JP2016068820A - 自動車の車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体重量の増大を抑制しつつ、前輪から入力される荷重を確実に受け止めることができる自動車の車体前部構造を提供すること。【解決手段】サイドシル12と、フロントサイドフレーム20と、フロントサイドフレーム20とサイドシル12の前端12aとを連結するトルクボックス30と、を有する自動車の車体前部構造10において、フロントサイドフレーム20に基端55が結合され、基端55から二股に分岐して車幅方向に移行するに従って後方に変位して前側端部57がサイドシル12の前端12aに結合される第一延在部59と、第一延在部59より後方位置で後側端部60がサイドシル12に結合される第二延在部62と、を備える補強部材50を有する。これにより、前端12aを頂点とする両延在部59及び62並びにサイドシル12からなるトラス構造が形成され、前輪6を介して前端12aに入力される荷重を確実に受け止めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車体前部構造に関する。
自動車のフルラップ前突やオフセット前突に対しては、車体最前部に位置するバンパが対向車等の衝突物を受け止め、バンパから入力された衝突のエネルギーを車体前後方向に延在するフロントサイドフレームが潰れ変形することで吸収し、車室を保護する。
しかし、自動車の車幅方向外側端部部分のみに対する前突(以下、スモールオーバーラップ前突という)に対しては、バンパ及びフロントサイドフレームの潰れ変形による衝突エネルギー吸収機能が十分に得られず、衝突物に起因する大部分の荷重が前輪に入力される。この場合、後退移動する前輪が車室側に侵入して車室の車幅方向外側端に位置するサイドシルの前端に衝突し、この衝突に伴ってサイドシル及びサイドシルの前端近傍から上方に延在するフロントピラーが車幅方向内方に傾倒して車室内に侵入し、前席の乗員が傷害を受けるおそれがある。
かかるスモールオーバーラップ前突に対し、サイドシル及びフロントピラー自体の剛性を高め、車室側に倒れないようにするという対策が考えられるが、単純に両部材に用いる鋼材を肉厚にしたのでは車体の重量が大きく増加してしまう。
特許文献1には、スモールオーバーラップ前突に対応可能な車体フロア構造が提案されている。具体的には、図8に示すように、サイドシル112と車体の車幅方向略中央で前後方向に延在するトンネルフレーム114の骨格部115との間のフロアパネル116の下方に配置され、フロアパネル116と二重床構造118(図9参照)をなす補強部材120を有する車体フロア構造110が開示されている。補強部材120は、サイドシル112前端付近から図8に示すように斜め後方にトンネルフレーム114の骨格部115まで延在しており、前部側(サイドシル前端側)が拡幅した拡幅部120aとなっている。
特許文献1の車体フロア構造によれば、スモールオーバーラップ前突により後退する前輪122からサイドシル112前端に入力される荷重の入力軸線方向に沿って補強部材120が延在しているので、入力荷重の大きな割合を補強部材120を介してトンネルフレーム114に分散伝達させることができる。さらに、補強部材120の前部側の拡幅部120aはフロアパネル116と二重床構造118をなしているので、補強部材120の延在方向と交差する方向への曲げ変形を抑制し、前輪122からの入力荷重に対する抗力を発生させることができる。よって、サイドシル112及びフロントピラーの車室側への傾倒を抑制することができる。
特開2014−004850号公報
しかしながら、特許文献1の車体フロア構造によれば、補強部材の前部は二重床を構成するための大きな占有面積が必要となり、車体重量が必然的に増大する。
