JP2016067269A - 繰出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】種子を一定の粒数ずつ正確に、圃場面に点播することができる繰出装置を提供する。
【解決手段】ホッパーHの下部に繰出ロールAを配置し、該繰出ロールAの外周面に開口した繰出凹部1内に、該ホッパーHの種子落入口19からの繰出物を落入させて、該繰出ロールAを回転させながら、該繰出凹部1の表面に接当させる掻落しブラシ3により掻き落とし、種子落下口20より落下させる繰出装置において、前記繰出凹部1内へ繰出物が落下する種子落入口19の入口上部に、垂直方向に立設した遮蔽板2を設け、該遮蔽板2の回転方向の後側で、種子繰出ロールAが上方へ回転した最上部に、前記掻落しブラシ3を垂直に立設して、繰出ロールAに接当させた。
【選択図】図2

Description

本発明は、一定量の肥料を圃場に散布する施肥機や、苗を育てる播種床に一定量の種子を播いたり、または圃場に直接に一定量の種子を播く直播き行う直播装置において用いる繰出装置に関するものである。
従来から、施肥機又は播種機の繰出装置において、種子繰出ロールの外周に繰出凹部を開口し、この繰出凹部に肥料や種子などの繰出物を落入させて、一定以上の繰出物を、掻落しブラシにより掻き落とすという技術は、種々の文献により公知とされているのである。
例えば、同一出願人による下記の3件の特許文献により開示されている技術の如くである。
特開2007−037495号公報 特開2012−120483号公報 特開2014−036609号公報
施肥機や播種機は、繰出物を一定の粒数ずつ圃場面に、撒布することを目的としており、該一定の位置における肥料や種子などの繰出物の粒数は、正確に略同数であることが要求されるのである。種子の場合などは粒数に多寡があることが問題となるのである。
また、繰出物は、そのままの肥料や種子を播く場合もあるが、肥料や種子の外周にコーティング剤をコーティングした繰出物が施肥機又は播種機の繰出装置に供給される場合もあるのである。
このような場合には、施肥機又は播種機の繰出装置の繰出ロールと掻落しブラシとの間で、強い圧迫力が働いて、コーティングされた繰出物のコーティング剤が破壊されたり剥ぎ取られたりするという不具合もあったのである。
本発明は、施肥機又は播種機の繰出装置において撒布する際において、1カ所における繰出物の粒数や量が、正確に一定となるようにすることを目的とするものである。
また、繰出凹部と掻落しブラシとの間で、コーティング部材を破壊したり、剥いだりするのを阻止することを目的とするものである。
請求項1においては、ホッパー(H)の下部に繰出ロール(A)を配置し、該繰出ロール(A)の外周面に開口した繰出凹部(1)内に、該ホッパー(H)の種子落入口(19)からの繰出物(S)を落入させて、該繰出ロール(A)を回転させながら、該繰出凹部(1)の表面に接当させる掻落しブラシ(3)により掻き落とし、種子落下口(20)より落下させる繰出装置において、前記繰出凹部(1)内へ繰出物が落下する種子落入口(19)の入口上部に、垂直方向に立設した遮蔽板(2)を設け、該遮蔽板(2)の回転方向の後側で、種子繰出ロール(A)が上方へ回転した最上部に、前記掻落しブラシ(3)を垂直に立設したものである。
請求項2においては、請求項1記載の繰出装置において、前記遮蔽板(2)と掻落しブラシ(3)の間の種子繰出ロール(A)の外周面に、前記繰出物落入口(19)からの繰出物(S)が、該繰出物落入口(19)から掻落しブラシ(3)の方向へ一定以上の量の移動阻止し、繰出物(S)の重量が掛からない繰出物自由空間(31)を構成したものである。
請求項3においては、請求項1記載の繰出装置において、前記繰出ロール(A)の繰出凹部(1)の回転方向(G)の後側の側面(1a)は、前記繰出物落入口の底板(4)に設けられた傾斜角と同一方向とし、該繰出凹部(1)の前側の側面(1b)は、前記遮蔽板(2)の下方において、略垂直となる角度としたものである。
請求項4においては、請求項3記載の繰出装置において、該底板(4)と、繰出凹部(1)の後側の側面(1a)の延長線上に、繰出ロールのローラ駆動軸の軸心(O)が位置するものである。
