縁層150及びシリコンドープ層142を備えている。
ここで、サンプルA及びサンプルBの詳細な製造条件について説明する。まず、サンプルAの製造条件について説明する。
基板110としては、シリコン基板又はガラス基板を用いた。基板110の径は、例えば、6インチで、厚みは、例えば、0.7mmである。具体的には、図7に示す元素濃度の測定用のサンプルとしてはシリコン基板を用いて作製し、図8A及び図8Bに示すX線回折用のサンプルとしてはガラス基板を用いて作製した。
酸化物半導体層140は、インジウム及びタングステンを含む酸化物半導体(InWO)から構成される。InWOの成膜条件としては、以下の通りである。スパッタリング装置として、径が6インチのカソードを備えるDCマグネトロンスパッタリング装置を用いた。また、真空チャンバー内に導入するガスの全圧0.3Paに対して、酸素分圧を0.03Paとした。また、基板温度は、例えば室温に設定し、投入電力は、例えば550Wに設定した。また、ターゲット材(InWO)に含まれるWOの添加量は、例えば、5wt%である。成膜したInWOの膜厚は、60nmである。
サンプルAでは、酸化物半導体層140上に、プラズマCVDによってシリコン酸化膜を形成した。成膜ガスとしては、SiHガス及びNOガスを用いた。このときのシラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、1%である。また、投入電力は180Wであり、圧力は3torr(約400Pa)であり、電極間距離は、550milsである。
なお、シリコン酸化膜の成膜温度を異ならせることで、3つのサンプルAを作製した。3つのサンプルAのそれぞれのシリコン酸化膜の成膜温度は、190℃、220℃、250℃である。
次に、サンプルBの製造条件について説明する。
基板110及び酸化物半導体層140の条件は、サンプルAと同じである。
サンプルBでは、酸化物半導体層140上に、シリコンリッチ絶縁層150として、プラズマCVDによってシリコンリッチのシリコン酸化膜を形成した。成膜ガスとしては、SiHガスを30sccm導入し、NOガスを500sccm導入した。このときのシラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、5.7%である。また、投入電力は180Wであり、圧力は3torr(約400Pa)であり、電極間距離は550milsである。シリコンリッチのシリコン酸化膜の膜厚は、約10nmである。成膜温度(第1温度T1)は、190℃であり、InWOの結晶化温度Tcより低い温度である。
さらに、シリコンリッチ絶縁層150上に、絶縁層160として、プラズマCVDによってシリコン酸化膜を形成した。成膜ガスとしては、SiHガス及びNOガスを用いた。このときのシラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、1%である。また、投入電力は180Wであり、圧力は3torr(約400Pa)であり、電極間距離は、550milsである。シリコン酸化膜の膜厚は、約170nmである。
なお、シリコン酸化膜(絶縁層160)の成膜温度を異ならせることで、3つのサンプルBを作製した。3つのサンプルBのそれぞれのシリコン酸化膜の成膜温度は、190℃、220℃、250℃である。
なお、図5A及び図5Bでは、絶縁層160を第1絶縁層161及び第2絶縁層162の2層に分けて積層したが、サンプルBでは、同じ成膜温度で1層の絶縁膜として形成した。
[4−2.シリコン濃度分布]
図7は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析によるサンプルA及びサンプルBの積層方向における元素の濃度分布を示している。具体的には、図7の(a)はシリコンの濃度分布を示し、図7の(b)はインジウムの濃度分布を示している。なお、図7に示すサンプルA及びサンプルBは、シリコン酸化膜の成膜温度が250℃のものである。
図7において、深さが0nm〜180nmの範囲がシリコン酸化膜である。なお、サンプルBでは、深さが0nm〜170nmの範囲が絶縁層160に相当し、170nm〜180nmの範囲がシリコンリッチ絶縁層150に相当する。また、深さが180nm〜240nmの範囲が酸化物半導体層140であり、深さが240nm以上の範囲は、シリコン基板である。
図7の(b)に示すように、約180nmから約240nmの範囲では、インジウムの濃度が安定しており、当該範囲が酸化物半導体層140であることが確認された。つまり、上述したように、サンプルA及びサンプルBのいずれでも約60nmのInWOを成膜しているので、所望の膜厚のInWOが成膜できていることが確認された。
