JP2016068175A - 切断データ作成方法、切断データ作成装置、切断装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

切断データ作成方法、切断データ作成装置、切断装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】被切断物としてのシートを複数重ねることで、部分模様が組み合わさった全体模様を表す所望の装飾物を容易に作製することができる切断データ作成方法、切断データ作成装置、切断装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供する。【解決手段】切断データ作成装置は、順番決定手段、輪郭線設定手段、及び切断データ作成手段を備える。順番決定手段は、複数のシートに対応する複数のレイヤを重ねる順番を決定する。輪郭線設定手段は、部分模様の輪郭線を、順番決定手段で順番が決定されたレイヤ毎に設定する。切断データ作成手段は、輪郭線設定手段によりレイヤ毎に設定された部分模様の輪郭線に基づいて、複数のシートに対応する切断データを作成する。【選択図】図3

Description

本発明は、複数のシートを重ねてなる装飾物について各シートを切断する切断データに係る切断データ作成方法、切断データ作成装置、切断装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
従来より、被切断物である紙等のシートを、自動的に切断する切断装置が知られている。
例えば特許文献1に記載の切断装置では、ディスプレイを備えている。ユーザは、ディスプレイに表示される複数の模様の中から、所望の模様を選択する。前記シートは、表面に粘着層を有する保持部材に貼り付けられる。そして、切断装置は、保持部材の両端部分を駆動機構の駆動ローラ及びピンチローラで上下方向から挟んで第1方向へ移動させると共に、カッタを有するキャリッジを前記第1方向と直交する第2方向へ移動させる。この動作により、前記シートは、選択した模様の輪郭に沿って切断される。
特開2012−206237号公報
ところで、複数のシートを重ねてなる装飾物を作製するには、まず、基台となるシート(基台シート)に、別のシートから切り抜いた部分模様を重ねて貼り付ける。そして、更に別のシートから切り抜いた異なる形状の部分模様を、その上から重ねて貼り付ける。こうして、部分模様が組み合わさった凸状の全体模様を表す装飾物を作製することができる。
しかし、従来の切断装置では、1枚のシートから所望の模様を切断することはできたが、上記のような装飾物を作製することには対応していなかった。従って、前記装飾物を作製するには、ユーザは、例えばハサミ等を用いて手作業により部分模様をシートから切り抜くことが必要であり、切断装置を用いることはなかった。即ち、ユーザは、全体模様をイメージしながら、各シートから切り抜く部分模様のそれぞれの形状や大きさ、配置を決めつつ装飾物を作製するしかなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被切断物としてのシートを複数重ねることで、部分模様が組み合わさった全体模様を表す所望の装飾物を容易に作製することができる切断データ作成方法、切断データ作成装置、切断装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の請求項1の切断データ作成方法は、異なる形状の部分模様の輪郭線に沿って切断した複数のシートを重ねることで、前記部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物を作製するための、切断データを作成する方法であって、前記複数のシートを重ねる順番を決定する順番決定工程と、前記部分模様の輪郭線を、前記順番決定工程で順番が決定された前記シート毎に設定する輪郭線設定工程と、前記輪郭線設定工程により前記シート毎に設定された前記部分模様の輪郭線に基づいて、切断データを作成する切断データ作成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項10の切断データ作成装置は、異なる形状の部分模様の輪郭線に沿って切断した複数のシートを重ねることで、前記部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物を作製するための、切断データを作成する装置であって、前記複数のシートに対応する複数のレイヤを重ねる順番を決定する順番決定手段と、前記部分模様の輪郭線を、前記順番決定手段で順番が決定された前記レイヤ毎に設定する輪郭線設定手段と、前記輪郭線設定手段により前記レイヤ毎に設定された前記部分模様の輪郭線に基づいて、前記複数のシートに対応する切断データを作成する切断データ作成手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項19の切断装置は、シートを切断する切断手段を備えた装置であって、異なる形状の部分模様の輪郭線に沿って切断した複数の前記シートを重ねることで、前記部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物の作製するための切断データであって、前記複数のシートを重ねたときに最も前側となるシートに対して、前記部分模様が後方へ凹となり前記全体模様を凹状とする装飾物のシートを切断するための第1切断データと、前記複数のシートを重ねたときに最も後側となるシートに対して前記部分模様が前方へ凸となり前記全体模様を凸状とする装飾物のシートを切断するための第2切断データと、を含む切断データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得された前記切断データのうち、前記第1切断データと前記第2切断データの一方の切断データを選択する選択指令が入力される入力手段と、前記入力手段により入力された前記一方の切断データに基づいて、前記シート毎に前記部分模様の輪郭線に沿って切断を行うように前記切断手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項20のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、請求項10から18の何れか一項記載の切断データ作成装置、又は請求項19に記載の切断装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したものである。
請求項1の切断データ作成方法によれば、順番決定工程で複数のシートを重ねる順番が決定され、輪郭線設定工程で、前記順番が決定されたシート毎に、部分模様の輪郭線が設定される。これにより、複数のシートについて、重ねる順番に応じて設定された部分模様の輪郭線を切断する切断データを作成することができる。このため、作成した切断データに基づき複数のシートを切断し、それらのシートを重ねれば、複数の部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物を作製することができる。
請求項10の切断データ作成装置によれば、順番決定手段で複数のシートに対応する複数のレイヤを重ねる順番が決定され、輪郭線設定手段で、前記順番が決定されたレイヤ毎に、部分模様の輪郭線が設定される。これにより、複数のシートについて、対応するレイヤの重ねる順番に応じて設定された部分模様の輪郭線を切断する切断データを作成することができる。このため、作成した切断データに基づき複数のシートを切断し、それらのシートを重ねれば、複数の部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物を作製することができる。
請求項19の切断装置によれば、選択した切断データに基づいて制御手段により切断手段を制御することで、部分模様の輪郭線の切断を自動的に行うことができる。また、第1切断データを選択することで、全体模様が凹状となる装飾物のシートを容易に作製することができる。また、第2切断データを選択することで、全体模様が凸状となる装飾物のシートを容易に作製することができる。
請求項13のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、請求項10から18の何れか一項記載の切断データ作成装置、又は請求項19に記載の切断装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したものである。よって、前記プログラムを読み取って実行するコンピュータは、上記した請求項10から18の何れか一項又は請求項19に記載の発明と同様の効果を奏する。
第1実施形態について切断データ作成装置と切断装置を相互に接続して示す全体の斜視図 電気的構成を示すブロック図 (a)は全体模様を表す装飾物の正面図、(b)及び(c)は、第1モード及び第2モードで切断された複数のシートの説明図 (a)及び(b)は、第1及び第2部分模様の切断データの説明図、(c)及び(d)は、第3部分模様及び境界線の切断データの説明図 (a)及び(b)は、第1及び第2切断データの構造の説明図 部分模様の輪郭線とレイヤの対応を示す図 第1モードで生成されたレイヤの説明図であり、(a)は、図3(a)に対応する図、(b)と(c)は、複数のレイヤを上下に並べて示す図 第2モードで生成されたレイヤを示す図7相当図 切断データ作成プログラムの全体の処理の流れを示すフローチャート 第1モードでの切断データ作成処理のフローチャート 第2モードでの切断データ作成処理のフローチャート 位置合せデータ抽出処理のフローチャート 第2実施形態を示す図7相当図 第2実施形態を示す図8相当図