請求項5においては、請求項4記載の繰出装置において、該底板(4)と、繰出凹部(1)の後側の側面(1a)の延長線と、水平線との成す角度(α)は約25度としたものである。
請求項6においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)より後方の、回転する繰出ロール(A)の外周面に、該繰出凹部(1)からの繰出物の落下を阻止するロール面ガイド板(5)を沿設したものである。
請求項7においては、請求項6記載の繰出装置において、前記ロール面ガイド板(5)の、掻落しブラシ(3)の直後における、該繰出ロール(A)との接当面には、繰出物をロール面ガイド板(5)に案内するガイド面を形成したものである。
請求項8においては、請求項6記載の繰出装置において、該ロール面ガイド板(5)は弾性体により、繰出ロール(A)の外周面に付勢接当させ、繰出物(S)により押圧された場合には、繰出ロール(A)との間隔を開くことが可能に構成したものである。
請求項9においては、請求項6記載の繰出装置において、前記ロール面ガイド板(5)は、水平線(L)から一定角度(β)までの長さとし、該一定角度(β)は、約30度としたものである。
請求項10においては、請求項1記載の繰出装置において、前記遮蔽板(2)は上下方向に位置を調節可能としたものである。
請求項11においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)は、繰出ロール(A)の上面に対して、上下位置を、繰出装置の外側から調整可能としたものである。
請求項12においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)は、付勢バネ(32)により、常時繰出ロール(A)に向けて付勢するものである。
請求項13においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)は、自重により、繰出ロール(A)に向けて押圧させるものである。
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1においては、ホッパー(H)の下部に繰出ロール(A)を配置し、該繰出ロール(A)の外周面に開口した繰出凹部(1)内に、該ホッパー(H)の種子落入口(19)からの繰出物(S)を落入させて、該繰出ロール(A)を回転させながら、該繰出凹部(1)の表面に接当させる掻落しブラシ(3)により掻き落とし、種子落下口(20)より落下させる繰出装置において、前記繰出凹部(1)内へ繰出物が落下する種子落入口(19)の入口上部に、垂直方向に立設した遮蔽板(2)を設け、該遮蔽板(2)の回転方向の後側で、種子繰出ロール(A)が上方へ回転した最上部に、前記掻落しブラシ(3)を垂直に立設したので、種子落入口(19)から繰出凹部(1)へ落入する場合には、遮蔽板(2)により制限されるので、繰出物(S)が量的に少なくなり、繰出凹部(1)内に入った状態で、掻落しブラシ(3)で掻き取る場合に、種子や肥料等の繰出物を押圧することがなく、正確な粒や量を繰り出すことができ、また種子や肥料のコーティング材を破壊したり、削り取ったりすることがなくなったのである。
請求項2においては、請求項1記載の繰出装置において、前記遮蔽板(2)と掻落しブラシ(3)の間の種子繰出ロール(A)の外周面に、前記繰出物落入口(19)からの繰出物(S)が、該繰出物落入口(19)から掻落しブラシ(3)の方向へ一定以上の量の移動阻止し、繰出物(S)の重量が掛からない繰出物自由空間(31)を構成したので、該遮蔽板(2)と掻落しブラシ(3)の間の、繰出ロール(A)の外周においては、ホッパー(H)からの種子や肥料の自重が掛からなくなり、繰出物自由空間(31)が出来るので、種子や肥料等の繰出物を押圧することがなく、正確な粒や量を繰り出すことができ、また種子や肥料のコーティング材を破壊したり、削り取ったりすることがなくなったのである。