なお、サンプルA及びサンプルBのいずれでも、インジウムは、酸化物半導体層140に接する層に拡散している。例えば、サンプルBでは、シリコンリッチ絶縁層150及び絶縁層160が、少量ではあるがインジウムを含んでいる。
図7の(a)に示すように、酸化物半導体層140のシリコン酸化膜側の表層部(約180nm〜約200nm)の範囲では、サンプルBの方がサンプルAよりもシリコン濃度が高い。つまり、サンプルBでは、当該表層部にシリコンリッチ絶縁層150からシリコンがドープされていることが分かる。つまり、サンプルBでは、酸化物半導体層140の表層部にシリコンドープ層142が形成されている。
シリコンドープ層142は、例えば、シリコン濃度が1.0×1019atoms/cmより高い領域である。シリコンドープ層142の膜厚は、例えば、約20nmである。
さらに、サンプルBでは、酸化物半導体層140(シリコンドープ層142)とシリコンリッチ絶縁層150との界面近傍(約180nmの位置)には、シリコン濃度のピークが現れている。一方で、サンプルAでは、酸化物半導体層140とシリコン酸化膜との界面近傍(約180nmの位置)では、シリコン濃度のピークが現れていない。
具体的には、サンプルBでの当該ピークにおけるシリコン濃度は、約2.0×1022atoms/cmである。ピークにおけるシリコン濃度は、シリコン酸化膜(絶縁層160)のシリコン濃度の平均値(約7.0×1021atoms/cm)よりも大きい。なお、ピークにおけるシリコン濃度は、シリコン基板のシリコン濃度の平均値(約5.0×1021atoms/cm)よりは小さい。
[4−3.X線回折]
続いて、サンプルA及びサンプルBの酸化物半導体層140のX線回折(XRD)による測定結果について、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8A及び図8Bはそれぞれ、サンプルA及びサンプルBの酸化物半導体層のXRDによる測定結果を示す図である。
図8Aに示すように、サンプルAでは、190℃の場合は、ピークが発生しないのに対して、220℃及び250℃の場合は、2θが約30.6の位置にピークが発生した。つまり、酸化物半導体層が190℃の場合は結晶化していないのに対して、220℃以上の場合は結晶化していることが分かる。また、220℃よりも250℃の場合の方が、ピーク強度が大きく、結晶化がより進んでいることが分かる。
以上のことから、サンプルAでは、少なくとも220℃でシリコン酸化膜を成膜した場合に、酸化物半導体が結晶化していることが分かる。また、シリコン酸化膜の成膜温度が高い程、結晶化が進んでいることが分かる。
これは、In−X−O系の酸化物半導体上に、シリコン酸化膜などの絶縁層を形成する際には、酸化物半導体と絶縁層との界面に結晶核が発生するためである。当該結晶核によって、絶縁層の成膜中又は成膜後の熱工程で酸化物半導体が結晶化しやすくなる。
これに対して、図8Bに示すように、サンプルBでは、190℃、220℃、250℃のいずれの場合においても、ピークは発生していない。すなわち、サンプルBでは、酸化物半導体が結晶化していないことが分かる。
シリコンと酸素との結合エネルギーが大きいので、シリコンドープ層142では構造が安定し、界面での結晶核の発生が抑制される。図8Bで示したように、以降のプロセスが高温の熱工程を含む場合であっても、結晶核の発生が抑制されていることが分かる。したがって、高温で絶縁層(第2絶縁層162)を形成することができ、良好な膜質を有する絶縁層160をチャネル保護層として形成することができる。
[5.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100は、少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層140と、酸化物半導体層140に積層されたシリコンリッチ絶縁層150と、シリコンリッチ絶縁層150の、酸化物半導体層140とは反対側に積層された絶縁層160とを備え、シリコンリッチ絶縁層150は、絶縁層160よりシリコン濃度が高く、酸化物半導体層140は、シリコンリッチ絶縁層150に接触する表層部にシリコンがドープされたシリコンドープ層142を有する。
