<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1に係る積層型コンデンサ10Aについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る積層型コンデンサ10Aを示す概略の斜視図であり、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10と、はんだ5を介して積層型コンデンサ本体10の一対の外部電極3a、3b(第1の外部電極3aおよび第2の外部電極3b)に電気的に接続された一対の外部端子4a、4b(第1の外部端子4aおよび第2の外部端子4b)とを備えている。また、積層型コンデンサ本体10は、セラミック層の誘電体層と内部電極2とを有しており、誘電体層と内部電極2とが交互に積層され、第1の外部電極3aと第2の外部電極3bとによって構成される一対の外部電極3a、3bとを有している。また、積層型コンデンサ10は、便宜的に、直交座標系XYZを定義するとともに、Z方向の正側を上方として、上面もしくは下面の用語を適宜用いるものとする。
積層型コンデンサ10Aは、回路基板(以下、基板9という)上にはんだを介して実装されるものである。基板9は、例えば、ノートパソコン、スマートフォンまたは携帯電話等に用いられており、例えば、表面に積層型コンデンサ10Aが電気的に接続される電気回路が形成されているものである。
また、基板9は、図2に示すように、例えば、積層型コンデンサ10Aが実装される表面には、基板電極9aおよび9bが設けられており、基板電極9aからは配線9cが延びており、また、基板電極9bからは配線9dが延びている。積層型コンデンサ10Aは、例えば、第1の外部端子4aが基板電極9aにはんだ付けされ、また、第2の外部端子4bが基板電極9bにはんだ付けされる。具体的には、積層型コンデンサ10Aは、第1の外部接続部4a2と基板電極9aとがはんだを介して接続され、第2の外部接続部4b2と基板電9bとがはんだを介して接続される。なお、第1の外部接続部4a2および第2の外部接続部4b2については、後述する。
まず、積層型コンデンサ本体10について、図面を参照しながら以下に説明する。
積層型コンデンサ本体10は、図3に示すように、積層体1、積層体1に形成されている一対の内部電極2(第1の内部電極2aおよび第2の内部電極2b)、積層体1の一対の端面1c、1dに形成されている一対の外部電極3(第1の外部電極3aおよび第2の外部電極3b)と、を備えている。
積層体1は、複数の誘電体層が積層されて略直方体状に形成されており、互いに対向する第1および第2の主面(1a、1b)と互いに対向する第1および第2の端面(1c、1d)と互いに対向する第1および第2の側面(1e、1f)とを有している。そして、互いに対向する第1および第2の端面(1c、1d)は、第1および第2の主面(1a、1b)間を連結しており、また、互いに対向する第1および第2の側面(1e、1f)は、第1および第2の主面(1a、1b)間および第1および第2の端面(1c、1d)間を連結している。なお、略直方体状とは、立方体形状または直方体形状のみならず、例えば、直方体の稜線部分に面取りが施されて稜部がR形状となっているものを含んでいる。
積層体1は、誘電体層となるセラミックグリーンシートを複数枚積層して焼成することで得られる焼結体である。このように、積層体1は、略直方体状に形成されており、互い
に対向する第1の主面1aおよび第2の主面1bと、第1の主面1aおよび第2の主面1bに直交しており互いに対向する第1の端面1cおよび第2の端面1dと、第1の端面1cおよび第2の端面1dに直交しており互いに対向する第1の側面1eおよび第2の側面1fとを有している。また、積層体1は、誘電体層の積層方向(Z方向)に対して、直交する方向の断面(XY面)となる平面が長方形状となっている。
このような構成の積層型コンデンサ本体10の寸法は、長手方向(Y方向)の長さが、例えば、0.6(mm)〜2.2(mm)、短手方向(X方向)の長さが、例えば、0.3(mm)〜1.5(mm)、高さ方向(Z方向)の長さが、例えば、0.3(mm)〜1.2(mm)である。
誘電体層は、積層方向からの平面視において長方形状であり、1層当たりの厚みが、例えば、0.5(μm)〜3.0(μm)である。積層体1は、例えば、10(層)〜1000(層)からなる複数の誘電体層がZ方向に積層されている。また、内部電極2の積層数は、積層型コンデンサ本体10の特性等に応じて適宜設計される。
誘電体層は、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3等である。また、誘電体層は、高い誘電率の点から、特に、誘電率の高い強誘電体材料としてチタン酸バリウムを用いることが好ましい。
一対の内部電極2は、第1の内部電極2aと第2の内部電極2bとを含んでおり、第1の内部電極2aおよび第2の内部電極2bは、図3(b)に示すように、積層体1の誘電体層間に間隔をおいて交互に配置されており、積層体1の第1の主面1aおよび第2の主面1bに略平行となるようにそれぞれ設けられている。
このように、第1の内部電極2aおよび第2の内部電極2bは、積層体1内において誘電体層で隔てられ、かつ互いに対向して配置されており、第1の内部電極2aと第2の内部電極2bとの間には少なくとも1層の誘電体層がそれぞれ挟まれている。これらの内部電極2が形成された誘電体層が複数枚積層されて積層型コンデンサ本体10の積層体1が形成される。
第1の内部電極2aは、図3(b)に示すように、誘電体層間に配置されて、第1の端面1cに引き出されており、第2の内部電極2bは、誘電体層間に配置されて、第2の端面1dに引き出されている。
第1および第2の内部電極2a、2bの導電材料は、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の一種以上を含む、例えば、Ag−Pd合金等の合金材料である。また、第1および第2の内部電極2a、2bは、電極の厚みが、例えば、0.5(μm)〜2.0(μm)であるが、用途に応じて適宜設定すればよい。また、第1の内部電極2aおよび第2の内部電極2bは、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。