請求項3においては、請求項1記載の繰出装置において、前記繰出ロール(A)の繰出凹部(1)の回転方向(G)の後側の側面(1a)は、前記繰出物落入口の底板(4)に設けられた傾斜角と同一方向としたので、底板(4)の上の繰出物が、繰出凹部(1)の落入空間(1d)の方向に向かって、底板(4)からの大きな抵抗を受けることなく、スムーズに落入するのである。
また、該繰出凹部(1)の前側の側面(1b)は、前記遮蔽板(2)の下方において、略垂直となる角度としたので、該遮蔽板(2)により遮蔽されている繰出物(S)が、真っ直ぐに、繰出凹部(1)内にスムーズに落下することが出来るのである。
請求項4においては、請求項3記載の繰出装置において、該底板(4)と、繰出凹部(1)の後側の側面(1a)の延長線上に、繰出ロールのローラ駆動軸の軸心(O)が位置するので、ホッパー(H)の種子整流部(27)から種子落入口(19)を通過して繰出凹部(1)内に入る繰出物(S)の方向を、最も流れ安く、ブリッジの出来ない角度とすることが出来るのである。
請求項5においては、請求項4記載の繰出装置において、該底板(4)と、繰出凹部(1)の後側の側面(1a)の延長線と、水平線との成す角度(α)は約25度としたので、繰出物(S)が繰出凹部(1)に入りやすくなり、かつ遮蔽板(2)と掻落しブラシ(3)により構成される繰出物自由空間(31)の大きさを最適とすることが出来るのである。
請求項6においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)より後方の、回転する繰出ロール(A)の外周面に、該繰出凹部(1)からの繰出物の落下を阻止するロール面ガイド板(5)を沿設したので、掻落しブラシ(3)により掻き落とされた後の、繰出凹部(1)内の繰出物を、ロール面ガイド板(5)により確実に保持して、種子落下口(20)まで搬送することが可能となったものである。
請求項7においては、請求項6記載の繰出装置において、前記ロール面ガイド板(5)の、掻落しブラシ(3)の直後における、該繰出ロール(A)との接当面には、繰出物をロール面ガイド板(5)に案内するガイド面(5a)を形成したので、掻落しブラシ(3)の直後において、ロール面ガイド板(5)にスムーズに受け継がれない繰出物(S)を、該ガイド面(5a)により、コーティング種子や通常の種子を傷めることなく、繰出ロール(A)とロール面ガイド板(5)の間において保持させることが出来るのである。
請求項8においては、請求項6記載の繰出装置において、該ロール面ガイド板(5)は弾性体により、繰出ロール(A)の外周面に付勢接当させ、繰出物(S)により押圧された場合には、繰出ロール(A)との間隔を開くことが可能に構成したので、掻落しブラシ(3)により種子を傷めることが少ないように構成した上に、ロール面ガイド板(5)と繰出ロール(A)の間においても、ロール面ガイド板(5)が逃げることが可能であるので、種子や肥料を傷めることが無くなったのである。
請求項9においては、請求項6記載の繰出装置において、前記ロール面ガイド板(5)は、水平線(L)から一定角度(β)までの長さとし、該一定角度(β)は、約30度としたので、掻落しブラシ(3)により掻き落とされた後の、繰出凹部(1)内の繰出物を、ロール面ガイド板(5)により確実に保持して、種子落下口(20)まで搬送することが可能となったものである。
請求項10においては、請求項1記載の繰出装置において、前記遮蔽板(2)は上下方向に位置を調節可能としたので、種子と肥料のように相違する場合や、コーティングしていたり、しなかったと相違する場合において、遮蔽板(2)の位置を調節することによだ、適当な繰出物自由空間(31)の自由度を調整することが出来るのである。
請求項11においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)は、繰出ロール(A)の上面に対して、上下位置を、繰出装置の外側から調整可能としたので、種子と肥料のように相違する場合や、コーティングしていたり、しなかったと相違する場合において、掻落しブラシ(3)が種子を傷めることのないように調整することが可能となったものである。
