JP2016185576A - 切断データ作成方法、切断データ作成装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

切断データ作成方法、切断データ作成装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】被切断物としてのシートを折り重ねることで、その表面側に表れる部分模様が組み合わさった第1全体模様と、裏面側に表れる部分模様が組み合わさった第2全体模様との表裏両面の装飾物を容易に作製することができる切断データ作成方法、切断データ作成装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供する。【解決手段】切断データ作成装置は、重畳線設定手段、連接手段、及び切断データ作成手段を備える。重畳線設定手段は、注目する一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部とを重ねるための重畳線を、第1グループの部分模様及び第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定する。連接手段は、一の部分模様の枠線と他の部分模様の枠線とを、重畳線設定工程で設定された重畳線で繋げることで、第1グループの部分模様と第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する。切断データ作成手段は、連接手段で繋げた枠線のうち重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成する。【選択図】図3

Description

本発明は、シートを折り重ねてなる装飾物について、その切断対象としてのシートを切断する切断データに係る切断データ作成方法、切断データ作成装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
従来より、被切断物である紙等のシートを、自動的に切断する切断装置が知られている。
例えば特許文献1に記載の切断装置では、ディスプレイを備えている。ユーザは、ディスプレイに表示される複数の模様の中から、所望の模様を選択する。前記シートは、表面に粘着層を有する保持部材に貼り付けられる。そして、切断装置は、保持部材の両端部分を駆動機構の駆動ローラ及びピンチローラで上下方向から挟んで第1方向へ移動させると共に、カッタを有するキャリッジを前記第1方向と直交する第2方向へ移動させる。この動作により、前記シートは、選択した模様の輪郭に沿って切断される。
特開2012−206237号公報
ところで、複数のシートを重ねてなる装飾物を作製するには、まず、基台となるシート(基台シート)に、別のシートから切り抜いた部分模様を重ねて貼り付ける。そして、更に別のシートから切り抜いた異なる形状の部分模様を、その上から重ねて貼り付ける。こうして、複数のシートを重ねることで、複数の部分模様が組み合わさった凸状又は凹状の全体模様を表す装飾物を作製することができる。
しかし、従来の切断装置では、1枚のシートから所望の模様を切断することはできたが、上記のような装飾物を作製することには対応していなかった。従って、前記装飾物を作製するには、ユーザは、例えばハサミ等を用いて手作業により部分模様をシートから切り抜くことが必要であり、切断装置を用いることはなかった。即ち、ユーザは、全体模様をイメージしながら、各シートから切り抜く部分模様の夫々の形状や大きさ、配置を決めつつ装飾物を作製するしかなかった。従って、こうしたシート(部分模様)の配置等に多くの手間がかかっていた。また、作製された装飾物は、全体模様が装飾物の片面だけに表されており、見栄えが劣っていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被切断物としてのシートを折り重ねることで、その表面側に表れる部分模様が組み合わさった第1全体模様と、裏面側に表れる部分模様が組み合わさった第2全体模様との表裏両面の装飾物を容易に作製することができる切断データ作成方法、切断データ作成装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の請求項1の切断データ作成方法は、枠線で画された複数の部分模様を繋げた形状に切断したシートを前記枠線で画された単位で折り重ねることにより、その表面側に表れる第1グループの部分模様が組み合わさった第1全体模様と、裏面側に表れる第2グループの部分模様が組み合わさった第2全体模様との表裏両面の装飾物を作製するための、切断データを作成する切断データ作成方法であって、前記複数の部分模様の各枠線について、注目する一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部とを重ねるための重畳線を、前記第1グループの部分模様及び前記第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定する重畳線設定工程と、前記一の部分模様の枠線と前記他の部分模様の枠線とを、前記重畳線設定工程で設定された前記重畳線で繋げることで、前記第1グループの部分模様と前記第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する連接工程と、前記連接工程で繋げた前記枠線のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成する切断データ作成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項8の切断データ作成装置は、枠線で画された複数の部分模様を繋げた形状に切断したシートを前記枠線で画された単位で折り重ねることにより、その表面側に表れる第1グループの部分模様が組み合わさった第1全体模様と、裏面側に表れる第2グループの部分模様が組み合わさった第2全体模様との表裏両面の装飾物を作製するための、切断データを作成する切断データ作成装置であって、前記複数の部分模様の各枠線について、注目する一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部とを重ねるための重畳線を、前記第1グループの部分模様及び前記第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定する重畳線設定手段と、前記一の部分模様の枠線と前記他の部分模様の枠線とを、前記重畳線設定手段で設定された前記重畳線で繋げることで、前記第1グループの部分模様と前記第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する連接手段と、前記連接手段で繋げた前記枠線のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成する切断データ作成手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項15のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、請求項8〜14の何れか一項記載の切断データ作成装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したものである。
請求項1の切断データ作成方法によれば、重畳線設定工程で、一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部との重畳線が、第1グループの部分模様及び第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定される。また、連接工程で、一の部分模様の枠線と他の部分模様の枠線とを重畳線で繋げることで、第1グループの部分模様と第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する。これにより、被切断物としてのシートについて、複数の部分模様に係る枠線のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成することができる。このため、作成した切断データに基づきシートを切断し、枠線で画された単位でシートを折り重ねれば、その表面側に第1グループの部分模様が組み合わさった第1全体模様を表し、裏面側に第2グループの部分模様が組み合わさった第2全体模様を表す表裏両面の装飾物を容易に作製することができる。即ち、表裏両面に全体模様が表された見栄えが良い装飾物を、手間をかけずに容易に作製することができる。
請求項8の切断データ作成装置によれば、重畳線設定手段で、一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部との重畳線が、第1グループの部分模様及び第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定される。また、連接手段で、一の部分模様の枠線と他の部分模様の枠線とを重畳線で繋げることで、第1グループの部分模様と第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する。これにより、被切断物としてのシートについて、複数の部分模様に係る枠線のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成することができる。このため、作成した切断データに基づきシートを切断し、枠線で画された単位でシートを折り重ねれば、その表面側に第1グループの部分模様が組み合わさった第1全体模様を表し、裏面側に第2グループの部分模様が組み合わさった第2全体模様を表す表裏両面の装飾物を容易に作製することができる。即ち、表裏両面に全体模様が表された見栄えが良い装飾物を、手間をかけずに容易に作製することができる。
請求項15のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、請求項8〜14の何れか一項記載の切断データ作成装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したものである。よって、前記プログラムを読み取って実行するコンピュータは、上記した請求項8〜14の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏する。
第1実施形態について切断データ作成装置と切断装置を相互に接続して示す全体の斜視図 電気的構成を示すブロック図 (a)及び(b)は、装飾物の第1全体模様を表す表面図及び第2全体模様を表す裏面図、(c)は折り重ねる前のシートの展開図、(d)及び(e)は、第1全体模様及び第2全体模様の夫々について、シートの折り重なりを枠線で画された単位で、ずらして示す説明図 (a)〜(d)は、各部分模様の切断線の説明図 切断データの構造の説明図 第1全体模様を構成する第1グループの部分模様とレイヤを表す図 第2全体模様を構成する第2グループの部分模様とレイヤを表す図 (a)〜(d)は、第1グループ及び第2グループの基台レイヤ設定処理の説明図 第1全体模様に係る重畳線設定及び連接処理の説明図 第2全体模様に係る重畳線設定及び連接処理の説明図 切断データ作成プログラムの全体の処理の流れを示すフローチャート 両面の図柄画像データ取得処理のフローチャート 両面の重なり順決定処理のフローチャート 部分模様の重なり順決定処理のフローチャート 輪郭線の包含情報取得処理のフローチャート 重なり順の並び替え処理のフローチャート 基台レイヤ設定処理のフローチャート 折り重ね用切断データ作成処理のフローチャート 第1全体模様に係る切断データ作成処理のフローチャート 第2全体模様に係る切断データ作成処理のフローチャート 切断データ作成コア処理のフローチャート 第1グループ側における折り線の切断データ作成処理のフローチャート 第2グループ側における折り線の切断データ作成処理のフローチャート (a)〜(c)は、他の装飾物の例で示す図3(a)〜(c)相当図 他の装飾物の例における部分模様とレイヤを表す図
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、切断データ作成装置1と、切断装置11と、を示している。切断データ作成装置1と切断装置11は、通信ケーブル111で相互に接続されている。
切断データ作成装置1は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ(パソコン)で構成されている。即ち、切断データ作成装置1は、パソコン本体からなる作成装置本体部2と、例えばカラー液晶ディスプレイからなる表示部(以下、ディスプレイ3とする)と、キーボード4a及びマウス4bからなる入力部4と、を備えている。また、切断データ作成装置1は、カラー画像の読取り可能なイメージスキャナ10(図2にのみ図示)を備えている。
図2に示すように、作成装置本体部2の制御回路5は、コンピュータ(CPU)を主体に構成されており、ROM6、RAM7、EEPROM8が接続されている。また、制御回路5には、前記キーボード4a及びマウス4bからなる入力部4、ディスプレイ3、イメージスキャナ10、作成装置本体部2に着脱可能な外部記憶装置9が夫々接続される。EEPROM8又は外部記憶装置9には、後述する切断データ作成プログラムが記憶されている。切断データ作成プログラムの実行時には、ディスプレイ3に、種々の模様や必要な情報が表示される。このとき、ユーザが、キーボード4a及びマウス4bを操作して必要な入力や指示を行なうことで、切断データ作成装置1は、切断データを作成する。
また、切断データ作成装置1は、通信部111aを備えている。通信部111aは、前記通信ケーブル111を介して、切断装置11の通信部111bに接続されている。これにより、切断データ作成装置1と切断装置11との間で、切断データを含むデータの送受信が可能である。なお、切断データ作成装置1の通信部111aと、切断装置11の通信部111bは、有線ではなく無線で接続される構成であってもよい。