さらに、補強部材は前輪から入力される荷重の入力軸線方向に延在し、この軸線上に拡幅部と小幅な直線状の後部の連続部位が存在するので、当該連続部位は剛性上の不連続部となって該部に荷重応力が発生する。したがって、該部において荷重を受け止めきれずに補強部材が座屈し、座屈した補強部材が車室内部へと陥入するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車体重量の増大を抑制しつつ、前輪から入力される荷重を確実に受け止めることができる自動車の車体前部構造を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車室下部の車幅方向両側に沿って車体前後方向に延在して前端が前輪と対向するサイドシルと、該サイドシルよりも車幅方向内方側で車体前後方向に延在するフロントサイドフレームと、車幅方向に延在して前記フロントサイドフレームと前記サイドシルの前端とを連結する連結部材と、を有する自動車の車体前部構造において、前記フロントサイドフレーム及び前記サイドシルの下方において該フロントサイドフレームから該サイドシルへと枝分かれして架け渡され、基端が前記フロントサイドフレームに結合され、車幅方向外方に移行するに従って後方に変位して前側端部が前記サイドシルの前端に結合される第一延在部と、前記基端から車幅方向外方に移行するに従って後方に変位して前記前側端部よりも後方位置で後側端部が前記サイドシルに結合される第二延在部と、を備える補強部材を有することを特徴とする。
この構成によれば、フロントサイドフレームからサイドシルへと枝分かれする補強部材とサイドシルとによって、サイドシルの前端を頂点とした三角形からなるトラス構造が形成され、スモールオーバーラップ前突の荷重は前輪を介してサイドシルの前端から車室のある車幅方向内方に入力される。
したがって、上記トラス構造の作用により、前輪から入力された荷重はサイドシルの前端から第一延在部を介して補強部材の基端方向及びサイドシルの前端からその後方へと効率良く分散され、第二延在部には引張荷重となって作用することでサイドシルがその前端から車幅方向内方へ変形することが抑制される。
また、前輪から大荷重が入力されて仮にサイドシルがその前端側から第一延在部とともに車幅方向内方に傾倒しても、上記引張荷重の作用によりフロントサイドフレーム及びサイドシル間に張架される第二延在部が強力な緊張部材となってサイドシルの傾倒を受け止め、車幅方向内方へのサイドシルの侵入を抑止することができる。
さらに、かかる荷重の受け止めは、分岐した二つの延在部により形成された補強部材をフロントサイドフレーム及びサイドシルの下方に設ける簡単な構成でなされるので、車体重量の増加も最小限に抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動車の車体前部構造において、前記補強部材は、上下方向に延在する結合軸を介して前記サイドシル及び前記フロントサイドフレームの下面にそれぞれ結合されることを特徴とする。
この構成によれば、補強部材は上下方向に延在する結合軸を介してサイドシル及びフロントサイドフレームの下面にそれぞれ結合されているので、スモールオーバーラップ前突によりサイドシルがその前端側から車幅方向内方へと傾倒する場合、補強部材の各結合部には上下方向に延在する結合軸を中心に回動する力が作用し、補強部材がサイドシル及びフロントサイドフレームから剥離する方向に作用する力は比較的小さくなる。したがって、補強部材がサイドシル及びフロントサイドフレームから分離するおそれがなく、より確実に前輪から入力される荷重を受け止めることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動車の車体前部構造において、前記補強部材の前記第二延在部には、該第二延在部の延在方向に沿って連続するビードが形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第二延在部はビードによって補強されているから、前輪からの大荷重が入力された場合に第二延在部は緊張部材のようにサイドシルの傾倒を受け止めるだけでなく、第二延在部自体の変形も抑制でき、前輪から入力される荷重をさらに確実に受け止めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車の車体前部構造において、前記フロントサイドフレームに支持されて車幅方向に延在するサスペンションクロスメンバを有し、前記補強部材は、前記基端からさらに車体前方に延在して先端が前記サスペンションクロスメンバに結合される前方延在部を有することを特徴とする。
この構成によれば、補強部材は前方延在部によって基端からさらに車体前方に延在して先端がサスペンションクロスメンバに結合しているので、後退する前輪から入力された荷重を、サイドシルの前端から補強部材の基端を介してさらにサスペンションクロスメンバまで分散させることが可能となる。
