以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態に係る構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、蓄電装置の説明のための図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
(実施の形態1)
(1.蓄電装置)
図1は、本発明の実施の形態1に係る蓄電装置1の構成を示す斜視図であり、図2は、蓄電装置1の一部を分解した状態で蓄電装置1の構成を示す分解斜視図である。なお、図2は、図1に示された蓋部20の上面部20xを省略して図示している。
蓄電装置1は、図1に示すように、ポリプロピレン等の合成樹脂製の開口箱状の容器本体10及び蓋部20から構成される、外形六面体のハウジング1aを備える蓄電パック(電源パック)である。容器本体10は、矩形板状の底壁10aと、底壁10aの外周から立設した4枚の矩形板状の側壁10bとを有する。蓋部20は、容器本体10の開口を塞ぐ矩形板状の部材であり、上面を形成する平板状の上面部20xを有する。
また、蓋部20には、外部接続端子21a及び21bが設けられている。つまり、蓄電装置1は、蓋部20の上面から露出した、図示しない外部負荷と接続するための負極の電極端子である外部接続端子21a及び正極の電極端子である外部接続端子21bを有する。更に、蓄電装置1は、ハウジング1aの内部空間と外部空間とを連通する排気筒22を有する。
また、図2に示すように、蓄電装置1は、ハウジング1aの容器本体10の内部に、蓄電モジュール本体30を収容している。蓄電モジュール本体30は、容器本体10の底壁10a側から順に、セルスタック32、バスバーアセンブリユニット33及び電装品サブユニット34が積層された構成を有する。また、蓄電モジュール本体30は、容器本体10の底壁10aに形成された貫通孔(死角のため図示されない)に挿入されるボルト11により、底壁10aに固定される。つまり、ボルト11は、容器本体10の底壁10aに対する蓄電モジュール本体30の移動を規制する第一規制部として機能する。なお、セルスタック32、バスバーアセンブリユニット33及び電装品サブユニット34の構成については、後に詳述する。
容器本体10は、接着、超音波溶着又は熱溶着等の手段によって蓋部20と接合されることにより、気密性を保つよう閉塞される。容器本体10と蓋部20との接合の他の手段としては、パッキンを間に介在させてネジ又はボルト等により締結するようにしてもよい。更に、蓄電モジュール本体30の両側面からは、複数の単電池を配列してなるセルスタック32からのガスが排出される。ハウジング1a全体が気密性を有することにより、排出されたガスは、ハウジング1aの内部に滞留した後に、蓋部20の排気筒22から蓄電装置1の外部へ排気される。
更に、蓄電モジュール本体30の両側面には、セルスタック32の、後述するエンドプレート32aに固定されたサポート部材35が設けられている。つまり、サポート部材35は、セルスタック32の両端に対応する位置に配置されている。ここで、サポート部材35は、一例として、短冊状のスチール又はステンレスの金属製の母材を、概略L字状に屈曲加工することにより作成され、蓄電モジュール本体30と蓋部20とを接続する部材である。本実施の形態では、サポート部材35は、蓋部20に蓄電モジュール本体30を固定する。つまり、サポート部材35は、蓋部20に対する蓄電モジュール本体30の移動を規制する第二規制部として機能する。
なお、後述のように、蓄電装置1は、蓄電モジュール本体30内の単電池の電極端子と外部接続端子21a、21bとを接続するバスバーによって、蓄電モジュール本体30と蓋部20とを接続しているが、サポート部材35は、当該バスバーとは異なる部材である。つまり、蓄電装置1において、蓋部20に蓄電モジュール本体30を固定する機能は、当該バスバーではなく、サポート部材35が担っている。
具体的には、図2に示すように、サポート部材35は、蓄電モジュール本体30の側面に対して平行な側板部35a、図中死角となる蓋部20の裏面に対して平行な天板部35b、及び側板部35aと天板部35bとを繋ぐ接続部35cに区分される。なお、天板部35bは、蓄電モジュール本体30の上面に重なって位置している。
また、側板部35aには取付孔35a1が形成されており、取付孔35a1を介してボルト36がセルスタック32に締結される。更に、側板部35aには、セルスタック32からのガスを排出させるスリット35a2が開口して形成されている。また、天板部35bには、蓋部20の主面上に開口して形成された取付孔20aと同軸となる取付孔35b1が形成されており、取付孔20a及び35b1を介してボルト37が天板部35bに締結される。
なお、蓄電モジュール本体30のセルスタック32における単電池の配列方向は、図1等に示すX軸、Y軸及びZ軸の直交座標系においてX軸と平行な直線上にあり、蓄電装置1を構成するハウジング1a、蓄電モジュール本体30等の各面は、おおよそX軸、Y軸及びZ軸とそれぞれ平行に位置するものとして定める。更に、以下の説明に際しては、図中矢印の方向を基準に、X軸方向を右から左、Y軸方向を奥から手前、及びZ軸方向を下から上と定める。また、Z軸方向は鉛直方向に一致し、したがって、蓄電モジュール本体30はZ軸方向に直交するX−Y平面を載置面として、ハウジング1a内に載置される。
(2.蓄電モジュール本体)