これにより、酸化物半導体層140の表層部には、シリコンがドープされたシリコンドープ層142が形成されているので、シリコンドープ層142の構造は安定し、結晶核の発生が抑制される。したがって、絶縁層160を高温プロセスで成膜することができるので、絶縁層160の膜質を高めることができる。
また、酸化物半導体層140の表層部以外の領域は、In−X−O系の酸化物半導体から構成される。つまり、酸化物半導体層140のチャネル領域を、InGaZnOよりも移動度が高いInWOなどで形成することができる。
なお、シリコンは、酸素との結合エネルギーが大きいために、シリコンのドープ量が多くなると、キャリアを発生させる酸素欠陥が生じにくくなる。そのため、シリコンがドープされた表層部の移動度は小さくなる。そこで、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100は、酸化物半導体層140のバルク部分(チャネル領域が形成される部分)には、移動度の高いIn−X−O系酸化物半導体を用い、かつ、プロセス安定性を高めるために、シリコンを表層部にドープしている。
このように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100は、良好な絶縁膜を有し、かつ、高移動度のチャネル領域を有する。したがって、本実施の形態によれば、電気特性の劣化が抑制された薄膜トランジスタ100を実現することができる。
また、例えば、本実施の形態では、積層方向におけるシリコン濃度分布において、シリコンドープ層142とシリコンリッチ絶縁層150との界面に、シリコン濃度のピークが存在する。また、例えば、本実施の形態では、ピークにおけるシリコン濃度は、1.0×1022atoms/cm以上3.0×1022atoms/cm以下である。
これにより、酸化物半導体層140とシリコンリッチ絶縁層150との界面にシリコン濃度のピークが存在するので、酸化物半導体層140の界面近傍の構造が安定し、界面近傍に結晶核の発生が抑制される。したがって、絶縁層160を高温プロセスで成膜することができるので、絶縁層160の膜質を高めることができる。
また、例えば、本実施の形態では、シリコンリッチ絶縁層150の膜厚は、1nm以上15nm以下である。
これにより、シリコンリッチ絶縁層150の膜厚が薄く、成膜に要する時間が少なくて済むので、シリコンリッチ絶縁層150の成膜中に、酸化物半導体層140に結晶核が発生するのを抑制することができる。
また、例えば、本実施の形態では、薄膜トランジスタ100は、さらに、酸化物半導体層140の、シリコンリッチ絶縁層150とは反対側に設けられたゲート絶縁層130と、酸化物半導体層140との間にゲート絶縁層130を挟んで、酸化物半導体層140に対向する位置に設けられたゲート電極120とを備える。
これにより、薄膜トランジスタ100はボトムゲート型のTFTであるので、チャネル保護層として絶縁層160を備える。つまり、薄膜トランジスタ100は、良好なチャネル保護層を備えるので、電気特性の劣化を抑制することができる。
また、例えば、本実施の形態では、酸化物半導体は、さらに、タングステンを含む。
これにより、InWOは、InGaZnOよりも高移動度であるので、薄膜トランジスタ100を、高精細、大画面、高駆動速度のアクティブマトリクス型の表示装置などに適用することができる。
また、例えば、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造方法は、少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層140を備える薄膜トランジスタ100の製造方法であって、酸化物半導体層140上にシリコンリッチ絶縁層150を形成する第1形成工程と、シリコンリッチ絶縁層150上に絶縁層160を形成する第2形成工程とを含み、シリコンリッチ絶縁層150は、絶縁層160よりシリコン濃度が高く、第1形成工程及び第2形成工程の少なくとも一方において、シリコンリッチ絶縁層150に含まれるシリコンが酸化物半導体層140の表層部にドープされることで、酸化物半導体層140の表層部にシリコンドープ層142が形成される。
これにより、酸化物半導体層140の表層部にシリコンをドープすることで、酸化物半導体層140の表層部の構造は安定し、結晶核の発生が抑制される。したがって、絶縁層160を高温プロセスで成膜することができるので、絶縁層160の膜質を高めることができる。
また、酸化物半導体層140の表層部以外の領域は、In−X−O系の酸化物半導体から構成される。つまり、酸化物半導体層140のチャネル領域を、InGaZnOよりも移動度が高いInWOなどで形成することができる。