また、従来、自動車が旋回走行すると前輪には旋回方向に向かう荷重が作用し、この荷重はサスペンションクロスメンバ、フロントサイドフレーム、連結部材、サイドシルの順に伝達されるので、サイドシルには前輪に対してこの荷重が遅れて作用し、操縦安定性の観点からは改善の余地があった。
この構成によれば、前輪に作用する旋回方向に向かう荷重は、サスペンションクロスメンバから補強部材を介してサイドシルへと迅速に伝達され、操縦安定性が向上する。すなわち、前輪に作用する旋回方向に向かう荷重を有効的に受け止めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の自動車の車体前部構造において、前記サイドシルの前端の後方位置に基端が接続して車体上方に延在するフロントピラーを有し、前記第二延在部の前記後側端部が、前記サイドシルと前記フロントピラーの接続部よりも後方位置に在ることを特徴とする。
この構成によれば、スモールオーバーラップ前突により前輪からサイドシルの前端に入力された荷重が、フロントピラーの基端に至る前に補強部材及びサイドシルからなるトラス構造により受け止められる。よって、フロントピラーの車室側への傾倒を抑制することができる。
本発明によれば、枝分かれした補強部材及びサイドシルからなるトラス構造により、スモールオーバーラップ前突により後退する前輪からサイドシルの前端に入力される荷重を確実に受け止めて車幅方向内方へのサイドシルの侵入を抑止することができる。かかる荷重の受け止め効果は、枝分かれした補強部材のみによって達成されるので、車体重量の増大も最小限に抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る自動車の車体前部構造10の要部底面図である。 本実施の形態に係る自動車の車体前部構造10の要部斜視図である。 図1のIII−III線の端面を模式的に示した図である。 図2のIV−IV線断面を模式的に示した図である。 (A)図2における補強部材50のV−V線断面を模式的に示した図であり、(B)V−V線断面を模式的に示した図である。 本実施の形態に係る自動車の車体前部構造10を模式的に示した側面図である。 スモールオーバーラップ前突時に自動車の車体前部構造10に作用する荷重を示す要部底面図である。 従来の、スモールオーバーラップ前突に対応可能な車体フロア構造の底面図である。 図8のIX−IX線断面図である。
次に、本発明の実施の形態に係る自動車の車体前部構造を、図1〜図7を参照して詳細に説明する。図1は自動車の車体前部構造10の要部底面図、図2は自動車の車体前部構造10の要部斜視図、図3は図1のIII−III線端面の模式図、図4は図2のIV−IV線断面の模式図、図5は補強部材50の断面の模式図、及び図6は自動車の車体前部構造10を模式的に示す側面図である。
図6に示すように、車体前部1は、高さ方向に延在する前部2a及び前部2aの下端に連続して下方に移行するに連れて後方に変位する後部2bを有するトーボード2と、後部2bの後端から略水平に延在するフロアパネル3と、によってエンジンルーム4及び車室5に区画されている。
車室5下部の車幅方向両側には、図1に示すように、車体前後方向に延在して前端12aが前輪6と対向するサイドシル12が設けられている。
サイドシル12は、図2に示すように、前端12aの後方に基端16aが接続されて上方に延在するフロントピラー16と一体形成されている。
具体的には、サイドシル12及びフロントピラー16の一体成形体は、サイドシル12の前端12aの近傍からフロントピラー16が上方に延在する略L字状乃至逆T字形状であって、断面ハット状のインナパネル13及びアウタパネル14(図3参照)のフランジ部13a、14a及びフランジ部13b、14bを相互に接合させてなるボックス状の閉断面を有する筒状構造体である。
サイドシル12は、図3に示すように、車幅方向内側のインナパネル13の側面13cがフロアパネル3の車幅方向外方端部3aに接合されており、サイドシル12よりも車幅方向内側には、車体前後方向に延在するフロントサイドフレーム20が設けられている。
なお、車幅方向外方位置において、図2に示すように、フロアパネル3はサイドシル12の前端12aよりやや後方位置で上方に湾曲し、前方に移行するに連れて上方に変位するトーボード2の後部2bに連続している。
フロントサイドフレーム20は、図2及び図6に示すように、エンジンルーム4内の下側部に沿って前後方向に延在する前部範囲22と、屈曲部23を介して前部範囲22の後端に連続形成されてトーボード2の前面に沿って延在する傾斜範囲24と、屈曲部25を介して傾斜範囲24の後端に連続形成されてフロアパネル3の下面に沿って前後方向に延在する後部範囲26と、を有する。