図3は、本発明の実施の形態1に係る蓄電モジュール本体30の一部を分解した状態で蓄電モジュール本体30の構成を示す分解斜視図である。蓄電モジュール本体30は、図3に示すように、非水電解質二次電池等の単電池を配列、締結してなるセルスタック32、セルスタック32の各単電池を電気的に接続するためのバスバーアセンブリユニット33、及びバスバーアセンブリユニット33と電気的に接続された電装品サブユニット34を備える。
(2−1.セルスタック)
セルスタック32は、複数の単電池320aが配列されたセルスタック本体320と、単電池320a間を絶縁する絶縁性のスペーサ320bと、セルスタック本体320及びスペーサ320bを拘束する一対のエンドプレート32a及び3つ一組のスタックバー32bとを備える。セルスタック本体320は、複数の単電池320aが、負極の電極端子320a1、正極の電極端子320a2、及び安全弁320a3が上面となるよう配列されている。スペーサ320bは、セルスタック本体320の表面を覆うように、単電池320a間に配置されている。一対のエンドプレート32a及び3つ一組のスタックバー32bは、セルスタック本体320及びスペーサ320bの表面に設けられ、セルスタック本体320及びスペーサ320bを一定形状に保持するための拘束部材である。
複数の単電池320aは、例えばアルミニウムなどの金属製の開口箱状の外装本体部と、外装本体部と同一の材料からなる蓋板とを備え、蓋板の表面及びその対向面である外装本体部の底面を上下底面とした外形が扁平な角柱の形状を有する蓄電素子である。外装本体部の内方には、電極体及び電解液等が封入されている。蓋板は、レーザ溶接等により外装本体部に接合されて外装本体部の開口を閉塞しており、また、蓋板には、電極端子320a1、320a2、及び安全弁320a3が設けられている。なお、単電池320aは、外装本体部の表面がそのまま露出する構成でもよいし、当該表面が絶縁性のフィルムによって被覆される構成であってもよい。
単電池320aにおいて、各側面のうち面積の最も大きい面(長側面)同士が、間にスペーサ320bを介して対向して配列されることにより、セルスタック本体320が構成される。配列されたスペーサ320bの上面には、単電池320aの電極端子320a1及び320a2、並びに安全弁320a3を外部へ露出させるための開口がそれぞれ設けられている。なお、図中には、安全弁320a3を露出させる開口320xのみを符号を付して示した。
更に、エンドプレート32aは、配列された複数の単電池320aを配列の両端から挟持する。つまり、エンドプレート32aは、セルスタック本体320の両端の単電池320aのそれぞれの側面を挟持する。スタックバー32bは、セルスタック本体320の両側面及び底面にそれぞれ隣接して配置され、スタックバー32bの両端が一対のエンドプレート32aの表面にそれぞれボルトにより締結されることにより固定される。これにより、セルスタック本体320及びスペーサ320bは一体化して、セルスタック32の形状を保持する。
なお、エンドプレート32aの下部には、上下方向に貫通する取付孔32a1が設けられている。取付孔32a1には、ハウジング1aの外側から挿入されるボルト11が装着され、蓄電モジュール本体30とハウジング1aの容器本体10の底壁10aとの固定に用いられる。
更に、エンドプレート32aには、サポート部材35の側板部35aの取付孔35a1と同軸となる位置に形成された取付孔32a2が設けられている。
(2−2.バスバーアセンブリユニット)
バスバーアセンブリユニット33は、絶縁性及び電解液による腐食への耐性を有する合成樹脂等の部材であり、例えばポリプロピレンによって形成されている。また、バスバーアセンブリユニット33は、セルスタック32の上面の外形に対応した枠体330aを有しており、枠体330aには、セルスタック32上に露出する電極端子320a1及び320a2並びに安全弁320a3の位置に対応して開口が形成されている。なお、枠体330aの材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の、絶縁性及び耐熱性を有する合成樹脂を用いるようにしてもよい。
ここで、電極端子320a1及び320a2に対応する開口は、各単電池320aの電気的接続に対応して当該電極端子間の結線パターンを制御するように、隣接する電極端子間を跨って形成されるよう寸法が定められている。各開口には、電極端子320a1及び320a2とレーザ溶接等により接続される金属製のバスバー332a、332b及び332cが嵌め込まれる。なお、バスバー332a及び332bは、セルスタック32内の電極端子同士の接続並びに蓄電装置1の外部接続端子21a及び21bへの接続に用いられ、バスバー332cは、セルスタック32内の電極端子同士の接続に用いられる。
このように、蓄電装置1は、単電池320aの電極端子320a1、320a2と外部接続端子21a、21bとを接続するバスバー332a、332b等のバスバーによって、蓄電モジュール本体30と蓋部20とを接続している。ここで、サポート部材35が、蓋部20に蓄電モジュール本体30を固定する機能を担っているため、当該バスバーは、蓄電装置1内を電気的に接続する機能を有していればよく、蓋部20に蓄電モジュール本体30を固定するための強度は必要とされない。
一方、安全弁320a3に対応する開口330cは、セルスタック本体320を構成する単電池320aの個数に対応して個別に設けられる。
また、枠体330aにおける開口330cの位置には、枠体330aの表面から見て二段の段差を有し、かつ両端が枠体330aの両端まで達する溝部330xが形成されている。溝部330xは、安全弁320a3の配列方向に沿って延伸し、開口330cが設けられている下段面330bと、下段面330bの縁に設けられた中段面330dとから構成される。