一対の外部電極3は、第1の外部電極3aと第2の外部電極3bとからなり、第1および第2の端面1c、1dを覆うように形成されており、積層体1の対向する二端面(1c、1d)にそれぞれ互いに対向して配置されている。そして、一対の外部電極3は、図3に示すように、第1および第2の端面1c、1dを覆うように形成されているとともに、積層体1において、第1および第2の主面1a、第1および第2の側面1e、1fにそれぞれ延設されている。
また、一対の外部電極3a、3bと一対の外部端子4a、4bとの接続においては、第1の外部電極3aが少なくとも第1の端面1cから第2の主面2bにわたって延設され、また、第2の外部電極3bが少なくとも第2の端面1dから第2の主面2bにわたって延設されていればよい。
また、第1の外部電極3aは、第1の端面1cに配置されており、第1の端面1cに引き出された第1の内部電極2aに電気的に接続されており、また、第2の外部電極3bは、第2の端面1dに配置されており、第2の端面に引き出された第2の内部電極2bに電気的に接続されている。
第1および第2の外部電極3a、3bの導電材料は、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の一種以上を含む、例えば、Ag−Pd合金等の合金材料である。また、第1の外部電極3aおよび第2の外部電極3bは、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。
また、第1および第2の外部電極3a、3bは、外部電極3a、3bの保護または積層型コンデンサ本体10と一対の外部端子4a、4bとの実装性の向上等のために、図3(c)に示すように、表面に金属層7が形成されていることが好ましい。第1および第2の外部電極3a、3bは、金属層7として、例えば、ニッケル(Ni)めっき層、銅(Cu)めっき層、金(Au)めっき層またはスズ(Sn)めっき層等の1または複数のめっき層が表面に形成されていることが好ましい。第1および第2の外部電極3a、3bは、図3(c)に示すように、第1のめっき層7aと第1のめっき層7aの表面に形成された第2のめっき層7bとからなる金属層7が表面に形成されている。例えば、第1および第2の外部電極3a、3bは、表面にNiめっき層(第1のめっき層7a)が形成され、Niめっき層の表面にSnめっき層(第2のめっき層7b)が形成されて、金属層7がNiめっき層とSnめっき層との積層体で形成される。
ここで、一対の外部端子4a、4bについて図面を参照しながら以下に説明する。
図1に示すように、一対の外部端子4a、4bは、積層型コンデンサ本体10の一対の外部電極3a、3bに電気的にそれぞれ接続されており、図4に示すように、積層型コンデンサ10Aが実装される基板9から積層型コンデンサ本体10を浮かせるためのものである。具体的には、第1の外部端子4aは、第1の外部電極3aと電気的に接続されるとともに積層型コンデンサ本体10が基板9から浮くように設けられ、第2の外部端子4bは、第2の外部電極3bと電気的に接続されるとともに積層型コンデンサ本体10が基板9から浮くように設けられており、一対の外部端子4a、4bは、第1の側面1eまたは第2の側面1fに直交する方向(X方向)から側面視して、積層型コンデンサ本体10の下方で第1の接続部4a3と第2の接続部4b3とが互いに交差している。
第1の外部端子4aは、図5に示すように、第1の電極接続部4a1と、第1の外部接続部4a2と、第1の接続部4a3と、を有しており、第1の接続部4a3が第1の電極接続部4a1と第1の外部接続部4a2との間にあり、第1の電極接続部4a1と第1の外部接続部4a2とを接続している。第1の電極接続部4a1は、第1の外部端子4aの一方端側の部分に設けられており、少なくとも第2の主面1bに位置する第1の外部電極3aに対向するとともに電気的に接続されている。第1の外部接続部4a2は、他方端側の部分に設けられており、第2の外部電極3b側に位置して積層型コンデンサ10Aが実装される基板9に対向するように設けられており、基板電極9aに電気的に接続される。
また、第1の接続部4a3は、第1の電極接続部4a1と第1の外部接続部4a2とを
接続しており、第1の電極接続部4a1から第1の外部接続部4a2に向かって延びるように設けられており、積層型コンデンサ本体10の下方に位置するとともに、第1の電極接続部4a1から第1の外部接続部4a2に向かうにつれて第2の主面1bから漸次離れるように設けられている。このように、第1の外部端子4aは、第1の接続部4a3が第1の電極接続部4a1と第1の外部接続部4a2との間にあり、第1の接続部4a3に対して、第1の電極接続部4a1が第1の外部電極3aと対向するように屈曲しており、また、第1の外部接続部4a2が基板9と対向するように屈曲している。すなわち、第1の外部端子4aは、第1の接続部4a3と第1の電極接続部4a1との境が屈曲部となり、第1の電極接続部4a1が第1の外部電極3aと略平行になるように設けられており、また、第1の接続部4a3と第1の外部接続部4a2との境が屈曲部となり、第1の外部接続部4a2が基板9と略平行になるように設けられている。
第2の外部端子4bは、第1の外部端子4aと対称に形成されており、図4に示すように、第2の電極接続部4b1と、第2の外部接続部4b2と、第2の接続部4b3と、を有しており、第2の接続部4b3が第2の電極接続部4b1と第1の外部接続部4b2との間にあり、第1の電極接続部4b1と第2の外部接続部4b2とを接続している。第2の電極接続部4b1は、第2の外部端子4bの一方端側の部分に設けられており、少なくとも第2の主面1bに位置する第2の外部電極3bに対向するとともに電気的に接続されている。第2の外部接続部4b2は、他方端側の部分に設けられており、第1の外部電極3a側に位置して積層型コンデンサ10Aが実装される基板9に対向するように設けられており、基板電極9bに電気的に接続される。
