JP2016070332A - 耐熱ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】高温時および熱老化後の使用においても層間接着性に優れる耐熱ホースを提供する。【解決手段】内層1と、その外周面に直接形成される外層2とを備えた耐熱ホースであって、上記内層1が、下記(A)を主成分とし下記(B)および(C)成分を含有するゴム組成物からなり、上記外層2が、下記(a)を主成分とし下記(b)および(c)成分を含有するゴム組成物からなり、両層間が相互接着されている。(A)フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイ。(B)ヨウ素吸着量(mg/g)×DBP吸収量(ml/100g)の値が5000〜13500の、カーボンブラック。(C)有機過酸化物架橋剤。(a)エポキシ架橋席を含有するアクリル系ゴム。(b)イミダゾール系加硫剤。(c)有機過酸化物架橋剤。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や産業機械等の分野において使用される耐熱ホースに関するものであり、詳しくは、DPF(ディーゼル・パーティキュレート・フィルター)センサーホースや、ターボチャージャーシステムに装着されるターボエアーホース等として有用な、耐熱ホースに関するものである。
自動車用及び産業機械用の高耐熱エアーホース(DPFセンサーホース、ターボエアーホース等)や高耐熱燃料ホース(ディーゼル用燃料ホース等)として、最内層材料にフッ素ゴムを用いた仕様の耐熱ホースが各種提案されている。なかには、コス卜の高いフッ素ゴムの使用量を抑えるため、フッ素ゴム層の外周に、耐熱性に優れるアクリル系ゴム層を設けたものもある。そして、両層間の接着性を高める手法として、両層を直接的に加硫接着させる手法が、各種提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開平6−79828号公報 特許第4081711号公報
上記のような用途の高耐熱ホースには、正圧や負圧、さらには振動や脈動が加わるため、上記フッ素ゴム層とその外周のアクリル系ゴム層との間においては、常態時のみならず、高温時、および熱老化後においても高い接着性を有することが望ましい。
しかしながら、従来の、フッ素ゴム層の外周にアクリル系ゴム層を設けたホースにおいて、先に述べたように両層を直接的に加硫接着させたものでは、その層間接着力が不充分であり、特に高温時および熱老化後の使用により、界面剥離を生じやすくなるという問題がある。そのため、このような高耐熱ホースにおいては、本来であれば、接着剤を使用して両層間を接着したほうがよいのであるが、接着剤の塗布工程や乾燥工程等が必要となるため、製品単価が高くなるという課題が残る。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高温時および熱老化後の使用においても層間接着性に優れる耐熱ホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の耐熱ホースは、内層と、その外周面に直接形成される外層とを備えた耐熱ホースであって、上記内層が、下記(A)を主成分とし下記(B)および(C)成分を含有するゴム組成物からなり、上記外層が、下記(a)を主成分とし下記(b)および(c)成分を含有するゴム組成物からなり、両層間が相互接着されているという構成をとる。
(A)フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイ。
(B)ヨウ素吸着量(mg/g)×DBP吸収量(ml/100g)の値が5000〜13500の、カーボンブラック。
(C)有機過酸化物架橋剤。
(a)エポキシ架橋席を含有するアクリル系ゴム。
(b)イミダゾール系加硫剤。
(c)有機過酸化物架橋剤。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、内層材料の主成分を、フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイとし、内層がフッ素ゴムのみからなる場合よりも、外層(アクリル系ゴム)との層間接着性等に優れたものにすることを想起した。また、内層と外層とを、ともに過酸化物架橋剤で架橋し、両層を共架橋することで層間接着性を高めることを想起した。しかしながら、これだけでは、高温時および熱老化後の使用における層間接着性が、従来品と同程度であることから、本発明者らは更なる改良を重ねた。