切断装置11は、切断データに基づいて切断対象となるシート材200を切断するものである。切断装置11は、図1に示すように、筐体としての本体カバー12と、本体カバー12内に配設されたプラテン13と、カッタカートリッジ14が搭載されるキャリッジ15と、シート材200を保持するための保持部材100とを備えている。保持部材100は矩形平板状に形成されており、その表面に粘着層101(図1の破線参照)を有する。また、保持部材100は、粘着層101に貼り付けられたシート材200を保持し、略水平なプラテン13上に載置されるようにセットされる。
本体カバー12は横長な矩形箱状をなしており、当該本体カバー12における正面の開口部12a側を切断装置11の前側とする。以下の説明では、プラテン13上において保持部材100が移送される前後方向をY方向とし、Y方向と直交する左右方向をX方向とする。また、プラテン13と直交する上下方向をZ方向とする。
本体カバー12の右側上部には、ディスプレイ16aと、各種操作スイッチ16bとが設けられている。ディスプレイ16aは、例えばカラー液晶ディスプレイからなり、ユーザに対して必要なメッセージ等の表示を行う。各種操作スイッチ16bは、後述する切断データに係る各種の選択や、指示等の操作を行う。
本体カバー12内の機枠(図示略)には、左右方向に延びる駆動ローラ17及びピンチローラ18が設けられている。駆動ローラ17及びピンチローラ18は、プラテン13上にセットされた保持部材100の両端部分を上下方向から挟む。本体カバー12内には、Y軸モータ22(図2参照)とY軸移動機構(図示略)が設けられている。Y軸移動機構は、Y軸モータ22の回転運動を駆動ローラ17に伝達することで、保持部材100をシート材200と共にY方向へ移動させる。
また、本体カバー12内の機枠には、キャリッジ15をX方向へガイドするX軸ガイドレール19が設けられている。本体カバー12内には、X軸モータ21(図2参照)とX軸移動機構(図示略)が設けられている。X軸移動機構は、X軸モータ21の回転により、キャリッジ15をX軸ガイドレール19に沿ってX方向へ移動させる。
キャリッジ15の前側には、カートリッジホルダ15aが設けられている。カートリッジホルダ15aには、カッタカートリッジ14が着脱可能に装着される。また、キャリッジ15内には、Z軸モータ23(図2参照)とZ軸移動機構(図示略)が設けられている。Z軸移動機構は、Z軸モータ23の回転により、カートリッジホルダ15aをカッタカートリッジ14と共にZ方向へ移動させる。
詳しい図示は省略するが、Z軸移動機構によりカートリッジホルダ15aが下方へ移動されると、カッタカートリッジ14下端に設けられたカッタの刃先は、保持部材100に保持されたシート材200に貫通する。この状態で、切断装置11は、Y軸モータ22の駆動によりY軸移動機構を介して保持部材100をY方向へ移動させると共に、X軸モータ21の駆動によりX軸移動機構を介してキャリッジ15をX方向へ移動させることで、シート材200に対する切断動作を実行する。こうして、X軸移動機構、Y軸移動機構、及びZ軸移動機構、並びに対応するモータ21,22,23は、カッタカートリッジ14のカッタと保持部材100に保持されたシート材200とを相対的に移動させる相対移動手段として機能する。また、相対移動手段は、カッタカートリッジ14と共に切断手段を構成する。
なお、切断装置11では、例えば図1に示す保持部材100における粘着層101の左角部を原点OとしたXY座標系が設定され、そのXY座標系に基づいて上記した保持部材100とカッタカートリッジ14との相対移動が行われる。なお、切断装置11の詳細な構成については、本願出願人が出願した特開2014−124748号公報と同様の構成を採用することができ、その説明を省略する。
図2に示すように、切断装置11の制御回路25は、コンピュータ(CPU)を主体に構成されており、ROM26、RAM27、通信部111bが夫々接続されている。ROM26には、切断動作(或いは印刷動作)を制御するための制御プログラム等が記憶されている。制御回路25は、通信部111b(通信ケーブル111)を介して、切断データ作成装置1で作成された切断データを取得する。
また、制御回路25には、ディスプレイ16a、各種操作スイッチ16bが接続されると共に、X軸モータ21、Y軸モータ22、Z軸モータ23を夫々駆動する駆動回路21a,22a,23aが接続されている。制御回路25は、切断データに基づいて、X軸モータ21、Y軸モータ22、Z軸モータ23等を制御し、保持部材100に保持されたシート材200に対する切断動作を自動で実行させる。
さて、図3(a)、(b)に示す装飾物51は、上記の切断装置11によりシート材200から切り抜いた1枚のシート片(シート)20を、ジグザグ状(蛇腹状)に折り重ねることで作製されたものである。装飾物51は、その表(おもて)面側に「頭にリボンをつけたクマの正面姿」の図柄を表し(図3(a)参照)、裏面側に「クマの後ろ姿」の図柄を表す(図3(b)参照)。ここで、図3(c)は、装飾物51が1枚のシート片20をジグザグ状に折り重ねた構成にあることを示す為に、シート片20を折り重ねていない状態、即ちシート片20を展開した状態を示している。図3(d)及び(e)は、表面側及び裏面側の図柄について夫々凹状になっていることを示す為に、便宜上、シート片20を折り線41〜43の位置で分けてずらした状態で示している。
図3(a)に示す装飾物51表面側の図柄において、「クマの正面姿の外形」を第1部分模様Aとし、クマの「リボン」を第2部分模様Bとする。図3(b)に示す装飾物51裏面側の図柄において、「クマの後ろ姿の外形」を第3部分模様Cとし、クマの「しっぽ」を第4部分模様Dとする。また、装飾物51の枠模様つまり「周囲(背景)」を構成する正方形のパーツを第5部分模様Eとする。装飾物51を構成するシート片20は、図3(c)に示すように展開した状態で、その展開方向に延びる帯形状をなしている。この状態における、シート片20全体の外形線は、シート片20の折り重ねる単位を画する4つの枠線31〜34を展開方向に繋げた枠線300である。
即ち、枠線300は、シート片20を4つのシート部20−1,20−2,20−3,20−4に画する4つの枠線31,32,33,34を展開方向に連接してなる。枠線31は第3部分模様C、枠線32は第4部分模様D、枠線33は第2部分模様B、枠線34は第1部分模様Aの夫々の外方の周囲領域を画する(図3(d)、(e)参照)。本実施形態の枠線31〜34は、例えば何れも同じ寸法形状の正方形であり、第5部分模様Eの輪郭線に対応する。このように、シート片20は、4つの部分模様A〜Dを「周囲」の枠線31〜34を介して繋げた形状となっている。
部分模様A〜Dの輪郭線と全体の枠線300とを切断したシート片20を、シート部20−1〜20−4単位でジグザグ状に折り重ねる。これにより、図3(a)に示す表面側で「リボンをつけたクマの正面姿」を表す部分模様A,B及び「周囲」の部分模様Eが組み合わさった第1全体模様M1と、図3(b)に示す裏面側で「クマの後ろ姿としっぽ」を表す部分模様C,D及び「周囲」の部分模様Eが組み合わさった第2全体模様M2との表裏両面の装飾物51となる。
このとき、第1全体模様M1は、図3(d)の分解図で示すように、シート部20−2の表側に、第2部分模様Bを切り欠いたシート部20−3、第1部分模様Aを切り欠いたシート部20−4の順に折り重なって、「リボン」と「クマの正面姿の外形」とが凹状に表わされる。この場合、シート片20が、例えばその一面20Bが茶色で、他面20Tが橙色の両面色紙であるとすると、第1全体模様M1は、シート部20−2,20−4一面20Bの茶色と、折り重ねることで表裏反転したシート部20−3他面20Tの橙色との2色で表わされる。
他方、第2全体模様M2は、図3(e)の分解図で示すように、シート部20−3の裏側に、第4部分模様Dを切り欠いたシート部20−2、第3部分模様Cを切り欠いたシート部20−1の順に折り重なって、「しっぽ」と「クマの後ろ姿の外形」とが凹状に表わされる。この場合、第2全体模様M2は、装飾物51の裏面において、シート部20−1,20−3一面20Bの茶色と、シート部20−2他面20Tの橙色との2色で表わされる。
また、シート片20には、上記したジグザグ折りの折り線位置を示す切断線である山折り線41と、谷折り線42と、山折り線43とが、図3(c)の左右方向に交互に形成される。山折り線41,43は、シート片20を山折りすることを示し、谷折り線42は、シート片20を谷折りすることを示す。各折り線41〜43はミシン目状の切断線であって、例えば、山折り線41,43が一点鎖線の切断線、谷折り線42が破線の切断線として形成されている。なお、谷折り線と山折り線の種類(線種)は、上記に限定されない。
以下では、装飾物51を作製する為に、シート材200を切断する切断データを「折り重ね用切断データ」とする。なお、シート片20の折り重ねにより、相互に重なるシート部20−1〜20−4を、裏面側から順番に第1、第2、第3、第4シート部と称する。また、図3等における符号20の末尾の数字「−1」、「−2」、「−3」、「−4」は、第1シート部、第2シート部、第3シート部、第4シート部であることを示す。図3におけるシート片20等の末尾の符号「B」及び「T」は、シート片20の一面及び他面の色に対応しており、「B」は茶色、「T」は橙色であることを示す。更に、説明の便宜上、第1部分模様A〜第5部分模様Eを、以後、単に「部分模様A」〜「部分模様E」と称する。
前記折り重ね用切断データは、図5に示すように各部分模様A〜Dや、枠線300、折り重ねの目印(折り線)を順次切断する為のフィードデータ、座標データ、及び終了コードと、図示しない表示用のデータとを含む。
前記座標データは、切断装置11のXY座標系で規定されており、図5で上側に示す「第1座標データ(x1,y1)…第m座標データ(xm,ym)」は、部分模様A〜Dの切断線を切断する為の座標値を表す。当該座標データに係る「m」は、各部分模様A〜Dの形状に応じて個々に設定される座標データの数である。この座標データについて、図4(a)〜(d)に示す部分模様A〜Dを参照しながら説明する。
図4(a)の部分模様Aの切断線は、「クマの正面姿」の輪郭線を構成する複数の線分A、A、…Aからなり、各線分の両端つまり多数の点P、P、…Pが、曲線状をなす当該輪郭線上に所定間隔で設定されている。部分模様Aの切断線データは、切断開始点P、点P、…切断終了点Pの夫々に対応するフィードデータ(F1x0,F1y0)、第1座標データ(x1,y1)、…第m座標データ(xm,ym)を有する。フィードデータは、切断開始に際して切断装置11の前記カッタを切断開始点Pへ移動させるデータである。つまり、フィードデータに基づいて、切断を伴わないフィード時におけるキャリッジ15の切断開始点Pへの移動と、カッタの上下動とが行われる。
図4(b)に拡大して示す部分模様Bの切断線は、第1全体模様M1として表れる図3(a)の向きとは180度反転させた向き(後述する「対称形状」となる左右反転した形状)に設定されている。部分模様Bの切断線は、蝶々形をなす「リボン」の輪郭線を構成する線分B1,,…Bからなり、その切断線データは、切断開始点P、点P、…切断終了点Pの夫々に対応するフィードデータ(F2x0,F2y0)、第1座標データ(x1,y1)、…第m座標データ(xm,ym)を有する。
図4(c)の部分模様Cの切断線は、「クマの後ろ姿」の輪郭線を構成する複数の線分C、C、…Cからなり、その切断線データは、切断開始点P、点P、…切断終了点Pの夫々に対応するフィードデータ(F3x0,F3y0)、第1座標データ(x1,y1)、…第m座標データ(xm,ym)を有する。なお、部分模様Cの切断線は、「右手を挙げた」クマの正面姿の部分模様Aと整合する、クマの後ろ姿の外形を表す。
図4(d)に拡大して示す部分模様Dの切断線は、円形をなす「しっぽ」の輪郭線を構成する線分D、D、…Dからなり、その切断線データは、フィードデータ(F4x0,F4y0)、第1座標データ(x1,y1)、…第m座標データ(xm,ym)を有する。部分模様Dの切断線は、第2全体模様M2として表れる図3(b)の向きとは対称形状となる向きに設定されている。
部分模様Eは、「周囲」を構成する正方形の輪郭線を有する。部分模様Eは、前述したように複数の部分模様Eを繋げた形状、つまり全体の枠線300として切り抜かれるため、例えば枠線34においては線分34a34b,34c(図4(a)、図10(b)参照)が切断線となる。枠線300の切断線データは、切断開始点P、点P、…切断終了点Pの夫々に対応するフィードデータ(F5x0,F5y0)、第1座標データ(x1,y1)、…第4座標データ(x4,y4)を有する(図5、図10(b)参照)。
図5の下側に示す第1、第2、第3折り線の切断線データは、山折り線41、谷折り線42、山折り線43に夫々対応する。各折り線41〜43の切断線データは、フィードデータ(F6x0,F6y0)〜や、座標データ(x1,y1)、ミシン目状の切断線の属性フラグ(図示略)を含む。属性フラグは、部分模様A〜Dや枠線300を切断するときの通常の切断線と、各折り線41〜43となるミシン目状の切断線とを区別するために付されるデータである。なお、ミシン目状の切断線は、制御回路25が、切断動作中に、線分41〜43の種類に応じてカッタを間欠的に上下動させる制御を行うことで形成される。なお、図5に示すように、第3折り線43の座標データの末尾は「終了コード」とされている。