更に、枠体330aの周縁には、セルスタック32の上面の周縁に位置する嵌合穴32xであって、スペーサ320bの表面形状から構成された嵌合穴32xに対応した係合爪33aが形成されている。更に、枠体330aの周縁には、後述する電装品サブユニット34との結合のための係合溝330f及び係合溝330gが形成されている。
また、溝部330xの上部には、遮熱体331が設けられている。遮熱体331は、セルスタック32からの放熱を遮してバスバーアセンブリユニット33の上方に位置する部材への熱的影響を低減するとともに、蓄電モジュール本体30を補強する部材である。なお、バスバーアセンブリユニット33の上方に位置する部材とは、例えば、電装品サブユニット34、蓋部20、及び後述する蓋部20に内蔵される電装品などの蓄電装置1を構成する各部材である。遮熱体331は、バスバーアセンブリユニット33の溝部330xの外形に対応した矩形状の金属製の遮熱本体板331aから構成され、溝部330xの中段面330dに嵌り込む。
また、遮熱体331は、遮熱本体板331aに形成された貫通孔331bを介して、バスバーアセンブリユニット33の枠体330aに設けられた取付孔330eに取付ネジ331cによりネジ止めされることにより、バスバーアセンブリユニット33に固定される。これにより、遮熱体331と溝部330xとで囲まれた空間は、両端が図2に示すサポート部材35のスリット35a2と連通して、ガス流路を形成する。ガス流路は、セルスタック32の各単電池320aの安全弁320a3からの排気ガスを、スリット35a2を介してハウジング1a内部へ排出させる。
(2−3.電装品サブユニット)
電装品サブユニット34は、バスバーアセンブリユニット33の枠体330aと同様の合成樹脂製のベース上に、電装品が配置されてなるユニットである。ここで、電装品サブユニット34に配置される電装品は、バスバー332a及び332bを経由した電気配線、リレー等の開閉器、抵抗、その他バスバー332a、332b及び332cに接続されるハーネス等である。また、電装品サブユニット34とバスバーアセンブリユニット33との電気的接続は、バスバー332a及び332bにそれぞれ設けられた取付端子部332a1及び332b1に対して、電装品サブユニット34の上面からボルトを装着することにより行われる。なお、電装品サブユニット34の更に上層に位置する蓋部20内には、BMU(Battery Management Unit)その他、蓄電装置1の充放電の制御、温度等の状態管理、及び蓄電装置1が接続される機器との通信を行うための電子部品が電装品として設けられている。
蓄電モジュール本体30において、セルスタック32とバスバーアセンブリユニット33とは、セルスタック32の嵌合穴32xに、バスバーアセンブリユニット33の係合爪33aが係合することにより固定される。更に、バスバーアセンブリユニット33と電装品サブユニット34とは、バスバーアセンブリユニット33の係合溝330f及び330gに、電装品サブユニット34の周縁に形成された係合爪34a及び34bがそれぞれ係合することにより固定される。これにより、セルスタック32、バスバーアセンブリユニット33及び電装品サブユニット34は、一体的に組み合わされる。
以上のような構成を有する蓄電装置1において、ハウジング1aは、特許請求の範囲に記載の「ハウジング」に包含され、蓄電モジュール本体30は、特許請求の範囲に記載の「蓄電モジュール」に包含される。また、ボルト11は、特許請求の範囲に記載の「第一規制部」に包含され、サポート部材35は、特許請求の範囲に記載の「第二規制部」に包含される。
このような構成を有する本実施の形態1の蓄電装置1は、蓄電モジュール本体30とハウジング1aの容器本体10の底壁10aとを接続(固定)するボルト11と、蓄電モジュール本体30とハウジング1aの蓋部20とを接続(固定)するサポート部材35とを備えたことを特徴とする。
図4は、本発明の実施の形態1に係る蓄電装置1の要部を示す模式的断面図であり、具体的には、蓄電装置1において、ハウジング1aの蓋部20及び容器本体10を断面図として示した正面図である。
図4に示すように、蓄電モジュール本体30は、ハウジング1a内にて、容器本体10の底壁10aに、ボルト11により固定されている。具体的には、容器本体10の内底面10z(底壁10aの上面)上には台座10z1が配置されており、蓄電モジュール本体30は、台座10z1上に載置されて、台座10z1に固定されている。また、蓄電モジュール本体30は、ハウジング1a内にて、サポート部材35を介することにより、蓋部20に固定されている。これにより、蓄電モジュール本体30は、ハウジング1a内にて、図中Z軸方向に一致する鉛直方向の上下端にて、ハウジング1aに固定されている。
本実施の形態1は、これにより外部より加わる衝撃や振動に対する耐性を高め、信頼性を向上させている。すなわち、従来の組電池(セルスタック)においては、ハウジングに収容される蓄電モジュール本体(蓄電モジュール)は、主に載置面側にのみ固定されることにより安定性を確保するようにしていた。しかし、この従来の構成では、外部からの振動や衝撃が加えられた場合、蓄電モジュール本体は、ハウジングに対して載置面を支点として揺動する。蓄電モジュール本体の重心は、モジュールの大型化に対応して上方に移動するため、揺動による蓄電モジュール本体への応力、あるいは揺動に起因する蓄電モジュール本体とハウジングとの接触は、モジュールの機械的強度の低下、ひいては絶縁箇所の破損等の不具合を招く恐れがあった。