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、切断データ作成装置1と、切断装置11と、を示している。切断データ作成装置1と切断装置11は、通信ケーブル111で相互に接続されている。
切断データ作成装置1は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ(パソコン)で構成されている。即ち、切断データ作成装置1は、パソコン本体からなる作成装置本体部2と、例えばカラー液晶ディスプレイからなる表示部(以下、ディスプレイ3とする)と、キーボード4a及びマウス4bからなる入力部4と、を備えている。また、切断データ作成装置1は、カラー画像の読取り可能なイメージスキャナ10(図2にのみ図示)を備えている。
図2に示すように、作成装置本体部2の制御回路5は、コンピュータ(CPU)を主体に構成されており、ROM6、RAM7、EEPROM8が接続されている。また、制御回路5には、前記キーボード4a及びマウス4bからなる入力部4、ディスプレイ3、イメージスキャナ10、作成装置本体部2に着脱可能な外部記憶装置9が夫々接続される。EEPROM8又は外部記憶装置9の内部記憶装置には、後述する切断データ作成プログラムが記憶されている。切断データ作成プログラムの実行時には、ディスプレイ3に、種々の模様や必要な情報が表示される。このとき、ユーザが、キーボード4a及びマウス4bを操作して必要な入力や指示を行なうことで、切断データ作成装置1は、切断データを作成する。
また、切断データ作成装置1は、通信部111aを備えている。通信部111aは、前記通信ケーブル111を介して、切断装置11の通信部111bに接続されている。これにより、切断データ作成装置1と切断装置11との間で、切断データを含むデータの送受信が可能である。なお、切断データ作成装置1の通信部111aと、切断装置11の通信部111bは、有線ではなく無線で接続される構成であってもよい。
切断装置11は、切断データに基づいて切断対象となるシート20を切断するものである。切断装置11は、図1に示すように、筐体としての本体カバー12と、本体カバー12内に配設されたプラテン13と、カッタカートリッジ14が搭載されるキャリッジ15と、シート20を保持するための保持部材Hとを備えている。保持部材Hは矩形平板状に形成されており、その表面に粘着層Hr(図1の破線参照)を有する。また、保持部材Hは、粘着層Hrに貼り付けられたシート20を保持し、略水平なプラテン13上に載置されるようにセットされる。
本体カバー12は横長な矩形箱状をなしており、当該本体カバー12における正面の開口部12a側を切断装置11の前側とする。以下の説明では、プラテン13上において保持部材Hが移送される前後方向をY方向とし、Y方向と直交する左右方向をX方向とする。また、プラテン13と直交する上下方向をZ方向とする。
本体カバー12の右側上部には、ディスプレイ16aと、各種操作スイッチ16bとが設けられている。ディスプレイ16aは、例えばカラー液晶ディスプレイからなり、ユーザに対して必要なメッセージ等の表示を行う。各種操作スイッチ16bは、後述する第1切断データと第2切断データの選択や、指示等の操作を行う。
本体カバー12内の機枠には、左右方向に延びる駆動ローラ17及びピンチローラ18が設けられている。駆動ローラ17及びピンチローラ18は、プラテン13上にセットされた保持部材Hの両端部分を上下方向から挟む。本体カバー12内には、Y軸モータ22(図2参照)とY軸移動機構(図示略)が設けられている。Y軸移動機構は、Y軸モータ22の回転運動を駆動ローラ17に伝達することで、保持部材Hをシート20と共にY方向へ移動させる。
また、本体カバー12内の機枠には、キャリッジ15をX方向へガイドするX軸ガイドレール19が設けられている。本体カバー12内には、X軸モータ21(図2参照)とX軸移動機構(図示略)が設けられている。X軸移動機構は、X軸モータ21の回転により、キャリッジ15をX軸ガイドレール19に沿ってX方向へ移動させる。
キャリッジ15の前側には、カートリッジホルダ15aが設けられている。カートリッジホルダ15aには、カッタカートリッジ14が着脱可能に装着される。また、キャリッジ15内には、Z軸モータ23(図2参照)とZ軸移動機構(図示略)が設けられている。Z軸移動機構は、Z軸モータ23の回転により、カートリッジホルダ15aをカッタカートリッジ14と共にZ方向へ移動させる。
詳しい図示は省略するが、Z軸移動機構によりカートリッジホルダ15aが下方へ移動されると、カッタカートリッジ14下端に設けられたカッタの刃先は、保持部材Hに保持されたシート20に貫通する。この状態で、切断装置11は、Y軸モータ22の駆動によりY軸移動機構を介して保持部材HをY方向へ移動させると共に、X軸モータ21の駆動によりX軸移動機構を介してキャリッジ15をX方向へ移動させることで、シート20に対する切断動作を実行する。こうして、X軸移動機構、Y軸移動機構、及びZ軸移動機構、並びに対応するモータ21,22,23は、カッタカートリッジ14のカッタと保持部材Hに保持されたシート20とを相対的に移動させる相対移動手段として機能する。また、相対移動手段は、カッタカートリッジ14と共に切断手段を構成する。
なお、切断装置11では、例えば図1に示す保持部材Hにおける粘着層Hrの左角部を原点OとしたXY座標系が設定され、そのXY座標系に基づいて上記した保持部材Hとカッタカートリッジ14との相対移動が行われる。また、切断装置11では、カッタカートリッジ14の他、印刷手段としてのペンカートリッジ(図示略)が用意されている。それ故、これらカートリッジをカートリッジホルダ15aに対して択一的に装着することで、シート20に対する切断動作又は印刷動作の実行が可能である。なお、切断装置11の詳細な構成については、本願出願人が出願した特開2014−124748号公報と同様の構成を採用することができ、その説明を省略する。
図2に示すように、切断装置11の制御回路(制御手段)25は、コンピュータ(CPU)を主体に構成されており、ROM26、RAM27、通信部111bが夫々接続されている。ROM26には、切断動作(或いは印刷動作)を制御するための制御プログラム等が記憶されている。制御回路25は、通信部111b(通信ケーブル111)を介して、切断データ作成装置1で作成された切断データを取得する。
また、制御回路25には、ディスプレイ16a、各種操作スイッチ16bが接続されると共に、X軸モータ21、Y軸モータ22、Z軸モータ23を夫々駆動する駆動回路28,29,30が接続されている。制御回路25は、切断データに基づいて、X軸モータ21、Y軸モータ22、Z軸モータ23等を制御し、保持部材Hに保持されたシート20に対する切断動作を自動で実行させる。
さて、複数のシートを重ねることで作製される装飾物の一例を、図3(a)に示す。この装飾物は「花」を表しており、具体的には、「花」を凹状に表しているものが装飾物51であり、「花」を凸状に表しているものが装飾物52である。装飾物51又は装飾物52は、上記の切断装置11で切断された複数のシート20を重ねることで作製されたものである。ここで、図3(b)は、「花」が凹状になっていることを示す為に、各シート20(20R、20G、20Y)の位置をずらした状態で示している。図3(c)は、「花」が凸状になっていることを示す為に、各シート20(20R、20G、20Y)の位置をずらした状態で示している。
ここで、装飾物51,52が表す「花」は、「花びら」と「葉と茎」から構成される。そして、「花びら」を第1部分模様Aとし、「葉と茎」を第2部分模様Bとし、第1,第2部分模様A,Bを合成した模様を第3部分模様Cとする。また、第1〜第3部分模様A〜Cが組み合わさった模様を、全体模様Mとする。また、最も後側のシート20を基台シート20とする(図3(b)のシート20R−0と同図(c)のシート20Y−0参照)。そして、第1〜第3部分模様A〜Cの何れかの輪郭線に沿って切断したシート20を、基台シート20の前側に夫々重ねる。これにより、第1〜第3部分模様A〜Cが組み合わさった全体模様Mとして、図3(a)の「花」が表される。本実施形態では、シート20として、「花びら」を表す赤色のシート20R、「葉と茎」を表す緑色のシート20G、及び「花」以外の部分である「周囲」を表す黄色のシート20Yの3枚を用いる。
図3(b)の装飾物51は、赤色の基台シート20Rの前側に、第1部分模様Aを切り欠いた緑色のシート20Gと、第3部分模様Cを切り欠いた黄色のシート20Yとを順次重ねることにより、「花」の全体模様Mを凹状に表す。一方、図3(c)の装飾物52は、黄色の基台シート20Yの前側に、第3部分模様Cの輪郭を外縁とする緑色のシート20Gと、第1部分模様Aの輪郭を外縁とする赤色のシート20Rとを順次重ねることにより、「花」の全体模様Mを凸状に表す。また、装飾物52では、図3(c)に示すように、第3部分模様Cの位置合せのためのミシン目状の切断線53がシート20Yに形成され、第1部分模様Aの位置合せのためのミシン目状の切断線54がシート20Gに形成される。ここで、ミシン目状の切断線54は、詳しくは後述するが、第1部分模様Aと第2部分模様Bの境界線上にある。