また、第2の接続部4b3は、第2の電極接続部4b1と第1の外部接続部4b2とを接続しており、第2の電極接続部4b1から第2の外部接続部4b2に向かって延びるように設けられており、積層型コンデンサ本体10の下方に位置するとともに、第2の電極接続部4b1から第2の外部接続部4b2に向かうにつれて第2の主面1bから漸次離れるように設けられている。このように、第2の外部端子4bは、第1の外部端子4aと同様に、第2の接続部4b3が第2の電極接続部4b1と第2の外部接続部4b2との間にあり、第2の接続部4b3に対して、第2の電極接続部4b1が第2の外部電極3bと対向するように屈曲しており、また、第2の外部接続部4b2が基板9と対向するように屈曲している。すなわち、第2の外部端子4bは、第2の接続部4b3と第2の電極接続部4b1との境が屈曲部となり、第2の電極接続部4b1が第2の外部電極3bと略平行になるように設けられており、第2の接続部4b3と第2の外部接続部4b2との境が屈曲部となり、第2の外部接続部4b2が基板9と略平行になるように設けられている。
上述のように、第1の外部端子4aは、第1の接続部4a3が積層型コンデンサ本体10の下方で第1の外部電極3a側から第2の外部電極3b側に向かって延びており、また、第2の外部端子4bは、第2の接続部4b3が積層型コンデンサ本体10の下方で第2の外部電極3b側から第1の外部電極3a側に向かって延びており、一対の外部端子4a、4bは、積層型コンデンサ本体10の下方の中央部で第1の接続部4a3と第2の接続部4b3とが互いに交差している。このように、一対の外部端子4a、4bは、積層型コンデンサ本体10の下方で互いに交差することによって第1の電極接続部4a1と第2の外部接続部4b2とが第1の外部電極3a側に位置することになり、第2の電極接続部4b1と第1の外部接続部4a2とが第2の外部電極3b側に位置することになる。
第1の外部端子4aは、第1の外部接続部4a2が基板9の基板電極9aに接続され、また、第1の電極接続部4a1が第1の外部電極3aに接続されており、積層型コンデンサ本体10が基板9から浮くように設けられている。第1の接続部4a3は、図5に示すように、第1の外部接続部4a2に対して、傾斜角αが、例えば、5(°)〜20(°)で傾斜している。なお、傾斜角αは、積層型コンデンサ本体10の大きさ等に応じて適宜
設定される。
また、第2の外部端子4bは、第2の外部接続部4b2が基板9の基板電極9bに接続され、また、第2の電極接続部4b1が第2の外部電極3bに接続されており、積層型コンデンサ10が基板9から浮くように設けられている。第2の接続部4b3は、図5に示すように、第2の外部接続部4b2に対して、傾斜角αが、例えば、5(°)〜20(°)で傾斜している。なお、傾斜角αは、積層型コンデンサ本体10の大きさ等に応じて適宜設定される。
このように、第1の外部端子4aは、図4(a)に示すように、基板を基準にしてZ方向において、第1の電極接続部4a1が基板9に接続される第1の外部接続部4a2よりも高い位置にあり、第1の接続部4a3が基板9に対して傾斜するように設けられており、高さの異なる第1の電極接続部4a1と第1の外部接続部4a2とを接続している。第1の電極接続部4a1と第1の外部接続部4a2との高低差は、積層型コンデンサ本体10の大きさ、積層型コンデンサ10Aの実装安定性または基板9に実装される積層型コンデンサ10Aの個数等に応じて適宜設定される。
図4に示すように、第1の電極接続部4a1は、矩形板状体であり、第1の外部電極3aと略平行になるように設けられており、上面がはんだを介して第1の外部電極3aに電気的に接続されている。また、第1の外部接続部4a2は、矩形板状体であり、積層型コンデンサ10Aが実装される基板9の基板電極9aと略平行になるように設けられており、はんだを介して基板電極9aに接続される。第1の電極接続部4a1および第1の外部接続部4a2の形状は、矩形板状体に限らず、第1の外部電極3aの形状に応じて適宜設定される。
また、第2の外部端子4bは、図4(a)に示すように、基板を基準にしてZ方向において、第2の電極接続部4b1が基板9に接続される第2の外部接続部4b2よりも高い位置にあり、第2の接続部4b3が基板9に対して傾斜するように設けられており、高さの異なる第2の電極接続部4b1と第1の外部接続部4b2とを接続している。第2の電極接続部4b1と第2の外部接続部4b2との高低差は、積層型コンデンサ本体10の大きさ、積層型コンデンサ10Aの実装の安定性または基板9に実装される積層型コンデンサ10Aの個数等に応じて適宜設定される。
図4に示すように、第2の電極接続部4b1は、矩形板状体であり、第2の外部電極3bと略平行になるように設けられており、上面がはんだを介して第2の外部電極3bに接続される。また、第2の外部接続部4b2は、矩形板状体であり、積層型コンデンサ10Aが実装される基板9の基板電極9bと略平行になるように設けられており、はんだを介して基板電極9bに接続される。第2の電極接続部4b1および第2の外部接続部4b2の形状は、矩形板状体に限らず、第2の外部電極3bの形状に応じて適宜設定される。また、一対の外部端子4a、4bは、第1の電極接続部4a1と第1の外部接続部4a2とが略平行になるように形成されており、また、第2の電極接続部4b1と第2の外部接続部4b2とが略平行になるように形成されている。
一対の外部端子4a、4bは、例えば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、銅(Cu)、銀(Ag)またはクロム(Cr)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の一種以上を含む、例えば、ステンレス合金または銅合金等の合金材料である。また、第1の外部端子4aおよび第2の外部端子4bは、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。
また、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続
部4b3の厚みが、例えば、0.1(mm)〜0.15(mm)であるが、積層型コンデンサ本体10の大きさまたは用途等に応じて振動音の抑制効果が得られるように厚みを適宜設定すればよい。例えば、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の厚みが0.1(mm)より薄くなると、剛性が小さくなるので、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10で発生した歪みによる振動が第1および第2の外部端子4a、4bで吸収されやすくなり、積層型コンデンサ本体10の変形が基板9に伝わりにくく、基板9の振動音が小さくなりやすいが、基板9に実装した場合に実装安定性が悪くなる。
