JP2016075040A - 地盤改良工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】噴射装置(1、10)から切削用流体(高圧水や高圧エア等:固化材を含む場合もある)を噴射して切削すると共に、固化材を供給して、切削された地盤(G)と流体と固化材を混合、撹拌して、地中固結体を造成する地盤改良工法において、噴射装置(1、10)には複数のノズル(N1、N2)が垂直方向に間隔をあけて位置しており、切削用流体を噴射する際に、上方のノズル(N1)から斜め下方に切削用流体を噴射(J1)し、下方のノズル(N2)から斜め上方に切削用流体を噴射する(J2)。
【選択図】図1
Description
図8において、改良すべき地盤Gに削孔されたボーリング孔HDに、ロッド状の噴射装置11が挿入されている。噴射装置11は、地中Gに切削用流体(例えば高圧水)の噴流(J:切削用流体ジェット)を噴射するため、側面に切削用流体ジェットJを噴射する噴射ノズルNが設けられている。噴射ノズルNは、噴射装置11の中心軸CLに対して相互に点対称の位置に複数個設けられており(例えば、図8では2個)、複数の噴射ノズルNの垂直方向位置(図8、図11の上下方向の位置)は同一である。
図示されてはいないが、噴射装置11は内部に切削用流体流路(切削用流体用管:図示せず)を設けており、地上に設けた図示しない供給装置から切削用流体が噴射装置11内の切削用流体流路に供給され、噴射ノズルNより、切削用流体ジェットJとなって半径方向外方に(水平方向に)噴射される。
同時に、固化材(例えばセメント)を、噴射装置11の中の固化材流路(図示せず)を介して、噴射装置11の下端部付近に設けた図示しない吐出口から吐出することにより、前記拡径された切削孔HC中に吐出させることで、切削された原位置土と混合されて、地中固結体(図示せず)が造成される。ここで、切削用流体ジェットJと同様に、或いは、切削用流体ジェットJと共に、固化材を半径方向外方に噴射させる場合も存在する。
切削用流体ジェットJにより地盤Gを切削する際に、切削された原位置土と切削用流体の混合物であるスライムが発生する。このスライムは矢印ADで示すように、噴射装置11とボーリング孔HDの内壁面との間の隙間S(円環状空間)を通って地上に排出される。
そして、図9において、所定間隔(ピッチPの1/2)を隔てて平行に延在する複数の切削用流体ジェットJに存在する原位置土(地盤、岩盤、岩石等)は、当該ジェットJにより切削され、切削された原位置土は切削流体と混合して、スライムとして地上側に排出される。
そして、当該大きな土塊Mが切削されずに残存してしまうと、図11で示す様に、当該大きな土塊Mはボーリング孔HDの内壁面と噴射装置11との間の隙間S(円環状空間)を通過するのが困難であり、当該隙間S(円環状空間)を閉塞して、地上側へスライムが排出されるのを妨げてしまう。
そのため、上述した地盤改良工法では、代表寸法が大きな土塊Mが切削されずに残存するのを防止する技術が望まれている。しかし、その様な技術(代表寸法が大きな土塊Mが切削されずに残存してしまうことを防止する技術)は、現時点では未だ提案されていない。
噴射装置(1、10)には複数のノズル(N1、N2)が垂直方向に間隔をあけて位置しており、切削用流体を噴射する際に、上方のノズル(N1)から斜め下方に切削用流体を噴射し(切削用流体ジェットJ1)、下方のノズル(N2)から斜め上方に切削用流体を噴射する(切削用流体ジェットJ2)ことを特徴としている。
また本発明において、ノズル(N1、N2)間の垂直方向間隔Vを調節する工程を有するのが好ましい。
そのため、ある瞬間において切削用流体ジェット(J)で切削されない領域(土塊G)が存在したとしても、当該土塊(G)は、その後、何れかの切削流体ジェット(ジェットJ1、ジェットJ2)により切断される。換言すれば、ある瞬間において大きな土塊(G)が切削流体ジェット(ジェットJ1、ジェットJ2)で切削されずに残存しても、その後に当該土塊(G)は切削流体ジェット(ジェットJ1、ジェットJ2)の何れかの流線により必ず切断される。