その結果、内層材料に、ヨウ素吸着量とDBP吸収量の積(ヨウ素吸着量×DBP吸収量)の値が特定範囲の、活性の高いカーボンブラックを配合し、外層材料の主成分であるアクリル系ゴムにも、エポキシ架橋席を含ませたところ、これにより、カーボンブラックの表面官能基がエポキシ架橋席と相互作用し、より高い層間接着性が得られることを突き止めた。さらに、外層材料のアクリル系ゴムの加硫剤には、イミダゾール系加硫剤を使用することにより、内層材料のフッ素ゴムのVdF部分とイミダゾール系加硫剤とが反応し、より高い層間接着性が得られることを突き止めた。なお、外層材料のアクリル系ゴムの加硫剤に、従来のようにアミン系加硫剤を用いた場合、内層のフッ素ゴムの架橋が進行しすぎ、内層が硬くなり過ぎ亀裂が生じたりするといった問題や、未加硫積層体の状態で放置した際に加硫阻害現象が生じる問題もあったことから、上記のようにイミダゾール系加硫剤を使用することにより、このような問題も解決されるようになる。このような結果から、両層間は、単に加硫接着されているだけではなく、様々な要素によって相互接着されていることとなり、高温時および熱老化後の使用においても層間接着性に優れるようになることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明の耐熱ホースは、フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイ(A成分)と、ヨウ素吸着量×DBP吸収量の値が特定範囲のカーボンブラック(B成分)と、有機過酸化物架橋剤(C成分)とを用いて内層が形成され、エポキシ架橋席を含有するアクリル系ゴム(a成分)と、イミダゾール系加硫剤(b成分)と、有機過酸化物架橋剤(c成分)とを用いて外層が形成されている。そして、両層間は相互接着されている。そのため、常態時の層間接着性はもとより、高温時および熱老化後の使用においても層間接着性に優れた効果が得られる。また、このように層間接着性に優れる耐熱ホースであることから、自動車用及び産業機械用の高耐熱ホース(DPFセンサーホース、ターボエアーホース、ディーゼル用燃料ホース等)に使用しても、正圧や負圧、さらには振動や脈動が加えられることにより層間剥離が生じることがなく、内層ゴムの棚落ちによるホース内閉塞等を防ぐことができる。さらに、内層材料の主成分が、フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイであるため、フッ素ゴムのみを用いた場合に比べコストダウン等の点でも優れた効果を奏する。また、接着剤レスで強固な層間接着性が得られるため、製品単価を安くする面でも優れた効果を奏する。
本発明の耐熱ホースの一例を示す断面図である。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の耐熱ホースは、例えば、図1に示すように、内層1の外周面に外層2が、接着剤を使用することなく(接着剤レス)、直接積層されており、両層間が相互接着されている。そして、上記内層1は、下記(A)を主成分とし下記(B)および(C)成分を含有するゴム組成物からなり、上記外層2は、下記(a)を主成分とし下記(b)および(c)成分を含有するゴム組成物からなり、両層間が相互接着されているという構成をとる。ここで、本発明において、上記の「相互接着」とは、共架橋等による加硫接着を包含する趣旨であるが、それのみではなく、先に述べたような様々な要素によって得られた接着力も含めたものを意味する。また、本発明において、上記ゴム組成物における「主成分」とは、その組成物全体の特性に大きな影響を与えるもののことであり、本発明においては、全体の40重量%以上を意味する。
(A)フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイ。
(B)ヨウ素吸着量(mg/g)×DBP吸収量(ml/100g)の値が5000〜13500の、カーボンブラック。
(C)有機過酸化物架橋剤。
(a)エポキシ架橋席を含有するアクリル系ゴム。
(b)イミダゾール系加硫剤。
(c)有機過酸化物架橋剤。
つぎに、各層の形成材料について説明する。
《内層用ゴム組成物》
まず、本発明の耐熱ホースの内層用材料となるゴム組成物について説明する。
上記ゴム組成物は、先に述べたように、フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイ(A成分)、ヨウ素吸着量(mg/g)×DBP吸収量(ml/100g)の値が5000〜13500のカーボンブラック(B成分)、および有機過酸化物架橋剤(C成分)を必須成分とする。
《フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイ(A成分)》
上記アロイにおけるフッ素ゴムとしては、過酸化物架橋するものが好ましく、例えば、ビニリデンフルオライド(VdF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系,VdF−テトラフルオロエチレン(TFE)−HFP系,VdF−クロロトリフルオロエチレン(CTFE)系等のVdF系フッ素ゴムや、TFE−プロピレン(Pr)系、HFP−エチレン系、VdF−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)系、TFE−PAVE系、フルオロシリコーンゴム、フルオロホスファゼンゴム、含フッ素熱可塑性エラストマー等があげられる。なかでも、接着性の点から、VdF系フッ素ゴムが好ましい。
また、上記フッ素ゴムは、接着性の点から、フッ素含有量が65〜69重量%のものが好ましい。
一方、上記アロイにおけるアクリル系ゴムとしては、過酸化物架橋するものが好ましく、例えば、(メタ)アクリルモノマーの1種または2種以上を主成分とし、これにエチレンモノマーを導入したもの等があげられる。なかでも、層間接着性の観点から、エチレンモノマーが必須で導入された、エチレンアクリルゴム(AEM)が好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリルモノマーとは、アクリルモノマーあるいはメタクリルモノマーを意味する。
上記アクリルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロピルアクリレート,n−ブチルアクリレート,n−オクチルアクリレート,メトキシメチルアクリレート,メトキシエチルアクリレート,エトキシエチルアクリレート等のアクリレートがあげられる。また、上記メタクリルモノマーとしては、上記アクリルモノマーに対応するメタクリレートがあげられる。
また、上記アクリル系ゴムには、架橋席含有モノマーを0〜5重量%共重合させても差し支えない。上記モノマーとしては、例えば、活性ハロゲン基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミド基、ジエン基等を有するモノマー等があげられる。なかでも、グリシジルメタアクリレート等のエポキシ基、マレイン酸モノブチル等のカルボキシル基が好ましい。
そして、上記アロイ(A成分)は、フッ素ゴムと、アクリル系ゴムとを、所定の割合で配合し、これらをニーダー,ロール,バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。ここで、耐熱性等の観点から、上記アロイ(A成分)における、フッ素ゴムとアクリル系ゴムとの割合は、重量比で、フッ素ゴム/アクリル系ゴム=50/50〜85/15の範囲であることが好ましく、より好ましくは、フッ素ゴム/アクリル系ゴム=65/35〜80/20の範囲である。すなわち、フッ素ゴムの割合が少なすぎる(アクリル系ゴムの割合が多すぎる)と、アロイ自体の耐熱老化性が劣るからであり、フッ素ゴムの割合が多すぎる(アクリル系ゴムの割合が少なすぎる)と、外層のアクリル系ゴムとの接着性が不充分となるからである。
《カーボンブラック(B成分)》
内層用ゴム組成物に用いられるカーボンブラックには、ヨウ素吸着量(mg/g)×DBP吸収量(ml/100g)の値が5000〜13500のカーボンブラックが用いられる。好ましくは、ヨウ素吸着量(mg/g)×DBP吸収量(ml/100g)の値が5000〜9000のカーボンブラックが用いられる。すなわち、ヨウ素吸着量×DBP吸収量の値が小さすぎると、所望の層間接着性を得ることができないからであり、逆に大きすぎると、内層の成形加工性の面で劣るようになるからである。
なお、上記カーボンブラックのヨウ素吸着量は、JIS K 6217−1(A法)に準拠して測定される。詳しくは、まず、乾燥カーボン粉末0.5000±0.0005gを共栓付三角フラスコ200mlまたは250mlに正しく量り採り、0.0473Nヨウ素溶液25mlを加え、室温で1分間120回以上の振とうで、少なくとも30秒間激しく振とうする。振とう後、速やかに静置法,濾過法または遠心分離法のいずれかの方法でカーボン粉末を分離し、ろ液または上澄み液の20mlを採り、0.0394Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(この滴定量をamlとする)。一方、別に上記と同様の操作で空試験を行い、この場合の滴定量をbmlとする。そして、下記の式(1)によってカーボン粉末1gに対するヨウ素吸着量を算出する。