請求項12においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)は、付勢バネ(32)により、常時繰出ロール(A)に向けて付勢するので、従来のように掻落しブラシ(3)により強制的に種子や肥料を掻きとることが無くなったので、種子や肥料のコーティングを剥いだり、種子の発芽率を悪化させることが無くなったのである。
請求項13においては、請求項1記載の繰出装置において、前記掻落しブラシ(3)は、自重により、繰出ロール(A)に向けて押圧させるので、従来のように掻落しブラシ(3)により強制的に種子や肥料を掻きとることが無くなったので、種子や肥料のコーティングを剥いだり、種子の発芽率を悪化させることが無くなったのである。
歩行型播種機の全体側面図である。 繰出装置の種子繰出ロール(A)を示す側面断面図である。 同じく種子繰出ロール(A)を示す側面断面図である。 掻落しブラシ(3)を付勢バネ(32)により付勢した状態を示す側面断面図である。 掻落しブラシ(3)を自重により配置した状態を示す側面断面図である。 図5のC−C断面図である。 掻落しブラシ(3)と種子繰出ロール(A)の作用状態を示す側面図である。 掻落しブラシ(3)の側面図である。 掻落しブラシ(3)の正面図である。 従来の播種状態と本発明の繰出装置による播種状態を示す図である。 本発明の繰出装置の全体斜視図である。
図1において、本発明の繰出装置を、歩行型の播種機における実施例として図示した。 本実施例は、歩行型で人力駆動の播種機であり。繰出物として種子(S)について説明する。
故に、播種機における実施例であるから、繰出物落入口(19)が種子落入部(19)となる。
本実施例においては、歩行型人力駆動の播種機について技術内容を説明しているが、歩行型以外にトラクタに装着するアタッチメント型や、人力以外にモータ駆動や、エンジン駆動の播種専用機及び施肥専用機における繰出装置としても使用することが可能である。
歩行型人力駆動の播種機においては、走行押動ハンドル(12)と基台フレーム(26)と種子貯留部(16)と繰出装置と、駆動力取出ローラ(22)と、鎮圧ローラ(23)と、作溝爪(24)と、鎮圧板(25)と、駆動力伝達チエーンケース(21)等により基本的に構成されている。
基台フレーム(26)を機体の前後方向に配置し、該基台フレーム(26)より後方へ走行押動ハンドル(12)を突出している。該走行押動ハンドル(12)を作業者が押し操作することにより、播種機を前方に移動させると同時に、土壌との摩擦力で駆動力取出ローラ(22)により、播種機の駆動力を取り出すように構成している。
該駆動力取出ローラ(22)が土壌と摩擦することにより取りだした駆動力は、基台フレーム(26)の前後方向に沿って設置された駆動力伝達チエーンケース(21)を介して、チエーンにより種子繰出ロール(A)の回転力として取り出される。
前記種子繰出ロール(A)の周囲を、ロール室を構成する側板などにより被覆して、繰出室を構成し、該繰出室に、種子を落入させる為の種子ホッパー(H)が上部に配置されている。該種子ホッパー(H)は、種子貯留部(16)と種子整流部(27)と種子落入口(19)により空間が構成されている。
該種子貯留部(16)は、種子を一定量貯留する部分であり、種子整流部(27)は、該種子貯留部(16)から種子繰出ロール(A)に向う種子を、一定の方向に向けて整流する部分である。
走行押動ハンドル(12)の側から押す方向が矢印(F)の進行方向であり、種子繰出ロール(A)の回転方向(G)も、上面が矢印(F)の方向に、図1の側面図において、時計方向回転となっている。
図2の側面図においては、反対側の側面を図示しており、種子繰出ロール(A)の回転方向Gは反時計方向回転となっている。
作業者が走行押動ハンドル(12)を押すことにより、前進し、駆動力取出ローラ(22)により種子繰出ロール(A)の駆動力を取り出して、繰出装置を駆動し、圃場の土壌面に作溝爪(24)により、播種溝を形成し、該播種溝に一定数の種子を点状に播種する。その後を、鎮圧板(25)により押しつけて覆土を行い、覆土された種子と土壌を、更にその後の鎮圧ローラ(23)により鎮圧する。
