JP2016064990A - フルオロアルカン誘導体、ゲル化剤、液晶性化合物及びゲル状組成物 - Google Patents

フルオロアルカン誘導体、ゲル化剤、液晶性化合物及びゲル状組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なフルオロアルカン誘導体、その化合物よりなるゲル化剤及びそのゲル化剤を含むゲル状組成物、並びに、新規なフルオロアルカン誘導体よりなる液晶性化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるフルオロアルカン誘導体。
R−X−Ar1−O−R1−O−Ar2−Y (1)
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数6〜30の2価の芳香族基を示し、R1は鎖中に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい飽和又は不飽和の炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Rはパーフルオロアルキル基を有する飽和又は不飽和の炭素数2〜22の1価の炭化水素基を示し、Xは−S−又は−SO2−で表される基を示し、Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はフッ素原子を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオロアルカン誘導体、ゲル化剤、液晶性化合物及びゲル状組成物に関する。
従来、各種産業分野(例えば、塗料、化粧品、医薬医療、石油流出処理、電子・光学分野、環境分野など)において、液体状物質を固化、すなわちゼリー状に固めたり、又は、増粘したりする目的でゲル化剤が用いられている。
これらのゲル化剤としては、水をゲル化(固化)させるもの、並びに、非水溶媒及びそれらを主として含む溶液等をゲル化(固化)させるものがある。また、ゲル化剤の構造は高分子量型と低分子量型とに大別することができる。高分子量型のゲル化剤は、主に非水溶媒のゲル化に用いられ、親油性を有する高分子ポリマーの絡み合った分子中に油類を取り込み膨油しつつ、固体状を保つことを特徴とする。一方、低分子量型のゲル化剤の多くは、分子内に水素結合性官能基(例えば、アミノ基、アミド基及びウレア基など)を含むものであり、水素結合によって水や非水溶媒をゲル化することを特徴とする(例えば、特許文献1参照)。低分子量型のゲル化剤は、水のゲル化剤としては一般的であるが、非水溶媒のゲル化剤としての開発は比較的遅れていた。
さらに、水素結合性基を有しない低分子量型のゲル化剤は、例えば、特許文献2及び非特許文献1に開示されているものの、その例は極めて少ない。
また、それとは別に、近年、引き続き新規な液晶性化合物の開発が行われているところである。
特開平8−231942号公報 国際公開第2009/78268号
J. Fluorine. Chem.110,47−58(2001)
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、新規なフルオロアルカン誘導体、その化合物よりなるゲル化剤及びそのゲル化剤を含むゲル状組成物、並びに、新規なフルオロアルカン誘導体よりなる液晶性化合物を提供することを目的とする。
本発明者らが、低分子量型のゲル化剤として有用な新規な化合物について鋭意検討を行ったところ、特定の化学構造を有するフルオロアルカン誘導体がゲル化剤として作用することを見出した。また、本発明者らは、かかるフルオロアルカン誘導体が液晶性を有することをも見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]下記一般式(1)で表されるフルオロアルカン誘導体。
R−X−Ar1−O−R1−O−Ar2−Y (1)
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数6〜30の2価の芳香族基を示し、R1は飽和又は不飽和の炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Rはパーフルオロアルキル基を有する飽和又は不飽和の炭素数2〜22の1価の炭化水素基を示し、Xは−S−又は−SO2−で表される基を示し、Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はフッ素原子を示す。)
[2]前記Rが下記一般式(2)で表される基である、[1]に記載のフルオロアルカン誘導体。
m2m+1p2p− (2)
(式中、mは2〜16の自然数を示し、pは0〜6の整数を示す。)
[3]前記Ar1及びAr2が、それぞれ独立に、1つ以上の芳香族炭化水素環を有する縮合環、又は、複数の芳香環を単結合により結合した基であって、前記芳香環のうち1つ以上が芳香族炭化水素環である基である、[1]又は[2]に記載のフルオロアルカン誘導体。
[4]前記Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、フェニレン基又はビフェニレン基である、[1]又は[2]に記載のフルオロアルカン誘導体。
[5][1]〜[4]のいずれか一つに記載のフルオロアルカン誘導体からなるゲル化剤。
[6][1]〜[4]のいずれか一つに記載のフルオロアルカン誘導体からなる液晶性化合物。
[7][5]に記載のゲル化剤と、有機溶媒と、を含有するゲル状組成物。