また、蓄電モジュール内の単電池の電極端子と、ハウジングの蓋部に配置された外部接続端子とを金属製のバスバーで繋ぐことで、蓋部で蓄電モジュールを支持する構成もあった。しかし、蓄電装置に外部からの振動や衝撃が加えられた場合、当該バスバーが損傷して、単電池の電極端子と外部接続端子との電気的な接続が外れ、蓄電装置の信頼性に大きな影響を及ぼす可能性がある。特に、近年、バスバーと単電池の電極端子との接続がボルト締めから溶接に変わりつつあり、バスバーの材質として比較的強度が低いアルミニウムが採用されるようになってきた。このため、バスバーが損傷したり、溶接箇所が外れたりする恐れがあり、これに対する対策が必要となってきた。
本実施の形態1の蓄電装置1は、このような考察に基づきなされたものであって、蓄電モジュール本体30が鉛直方向の上下端にて固定されていることにより、ハウジング1aと一体化している。つまり、蓄電モジュール本体30は、単電池320aの電極端子320a1、320a2と外部接続端子21a、21bとを接続するバスバーとは異なる部材であるサポート部材35によって、蓋部20に固定されている。これにより、揺動が抑制されるため、蓄電モジュール本体30への応力が低減される。また、蓄電モジュール本体30とハウジング1aとの相対的な位置が保たれることとなり、蓄電モジュール本体30とハウジング1aとの接触の恐れが低減され、ひいては蓄電装置1の信頼性を向上させることが可能となる。
また、一般的に、ハウジング1aにおいて、容器本体10の側壁10bは、背が高く、かつ他の部分よりも薄く形成されていることが多いため、比較的剛性が低く、蓋部20と容器本体10の底壁10aとが比較的剛性が高く構成されている。このため、ハウジング1aの中でも比較的強度が高い蓋部20と底壁10aとに蓄電モジュール本体30を固定することで、蓄電モジュール本体30をハウジング1aに対して強固に固定することができる。また、蓄電モジュール本体30を側壁10bに固定するよりも蓋部20に固定する方が取り付けやすく、蓄電装置1の製造時の作業性を向上させることができる。
更に、本実施の形態1の蓄電装置1においては、一対のサポート部材35がセルスタック32の両端にそれぞれ固定されていることを特徴とする。これにより、蓄電モジュール本体30は、上方の複数箇所にて固定されることとなり、載置面の鉛直方向に対する並進方向に加えて回転方向の揺動が抑制される。したがって、蓄電モジュール本体30にねじれが生ずる恐れが低減され、ひいては蓄電装置1の信頼性を向上させることが可能となる。更に、サポート部材35の固定にセルスタック32の両端の一対のエンドプレート32aを用いたことにより、サポート部材35を強固に蓄電モジュール本体30に固定することが可能となる。更に、金属製であるサポート部材35は、エンドプレート32aを介してセルスタック32からの熱を効率よく伝達して速やかに外部へ放出させることが可能となる。
更に、本実施の形態1の蓄電装置1においては、サポート部材35が概略L字型の形状を有している。具体的には、図4に示すように、蓄電モジュール本体30に直接固定される側板部35aと蓋部20に直接固定される天板部35bとの間に位置する接続部35cが、屈曲して、蓄電モジュール本体30の側面から容器本体10の内側面10yに向かってはみ出した構成を有する。つまり、サポート部材35は、蓄電モジュール本体30との接続部分と、蓋部20との接続部分との間に、屈曲部である接続部35cを有している。なお、同図では、内側面10yは、右側(X軸方向マイナス側)の側壁10bの内面であり、上記では右側のサポート部材35について説明しているが、左側(X軸方向プラス側)のサポート部材35についても、上記と同様の構成を有している。
これにより、サポート部材35において接続部35cが緩衝装置として機能し、蓄電装置1に大きな衝撃が加わった際に当該衝撃を吸収して、蓄電モジュール本体30への影響を低減することができる。ここで、接続部35cは、特許請求の範囲に記載の「屈曲部」に包含される。なお、接続部35cは、容器本体10の内側面10yから遠ざかる向きに屈曲した構成を有するものとしてもよく、上記の構成例同様に緩衝装置としての効果を奏する。更に、接続部35cは、湾曲した態様であるとしてもよい。
更に、本実施の形態1においては、サポート部材35の天板部35bが、上面視で、蓄電モジュール本体30の上面である電装品サブユニット34に重なって位置することを特徴とする。つまり、サポート部材35は、蓋部20から底壁10aの方向に見て、蓄電モジュール本体30が位置する領域内で、蓋部20と接続されている。これにより、天板部35bの蓋部20との接続部分は、蓋部20の内壁に蓄電モジュール本体30の主面を投影してなる投影面Pより内側に位置することとなる。
この結果、天板部35bの固定位置を、面積が大きい蓋部20の主面上の任意の箇所に定めることができ、当該固定位置のレイアウトを拡張することができる。すなわち、蓄電モジュール本体30又はハウジング1aの各種形状に柔軟に対応して、本発明の上記効果を奏しつつ、生産性を向上させることが可能となる。
ここで、蓄電モジュール本体30の主面とは、蓄電モジュール本体30の各辺や頂点からはみ出す細部の形状を捨象して、概形を参照して把握される面を意味する。具体的には、図3に示すバスバーアセンブリユニット33の取付端子部332a1及び332b1の周縁は、バスバーアセンブリユニット33の、概略矩形をなす他の辺からはみ出すように形成されているが、当該周縁の形状は、図4に示すように、天板部35bとの位置関係においては無視して取り扱われる。これは以下の各実施の形態においても同様である。