そして、切削されずに残存し得る最大の土塊(M)のサイズは小さくなり、噴射装置(1)とボーリング孔(HD)の内壁面との隙間S(円環状空間)を容易に通過する。したがって、残存し得る最大のサイズの土塊(M)がスライムの地上側への排出を妨げてしまうことはない。
また本発明において、ノズル(N1、N2)間の垂直方向間隔(V)を調節可能に構成すれば、切削用流体の噴流(J)の流線間のピッチ(P)を調節することが可能になり、施工現場の状況に対応して、切削用流体の噴流(J)で切削されずに残存し得る最大の土塊(M)のサイズを調節することが可能となる。
そのため、仕切形成材で構成された分離層(LD)における仕切形成材と土壌との混合物のみ、スライム(仕切形成材と切削された土壌との混合物)として地上側に排出され、固化材の層(LC)における富配合の固化材は、地上側には殆ど排出されない。そして固化材が地上側に排出されないため、固化材の浪費が抑制されると共に、産業廃棄物として専門の処理施設で処理するべきスライムの発生量が減少する。
また、噴射装置(10)の下方(のノズル)から固化材が噴射される(ジェットJ3、J4)ので、原位置土の粘性が高くても(例えば粘土)、原位置土(粘土)と仕切形成材の混合物は固化材と良好に混合される。
最初に図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図8、図11で示す従来技術では、一対のノズルNの垂直方向位置(図8、図11では上下方向位置)は同一であり、また、切削用流体(例えば高圧水:固化材を包含する場合もある)の噴流(切削用流体ジェットJ)は、水平方向を噴射される。
それに対して、図1〜図6で示す実施形態では、ノズルN1、N2の垂直方向位置(図1の上下方向位置)は異なっており、また、水平方向に対して斜めの方向に切削用流体ジェットJを噴射している。
噴射装置1の側面にはノズルN1及びN2が設けられており、ノズルN1及びN2から切削用流体ジェットJ1、J2が噴射する。なお、本明細書において、ジェットJ1、J2をジェットJと総称する場合がある。
ノズルN1及びN2は、垂直方向(図1の上下方向)に間隔Vを隔てて配置されている。
図1において、符号CLは噴射装置1の中心軸を示している。
一方、下方のノズルN2からは、水平方向上側に向かって切削用流体体ジェットJ2を噴射しており、切削用流体ジェットJ2の噴射方向は、水平方向HOに対して角度θだけ上方に傾斜している。
図1において符号DはジェットJ1、J2により切削された領域(切削孔HC)の切削径であり、切削孔HCの切削半径(噴射装置1の中心軸CLと切削孔HCの内壁までの距離)はD/2である。
噴射装置1は、切削用流体ジェットJ1及びJ2を噴射して地盤Gを切削しつつ、矢印Rで示す様に回転し、且つ、地表に向かって(図1では上方:矢印U参照)引き上げられる。
なお噴射装置1の引上げ量(噴射装置1が1回転する間に矢印U方向へ移動する移動量)は、符号Pで表現されている。
図1において、地盤切削の際に発生したスライムは、矢印ADで示すように、噴射装置1とボーリング孔HDの内壁面との間の隙間S(環状空間)を通って地上に排出される。
すなわち、第1実施形態によれば、図2において、切削用流体ジェットJ1及び切削用流体ジェットJ2の流線は、或る断面(任意の同一断面)において、図2で噴射装置1より右側の平面では、切削用流体ジェットJ1による左上から右下に延在する平行な複数の直線(ジェットJ1と同一の直線)と、切削用流体ジェットJ2による左下から右上に延在する平行な複数の直線(ジェットJ2と同一の直線)とが交差した形状となる。
ここで、或る断面(任意の同一断面)とは、例えば図1、図2において、噴射装置1の中心軸CL(図1参照)を包含して半径方向及び垂直方向(図2では上下方向)に延在する平面であり、噴射装置1の中心軸CLに対して360°全周に亘って存在する。
なお、図2において一番下方の切削用流体ジェットJ1の流線と、切削用流体ジェットJ2の流線の上下方向間隔は、ノズルN1及びN2間の距離Vに等しい。