フロントサイドフレーム20の前部範囲22〜傾斜範囲24はボックス状の閉断面形状を有し、後部範囲26は上方に開口する断面ハット状の形状を有する。
フロントサイドフレーム20は、キックアップ部を形成する傾斜範囲24の上面がトーボード2の前面に接合されており、後部範囲26の上端部は車幅方向に接曲するフランジ部26a、26b(図1、図3参照)となっている。フランジ部26a、26bはフロアパネル3の下面に当接して接合され、閉断面を形成している。
フロントサイドフレーム20の傾斜範囲24は、トルクボックス30(連結部材)によってサイドシル12の前端12aに連結されている。
トルクボックス30は、図4に示すように、上下方向に二つ連続する台形状の閉断面形成部(それぞれ、上部閉断面形成部32、下部閉断面形成部34という)を結合部33を介して有する縦断面形状を有しており、上部閉断面形成部32の上方の上方フランジ31、結合部33(上部閉断面形成部32及び下部閉断面形成部34を結合する)及び下部閉断面形成部34の下方の下方フランジ35がそれぞれトーボード2の前面に接合されている。
また、車幅方向内方側に設けられた内方フランジ36がフロントサイドフレーム20の傾斜範囲24の側面に接合され、車幅方向外方側に設けられた外方フランジ37がサイドシル12の前端12aにおいてインナパネル13の側面13cに接合されている。
フロントサイドフレーム20の前部範囲22の下面には、図1に示すように、車幅方向に延在するサスペンションクロスメンバ40が設けられている。
サスペンションクロスメンバ40の車幅方向外方端部にはロアアーム41が取り付けられており、ロアアーム41の車幅方向の外方端部近傍において前輪6が支持されている。
次に、本発明の特徴的構成である補強部材50について説明する。補強部材50は、図5(A)に示すように、対応する平面形状(図1参照)を有する断面ハット状の上側板材51及び下側板材52を、対向するフランジ部51aと52a、51bと52bで接合させてなる閉断面形状を有する。
補強部材50は、図2に示すように、基端55から後方に移行するに連れて車幅方向外方に変位して前側端部57がボルト58によってサイドシル12の前端12a(インナパネル13の下面13d)に結合される第一延在部59と、基端55から第一延在部59よりも後方に延在しつつ車幅方向外方に変位して後側端部60がボルト61a、61bによってサイドシル12におけるフロントピラー16の基端16aの接続部よりも後方位置でサイドシル12(インナパネル13の下面13d)に結合される第二延在部62と、に分岐する。
すなわち、補強部材50は、基端55から車体後方の領域において基端55、第一延在部59及び第二延在部62からなる底面視略V字状の形状を有しており、第一延在部59、第二延在部62及びサイドシル12によってサイドシル12の前端12aを頂点とした三角形からなるトラス構造(図7参照)が形成されている。
また、図5(b)に示すように、補強部材50の第二延在部62には、下側板材52の下面52cを上方に嵌入させてなるビード63が第二延在部62の延在方向に沿って形成されている。
さらに、補強部材50は、フロントサイドフレーム20の前部範囲22の略下方位置においてサスペンションクロスメンバ40の下面40aに先端53がボルト54a、54bにより結合され、そのまま後方に移行するに連れてやや車幅方向外方に延在し、基端55がボルト56によりフロントサイドフレーム20の後部範囲26の前端における下面26cに結合されてなる前側延在部65を有する。
以上の構成からなる車体前部構造10を有する自動車の運転席側にスモールオーバーラップ前突が生じた場合の効果を、図7に基づいて説明する。図7は、スモールオーバーラップ前突時に自動車の車体前部構造に作用する荷重を示す要部底面図である。
図示のように、スモールオーバーラップ前突が生じた場合、バンパ及びフロントサイドフレーム20の潰れ変形による衝撃エネルギー吸収機能が十分に得られず、衝突物に起因する大部分の荷重は前輪6に入力される。前輪6は、後退移動しつつ操向の軸線に沿って回動する挙動を示し、車室5のある車幅方向内方(矢印200方向)へと侵入してサイドシル12の前端12aに衝突する。