IA=〔(b−a)/b〕×(V/W)×N×126.91×f …(1)
上記式(1)において、
IA:ヨウ素吸着量(mg/g)
W :乾燥カーボン粉末の質量(g)
V :初めに加えたヨウ素溶液のml数
N :ヨウ素溶液の標準規定濃度数(0.0473)
f :ヨウ素溶液のファクター
である。
そして、上記ヨウ素吸着量は、30〜110mg/gであることが好ましく、より好ましくは、ヨウ素吸着量が40〜105mg/gの範囲である。
また、上記カーボンブラックのDBP吸収量は、JIS K 6217−4によって測定した値である。そして、上記DBP吸収量は、100〜130ml/100gであることが好ましく、より好ましくは、DBP吸収量が100〜120ml/100gの範囲である。
上記特定のカーボンブラック(B成分)としては、先に述べたような、ヨウ素吸着量×DBP吸収量の基準を満たす必要があるが、例えば、IISAF−HS級、HAF級、HAF−HS級、MAF級、FEF級、FEF−HS級等のものがあげられる。
上記特定のカーボンブラック(B成分)の含有量は、アロイ(A成分)100重量部に対して、10〜50重量部が好ましく、特に好ましくは20〜40重量部である。このような量で含有することにより、所望の層間接着性等を得ることができるようになる。
《有機過酸化物架橋剤(C成分)》
有機過酸化物架橋剤(C成分)としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類や、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類や、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類や、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類や、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記有機過酸化物架橋剤(C成分)の含有量は、アロイ(A成分)100重量部に対して、0.5〜3.0重量部が好ましく、特に好ましくは1.2〜2.0重量部である。このような量で含有することにより、ホースの柔軟性が損なわれることなく、充分な架橋がなされるようになる。
本発明で使用する内層用ゴム組成物には、上記アロイ(A成分)、カーボンブラック(B成分)、有機過酸化物架橋剤(C成分)に加えて、加工助剤、老化防止剤等を、必要に応じて配合しても差し支えない。また、架橋効率を高め物性の改善をはかるために、上記有機過酸化物架橋剤(C成分)と共架橋剤とを併用しても差し支えない。
上記共架橋剤としては、例えば、硫黄含有化合物、多官能性モノマー、マレイミド化合物、キノン化合物等があげられる。
上記硫黄含有化合物としては、例えば、硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド、メルカプトベンゾチアゾール等があげられる。上記多官能性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルトリメリテート、トリアリルトリシアヌレート等があげられる。また、上記マレイミド化合物としては、例えば、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド等があげられる。上記キノン化合物としては、例えば、キノンジオキシム、ジベンゾイル−p−キノンジオキシム等があげられる。なかでも、耐熱性に優れた架橋形態を形成するという点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好適に使用される。
そして、本発明で使用する内層用ゴム組成物は、例えば、先に述べたようにして混練して調製したアロイ(A成分)に、カーボンブラック(B成分)等を配合し、さらにニーダー等で混練して、プレコンパウンドを調製した後、上記プレコンパウンドに、有機過酸化物架橋剤等を配合し、これらをロール,バンバリーミキサー等で混練することにより、調製することができる。
《外層用ゴム組成物》
つぎに、本発明の耐熱ホースの外層用材料となるゴム組成物(アクリル系ゴム組成物)について説明する。