以下では、全体模様Mを凹状に表す装飾物51を作製する為に、シート20R〜20Yを切断する切断データを第1切断データとする。また、全体模様Mを凸状に表す装飾物52を作製する為に、シート20R〜20Yを切断する切断データを第2切断データとする。なお、装飾物51,52において、基台シートの前側に重ねるシートを第1シートと称し、その第1シートの前側に重ねるシートを第2シートと称する。また、本実施形態において、図3等におけるシート20の末尾の符号「R」、「G」、「Y」は、シート20の色に対応しており、「R」は赤色、「G」は緑色、「Y」は黄色であることを示す。また、図3等における符号「G〜Y」の末尾の数字「−0」、「−1」、「−2」は、基台シート、第1シート、第2シートであることを示す。即ち、前記の数字は、シートを重ねる順番にそれぞれ対応する。更に、説明の便宜上、第1部分模様A〜第3部分模様Cを、以後、単に「部分模様A」〜「部分模様C」と称する。
前記第1切断データは、図5(a)に示すように、第1シート20Gの部分模様A及び第2シート20Yの部分模様Cについて、順番データ(シート1,2)、フィードデータ、座標データ、停止コード及び終了コードと、図示しない表示用のデータとを含む。具体的には、同図(a)の「シート1」と「シート2」は、第1シート20Gと第2シート20Yとの重ねる順番を特定する順番データである。また、各シート20G,20Yを特定するデータとして例えば、「緑色」、「黄色」で表すように、各シートの色を順番データに対応付けて設定してもよい。
前記座標データは、複数の線分からなる切断線の頂点を夫々XY座標によって示した座標値のデータであって、切断装置11のXY座標系で規定されている。図4(a)の部分模様Aの切断線は、14個の線分A1,A2,…,A14を輪郭線として、「花びら」を表す図形である。部分模様Aの切断線データは、切断開始点P、頂点P、頂点P、…、切断終了点P14の夫々に対応するフィードデータ(F1x0,F1y0)、第1座標データ(x1,y1)、第2座標データ(x2,y2)、…、第14座標データ(x14,y14)を有する。フィードデータは、切断開始に際して切断装置11の前記カッタを切断開始点Pへ移動させるデータである。つまり、フィードデータに基づいて、切断を伴わないフィード時におけるキャリッジ15の切断開始点Pへの移動と、カッタの上下動とが行われる。
図4(c)の部分模様Cの切断ラインは、22個の線分C1,C2,…,C22からなり、相互に隣り合う部分模様A,Bの両方を合成したときの輪郭線である。つまり、部分模様Cの切断線は、2つの部分模様A,Bを、その外縁で繋げた図形である。部分模様Cの切断線データは、切断開始点P、頂点P、頂点P、…、切断終了点P22の夫々に対応するフィードデータ(F2x0,F2y0)、第1座標データ(x1,y1)、第2座標データ(x2,y2)、…、第22座標データ(x22,y22)を有する。なお、図5(a)に示すように、部分模様Aの座標データの末尾は「停止コード」とされ、第3部分模様Cの座標データの末尾は「終了コード」とされている。また、上記した第1切断データの順番データは、切断装置11における第1シート20Gと第2シートYの切断順に対応する。
切断装置11の制御回路25は、第1切断データに基づいて、第1シート20Gの部分模様Aと第2シート20Yの部分模様Cとを順次切断するように切断手段を制御する。即ち、先ずX軸移動機構及びY軸移動機構により、切断開始点PのXY座標へカッタカートリッジ14(カッタ)を相対的に移動させる。次いで、Z軸移動機構により前記カッタの刃先を第1シート20Gの切断開始点Pに貫通させる。この状態で、X軸移動機構及びY軸移動機構により、当該刃先を、線分A1の終点Pの座標へ向けて相対的に移動させ、線分A1に沿って第1シート20Gを切断する。続く線分A2は、先の線分A1の終点Pを始点として、線分A1と同様の切断が連続的に実行される。こうして、線分A2〜A14についても、カッタを相対移動させることで、部分模様A、即ち「花びら」の輪郭線に沿って切断を行う。
制御回路25は、部分模様Aの切断線の切断を終えると、前記停止コードに基づき、前記カッタの刃先を第1シート20Gから離間させた状態で、キャリッジ15の待機位置である原点Oへ移動させる。この後、切断装置11において、第1シート20Gに代えて第2シート20Yがセットされ、部分模様Cについても、その切断線データに基づいて切断される。そして、第3部分模様Cの切断線の切断を終えると、前記終了コードに基づき、カッタの刃先を第2シート20Yから離間させて、前記待機位置へ移動させる。上記の切断動作により、各シート20G、20Yについて、それぞれの部分模様A,Cの輪郭線の内方を不要部分として切り抜く切断線を形成することができる。
なお、第1切断データは、図5(a)の例に限らず、後述する枠線41や合印42の切断線データを含み、或いは順番「0」の基台シート20Rに対する切断線データを含む構成とすることができる。
前記第2切断データは、図5(b)に示すように第1切断データと同様、順番データ、フィードデータ、座標データ、停止コード、終了コード、表示用のデータを含むことから、第1切断データとの相違点について説明する。
先ず、第2切断データでは、基台シート20Yに順番データ「0」が与えられている。また、第2切断データは、前述したミシン目状の切断線の属性フラグを含む。属性フラグは、部分模様を切断するときの通常の切断線と、部分模様の位置合せのためのミシン目状の切断線とを区別するために付されるデータである。なお、ミシン目状の切断線は、制御回路25が、切断動作中に、カッタを間欠的に上下動させる制御を行うことで形成される。
順番データが「0」の切断線データには、部分模様Cの全ての線分C1〜C22をミシン目状とする属性フラグ(図示略)が付されている。よって、順番データが「0」の基台シート20Yでは、部分模様Cのミシン目状の切断線53が形成される(図3(c)参照)。
順番データが「1」の第1シート20Gでは、部分模様Cの切断線に加えて、第2シート20Rの部分模様Aの位置合せのためのミシン目状の切断線54を形成する。即ち、図4(d)に示すように、第1シート20Gの部分模様Cは、その「花びら」の部分模様A及び「葉と茎」の部分模様Bの境界線C23,C24を、ミシン目状の切断線とする。それ故、第1シート20Gの切断線データには、図5(b)に示すように、部分模様Cの切断後に境界線C23,C24をミシン目状に切断するためのフィードデータ(F2x23,F2y23)と、第24座標データ(x24,y24)及び第25座標データ(x25,y25)を有する。なお、順番データが「2」の第2シート20Rには、部分模様Aの切断線データが設定されている。
切断装置11の制御回路25は、第2切断データに基づいて、基台シート20Y、第1シート20G、第2シート20Rに対して、順次切断動作を実行する。これにより第1シート20G及び第2シート20Rは、それぞれの部分模様A,Cの外側を不要部分として切り抜く切断線を形成することができる。また、図3(c)に示すように、基台シート20Yに対して、ミシン目状の部分模様Cの切断線53を形成し、第1シート20Gに対して、境界線C23,C24にミシン目状の切断線54を形成する。
上記した第1切断データ及び第2切断データは、図4(b)の部分模様Bだけを切り抜く切断線データを含まないが、各シート20R〜20Yの重ねる順番等によっては、当該部分模様Bの切断線データを含ませることができる(図7(c)、図8(c)参照)。部分模様Bの切断線は、図4(b)に示すように、10個の線分B1,B2,…,B10を輪郭線として、「葉と茎」を表す図形である。部分模様Bの切断線データについて図示は省略するが、部分模様Bの線分B1が部分模様Cの境界線C24と一致し、線分B10が境界線C23と一致し(図4(d)参照)、その余の線分B2〜9も部分模様Cの「葉と茎」の線分と一致する座標データを有する。つまり、部分模様A及び部分模様Bの両方を組み合わせた図形と、部分模様Cの図形は、相互に合同(形状及び大きさが同じ)である。
次に、上記構成の作用について、図6〜図12も参照しながら説明する。ここで、図9〜図12のフローチャートは、切断データ作成装置1の制御回路5が実行する切断データ作成プログラムの流れを示している。
切断データ作成装置1において、制御回路5は、切断データ作成のプログラムを起動すると、図9に示す処理を実行する。先ず、制御回路5は、切断データの元とする図柄画像データを受け付ける(ステップS1)。具体的には、例えば、ユーザの入力操作に基づき、イメージスキャナ10により「花」の図柄を描いた原画を読み取らせることで、制御回路5は、図柄画像データを取得する(ステップS2にてYES)。前記原画に描画された図柄は、図3(a)の装飾物51,52を作製する為の「花」の図柄であって、「花びら」が赤色、「葉と茎」が緑色、「周囲」が黄色である図柄とする。
次いで、制御回路5は、図柄画像データから色情報を取得する処理を行う(ステップS3)。この処理では、図柄画像データに基づいて、「花びら」における画素の集合を赤色の単色領域、「葉と茎」における画素の集合を緑色の単色領域、「周囲」の色を黄色の単色領域として識別する。また、制御回路5は、識別した3色を後述するレイヤ50R,50G,50Y(図6参照)の色としてRAM7に記憶する。
また、制御回路5は、図柄画像データの加工処理を行う(ステップS4)。この加工処理では例えば、図柄画像データの画像のサイズが、対応するシート20(粘着層Hr)のサイズに比して大きい場合、当該画像の外縁を、矩形状をなすシート20の外縁と合わせるようにサイズ補正する。
そして、制御回路5は、マウス4b等の入力部4からの選択指令に基づいて、第1モードと第2モードとの何れが選択されたかを判断する(ステップS5)。具体的には、制御回路5は、例えばディスプレイ3に、全体模様Mを凹状とする第1モードと、全体模様Mを凸状とする第2モードと、の何れかを選択するモード選択画面(図示略)を表示させる。ユーザがモード選択画面を見ながらマウス4b等を操作して第1モードを選択すると(ステップS5にてYES)、第1切断データ作成処理に移行する(図10参照)。