逆に、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の厚みが0.15(mm)よりも厚くなると、剛性が大きくなるので、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10で発生した歪みによる振動が第1および第2の外部端子4a、4bで吸収されにくくなり、積層型コンデンサ本体10の変形が基板9に伝わりやすく、基板9の振動音が大きくなりやすい。このように、積層型コンデンサ10Aは、基板9において発生する振動音の抑制効果と実装安定性とを考慮して第1および第2の外部端子4a、4bの厚みが設定される。
また、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の長さを積層型コンデンサ本体10の大きさまたは用途等に応じて振動音の抑制効果が得られるように適宜設定すればよい。例えば、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の長さが長くなると、剛性が小さくなるので、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10で発生した歪みによる振動が第1および第2の外部端子4a、4bで吸収されやすくなり、積層型コンデンサ本体10の変形が基板9に伝わりにくく、基板9の振動音が小さくなりやすいが、基板9に実装した場合に実装安定性が悪くなる。
逆に、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の長さが短くなると、剛性が大きくなるので、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10で発生した歪みによる振動が第1および第2の外部端子4a、4bで吸収されにくく、積層型コンデンサ本体10の変形が基板9に伝わりやすくなり、基板9の振動音が大きくなりやすい。このように、積層型コンデンサ10Aは、基板9において発生する振動音の抑制効果と実装安定性とを考慮して第1および第2の外部端子4a、4bの長さが設定される。
また、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の幅を積層型コンデンサ本体10の大きさまたは用途等に応じて振動音の抑制効果が得られるように適宜設定すればよい。例えば、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の幅が広くなると、剛性が小さくなるので、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10で発生した歪みによる振動が第1および第2の外部端子4a、4bで吸収されやすくなり、積層型コンデンサ本体10の変形が基板9に伝わりにくく、基板9の振動音が小さくなりやすいが、基板9に実装した場合に、実装安定性が悪くなるとともに、X方向の長さが長くなり実装領域が大きくなる。
逆に、第1および第2の外部端子4a、4bは、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の幅が狭くなると、剛性が大きくなるので、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10で発生した歪みによる振動が第1および第2の外部端子4a、4bで吸収されにくく、積層型コンデンサ本体10の変形が基板9に伝わりやすくなり、基板9の振動音が大きくなりやすい。このように、積層型コンデンサ10Aは、基板9において発生する振動音の抑制効果と実装安定性とを考慮して第1および第2の外部端子4a、4
bの幅が設定される。
したがって、第1の外部端子4aおよび第2の外部端子4bは、基板9において発生する振動音の抑制効果と実装安定性とを考慮して、剛性を第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の厚み、長さまたは幅で調整することができる。
一対の外部端子4a、4bは、基板電極9a、9bとのはんだ接合のために、表面にめっき層6が形成されており、図5(b)に示すように、表面に形成されためっき層6を含むものである。なお、めっき層6は、一対の外部端子4a、4bのめっき層6を形成しない領域にマスキング等を行ない、例えば、電解めっき法等を用いてストライプ状に形成される。また、めっき層6は、一対の外部端子4a、4bの上下面および側面に形成されており、図5(b)に示すように、少なくとも、第1の外部端子4aにおいては、第1の外部電極3aに接続される第1の電極接続4a1の領域および基板9の基板電極9aに接続される第1の外部接続部4a2の領域に形成されており、また、第2の外部端子4bにおいては、第2の外部電極3bに接続される第2の電極接続4b1の領域および基板9の基板電極9bに接続される第2の外部接続部4b2の領域に形成されている。
また、めっき層6は、第1のめっき層と第1のめっき層の表面に形成される第2のめっき層とで構成されており、第1のめっき層は第1および第2の外部端子4a、4bの表面を覆うものであり、第2のめっき層は第1のめっき層の表面に形成されて第1のめっき層の表面を覆うものである。なお、第1めっき層および第2めっき層は、それぞれ複数のめっき層で構成されていてもよい。
第1めっき層は、例えば、ニッケル(Ni)、銀(Ag)またはスズ(Sn)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の一種以上を含む、例えば、Sn−Ag合金等の合金材料である。例えば、第1めっき層は、ニッケル(Ni)の金属材料またはニッケル(Ni)を主成分として含む合金材料からなり、厚みが、例えば、1(μm)〜2(μm)である。
また、第2めっき層は、例えば、ニッケル(Ni)、銀(Ag)またはスズ(Sn)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の一種以上を含む、例えば、Sn−Ag合金の合金材料である。例えば、第2めっき層は、スズ(Sn)の金属材料またはスズ(Sn)を主成分として含む合金材料からなり、厚みが、例えば、1(μm)〜2(μm)である。