上記アクリル系ゴム組成物は、先に述べたように、エポキシ架橋席を含有するアクリル系ゴム(a成分)、イミダゾール系加硫剤(b成分)、有機過酸化物架橋剤(c成分)を必須成分とする。なお、有機過酸化物架橋剤(c成分)は、内層用材料中の有機過酸化物架橋剤(C成分)と同じであっても、異なっていてもよい。
《アクリル系ゴム(a成分)》
外層用ゴム組成物に用いられるアクリル系ゴムには、架橋席モノマーとしてエポキシ基を有するモノマーを含有するアクリル系ゴムが用いられる。なお、上記アクリル系ゴム(a成分)は、例えば、(メタ)アクリルモノマーの1種または2種以上を主成分とし、これにエチレンモノマーおよび上記架橋席モノマーを導入したもの等があげられる。また、エポキシ基を有する架橋席モノマーは、a成分全体の0.2〜2.0重量%の割合で共重合させることが、本発明における層間接着性等の観点から、好ましい。
なお、本発明において、(メタ)アクリルモノマーとは、アクリルモノマーあるいはメタクリルモノマーを意味する。
上記アクリルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロピルアクリレート,n−ブチルアクリレート,n−オクチルアクリレート,メトキシメチルアクリレート,メトキシエチルアクリレート,エトキシエチルアクリレート等のアクリレートがあげられる。また、上記メタクリルモノマーとしては、上記アクリルモノマーに対応するメタクリレートがあげられる。
なお、上記アクリル系ゴム(a成分)には、エポキシ基を有する架橋席モノマーの他、a成分全体の5重量%以下の割合で、他の架橋席モノマーを共重合させても差し支えない。上記架橋席モノマーとしては、例えば、活性ハロゲン基、カルボキシル基、水酸基、アミド基、ジエン基等を有するモノマー等があげられる。
《イミダゾール系加硫剤(b成分)》
上記イミダゾール系加硫剤(b成分)としては、例えば、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記イミダゾール系加硫剤(b成分)の含有量は、アクリル系ゴム(a成分)100重量部に対して、0.1〜2.0重量部が好ましく、特に好ましくは0.2〜1.5重量部である。このような量で含有することにより、スコーチすることなく、充分な加硫がなされるようになるとともに、所望の層間接着性等を得ることができるようになる。
《有機過酸化物架橋剤(c成分)》
有機過酸化物架橋剤(c成分)としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類や、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類や、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類や、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類や、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記有機過酸化物架橋剤(c成分)の含有量は、アクリル系ゴム(a成分)100重量部に対して、0.5〜3.0重量部が好ましく、特に好ましくは1.0〜2.0重量部である。このような量で含有することにより、所望の層間接着性が得られるようになる。
本発明で使用する外層用ゴム組成物には、上記アクリル系ゴム(a成分)、イミダゾール系加硫剤(b成分)、有機過酸化物架橋剤(c成分)に加えて、加硫促進剤、カーボンブラック、可塑剤、老化防止剤等を必要に応じて配合しても差し支えない。また、内層用ゴム組成物と同じく、有機過酸化物架橋剤(c成分)と共架橋剤とを併用し、層間接着性をより高めるようにしても差し支えない。
上記加硫促進剤としては、例えば、チオウレア系,チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系等の加硫促進剤や、第4級アンモニウム塩があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、層間接着性の点で、チオウレア系加硫促進剤、第4級アンモニウム塩が好ましい。
上記チオウレア系加硫促進剤としては、例えば、N,N′−ジフェニルチオウレア、N,N′−ジエチルチオウレア、N,N′−ジブチルチオウレア、ジブチルチオウレア、ジラウリルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、2−メルカプトイミダゾリン、2−イミダゾリン−2−チオール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、層間接着性の点で、トリメチルチオウレアが好ましい。