基台フレーム(26)から上方へ突出されたU字状の保守管理用の把手(28)を設け、作業車が走行押動ハンドル(12)と保守管理用の把手(28)を把持して持ち上げ移動することが可能としている。
図2から図6の実施例において、「播種機の繰出装置」の実施例について説明する。
図1において、種子ホッパー(H)と種子貯留部(16)と種子整流部(27)と種子自由空間(31)について説明する。
種子ホッパー(H)は、上部において大量の種子を投入して貯留する種子貯留部(16)を構成している。該種子貯留部(16)の下方には、徐々に種子の量を少なくして調整し、種子落入口(19)に向って落下させる為の、種子整流部(27)をホッパー前板(8)との間で構成している。該ホッパー前板(8)より下方に遮蔽板(2)を垂下支持している。
また、繰出ロール(A)は繰出ケースを構成するロール室左側板(18)とロール室右側板(17)の間に配置されて、ローラ駆動軸(29)により軸受支持されている。
該種子整流部(27)においては、種子貯留部(16)と連通しており、種子貯留部(16)の内の種子の重量が、種子整流部(27)内の種子にある程度は掛かっている。
そして、該種子整流部(27)の下部は傾斜した底板(4)が配置されている。また、該底板(4)には、残留種子取出蓋(30)が設けられている。
該底板(4)は、図2におけるように水平線(L)に対して、上方に角度(α)だけ傾斜している。該角度(α)は、種子繰出ロール(A)の周囲に一定間隔をおいて開口された繰出凹部(1)の後側の側面(1a)の角度と同じ角度としている。
また、該角度(α)は、約25度としている。
該底板(4)に沿って、種子整流部(27)内の種子は、種子繰出ロール(A)の繰出凹部(1)に落入してゆくのであるが、該繰出凹部(1)内において、強く押圧されたり、必要以上の密度で押し込まれることのないように、本発明の要部である繰出物自由空間(31)が構成されている。
繰出凹部(1)の前側の側面(1b)は、繰出凹部(1)に対して、徐々に種子落入口(19)が開口するように、後側の側面(1a)よりも大きな傾斜面を具備させている。 該前側の側面(1b)の角度は、図3において図示する如く、上方から垂下されている遮蔽板(2)の下方において垂直となるような角度とすることにより、より種子(S)がスムーズに繰出凹部(1)に落入するのである。
本発明の要部は、繰出凹部(1)の内部に投入される種子の粒数を精度良く一定粒数とし、かつ該種子がコーティング種子の場合には、掻落しブラシ(3)との押圧で、コーティング部が破壊されることのないように、ゆったりとした一定の密度で落入されるように構成するものである。
その為に、図2の反時計方向への種子繰出ロール(A)の回転に伴って、繰出凹部(1)に投入される前の種子が、繰出凹部(1)内に無理に押し込められることの無いように、図5に図示する如く、発明が構成されているのである。
即ち、該繰出凹部(1)にゆったりと落入した種子(S)に、それ以上の種子(S)が押圧して落入することの無いように、種子落入口(19)の種子繰出ロール(A)の上方に、遮蔽板(2)が設けられている。
該遮蔽板(2)を設けることにより、種子整流部(27)の種子落入口(19)の部分からの押圧力を受けない、種子自由空間(31)を構成しているのである。
該遮蔽板(2)は、遮蔽板調節螺子(9)を緩めることにより、上下に微調整が可能としており、種子(S)の種子や、含水率や、コーティング種子の種類により、種子自由空間(31)の空間に移動出来る種子(S)の量を調整可能としている。
該遮蔽板(2)により、該掻落しブラシ(3)との間に、種子自由空間(31)を構成することにより、繰出凹部(1)内に落入した種子(S)に対して、それ以上の種子(S)が押し込まれることのないように、種子(S)への圧力を解除した自由の空間としているのである。
次に、掻落しブラシ(3)により、繰出凹部(1)の表面を削った場合にも、種子(S)がゆったりとした繰出凹部(1)の空間内で移動して、掻落しブラシ(3)の押圧力から逃げることが出来るように構成しているのである。