切削用流体ジェットJ1、J2の流線上に存在しない領域、すなわち、切削用流体ジェットJ1、J2の流線間の領域αに存在する原位置土は、切削用流体ジェットJ1、J2では切削されない。なお、図2では、切削用流体ジェットJ1、J2の流線間の領域αについては、1つだけハッチングを付して例示している。
しかし、図2における断面(任意の同一断面)では、当該断面における複数の切削用流体ジェットJ1、J2の流線ならば、切削用流体ジェットJ1及びJ2で切削されずに残存する最大の土塊は、図2における菱形の領域αに存在する土塊Mである。そして、図2の領域αに存在する土塊Mは、図10、図11で示す代表寸法の大きな土塊に比較して、その代表寸法が小さい。
そして、図2の領域αに存在する土塊Mは代表寸法が小さいため、スライムと共に、噴射装置1とボーリング孔HDの内壁面との環状空間S(図1参照)内を容易に通過することができる。換言すれば、図2の領域αに存在する代表寸法が小さい土塊Mが、スライムの地上側への排出を妨げてしまうことはない。
発明者の研究では、粘土地盤では切削径Dは4m以上であり、砂地盤では5m以上である。
図1において、ノズルN1、N2における角度θ(ジェットJ1、J2の噴射角度)を調節すれば前記切削用流体ジェットJの噴射圧を調節することになり、切削径Dを決定することが出来る。
さらに、切削用流体ジェットJの噴射流量Qは
Q=300(リットル/min.)×ノズル本数 という式で示される。
これに加えて例示すると、噴射装置1の回転速度は5rpm、切削回数は1〜2回である。すなわち、噴射装置1が半回転〜1回転する毎に、噴射装置1を上昇する(ステップアップする)。
従って、図示の実施形態において、ノズルN1、N2における角度θ(ジェットJ1、J2の噴射角度)を調節できることが好ましい。
図3、図4は、ノズルN1、N2における角度θ(ジェットJ1、J2の噴射角度)を調節するための機構を示している。
図3は、噴射装置1の中心軸CLに対しノズルN1が取り付けられた状態を示しており、噴射装置1は切削用流体流路1Aを備え、切削用流体流路1Aには切削用流体が流過する。切削用流体は地上の図示しない供給装置から供給され、加圧装置(図示せず)により加圧されて図3の矢印AB方向に流れて、ノズルN1及びN2から矢印ACの方向に噴射される。
図3において、符号1Bは、噴射装置1に設けられたノズルN1の噴射角度調整による可動域確保のための切欠き部である。
噴射角度調整用あて板2は上下方向に延在する板状体であり、噴射装置1(図3では管状の噴射装置1のケーシングのみが示されている)に取り付けられている。そして噴射角度調整用あて板2の噴射装置1側(図3では左側)には挿入部2Aが設けられており、挿入部2Aは調整用挿入板3が挿入自在となる様に構成されている。挿入部2Aは噴射角度調整用あて板2の内側空間を形成しており、挿入部2Aの底面部2Bは噴射装置1のケーシングの外表面(外壁面)である。
挿入部2Aが形成する空間の高さ方向(半径方向:図4では左右方向)寸法は、その入り口(噴射角度調整用あて板2の下端部)から図4の上方に向かうに連れて漸減する。そして挿入部2Aの底面部2B(噴射装置1のケーシングの外表面)と、挿入部2Aの上面部2Cが為す角度(挿入角度)は符号φ1で示されている。
ノズルN1は、前記噴射角度調整用あて板2に固定され、当該あて板2と一体的に回動する。そのため、噴射角度調整用あて板2が初期位置(噴射角度調整用あて板2が噴射装置1の外壁面に押し付けられた状態:図3の位置)から、前記付勢力Fに抗して時計回りに回動すると、ノズルN1は支持軸2D周りに回動し、噴射角度θが減少する方向に回動する。
調整用挿入板3は噴射角度調整用あて板2の挿入部2Aに挿入自在(矢印AE方向に移動自在)となっており、調整用挿入板3を噴射角度調整用あて板2の挿入部2Aに挿入する挿入量を調整することで、噴射角度調整用あて板2及びノズルN1が付勢力Fに抗して支持軸2Dに対して時計回りに回動する際のノズルN1の噴射角度θを調整することが出来る。
上述した内容では、ノズルN1における噴射角度θの調節について説明したが、ノズルN2についても同様の機構により、噴射角度θが調節出来る。