なお、上記の説明においては、サポート部材35は、蓄電モジュール本体30の側面からはみ出した屈曲部としての接続部35cを有する概略L字型の形状として説明を行ったが、これには限定されない。つまり、サポート部材35は、蓄電モジュール本体30を、載置面から当該蓄電モジュール本体30を間に挟んだ上方の複数の箇所にて固定することができれば、その具体的な形状によって限定されるものではない。以下に、サポート部材35の他の構成について説明する。
(実施の形態1の変形例1)
図5は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る蓄電装置2の構成を示す模式的断面図である。具体的には、図5は、上記の実施の形態1における図4に対応する図である。
図5に示すように、蓄電装置2は、接続部が側板部と一体化したL字状のサポート部材38を備える。サポート部材38において、本体部である側板部38aは、セルスタック32と複数の箇所でボルト36により締結固定される。更に、天板部38bは、側板部38aから略直角に屈曲して、蓄電モジュール本体30から容器本体10の内側面10yに向かって延出した態様を有する。
この構成により、蓋部20の主面上に開口して形成された取付孔20aを介したボルト37による締結箇所が、蓄電モジュール本体30の側面からはみ出している。すなわち、サポート部材38は、蓋部20から底壁10aの方向に見て、蓄電モジュール本体30が位置する領域外で、蓋部20と接続されている。言い換えれば、天板部38bが、蓄電モジュール本体30を介して載置面に相対する内壁としての蓋部20の内壁に、蓄電モジュール本体30の主面を投影してなる投影面Pよりも外側に位置している。
これにより、一対ある、蓋部20とサポート部材38との固定箇所は、互いの距離が図4に示す蓄電装置1よりも大きくなり、載置面の鉛直方向に対して回転する向きに生ずる揺動を、更に効果的に抑制することが可能となる。したがって、蓄電モジュール本体30にねじれや湾曲が生ずる恐れを更に低減することが可能となる。更に、サポート部材38は形状がより単純であるため製造が容易になり、低コストで蓄電装置2を製造することが可能となる。
(実施の形態1の変形例2)
図6は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る蓄電装置3の構成を示す分解斜視図である。具体的には、図6は、上記の実施の形態1における図2に対応する図である。
図6に示すように、蓄電装置3は、平板状のサポート部材40を備える。サポート部材40において、本体部である側板部41は、下部にセルスタック32と締結するための取付孔41aが形成され、上部に蓋部20と締結するための取付孔41bが形成され、中央にセルスタック32からのガスを排出させるスリット41cが形成されている。蓋部20とサポート部材40とは、蓋部20の側面に開口された取付孔20bを介したボルト42による締結にて固定される。なお、図1〜図4と同一又は相当する構成については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。これは以下の説明においても同様である。
この構成によれば、蓄電装置3は、サポート部材40が平板状の側板部41を有するため、サポート部材40の製造が容易になり、低コストで蓄電装置3を製造することが可能となる。更に、サポート部材40をより小型化、薄型化できるため、サポート部材40の収容位置であるハウジング1aの内側面10yと蓄電モジュール本体30の表面との距離を小さく抑えることができる。これにより、上記実施の形態1と同様の効果を奏しつつ、蓄電装置の小型化又は、同一寸法のハウジングにおいて蓄電モジュールの大容量化を実現することが可能となる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る蓄電装置4の構成を、一部を分解図として模式的に示す斜視図である。また、図8は、本発明の実施の形態2に係る蓄電モジュール本体30の構成を示す分解斜視図である。
本実施の形態2の蓄電装置4は、図7に示すように、側板部50a及び側板部50bの組合せを一対有するサポート部材50を備える。側板部50aは、蓄電モジュール本体30と蓋部20とを固定する矩形平板状の部位であり、側板部50bは、サポート部材50をセルスタック32に固定するための矩形平板状の部位である。
また、側板部50aは、上記実施の形態1の変形例2におけるサポート部材40の側板部41と同様、上部に蓋部20と締結するための取付孔50a1が形成されており、取付孔20bを介したボルト42による締結にて、蓋部20に固定される。側板部50bも、上記実施の形態1におけるサポート部材35の側板部35aと同様、エンドプレート32aと締結するための取付孔50b1が形成されており、取付孔50b1を介したボルト36による締結にて、セルスタック32に固定される。
更に、本実施の形態2は、サポート部材50を、蓄電モジュール本体30の構成部品の一部として構成したことを特徴とする。すなわち、図8に示すように、本実施の形態2においては、蓄電モジュール本体30のバスバーアセンブリユニット33において、枠体330aの溝部330xの上部に位置する遮熱体333の両端に、一対のサポート部材50がそれぞれ位置している。
遮熱体333は、両端が上方に屈曲することにより外形U字状を有する遮熱本体板333aと、遮熱本体板333aの下方両端の表面に接合され、セルスタック32側へ延出する一対の補助板333bとから構成される。遮熱本体板333aの屈曲部分がサポート部材50の側板部50aに対応し、中央部分は、実施の形態1の遮熱本体板331aと同一の形状及び寸法を有して溝部330xの中段面330dに嵌り込む。補助板333bは、サポート部材50の側板部50bに対応する。