該掻落しブラシ(3)は、従来は、繰出凹部(1)内に山盛りとなった種子(S)の、余剰の部分の種子(S)を、無理矢理に、削り取って、粒数の調整や、種子(S)の量の調整を行っていたのである。
しかし、本発明において、繰出凹部(1)内の種子(S)に圧力を掛けずに、粒数を正確に一定にし、コーティング種子の皮膜を削りとることの内容に、掻落しブラシ(3)の押圧力が種子(S)に直線に強く掛からないように、遮蔽板(2)や繰出物自由空間(31)を設けているのである。
該種子自由空間(31)が構成されていることにより、種子(S)に対する掻落しブラシ(3)の押圧力が制限されて、種子の粒数を精密に一定数とし、またコーティング種子を傷めないという本発明の効果が発揮されるのである。
また、掻落しブラシ(3)は、図2と図7から図9に図示されているように構成されている。
即ち、図2において図示する如く、掻落しブラシ基部(3a)と掻落しブラシ(3)の本体の部分を具備しており、種子ホッパー(H)の側に構成された掻落しブラシ調節孔(11)内に掻落しブラシ基部(3a)の部分が挿入されて、上部に設けた掻落しブラシ調節螺子(10)を回転し調整することにより、掻落しブラシ(3)の先端位置を微調整することを可能としている。
また、掻落しブラシ(3)の繰出ロール(A)に外周に側面から見た幅は、繰出ロール(A)の外周における繰出凹部(1)の側面視の幅よりも十分に大きく構成している。これにより、該掻落しブラシ(3)が繰出凹部(1)を確実に閉塞可能な構成としている。
また、図4に図示する如く、掻落しブラシ調節孔(11)の内部に付勢バネ(32)を介装し、該付勢バネ(32)により掻落しブラシ(3)を繰出ロール(A)に向けて付勢することにより、種子(S)からの押圧力がある場合には、掻落しブラシ(3)が逃げることが可能となるように構成しているのである。
また、図5においては、掻落しブラシ(3)は自重で繰出ロール(A)に接当するように構成されており、掻落しブラシ調節螺子(10)は、掻落しブラシ(3)の最上位の位置を制限するのみに構成している。
このように、掻落しブラシ(3)の繰出ロール(A)への押圧力を弱めた構成とすることにより、種子(S)を傷めることのないようにする効果を得ることが出来るのである。
また、該掻落しブラシ(3)から、種子繰出ロール(A)の回転方向Gの後側には、種子繰出ロール(A)の円弧に沿うように、ロール面ガイド板(5)が付設されている。
このロール面ガイド板(5)と種子繰出ロール(A)とにより、繰出凹部(1)内の種子(S)が、早めに種子落下口(20)に落下するのを阻止している。
該掻落しブラシ(3)の直後において、ロール面ガイド板(5)が開始する位置において、掻落しブラシ(3)からロール面ガイド板(5)への種子(S)のスムーズの移動を可能とする為に、図4に示すように、ガイド面(5a)を構成している。
該ガイド面(5a)は、円弧状に構成することも出来るし、徐々に狭くなる傾斜状に構成しても良いのである。
掻落しブラシ(3)により傷めない種子(S)を、ロール面ガイド板(5)によって傷めることのないように構成しているのである。
図2において、種子繰出ロール(A)は、駆動力取出ローラ(22)の回転を伝える駆動力伝達チエーンケース(21)からの動力により駆動されるローラ駆動軸(29)を具備している。ローラ駆動軸(29)の中心が軸心(O)である。
該ロール面ガイド板(5)は、掻落しブラシ(3)の後面から、ローラ駆動軸(29)の軸心(O)を通過する水平線(L)に対して、角度(β)だけ下方の位置まで延設されている。該角度(β)は、約30度に構成している。該ローラ駆動軸(29)の軸心(O)を通過する水平線(L)から一定角度(β)だけ下方において、繰出凹部(1)内の種子(S)は自由に落下が許容されるのである。
また、該ロール面ガイド板(5)は、種子(S)からの押圧力が大きくなった場合には、逃げる方向に回動を可能としており、上方の枢支部(5b)において枢支されている。また、該ロール面ガイド板(5)自体がスポンジなどの弾性体で構成されており、種子(S)からの押圧力で逃げる方向に移動可能としている。しかし、種子(S)の保持力は常時維持することが可能な構成としているのである。