本発明によれば、新規なフルオロアルカン誘導体、その化合物よりなるゲル化剤及びそのゲル化剤を含むゲル状組成物、並びに、新規なフルオロアルカン誘導体よりなる液晶性化合物を提供することができる。
本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(1−6))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(1−12))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(2))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(1−4))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(3−4))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(3−6))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(5))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(5))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(6))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(6))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(6))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(7))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(8))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体(化合物(9))について有機溶媒中での各濃度毎のゾル−ゲル転移温度の結果を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体を含む二成分系混合物において各成分の組成比を変化させた場合の相転移温度を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体を含む二成分系混合物において各成分の組成比を変化させた場合の相転移温度を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体を含む二成分系混合物において各成分の組成比を変化させた場合の相転移温度を示す図である。 本発明のフルオロアルカン誘導体の偏光顕微鏡写真である。 本発明のフルオロアルカン誘導体の偏光顕微鏡写真である。 本発明のフルオロアルカン誘導体を含む二成分系混合物の偏光顕微鏡写真である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明は下記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本実施形態のフルオロアルカン誘導体は、下記一般式(1)で表されるものである(以下、このフルオロアルカン誘導体を「化合物(1)」とも表記する。)。
R−X−Ar1−O−R1−O−Ar2−Y (1)
ここで、式(1)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数6〜30の2価の芳香族基を示し、R1は飽和又は不飽和の炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Rはパーフルオロアルキル基を有する飽和又は不飽和の炭素数2〜22の1価の炭化水素基を示し、Xは−S−又は−SO2−で表される基を示し、Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はフッ素原子を示す。以下、本実施形態のフルオロアルカン誘導体について詳述する。
上記式(1)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数6〜30の2価の芳香族基を示す。Ar1及びAr2は互いに同一であっても異なっていてもよい。2価の芳香族基は、いわゆる「芳香族性」を示す環式の2価の基である。この2価の芳香族基は、単素環式の基であっても複素環式の基であってもよい。2価の芳香族基は、置換基により置換されていてもよく、置換されていない無置換のものであってもよい。置換基は、化合物(1)の融点やゲル化能、液晶性を最適化する観点から選択されればよい。
単素環式の基は、その環形成原子数が6〜30であり、置換基により置換されていてもよく、置換されていない無置換のものであってもよい。その具体例としては、以下に限定されないが、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、フェナンスリレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、フルオランテニレン基に代表される環を有する2価の基が挙げられる。また、単素環式の基は、環形成原子数が6〜30の範囲内において、上述の2価の基を2つ以上有するものであってもよい。ここで、2つ以上の2価の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。単素環式の基を用いる場合、合成容易性及びゲル化容易性の観点から、置換又は無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基及びアントラニレン基のいずれかを用いることが好ましく、置換又は無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基及びナフチレン基のいずれかを用いることがより好ましく、置換又は無置換の、フェニレン基及びビフェニレン基のいずれかを用いることが更に好ましい。