切断装置11の制御回路25は、折り重ね用切断データに基づいて、上記した部分模様A,B,C,D、枠線300、第1、第2、第3折り線41,42,43の順に、シート材200の切断を行うように切断手段を制御する。即ち、先ずX軸移動機構及びY軸移動機構により、カッタカートリッジ14即ちカッタを、切断開始点PのXY座標位置へ相対的に移動させる。次いで、Z軸移動機構により、前記カッタの刃先をシート材200における部分模様Aの切断開始点Pに貫通させる。この状態で、X軸移動機構及びY軸移動機構により、当該刃先を、各点P、P、…を順次繋ぐようにして、夫々の座標へ向けて相対的に移動させ、線分A,A、…に沿ってシート材200を切断する。こうして、切断終了点Pまでカッタを相対移動させることで、部分模様A、つまり「クマの正面姿」の輪郭線に沿って切断を行う。同様に、部分模様B〜Dの各輪郭線、枠線300、及び各折り線41〜43についても、夫々の切断線データに基づきカッタを相対移動させて順次切断する。
制御回路25は、第3折り線43の切断を終えると、前記終了コードに基づき、カッタの刃先をシート材200から離間させて、キャリッジ15の待機位置である原点Oへ移動させる。上記の切断動作により、部分模様A〜Dの輪郭線、枠線300、各折り線41〜43について夫々の切断線を切断して、シート材200からシート片20を切り抜くことができる。
次に、上記構成の作用について、図6〜図23を参照しながら説明する。ここで、図11〜図23のフローチャートは、切断データ作成装置1の制御回路5が実行する切断データ作成プログラムの流れを示している。
切断データ作成装置1において、制御回路5は、切断データ作成のプログラムを起動すると、図11に示す処理を実行する。先ず、制御回路5は、折り重ね用切断データの元とする表裏両面の図柄画像データを取得する処理を実行する(ステップS1、図12参照)。
具体的には例えば「クマの正面姿」の図柄が描かれた原画を、ユーザの入力操作に基づきイメージスキャナ10により読み取らせることで、制御回路5は、表面側の図柄画像データとして取得する(図12のステップS11、ステップS12にてYES)。前記原画に描画された図柄は、図3(a)の第1全体模様M1を表す為の図柄であって、後述する「周囲」、「クマの正面姿の外形」、「リボン」の3つのパーツから構成される図柄とする(図6(a)参照)。図柄の色としては、「周囲」は茶色、「クマの正面姿の外形」は橙色、「リボン」は茶色であり、より詳細には、部分模様A(クマの正面姿の外形)の外側領域が茶色、部分模様Aの内側且つ部分模様B(リボン)の外側領域が橙色、部分模様Bの内側領域が茶色である。
また、制御回路5は、ステップS13において、ディスプレイ3に、「表面側と裏面側の図柄が同じか否か」を選択させる選択画面(図示略)を表示させる。ユーザは、選択画面を見ながら入力部4を操作して選択を行う。制御回路5は、入力部4からの選択指令が「図柄が同じ」である場合は(ステップS13にてYES)、ステップS16に移行する。
ステップS16において、制御回路5は、表面側と裏面側とで同じ図柄画像データを用いるとし、同一画像フラグをTrueに設定して、ステップS2へリターンする。ここで、同一画像フラグは、第1全体模様M1と第2全体模様M2を、同じ全体模様として設定するか、異なる全体模様として設定するかを示す情報である。具体的には、同一画像フラグがTrueの場合には、第1全体模様M1と第2全体模様M2を同じ全体模様として設定する。同一画像フラグがFalseの場合には、第1全体模様M1と第2全体模様M2を異なる全体模様として設定する。
他方、制御回路5は、入力部4からの選択指令が「図柄が同じではない」場合は(ステップS13にてNO)、ステップS14に移行する。ステップS14において、例えば「クマの後ろ姿」の図柄が描かれた2つ目の原画を、ユーザの入力操作に基づきイメージスキャナ10により読み取らせることで、制御回路5は、裏面側の図柄画像データとして取得して(ステップS15にてYES)、ステップS2へリターンする。2つ目の原画に描画された図柄は、図3(b)の第2全体模様M2を表す為の図柄であって、「周囲」、「クマの後ろ姿の外形」、「しっぽ」の3つのパーツから構成される図柄とする(図7(a)参照)。図柄の色としては、「周囲」は茶色、「クマの後ろ姿の外形」は橙色、「しっぽ」は茶色であり、より詳細には、部分模様C(クマの後ろ姿の外形)の外側領域が茶色、部分模様Cの内側且つ部分模様D(しっぽ)の外側領域が橙色、部分模様Dの内側領域が茶色である。
次いで、制御回路5は、装飾物51の枠模様となる「周囲」の枠線31〜34を設定する為の処理を行う(図11のステップS2)。ここで、本実施形態の枠線31〜34は、何れも同じ形状に設定されるものとし、その具体的形状について、後のステップS4で図柄画像データに基づき特定する設定を行うものとする。
また、制御回路5は、「周囲」の枠線31〜34を繋げて連接する連接方向を設定する(ステップS3)。詳しくは後述するように、枠線31〜34の連接方向は、その枠線31〜34の形状に応じた4つの方向(図9の矢印401〜404参照)のうちの何れかとなる。本実施形態では、図9の紙面右方向をX軸正方向とし、下方向をY軸正方向とした前記XY座標系において、当該連接方向をデフォルトでX軸正方向401及びX軸負方向402に指定する。このようなデフォルト方向は、制御回路5により、枠線31〜34の形状(座標データ)に応じて求められ、以下に説明するグループ毎に異なる方向401,402に設定される。
続いて、制御回路5は、ステップS4の重なり順決定処理を実行する。図13に示すように、重なり順決定処理では、上記した図柄画像データに基づいて、表面側の図柄に含まれる部分模様を1つのグループ(第1グループ)として当該部分模様相互間での重なり順を決定すると共に(ステップS21,S22)、裏面側の図柄に含まれる部分模様を、もう1つのグループ(第2グループ)として当該部分模様相互間での重なり順を決定する(ステップS23〜S26)。
具体的には、制御回路5は、先ずステップS21で表面側の図柄画像データを処理の対象として設定すると、ステップS22で部分模様の重なり順を決定する(図14参照)。この場合、制御回路5は、表面側の図柄画像データを周知の画像処理の手法で処理して、各輪郭線を色毎に抽出する(図14のステップS31)。このとき例えば、図6(a)で左から順に示すように、前記の「周囲」、「クマの正面姿の外形」、「リボン」の輪郭線が順次抽出されるものとする。図6(a)の丸で囲った「0」〜「2」の番号は抽出の順番であり、抽出される表面側の輪郭線の総数nは3つである。各輪郭線は、座標データを含むベクトルデータとして抽出され、前記抽出の順番に対応する「0」〜「2」の模様番号が付与される。
また、制御回路5は、図柄画像データに基づいて、「周囲」における画素の集合を茶色の単色領域、「クマの正面姿の外形」における画素の集合を橙色の単色領域、「リボン」における画素の集合を茶色の単色領域として識別する。制御回路5は、識別した各単色領域の色を、後述するレイヤ50B,50T,50B(図6(b)参照)の色としてRAM7に記憶する。こうして、制御回路5は、図6(a)の模様番号が0の「周囲」について、茶色の単色領域が枠模様を切断するための輪郭線で画された(囲われた)パーツ、つまり部分模様Eとして識別する。模様番号が1の「クマの正面姿の外形」について、橙色の単色領域を画する輪郭線を有する部分模様Aとして識別し、模様番号が2の「リボン」について、茶色の単色領域を画する輪郭線を有する部分模様Bとして識別する。
これにより、制御回路5は、各輪郭線と、夫々の単色領域を表す各レイヤ50B,50T,50Bとの対応付けが可能となる。また、制御回路5は、各レイヤ50B,50T,50Bの枠線32,33,34の設定処理を行う。本実施形態では、最も外側の「周囲」の輪郭線が、前述した正方形の枠線32〜34(図6(b)参照)として設定されるものとする。そして、制御回路5は、部分模様E,A,Bを第1グループとして、包含に関する情報を取得する包含情報取得処理に移行する(ステップS32)。
図15に示すように、包含情報取得処理では、先ず初期設定が行われる(ステップS41)。ここで、制御回路5は、第1グループの部分模様E,A,Bのうち一の部分模様と他の部分模様との包含関係を判別すべく、夫々の模様番号に対応する一のカウンタiと他のカウンタ(対象カウンタj)を0にリセットして初期化する(i=j=0)。また、制御回路5は、各部分模様の階層の深さを表すh(i)を0にリセットする。階層の深さh(i)とは、部分模様相互間で包含される数を階層の深さとして表すものであり、「周囲」の部分模様Eの階層を最上位階層(深さ0)とした時の、各部分模様A,B,Eの階層の深さh(0)〜h(n−1)である。
制御回路5は、カウンタiと対象カウンタjの値が夫々輪郭線の総数nより小さく(ステップS42,S43で夫々YES)且つそれらカウンタi,jの値が相互に一致しないこと(ステップS44にてNO)を条件に、部分模様の包含関係を判別する。現時点では、カウンタi,jの値が何れも0であるため(ステップS44にてYES)、模様番号が0の部分模様E,E同士で包含関係が判別されることはない。そこで、制御回路5は、部分模様Eとの判別対象を変更すべく、ステップS47で対象カウンタjを1だけインクリメントした1として(j=1)、ステップS43にリターンする。
この場合、対象カウンタjの値は、輪郭線の総数nより小さく且つカウンタiの値と一致しないことから、ステップS45に移行する。制御回路5は、一のOutline(i)として模様番号iが0の部分模様Eの輪郭線が、他のOutline(j)として模様番号jが1の部分模様Aの輪郭線に包含されているか否かを判別する(ステップS45)。Outline(i)或いはOutline(j)は、模様番号をi或いはjとする部分模様の輪郭線のベクトルデータの集合を表す情報である。このとき、制御回路5は、各輪郭線の座標データに基づいて、部分模様EのOutline(0)が部分模様AのOutline(1)に包含されていないと判別する(ステップS45にてNO、図6(a)参照)。
この後、制御回路5は、ステップS47で対象カウンタjを1だけインクリメントした2として(j=2)、ステップS43にリターンする。制御回路5は、対象カウンタjの値が2の場合も、ステップS45に移行し、模様番号iが0の部分模様EのOutline(0)について、模様番号jが2の部分模様BのOutline(2)に包含されていないと判別する(ステップS45にてNO、図6(a)参照)。
このように、部分模様EのOutline(0)は、他の部分模様A,Bを囲う形状であることから、当該他の部分模様A,BのOutline(j)に包含されると判別されない。このため、制御回路5は、部分模様EのOutline(0)について、部分模様A,BのOutline(j)との包含関係を判別しても(ステップS45)、ステップS46が実行されず、部分模様Eの階層の深さh(0)は0のままである。それ故、制御回路5は、対象カウンタjの値が輪郭線の総数nである3に達したと判断すると(ステップS43にてNO)、部分模様Eの階層の深さh(0)を0としてRAM7に記憶させる(ステップS48)。
続いて、制御回路5は、対象カウンタjを0にリセットすると共にカウンタiを1だけインクリメントすることで(ステップS49)、模様番号iが1の部分模様Aについて、前記ステップS42〜S47を実行する。
この場合、制御回路5は、カウンタiが1、対象カウンタjが0であることから(ステップS42,S43で夫々YES、且つステップS44にてNO)、部分模様AのOutline(1)と部分模様EのOutline(0)との包含関係を判別する(ステップS45)。制御回路5は、部分模様AのOutline(1)が部分模様EのOutline(0)に包含されていると判断すると(ステップS45にてYES)、部分模様Aの階層の深さh(1)を1だけインクリメントして1とする(ステップS46)。
この後、制御回路5は、模様番号iが1の部分模様Aについて、対象カウンタjを1ずつインクリメントして(ステップS47)、包含関係を判別する対象を順次変更して処理を実行するが、対象カウンタjが1のときi=jとなる(ステップS44にてYES)。また、対象カウンタjが2のとき、部分模様AのOutline(1)が他の部分模様BのOutline(2)に包含される関係にない(ステップS45にてNO、図6(a)参照)。このため、制御回路5は、部分模様AのOutline(1)について、模様番号jが2の部分模様BのOutline(2)との包含関係まで判別して、対象カウンタjの値が3に達した時点で(ステップS43にてNO)、部分模様Aの階層の深さ(h(1)=1)をRAM7に記憶させる(ステップS48)。
続いて、制御回路5は、対象カウンタjを0にリセットすると共にカウンタiを1だけインクリメントすることで(ステップS49)、模様番号iが2の部分模様Bについて、前記ステップS42〜S47を実行する。
この場合、制御回路5は、カウンタiが2、対象カウンタjが0であることから(ステップS42,S43で夫々YES、且つステップS44にてNO)、部分模様BのOutline(2)と部分模様EのOutline(0)との包含関係を判別する(ステップS45)。制御回路5は、部分模様BのOutline(2)が部分模様EのOutline(0)に包含されていると判断すると(ステップS45にてYES)、部分模様Bの階層の深さh(2)を1だけインクリメントして1とする(ステップS46)。
また、制御回路5は、対象カウンタjの値を1だけインクリメントした1とし(ステップS47)、部分模様BのOutline(2)と部分模様AのOutline(1)との包含関係を判別する(ステップS43〜S45)。制御回路5は、部分模様BのOutline(2)が部分模様AのOutline(1)に包含されていると判断すると(ステップS45にてYES)、部分模様Bの階層の深さh(2)を1だけインクリメントして2とする(ステップS46)。
この後、制御回路5は、対象カウンタjを1だけインクリメントして(ステップS47)、その値が3に達したと判断すると(ステップS43にてNO)、部分模様Bの階層の深さ(h(2)=2)をRAM7に記憶させる(ステップS48)。また、制御回路5は、対象カウンタjを0にリセットすると共にカウンタiを1だけインクリメントする(ステップS49)。これにより、制御回路5は、カウンタiの値が輪郭線の総数nである3に達した、つまり第1グループの部分模様E,A,Bについて、夫々の階層の深さを取得したと判断すると(ステップS42にてNO)、ステップS33にリターンする。