また底板(4)に繋がるロール室下側板(13)を設け、該ロール室下側板(13)と種子繰出ロール(A)との間には、ロール室下側板空隙(13a)が構成されている。このロール室下側板空隙(13a)は、種子繰出ロール(A)とロール室下側板(13)との無用な摩擦を解消するものである。
図7から図9においては、掻落しブラシ(3)と種子繰出ロール(A)の外周との関係構成が開示されている。
該掻落しブラシ(3)は、種子繰出ロール(A)の外周に正確に沿うように、図7の如く側面視で種子繰出ロール(A)に沿った円弧状に構成し、図8に図示するように、種子繰出ロール(A)の回転方向Gから見た場合には、種子繰出ロール(A)の外周面に沿うように直線状に構成されているのである。
図10においては、本発明の繰出装置による種子や肥料を落下した場合の状態と、従来の繰出装置による落下した状態の相違点を示している。
本発明においては、繰出ロール(A)に設けた繰出凹部(1)の前側の側面(1b)が、傾斜した方向に構成されているので、繰出ロール(A)が回転して、最終的にロール面ガイド板(5)から外れて、繰出凹部(1)内の種子(S)が落下する場合に、繰出凹部(1)の前側の側面(1b)に部分に種子(S)が集まって、一気に落下するので、図10の「本機構」に示すように、進行方向に対して、短い方向に並んで落下するのである。
従来の繰出装置の場合には、進行方向に長く「株長」が出来上がるので、株と株の間を明確に開けることが出来ないこととなり、風や空気が株間を通過できないので、水稲の分けつを阻害することとなるのである。
本発明の場合には、株間を確実に得ることが出来るので、水稲の分けつが良くなるのである。
また、田植後における草取りの車両を通過させるのに十分な株間を構成することが出来るので、これによっても稲作の草取りも有利に進めることが可能となるのである。
図11においては、本発明の繰出装置の全体的な斜視図を図示しており、遮蔽板(2)や掻落しブラシ(3)や底板(4)等の組立を容易にした、かつコンパクトな構成とすることが可能となっているのである。
本発明は、ホッパー(H)の下部に繰出ロール(A)を配置し、該繰出ロール(A)の外周面に開口した繰出凹部(1)内に、該ホッパー(H)の種子落入口(19)からの繰出物(S)を落入させて、該繰出ロール(A)を回転させながら、該繰出凹部(1)の表面に接当させる掻落しブラシ(3)により掻き落とし、種子落下口(20)より落下させる繰出装置において、
前記繰出凹部(1)内へ繰出物が落下する種子落入口(19)の入口上部に、垂直方向に立設した遮蔽板(2)を設け、該遮蔽板(2)の回転方向の後側で、種子繰出ロール(A)が上方へ回転した最上部に、前記掻落しブラシ(3)を垂直に立設したので、該繰出凹部(1)の内部において、種子(S)がフリーな状態で、後からの種子(S)の自重により押圧されることが無くなり、また掻落しブラシ(3)と種子繰出ロール(A)の間の摩擦力により、種子(S)が押圧力を受けることが無くなるのである。
これにより、繰出装置の種子(S)の繰出種子数を一定に正確に維持することが可能となったのである。
また、種子(S)がコーティング種子の場合において、掻落しブラシ(3)により種子(S)のコーティング面に押圧摩擦力を掛けて、コーティング種子を破壊したり、傷付けたりすることが無くなったのである。
本実施例においては、播種機の種子について説明したが、施肥機の肥料についても同様の効果を奏するものである。
A 種子繰出ロール
H 種子ホッパー
1 繰出凹部
1a 繰出凹部の後側の側面
1b 繰出凹部の前側の側面
1c 余裕空間
1d 落入空間
2 遮蔽板
3 掻落しブラシ
3a 掻落しブラシ基部
4 底板
5 ロール面ガイド板
9 遮蔽板調節螺子
10 掻落しブラシ調節螺子
11 掻落しブラシ調節孔
12 走行押動ハンドル
13 ロール室下側板
13a ロール室下側板空隙
14 繰出部外周板
16 種子貯留部
17 ロール室右側板
18 ロール室左側板
19 種子落入口
20 種子落下口
21 駆動力伝達チエーンケース
22 駆動力取出ローラ
23 鎮圧ローラ
24 作溝爪
25 鎮圧板