車室5の下部には、基端55から後方にかけて底面視略V字形状を有する補強部材50とサイドシル12とによって、サイドシル12の前端12aを頂点とした三角形(図7参照)からなるトラス構造が形成されており、スモールオーバーラップ前突の荷重は前輪6を介してサイドシル12の前端12aから車室内方(すなわち、矢印200方向)に入力される。
したがって、上記トラス構造の作用により、前輪6から入力された荷重はサイドシル12の前端12aから第一延在部59を介して補強部材50の基端55方向(矢印250方向)及びサイドシル12の前端12aからサイドシル12の後方(矢印300)へと効率良く分散され、第二延在部62には矢印350方向への引張荷重となって作用することでサイドシル12の前端12aからの上記三角形の潰れ(すなわち、前端12a側からのサイドシル12の車幅方向内方への傾倒及びフロントピラー16の基端16a側からの車室5側への傾倒)も抑制される。
また、前輪6からサイドシル12の前端12aに入力される荷重が大きく、仮にサイドシル12がその前端12a側から第一延在部59とともに車幅方向内方へと傾倒しても、上記引張荷重の作用によりフロントサイドフレーム20及びサイドシル12間に張架される第二延在部62が強力な緊張部材となってサイドシル12の傾倒を受け止め、第二延在部62より車室5内部側へのサイドシル12及びフロントピラー16の侵入を抑止することができる。
さらに、かかる荷重の受け止めは、分岐する二つの延在部(第一延在部59及び第二延在部62)により形成された底面視略V字状部分を有する補強部材50をフロントサイドフレーム20及びサイドシル12の下方に設けることによりなされるので、車体重量の増加も抑制することができる。
そのうえ、補強部材50は上下方向に延在する軸を介してサイドシル12の下面(インナパネル13の下面13d)及びフロントサイドフレーム20の下面(後部範囲24の下面24a)にそれぞれ上下方向に延在する結合軸であるボルトで結合されているので、スモールオーバーラップ前突によりサイドシル12がその前端12a側から車幅方向内方へと傾倒する場合、補強部材50のボルト56、58、61a及び61bによるフロントサイドフレーム20及びサイドシルとの結合部には各ボルトの軸を中心に回動する力が作用し、補強部材50がサイドシル12及びフロントサイドフレーム20から剥離する方向に作用する力は比較的小さくなる。したがって、上記結合部において補強部材50がサイドシル12及びフロントサイドフレーム20から分離するおそれがなく、より確実に前輪6から入力される荷重を受け止めることが可能となる。
また、第二延在部62はビード63によって補強されているから、前輪6からの大荷重が入力された場合に第二延在部62は緊張部材のようにサイドシル12の傾倒を受け止めるだけでなく、第二延在部62自体の変形も抑制でき、前輪6から入力される荷重をさらに確実に受け止めることができる。
さらに、上記トラス構造を形成する第一延在部59の前側端部57は、フロントピラー16の基端が接合するサイドシル12の部位よりも前方の前端12aに結合しているので、スモールオーバーラップ前突の際に前輪6からサイドシル12の前端12aに入力された荷重は、フロントピラー16の基端16aに至る前にトラス構造により受け止められる。したがって、本実施の形態に係る自動車の車体前部構造10によれば、より確実にフロントピラー16の車室5側への傾倒を抑制することができる。
そのうえ、補強部材50は前側延在部65によって基端55からさらに車体前方に延在して先端53がサスペンションクロスメンバ40に結合しているので、後退移動する前輪6から入力された荷重を、サイドシル12の前端12aから基端55を介してさらにサスペンションクロスメンバ40まで分散させることができる。
また、自動車の車体前部構造による前輪6からの荷重の受け止めは、スモールオーバーラップ前突の場合に限られない。従来、自動車が旋回走行すると前輪には旋回方向に向かう荷重が作用し、この荷重はサスペンションクロスメンバ、フロントサイドフレーム、連結部材(トルクボックス)、サイドシルの順に伝達されるので、サイドシルには前輪に対してこの荷重が遅れて作用し、操縦安定性の観点からは改善の余地があった。