上記第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジウムクロライド、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−ベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジウムアイオダイド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、層間接着性の点で、テトラエチルアンモニウムブロマイドが好ましい。
上記加硫促進剤の含有量は、アクリル系ゴム(a成分)100重量部に対して0.1〜5.0重量部が好ましく、特に好ましくは0.2〜3.0重量部である。上記加硫促進剤の含有量が少なすぎると、層間接着性の向上効果が得にくくなる傾向がみられ、上記加硫促進剤の含有量が多すぎると、スコーチする傾向がみられる。
上記カーボンブラックとしては、例えば、SAF級、ISAF級、HAF級、MAF級、FEF級、GPF級、SRF級、FT級、MT級等のものがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、MAF級カーボンブラックが好ましい。
上記カーボンブラックの含有量は、アクリル系ゴム(a成分)100重量部に対して、20〜100重量部が好ましく、特に好ましくは40〜80重量部である。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系,フェニレンジアミン系,フェノール系,ジフェニルアミン系,キノリン系等の老化防止剤や、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記老化防止剤の含有量は、アクリル系ゴム(a成分)100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、特に好ましくは1〜4重量部である。
本発明で使用する外層用ゴム組成物は、例えば、アクリル系ゴム(a成分)、イミダゾール系加硫剤(b成分)、有機過酸化物架橋剤(c成分)に加えて、加硫促進剤、カーボンブラック等を必要に応じて適宜に配合し、これらをニーダー,ロール,バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。
つぎに、本発明の耐熱ホースの製法について具体的に説明する。すなわち、前述の方法に従い、内層用ゴム組成物、および外層用ゴム組成物をそれぞれ調製する。そして、これらを、マンドレル上に共押出成形し、所定の条件(例えば、160℃×45分)でスチーム加硫した後、所定の条件(例えば、150℃×8時間)でオーブンにて二次加硫する。これにより、内層1の外周面に外層2が直接形成され、接着剤レスで両層が強固に接着してなる耐熱ホース(図1参照)を得ることができる。なお、本発明の耐熱ホースの製法においては、上記マンドレルは使用しなくても差し支えない。
本発明の耐熱ホースは、前記図1に示した構造に限定されるものではなく、外層2の外周面に、さらに、ゴム材料からなる補強用の最外層等を形成しても差し支えない。なお、上記最外層の形成材料は、外層用材料と同様のアクリル系ゴム組成物であっても差し支えない。この場合、外層と最外層とは接着剤レスで直接加硫接着することができる。また、本発明の耐熱ホースは、内層1/外層2/補強糸層/最外層の構造であってもよく、補強糸層に接着剤処理を施しても良い。
本発明の耐熱ホースにおいて、ホース内径は3〜100mmが好ましく、特に好ましくは5〜70mmである。また、内層1の厚みは0.2〜2mmが好ましく、特に好ましくは0.3〜1mmであり、外層2の厚みは0.5〜5.0mmが好ましく、特に好ましくは1〜3mmである。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
《内層用ゴム組成物A〜Kの調製》
下記の表1に示すフッ素ゴム(FKM)およびアクリル系ゴム(エチレンアクリルゴム(AEM)、またはアクリルゴム(ACM))を、同表に示す割合でニーダーに仕込み、混練した後、有機過酸化物および共架橋剤の除く他の材料を同表に示す割合で配合し、さらに混練することにより、プレコンパウンドを調製した。つぎに、上記プレコンパウンドに、有機過酸化物および共架橋剤を同表に示す割合で配合し、これらをロールで混練して、内層用ゴム組成物を調製した。