第1の外部端子4aは、はんだ5を介して、第1の電極接続部4a1が第1の外部電極3aに接続されており、はんだ5は、第1の端面1c側および第1の側面1e側の第1の外部電極3aから第1の電極接続部4a1にかけてフィレットを形成している。また、第2の外部端子4bは、はんだ5を介して、第2の電極接続部4b1が第2の外部電極3bに接続されており、はんだ5は、第2の端面1d側および第2の側面1f側の第2の外部電極3bから第2の電極接続部4b1にかけてフィレットを形成している。また、はんだ5は、高融点を有するはんだであり、例えば、Sn−Sb系またはSn−Ag−Cu系のはんだ等を用いることができる。
また、第1の外部接続部4a2は、めっき層6が形成されており、図2に示すように、はんだを介して積層型コンデンサ10Aが実装される基板9上に実装されることになり、同様に、第2の外部接続部4b2は、めっき層6が形成されており、積層型コンデンサ10Aが実装される基板9上にはんだを介して実装されることになる。
このように、第1の外部接続部4a2は、はんだを介して積層型コンデンサ10Aが実
装される基板9上の基板電極9aに接続されており、はんだは、第1の外部接続部4a2の上面から基板電極9aにかけてフィレットを形成することになる。また、第2の外部端子4bは、はんだを介して積層型コンデンサ10Aが実装される基板9上の基板電極9bに接続されており、はんだ5は、第2の外部接続部4b2から基板電極9bにかけてフィレットを形成することになる。また、はんだは、例えば、Sn−Sb系またはSn−Ag−Cu系のはんだ等を用いることができる。はんだは、例えば、リフローした場合に、はんだ5が溶解しないように、はんだ5よりも融点が低いはんだを用いることが好ましい。
積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10が、例えば、誘電体層としてチタン酸バリウム等を主成分として構成されている場合には、積層型コンデンサ本体10は、交流電圧が印加されると、電歪効果により交流電圧の大きさに応じて誘電体層に歪みが発生する。この歪みによって積層型コンデンサ本体10自体に振動が生じて、振動が基板9に伝播することにより基板9が振動して、この振動が可聴周波数帯域である場合には、基板9の振動が振動音となって現れることになる。
このような場合には、積層型コンデンサは、振動音の抑制効果を向上させるために、外部端子の長さを長くすると、振動音の抑制効果は向上するものの、基板からの高さが高くなり実装安定性が悪くなるとともに積層コンデンサ自体の低背化が問題となる。
しかしながら、実施の形態1に係る積層型コンデンサ10Aは、一対の外部端子4a、4bを積層型コンデンサ本体10の下方で交差するように設けることにより、一対の外部端子4a、4bでもって基板9からの高さを維持して積層型コンデンサ本体10を基板9の表面から浮かせて基板9上に実装安定性を確保して実装することができるとともに、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の長さ、すなわち、外部端子長さを長くすることができる。
このように、積層型コンデンサ10Aは、一対の外部端子4a、4bが積層型コンデンサ本体10の下方で交差しており、一対の外部端子4a、4bのそれぞれの外部端子長さが長くなっているので、積層型コンデンサ本体10で発生した歪みによる振動が第1および第2の外部端子4a、4bで吸収されやすくなり、積層型コンデンサ本体10の歪みによる振動が基板9に伝わりにくくなり、基板9に振動音が発生するのを抑制することができる。ずなわち、積層型コンデンサ10Aは、一対の外部端子4a、4bのそれぞれの長さを長くすることによって、基板9において発生する振動音の抑制効果を向上させることができる。
また、第1の接続部4a3および第2の接続部4b3は、図5に示すように、中央部に上下面を貫通する貫通孔4eをそれぞれ有しており、この貫通孔4eの大きさで第1の外部端子4aおよび第2の外部端子4bの剛性を調整することができる。したがって、積層型コンデンサ10Aは、積層型コンデンサ本体10の大きさまたは用途等に応じて振動音の抑制効果が得られるように貫通孔4eの大きさを調整することができる。なお、第1および第2の外部端子4a、4bは、貫通孔4eの短径または長径の大きさで剛性を調整することができる。なお、貫通孔4eは、上面視して、楕円形状であるが、楕円形状に限定されず、例えば、四角形状または円形状等であってもよい。
例えば、積層型コンデンサ10Aは、さらに、基板9において発生する振動音の抑制効果を向上させるために、一対の外部端子4a、4bの剛性を第1の接続部4a3および第2の接続部4b3の厚み、幅または貫通孔4eの大きさで調整することができる。
ここで、図1に示す積層型コンデンサ本体10Aの製造方法の一例について以下に説明する。
複数の第1および第2のセラミックグリーンシートを準備する。第1のセラミックグリーンシートは、第1の内部電極2aが形成されるものであり、第2のセラミックグリーンシートは、第2の内部電極2bが形成されるものである。
複数の第1のセラミックグリーンシートは、第1の内部電極2aを形成するために、第1の内部電極導体ペースト層が形成される。第1の内部電極導体ペースト層は、第1の内部電極2aのパターン形状となるように第1の内部電極2a用の導体ペースト用いて形成する。なお、第1のセラミックグリーンシートは、多数個の積層型コンデンサ本体10を得るために、1枚のセラミックグリーンシート内に第1の内部電極2aが複数個形成される。
また、複数の第2のセラミックグリーンシートは、第2の内部電極2bを形成するために、第2の内部電極導体ペースト層が形成される。第2の内部電極導電ペースト層は、第2の内部電極2bのパターン形状となるように第2の内部電極2b用の導体ペースト用いて形成する。なお、第2のセラミックグリーンシートは、多数個の積層型コンデンサ本体10を得るために、1枚のセラミックグリーンシート内に第2の内部電極2bが複数個形成される。
上述の第1および第2の内部電極導体ペースト層は、例えば、スクリーン印刷法等を用いて、それぞれのセラミックグリーンシート上に、それぞれの導体ペーストを所定のパターン形状で印刷して形成する。