図4では、ノズルN1の噴射方向の中心付近を、公知のステッピングモータ4の出力軸4Aに固定している。そして、当該ステッピングモータ4の出力軸4Aは、噴射装置(図示せず)に取り付けられている。なお、図4における矢印ACは、切削用流体ジェットJ1の噴射方向を示している。
図4において、ステッピングモータ4を適切な角度だけ正回転または逆回転させることにより、ノズルN1を任意の中心角度だけ回動し、以って、ノズルN1の噴射角度θを調整することが出来る。
図4による噴射角度θの調節機構は、ノズルN2についても適用できる。
ピッチPはノズルN1、N2間の垂直方向間隔Vが変動すれば異なるパラメータであり、換言すれば、ノズルN1、N2間の垂直方向間隔Vを調節すればピッチPを調節することが出来る。
図5、図6はノズルN1、N2間の垂直方向間隔Vを調節するための機構を例示している。
図5は、噴射装置1のノズルN1及びN2の取付け部付近を側面から見た説明図であり、噴射装置1をノズルN1、N2間における所定位置(垂直方向所定位置)で2分割し、2分割された噴射装置101、102の間に厚さ寸法Tのスペーサ5を介装している。
ここで、スペーサ5の内部構造は噴射装置101及び102と同様な構造となっており、噴射装置101、102内の流体経路はスペーサ5内の流体経路と図示しない接続手段(例えば、スイベルジョイント等)により、接続されている。そのため、噴射装置101、102及びスペーサ5は、噴射装置として切削用流体(及び固化材)を噴射或いは吐出する機能を備えている。
なお、噴射装置101、102とスペーサ5の結合については、公知技術により(例えば、接着、締結手段等)により行われる。
例えば、噴射装置101、102間にスペーサ5を介装しない時のノズルN1、N2間の垂直方向間隔Vを、ノズルN1、N2間の最小間隔(垂直方向間隔)とすれば、噴射装置101、102間にスペーサ5を介装した時のノズルN1、N2間の垂直方向間隔は「V+T」となる。
さらに、厚さ寸法Tが異なるスペーサ5を複数種類用意して、ノズルN1、N2間の垂直方向間隔の範囲を、適宜調節することが出来る。
図6において、ピニオンギヤ7は、その回転軸7Aが噴射装置(図示せず)に取り付けられており、ラック6と噛合している。そしてラック6はノズルN1に固定されており、噴射装置1(図1参照)の中心軸と平行に延在している。ピニオンギヤ7を正回転又は逆回転してラック6を上下動すると、ノズルN1が上下動する。これにより、ノズルN1、N2間の垂直方向間隔を調整することが出来る。
また、図6ではノズルN1のみが上下動する様に構成されているが、ノズルN2のみをラック6に固定して上下動するように構成することも可能である。さらに、ノズルN1、N2がそれぞれ別のラックに固定され、ピニオンギヤ7が回転するとノズルN1、N2が上下方向について逆方向に移動して、ノズルN1、N2間の垂直方向間隔Vを調節することも可能である。
そのため、図10で示すように、切削用流体ジェットで切削されない領域が切削用流体ジェットの流線と平行に延在することは無く、必ず、他方の切削用流体ジェットの流線が、当該切削されない領域と交差する。
その結果、図示の第1実施形態によれば、切削用流体ジェットで切削されずに残存し得る最大の土塊Mは、図10、図11で示す代表寸法の大きな土塊Mに比較して、代表寸法が小さくなり、噴射装置1とボーリング孔HDの内壁面との環状空間(図1、図11参照)内を容易に通過し、スライムの地上側への排出を妨げてしまうことはない。
さらに、図示の実施形態ではノズルN1、N2間の垂直方向間隔Vを調節することが出来るので、図2で示すジェット流線のピッチPを調節することが出来る。そのため、施工現場の状況に対応して、ジェットで切削されずに残存し得る最大の土塊Mのサイズを調節することが可能である。
図7において、噴射装置10上方のノズルN1から噴射されるジェットJ1、J2は、図1〜図6の第1実施形態で説明したのと同様に、ジェットJ1はノズルN1から水平方向斜め下側に向かって噴射されており、ジェットJ2はノズルN2から水平方向斜め上側に向かって噴射されている。
図7では明確には図示されていないが、ジェットJ1、J2は、その断面の半径方向内方(中央)部分は仕切形成材の噴流であり、その周囲を高圧空気の噴流が包囲している。ただし、高圧空気を噴出しなくても、第2実施形態は実施可能である。