複素環式の基は、その環形成原子数が6〜30であり、以下に限定されないが、例えば、ピリジレン基及びピリミジレン基に代表される環を有する2価の基が挙げられる。また、複素環式の基は、環形成原子数が6〜30の範囲内において、上述の2価の基を2つ以上有するものであってもよい。ここで、2つ以上の2価の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
さらに、Ar1及びAr2は、環形成原子数6〜30の範囲内において、上記単素環式の基及び複素環式の基の両方を有する基であってもよい。
Ar1及びAr2は、これらの中でも、ゲル化能及び化合物(1)を含むゲル状組成物の熱安定性又は液晶性をより有効かつ確実に有する観点から、それぞれ独立に、1つ以上の芳香族炭化水素環を有する縮合環、又は、複数の芳香環を単結合により結合した基であって、上記芳香環のうち1つ以上が芳香族炭化水素環である基であると好ましい。また、上記複数の芳香環は、いずれも芳香族炭化水素基であるとより好ましい。そのような2価の芳香族基としては、例えば、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基及びアントラニレン基が挙げられる。
また、Ar1及びAr2は、上記に加えて、原料の入手が容易であり、合成が容易である観点から、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基又はアントラニレン基が好ましく、置換又は無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基がより好ましく、置換又は無置換の、フェニレン基又はビフェニレン基がさらに好ましい。原料の入手が容易であり、合成が容易である観点からはフェニレン基が好ましく、少量の使用で高いゲル化能を示す観点からはビフェニレン基が好ましい。
また、上記置換基としては、以下に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基に代表されるアルキル基、ハロゲン原子が挙げられる。
Ar1及びAr2は、求めるゲル化能(ゲル化に必要な化合物(1)の量、化合物(1)を溶媒に溶解させるために必要な加熱温度)、あるいは液晶性を主に考慮して選択される。
1は飽和又は不飽和の炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。R1の炭素数が20以下であると、化合物(1)のゲル化能が高まると共に融点も高くなる。一方、R1の炭素数が1以上であると、液晶性により優れたものとなる。ここで、R1における炭化水素基は、鎖中(好ましくは主鎖中)に炭素原子だけでなく酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。R1は、2価の脂肪族炭化水素基であってもよく、更に置換基として、フェニル基などの1価の芳香族炭化水素基を有していてもよい。上記2価の炭化水素基が2価の脂肪族炭化水素基である場合、分岐していても分岐していなくても(直鎖状であっても)よい。また、上記2価の炭化水素基が置換基として1価の芳香族炭化水素基を有する場合、その芳香族炭化水素基が更に置換基を有していても有していなくてもよい。
無置換の2価の炭化水素基としては、以下に限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基及びイソブチレン基などの炭素数1〜6の分岐状又は直鎖状のアルキレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシジメチレン基、オキシジエチレン基及びオキシジプロピレン基などのオキシアルキレン基、チオメチレン基、チオエチレン基、チオプロピレン基、チオジメチレン基、チオジエチレン基及びチオジプロピレン基などのチオアルキレン基が挙げられる。
1は、それぞれ独立に、炭素数2〜16の2価の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜12の2価の炭化水素基であることが更に好ましい。また、R1は、アルキレン基であると好ましく、炭素数4〜12のアルキレン基であるとより好ましい。R1を上記のものにすると、より原料が入手しやすく容易な合成経路で一層高いゲル化能を有する化合物(1)を得ることができる。さらに、R1の炭素数が上記範囲内で多いほど、ゲル化能及び化合物(1)を含むゲル状組成物の熱安定性が高まる。
Rは、パーフルオロアルキル基を有する飽和又は不飽和の炭素数2〜22の1価の炭化水素基を示す。Rの主鎖の炭素数は、4〜16であると好ましく、4〜10であるとより好ましい。その炭素数を上記範囲にすることで、化合物(1)は合成がより容易となり、かつ一層高いゲル化能を示すと共に、取り扱い性にもさらに優れる化合物となる。