図16は、ステップS33における重なり順の並び替え処理を示している。この並び替え処理では、前記ステップS31で抽出した第1グループの部分模様E,A,Bについて、前述した凹状の全体模様M1となるように部分模様の順番を入れ替える。部分模様の順番の入れ替えは、図6(a)の丸で囲った模様番号と各Outline(0)〜(2)との対応付けを、部分模様の階層の深さに基づき変更することにより行う。
具体的には、図16のステップS51において、制御回路5は、一の部分模様のカウンタiを0にリセットする。次に、ステップS52で、制御回路5は、カウンタiの値が輪郭線の総数n−1よりも小さいか否かを判断する。最初は、カウンタiの値が輪郭線の総数n−1よりも小さい0であるため、ステップS53に移行する。これに対し、カウンタiの値が輪郭線の総数n−1と等しいか又は大きい場合、ステップS60に移行する。
制御回路5は、ステップS53において、他の部分模様の対象カウンタjを、カウンタiに1だけインクリメントして(j=i+1)、1に設定する。次に、ステップS54で、制御回路5は、対象カウンタjの値が輪郭線の総数nよりも小さいか否かを判断する。対象カウンタjの値が輪郭線の総数nよりも小さい場合は、ステップS55に移行する。これに対し、対象カウンタjの値が輪郭線の総数nに等しいか又は大きい場合、ステップS59に移行する。ステップS55では、制御回路5は、カウンタiが対象カウンタjと等しいか否かを判断する。カウンタiの値が対象カウンタjの値と等しい場合、ステップS58に移行する。カウンタiの値が対象カウンタjの値と等しくない場合、ステップS56に移行する。
ステップS56において、制御回路5は、対象カウンタjの値に対応する模様番号1の部分模様A(Outline(1))が、カウンタiの値に対応する模様番号0の部分模様E(Outline(0))よりも階層が深いか否かを判別する。この場合、部分模様Aの階層の深さ(図6(a)のh(1)参照)について、部分模様Eの階層の深さ(h(0)=0)よりも大きい1であると判別する(ステップS56にてYES)。このため、制御回路5は、部分模様Aの模様番号が部分模様Eの模様番号よりも小さくなるよう(部分模様Aが部分模様Eに対して後方へ凹となるよう)、順番を入れ替える(ステップS57)。こうして、階層が深い部分模様Aの模様番号を「0」とし、部分模様Eの模様番号を「1」とするように部分模様E,Aの順番を変更する。なお、ステップS56でNOの場合、制御回路5は、部分模様の順番を変更することなくステップS58に移行する。
次に、制御回路5は、ステップS58で対象カウンタjの値を1だけインクリメントした2とする。その後、ステップS54に戻り、同様の処理を繰り返す。即ち、制御回路5は、判別対象を模様番号2の部分模様Bとして、カウンタiの値に対応する模様番号0の部分模様Aとの階層の深さの関係を判別する(ステップS56)。この場合、部分模様Bは、部分模様Aよりも階層が深いため(ステップS56にてYES)、部分模様Bの模様番号を「0」とし、部分模様Aの模様番号を「2」とするように部分模様A,Bの順番を変更する。
また、制御回路5は、ステップS58で対象カウンタjの値を1だけインクリメントした3とする。こうして、カウンタiの値が0のまま、対象カウンタjの値が輪郭線の総数nの値である「3」に達した時点で(ステップS54にてNO)、模様番号0の部分模様B、模様番号1の部分模様E、模様番号2の部分模様Aの順番となる。
また、制御回路5は、カウンタiの値を1だけインクリメントした1とし(ステップS59、ステップS52にてYES)、対象カウンタjの値をカウンタiに1だけインクリメントした2とする(ステップS53)。これにより、カウンタiの値に対応する模様番号1の部分模様Eと、対象カウンタjの値に対応する模様番号2の部分模様Aとの間で、階層の深さの関係を判別して部分模様E,Aの順番を入れ替える(ステップS54〜S57)。
この後、制御回路5は、対象カウンタjの値を1だけインクリメントとした3とし(ステップS58、ステップS54にてNO)、カウンタiの値を1だけインクリメントした2、つまりn−1に達した時点で(ステップS59、ステップS52にてNO)、模様番号0の部分模様B、模様番号1の部分模様A、模様番号2の部分模様Eの順番となる。こうして、制御回路5は、第1全体模様M1を凹状に表す部分模様B,A,Eの順番として、図6(b)の四角で囲った「0」〜「2」の番号で示すように、最下位階層から順に小さい模様番号が付されるように変更する。
また、制御回路5は、ステップS60において、レイヤ50B,50T,50Bに対し、部分模様の輪郭線を変更後の前記順番に基づき当該レイヤ毎に設定する処理を行う。このレイヤの設定処理について、図6(b)〜(d)を参照しながら説明する。ここで、図6(b)の下段に示すレイヤ50B,50T,50Bは、前述したように上段の部分模様B,A,Eの単色領域を表すものとして関連付けてある。従って、レイヤ50B,50T,50Bの順番は、第1グループの模様番号つまりシート片20を折り重ねたときに表面側に表れるシート部の表面側(前側)への重なり順の順番に対応する。
換言すれば、レイヤ50B,50T,50Bの順番は、第1全体模様M1を表す3つのシート部のうち(図3(d)参照)、基台となるシート部に対して、表面側に他のシート部が順次重なるときの順番に対応する。よって、制御回路5は、基台シート部に相当する基台レイヤ50には順番「0」を、他のシート部に相当する第1、第2レイヤ50には順番「1」、「2」を付与する。以下では、図6(b)の左側から順に基台レイヤ50B−0、第1レイヤ50T−1、第2レイヤ50B−2とする。
図3(d)、図6(d)に示すように、第1全体模様M1を凹状に表す場合、最も表面側に位置する前側のシート部−4(第2レイヤ50B−2)に対して、部分模様A,Bの内方を、後側のシート部20−2,20−3(基台レイヤ50B−0、第1レイヤ50T−1)で表す。そこで、制御回路5は、当該レイヤの設定処理において、部分模様A,Bの輪郭線を、夫々1つ上位の階層のレイヤ50B−2,50T−1に対して設定する。これにより、レイヤと部分模様の輪郭線との対応付けは、図6(c)に示すように順番が「1」のレイヤ50T−1と部分模様B、順番が「2」のレイヤ50B−2と部分模様Aとして入れ替える。
また、順番が「0」の基台レイヤ50B−0には、部分模様Eの輪郭線が枠線32として対応付けられ、他のレイヤ50T−1,50B−2にも、共通する形状の枠線33,34が夫々対応付けられている(前記ステップS2,S31参照)。こうして、制御回路5は、第1グループの部分模様について、レイヤ50B−0〜50B−2毎に対応付けられた枠線及び部分模様の輪郭線のベクトルデータの集合を「LayeredLine」としてRAM7に記憶させる。
この後、制御回路5は、図13のステップS23へリターンする。
ステップS23において、制御回路5は、同一画像フラグがTrueに設定されているか否かを判断する。ここで、制御回路5は、同一画像フラグがTrueに設定されていると判断すると(YES)、第2グループの部分模様及び枠線の「LayeredLine」を、第1グループの部分模様及び枠線と同じ「LayeredLine」として記憶RAM7に記憶させる(ステップS26)。これにより、第2全体模様M2と第1全体模様M1を同じくする「LayeredLine」が記憶されることとなる。
これに対し、制御回路5は、同一画像フラグがFalseに設定されていると判断すると(ステップS23にてNO)、裏面側の図柄画像データを処理の対象として設定し(ステップS24)、ステップS25で裏面側の部分模様の重なり順を決定する。このように、ステップS25では、表面側と異なる図柄画像データを用いた処理を行うが、ステップS22の処理の流れと基本的に同じである。
即ち、制御回路5は、裏面側の図柄画像データに基づいて、各輪郭線を色毎に抽出する(図14のステップS31)。このとき例えば、図7(a)で左から順に示すように、前記の「周囲」、「クマの後ろ姿の外形」、「しっぽ」の輪郭線が、「0」、「1」、「2」の順番(丸で囲った模様番号)で抽出されるものとする。また、この場合、抽出される裏面側の輪郭線の総数nは、表面側と同じ3つである。
また、制御回路5は、裏面側の図柄画像データに基づいて、「周囲」における画素の集合を茶色の単色領域、「クマの後ろ姿の外形」における画素の集合を橙色の単色領域、「しっぽ」における画素の集合を茶色の単色領域として識別する。制御回路5は、識別した各単色領域の色を、レイヤ50B,50T,50B(図7(b)参照)の色としてRAM7に記憶する。こうして、制御回路5は、図7(a)の模様番号が0の「周囲」について、茶色の単色領域の枠模様を表す部分模様Eとして識別する。模様番号が1の「クマの後ろ姿の外形」について、橙色の単色領域を画する輪郭線を有する部分模様Cとして識別し、模様番号が2の「しっぽ」について、茶色の単色領域を画する輪郭線を有する部分模様Dとして識別する。
また、制御回路5は、「周囲」の輪郭線を、各レイヤ50B,50T,50Bの枠線33,32,31(図7(b)参照)として設定する。そして、制御回路5は、部分模様E,C,Dを第2グループとして、包含情報取得処理に移行する(ステップS32)。
図15に示す包含情報取得処理において、制御回路5は、先ず初期設定を行う(ステップS41)。ここで、制御回路5は、第2グループの部分模様E,C,Dのうち一の部分模様と他の部分模様との包含関係を判別すべく、カウンタiと対象カウンタjを0にリセットして初期化すると共に(i=j=0)、各部分模様の階層の深さを表すh(i)を0にリセットする。
制御回路5は、現時点におけるカウンタi,jの値が何れも0であるため(ステップS42,S43で夫々YES、ステップS44でYES)、模様番号が0の部分模様E,E同士の包含関係を判別しない。そこで、制御回路5は、ステップS47で対象カウンタjを1だけインクリメントした1として(j=1)、ステップS43にリターンする。このとき、対象カウンタjの値は、輪郭線の総数nより小さく且つカウンタiの値と一致しない(ステップS43にてYES、ステップS44にてNO)。
この場合、制御回路5は、模様番号iが0の部分模様EのOutline(0)が、模様番号jが1の部分模様CのOutline(1)に包含されているか否かを判別する(ステップS45)。このとき、制御回路5は、各輪郭線の座標データに基づいて、部分模様EのOutline(0)が部分模様CのOutline(1)に包含されていないと判別する(ステップS45にてNO、図7(a)参照)。
この後、制御回路5は、ステップS47で対象カウンタjを1だけインクリメントした2として(j=2)、ステップS43にリターンする。制御回路5は、対象カウンタjの値が2の場合も(ステップS43にてYES、ステップS44にてNO)、模様番号iが0の部分模様EのOutline(0)について、模様番号jが2の部分模様DのOutline(2)に包含されていないと判別する(ステップS45にてNO、図7(a)参照)。このように、第2グループの部分模様EのOutline(0)も、他の部分模様C,Dに包含されない。このため、制御回路5は、対象カウンタjの値が輪郭線の総数nである3に達したと判断すると(ステップS43にてNO)、部分模様Eの階層の深さh(0)を0としてRAM7に記憶させる(ステップS48)。
続いて、制御回路5は、対象カウンタjを0にリセットすると共にカウンタiを1だけインクリメントすることで(ステップS49)、模様番号iが1の部分模様Cについて、前記ステップS42〜S47を実行する。
この場合、制御回路5は、カウンタiが1、対象カウンタjが0であることから(ステップS42,S43で夫々YES、且つステップS44にてNO)、部分模様CのOutline(1)と部分模様EのOutline(0)との包含関係を判別する(ステップS45)。制御回路5は、部分模様CのOutline(1)が部分模様EのOutline(0)に包含されていると判断すると(ステップS45にてYES)、部分模様Cの階層の深さh(1)を1だけインクリメントして1とする(ステップS46)。
この後、制御回路5は、模様番号iが1の部分模様Cについて、対象カウンタjを1ずつインクリメントして(ステップS47)、包含関係を判別する対象を順次変更して処理を実行するが、対象カウンタjが1のときi=jとなる(ステップS44にてYES)。また、対象カウンタjが2のとき、部分模様CのOutline(1)が他の部分模様DのOutline(2)に包含される関係にない(ステップS45にてNO、図7(a)参照)。このため、制御回路5は、部分模様CのOutline(1)について、模様番号jが2の部分模様DのOutline(2)との包含関係まで判別して、対象カウンタjの値が3に達した時点で(ステップS43にてNO)、部分模様Cの階層の深さ(h(1)=1)をRAM7に記憶させる(ステップS48)。
続いて、制御回路5は、対象カウンタjを0にリセットすると共にカウンタiを1だけインクリメントすることで(ステップS49)、模様番号iが2の部分模様Dについて、前記ステップS42〜S47を実行する。
この場合、制御回路5は、カウンタiが2、対象カウンタjが0であることから(ステップS42,S43で夫々YES、且つステップS44にてNO)、部分模様DのOutline(2)と部分模様EのOutline(0)との包含関係を判別する(ステップS45)。制御回路5は、部分模様DのOutline(2)が部分模様EのOutline(0)に包含されていると判断すると(ステップS45にてYES)、部分模様Dの階層の深さh(2)を1だけインクリメントして1とする(ステップS46)。