このように、本実施の形態によれば、良好な絶縁膜を有し、かつ、高移動度のチャネル領域を有する薄膜トランジスタ100を製造することができる。したがって、電気特性の劣化が抑制された薄膜トランジスタ100を製造することができる。
また、例えば、本実施の形態では、第1形成工程では、酸化物半導体の結晶化温度Tcより低い第1温度T1でシリコンリッチ絶縁層150を成膜し、第2形成工程では、酸化物半導体の結晶化温度Tc以上の第2温度T2で絶縁層160を成膜する。
これにより、シリコンリッチ絶縁層150の成膜温度(第1温度T1)が酸化物半導体の結晶化温度Tcよりも低いので、シリコンリッチ絶縁層150の成膜時に酸化物半導体の結晶核が発生するのを抑制することができる。また、絶縁層160を酸化物半導体の結晶化温度Tc以上の高い温度で成膜することができるので、良質な絶縁層160を形成することができる。
また、例えば、本実施の形態では、第2形成工程では、(i)シリコンリッチ絶縁層150上に第2温度T2で第1絶縁層161を成膜し、(ii)第1絶縁層161上に、第2温度T2以上の第3温度T3で第2絶縁層162を成膜することで、絶縁層160を形成する。
これにより、第1絶縁層161と第2絶縁層162との2層構造にすることで、例えば、第1絶縁層161と第2絶縁層162とで成膜温度を異ならせることができる。例えば、第1絶縁層161を、酸化物半導体層140の表層部にシリコンをドープするのに適した温度で成膜し、第2絶縁層162を、チャネル保護層として良質な絶縁膜を成膜するために、より高温で成膜することができる。
なお、本実施の形態では、プラズマCVDによって形成したシリコンリッチ絶縁層150のシリコンを酸化物半導体層140の表層部にドープすることによって、シリコンドープ層142を形成した。これに対して、例えば、スパッタリングによって、InXO層141を形成した後に、InWSiO層をシリコンドープ層142として形成することが考えられる。
スパッタリングでは、成膜される膜の組成は、ターゲット材の組成と略同じになる。このため、シリコン酸化膜と酸化物半導体層140との界面にシリコン濃度のピークが存在するように、すなわち、膜中の濃度勾配を有するようにInWSiO層を成膜するのは困難である。
このため、InWSiO層とInWO層との積層構造をスパッタリングによって形成した場合、シリコン濃度が高い領域からInWOとゲート絶縁層130との界面までの距離が短くなり、シリコンの拡散がフロントチャネル側にまで進行してしまう可能性がある。フロントチャネルにシリコンが拡散すると、シリコンと酸素との結合エネルギーが大きいために、酸素欠陥の発生が抑制される。このため、チャネル層内のキャリア濃度が低下し、移動度が低下する可能性が高くなる。
また、InWSiO層とInWO層との積層構造を形成する場合には、スパッタリングのチャンバーを増設する、又は、ターゲット材の種類を増やすなどの設備投資も必要になる。
以上の点に対して、プラズマCVDでシリコンリッチ絶縁層150を形成する場合には、上記のスパッタリングの問題点は生じない。また、基板110が大型化したとしても、既存の大型のプラズマCVD装置で対応することができ、新たな設備投資も必要ではなく、低コストで薄膜トランジスタ100を製造することができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法について説明する。本実施の形態では、実施の形態1と比較して、薄膜トランジスタの構成は同じであり、製造方法が異なっている。このため、以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
実施の形態1では、酸化物半導体層140上にシリコンリッチ絶縁層150を成膜する例について説明したが、本実施の形態では、酸化物半導体層140上にアモルファスシリコン層を成膜し、その後、酸化することでシリコンリッチ絶縁層150を形成する。
[1.TFTの製造方法]
図9は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。
なお、酸化物半導体層140を形成するまでの工程は、図5Aの(a)〜(c)に示す通りである。
[1−1.アモルファスシリコン層の形成]
酸化物半導体層140を形成した後、図9の(a)に示すように、酸化物半導体層140上にアモルファスシリコン層250を形成する。例えば、酸化物半導体層140を覆うように、全面にアモルファスシリコン膜をプラズマCVDによって成膜する。例えば、平行平板型のプラズマCVD装置を利用することができる。具体的には、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度T1でアモルファスシリコン層250を成膜する。