Rはパーフルオロアルキル基(以下、この段落において「Rf基」と表記する。)とアルキレン基(以下、この段落において「Rh基」と表記する。)を含むものであることが好ましく、それらからなるものであることがより好ましい。具体的には、Rは、下記一般式(2)で表される基であると好ましい。
m2m+1p2p− (2)
ここで、式(2)中、mは2〜16の自然数を示し、pは0〜6の整数を示す。
同様の観点、並びに取扱い性及び合成の容易性の観点から、mは2〜10であることが好ましく、4〜8であるとより好ましい。同様の観点から、pは2〜6であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。さらに、mの方がpよりも大きい方が好ましく、Rf基は分枝のない直鎖構造であることがより好ましい。Rf基の鎖はゲル化能により大きく影響を与える。
Xは硫黄原子(−S−で表される基)又はSO2基(−SO2−で表される基)を示す。化合物(1)がこれらの2価の基を有すると取扱い性とゲル化能又は液晶性とのバランスに優れたものとなる。化合物(1)が硫黄原子を有する場合、取り扱い性により優れると共に、合成が一層容易となる。一方、化合物(1)がSO2基を有する場合、ゲル化性能又は液晶性に一層優れる。
Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はフッ素原子を示す。飽和又は不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基としては、飽和又は不飽和の炭素数2〜10の1価のアルコキシ基が好ましく、飽和の炭素数2〜8の1価のアルコキシ基がより好ましい。Yが、シアノ基又はニトロ基であると、化合物(1)が液晶性により優れたものとなり、Yが、炭素数2〜20の1価のアルコキシ基又はフッ素原子であると、ゲル化能及び化合物(1)を含むゲル状組成物の熱安定性が向上する。
以下、本実施形態の化合物(1)の好ましいものを、R、X、Ar1、R1、Ar2及びYの組合せとして例示する。
本実施形態の化合物(1)の製法は特に限定されるものでないが、例えば、下記のスキーム又はそれに準じたスキームによって合成することができる。なお、より詳細には実施例に記載の方法により合成することができる。また、各式中の符号のうち上記一般式(1)と同じ符号は、その一般式(1)におけるものと同義であり、各式同士で互いに同じ符号がある場合は、それらの符号は互いに同義である。
まず、下記一般式(1a)で表される化合物を、アセトンなどの溶媒中、K2CO3などのアルカリ金属化合物の存在下、下記一般式(1b)で表される化合物でスルフィド化して、下記一般式(1c)で表される化合物を得る。
H−S−Ar1−OH (1a)
RZ1 (1b)
R−S−Ar1−OH (1c)
ここで、上記式中、Z1は、例えばヨウ素原子などのハロゲン原子を示す(以下同様。)。
次いで、上記一般式(1c)で表される化合物を、アセトン又は3−ペンタノンなどの溶媒中、K2CO3などのアルカリ金属化合物の存在下、下記一般式(1d)で表される化合物でエーテル化して、下記一般式(1e)で表される化合物を得る。
2−R1−Z2 (1d)
R−S−Ar1−O−R1−Z2 (1e)
ここで、式(1d)及び(1e)中、Z2は、例えば臭素原子などのハロゲン原子を示す(以下同様。)。
上記一般式(1e)で表される化合物を酢酸などの触媒の存在下で、過酸化水素などの酸化剤により酸化(スルホニル化)することで、下記一般式(1f)で表される化合物が得られる。
R−SO2−Ar1−O−R1−Z2 (1f)
次いで、上記式(1e)又は(1f)で表される化合物を、アセトン、3−ペンタノン又はシクロヘキサノンなどの溶媒中、K2CO3などのアルカリ金属化合物の存在下、下記一般式(1g)で表される化合物と反応させて、化合物(1)を得る。
HO−Ar2−Y (1g)
また、Ar1がビフェニレン基やターフェニレン基、フェニレンピリジレン基などの複数の芳香環を単結合により結合した基である場合は、例えば下記合成法により、化合物(1)を得ることができる。まず、下記一般式(1h)で表されるチオール化合物を、アセトンなどの溶媒中、K2CO3などのアルカリ金属化合物の存在下、上記一般式(1b)で表される化合物でスルフィド化して、下記一般式(1i)で表される化合物を得る。ここで、式(1h)及び(1i)中、Z3は、例えば臭素原子などのハロゲン原子を示し、Ar3は、上記一般式(1)におけるAr1を構成する2価の芳香族炭化水素基の一部を示す。
HS−Ar3−Z3 (1h)
R−S−Ar3−Z3 (1i)
次いで、上記一般式(1i)で表される化合物を、酢酸などの触媒の存在下で、過酸化水素などの酸化剤により酸化することで、下記化合物(1j)を得る。
R−SO2−Ar3−Z3 (1j)
次に、上記一般式(1i)又は(1j)で表される化合物と下記一般式(1k)で表される化合物とから、Na2CO3などの塩基水溶液中、パラジウム触媒の存在下で、鈴木・宮浦カップリングにより、下記一般式(1l)で表される化合物を得る。ここで、式(1k)中、Ar4は、上記一般式(1)におけるAr1を構成する2価の芳香族炭化水素基の一部であって、Ar3とは別の一部を示し、Ar3とAr4が単結合により結合したものがAr1となる。また、R2は、例えばメチル基などのアルキル基を示す。
2−O−Ar3−B(OH)2 (1k)
R−X−Ar1−O−R2 (1l)
次いで、上記一般式(1l)で表される化合物を、酸触媒の存在下で脱アルキル化して、下記一般式(1m)で表される化合物を得る。
R−X−Ar1−OH (1m)