また、制御回路5は、対象カウンタjの値を1だけインクリメントした1とし(ステップS47)、部分模様DのOutline(2)と部分模様CのOutline(1)との包含関係を判別する(ステップS43〜S45)。制御回路5は、部分模様DのOutline(2)が部分模様CのOutline(1)に包含されていると判断すると(ステップS45にてYES)、部分模様Dの階層の深さh(2)を1だけインクリメントして2とする(ステップS46)。
この後、制御回路5は、模様番号iが2の部分模様Dについて、対象カウンタjを1ずつインクリメントして(ステップS47)、包含関係を判別する対象を順次変更して処理を実行するが、対象カウンタjが2のときi=jとなる(ステップS44にてYES)。それ故、対象カウンタjを1だけインクリメントして(ステップS47)、その値が3に達したと判断すると(ステップS43にてNO)、部分模様Dの階層の深さ(h(2)=2)をRAM7に記憶させる(ステップS48)。また、制御回路5は、対象カウンタjを0にリセットすると共にカウンタiを1だけインクリメントする(ステップS49)。これにより、制御回路5は、カウンタiの値が輪郭線の総数nである3に達した、つまり第2グループの部分模様E,C,Dについて、夫々の階層の深さを取得したと判断すると(ステップS42にてNO)、ステップS33にリターンする。
図16に示す、ステップS33の重なり順の並び替え処理では、前記ステップS31で抽出した第2グループの部分模様E,C,Dについて、前述した凹状の全体模様M2となるように部分模様の順番を入れ替える。部分模様の順番の入れ替えは、図7(a)の丸で囲った模様番号と各Outline(0)〜(2)との対応付けを、部分模様の階層の深さに基づき変更することにより行う。
即ち、図16のステップS51において、制御回路5は、カウンタiを0にリセットする。この場合、制御回路5は、カウンタiの値が輪郭線の総数n−1よりも小さい0であると判断し(ステップS52にてYES)、ステップS53において、対象カウンタjを、カウンタiに1だけインクリメントして(j=i+1)、1に設定する。これにより、制御回路5は、対象カウンタjの値が輪郭線の総数nよりも小さく、且つカウンタiの値が対象カウンタjの値と等しくないと判断し(ステップS54にてYES、且つステップS55にてNO)、ステップS56に移行する。
ステップS56において、制御回路5は、対象カウンタjの値に対応する模様番号1の部分模様Cが、カウンタiの値に対応する模様番号0の部分模様Eよりも階層が深いか否かを判別する。この場合、部分模様Cの階層の深さ(図7(a)のh(1)参照)について、部分模様Eの階層の深さ(h(0)=0)よりも大きい1であると判別する(ステップS56にてYES)。このため、制御回路5は、部分模様Cの模様番号が部分模様Eの模様番号よりも小さくなるよう(部分模様Cが部分模様Eに対して凹となるよう)、順番を入れ替える(ステップS57)。こうして、階層が深い部分模様Cの模様番号を「0」とし、部分模様Eの模様番号を「1」とするように部分模様E,Cの順番を変更する。
次に、制御回路5は、ステップS58で対象カウンタjの値を1だけインクリメントした2とした後、ステップS54に戻り、同様の処理を繰り返す。即ち、制御回路5は、判別対象を模様番号2の部分模様Dとして、カウンタiの値に対応する模様番号0の部分模様Cとの階層の深さの関係を判別する(ステップS56)。この場合、部分模様Dは、部分模様Cよりも階層が深いため(ステップS56にてYES)、部分模様Dの模様番号を「0」とし、部分模様Cの模様番号を「2」とするように部分模様C,Dの順番を変更する。
また、制御回路5は、ステップS58で対象カウンタjの値を1だけインクリメントした3とする。こうして、カウンタiの値が0のまま、対象カウンタjの値が輪郭線の総数nの値である「3」に達した時点で(ステップS54にてNO)、模様番号0の部分模様D、模様番号1の部分模様E、模様番号2の部分模様Cの順番となる。
また、制御回路5は、カウンタiの値を1だけインクリメントした1とし(ステップS59、ステップS52にてYES)、対象カウンタjの値をカウンタiに1だけインクリメントした2とする(ステップS53)。これにより、カウンタiの値に対応する模様番号1の部分模様Eと、対象カウンタjの値に対応する模様番号2の部分模様Cとの間で、階層の深さの関係を判別して部分模様E,Cの順番を入れ替える(ステップS54〜S57)。
この後、制御回路5は、対象カウンタjの値を1だけインクリメントとした3とし(ステップS58、ステップS54にてNO)、カウンタiの値を1だけインクリメントした2、つまりn−1に達した時点で(ステップS59、ステップS52にてNO)、模様番号0の部分模様D、模様番号1の部分模様C、模様番号2の部分模様Eの順番となる。こうして、制御回路5は、第2全体模様M2を凹状に表す部分模様D,C,Eの順番として、図7(b)の四角で囲った「0」〜「2」の番号で示すように、最下位階層から順に小さい模様番号が付されるように変更する。
また、制御回路5は、ステップS60において、レイヤ50B,50T,50Bに対し、部分模様の輪郭線を変更後の前記順番に基づき当該レイヤ毎に設定する処理を行う。このレイヤの設定処理について、図7(b)〜(d)を参照しながら説明する。図7(b)の下段に示すレイヤ50B,50T,50Bは、上段の第2グループの部分模様D,C,Eの単色領域を表すものとして関連付けてあり、レイヤ50B,50T,50Bの順番は、シート片20を折り重ねたときに裏面側に表れるシート部の裏面側への重なり順の順番に対応する。つまり、レイヤ50B,50T,50Bの順番は、第2全体模様M2を表す3つのシート部のうち(図3(e)参照)、基台となるシート部に対して、裏面側に他のシート部が順次重なるときの順番に対応する。よって、制御回路5は、基台シート部に相当する基台レイヤ50には順番「0」を、他のシート部に相当する第1、第2レイヤ50には順番「1」、「2」を付与する。以下では、図7(b)の左側から順に基台レイヤ50B−0、第1レイヤ50T−1、第2レイヤ50B−2とする。
図3(e)、図7(d)に示すように、第2全体模様M2を凹状に表す場合、最も表面側に位置するシート部20−4(第2レイヤ50B−2)に対して、部分模様C,Dの内方を、後側のシート部20−2,20−3(第1レイヤ50T−1、基台レイヤ50B−0)で表す。そこで、制御回路5は、当該レイヤの設定処理において、部分模様C,Dの輪郭線を、夫々1つ上位の階層のレイヤ50B−2,50T−1に対して設定する。これにより、レイヤと部分模様の輪郭線との対応付けは、図7(d)に示すように順番が「1」のレイヤ50T−1と部分模様D、順番が「2」のレイヤ50B−2と部分模様Cとして入れ替える。
また、順番が「0」の基台レイヤ50B−0には、部分模様Eの輪郭線が枠線33として対応付けられ、他のレイヤ50T−1,50B−2にも、共通する形状の枠線32,31が夫々対応付けられている(前記ステップS2,S31参照)。こうして、制御回路5は、第2グループの部分模様について、レイヤ50B−0〜50B−2毎に対応付けられた枠線及び部分模様の輪郭線のベクトルデータの集合からなる「LayeredLine」をRAM7に記憶させる。
この後、制御回路5は、図13のステップS27に移行する。ステップS27において、制御回路5は、ディスプレイ3に、「基台レイヤを設定するか否か」を選択させる選択画面(図示略)を表示させる。ユーザは、選択画面を見ながら入力部4を操作して選択を行う。制御回路5は、入力部4からの選択指令が「基台レイヤを設定する」である場合は(ステップS27にてYES)、ステップS28に移行する。他方、制御回路5は、入力部4からの選択指令が「基台レイヤを設定しない」である場合は(ステップS27にてNO)、リターンして図11のステップS5に移行する。
「基台レイヤを設定する」場合には、図17に示す基台レイヤ設定処理において、制御回路5は、第1グループで順番が「1」のLayeredLine(1)が、第2グループで順番が「1」のLayeredLine(1)の対称形状と一致するか否かを判断する(ステップS61)。即ち、第1グループの第1レイヤ50T−1の枠線33及び部分模様Bと、第2グループの第1レイヤ50T−1の枠線32及び部分模様Dの対称形状と照合する(図6(d)と図7(d)参照)。枠線32及び部分模様Dの対称形状は、図7(d)の枠線32及び部分模様Dを紙面裏側から見た形状であって、枠線32及び部分模様Dを、後述する線対称の形状とする(左右反転させる)ようにLayeredLine(1)を変換することで求められる。なお、図7(d)に示したように、部分模様Dは、左右方向における枠線32内の中央に位置する円形であるため、その対称形状と反転前の元の形状は一致する。
ここで、第1グループの枠線33は、第2グループの枠線32の対称形状と一致する正方形であるが、第1グループの部分模様Bは、第2グループの部分模様Dの「しっぽ」の対称形状と一致しない「リボン」の形状である。従って、制御回路5は、第1グループのLayeredLine(1)のデータと第2グループのLayeredLine(1)を対称形状に変換したデータに基づいて、第1グループのLayeredLine(1)が、第2グループのLayeredLine(1)の対称形状と一致しないと判断する(ステップS61にてNO)。なお、本実施形態の装飾物51と異なり、第1グループのLayeredLine(1)が第2グループのLayeredLine(1)の対称形状と一致する場合もあるが、そのステップS62、S66について詳しくは後述する。
また、制御回路5は、上記ステップS61で判断した第1グループの部分模様Bが、第2グループの部分模様Dの対称形状と交差関係又は包含関係にあるか否かを判断する(ステップS63)。この場合、制御回路5は、部分模様BのOutlineが部分模様Dの対称形状のOutlineと交差する関係が無く、又、部分模様BのOutlineが部分模様Dの対称形状のOutlineに対して包含する関係若しくは包含される関係も無いと判断する(ステップS63にてNO)。
続いて、制御回路5は、第1グループの基台レイヤ50B−0と第2グループの基台レイヤ50B−0に関して、レイヤ数を減らす処理を行う(ステップS64,S65)。この処理について、図8を参照しながら説明する。ここで、図8(a)及び(c)は、図6(d)及び図7(d)相当図であり、第1グループ及び第2グループの夫々の基台レイヤ50B−0〜第2レイヤ50B−2を表す。
図8(a)に示す第1グループの左側のレイヤは、LayeredLine(0)の枠線32のみが設定された基台レイヤ50B−0である。制御回路5は、当該基台レイヤ50B−0のLayeredLine(0)のデータを、上記した第2グループのLayeredLine(1)を対称形状に変換したデータと入れ替える(ステップS64)。これにより、図8(b)に示すように、第1グループにおける基台レイヤ50B−0は、第2グループの部分模様Dの対称形状を含むLayeredLine(0)に更新される(破線矢印参照)。
図8(c)に示す第2グループの左側のレイヤは、LayeredLine(0)の枠線33のみが設定された基台レイヤ50B−0である。制御回路5は、当該基台レイヤ50B−0をLayeredLine(0)のデータごと削除すると共に、当該削除に伴い、その余のレイヤ50T−1,50B−2の順番「1」、「2」を「0」、「1」に繰り上げる(ステップS65)。これにより、図8(d)に示すように、第2グループは、枠線32と部分模様DをLayeredLine(0)とする新たな基台レイヤ50T−0、及び枠線31と部分模様CをLayeredLine(1)とする新たな第1レイヤ50B−1に更新される。この結果、第2グループの基台レイヤ50T−0は、図8(b)に示す第1グループの基台レイヤ50B−0と同じレイヤ(LayeredLine(0))として識別される。
こうして、制御回路5は、ステップS64,S65の実行により、レイヤ数Nを、第2グループでは「2」に減らす一方、1グループでは「3」として、ステップS5へリターンする。なお、前記ステップS63において、第1グループにおけるLayeredLine(1)の部分模様が、第2グループにおけるLayeredLine(1)の部分模様の対称形状と交差関係又は包含関係にあると判断した場合(YES)、レイヤ数Nを減らす処理を実行することなく、ステップS5へリターンする。
図18は、ステップS5で実行される折り重ね用切断データ作処理の流れを示しており、ステップS71の第1全体模様M1の切断データ作成処理と、ステップS72の第2全体模様M2の切断データ作成処理とが順次実行される。
具体的には、図19に示す第1全体模様M1の切断データ作成処理において、制御回路5は、先ずレイヤの順番に対応するカウンタkを1に設定し、第1グループの基台レイヤ50B−0に対して、順番が「1」の第1レイヤ50T−1から連接するときの初期設定を行う(ステップS81)。また、制御回路5は、前記折り線位置を特定するTmpLapLine(k)をNullに設定する。TmpLapLine(k)は、レイヤ毎に設定されたLayeredLine(k)の枠線31〜34上における、折り線位置を示す線のベクトルデータの集合を表す情報である。
また、制御回路5は、初期設定として、CutOutlineを、第1グループのLayeredLine(0)のベクトルデータ、つまり基台レイヤ50B−0の枠線32のベクトルデータに設定する(ステップS82)。CutOutlineは、切断線データを作成するための、枠線や輪郭線のベクトルデータの集合を表す情報である。更に、制御回路5は、連接方向をX軸正方向401に設定して、第1グループのLayeredLine(0)の枠線32上にCutLapLineを設定する。CutLapLineは、切断線データを作成するための、折り線位置を示す線のベクトルデータの集合を表す情報である。具体的には、CutLapLineは、前記ステップS3で指定された第1グループの連接方向に応じて、枠線32上におけるX軸正方向401側の線分32bに設定される(図9(a)の太線参照)。