遮熱体333は、遮熱本体板333aの表面に開口して形成された貫通孔331bを介して、バスバーアセンブリユニット33の枠体330aに設けられた取付孔330eに取付ネジ331cによりネジ止めされることにより、枠体330aに固定される。これにより、遮熱体333と溝部330xとで囲まれた空間は、2つの側板部50aの直下となる両端を、図7に示すスリット50cを介した開放端として有するガス流路を形成する。当該ガス流路は、セルスタック32の各単電池320aの安全弁320a3からの排気ガスを、スリット50cを介してハウジング1a内部へ排出させる。
このように、本実施の形態2の蓄電装置4によれば、上記実施の形態1と同様に、蓄電モジュール本体30とハウジング1aの底壁10aとをボルト11によって固定するとともに、サポート部材50によって蓄電モジュール本体30とハウジング1aの蓋部20とを固定する。これにより、実施の形態1と同様、ハウジング1a内における蓄電モジュール本体30へ加わる応力を低減するとともに、蓄電モジュール本体30の揺動を抑制して、蓄電装置の信頼性を向上させることが可能となる。
更に、本実施の形態2においては、バスバーアセンブリユニット33の機能部品である遮熱体333の一部としてサポート部材50を設けたことにより、サポート部材を組み込むための付加的な工程及び部品点数を削減することができ、より低コストに蓄電装置4を製造することができる。また、サポート部材50の収容位置であるハウジング1aの内壁面と蓄電モジュール本体30の表面との距離を更に小さく抑えることができる。これにより、上記実施の形態と同様の効果を奏しつつ、蓄電装置の小型化、又は、同一寸法のハウジングにおいて蓄電モジュールの大容量化を実現することが可能となる。更に、遮熱体333の遮熱本体板333aからの熱を、サポート部材50を介させることにより、効率的に外部へ放出させることが可能となる。
なお、サポート部材50は、図9に示すように、側板部50aのみから構成されるものとしてもよい。図9は、本発明の実施の形態2に係る蓄電モジュール本体30の他の構成例を示す分解斜視図である。
ここで、サポート部材50と蓄電モジュール本体30との結合は、遮熱本体板333aが、バスバーアセンブリユニット33の枠体330aへ取付ネジ331cによりネジ止めされることにより行われる。この構成によれば、図8に示された構成と同様の効果を奏しつつ、サポート部材を組み込むための付加的な工程及び部品点数を更に削減して、低コストに蓄電装置を製造することができる。更に、蓄電装置の軽量化を実現することも可能となる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る蓄電装置5の構成を、一部を分解図として模式的に示す斜視図である。
本実施の形態3の蓄電装置5は、図10に示すように、蓄電モジュール本体30と蓋部20との間に位置し、蓄電モジュール本体30の電装品サブユニット34から上方に突出する柱状のサポート部34yを備える。サポート部34yは、電装品サブユニット34の合成樹脂製のベース34xとインジェクション成型等により一体的に成型された部位である。サポート部34yは、先端部分が、蓋部20の表面20yに形成された開口20cに嵌り込み、表面20yから更に突出している。つまり、サポート部34yは、蓄電モジュール本体30から蓋部20に向けて延設され、蓋部20に形成された開口20cに挿入される。なお、バスバーアセンブリユニット33の側面には、セルスタック32からのガスを排出する排気口31が直接露出している。
このような本実施の形態3の蓄電装置5は、サポート部34yの先端部分が蓋部20の開口20cに嵌り込んだ状態を保つことにより、蓄電モジュール本体30の動きを規制することを特徴とする。
以下、図11A〜図11Cを参照して説明を行う。図11A〜図11Cは、本発明の実施の形態3に係る蓄電装置5におけるサポート部34yの構成例を示す要部断面図である。つまり、これらの図は、蓄電装置5におけるサポート部34yと蓋部20との近傍の構成を示す図であり、具体的には、サポート部34yの延伸方向でもあるZ軸方向に平行な平面で蓋部20を切断して側方から見た図である。
図11Aに示す例では、サポート部34yの先端部分を加熱し、開口20cの直径より大きな終端部34y1に整形する。加熱整形により得られた終端部34y1の周縁34y2は蓋部20の表面20yに固着し、蓋部20と蓄電モジュール本体30とを固定する。
これにより、蓄電モジュール本体30は、ボルト11により容器本体10の底壁10aに固定され、サポート部34yにより蓋部20に固定される。したがって、実施の形態1、2と同様、ハウジング1a内における蓄電モジュール本体30へ加わる応力を低減するとともに、蓄電モジュール本体30の揺動が抑制される。
次に、図11Bに示す例では、サポート部34yの先端部分を含む終端部34y3が、中央にて隙間Cをもって二分されたテーパ状の形状を有する。これにより、サポート部34yが開口20cへ挿入される際に、終端部34y3の外形が開口20cの内径に対応して径が縮小するよう変形し、表面20y上に終端部34y3が突出した状態で形状を復元する。これにより、縁端34y5が蓋部20の表面20yに係止し、サポート部34yの表面が開口20cの内壁に押圧されることにより、蓋部20と蓄電モジュール本体30とが固定される。
これにより、図11Aの例と同様、ハウジング1a内における蓄電モジュール本体30へ加わる応力を低減するとともに、蓄電モジュール本体30の揺動が抑制される。