アモルファスシリコン層250の成膜条件を図10に示す。なお、図10は、本実施の形態に係るアモルファスシリコン層250及び絶縁層260の成膜条件、並びに、酸化性プラズマ処理の条件を示す図である。
アモルファスシリコン層250の成膜条件は、図10の「a−Si」の列に示すとおりである。具体的には、アモルファスシリコン層250の成膜温度(第1温度T1)は、酸化物半導体の結晶化温度Tcより低い温度である。また、プラズマCVDのパワー密度は、0.05W/cm〜0.3W/cmであり、圧力は70Pa〜300Pa、電極間距離は、300mils〜900milsである。なお、電極間距離は、好ましくは350mils〜500milsである。また、アモルファスシリコン層250の膜厚は、1.0nm〜10.0nmであり、好ましくは、3.0nm〜5.0nmである。
また、チャンバー内に導入するガスとしては、シランガス及び水素ガスを用いる。シランガスの規格化流量は、例えば、0.01sccm/cm〜0.25sccm/cmである。水素ガスの規格化流量は、例えば、0sccm/cm〜0.55sccm/cmである。
このとき、成膜中の水素の発生量の低減、及び、成膜レートの低減化による膜厚制御性の向上のためには、水素ガスを用いない方が好ましい。また、希釈ガス(例えば、Arガス)を用いた場合には、亜酸化窒素ガスの使用割合を減らし、低コスト化を実現することができる。しかしながら、酸化物半導体層140の表面及びバルクにダメージ(欠陥)を与えてしまう。したがって、薄膜トランジスタ100の電気特性を向上させるためには、希釈ガスを用いないことが好ましい。
[1−2.酸化性プラズマ処理]
次に、図9の(b)に示すように、アモルファスシリコン層250に酸化性プラズマ処理を行うことで、アモルファスシリコン層250を酸化する。つまり、アモルファスシリコン層250をNOプラズマ251に曝すことにより、アモルファスシリコン層250を酸化する。これにより、シリコンリッチ絶縁層150を形成する。具体的には、酸化性プラズマ処理として、NOプラズマ処理を行う。酸化性プラズマ処理は、例えば、平行平板型のプラズマCVD装置を利用することができる。具体的には、アモルファスシリコン層250に酸化性プラズマ処理を、結晶化温度Tc以上の第2温度T2で行うことで、シリコンリッチ絶縁層150を形成する。
このとき、酸化性プラズマ処理中に、アモルファスシリコン層250に含まれるシリコンが酸化物半導体層140の表層部にドープされる。これにより、酸化物半導体層140の表層部にシリコンドープ層142が形成される。
Oプラズマ処理の条件は、図10の「NOプラズマ」の列に示す通りである。具体的には、NOプラズマ処理の処理温度(第2温度T2)は、酸化物半導体の結晶化温度Tc以上の温度である。また、パワー密度は、0.05W/cm〜0.3W/cmであり、圧力は100Pa〜400Pa、電極間距離は、400mils〜700milsである。なお、圧力は、好ましくは、100Pa〜200Paであり、電極間距離は、好ましくは350mils〜500milsである。
また、チャンバー内に導入するガスとしては、亜酸化窒素(NO)ガスを用いる。NOガスの規格化流量は、例えば、5.0sccm/cm〜10.0sccm/cmである。
Oプラズマ処理の処理時間は、例えば、1秒〜300秒であり、好ましくは、30秒〜180秒である。処理時間が短すぎる場合は、アモルファスシリコン層250を酸化することができない。処理時間が長すぎる場合は、酸化物半導体層140にプラズマダメージが発生し、結晶核の発生を促進してしまう。
[1−3.絶縁層の形成]
次に、図9の(c)に示すように、シリコンリッチ絶縁層150上に、絶縁層260を形成する。例えば、シリコンリッチ絶縁層150上に、シリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。具体的には、シリコンリッチ絶縁層150上に、結晶化温度Tc以上の第3温度T3で絶縁層260を成膜する。