そして、制御回路5は、レイヤ数Nを第1グループのレイヤ数である「3」に設定して、切断データ作成のコアとなる処理を実行する(ステップS83)。図21に示すように、切断データ作成コア処理において、制御回路5は、カウンタkが第1グループのレイヤ数Nよりも小さいか否かを判断する(ステップS101)。最初は、カウンタkの値が、第1グループのレイヤ数Nよりも小さい1であるため、ステップS102に移行する。これに対し、カウンタkの値が、第1グループのレイヤ数Nと等しい3か又はレイヤ数Nより大きい場合、ステップS84へリターンする。制御回路5は、ステップS102において、カウンタkの値が奇数か否かを判断する。カウンタkの値が奇数の場合(YES)、ステップS103に移行する一方、カウンタkの値が偶数の場合(NO)、ステップS104に移行する。このとき、kの値は1であることから(ステップS102にてYES)、ステップS103へ移行する。
ステップS103において、制御回路5は、現時点のカウンタkの値(=1)に対応する第1レイヤ50T−1について、そのLayeredLine(1)の枠線33上にTmpLapLine(1)を設定する。この場合、図9(a)の太線で示すように、TmpLapLine(1)は、前記ステップS3で指定された第1グループの連接方向に基づき、当該枠線33上におけるX軸正方向401側の線分33bに設定される。TmpLapLine(1)として設定される線分33b或は前記CutLapLineとして設定される線分32bは、注目する一のレイヤ50T−1(部分模様B)の枠線33の一部と他のレイヤ50B−0(部分模様D)の枠線32の一部とを重ねるための重畳線である。これらの線分32b,33bは、自身の線で折り返す折返し方向(或はX軸正方向401)に直交する線分であるが、略直交する線分としてもよい。
そして、制御回路5は、第1レイヤ50T−1について、TmpLapLine(1)の線分33bを基準に、部分模様B及び枠線33が対称形状となるようにLayeredLine(1)を変換する(ステップS105)。これにより、LayeredLine(1)は、線分33bを対称軸として、部分模様B及び枠線33を線対称の形状としたデータに変換される(図4(b)、図9(a)参照)。
続いて、制御回路5は、CutOutlineに設定されている基台レイヤ50B−0のLayeredLine(0)と、第1レイヤ50T−1のLayeredLine(1)とを合成する(ステップS106)。この合成において、制御回路5は、LayeredLine(0)の枠線32とLayeredLine(1)の枠線33とを、夫々のCutLapLine,TmpLapLine(1)たる線分32b,33bで重畳させて繋げた長方形状に連接する(図9(a)参照)。これにより、制御回路5は、CutOutlineを、2つの枠線32,33を繋げた線分32a,33a,33d,33c,32c,32dからなる枠線298と、部分模様D,Bの輪郭線とのベクトルデータに設定(更新)する。また、制御回路5は、重畳させた2つの線分32b,33bを、1つのLapLine(0)として更新する。
なお、制御回路5は、前記ステップS105,S106の実行に伴い、第1レイヤ50T−1の橙色の単色領域を、茶色の単色領域を表す第1レイヤ50B−1に変更する(図9(a)参照)。即ち、カウンタkの値が奇数の場合(前記ステップS102にてYES)、対応するシート部20−3が折り返しに伴い表裏反転するため、シート片20の表裏の色に対応させて橙色から茶色のレイヤ50B−1に変更する。
次に、制御回路5は、CutLapLineを、CutOutlineの枠線298上におけるX軸正方向401側の線分33dに設定する(ステップS107)。また、制御回路5は、ステップS108でカウンタkの値を1だけインクリメントすることで、順番が「2」の第2レイヤ50B−2を対象として、ステップS101〜S107を実行する。
この場合、カウンタkの値は2であり(ステップS101にてYES)、制御回路5により、奇数でないと判断される(ステップS102にてNO)。また、制御回路5は、第2レイヤ50B−2について、そのLayeredLine(2)の枠線34上にTmpLapLine(2)を設定する(ステップS104)。このとき、図9(b)の太線で示すように、TmpLapLine(2)は、前記連接方向に基づき、枠線34上における当該連接方向とは反対側(X軸負方向402側)の線分34dに設定される。
続いて、制御回路5は、CutOutlineと、第2レイヤ50B−2のLayeredLine(2)とを合成する(ステップS106)。この合成において、制御回路5は、CutOutlineの枠線298と第2レイヤ50B−2の枠線34とを、夫々のCutLapLine,TmpLapLine(2)たる線分33d,34dで重畳させて連接する(図9(b)参照)。これにより、制御回路5は、CutOutlineを、枠線32〜34を繋げた線分32a,33a,34a,34b,34c,33c,32c,32dからなる枠線299と、部分模様D,B,Aの輪郭線とのベクトルデータに更新する。また、制御回路5は、重畳させた2つの線分33d,34dを、1つのLapLine(1)として更新する。
この後、制御回路5は、CutLapLineを、CutOutlineの枠線299上におけるX軸正方向401側の線分34bに設定する(ステップS107)。また、制御回路5は、カウンタkの値を1だけインクリメントすると(ステップS108)、ステップS101にて、カウンタkの値「3」が第1グループのレイヤ数Nに達したと判断し(NO)、ステップS84にリターンする。こうして、制御回路5は、第1全体模様M1に係る部分模様D,B,Aの輪郭線及び枠線299のCutOutlineをRAM7に記憶させると共に、LapLine(0)、(1)を第1グループと対応付けてRAM7に記憶させ(ステップS84)、第2全体模様M2の切断データ作成処理に移行する(ステップS72にリターンする)。
図20に示す第2全体模様M2の切断データ作成処理において、制御回路5は、先ず初期設定として、レイヤの順番に対応するカウンタkを1に設定すると共に、TmpLapLine(k)をNullに設定する(ステップS91)。また、制御回路5は、レイヤ数Nを第2グループのレイヤ数である「2」に設定して、LayeredLine(0)〜(N−1)を、第2グループの部分模様及び枠線を左右反転させたLayeredLine(0)、(1)に設定する(ステップS92)。
具体的には、図10(a)の左側に示す第2グループの基台レイヤ50T−0と第1レイヤ50B−1は、前記ステップS65で順番を繰り上げたレイヤ50T−0,50B−1である。これらレイヤ50T−0,50B−1の部分模様D,Cは、第2全体模様M2として装飾物51の裏面側に表れる。それ故、各レイヤ50T−0,50B−1は、装飾物51を裏返して(表裏反転させて)全体模様M2を見るときの、当該裏返しによる左右反転に対応させる必要がある。この点、図10(a)の右側に示す、部分模様D及び枠線32を左右反転させた基台レイヤ50T−0のLayeredLine(0)は、前述した第1グループの基台レイヤ50B−0のLayeredLine(0)として、CutOutlineの作成に係る処理が既に行われている(図8、図9参照)。従って、ステップS92では、処理の対象として部分模様C及び枠線31を左右反転させた第1レイヤ50B−1のLayeredLine(1)に設定される。
続いて、制御回路5は、連接方向をX軸負方向402に設定して、CutOutlineの枠線299上にCutLapLineを設定する(ステップS93)。このときのCutLapLineは、第1グループの部分模様と第2グループの部分模様とにわたって、各枠線を連続的に繋げるために、第2グループの連接方向に応じて、枠線299上におけるX軸負方向402側の線分32dに設定し直すものである(図10(b)の太線、図9(b)参照)。
そして、制御回路5は、切断データ作成コア処理を実行する(ステップS94)。図21に示す切断データ作成コア処理において、制御回路5は、カウンタkが第2グループのレイヤ数Nよりも小さいか否かを判断する(ステップS101)。最初は、カウンタkの値が、第2グループのレイヤ数Nよりも小さい1であるため、ステップS102に移行する。次いで、制御回路5は、ステップS102において、カウンタkの値が奇数であると判断すると(YES)、ステップS103へ移行する。
ステップS103において、制御回路5は、現時点のカウンタkの値(=1)に対応する第1レイヤ50B−1について、そのLayeredLine(1)の枠線31上にTmpLapLine(1)を設定する。この場合、図10(b)の太線で示すように、TmpLapLine(1)は、前記ステップS3で指定された第2グループの連接方向に基づき、当該枠線31上におけるX軸負方向402側の線分31bに設定される。
また、制御回路5は、第1レイヤ50B−1について、TmpLapLine(1)の線分31bを基準に、部分模様B及び枠線31が対称形状となるようにLayeredLine(1)を変換する(ステップS105)。これにより、LayeredLine(1)は、線分31bを対称軸として、部分模様C及び枠線31を線対称の形状としたデータに変換される(図4(c)、図10(b)参照)。
続いて、制御回路5は、CutOutlineに設定されている枠線299と、第1レイヤ50B−1のLayeredLine(1)とを合成する(ステップS106)。この合成において、制御回路5は、CutOutlineとしての枠線299とLayeredLine(1)の枠線31とを、夫々のCutLapLine,TmpLapLine(1)たる線分32d,31bで重畳させて繋げた長方形状に連接する(図10(b)参照)。これにより、制御回路5は、CutOutlineを、枠線31〜34を繋げた線分31a,32a,33a,34a,34b,34c,33c,32c,31c,31dからなる枠線300と、部分模様C,D,B,Aの輪郭線とのベクトルデータに更新する。また、制御回路5は、重畳させた2つの線分32d,31bを、1つのLapLine(0)として更新する。
この後、制御回路5は、CutLapLineを、CutOutlineの枠線300上におけるX軸負方向402側の線分31dに設定する(ステップS107)。また、制御回路5は、カウンタkの値を1だけインクリメントすると(ステップS108)、ステップS101にて、カウンタkの値「2」が第2グループのレイヤ数Nに達したと判断し(NO)、ステップS95にリターンする。こうして、制御回路5は、第1、第2全体模様M1,M2に係る全体のCutOutlineをRAM7に記憶させると共に、LapLine(0)を第2グループと対応付けてRAM7に記憶させ(ステップS95)、ステップS73にリターンする。
ステップS73において、制御回路5は、CutOutlineとして設定された、第1グループ(表面用)のLapLine(0)、(1)と、第2グループ(裏面用)のLapLine(0)を除く枠線300と部分模様A〜Dとの切断線データを作成する(ステップS73)。このとき、全体の枠線300の各点P〜Pの座標データに基づいて、点Pを切断開始点及び切断終了点とする切断線データを作成する(図5、図10(b)参照)。また、部分模様Aの点P〜P、部分模様Bの点P〜P、部分模様Cの点P〜P、部分模様Dの点P〜Pの各座標データに基づいて、夫々の点Pを切断開始点及び切断終了点とする4つの輪郭線の切断線データが作成される(図5、図4(a)〜(d)参照)。
更に、制御回路5は、ステップS74,S75において、折り線の切断線データの作成処理を、グループ毎に実行する。図22は、第1グループに対応付けた表面用のLapLine(0)、(1)の処理内容を示している。同図に示すように、制御回路5は、LapLineで繋げた順番に対応するカウンタmを0にリセットし(ステップS111)、そのカウンタmの値が、第1グループのレイヤ数N−1である「2」よりも小さいか否かを判断する(ステップS112)。最初は、カウンタmの値が第1グループのレイヤ数N−1よりも小さい0であるため、ステップS113に移行する。これに対し、カウンタmの値が第1グループのレイヤ数N−1と等しいか又は大きい場合、ステップS75へリターンする。
制御回路5は、ステップS113において、カウンタmの値が奇数か否かを判断する。カウンタmの値が奇数の場合(YES)、ステップS115に移行し、カウンタmの値が偶数の場合(NO)、ステップS114に移行する。具体的には、現時点ではカウンタmの値が0であることから、ステップ113はNOとなり、ステップS114へ移行する。
ステップS114において、制御回路5は、現時点のカウンタmの値(=0)に対応する第1グループのLapLine(0)について、谷折り線42の切断線データを作成する。このとき、LapLine(0)の両端の点Ps,Peの座標データに基づいて(図10(b)、図5参照)、その点Psを切断開始点、点Peを切断終了点として、谷折り線42の破線を特定する属性フラグを含む切断線データを作成する。
次いで、制御回路5は、ステップS116でカウンタmの値を1だけインクリメントした1として(m=1)、ステップS112にリターンする。制御回路5は、カウンタmの値「1」について、第1グループのレイヤ数N−1よりも小さく且つ奇数と判断する(ステップS112,S113で夫々YES)。この場合、制御回路5は、カウンタmの値に対応する第1グループのLapLine(1)について、山折り線43の切断線データを作成する(ステップS115)。このとき、LapLine(1)の両端の点Ps,Peの座標データに基づいて(図10(b)、図5参照)、その点Ps、Peを切断開始点及び切断終了点とし、山折り線43の一点鎖線を特定する属性フラグを含む切断線データを作成する。
この後、制御回路5は、カウンタmの値を1だけインクリメントすると(ステップS116)、ステップS112にて、カウンタmの値「2」が第1グループのレイヤ数N−1に達したと判断し(NO)、ステップS75へリターンする。