第1切断データ作成処理において、制御回路5は、図柄画像データを周知の画像処理の手法で処理して、「花びら」、「葉と茎」、「周囲」の各輪郭線を抽出する(ステップS11)。本実施形態において、輪郭線は、座標データを含むベクトルデータとして抽出される。また、この場合、制御回路5は、「花びら」について赤色の単色領域が輪郭線で囲われたパーツ、つまり赤色の部分模様Aとして識別し、「葉と茎」について緑色の単色領域が輪郭線で囲われた部分模様Bとして識別する。また、各部分模様A,B(全体模様M)を包含する「周囲」については、枠線41つまりシート20の周縁を切断するため輪郭線で囲われたパーツとして識別する。これにより、抽出した輪郭線と、各レイヤ50R〜50Yとの対応付けが可能となる。
次いで、制御回路5は、各部分模様A,Bを包含する枠線41の設定処理を行う(ステップS12)。本実施形態では、「周囲」の輪郭線が4角形の枠線41として設定されるものとする。なお、第2実施形態で述べるように、枠線41は、4角形ではなく、6角形(図13参照)等、任意の形状に設定してもよい。
そして、制御回路5は、前記ステップS3で取得した色数をレイヤ数(階層数N=3)とする赤色、緑色、黄色の3つのレイヤ50R,50G,50Yに順番を決定し、その順番をそれぞれのレイヤに付与する(ステップS13)。レイヤ50R〜50Yの順番は、基台シートに対して前側に重ねるシートの順番に対応するもので、基台シートに対応する基台レイヤには順番「0」を、第1シートに対応する第1レイヤには順番「1」を、第2シートに対応する第2レイヤには順番「2」を付与する。この場合、制御回路5は、各部分模様A,Bの輪郭線の包含関係を判別することにより、全体模様が凹状となるようにレイヤ50R〜50Yの順番を決定する。
即ち、制御回路5は、第1モードにおいて、一の部分模様内に包摂される他の部分模様があると判断した場合、当該他の部分模様の色を表すレイヤに小さい順番を付与し、外方で包摂する当該一の部分模様の色を表すレイヤに大きい順番を付与する。また、最も外側となる「周囲」のパーツの色を表すレイヤ50Yには、最も大きい順番を付与する。本実施形態の部分模様A,Bの輪郭線は、相互に包摂する関係にないことから、図7(b),(c)に示すように、レイヤ50Rに「0」,レイヤ50Gに「1」,レイヤ50Yに「2」を付与する。或いは、レイヤ50Gに「0」,レイヤ50Rに「1」,レイヤ50Yに「2」を付与する。
こうして、制御回路5は、レイヤ50R〜50Yにそれぞれ順番を決定すると共に、部分模様A,Bの輪郭線を、当該部分模様の色を表すレイヤ50R〜50Yと対応付けて記憶する。以下では、レイヤ50Rが基台レイヤ,レイヤ50Gが第1レイヤ,レイヤ50Yが第2レイヤに設定されると共に、部分模様Aの輪郭線が基台レイヤ50R、部分模様Bの輪郭線が第1レイヤ50Gに対応するものとして説明する。
制御回路5は、決定された順番に応じてレイヤ50R〜50Y毎に、切断線データを作成して割り当てる割当処理を行う。制御回路5は、先ずステップS14で、レイヤ50R〜50Yの重ねる順番に対応するカウンタiを0にリセット(i=0)して初期化し、最も後側の基台レイヤ50Rから割当処理を行う。また、制御回路5は、OutlineをNullに設定する。Outlineは、部分模様の輪郭線のベクトルデータの集合を表す情報である。このように、カウンタiが現時点で0であり(ステップS15にてYES)、OutlineもNullに設定された状態にあるため、順番が「0」の基台レイヤ50Rについて、輪郭線に係る切断線データの作成は行われない(ステップS16)。
一方、制御回路5は、前記ステップS12で設定した枠線41の各頂点P〜Pの座標データに基づいて、頂点Pを切断開始点及び切断終了点Pとする切断線データを作成する(ステップS17、図7(b)参照)。作成された切断線データは、切断開始点P、頂点P、頂点P、頂点P、切断終了点Pの夫々に対応するフィードデータ、第1座標データ、第2座標データ、第3座標データ、第4座標データを有する。
また、制御回路5は、枠線41の座標データに基づき、基台シート20の向きを示す合印42の座標データを設定する(ステップS18)。合印42は、例えば図7(b)に示すように、紐等を通すことが可能な大きさの丸穴であり、基台レイヤ50Rにおける左上隅部の座標位置に配置されるように予め設定されているとする。制御回路5は、配置後の合印42の座標データに基づいて、合印42を切り抜く切断線データを作成する(ステップS19)。作成された切断線データは、合印42の円周上における多数の点に対応する、フィードデータと多数の座標データを有する。
こうして、制御回路5は、基台レイヤ50Rに対して作成した枠線41及び合印42の切断線データを、順番「0」と対応付けてRAM7に記憶する(ステップS20)。また、制御回路5は、Outlineを、前記ステップS13で基台レイヤ50Rと対応付けた部分模様Aの輪郭線のベクトルデータに設定する(ステップS21)。その後、制御回路5は、カウンタiを1だけインクリメントすることで(ステップS22)、順番が「1」の第1レイヤ50Gを対象として、前記ステップS15〜S22を実行する。
即ち、カウンタiが1のとき(ステップS15にてYES)、制御回路5は、第1レイヤ50Gについて、Outlineに設定された部分模様Aの各頂点P〜P14の座標データに基づいて、頂点Pを切断開始点及び切断終了点P14とする輪郭線の切断線データを作成する(図4(a)、図5(a)参照)。また、制御回路5は、第1レイヤ50Gについて、基台レイヤ50Rと同じ、枠線41と合印42の切断線データを作成する(ステップS17、S18)。こうして、制御回路5は、第1レイヤ50Gに対して作成した部分模様Aの輪郭線、枠線41、及び合印42の各切断線データを、順番「1」と対応付けてRAM7に記憶する(ステップS20)。
また、制御回路5は、Outlineに設定されている部分模様Aの輪郭線と、第1レイヤ50Gと対応付けられた部分模様Bの輪郭線とを合成する(ステップS21)。これにより、制御回路5は、Outlineを1つの部分模様Cの輪郭線を表すベクトルデータの集合として設定(更新)する。更に、制御回路5は、カウンタiを1だけインクリメントすることで(ステップS22)、順番が「2」の第2レイヤ50Yを対象として、前記ステップS15〜S22を実行する。
この場合、カウンタiが2であり(ステップS15にてYES)、制御回路5は、第2レイヤ50Yについて、Outlineに設定されている部分模様Cの各頂点P〜P22の座標データに基づいて、頂点Pを切断開始点及び切断終了点P22とする輪郭線の切断線データを作成する(図4(c)、図5(a)参照)。また、制御回路5は、第2レイヤ50Yについて、基台レイヤ50Rと同じ、枠線41と合印42の切断線データを作成する(ステップS17、S18)。こうして、制御回路5は、第2レイヤ50Yに対して作成した部分模様Cの輪郭線、枠線41、及び合印42の各切断線データを、順番「2」と対応付けてRAM7に記憶する(ステップS20)。
この後のステップS21では、第2レイヤ50Yと対応付けられた部分模様の輪郭線が存在しないことから、Outlineの設定を更新しない。また、制御回路5は、カウンタiを1だけインクリメントすると(ステップS22)、ステップS15にてカウンタiの値「3」がレイヤ数Nに達したと判断する(NO)。この場合、制御回路5は、順番「0」〜「2」のレイヤ50R〜50Yに対応付けられた切断線データに、前述した終了コードや、表示用のデータ等を付加して、第1切断データの作成処理を終了する(エンド)。
前記ステップS14〜S22の実行により、第1レイヤ50Gに部分模様A(又は部分模様B)の輪郭線を設定し、第2レイヤ50Yに部分模様A及び部分模様Bの両方(部分模様C)の輪郭線を設定する条件は、全体模様Mを凹状に表すための第1条件とされている。従って、第1条件の下で作成した前記表示用のデータは、各レイヤ50R〜50Yを利用して、全体模様Mを凹状に表すことができる。即ち、図7(b)に示すように、第1レイヤ50Gについて部分模様Aの輪郭内を切り欠いた緑色の画像レイヤ50Gと、第2レイヤ50Yについて部分模様Cの輪郭内を切り欠いた黄色の画像レイヤ50Yとを生成する。そして、基台レイヤ50Rとなる赤色の画像レイヤ50Rの前側に緑色の画像レイヤ50Gを重ね、その画像レイヤ50Gの前側に黄色の画像レイヤ50Yを重ねる(図7(a))。これにより、最も前側となる黄色の画像レイヤ50Yに対して、部分模様Cの内方を後側の画像レイヤ50R、50Gの赤色と緑色で表して全体模様Mが凹状となる。
更に、切断データ作成装置1側で作成した第1切断データを、切断装置11側で受信して、第1切断データに基づき切断動作を実行させることができる。この場合、切断装置11において、第1切断データの「0」、「1」、「2」の順番データに従い、赤色のシート20R、緑色のシート20G、黄色のシート20Yに対する切断を行うことができる。これにより、図3(b)に示すように、その切断順に各シート20R〜20Yを、合印42を目印として重ねれば、異なる形状の部分模様A,Cが組み合わさった「花」の全体模様Mを凹状に表す装飾物51を作製することができる。
続いて、前記第2モードを選択した場合(ステップS5にてNO)における、第2切断データ作成処理について、図11を参照しながら説明する。
第2切断データ作成処理では、第1切断データ作成処理と同様、図柄画像データから「花びら」、「葉と茎」、「周囲」の各輪郭線を抽出する(ステップS31)。