絶縁層260の成膜条件は、図10の「SiO」の列に示す通りである。具体的には、絶縁層260の成膜温度(第3温度T3)は、酸化物半導体の結晶化温度Tcより高い温度であり、例えば、NOプラズマ処理の処理温度以上の温度である。また、プラズマCVDのパワー密度は、0.55W/cm〜1.2W/cmであり、圧力は70Pa〜400Pa、電極間距離は、400mils〜700milsである。なお、好ましくは、パワー密度は、0.9W/cm〜1.2W/cmであり、圧力は100Pa〜200Pa、電極間距離は、500mils〜600milsである。また、絶縁層260の膜厚は、50nm〜300nmである。
シラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、0.8%〜1.2%である。規格化トータル流量は、7.0sccm/cm〜10.0sccm/cmである。このとき、アルゴンガスなどの希釈ガスを用いていない。
なお、本実施の形態では、1層の絶縁層260を成膜したが、実施の形態1と同様に、2層の絶縁層を絶縁層260として形成してもよい。
以降、図5Bの(g)に示すように、ドレイン電極170d及びソース電極170sを形成することで、薄膜トランジスタを製造することができる。
[2.サンプルの構成及び製造条件]
ここで、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を用いてサンプルCを作製した。サンプルCは、実施の形態1に係るサンプルBと同様に、シリコンリッチ絶縁層150及びシリコンドープ層142を備えている。このときのシリコンリッチ絶縁層150は、アモルファスシリコン層250が酸化性プラズマ処理によって酸化されたものである。
まず、サンプルCの詳細な製造条件について説明する。
基板110及び酸化物半導体層140の成膜条件は、サンプルAと同じである。
サンプルCでは、酸化物半導体層140上に、プラズマCVDによってアモルファスシリコン層250を形成した。成膜ガスとしては、SiHガスを30sccm導入した。また、投入電力は50Wであり、圧力は2torr(約267Pa)であり、電極間距離は350milsである。アモルファスシリコン層250の膜厚は、約10nmである。成膜温度は、190℃であり、InWOの結晶化温度Tcより低い温度である。
さらに、アモルファスシリコン層250にNOプラズマ処理を行うことで、アモルファスシリコン層250を酸化してシリコンリッチ絶縁層150を形成した。導入ガスとしては、NOガスを1500sccm導入した。また、投入電力は30Wであり、圧力は3torr(約400Pa)であり、電極間距離は550milsである。処理時間は、180秒である。処理温度(第2温度T2)は、200℃であり、InWOの結晶化温度Tcと同じ温度である。
さらに、シリコンリッチ絶縁層150上に、絶縁層260として、プラズマCVDによってシリコン酸化膜を形成した。成膜ガスとしては、SiHガス及びNOガスを用いた。このときのシラン流量比(SiH/(SiH+NO))は、1%である。また、投入電力は180Wであり、圧力は3torr(約400Pa)であり、電極間距離は、550milsである。シリコン酸化膜の膜厚は、約170nmである。
なお、シリコン酸化膜(絶縁層260)の成膜温度を異ならせることで、3つのサンプルCを作製した。3つのサンプルCのそれぞれのシリコン酸化膜の成膜温度は、190℃、220℃、250℃である。
以上の条件で作製したサンプルCは、図7及び図8Bで示したような膜質のデバイスが作成された。つまり、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法によれば、実施の形態1と同様に、良好な膜質を有する絶縁層260をチャネル保護層として形成することができる。
[3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法は、第1形成工程は、酸化物半導体の結晶化温度Tcより低い第1温度T1でアモルファスシリコン層250を成膜する工程と、アモルファスシリコン層250に酸化性プラズマ処理を、酸化物半導体の結晶化温度Tc以上の第2温度T2で行うことで、シリコンリッチ絶縁層150を形成する工程とを含む。
これにより、実施の形態1と同様に、酸化物半導体層140の表層部にシリコンをドープすることで、酸化物半導体層140の表層部の構造は安定し、結晶核の発生が抑制される。したがって、絶縁層260を高温プロセスで成膜することができるので、絶縁層260の膜質を高めることができる。
また、酸化物半導体層140の表層部以外の領域は、In−X−O系の酸化物半導体から構成される。つまり、酸化物半導体層140のチャネル領域を、InGaZnOよりも移動度が高いInWOなどで形成することができる。