図23は、ステップS75で実行される、裏面用のLapLine(0)の処理内容を示している。この場合、制御回路5は、カウンタmを0にリセットし(ステップS121)、そのカウンタmの値が、第2グループのレイヤ数N−1である「1」よりも小さいか否かを判断する(ステップS122)。最初は、カウンタmの値が第2グループのレイヤ数N−1よりも小さい0であるため、ステップS123に移行する。これに対し、カウンタmの値が第2グループのレイヤ数N−1と等しいか又は大きい場合、ステップS76へリターンする。
制御回路5は、ステップS123において、カウンタmの値が偶数か否かを判断する。カウンタmの値が偶数の場合(YES)、ステップS125に移行し、カウンタmの値が奇数の場合(NO)、ステップS124に移行する。具体的には、現時点ではカウンタmの値が0であることから、ステップ123はYESとなり、ステップS125へ移行する。
ステップS125において、制御回路5は、現時点のカウンタmの値(=0)に対応する第2グループのLapLine(0)について、山折り線41の切断線データを作成する。このとき、LapLine(0)の両端の点Ps,Peの座標データに基づいて(図10(b)、図5参照)、その点Psを切断開始点、点Peを切断終了点として、山折り線41の一点鎖線を特定する属性フラグを含む切断線データを作成する。
この後、制御回路5は、カウンタmの値を1だけインクリメントすると(ステップS126)、ステップS122にて、カウンタmの値「1」が第2グループのレイヤ数N−1に達したと判断し(NO)、ステップS76へリターンする。
なお、例えば第2グループのレイヤ数N−1が「2」以上の値をとり(ステップS122にてYES)、且つステップS126でインクリメントされたカウンタmの値が奇数になるとき(ステップS123でNO)、制御回路5により、第2グループのLapLine(m)について、谷折り線の切断線データが作成される(ステップS124)。それ故、上記したステップS74,S75の実行により、LapLineで繋げた順番mの奇数、偶数に応じて、山折り線41,43と谷折り線42が、前記連接方向401,402たる左右方向に折り線位置毎に互い違いとなるように配置される(図3(c)参照)。
こうして、制御回路5は、作成した各部分模様A〜Dの輪郭線、枠線300、及び各折り線41〜43の切断線データを、RAM7に記憶する(ステップS76)。また、制御回路5は、当該切断線データに、前述した終了コードや、表示用のデータ等を付加して、折り重ね用切断データの作成処理を終了する(エンド)。
なお、前記表示用のデータは、前記ステップS60で記憶した各レイヤ50B−0〜50B−2を利用して、第1全体模様M1と第2全体模様M2を夫々凹状に表すことができる。即ち、第1全体模様M1については、図6(d)に示す第1レイヤ50T−1について部分模様Bの輪郭内を切り欠いた橙色の画像レイヤ50T−1と、第2レイヤ50B−2について部分模様Aの輪郭内を切り欠いた茶色の画像レイヤ50B−2を生成する。そして、基台レイヤ50B−0となる茶色の画像レイヤ50B−0の前側に橙色の画像レイヤ50T−1を重ね、その画像レイヤ50T−1の前側に茶色の画像レイヤ50B−2を重ねる(図3(d)参照)。これにより、最も表面側となる茶色の画像レイヤ50B−2に対して、部分模様Aの内方を、後側の画像レイヤ50B−0,50T−1により茶色と橙色の2色で表して第1全体模様M1が凹状となる。
他方、第2全体模様M2については、図7(d)に示す第1レイヤ50T−1について部分模様Dの輪郭内を切り欠いた橙色の画像レイヤ50T−1と、第2レイヤ50B−2について部分模様Cの輪郭内を切り欠いた茶色の画像レイヤ50B−2を生成する。そして、基台レイヤ50B−0となる茶色の画像レイヤ50B−0の前側に橙色の画像レイヤ50T−1を重ね、その画像レイヤ50T−1の前側に茶色の画像レイヤ50B−2を重ねる(図3(e)参照)。これにより、最も表面側となる茶色の画像レイヤ50B−2に対して、部分模様Cの内方を、後側の画像レイヤ50B−0,50T−1により茶色と橙色の2色で表して第2全体模様M2が凹状となる。
更に、切断データ作成装置1側で作成した折り重ね用切断データを、切断装置11側で受信して、折り重ね用切断データに基づき切断動作を実行させることができる。この場合、切断装置11において、1枚のシート材200から各部分模様A〜Dの輪郭線及び枠線300が切断されると共に、各折り線41〜43が形成された1枚のシート片20を切り抜くことができる(図3(c)参照)。
ユーザは、各折り線41〜43を折り重ねの指標となる目印として、シート片20の山折り線41での山折りと谷折り線42での谷折りと山折り線43での山折りとを交互に行い、ジグザグ折りにする。これにより、シート片20が、枠線31〜34で画されたシート部20−1〜20−4単位で折り重なり、表面側で部分模様A,B,Eが組み合わさった第1全体模様M1と、裏面側で部分模様C,D,Eが組み合わさった第2全体模様M2との表裏両面の装飾物51を作製することができる。このとき、第1全体模様M1は、図3(a)に示すように、シート部20−2,20−4の茶色と、シート部20−3の橙色との2色で表わされる。同様に、第2全体模様M2は、図3(b)に示すように、シート部20−1,20−3の茶色と、シート部20−2の橙色との2色で表わされる。
上記したように、シート片20におけるシート部20−2は、第1、第2グループの部分模様A〜Eに共通する1つの基台シート部を構成する(図8(b)、(d)の基台レイヤ50B−0,50T−0参照)。この場合、第1全体模様M1において、折り重ねに伴い表裏反転するシート部20−3の部分模様Bは、基台シート部20−2側から表面側への重なり順の順番が偶数番目(前記ステップS102では「1」から順番を数えるため奇数番目)となる(図3(d)参照)。他方、第2全体模様M2において、表裏反転する基台シート部20−2の部分模様Dは、裏面側への重なり順の順番が奇数番目である「1」となる(図3(e)参照)。本実施形態にあっては、当該部分模様B,Dを、前記重畳線を基準に対称形状となる部分模様に変換する、ステップS92,S105の変換工程を実行する。このため、シート片20をジグザグ折りにしても、当該部分模様B,Dを表面側或は裏面側で所期の向きに合わせることができる折り重ね用切断データを自動的に作成することができる。
上記した実施形態と異なり、部分模様を切断した複数のシート材を積層することにより装飾物を作製することが考えられる。しかしながら、複数のシート材が必要であり、作製の手間がかかる上に、個々のシートを重ねるときの位置や向きの調整が必要となる。これに対し、本実施形態のシート部20−1〜20−4は、1枚のシート片20として繋げた構成であるため、装飾物51の作製の手間或は作製時間を大幅に減らすことが可能となる。また、折り線41〜43を折り重ねの指標としてシート部20−1〜20−4単位で折り重ねるだけで、部分模様A〜E相互間の正確な位置合せを行うことができる。
また、本実施形態では、シート部に相当するレイヤの数Nを減らすステップ(S64、S65の工程)を実行する。このため、第1全体模様M1と第2全体模様M2を表すシート部の数を少なくすることができる。即ち、シート片20の大きさを、効率的に小さくする切断データを自動的に作成することができる。
この点、レイヤ数Nを減らす条件は、図17で説明したステップS63に限定するものではなく、第1グループの第1レイヤ50のLayeredLine(1)と、第2グループの第1レイヤ50のLayeredLine(1)の対称形状と一致する場合でも(ステップS61にてYES)、レイヤ数Nを減らすことができる。この第1レイヤ50に相当するシート部を有する装飾物について、図24、図25を参照しながら説明する。
図24(a)は、装飾物52の表面側に表れる第1グループの「リンゴ」の部分模様Qと、「星」の部分模様Rと、「周囲」の部分模様Tが組み合わさった第1全体模様M10を示す。図24(b)は、装飾物52の裏面側に表れる第2グループの「ブドウ」の部分模様Uと、「星」の部分模様Rと、「周囲」の部分模様Tが組み合わさった第2全体模様M20を示している。図24(c)は、装飾物52のシート片60を展開した状態を示しており、シート片60は、その一面60Reが赤色で、他面60Aqが水色の両面色紙である。また、シート片60は、3つのシート部60−1〜60−3で構成され、夫々の枠線71,72,73は、正八角形の部分模様Tの輪郭線を表すものとする。
ここで、シート片60を形成するための、折り重ね用切断データの元とする表裏両面の図柄画像データについては、図25(a)、(c)に示す原画が用いられる(前記ステップS1)。即ち、図25(a)に示すように、1つ目の原画に描画された図柄は、第1全体模様M10に対応しており、「リンゴ」を赤色Re、「星」を黒色Bl、「周囲」を水色Aqとする3つのパーツから構成される。一方、図25(c)に示すように、2つ目の原画に描画された図柄は、第2全体模様M20に対応しており、「ブドウ」を水色Aq、「星」を黒色Bl、「周囲」を赤色Reとする3つのパーツから構成される。
前記図柄画像データに基づいて、図25の枠線70〜73として部分模様Tの輪郭線が設定され(前記ステップS2)、それら枠線の連接方向は、前述したデフォルト方向401,402に設定されるものとする(前記ステップS3)。また、2つの図柄画像データに夫々含まれる「星」は、左右方向における枠線内の中央に位置する、線対称の形状である。従って、前記ステップS4の重なり順決定処理において、第1グループと第2グループとで共通する1つの「星」として、まとめることができる。
具体的には、重なり順決定処理において、第1グループの部分模様T,Q,Rは、夫々の階層の深さについて0,1,2(図25(b)のh(0)、(1)、(2)参照)が取得される結果、模様番号(同図25(b)の四角で囲った「0」〜「2」の順番)は、部分模様R、部分模様Q、部分模様Tの順に設定される。それ故、各部分模様R,Q,Tの順番「0」〜「2」に対応するレイヤ50Bl−0、50Re−1、50Aq−2には、図25(b)の下段に示すLayeredLineが設定される。即ち、順番が「0」の基台レイヤ50Bl−0は枠線70のLayeredLine(0)、順番が「1」の第1レイヤ50Re−1は枠線72及び部分模様RのLayeredLine(1)、順番が「2」の第2レイヤ50Aq−2は枠線73及び部分模様QのLayeredLine(2)が設定される。
他方、第2グループの部分模様T,U,Rは、夫々の階層の深さについて0,1,2(図25(d)のh(0)、(1)、(2)参照)が取得される結果、模様番号(同図25(d)の四角で囲った「0」〜「2」の順番)は、部分模様R、部分模様U、部分模様Tの順に設定される。それ故、各部分模様R、U、Tの順番「0」〜「2」に対応するレイヤ50Bl−0、50Aq−1、50Re−2には、図25(d)の下段に示すLayeredLineが設定される。即ち、順番が「0」の基台レイヤ50Bl−0は枠線70のLayeredLine(0)、順番が「1」の第1レイヤ50Aq−1は枠線72及び部分模様RのLayeredLine(1)、順番が「2」の第2レイヤ50Re−2は枠線71及び部分模様UのLayeredLine(2)が設定される。
この場合、制御回路5は、第1グループの第1レイヤ50Re−1の枠線72及び部分模様Rが、第2グループの第1レイヤ50Aq−1の枠線72及び部分模様Rの対称形状と一致すると判断する(ステップS61にてYES)。このとき、制御回路5は、ディスプレイ3に、「基台シート部が不要または必要」を選択させる選択画面(図示略)を表示させる(ステップS62)。ユーザは、選択画面を見ながら入力部4を操作して選択を行う。制御回路5は、入力部4からの選択指令が「基台シートが不要」である場合(ステップS62にてYES)、ステップS66へ移行する。
ステップS66において、制御回路5は、第1グループの基台レイヤ50Bl−0をLayeredLine(0)のデータごと削除すると共に、当該削除に伴い、その余のレイヤ50Re−1,50Aq−2の順番「1」、「2」を「0」、「1」に繰り上げる。同様に、制御回路5は、第2グループの基台レイヤ50Bl−0をLayeredLine(0)のデータごと削除し、その余のレイヤ50Aq−1,50Re−2の順番を「0」、「1」に繰り上げる。こうして、原画の黒色を表す2つのレイヤ50Bl−0を削除し、以ってシート部の数を減らしたシート片60の折り重ね用切断データを作成することができる(前記ステップS5)。
なお、制御回路5は、入力部4からの選択指令が「基台シートが必要」である場合(ステップS62にてNO)、基台レイヤ50Bl−0を削除することなくリターンして、図11のステップS5に移行する。このため、図25(b)に示す3つのレイヤ50Bl−0,50Re−1,50Aq−2と図25に示す2つのレイヤ50Aq−1,50Re−2とに相当する、図示しない5つのシート部で構成されるシート片の折り重ね用切断データを作成することができる(前記ステップS5)。
以上説明したように、本実施形態の切断データ作成方法は、複数の部分模様の各枠線について、注目する一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部とを重ねるための重畳線(線分31b,32d,32b,33b,33d,34d)を、第1グループの部分模様及び第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定する重畳線設定工程(ステップS82,S93,S102〜S105,S106,S107)と、一の部分模様の枠線と他の部分模様の枠線とを、重畳線設定工程で設定された重畳線で繋げることで、第1グループの部分模様と第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する連接工程(ステップS106)と、前記連接工程で繋げた前記枠線のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成する切断データ作成工程(ステップS73)と、を備える。