仕切形成材は、例えば、増粘剤(例えば、天然水溶性高分子材料であるグアガム)5重量%と、ケイ酸ナトリウムソーダ(水ガラス)5重量%を包含する溶液である。そして仕切形成材を土壌中に噴射して原位置土と混合することにより、分離層LDを構成する。
ジェットJ3、J4により、仕切形成材と原位置土壌とが切削混合した混合物に対して、さらに固化材が混合される。
回転しつつ引き上げられる噴射装置10から噴射されるジェットJ3、J4により固化材を噴射するため、例えば原位置土が粘土であっても、原位置土(粘土)と仕切形成材の混合物は固化材と良好に混合される。
ここで、原位置土(粘土)と仕切形成材の混合物は、スライムとして、矢印ADで示すように噴射装置10とボーリング孔HDの内壁面との間の環状空間Sを通って、地上側に排出される。しかし、原位置土(粘土)と仕切形成材の混合物は固化材を包含していないので、産業廃棄物として処理する必要はなく、作業環境を悪化させる恐れも少ない。
そして、ジェットJ1、J2で切削された空間IJの下方の領域にジェットJ3、J4により固化材を噴射することにより、空間IJの下方の領域には、富配合の固化材(固化材と水との比率W/Cが低い配合である固化材)の層LCが形成される。
固化材が地上側に排出されないようにするために、下方のジェットJ3、J4が切削壁Wに衝突した際には、下方のジェットJ3、J4が矢印AGで示すように下方に巻き下がる必要がある。そのため、図7で示すように、下方のジェットJ3、J4は、水平方向HOに対して角度βだけ下方に向いている。
発明者の実験では、下方のジェットJ3、J4の噴射圧が100barの場合には前記傾斜角度βは15°、ジェットJ3、J4の噴射圧が200barの場合には傾斜角度βは30°であるのが好適であり、固化材が分離層LDに混入してしまうことが防止された。
仕切形成材で構成された分離層LDが存在するため、仕切形成材と土壌との混合物はスライム(仕切形成材と切削された土壌との混合物)として地上側に排出されるが、固化材の層LCにおける富配合の固化材は地上側には殆ど排出されない。そして固化材が地上側に排出されないため、固化材の浪費が抑制されると共に、産業廃棄物として専門の処理施設で処理するべきスライムの発生量が減少する。
また、噴射装置10の下方のノズルN3、N4から噴射されるジェットJ3、J4により固化材が噴射され、噴射装置10は回転しつつ上昇するので、原位置土の粘性が高くても(例えば粘土)、原位置土(粘土)と仕切形成材の混合物は固化材と良好に混合される。
例えば、図示の実施形態では、ノズルは2つ設けられているが、噴射装置の中心軸CLに対して点対象に配置されるのであれば、3つ以上のノズルを設けることが可能である。
また、図示の実施形態では、固化材は噴射装置の下方に設けた吐出口から吐出されて、切削された原位置土と切削流体との混合物中に吐出されるが、切削用流体ジェットJと同様に、或いは、切削用流体ジェットJと共に、固化材を半径方向外方に噴射させても良い。
HC・・・切削孔
HD・・・ボーリング孔
IJ・・・切削された空間
J、J1、J2・・・切削用流体ジェット
LC・・・固化材の層
LD・・・仕切形成材の層(分離層)
N、N1、N2、N3、N4・・・ノズル(噴射ノズル)
S・・・環状空間
W・・・切削壁(切削孔の内壁面)
Claims (3)
- 噴射装置から切削用流体を噴射して切削すると共に、固化材を供給して、切削された地盤と流体と固化材を混合、撹拌して、地中固結体を造成する地盤改良工法において、
噴射装置には複数のノズルが垂直方向に間隔をあけて位置しており、切削用流体を噴射する際に、上方のノズルから斜め下方に切削用流体噴流を噴射し、下方のノズルから斜め上方に切削用流体噴流を噴射することを特徴とする地盤改良工法。 - ノズルの角度を調節する工程を有する請求項1の地盤改良工法。
- ノズル間の垂直方向間隔を調節する工程を有する請求項1、2の何れかの地盤改良工法。
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