26 基台フレーム
27 種子整流部
28 保守管理用の把手
29 ローラ駆動軸
30 残留種子取出蓋
31 繰出物自由空間
α 角度
β 角度

Claims (13)

  1. ホッパー(H)の下部に繰出ロール(A)を配置し、該繰出ロール(A)の外周面に開口した繰出凹部(1)内に、該ホッパー(H)の種子落入口(19)からの繰出物(S)を落入させて、該繰出ロール(A)を回転させながら、該繰出凹部(1)の表面に接当させる掻落しブラシ(3)により掻き落とし、種子落下口(20)より落下させる繰出装置において、
    前記繰出凹部(1)内へ繰出物(S)が落下する種子落入口(19)の入口上部に、垂直方向に立設した遮蔽板(2)を設け、該遮蔽板(2)の回転方向の後側で、種子繰出ロール(A)が上方へ回転した最上部に、前記掻落しブラシ(3)を垂直に立設したことを特徴とする繰出装置。
  2. 請求項1記載の繰出装置において、
    前記遮蔽板(2)と掻落しブラシ(3)の間の、種子繰出ロール(A)の外周面に、前記繰出物落入口(19)からの繰出物(S)が、該繰出物落入口(19)から掻落しブラシ(3)の方向へ一定以上の量の移動阻止し、繰出物(S)の重量が掛からない繰出物自由空間(31)を構成したことを特徴とする繰出装置。
  3. 請求項1記載の繰出装置において、
    前記繰出ロール(A)の繰出凹部(1)の回転方向(G)の後側の側面(1a)は、前記繰出物落入口の底板(4)の位置において、該底板(4)に設けられた傾斜角と同一方向とし、
    該繰出凹部(1)の前側の側面(1b)は、前記遮蔽板(2)の下方において、略垂直となる角度としたことを特徴とする繰出装置。
  4. 請求項3記載の繰出装置において、
    該底板(4)と、繰出凹部(1)の後側の側面(1a)の延長線上に、前記繰出ロール(A)のローラ駆動軸(29)の軸心(O)が位置することを特徴とする繰出装置。
  5. 請求項4記載の繰出装置において、
    該底板(4)と、繰出凹部(1)の後側の側面(1a)の延長線と、前記繰出ロール(A)のローラ駆動軸(29)の軸心(O)を通過する水平線(L)との成す角度(α)は約25度としたことを特徴とする繰出装置。
  6. 請求項1記載の繰出装置において、
    前記掻落しブラシ(3)より後方の、回転する繰出ロール(A)の外周面に、該繰出凹部(1)からの繰出物の落下を阻止するロール面ガイド板(5)を沿設したことを特徴とする繰出装置。
  7. 請求項6記載の繰出装置において、
    前記ロール面ガイド板(5)の、掻落しブラシ(3)の直後における、該繰出ロール(A)との接当面には、繰出物をロール面ガイド板(5)に案内するガイド面(5a)を形成したことを特徴とする繰出装置。
  8. 請求項6記載の繰出装置において、
    該ロール面ガイド板(5)は弾性体により、繰出ロール(A)の外周面に付勢接当させ、繰出物(S)により押圧された場合には、繰出ロール(A)との間隔を開くことが可能に構成したことを特徴とする繰出装置。
  9. 請求項6記載の繰出装置において、
    前記ロール面ガイド板(5)は、前記水平線(L)から一定角度(β)までの長さとし、該一定角度(β)は、約30度としたことを特徴とする繰出装置。
  10. 請求項1記載の繰出装置において、
    前記遮蔽板(2)の下端は、上下方向に位置を調節可能としたことを特徴とする繰出装置。
  11. 請求項1記載の繰出装置において、
    前記掻落しブラシ(3)は、繰出ロール(A)の上面に対して、上下位置を繰出部外周板(14)の外側から調整可能としたことを特徴とする繰出装置。
  12. 請求項1記載の繰出装置において、
    前記掻落しブラシ(3)は、付勢バネ(32)により、常時繰出ロール(A)に向けて付勢することを特徴とする繰出装置。
  13. 請求項1記載の繰出装置において、
    前記掻落しブラシ(3)は、自重により、繰出ロール(A)に向けて押圧させることを特徴とする繰出装置。
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