また、制御回路5は、各部分模様A,Bの輪郭線の包含関係を判別することにより、全体模様が凸状となるようにレイヤ50R〜50Yのそれぞれの順番を決定する(ステップS32)。即ち、制御回路5は、第2モードにおいて、一の部分模様内に包摂される他の部分模様がある場合、当該他の部分模様の色を表すレイヤには大きい順番を付与し、外方で包摂する当該一の部分模様の色を表すレイヤには小さい順番を付与する。また、最も外側となる「周囲」のパーツの色を表すレイヤ50Yには、最も小さい順番を付与する。本実施形態の部分模様A,Bの輪郭線は、相互に包摂する関係にないことから、レイヤ50Yに「0」,レイヤ50Gに「1」,レイヤ50Rに「2」を付与する。或いは、レイヤ50Yに「0」,レイヤ50Rに「1」,レイヤ50Gに「2」を付与する(図7(b),(c)、図8(b),(c)参照)。
こうして、制御回路5は、レイヤ50R〜50Yにそれぞれ順番を決定すると共に、部分模様A,Bの輪郭線を、当該部分模様の色を表すレイヤ50R〜50Yと対応付けて記憶する。以下では、レイヤ50Yが基台レイヤ,レイヤ50Gが第1レイヤ,レイヤ50Rが第2レイヤに設定されると共に、部分模様Aの輪郭線が第2レイヤ50R、部分模様Bの輪郭線が第1レイヤ50Gに対応するものとして説明する。
制御回路5は、決定された順番に応じて、レイヤ50R〜50Y毎に切断線データを作成して割り当てる割当処理を行う。この場合、制御回路5は、初期設定において(ステップS33)、レイヤ数Nから1だけデクリメントして(i=N−1)、カウンタiを2にセットする(i=2)。つまり、第2モードでは、最も前側の第2レイヤ50Rから割当処理を実行する。また、制御回路5は、抽出判定フラグをFalseに設定する。抽出判定フラグは、位置合せ線を抽出するか否かを示す情報である。制御回路5は、抽出判定フラグがFalseの場合、位置合せ線を抽出せず、抽出判定フラグがTrueの場合、位置合せ線を抽出する。なお、詳しくは後述するが、位置合せ線は、ミシン目状の切断線とされる。
次いで、制御回路5は、カウンタiが2の第2レイヤ50Rについて(ステップS34にてYES)、切断線データを作成するOutline(i)を設定する(ステップS35)。このステップS35では、カウンタiで特定されるレイヤの部分模様の輪郭線と、当該レイヤの前に重なるレイヤ(i+1)の部分模様の輪郭線を合成する。もっとも、第2レイヤ50Rの前に重なるレイヤがないため、第2レイヤ50Rに対応付けた部分模様Aの輪郭線がOutline(i)として設定する(ステップS35)。こうして、制御回路5は、Outline(i)として設定した部分模様Aの各頂点P〜P14の座標データに基づいて、部分模様Aの輪郭線の切断線データを作成する(ステップS36、図4(a)、図5(b)参照)。
この後のステップS37では、第2レイヤ50Rに関して、図12の位置合せデータ抽出処理が実行される。もっとも、カウンタiが「2」のとき、つまり最も前側の第2レイヤ50Rについて、制御回路5は、ステップS41の初期設定を経て、ステップS42でYESと判断し、ステップS43で抽出判定フラグをTrueに設定してステップS38へリターンする。従って、最も前側の第2レイヤ50Rについて、位置合せ線のデータは作成されない。
制御回路5は、第2レイヤ50Rについて作成した部分模様Aの輪郭線の切断線データを、順番「2」と対応付けてRAM7に記憶する(ステップS38)。更に、制御回路5は、カウンタiを1だけデクリメントすることで(ステップS39)、第1レイヤ50Gを対象として、前記ステップS34〜S39を実行する。
この場合、制御回路5は、カウンタiが1であることから(ステップS34にてYES)、その第1レイヤ50Gと対応付けた部分模様Bの輪郭線と、Outline(i+1)として設定した部分模様Aの輪郭線とを合成する(ステップS35)。これにより、制御回路5は、Outline(i)を1つの部分模様Cの輪郭線を表すベクトルデータの集合として設定する。制御回路5は、Outline(i)として設定した部分模様Cの各頂点P〜P22の座標データに基づいて、頂点Pを切断開始点及び切断終了点P22とする部分模様Cの輪郭線の切断線データを作成する(図4(c)、図5(b)参照)。そして、制御回路5は、第1レイヤ50Gに対して、図12の位置合せデータ抽出処理を実行する(ステップS37)。
位置合せデータ抽出処理の初期設定において(ステップS41)、制御回路5は、対象カウンタjを、レイヤ数Nから1だけデクリメントして(j=N−1)、2にセットする。つまり、カウンタiが1の第1レイヤ50Gに対して、位置合せ可能な部分模様があるか否かを、最も前側の第2レイヤ(j=2)から対象として処理する。また、制御回路5は、抽出する位置合せ線のデータ(ベクトルデータ)が記憶されるRAM7のデータバッファを初期化する。本実施形態では、位置合せ線のベクトルデータが記憶されるRAM7の記憶領域をデータバッファと称する。
制御回路5は、カウンタiが2でない場合(ステップS42にてNO)、つまり最も前側の第2レイヤ50Rではないことを条件に、位置合せ線を設定する。また、制御回路5は、カウンタiの値が1であることから、対象カウンタjの値「2」と一致しないと判断する(ステップS44にてNO)。更に、抽出判定フラグがTrueに設定されている(ステップS45にてYES)。このとき、制御回路5は、第1レイヤ50GのOutline(i)として設定されている部分模様Cの輪郭線の内方に、第2レイヤ50RのOutline(j)としての部分模様Aの輪郭線の全部を含むか否かを判断する(ステップS46)。ここで、部分模様Cの輪郭線の内方に、部分模様Aの輪郭線の全部が含まれないことから(NO)、制御回路5は、部分模様Cの輪郭線と部分模様Aの輪郭線との接触部分があるか否かを判断する(ステップS49)。
この場合、部分模様Cの輪郭線と部分模様Aの輪郭線とは、「花びら」の部分で重なり接触する(YES、図4(d)参照)。そこで、制御回路5は、部分模様Cの輪郭線と部分模様Aの輪郭線との非接触部分である、線分C23,C24を位置合せ線54(前述のミシン目状の切断線54)として抽出し、データバッファに記憶する(ステップS50)。その後、制御回路5は、ステップS48で対象カウンタjから1だけデクリメントして(j=j−1)、ステップS44にリターンする。これにより、対象カウンタjの値は、カウンタiの値と同じ1になり、ステップS44でYESと判断して、ステップS51へ移行する。
制御回路5は、データバッファを照合して抽出した位置合せ線54があると判断した場合(ステップS51にてYES)、その位置合せ線54の座標データに基づいて、点P23〜P25にわたる切断線データを作成する(図4(d)、図5(b)参照)。また、制御回路5は、位置合せ線54の切断線データに属性フラグを付し、ミシン目状の切断線であることを特定して、図11のステップS38にリターンする。
こうして、制御回路5は、第1レイヤ50Gに対して作成した部分模様Cの輪郭線と位置合せ線54との各切断線データを、順番「1」と対応付けてRAM7に記憶する(ステップS38)。更に、制御回路5は、カウンタiを1だけデクリメントすることで(ステップS39)、基台レイヤ50Yを対象として、前記ステップS34〜S39を実行する。
ここで、基台レイヤ50Yは、部分模様のない「周囲」のパーツである。従って、制御回路5は、カウンタiが0と判断したとき(ステップS34にてYES)、部分模様C(Outline(i+1))と合成しても、切断線データを作成しない(ステップS35、S36)。一方、ステップS37の位置合せデータ抽出処理において(図12参照)、基台レイヤ50Yには、位置合せ線の切断線データが作成される。
即ち、位置合せデータ抽出処理において、制御回路5は、対象カウンタjを2にセットし(j=N−1)、データバッファを初期化する(ステップS41)。次いで、制御回路5は、カウンタiの値について2ではなく且つ対象カウンタjの値と一致せず(ステップS42にてNO且つS44にてNO)、抽出判定フラグがTrueに設定されていると判断する(ステップS45にてYES)。
ここで、制御回路5は、基台レイヤ50YのOutline(i)つまり枠線41の内方に、最も前側の第2レイヤ50RのOutline(j)(部分模様Aの輪郭線)の全部を含むか否かを判断する(ステップS46)。ここで、枠線41の内方に部分模様Aの輪郭線の全部を含むことから(YES)、制御回路5は、部分模様Aの輪郭線を位置合せ線として抽出し、データバッファに記憶する(ステップS47)。その後、制御回路5は、ステップS48で対象カウンタjを1だけデクリメントした1として(j=1)、ステップS44にリターンする。
この場合、対象カウンタjの値はカウンタiの値と一致せず、抽出判定に係る要件を満たす(ステップS44にてNO、S45にてYES)。そこで、制御回路5は、基台レイヤ50Yの枠線41の内方に、第1レイヤ50GのOutline(j)(部分模様Cの輪郭線)の全部を含むか否かを判断する(ステップS46)。ここで、枠線41の内方に部分模様Cの輪郭線の全部を含むことから(YES)、制御回路5は、部分模様Cの輪郭線を位置合せ線53として抽出し、先に抽出された部分模様Aの輪郭線(位置合せ線)と合成してデータバッファに記憶する(ステップS47)。このときの位置合せ線の合成は、前側の部分模様Aが後側の部分模様Cからはみ出さない関係にあるため、部分模様Cの位置合せ線53(前述のミシン目状の切断線53)だけ残るように処理される。従って、データバッファのデータは、部分模様Cの位置合せ線53のデータで書き換えることにより更新される。
その後、制御回路5は、ステップS48で対象カウンタjを1だけデクリメントした0として(j=0)、ステップS44にリターンし、対象カウンタjの値が、カウンタiの値と同じ0と判断して(ステップS44にてYES)、ステップS51へ移行する。そして、制御回路5は、データバッファに記憶されている位置合せ線53に基づいて(ステップS51にてYES)、部分模様Cの切断線データを作成する(図4(c)、図5(b)参照)。また、制御回路5は、位置合せ線53の切断線データに属性フラグを付し、ミシン目状の切断線であることを特定して、図11のステップS38にリターンする。