Figure 2016070332
なお、上記表1に示す各材料は、以下の通りである。また、下記のカーボンブラック(CB−1〜CB−5)に示されている「I2×DBP」において、「I2」は、カーボンブラックのヨウ素吸着量(mg/g)であり、JIS K 6217−1(A法)に準拠して測定された値であり、「DBP」は、カーボンブラックのDBP吸収量(ml/100g)であり、JIS K 6217−4に準拠して測定された値であり、「I2×DBP」はこれらの値の積である。
〔フッ素ゴム(FKM−1)〕
ダイエルG801(フッ素含有量:65%)、ダイキン社製
〔フッ素ゴム(FKM−2)〕
バイトン GBL200S(フッ素含有量:69%)、デュポンエラストマー社製
〔エチレンアクリルゴム(AEM)〕
VAMAC D−P、DPE社製
〔アクリルゴム(ACM−1)〕
ニポールAR42W(エポキシ基含有ACM)、日本ゼオン社製
〔アクリルゴム(ACM−2)〕
ノックスタイトPA522E(カルボキシル基含有ACM)、NOK社製
〔ステアリン酸〕
ルナック S−30、花王社製
〔カーボンブラック(CB−1)〕
IISAF−HS級カーボンブラック(I2×DBP=13416)(シースト 5H、東海カーボン社製)
〔カーボンブラック(CB−2)〕
HAF級カーボンブラック(I2×DBP=8080)(シースト 3、東海カーボン社製)
〔カーボンブラック(CB−3)〕
MAF級カーボンブラック(I2×DBP=7049)(シースト 116、東海カーボン社製)
〔カーボンブラック(CB−4)〕
FEF級カーボンブラック(I2×DBP=5060)(シーストSO、東海カーボン社製)
〔カーボンブラック(CB−5)〕
GPF級カーボンブラック(I2×DBP=2262)(シーストV、東海カーボン社製)
〔有機過酸化物〕
パーブチルP、日油社製
〔共架橋剤〕
タイク、日本化成社製
《外層用ゴム組成物a〜hの調製》
下記の表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ロールを用いて混練して、外層用ゴム組成物を調製した。
Figure 2016070332
なお、上記表2に示す各材料は、以下の通りである。
〔アクリル系ゴム〕
エチルアクリレート/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート=59.5/40/0.5(wt%)の共重合ゴム
〔ステアリン酸〕
ルナック S−30、花王社製
〔老化防止剤〕
ナウガード445、クロンプトン社製
〔カーボンブラック(CB)〕
MAF級カーボンブラック(シースト 116、東海カーボン社製)
〔流動パラフィン〕
クリストール70、ESSO社製
〔可塑剤〕
アデカサイザーRS−735、ADEKA社製
〔イミダゾール系加硫剤〕
1,2−ジメチルイミダゾール、四国化成社製
〔加硫促進剤(i)〕
トリメチルチオウレア、大内新興化学社製
〔加硫促進剤(ii)〕
テトラエチルアンモニウムブロマイド、東京化成工業社製
〔加硫促進剤(iii)〕
ジ−o−トリルグアニジン、住友化学社製
〔アミン系加硫剤〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、和歌山精化社製
〔有機過酸化物〕
パーブチルP、日油社製
〔共架橋剤〕
タイク、日本化成社製
[実施例1]
内層用ゴム組成物および外層用ゴム組成物を、後記の表3に示す組み合わせで使用した耐熱ホースを作製した。すなわち、内層用ゴム組成物Aおよび外層用ゴム組成物aを、マンドレル上に共押出成形し、160℃×45分間のスチーム加硫を行った後、150℃で8時間オーブンにて二次加硫することにより、内層(厚み0.5mm)の外周面に外層(厚み2mm)が直接形成されてなる耐熱ホース(内径30mm、外径35mm)を作製した。
[実施例2〜14、比較例1〜4]
内層用ゴム組成物および外層用ゴム組成物の組み合わせを、後記の表3に示す組み合わせに変更する以外は、実施例1と同様にして耐熱ホースを作製した。
このようにして得られた実施例および比較例の耐熱ホースを用いて、下記の基準に従い、層間接着性の評価を行った。この結果を、後記の表3に併せて示した。
〔層間接着性〕
各耐熱ホースから、厚み2.5mm(内層の厚み0.5mm、外層の厚み2mm)、幅25mmの試験片を切り出した。そして、その試験片の内層に対し、JIS K6256に準じてT型剥離試験を行った。なお、上記剥離試験は、常圧で行い、25℃温度下での剥離試験(常温時)、150℃温度下での剥離試験(高温下)、200℃×72hの熱老化を行った試験片に対する25℃温度下での剥離試験(熱老化後)の、3種の剥離試験をそれぞれ行った。