なお、第1および第2のセラミックグリーンシートは誘電体層となり、第1の内部電極導体ペースト層は第1の内部電極2aとなり、第2の内部電極導体ペースト層は第2の内部電極2bとなる。
誘電体層となるセラミックグリーンシートの材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3等の誘電体セラミックスを主成分とするものである。副成分として、例えば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物またはNi化合物等が添加されたものであってもよい。
第1および第2のセラミックグリーンシートは、誘電体セラミックスの原料粉末および有機バインダに適当な有機溶剤等を添加し混合することによって泥漿状のセラミックスラリーを作製して、ドクターブレード法等を用いてセラミックスラリーを成形することによって得られる。
第1および第2の内部電極2a、2b用の導体ペーストは、上述したそれぞれの導体材料(金属材料)の粉末に添加剤(誘電体材料)、バインダ、溶剤、分散剤等を加えて混練することで作製される。第1および第2の内部電極2a、2bの導電材料は、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料あるいはこれらの金属材料の一種以上を含む、例えば、Ag−Pd合金等の合金材料が挙げられる。第1および第2の内部電極2a、2bは、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。
第1のセラミックグリーンシートは、第1の内部電極2aが形成されており、第2のセラミックグリーンシートは第2の内部電極2bが形成されており、これらの第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとを交互に複数積層して、内部電極が形成されていないセラミックグリーンシートを積層方向の最外層にそれぞれ積層することによって、セラミック材料からなる積層体を作製する。
このように、複数の第1および第2のセラミックグリーンシートからなる積層体は、プレスして一体化することで、多数個の生積層体1を含む大型の生積層体となる。この大型の生積層体を切断することによって、図1に示すような積層型コンデンサ本体10の積層体1となる生積層体1を得ることができる。大型の生積層体の切断は、例えば、ダイシングブレード等を用いて行なうことができる。
そして、積層体1は、生積層体1を、例えば、800(℃)〜1300(℃)で焼成することによって得ることができる。この工程によって、複数の第1および第2のセラミックグリーンシートが誘電体層となり、第1の内部電極導体ペースト層が第1の内部電極2aとなり、第2の内部電極導体ペースト層が第2の内部電極2bとなる。また、積層体1は、例えば、バレル研磨等の研磨手段を用いて角部または辺部が丸められる。積層体1は、角部または辺部を丸めることにより角部または辺部が欠けにくいものとなる。
次に、例えば、積層体1の第1および第2の端面1c、1dに外部電極3となる外部電極3用の導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより一対の外部電極3a、3bを形成する。また、外部電極3用の導電ペーストは、外部電極3を構成する金属材料の粉末にバインダ、溶剤、分散剤等を加えて混練することで作製される。なお、外部電極3の導電材料は、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の一種以上を含む、例えば、Ag−Pd合金等の合金材料である。
外部電極3は、外部電極3の保護または積層型コンデンサ本体10の実装性の向上等のために、表面に金属層7が形成されていることが好ましい。金属層7は、例えば、めっき法を用いて一対の外部電極3a、3bの表面に形成する。一対の外部電極3a、3bは、例えば、ニッケル(Ni)めっき層、銅(Cu)めっき層、金(Au)めっき層またはスズ(Sn)めっき層等の1または複数のめっき層が表面に形成されていることが好ましい。一対の外部電極3a、3bは、金属層7として第1のめっき層7aと第2のめっき層7bとの積層体を表面に形成してもよい。例えば、一対の外部電極3a、3bは、第1のめっき層7aとしてNiめっき層を表面に形成して、第2のめっき層7bとしてNiめっき層の表面にSnめっき層を形成してもよい。
また、一対の外部電極3a、3bの形成は、導体ペーストを焼き付ける方法を用いる以外に、蒸着法、めっき法またはスパッタリング法等の薄膜形成法を用いて行なってもよい。
ここで、積層型コンデンサ10Aの製造方法の一例について図9乃至図11を参照しながら以下に説明する。
まず、一対の外部端子4a、4bの製造方法の一例について説明する。1枚の帯状金属板を準備する。帯状金属板は、例えば、厚みが、0.1(mm)〜0.15(mm)で、長さが、100(mm)〜250(mm)で、例えば、ステンレス合金からなる。例えば、第1の外部端子4aとなる第1の外部端子4Aと第2の外部端子4bとなる第2の外部端子4Bとが対向するように、第1の外部端子4Aおよび第1の外部端子4Bのそれぞれのパターン形状に合わせて、例えば、プレス打ち抜き加工法を用いて、帯状金属板に対して打ち抜き加工を行なう。このようにして、図9(a)に示すように、帯状金属板に第1の外部端子4Aと第2の外部端子4Bとからなる外部端子対8aを複数設ける。なお、以下の説明では、帯状金属板に複数の外部端子体8aが形成されたものをリードフレーム8として用いる。このように、複数の積層型コンデンサ10Aはリードフレーム8を用いることによって効率よく作製される。
外部端子対8aにめっき層6を形成するために、リードフレーム8の長手方向の中央部にめっき加工のためのマスキングを行なう。そして、図9(a)に示すように、第1の外部端子4Aの第1の電極接続部4A1と第1の外部接続部4A2とを含む領域および第2の外部端子4Bの第1の電極接続部4B1と第2の外部接続部4B2とを含む領域に、例えば、電解メッキ法を用いて、めっき層6をそれぞれの外部端子対8aに形成する。また、めっき層6は、外部端子対8aの上下面(表面および裏面)を含んで形成される。なお、マスキングは、例えば、低硬度ゴムシート等を用いて行なう。