こうして、制御回路5は、基台レイヤ50Yに対して作成した部分模様Cの位置合せ線53の切断線データを、順番「0」と対応付けてRAM7に記憶する(ステップS38)。その後、制御回路5は、カウンタiを1だけデクリメントすることで(ステップS39)、全てのレイヤ50R〜50Yの処理を終えたと判断する(ステップS34にてNO)。この場合、制御回路5は、順番「0」〜「2」のレイヤ50R〜50Yに対応付けられた切断線データに、前述した終了コードや、表示用のデータ等を付加して、第2切断データの作成処理を終了する(エンド)。
前記ステップS33〜S39の実行によって、第1レイヤ50Gに部分模様A及び部分模様Bを合成した部分模様Cの輪郭線(少なくとも部分模様A,Bの一方の輪郭線でもよい)を設定し、第2レイヤ50Yに部分模様A又は部分模様Bの輪郭線を設定する条件は、全体模様Mを凸状に表すための第2条件とされている。従って、第2条件の下で作成した前記表示用のデータは、各レイヤ50R〜50Yを利用して、全体模様Mを凸状に表すことができる。即ち、図8(b)に示すように第1レイヤ50Gについて部分模様Cの輪郭を有する緑色の画像レイヤ50Gと、第2レイヤ50Rについて部分模様Aの輪郭を有する赤色の画像レイヤ50Rを生成する。そして、黄色の画像レイヤ50Yの前側に緑色の画像レイヤ50Gを重ね、その画像レイヤ50Gの前側に赤色の画像レイヤ50Rを重ねる(図8(a)参照)。これにより、最も後側となる黄色の画像レイヤ50Yに対して、赤色と緑色の部分模様A,Cを前側の画像レイヤ50R、50Gで表して全体模様Mが凸状となる。
更に、切断データ作成装置1側で作成した第2切断データを、切断装置11側で受信して、第2切断データに基づき切断動作を実行させることができる。この場合、切断装置11において、第2切断データの「0」、「1」、「2」の順番データに従い、黄色のシート20Y、緑色のシート20G、赤色のシート20Rに対する切断を行うことができる。これにより、図3(c)に示すように、基台シート20Yの位置合せ線53に合わせて第1シート20Gを重ね、その第1シート20Gの位置合せ線54に合わせてシート20Rを重ねれば、異なる形状の部分模様A,Cが組み合わさった「花」の全体模様Mを凸状に表す装飾物52を作製することができる。
上記した複数のシート20は、基台シート20を含めて3枚であったが、4枚以上にしてもよい。この場合でも、切断データ作成プログラムの実行により、前記第1条件或いは第2条件に従い、各シート20について全体模様Mを凹状とする第1切断データ或いは全体模様Mを凸状とする第2切断データを作成することができる。特に、本実施形態にあっては、第1条件或いは第2条件の下、各シートを重ねる順番に応じて順次部分模様の輪郭線や位置合せ線を合成するステップ(S21、S35、S47、S50の何れかの行程)を経る。このため、複数のシート20を重ねれば全体模様Mを凹状又は凸状に表すことができる切断データの作成が可能となる。
以上説明したように、本実施形態の切断データ作成方法は、複数のシート20を重ねる順番を決定する順番決定工程(ステップS13、S32)と、部分模様の輪郭線を、順番決定工程で順番が決定されたシート20毎に設定する輪郭線設定工程(ステップS13、S21、S32、S35)と、輪郭線設定工程によりシート20毎に設定された部分模様の輪郭線に基づいて、切断データを作成する切断データ作成工程(ステップS16、S20、S36、S38)とを備える。
これによれば、順番決定工程で、複数のシート20を重ねる順番が決定され、輪郭線設定工程で、前記順番が決定されたシート20毎に、部分模様の輪郭線が設定される。これにより、複数のシート20について、重ねる順番に応じて設定された部分模様の輪郭線を切断する切断データを作成することができる。このため、作成した切断データに基づき複数のシート20を切断し、それらのシート20を重ねれば、複数の部分模様が組み合わさった全体模様Mを表す装飾物51,52を作製することができる。
また、切断データ作成装置1の制御回路5は、複数のシート20に対応する複数のレイヤ50を重ねる順番を決定する順番決定手段、部分模様の輪郭線を順番決定手段で順番が決定されたレイヤ50毎に設定する輪郭線設定手段、及び輪郭線設定手段によりレイヤ50毎に設定された部分模様の輪郭線に基づいて複数のシート20に対応する切断データを作成する切断データ作成手段として構成されている。
これによれば、順番決定手段で複数のシート20に対応する複数のレイヤ50を重ねる決定され、輪郭線設定手段で、前記順番が決定されたレイヤ50毎に、部分模様の輪郭線が設定される。これにより、複数のシート20について、対応するレイヤ50の重ねる順番に応じて設定された部分模様の輪郭線を切断する切断データを作成することができる。このため、作成した切断データに基づき複数のシート20を切断し、それらのシート20を重ねれば、複数の部分模様が組み合わさった全体模様Mを表す装飾物51,52を作製することができる。
前記切断データ作成方法は、複数のシート20(レイヤ50)を重ねたときに最も前側となるシート20に対して、部分模様が後方へ凹となり全体模様Mを凹状とする第1モードと、複数のシート20を重ねたときに最も後側となるシート20に対して、部分模様が前方へ凸となり全体模様Mを凸状とする第2モードと、の一方を選択する選択工程(ステップS5)を備える。また、制御回路5、ディスプレイ3、及び入力部4は、第1モードと第2モードとの一方の選択指令が入力される入力手段として構成されている。
これによれば、選択行程(入力手段)で、第1モードと第2モードとの一方を選択することにより、装飾物51,52の全体模様Mを凸状するか凹状とするかを任意に選択することができ、ユーザの所望する態様の装飾物51,52が得られる切断データを作成することができる。
前記輪郭線設定工程(輪郭線設定手段)は、選択工程(選択手段)で第1モードが選択されたときには、凹状の全体模様Mで表すための所定の第1条件に基づいて、シート20(レイヤ50)毎に部分模様の輪郭線を設定し、選択工程で第2モードが選択されたときには、凸状の全体模様Mで表すための所定の第2条件に基づいて、シート20毎の部分模様の輪郭線を設定する。
これによれば、第1モードを選択することで、所定の第1条件に基づいて、シート20に毎に部分模様の輪郭線が設定されるため、凹状の全体模様Mに適う切断データを作成することができる。また、第2モードを選択することで、所定の第2条件に基づいて、シート20毎に部分模様の輪郭線が設定されるため、凸状の全体模様Mに適う切断データを作成することができる。
前記順番決定工程(順番決定手段)は、基台シート20(基台レイヤ50)の前側に第1シート20(第1レイヤ50)を重ね、且つ第1シート20の前側に第2シート20(第2レイヤ50)を重ねるように順番を決定し、第1条件は、第1シート20に第1部分模様A又は第2部分模様Bの輪郭線を設定し、第2シート20に第1部分模様A及び第2部分模様Bの両方の輪郭線を設定する条件を含む。
これによれば、第1条件では、前側の第2シート20に第1部分模様A及び第2部分模様Bの両方の輪郭線が設定され、後側の第1シート20に第1部分模様A又は第2部分模様Bの輪郭線が設定される。このため、基台シート20の前側に、第1シート20と第2シート20とを順次重ねれば、全体模様Mを凹状とするように部分模様が組み合わさる切断データを作成することができる。
前記複数のシート20(レイヤ50)に対して、シート20毎に全体模様Mを包含する同じ形状の枠線41を設定する枠線設定行程(ステップS17、枠線設定手段としての制御回路25)を備え、切断データ作成工程において、シート20毎に設定された枠線41を切断する切断データを更に作成する。
これによれば、各シート20について、同じ外縁となる枠線41が設定される。このため、複数のシート20を外縁が揃うように重ねると、シート20相互間で部分模様のずれがなく、見栄えのよい装飾物51とすることができる。
前記シート20(レイヤ50)毎に、当該シート20の向きを特定可能な合印42を設定する合印設定工程(ステップS18、合印設定手段としての制御回路5)を備え、切断データ作成工程において、シート20毎に設定された合印42を切断する切断データを更に作成する。これによれば、複数のシート20を重ねるときに、各シート20相互間で合印42を合わせれば、シート20の向きを間違えることなく容易に装飾物51を作製することができる。
前記順番決定工程(順番決定手段)は、基台シート20(基台レイヤ50)の前側に第1シート20(第1レイヤ50)を重ね、且つ第1シート20の前側に第2シート20(第2レイヤ50)を重ねるように順番を決定し、第2条件は、第1シート20に第1部分模様A及び第2部分模様Bの少なくとも一方の輪郭線を設定し、第2シート20に第1部分模様A又は第2部分模様Bの輪郭線を設定する条件を含む。
これによれば、第2条件では、後側の第1シート20に第1部分模様A及び第2部分模様Bの少なくとも一方の輪郭線が設定され、前側の第2シート20に第1部分模様A又は第2部分模様Bの輪郭線が設定される。このため、基台シート20の前側に第1シート20と第2シート20を順次重ねれば、全体模様Mを凸状とするように部分模様が組み合わさる切断データを作成することができる。