そして、上記剥離試験の際の剥離強度(N/25mm)を測定するとともに、剥離面の状態を、以下の基準により目視評価を行った。
〈評価〉
R :外層アクリルゴム側のゴム破壊がみられる。
BR:外層アクリルゴム側の部分ゴム破壊がみられる。
K :界面剥離している。
<R:内層アロイ材側のゴム切れがみられる。
Figure 2016070332
上記表3の結果より、実施例の耐熱ホースは、常温時のみならず、高温時、および熱老化後においても、剥離強度が強く、層間接着性に優れていた。
これに対して、比較例1の耐熱ホースは、内層用ゴム組成物に含まれるカーボンブラックのI2×DBPの値が、本発明の規定値よりも小さすぎることから、実施例の耐熱ホースに比べ、明らかに層間接着性の評価に劣る結果となっていることがわかる。また、比較例2の耐熱ホースは、外層用ゴム組成物にイミダゾール系加硫剤が含まれておらず、比較例3の耐熱ホースは、外層用ゴム組成物にイミダゾール系加硫剤は含まれているものの、有機過酸化物や共架橋剤が含まれていない。そのため、比較例2,3の耐熱ホースは、実施例の耐熱ホースに比べ、明らかに層間接着性の評価に劣る結果となった。比較例4の耐熱ホースは、外層用ゴム組成物にイミダゾール系加硫剤ではなくアミン系加硫剤を使用しており、層間接着性においては、他の比較例のものより優れているものの、内層アロイ材側のゴム切れ(亀裂)がみられた。これは、外層用ゴム組成物中のアミン系加硫剤により、内層のフッ素ゴムの架橋が進行しすぎたためと考えられる。また、比較例4の耐熱ホースは、未加硫積層体の状態で、室温に7日放置した後、加硫すると、界面付近のアロイ材に発泡がみられた。このような加硫阻害現象は、実施例のいずれの耐熱ホースでもみられなかった。
本発明の耐熱ホースは、耐熱性が要求されるホース全般に使用可能であるが、自動車用のエアー系ホース、例えば、ガソリン蒸気やエンジンオイルのミストを含む空気混合物をエンジンから排出して再燃焼のためにエンジンに供給するためのエアー系ホースや、燃料系ホースとして有用である。具体的には、本発明の耐熱ホースは、燃料ホース、エアーホース、ターボエアーホース(過給機用エアーホース)、バキュームブレーキホース、コモンレールディーゼル燃料ホース、DPF(ディーゼル・パーティキュレート・フィルター)センサーホース等の自動車用耐熱ホースとして好適に用いることができる。なお、本発明の耐熱ホースは、自動車用耐熱ホースに限らず、建機用、船舶用、航空機用耐熱ホースとしても使用することができる。
1 内層
2 外層

Claims (5)

  1. 内層と、その外周面に直接形成される外層とを備えた耐熱ホースであって、上記内層が、下記(A)を主成分とし下記(B)および(C)成分を含有するゴム組成物からなり、上記外層が、下記(a)を主成分とし下記(b)および(c)成分を含有するゴム組成物からなり、両層間が相互接着されていることを特徴とする耐熱ホース。
    (A)フッ素ゴムとアクリル系ゴムとのアロイ。
    (B)ヨウ素吸着量(mg/g)×DBP吸収量(ml/100g)の値が5000〜13500の、カーボンブラック。
    (C)有機過酸化物架橋剤。
    (a)エポキシ架橋席を含有するアクリル系ゴム。
    (b)イミダゾール系加硫剤。
    (c)有機過酸化物架橋剤。
  2. 上記(A)成分における、フッ素ゴムとアクリル系ゴムとの割合が、重量比で、フッ素ゴム/アクリル系ゴム=50/50〜85/15の範囲である、請求項1記載の耐熱ホース。
  3. 上記(A)成分が、フッ素ゴムとエチレンアクリルゴムとのアロイである、請求項1または2記載の耐熱ホース。
  4. 上記内層形成用ゴム組成物における(B)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対し10〜50重量部の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐熱ホース。
  5. 上記外層形成用ゴム組成物における(b)成分の含有割合が、(a)成分100重量部に対し0.1〜2.0重量部の範囲である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐熱ホース。
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