図5(a)に示すように、第1の外部端子4aおよび第2の外部端子4bが屈曲部を有する構造となるように、リードフレーム8は、図8(b)に示すように、折り曲げ線L1〜L4を設定して、折り曲げ加工が施される。具体的には、リードフレーム8は、第1〜第4の折り曲げ線L1〜L4が設定されており、第1の折り曲げ線L1が第1の外部接続部4A2と第1の接続部4A3との境目に設定され、第2の折り曲げ線L2が第2の電極接続部4B1と第2の接続部4B3との境目に設定され、第3の折り曲げ線L3が第1の接続部4A3と第1の電極接続部4A1との境目に設定され、第4の折り曲げ線L4が第2の接続部4B3と第2の外部接続部4B2との境目に設定されている。なお、折り曲げ線L1〜L4は、図9(b)に点線によって示している。
折り曲げ加工は、まず、第1の折り曲げ線L1および第4の折り曲げ線L4に対して折り曲げを行なって、第1の外部接続部4A2と第1の接続部4A3との境目を折り曲げ、また、第2の接続部4B3と第2の外部接続部4B2との境目を折り曲げる。そして、次に、第2の折り曲げ線L2および第3の折り曲げ線L3に対して折り曲げを行なって、第2の電極接続部4B1と第2の接続部4B3との境目を折り曲げ、また、第1の接続部4A3と第1の電極接続部4A1との境目を折り曲げる。
このように、リードフレーム8に対して、折り曲げ加工を用いることによって、外部端子4Aおよび第2の外部端子4Bは、図5(a)に示すように、屈曲部を有する構造となる。このようにして、屈曲部を有する一対の外部端子4A、4Bを作製することができる。なお、折り曲げ加工は、それぞれの折り曲げ線L1〜L4に対して、折り曲げ部の形状に合わせた折り曲げ金型を用いて行なう。
また、折り曲げ加工は、まず、第2の折り曲げ線L2および第3の折り曲げ線L3に対して折り曲げを行なって、次に、第1の折り曲げ線L1および第4の折り曲げ線L4に対して折り曲げを行なってもよい。折り曲げ加工の順番は、第1の外部端子4Aおよび第2の外部端子4Bが、図5(a)に示すような折り曲げ構造となればよく、特に限定されない。
次に、図10(a)に示すように、リードフレーム8は外部端子対8aが折り曲げ加工されており、この折り曲げ加工されたリードフレーム8に対して、例えば、ディスペンサーを用いて、第1の電極接続部4A1および第2の電極接続部4B1のそれぞれの領域にはんだ5を供給する。また、はんだ5は、印刷法を用いて第1の電極接続部4A1および第2の電極接続部4B1のそれぞれの領域に形成してもよい。
そして、図10(b)に示すように、第1の電極接続部4A1および第2の電極接続部4B1のはんだ5上に、例えば、吸引ノズルを備えた自動実装機を用いて、積層型コンデンサ本体10を搭載する。
図11(a)に示すように、例えば、220(℃)〜250(℃)で、第1の電極接続部4a1上および第2の電極接続部4b1上のはんだ5を溶解させて、第1の外部電極3a
と第1の電極接続部4A1とを電気的に接続し、また、第2の外部電極3bと第2の電極接続部4B1とを電気的に接続する。積層型コンデンサ本体10は、はんだ5が溶解することによって、第1の端面1c側および第1の側面1e側の第1の外部電極3aから第1の電極接続部4A1にかけてフィレットが形成されて第1の外部電極3aと第1の電極接続部4A1とが電気的に接続される。また、積層型コンデンサ本体10は、同様に、はんだ5が溶解することによって、第2の端面1d側および第2の側面1f側の第2の外部電極3bから第2の電極接続部4B1にかけてフィレットが形成されて第2の外部電極3bと第2の電極接続部4B1とが電気的に接続される。
このように、積層型コンデンサ本体10は、第1の外部端子4Aが第1の外部電極3aに取り付けられ、第2の外部端子4Bが第2の外部電極3bに取り付けられることになる。
次に、図11(a)に示すように、リードフレーム8は、第1の切断線L5および第2の切断線L6を設定して、第1の切断線L5および第2の切断線L6に対して切断加工が施される。例えば、リードフレーム8は、切断金型を用いて、積層型コンデンサ本体10が搭載された外部端子対8aがそれぞれ切り離される。これによって、図11(b)に示すように、複数の積層型コンデンサ10Aがリードフレーム8から得られる。なお、第1の切断線L5および第2の切断線L6は図11(a)に点線によって示している。
上述のように、リードフレーム8を用いることによって、図1に示す積層型コンデンサ10Aを効率よく作製することができる。
本発明は、上述の実施の形態1の積層型コンデンサ10Aに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、他の実施の形態について以下に説明する。なお、他の実施の形態に係る積層型コンデンサのうち、実施の形態1に係る積層型コンデンサ10Aと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2に係る積層型コンデンサ10Bについて図面を参照しながら以下に説明する。
積層型コンデンサ10Bは、図6乃至図8に示すように、一対の外部端子4c、4dは、第1の外部接続部4c2が第1の接続部4c3と向かい合うように第1の接続部4c3から第2の外部接続部4d2に向かって屈曲しており、また、第2の外部接続部4d2が第2の接続部4d3と向かい合うように第2の接続部4d2から第1の外部接続部4c2に向かって屈曲している。積層型コンデンサ10Bは、実施の形態1に係る積層型コンデンサ10Aとは、一対の接続端子4c、4dの構成が一対の接続端子4a、4bの構成とは異なっている。
第1の外部端子4cおよび第2の外部端子4dは、図6および図7に示すように、第1の外部電極3aおよび第2の外部電極3bを基板9から浮かせるように設けられており、第1の側面1eまたは第2の側面1fに直交する方向から側面視して、第2の主面2bの下方において第1の外部端子4cと第2の外部端子4dとが互いに交差している。具体的には、積層型コンデンサ10Aは、第1の側面1eまたは第2の側面1fに直交する方向から側面視して、第1の接続部4c3と第2の接続部4d3とが第2の主面2bの下方で互いに交差している。
第1の外部端子4aは、図8に示すように、第1の電極接続部4c1と、第1の外部接