このように、本実施の形態によれば、良好な絶縁膜を有し、かつ、高移動度のチャネル領域を有する薄膜トランジスタを製造することができる。したがって、電気特性の劣化が抑制された薄膜トランジスタを製造することができる。
(変形例)
続いて、上述した実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の変形例について、図11を用いて説明する。図11は、本変形例に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。
図11の(a)に示すように、酸化物半導体層140を成膜した時点では、表面に微小な凹凸343(又はパーティクル)が形成されている場合がある。微小な凹凸343は結晶核の発生を促進するので、図11の(b)に示すように、シリコンリッチ絶縁層150を形成する前に、酸化物半導体層140を所定の膜厚だけエッチングする。エッチングにより、酸化物半導体層140の表面層を除去し、表面の微小な凹凸343を除去する。
例えば、酸化物半導体層140のウェットエッチングは、例えば、リン酸(HPO)、硝酸(HNO)、酢酸(CHCOOH)及び水を混合した薬液を用いて行うことができる。このとき、エッチングレートが1nm/分になるように、薬液の濃度を調整しておく。酸化物半導体層140に当該薬液を1分〜3分浸すことで、酸化物半導体層140の表面層を除去する。除去される膜厚は、例えば、1nm〜3nmである。
このように、本変形例に係る薄膜トランジスタの製造方法は、さらに、シリコンリッチ絶縁層150を形成する前に、酸化物半導体層140を所定の膜厚だけエッチングするエッチング工程を含む。
これにより、酸化物半導体層140の表面のラフネス(粗さ)を低減することができ、結晶核の発生を抑制することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下では、他の実施の形態を例示する。
例えば、上記の実施の形態では、ボトムゲート型、かつ、チャネル保護型の薄膜トランジスタについて説明したが、これに限らない。薄膜トランジスタは、ボトムゲート型、かつ、チャネルエッチ型でもよく、あるいは、トップゲート型の薄膜トランジスタでもよい。なお、トップゲート型の薄膜トランジスタの場合は、上述した絶縁層160及びシリコンリッチ絶縁層150をゲート絶縁膜として利用することができる。
また、例えば、上記の実施の形態では、薄膜トランジスタ100を用いた表示装置として有機EL表示装置10について説明したが、上記実施の形態における薄膜トランジスタ100は、液晶表示装置など、アクティブマトリクス基板が用いられる他の表示装置にも適用することができる。
また、上述した有機EL表示装置10などの表示装置(表示パネル)については、フラットパネルディスプレイとして利用することができ、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話など、表示パネルを有するあらゆる電子機器に適用することができる。特に、大画面及び高精細の表示装置に適している。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法は、例えば、有機EL表示装置などの表示装置若しくはその他の電子機器、又は、これらの製造方法などに利用することができる。
10 有機EL表示装置
20 TFT基板
21 バンク
30 画素
30B、30G、30R サブ画素
31 画素回路
32、33、100 薄膜トランジスタ
32d、33d、170d ドレイン電極
32g、33g、120 ゲート電極
32s、33s、170s ソース電極
34 キャパシタ
40 有機EL素子
41 陽極
42 EL層
43 陰極
50 ゲート配線
60 ソース配線
70 電源配線
110 基板
130 ゲート絶縁層
140 酸化物半導体層
141 InXO層
142 シリコンドープ層
150 シリコンリッチ絶縁層
160、260 絶縁層
161 第1絶縁層
162 第2絶縁層
250 アモルファスシリコン層
251 NOプラズマ
343 凹凸

Claims (10)

  1. 少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層と、
    前記酸化物半導体層に積層された第1シリコン絶縁層と、
    前記第1シリコン絶縁層の、前記酸化物半導体層とは反対側に積層された第2シリコン絶縁層とを備え、
    前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、