前記輪郭線設定工程(輪郭線設定手段)において、基台シート20(基台レイヤ50)に第1部分模様A及び第2部分模様Bの少なくとも一方の輪郭線を設定し、切断データ作成工程(切断データ作成手段)において、輪郭線設定工程で設定された基台シート20の第1部分模様A及び第2部分模様Bの少なくとも一方の輪郭線について、ミシン目状の切断線53となる切断データを作成する。
これによれば、基台シート20に形成されるミシン目状の切断線53は、例えば第1部分模様A及び第2部分模様Bの少なくとも一方の輪郭線に沿って切断された第1シート20の位置合せの目印となる。従って、基台シート20のミシン目状の切断線53に、第1シート20の外縁を合わせるようにして正確かつ容易に位置合せを行うことができる。なお、図示は省略するが、ミシン目状の切断線53に代えて、基台シート20の第1部分模様A及び第2部分模様Bの少なくとも一方の輪郭線について、少なくともその一部を切断する切断線の切断データを作成してもよい。当該一方の輪郭線の一部を切断した切断線でも、第1シート20の位置合せの目印となる。
前記切断データ作成工程(切断データ作成手段)において、輪郭線設定工程(輪郭線設定手段)で設定された第1シート20(第1レイヤ50)の第1部分模様A及び第2部分模様Bが相互に隣り合う場合、第1部分模様A及び第2部分模様Bの境界線C23,C24について、ミシン目状の切断線54となる切断データを作成する。
これによれば、第1シート20に形成されるミシン目状の切断線54は、第1部分模様A又は第2部分模様Bの少なくとも一方の輪郭線に沿って切断された第2シート20の位置合せの目印となる。従って、第1シート20のミシン目状の切断線54に、第2シート20の外縁を合わせるようにして正確かつ容易に位置合せを行うことができる。なお、図示は省略するが、ミシン目状の切断線54に代えて、第1部分模様A及び第2部分模様Bの境界線C23,C24について、少なくともその一部を切断する切断線の切断データを作成してもよい。当該境界線C23,C24の一部を切断した切断線でも、第2シート20の位置合せの目印となる。
また、本実施形態の切断装置11は、第1切断データと第2切断データとを含む切断データを取得する取得手段(制御回路25、通信部111b)と、この取得手段で取得された切断データのうち、第1切断データと第2切断データの一方の切断データを選択する選択指令が入力される入力手段(制御回路25、操作スイッチ16b)と、この入力手段により入力された一方の切断データに基づいて、シート20毎に部分模様の輪郭線に沿って切断を行うように前記切断手段を制御する制御手段(制御回路25)とを備える。
これによれば、選択した切断データに基づいて制御手段により切断手段を制御することで、部分模様の輪郭線の切断を自動的に行うことができる。また、第1切断データを選択することで全体模様Mが凹状となる装飾物51の各シート20と、第2切断データを選択することで全体模様Mが凸状となる装飾物52の各シート20とを容易に作製することができる。
<第2実施形態>
図13、図14は、本発明の第2実施形態を示すものであり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、第1実施形態と異なるところを説明する。同図に示すように、本第2実施形態の枠線43は、例えば6角形の輪郭線で構成されている。切断データ作成プログラムでは、予め枠線43を特定する座標データ等を含ませ、或いはユーザにより好みの枠線43として設定することができる。
即ち、前記第1データ作成処理のステップS12では(図10参照)、制御回路5により、ディスプレイ3に、6角形の枠線43や4角形の枠線41を含む複数種類の枠線を選択する枠線選択画面(図示略)を表示させる。なお、前記枠線は、円、楕円等の曲線であってもよいし、直線と曲線の両方からなる枠線であってもよい。このとき、ユーザが枠線選択画面を見ながらマウス4b等を操作して枠線43を選択すると、制御回路5は、各レイヤ50R〜50Yの枠線43として設定する。このように、制御回路5は、マウス4b等の入力部4及びディスプレイ3と共に枠線設定手段を構成する。
これにより、前記ステップS17では、レイヤ50R〜50Y毎に設定した枠線43の各頂点P〜Pの座標データに基づいて、各シート20R〜20Yに対応する切断線データを作成する。作成された切断線データは、図13(b)に示す切断開始点P、頂点P、頂点P、…、切断終了点Pの夫々に対応するフィードデータ、第1座標データ、第2座標データ、…、第6座標データを有する。
こうして、第1データ作成処理により作成された第1切断データは、図13(b)のレイヤ50R〜50Yに対応するシート20R〜20Yについて、枠線43に沿って切り抜くことができる切断線データを含む。従って、本第2実施形態においても、全てのシート20R〜20Yについて、同じ外縁となる枠線43を設定することができる。よって、切断したシート20R〜20Yを外縁が揃うように重ねるだけで(図13(a)参照)、シート20相互間で部分模様のずれがなく、見栄えのよい装飾物51の作製が可能となる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。
一方、図13(c)に示すように、基台レイヤ50Rに対してミシン目状の切断線となる枠線43を設定してもよい。この場合、前記枠線選択画面で基台シート20Rのみ枠線43を外す設定を行う。これにより、前記ステップS17では、レイヤ50R〜50Y毎に設定した枠線43の座標データに基づいて、各シート20R〜20Yに対応する切断線データが作成され、そのうち基台シート20Rの切断線データには、枠線43をミシン目状とする属性フラグが付される。
それ故、基台シート20Rの外縁が、他のシート20G,20Yと揃わなくても、基台シート20Rに対する第1シート20Gの位置合せを、ミシン目状の枠線43を利用して行うことができる。
前記第2データ作成処理(図11参照)では、例えばステップS31の後に、枠線を設定する処理を追加して実行する。この場合、上記した第1データ作成処理と同様、枠線選択画面を表示して任意に枠線43を選択するものとする。これにより、基台レイヤ50Yに対して、前記ステップS37で作成する部分模様Cの位置合せ線53の切断線データと併せて、枠線43の切断線データを作成する。これにより、作成された第2切断データは、図14(b)のレイヤ50R〜50Yで縦に並べて示すように、対応する基台シート20Yについて、枠線43に沿って切り抜くことができる切断線データを含む。よって、図3(b)の装飾物52に限らず、基台シート20Yの枠線を異ならせた種々の装飾物52(図14(a)参照)を作製することができる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
本実施形態の切断データ作成プログラムでは、図柄画像データから色情報を抽出したが、色情報を取得することなく第1切断データと第2切断データとを作成してもよい。この場合でも、制御回路5は、図柄画像データから抽出される輪郭線のベクトルデータと、所定の第1条件或いは第2条件に基づいて、シート(レイヤ)毎に部分模様の輪郭線を設定することができる。
前記合印は、図3(b)のレイヤ50R〜50Yの角部における丸穴の合印42に限らず、対応するシート20R〜20Yの向きを特定可能であればよい。例えば、レイヤ50R〜50Yの周縁部における別の位置に合印を配置してもよいし、直線状等、種々の形状や大きさに変更することができる。また、切断装置11におけるカッタカートリッジ14に代えて図示しないペンカートリッジをカートリッジホルダ15aに装着し、ペンカートリッジによって、合印をシート20R〜20Yに印刷してもよい。同様に、位置合せ線であるミシン目状の切断線53,54についても、カッタカートリッジ14のカッタで切断することなく、ペンカートリッジによってシート20R〜20Yに印刷してもよい。
切断装置は、上記した切断装置11に限らず、切断機能を有する各種の装置で構成してもよい。
前記切断データ作成プログラムを記録した記録媒体は、EEPROM8等に限定されるものではなく、USBメモリ、CD−ROM、フレキシブルディスク、DVD、メモリカード等の各種の記録媒体であってもよい。この場合、その記録媒体のプログラムを、種々のデータ処理装置のコンピュータにより読み込んで実行させることにより、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
1 切断データ作成装置
3 ディスプレイ(入力手段、枠線設定手段)
4 入力部(入力手段、枠線設定手段)
5 制御手段(入力手段、順番決定手段、輪郭線設定手段、切断データ作成手段、枠線設定手段、合印設定手段)
11 切断装置
16b 入力手段
20 シート(基台シート、第1シート、第2シート)
25 制御手段(入力手段、取得手段)
41 枠線
42 合印
50 レイヤ(基台レイヤ、第1レイヤ、第2レイヤ)
51,52 装飾物
111b 取得手段
A,B,C 部分模様
C23,C24 境界線
M 全体模様

Claims (20)

  1. 異なる形状の部分模様の輪郭線に沿って切断した複数のシートを重ねることで、前記部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物を作製するための、切断データを作成する切断データ作成方法であって、
    前記複数のシートを重ねる順番を決定する順番決定工程と、
    前記部分模様の輪郭線を、前記順番決定工程で順番が決定された前記シート毎に設定する輪郭線設定工程と、
    前記輪郭線設定工程により前記シート毎に設定された前記部分模様の輪郭線に基づいて、切断データを作成する切断データ作成工程と、
    を備えることを特徴とする切断データ作成方法。
  2. 前記複数のシートを重ねたときに最も前側となるシートに対して、前記部分模様が後方へ凹となり前記全体模様を凹状とする第1モードと、