更に、図11Cに示す例では、サポート部34yの先端部分は、根元から同一径の柱状を保った終端部34y6を有する。これにより、終端部34y6が開口20cに挿入され、蓋部20の表面20yに露出して、開口20cに固定されない状態を保持する。この場合、蓄電装置5が外部より振動や衝撃を受けた際、蓄電モジュール本体30は揺動しようとするが、終端部34y6が蓋部20の開口20cの内壁と干渉するため、蓄電モジュール本体30の動きは、図中Z軸方向に直交する平面上、すなわち載置面に対するモジュールの並進方向及び回転方向において規制される。したがって、上記各実施の形態と同様、ハウジング1a内における蓄電モジュール本体30へ加わる応力が低減されるとともに、蓄電モジュール本体30の揺動が抑制されることとなる。
なお、サポート部34yは、上記の構成に限定されない。例えば、サポート部34yは、ネジによって蓋部20にネジ止めされたり、サポート部34yが先端部分にボルト部を有しており、ナットによって蓋部20に固定されたり、サポート部34yの先端部分がかしめられることによって蓋部20に固定されたり、接着剤等によって蓋部20に接着されたりすることにしてもよい。また、サポート部34yは、円柱形状ではなく、角柱形状、円錐形状又は角錐形状などであってもよいし、中実の部位であってもよいし、中空の部位であってもかまわない。
このように、本実施の形態3の蓄電装置5によれば、蓄電モジュール本体30と一体化して形成されたサポート部34yを備える。つまり、蓄電装置5は、上記実施の形態1、2と同様に、蓄電モジュール本体30と底壁10aとをボルト11によって固定するとともに、蓄電モジュール本体30と蓋部20とをサポート部34yによって固定する。これにより、蓋部20に対する蓄電モジュール本体30の動きを規制することで、ハウジング1a内における蓄電モジュール本体30へ加わる応力を低減するとともに、蓄電モジュール本体30の揺動を抑制して、蓄電装置の信頼性を向上させることが可能となる。
更に、本実施の形態3においては、サポート部34yとハウジング1aの蓋部20との間を固定するための部品を省略することができ、より低コストに蓄電装置5を製造することができる。
また、サポート部34yは、電装品サブユニット34のベース34x上に形成されることにより、蓄電モジュール本体30の上面内に位置することとなる。つまり、サポート部34yは、蓋部20から底壁10aの方向に見て、蓄電モジュール本体30が位置する領域内で、蓄電モジュール本体30と接続されている。言い換えれば、サポート部34yは、図4に示した実施の形態1におけるサポート部材35の天板部35bと同様に、蓋部20の内壁への蓄電モジュール本体30の主面の投影面Pより内側に配置される。これにより、サポート部34yの付加により蓄電モジュール本体30が大型化することを防ぎ、上記実施の形態1と同様の効果を奏しつつ、蓄電装置の小型化又は、同一寸法のハウジングにおいて蓄電モジュールの大容量化を実現することが可能となる。
以上、各実施の形態にて説明したように、本発明に係る蓄電装置によれば、ハウジング1a内において、固定等の手段により蓋部20に対する蓄電モジュール本体30の動きを規制するサポート部材等を備えたことにより、衝撃や振動の影響を低減して、蓄電装置の信頼性を向上させることが可能となる。
しかしながら、本発明は、上記の各実施の形態により限定されるものではない。
上記の各実施の形態においては、蓄電モジュール本体30は、ハウジング1a内において載置面に平行な向きに単電池320aが配列されてなるセルスタック32を有するものとしたが、蓄電モジュール本体30の構成は上記に限定されるものではない。
一例として、図12に示す蓄電装置6は、複数の単電池320aが底壁10aから蓋部20に向けて配列する向きに配置されたセルスタック32を有している。図12は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置の他の構成例を示す分解斜視図である。
つまり、図12に示すように、蓄電装置6は、ハウジング1aの容器本体10に収容される蓄電モジュール本体30において、セルスタック32を、単電池320aが載置面に相当する内底面10zから上方に向かって積層されるように配列される構成とした。また、セルスタック32は、底壁10aの内底面10zの図中死角となる位置に、ボルト等により固定されている。更に、セルスタック32は、上方に位置するエンドプレート32a上に設けられた、ネジ孔60xを有するサポート部材60に、蓋部20の開口20dを介して挿入されるボルト61が締結されることで、蓋部20に固定される。
また、上記各実施の形態と同様に、蓄電モジュール本体30は、ボルト11等(図示せず)によって底壁10aに固定されている。
これにより、上記各実施の形態と同様、蓄電装置6において、ハウジング1a内における蓄電モジュール本体30の揺動を抑制することができる。特に、セルスタック32は、複数の単電池320aが底壁10aから蓋部20に向けて配列する向きに配置されているため、複数の単電池320aを配列方向にサポート部材60とボルト11とで挟み込んで、蓄電モジュール本体30の移動を規制することができる。これにより、ハウジング1a内で蓄電モジュール本体30が振動又は揺動するのを安定して抑制することができる。なお、蓄電装置6においては、1つのサポート部材60が設けられていることとしたが、各実施の形態同様に、複数のサポート部材60が設けられていてもよい。