    前記酸化物半導体層は、前記第1シリコン絶縁層に接触する表層部にシリコンがドープされたシリコンドープ層を有し、
    積層方向におけるシリコン濃度分布において、前記シリコンドープ層と前記第1シリコン絶縁層との界面に、シリコン濃度のピークが存在する
    薄膜トランジスタ。
  2. 前記ピークにおけるシリコン濃度は、1.0×1022atoms/cm以上3.0×1022atoms/cm以下である
    請求項に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記第1シリコン絶縁層の膜厚は、1nm以上15nm以下である
    請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記薄膜トランジスタは、さらに、
    前記酸化物半導体層の、前記第1シリコン絶縁層とは反対側に設けられたゲート絶縁層と、
    前記酸化物半導体層との間に前記ゲート絶縁層を挟んで、前記酸化物半導体層に対向する位置に設けられたゲート電極とを備える
    請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記酸化物半導体は、さらに、タングステンを含む
    請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記酸化物半導体層上に第1シリコン絶縁層を形成する第1形成工程と、
    前記第1シリコン絶縁層上に第2シリコン絶縁層を形成する第2形成工程とを含み、
    前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、
    前記第1形成工程及び前記第2形成工程の少なくとも一方において、前記第1シリコン絶縁層に含まれるシリコンが前記酸化物半導体層の表層部にドープされることで、前記酸化物半導体層の表層部にシリコンドープ層が形成され
    前記第1形成工程では、前記酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度で前記第1シリコン絶縁層を成膜し、
    前記第2形成工程では、前記酸化物半導体の結晶化温度以上の第2温度で前記第2シリコン絶縁層を成膜する
    薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記酸化物半導体層上に第1シリコン絶縁層を形成する第1形成工程と、
    前記第1シリコン絶縁層上に第2シリコン絶縁層を形成する第2形成工程とを含み、
    前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、
    前記第1形成工程及び前記第2形成工程の少なくとも一方において、前記第1シリコン絶縁層に含まれるシリコンが前記酸化物半導体層の表層部にドープされることで、前記酸化物半導体層の表層部にシリコンドープ層が形成され
    前記第1形成工程は、
    前記酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度でアモルファスシリコン層を成膜する工程と、
    前記アモルファスシリコン層に酸化性プラズマ処理を、前記酸化物半導体の結晶化温度以上の第2温度で行うことで、前記第1シリコン絶縁層を形成する工程とを含む
    薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記第2形成工程では、(i)前記第1シリコン絶縁層上に前記第2温度で第1絶縁層を成膜し、(ii)前記第1絶縁層上に、前記第2温度以上の第3温度で第2絶縁層を成膜することで、前記第2シリコン絶縁層を形成する
    請求項又はに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記薄膜トランジスタの製造方法は、さらに、前記第1シリコン絶縁層を形成する前に、前記酸化物半導体層を所定の膜厚だけエッチングするエッチング工程を含む
    請求項のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 前記酸化物半導体は、さらに、タングステンを含む
    請求項のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。

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