これによれば、重畳線設定工程で、一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部との重畳線が、第1グループの部分模様及び第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定される。また、連接工程で、一の部分模様の枠線と他の部分模様の枠線とを重畳線で繋げることで、第1グループの部分模様と第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する。これにより、被切断物としてのシート(例えばシート片20)について、複数の部分模様A〜Eに係る枠線31〜34のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成することができる。このため、このため、作成した切断データに基づきシートを切断し、枠線で画された単位でシート片20を折り重ねれば、その表面側に第1グループの部分模様A,B,Eが組み合わさった第1全体模様M1を表し、裏面側に第2グループの部分模様C〜Eが組み合わさった第2全体模様M2を表す表裏両面の装飾物51を容易に作製することができる。即ち、表裏両面に全体模様M1,M2が表された見栄えが良い装飾物51を、手間をかけずに容易に作製することができる。
また、切断データ作成装置1の制御回路5は、前記重畳線を、第1グループの部分模様及び第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定する重畳線設定手段、第1グループの部分模様A,B,Eと第2グループの部分模様C〜Eとにわたって、各枠線31〜34が連続的に繋がる形状に連接する連接手段、この連接手段で繋げた枠線31〜34のうち前記重畳線を除く枠線300を切断する切断データを作成する切断データ作成手段として構成されている。
これによれば、重畳線設定手段で、一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部との重畳線が、第1グループの部分模様及び第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定される。また、連接手段で、一の部分模様の枠線と他の部分模様の枠線とを重畳線で繋げることで、第1グループの部分模様と第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する。これにより、被切断物としてのシート片20について、複数の部分模様A〜Eに係る枠線31〜34のうち前記重畳線を除く枠線300を切断する切断データを作成することができる。このため、作成した切断データに基づきシートを切断し、枠線31〜34で画された単位でシート片20を折り重ねれば、その表面側に第1グループの部分模様A,B,Eが組み合わさった第1全体模様M1を表し、裏面側に第2グループの部分模様C〜Eが組み合わさった第2全体模様M2を表す表裏両面の装飾物51を容易に作製することができる。即ち、表裏両面に全体模様M1,M2が表された見栄えが良い装飾物51を、手間をかけずに容易に作製することができる。
前記切断データ作成方法は、シート片20を折り重ねたときの複数の部分模様A〜Eの重なり順の順番を決定する順番決定工程(ステップS22,S25、順番決定手段としての制御回路5)を備え、重畳線設定工程(重畳線設定手段)は、順番決定手段で決定された前記順番に応じて、各部分模様A〜Eの枠線31〜34の重畳線を設定する。
これによれば、シート片20を折り重ねたときの部分模様A〜Eの重なり順の順番に応じて、枠線31〜34の重畳線が設定される。これにより、シート片20について、前記順番に応じて設定された重畳線で枠線31〜34を連接することができる。
シート片20を折り重ねたときにおける第1グループの部分模様A,B,E相互間での重なり順の順番が偶数番目となる部分模様Bを、その枠線33の重畳線33bを基準に対称形状となる部分模様Bに変換し、且つシート片20を折り重ねたときにおける第2グループの部分模様C〜E相互間での重なり順の順番が奇数番目となる部分模様Dを、その枠線32の重畳線32dを基準に対称形状となる部分模様に変換する変換工程(ステップS92,S105、変換手段としての制御回路5)を備える。
これによれば、シート片20の折り重ねに伴い表裏反転する部分模様B,Dを対称形状に変換することで、当該折り重ねにより、その余の部分模様A,C,Eと即した組み合わせの全体模様M1,M2が得られる折り重ね用切断データを作成することができる。
前記枠線31〜34は、その内方に部分模様A〜Dを包含し、又は、部分模様Eの輪郭線の少なくとも一部を構成する。これによれば、枠線31〜34によって、部分模様A〜Eを画すると共に、その画する単位でシート片20を折り重ねることで、部分模様A〜Eを簡単に重ね合わせることができる。
前記切断データ作成工程(切断データ作成手段)は、前記重畳線を折り線位置として折り重ねの指標となる目印の切断データを更に作成する。これによれば、シート片20における目印が、重畳線を折返し位置とする指標となるため、シート片20を容易に折り重ねることができる。
前記目印は、折り線位置を示す線であって、シート片20を山折りすることを示す山折り線41,43と、シート片20を谷折りすることを示す谷折り線42とを含み、山折り線41,43と谷折り線42は線の種類が異なる。これによれば、山折り線41,43と谷折り線42を目印として、シート片20の山折りと谷折りを正しく且つ容易に行うことができる。
なお、折り線位置は、上記した破線や一点鎖線以外の線で特定してもよく、前記目印は、折り重ねの指標となるものであればよい。
山折り線41,43と谷折り線42は、枠線31〜34を連接した方向401,402において折り線位置毎に互い違いとなるように配置されている。この構成において、山折り線41,43での山折りと谷折り線42での谷折りを行えば、ジグザグ状に折り重ねたシート片20で第1全体模様M1と第2全体模様M2を表す装飾物51の折り重ね用切断データとすることができる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。切断データ作成装置は、所謂専用機や切断装置11に切断データ作成機能を持たせた構成としてもよい。
前記切断データ作成プログラムを記録した記録媒体は、前記外部記憶装置9に限定されるものではなく、USBメモリ、CD−ROM、フレキシブルディスク、DVD、メモリカード等の各種の記録媒体であってもよい。この場合、当該記録媒体に記録されたプログラムを、種々のデータ処理装置のコンピュータに読み込んで実行させることにより、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
1 切断データ作成装置
5 制御手段(重畳線設定手段、連接手段、切断データ作成手段、順番決定手段、変換手段)
20,60 シート(シート片)
31〜34、70〜73 枠線
41〜43 目印(山折り線、谷折り線)
51,52 装飾物
A〜E,Q,R,T,U 部分模様
M1,M2,M10、M20 全体模様
LapLine 重畳線

Claims (15)

  1. 枠線で画された複数の部分模様を繋げた形状に切断したシートを前記枠線で画された単位で折り重ねることにより、その表(おもて)面側に表れる第1グループの部分模様が組み合わさった第1全体模様と、裏面側に表れる第2グループの部分模様が組み合わさった第2全体模様との表裏両面の装飾物を作製するための、切断データを作成する切断データ作成方法であって、
    前記複数の部分模様の各枠線について、注目する一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部とを重ねるための重畳線を、前記第1グループの部分模様及び前記第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定する重畳線設定工程と、
    前記一の部分模様の枠線と前記他の部分模様の枠線とを、前記重畳線設定工程で設定された前記重畳線で繋げることで、前記第1グループの部分模様と前記第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する連接工程と、
    前記連接工程で繋げた前記枠線のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成する切断データ作成工程と、
    を備えることを特徴とする切断データ作成方法。
  2. 前記シートを折り重ねたときの前記複数の部分模様の重なり順の順番を決定する順番決定工程を備え、
    前記重畳線設定工程は、前記順番決定工程で決定された前記順番に応じて、前記複数の部分模様の各枠線の重畳線を設定することを特徴とする請求項1記載の切断データ作成方法。
  3. 前記シートを折り重ねたときにおける前記第1グループの部分模様相互間での重なり順の順番が偶数番目となる部分模様を、その枠線の前記重畳線を基準に対称形状となる部分模様に変換し、且つ
    前記シートを折り重ねたときにおける前記第2グループの部分模様相互間での重なり順の順番が奇数番目となる部分模様を、その枠線の前記重畳線を基準に対称形状となる部分模様に変換する変換工程を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の切断データ作成方法。
  4. 前記枠線は、その内方に前記部分模様を包含し、又は、前記部分模様の輪郭線の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の切断データ作成方法。
  5. 前記切断データ作成工程は、前記重畳線を折り線位置として前記折り重ねの指標となる目印の切断データを更に作成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の切断データ作成方法。
  6. 前記目印は、前記折り線位置を示す線であって、前記シートを山折りすることを示す山折り線と、前記シートを谷折りすることを示す谷折り線とを含み、前記山折り線と前記谷折り線は線の種類が異なることを特徴とする請求項5の記載の切断データ作成方法。
  7. 前記山折り線と前記谷折り線は、前記枠線を連接した方向において前記折り線位置毎に互い違いとなるように配置されていることを特徴とする請求項6の記載の切断データ作成方法。
  8. 枠線で画された複数の部分模様を繋げた形状に切断したシートを前記枠線で画された単位で折り重ねることにより、その表(おもて)面側に表れる第1グループの部分模様が組み合わさった第1全体模様と、裏面側に表れる第2グループの部分模様が組み合わさった第2全体模様との表裏両面の装飾物を作製するための、切断データを作成する切断データ作成装置であって、
    前記複数の部分模様の各枠線について、注目する一の部分模様の枠線の一部と他の部分模様の枠線の一部とを重ねるための重畳線を、前記第1グループの部分模様及び前記第2グループの部分模様の夫々の組み合わせに応じて設定する重畳線設定手段と、
    前記一の部分模様の枠線と前記他の部分模様の枠線とを、前記重畳線設定手段で設定された前記重畳線で繋げることで、前記第1グループの部分模様と前記第2グループの部分模様とにわたって、各枠線が連続的に繋がる形状に連接する連接手段と、
    前記連接手段で繋げた前記枠線のうち前記重畳線を除く枠線を切断する切断データを作成する切断データ作成手段と、
    を備えることを特徴とする切断データ作成装置。
  9. 前記シートを折り重ねたときの前記複数の部分模様の重なり順の順番を決定する順番決定手段を備え、
    前記重畳線設定手段は、前記順番決定手段で決定された前記順番に応じて、前記複数の部分模様の各枠線の重畳線を設定することを特徴とする請求項8記載の切断データ作成装置。
  10. 前記シートを折り重ねたときにおける前記第1グループの部分模様相互間での重なり順の順番が偶数番目となる部分模様を、その枠線の前記重畳線を基準に対称形状となる部分模様に変換し、且つ
    前記シートを折り重ねたときにおける前記第2グループの部分模様相互間での重なり順の順番が奇数番目となる部分模様を、その枠線の前記重畳線を基準に対称形状となる部分模様に変換する変換手段を備えることを特徴とする請求項8又は9記載の切断データ作成装置。
  11. 前記枠線は、その内方に前記部分模様を包含し、又は、前記部分模様の輪郭線の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項8〜10の何れか一項記載の切断データ作成装置。
  12. 前記切断データ作成手段は、前記重畳線を折り線位置として前記折り重ねの指標となる目印の切断データを更に作成することを特徴とする請求項8〜11の何れか一項記載の切断データ作成装置。
  13. 前記目印は、前記折り線位置を示す線であって、前記シートを山折りすることを示す山折り線と、前記シートを谷折りすることを示す谷折り線とを含み、前記山折り線と前記谷折り線は線の種類が異なることを特徴とする請求項12の記載の切断データ作成装置。
  14. 前記山折り線と前記谷折り線は、前記枠線を連接した方向において前記折り線位置毎に互い違いとなるように配置されていることを特徴とする請求項13の記載の切断データ作成装置。
  15. 請求項8〜14の何れか一項記載の切断データ作成装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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