本実施の形態に係る自動車の車体前部構造10によれば、補強部材50は前側延在部65によって基端55からさらに車体前方に延在して先端53がサスペンションクロスメンバ40に結合しているので、前輪6に作用する旋回方向に向かう荷重は、サスペンションクロスメンバ40から補強部材50を介してサイドシル12へと迅速に伝達され、操縦安定性が向上する。すなわち、前輪に作用する旋回方向に向かう荷重を確実に受け止めることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、前輪から入力される荷重を車体全体の広範囲に亘って有効的に分散させ、車体の所定部位に応力が集中することによる不具合を解消している。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本実施の形態においては、補強部材50は前側延在部65によって基端55からさらに車体前方に延在して先端53がサスペンションクロスメンバ40に結合しているが、前側延在部65を有することは必須の構成ではない。
例えば、補強部材を基端55より後方の構成(すなわち、基端55から第一延在部59及び第二延在部62に分岐する構成)のみにより形成することも可能である。この構成によれば、サイドシル12の前端12aを頂点とした図7に示す三角形からなるトラス構造を維持できるので、スモールオーバーラップ前突による前輪6から入力される荷重を受け止め可能であるだけでなく、底面視略V字状の補強部材を設けるだけでよいので車体重量の増大を最小化することができる。
また、本実施の形態によれば、補強部材50は、フロントサイドフレーム20、サイドシル12及びサスペンションクロスメンバ40の下面にボルト結合することにより設けることができるので、従来の車体構成を変更する必要がなく、汎用性が高いものである。
5 車室
6 前輪
10 自動車の車体前部構造
12 サイドシル
12a 前端
13a 下面(サイドシルの下面)
16 フロントピラー
16a 基端
20 フロントサイドフレーム
24a 下面(フロントサイドフレームの後部範囲の下面)
30 トルクボックス(連結部材)
40 サスペンションクロスメンバ
50 補強部材
53 先端
55 基端
57 前側端部
59 第一延在部
60 後側端部
62 第二延在部
63 ビード
65 前側延在部

Claims (5)

  1. 車室下部の車幅方向両側に沿って車体前後方向に延在して前端が前輪と対向するサイドシルと、該サイドシルよりも車幅方向内方側で車体前後方向に延在するフロントサイドフレームと、車幅方向に延在して前記フロントサイドフレームと前記サイドシルの前端とを連結する連結部材と、を有する自動車の車体前部構造において、
    前記フロントサイドフレーム及び前記サイドシルの下方において該フロントサイドフレームから該サイドシルへと枝分かれして架け渡され、
    基端が前記フロントサイドフレームに結合され、車幅方向外方に移行するに従って後方に変位して前側端部が前記サイドシルの前端に結合される第一延在部と、
    前記基端から車幅方向外方に移行するに従って後方に変位して前記前側端部よりも後方位置で後側端部が前記サイドシルに結合される第二延在部と、を備える補強部材を有することを特徴とする自動車の車体前部構造。
  2. 前記補強部材は、上下方向に延在する結合軸を介して前記サイドシル及び前記フロントサイドフレームの下面にそれぞれ結合されることを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体前部構造。
  3. 前記補強部材の前記第二延在部には、該第二延在部の延在方向に沿って連続するビードが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車の車体前部構造。
  4. 前記フロントサイドフレームに支持されて車幅方向に延在するサスペンションクロスメンバを有し、
    前記補強部材は、前記基端からさらに車体前方に延在して先端が前記サスペンションクロスメンバに結合される前方延在部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車の車体前部構造。
  5. 前記サイドシルの前端の後方位置に基端が接続して車体上方に延在するフロントピラーを有し、
    前記第二延在部の前記後側端部が、前記サイドシルと前記フロントピラーの接続部よりも後方位置に在ることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の自動車の車体前部構造。
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