また、上記の説明においては、サポート部材35等は、蓄電モジュール本体30とは独立した部品であることとした。また、サポート部34yは、蓄電モジュール本体30の部品の一部であって、溶着により固着される、若しくは嵌合により特定方向に移動自在なものであることとした。しかしながら、サポート部材35等及びサポート部34yは、ハウジング1aの蓋部20に対する蓄電モジュール本体30の移動を規制することができればよく、規制のための具体的な手段により限定されるものではない。例えば、サポート部材35等と蓋部20とを溶接、溶着、接着等の手段により固定するものであってもよいし、上下方向に移動自在に嵌合又は係合させる構成としてもよい。同様に、サポート部34yは、蓋部20の開口に嵌合させるのではなく、蓋部20に形成された突起部等に係合させる構成としてもよい。
また、上記の説明においては、ボルト11は、蓄電モジュール本体30とは独立した部品であることとしたが、蓄電モジュール本体30の部品の一部であってもよい。また、蓄電モジュール本体30の底壁10aへの固定手段(第一規制部)は、ボルト11によるものには限定されず、溶接、溶着、接着等による固着や、嵌合又は係合により特定方向に移動自在な構成とすることにしてもよい。つまり、サポート部材35等やサポート部34yと同様に、第一規制部は、ハウジング1aの底壁10aに対する蓄電モジュール本体30の移動を規制することができればよく、規制のための具体的な手段により限定されるものではない。
また、上記の説明においては、サポート部材35等及びサポート部34yは、蓋部20に沿った全ての方向への蓄電モジュール本体30の移動を規制することとしたが、蓋部20に沿った方向のうちの少なくとも1つの方向を規制することができればよい。ただし、衝撃や振動の影響を低減する等の観点から、サポート部材35等及びサポート部34yのように、蓋部20に沿った全ての方向への蓄電モジュール本体30の移動を規制するのが好ましい。第一規制部による底壁10aに対する蓄電モジュール本体30の移動の規制についても、同様である。
更に、上記の説明においては、サポート部材35等は、エンドプレート32aにボルトにより締結されることで固定されるものとしたが、一端が蓄電モジュール本体30に固定されていればよく、固定の具体的な態様によって限定されるものではない。したがって、サポート部材35等とエンドプレート32aとは、締結の他、溶接、圧着等の手段により固定されていてもよいし、エンドプレート32aとサポート部材35等が同一の基材から一体形成されることにより作製されるものであってもよい。また、ボルト11についても、エンドプレート32a以外のものに固定されてもかまわない。
また、上記の説明においては、サポート部材50又はサポート部34yは、蓄電モジュール本体30の機能部品である、バスバーアセンブリユニット33の遮熱体333又は電装品サブユニット34のベース34x等の一部であることとした。しかし、サポート部材50又はサポート部34yは、ハウジング1aに対する蓄電モジュール本体30の動きを上方の箇所にて規制することができればよく、蓄電モジュール本体30を構成する任意の部品の一部であればよい。
ただし、上記の説明のように、サポート部材50又はサポート部34yのような規制手段を単電池320a又はセルスタック32から絶縁された部品の一部として実施することは、規制の効果を更に向上させるとともに、当該規制手段に応力が加わった場合等における電気配線への影響を避けることができ、より好適である。
また、上記の説明においては、本発明のハウジング1aは、合成樹脂製の、外形が六面体の容器であって、溶着等により密閉された容器本体10及び蓋部20から構成されるものであって、蓄電モジュール本体30は蓋部20及び底壁10aに対する動きが規制されるものとした。具体的には、サポート部材35やボルト11等は、ハウジング1aに対する蓄電モジュール本体30の動きを上方及び下方の2箇所にて規制することができればよく、蓄電モジュール本体30の規制位置は、ハウジング1aの具体的な構成に限定されない。例えば、容器本体10は、側壁10bに開口部が形成されていたり、側壁10bの代わりに蓋部20と接続される柱状部材を有している構成であったりしてもかまわない。また、ハウジング1aは、平板状の底壁に開口箱状の蓋部が臥せられる態様を有するものとすることもでき、この場合は、蓄電モジュール本体30は、蓋部の天井部分にサポート部材によって固定されることとなる。
また、ハウジング1aは、その具体的な構成により限定されるものではなく、合成樹脂の他、金属その他の材料及びこれらの組合せとして実現してもよく、更に、3つ以上の部材の組合せとして実現してもよい。更に、ハウジング1aの外形は、立方体、円筒形、または多角柱状の形状であってもよい。要するに、本発明のハウジング1aは、その形状、具体的な材料または構成によって限定されるものではなく、蓄電モジュール本体30の外方に配置される外装体であればよい。
また、上記の説明においては、セルスタック32を構成する単電池320aとしての蓄電素子は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池であることとしたが、電気化学反応により充放電可能な電池であれば、ニッケル水素電池その他各種の二次電池を用いてもよい。また、当該蓄電素子は、一次電池であってもよい。更に、当該蓄電素子は、電気二重層キャパシタその他各種のキャパシタであってもよい。要するに、当該蓄電素子は、電極体と電解液とを収納容器内に封入してなる電気を蓄積可能な素子であれば、起電力を発生させるための具体的な方式によって限定されるものではない。
要するに、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内であれば、以上説明したものを含め、上記実施の形態に種々の変更を加えたものとして実施してもよい。