続部4c2と、第1の接続部4c3と、を有しており、第1の接続部4c3が第1の電極接続部4c1と第1の外部接続部4c2との間にあり、第1の電極接続部4c1と第1の外部接続部4c2とを接続している。第1の電極接続部4a1は、第1の外部端子4cの一方端側の部分に設けられており、少なくとも第2の主面1bに位置する第1の外部電極3aに対向するとともに電気的に接続されている。第1の外部接続部4c2は、他方端側の部分に設けられており、積層型コンデンサ10が実装される基板9に対向するように設けられているとともに電気的に接続される。
また、第1の接続部4c3は、第1の電極接続部4c1と第1の外部接続部4c2とを接続しており、第1の電極接続部4c1から第1の外部接続部4c2に向かって延びるように設けられており、積層型コンデンサ本体10の下方に位置するとともに、第1の電極接続部4a1から第1の外部接続部4a2に向かうにつれて第2の主面1bから漸次離れるように設けられている。
第1の外部接続部4c2は、第1の接続部4c3と向かい合うように基板9と略平行に設けられており、第1の接続部4c3との境界部で第2の外部接続部4d2に向かって内側に折り曲げられており、第1の電極接続部4c1と略平行になるように第1の接続部4c3から第2の外部接続部4d2に向かって延びるように設けられている。すなわち、第1の外部端子4cは、第1の外部端子4aの第1の外部接続部4a2が第2の外部接続部4d2に向かって内側に折り曲げられた構成を有しており、図8に示すように、折り曲げ部4c4を有しており、この折り曲げ部4c4で第1の外部接続部4c2が内側に屈曲している。折り曲げ部4c4が第1の接続部4c3と第1の外部接続部4c2とを接続している。また、第1の外部接続部4c2は、第1の電極接続部4c1に略平行となるように設けられており、第1の接続部4c3は、図8に示すように、第1の外部接続部4c2に対して、傾斜角αが、例えば、5(°)〜20(°)で傾斜している。なお、傾斜角αは、積層型コンデンサ本体10の大きさ等に応じて適宜設定される。
第2の外部端子4dは、第1の外部端子4cと対称に形成されており、図8に示すように、第2の電極接続部4d1と、第2の外部接続部4d2と、第2の接続部4d3と、を有しており、第2の接続部4d3が第2の電極接続部4d1と第1の外部接続部4d2との間にあり、第1の電極接続部4d1と第2の外部接続部4db2とを接続している。第2の電極接続部4d1は、第2の外部端子4bの一方端側の部分に設けられており、少なくとも第2の主面1bに位置する第2の外部電極3bに対向するとともに電気的に接続されている。第2の外部接続部4d2は、他方端側の部分に設けられており、積層型コンデンサ10が実装される基板9に対向するように設けられているとともに電気的に接続される。
また、第2の接続部4d3は、第2の電極接続部4d1と第1の外部接続部4d2とを接続しており、第2の電極接続部4d1から第2の外部接続部4d2に向かって延びるように設けられており、第2の主面1bの下方に位置するとともに、第2の電極接続部4d1から第2の外部接続部4d2に向かうにつれて第2の主面1bから漸次離れるように設けられている。
第2の外部接続部4d2は、第2の接続部4d3と向かい合うように基板9と略平行に設けられており、第2の接続部4d3との境界部で第1の外部接続部4c2に向かって内側に折り曲げられており、第2の電極接続部4d1と略平行になるように第2の接続部4d3から第1の外部接続部4c2に向かって延びるように設けられている。すなわち、第1の外部端子4dは、第2の外部端子4bの第2の外部接続部4b2が第1の外部接続部4c2に向かって内側に折り曲げられた構成を有しており、図8に示すように、折り曲げ部4d4を有しており、この折り曲げ部4d4で第1の外部接続部4d2が内側に屈曲し
ている。折り曲げ部4d4が第2の接続部4d3と第2の外部接続部4d2とを接続している。また、第2の外部接続部4d2は、第2の電極接続部4d1に略平行となるように設けられており、第2の接続部4d3は、図8に示すように、第2の外部接続部4d2に対して、傾斜角αが、例えば、5(°)〜20(°)で傾斜している。なお、傾斜角αは、積層型コンデンサ本体10の大きさ等に応じて適宜設定される。
積層型コンデンサ10Bは、第1の外部接続部4c2が、内側に折り曲げられて第1の接続部4c3から第2の外部接続部4d2に向かって延びるように設けられており、また、第2の外部接続部4d2が、内側に折り曲げられて第2の接続部4d3から第1の外部接続部4c2に向かって延びるように設けられている。したがって、積層型コンデンサ10Bは、第1の接続部4c3および第2の接続部4d3のそれぞれの長さを維持した状態で、Y方向において、第1の外部端子4cの折り曲げ部4c4と第2の外部端子4dの折り曲げ部4d4との間の長さを短くすることができる。
このように、積層型コンデンサ10Bは、図7(a)に示すように、第1の外部接続部4c2および第2の外部接続部4d2が積層型コンデンサ本体10の下方に位置するように内側に曲がってそれぞれ設けられており、第1の接続部4c3および第2の接続部4d3のそれぞれの長さを維持してY方向の長さを短くすることができるので、実装領域が小さくなり、高密度実装が可能となる。また、積層型コンデンサ10Bは、実施の形態1の積層型コンデンサ10と比べると、第1の外部接続部4c2および第2の外部接続部4d2が内側に屈曲した分だけY方向の長さが短くなっている。
また、第1の接続部4c3および第2の接続部4d3は、図8に示すように、中央部に上下面を貫通する貫通孔4fをそれぞれ有しており、この貫通孔4fの大きさで第1の外部端子4cおよび第2の外部端子4dの剛性を調整することができる。したがって、積層型コンデンサ10Bは、積層型コンデンサ本体10の大きさまたは用途等に応じて振動音の抑制効果が得られるように貫通孔4fの大きさを調整することができる。なお、第1および第2の外部端子4c、4dは、貫通孔4fの短径または長径の大きさで剛性を調整することができる。なお、貫通孔4fは、上面視して、楕円形状であるが、楕円形状に限定されず、例えば、四角形状または円形状等であってもよい。
本発明は、上述した実施の形態1および実施の形態2に特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更および改良が可能である。