    前記複数のシートを重ねたときに最も後側となるシートに対して、前記部分模様が前方へ凸となり前記全体模様を凸状とする第2モードと、の一方を選択する選択工程を備えることを特徴とする請求項1記載の切断データ作成方法。
  3. 前記輪郭線設定工程は、
    前記選択工程で第1モードが選択されたときには、凹状の前記全体模様で表すための所定の第1条件に基づいて、前記シート毎に前記部分模様の輪郭線を設定し、
    前記選択工程で第2モードが選択されたときには、凸状の前記全体模様で表すための所定の第2条件に基づいて、前記シート毎の前記部分模様の輪郭線を設定することを特徴とする請求項2記載の切断データ作成方法。
  4. 前記複数のシートは、基台シート、第1シート、及び第2シートを含み、
    前記順番決定工程は、前記基台シートの前側に前記第1シートを重ね、且つ前記第1シートの前側に前記第2シートを重ねるように順番を決定し、
    前記部分模様は、第1部分模様及び第2部分模様を含み、
    前記第1条件は、
    前記第1シートに前記第1部分模様又は前記第2部分模様の輪郭線を設定し、
    前記第2シートに前記第1部分模様及び前記第2部分模様の両方の輪郭線を設定する条件を含むことを特徴とする請求項3記載の切断データ作成方法。
  5. 前記複数のシートに対して、前記シート毎に前記全体模様を包含する同じ形状の枠線を設定する枠線設定行程を備え、
    前記切断データ作成工程において、前記シート毎に設定された前記枠線を切断する切断データを更に作成することを特徴とする請求項4記載の切断データ作成方法。
  6. 前記シート毎に、当該シートの向きを特定可能な合印を設定する合印設定工程を備え、
    前記切断データ作成工程において、前記シート毎に設定された前記合印を切断する切断データを更に作成することを特徴とすることを特徴とする請求項4又は5記載の切断データ作成方法。
  7. 前記複数のシートは、基台シート、第1シート、及び第2シートを含み、
    前記順番決定工程は、前記基台シートの前側に前記第1シートを重ね、且つ前記第1シートの前側に前記第2シートを重ねるように順番を決定し、
    前記部分模様は、第1部分模様及び第2部分模様を含み、
    前記第2条件は、
    前記第1シートに前記第1部分模様及び前記第2部分模様の少なくとも一方の輪郭線を設定し、
    前記第2シートに前記第1部分模様又は前記第2部分模様の輪郭線を設定する条件を含むことを特徴とする請求項3記載の切断データ作成方法。
  8. 前記輪郭線設定工程において、前記基台シートに前記第1部分模様及び前記第2部分模様の少なくとも一方の輪郭線を設定し、
    前記切断データ作成工程において、
    前記輪郭線設定工程で設定された前記基台シートの前記第1部分模様及び前記第2部分模様の少なくとも一方の輪郭線について、少なくともその一部を切断する切断線又はミシン目状の切断線となる切断データを作成することを特徴とする請求項7記載の切断データ作成方法。
  9. 前記切断データ作成工程において、
    前記輪郭線設定工程で設定された前記第1シートの前記第1部分模様及び前記第2部分模様が相互に隣り合う場合、前記第1部分模様及び前記第2部分模様の境界線について、少なくともその一部を切断する切断線又はミシン目状の切断線となる切断データを作成することを特徴とする請求項7又は8記載の切断データ作成方法。
  10. 異なる形状の部分模様の輪郭線に沿って切断した複数のシートを重ねることで、前記部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物を作製するための、切断データを作成する切断データ作成装置であって、
    前記複数のシートに対応する複数のレイヤを重ねる順番を決定する順番決定手段と、
    前記部分模様の輪郭線を、前記順番決定手段で順番が決定された前記レイヤ毎に設定する輪郭線設定手段と、
    前記輪郭線設定手段により前記レイヤ毎に設定された前記部分模様の輪郭線に基づいて、前記複数のシートに対応する切断データを作成する切断データ作成手段と、
    を備えることを特徴とする切断データ作成装置。
  11. 前記複数のレイヤを重ねたときに最も前側となるレイヤに対して、前記部分模様の内方を後側のレイヤで表して前記全体模様を凹状とする第1モードと、
    前記複数のレイヤを重ねたときに最も後側となるレイヤに対して、前記部分模様を前側のレイヤで表して前記全体模様を凸状とする第2モードと、の一方の選択指令が入力される入力手段を備えることを特徴とする請求項10記載の切断データ作成装置。
  12. 前記輪郭線設定手段は、
    前記入力手段により前記第1モードの選択指令が入力されたときには、凹状の前記全体模様で表すための所定の第1条件に基づいて、前記レイヤ毎に前記部分模様の輪郭線を設定し、
    前記入力手段により前記第2モードの選択指令が入力されたときには、凸状の前記全体模様で表すための所定の第2条件に基づいて、前記レイヤ毎の前記部分模様の輪郭線を設定することを特徴とする請求項11項記載の切断データ作成装置。
  13. 前記複数のレイヤは、基台レイヤ、第1レイヤ、及び第2レイヤを含み、
    前記順番決定手段は、前記基台レイヤの前側に前記第1レイヤを重ね、且つ前記第1レイヤの前側に前記第2レイヤを重ねるように順番を決定し、
    前記部分模様は、第1部分模様及び第2部分模様を含み、
    前記第1条件は、
    前記第1レイヤに前記第1部分模様又は前記第2部分模様の輪郭線を設定し、
    前記第2レイヤに前記第1部分模様及び前記第2部分模様の両方の輪郭線を設定する条件を含むことを特徴とする請求項12項記載の切断データ作成装置。
  14. 前記複数のレイヤに対して、前記レイヤ毎に前記全体模様を包含する同じ形状の枠線を設定する枠線設定手段を備え、
    前記切断データ作成手段は、前記レイヤ毎に設定された前記枠線について、前記複数のシートのそれぞれに対応する切断データを更に作成することを特徴とする請求項13記載の切断データ作成装置。
  15. 前記レイヤ毎に、対応するシートの向きを特定可能にするための合印を設定する合印設定手段を備え、
    前記切断データ作成手段は、前記レイヤ毎に設定された前記合印について、前記複数のシートのそれぞれに対応する切断データを更に作成することを特徴とする請求項13又は14記載の切断データ作成装置。
  16. 前記複数のレイヤは、基台レイヤ、第1レイヤ、及び第2レイヤを含み、
    前記順番決定手段は、前記基台レイヤの前側に前記第1レイヤを重ね、且つ前記第1レイヤの前側に前記第2レイヤを重ねるように順番を決定し、
    前記部分模様は、第1部分模様及び第2部分模様を含み、
    前記第2条件は、
    前記第1レイヤに前記第1部分模様及び前記第2部分模様の少なくとも一方の輪郭線を設定し、
    前記第2レイヤに前記第1部分模様又は前記第2部分模様の輪郭線を設定する条件を含むことを特徴とする請求項12記載の切断データ作成装置。
  17. 前記輪郭線設定手段は、前記基台レイヤに前記第1部分模様及び前記第2部分模様の少なくとも一方についての輪郭線を設定し、
    前記切断データ作成手段は、
    前記輪郭線設定手段により設定された前記基台レイヤの前記第1部分模様及び前記第2部分模様の少なくとも一方の輪郭線について、少なくともその一部を切断する切断線又はミシン目状の切断線となる切断データを作成することを特徴とする請求項16記載の切断データ作成装置。
  18. 前記切断データ作成手段は、
    前記輪郭線設定手段により設定された前記第1レイヤの前記第1部分模様及び前記第2部分模様が相互に隣り合う場合、前記第1部分模様及び前記第2部分模様の境界線について、少なくともその一部を切断する切断線又はミシン目状の切断線となる切断データを作成することを特徴とする請求項16又は17記載の切断データ作成装置。
  19. シートを切断する切断手段を備えた切断装置において、
    異なる形状の部分模様の輪郭線に沿って切断した複数の前記シートを重ねることで、前記部分模様が組み合わさった全体模様を表す装飾物の作製するための切断データであって、
    前記複数のシートを重ねたときに最も前側となるシートに対して、前記部分模様が後方へ凹となり前記全体模様を凹状とする装飾物のシートを切断するための第1切断データと、
    前記複数のシートを重ねたときに最も後側となるシートに対して前記部分模様が前方へ凸となり前記全体模様を凸状とする装飾物のシートを切断するための第2切断データと、
    を含む切断データを取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された前記切断データのうち、前記第1切断データと前記第2切断データの一方の切断データを選択する選択指令が入力される入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記一方の切断データに基づいて、前記シート毎に前記部分模様の輪郭線に沿って切断を行うように前記切断手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする切断装置。
  20. 請求項10から18の何れか一項記載の切断データ作成装置、又は請求項19に記載の切断装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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