次に、上記一般式(1m)で表される化合物を、アセトン又は3−ペンタノンなどの溶媒中、K2CO3などのアルカリ金属化合物の存在下、上記一般式(1d)で表される化合物でエーテル化して、下記一般式(1n)で表される化合物を得る。
R−X−Ar1−O−R1−Z2 (1n)
そして、上記式(1n)で表される化合物を、アセトン、3−ペンタノン又はシクロヘキサノンなどの溶媒中、K2CO3などのアルカリ金属化合物の存在下、上記一般式(1g)で表される化合物と反応させて、化合物(1)を得る。
本実施形態の化合物(1)は、有機溶媒をゲル化するゲル化剤として用いることができる。特に、かかる化合物は、多様な有機溶媒を少量の添加によりゲル化又は固化できる点で有利である。また、本実施形態のゲル状組成物は、1種又は2種以上の化合物(1)と有機溶媒とを含有する。
本実施形態のゲル状組成物に含まれる有機溶媒は非水溶媒であると好ましい。非水溶媒としては特に限定されないが、室温で液体である非水溶媒を用いるのが一般的である。
そのような非水溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びオクタノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル及びγ−ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、ε―カプロラクトンなどの酸エステル類、ジメチルケトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノン及びアセトンなどのケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、パーフルオロデカリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、フルオロベンゼン及びヘキサフルオロベンゼンなどのフッ素原子を有してもよい炭化水素類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、クラウンエーテル類、グライム類、テトラヒドロフラン及びフルオロアルキルエーテルなどのエーテル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレンジアミン及びピリジンなどのアミド類、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類、パーフルオロトリブチルアミンなどのフッ素原子を有していてもよいアミン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリルなどのニトリル類、N−メチルピロリドン(NMP)などのラクタム類、スルフォランなどのスルホン類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、シリコンオイル及び石油などの工業オイル類、食用油などが挙げられる。
また、非水溶媒としてイオン液体を用いることもできる。イオン液体とは、有機カチオンとアニオンとを組み合わせたイオンからなる常温溶融塩である。イオン液体は、難燃性であり、爆発性が低く、蒸気圧がほとんどないことなどが特徴である。また、イオン液体は、熱やイオンの伝導性が高いこと、イオン種の選択によって物性制御デザインが可能であること、及び選択的で高いガス吸収能を有することなどから、様々な用途への展開が期待されている。
有機カチオンとしては、例えば、ジアルキルイミダゾリウムカチオン、トリアルキルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアルコキシアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ジアルキルピロリジニウムイオン、ジアルキルピペリジニウムイオンが挙げられる。
これらの有機カチオンのカウンターとなるアニオンとしては、例えば、PF6アニオン、PF3(C253アニオン、PF3(CF33アニオン、BF4アニオン、BF2(CF32アニオン、BF3(CF3)アニオン、ビスオキサラトホウ酸アニオン、Tf(トリフルオロメタンスルフォニル)アニオン、Nf(ノナフルオロブタンスルホニル)アニオン、ビス(フルオロスルフォニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルフォニル)イミドアニオン、ジシアノアミンアニオン、ハロゲン化物アニオンなどを用いることができる。
これらの非水溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態のゲル状組成物は、その全量に対して化合物(1)を0.05〜10.0質量%含有すると好ましく、0.1〜8.0質量%含有するとより好ましく、0.3〜5.0質量%含有すると更に好ましい。この含有量が上記下限値以上であることにより、化合物(1)がゲル化剤としてより十分に機能する傾向にあり、上記上限値以下であることにより、経済性及びハンドリング性が更に向上する傾向にあると共に、ゲル化剤が不純物となるのを一層抑制し、非水溶媒が有する性能の低下を更に防止することができる。同様の観点から、本実施形態のゲル状組成物は、その全量に対して有機溶媒を90〜99.95質量%含有すると好ましく、92〜99.9質量%含有するとより好ましく、95〜99.7質量%含有すると更に好ましい。
本実施形態のゲル状組成物は、化合物(1)と有機溶媒に加えて、化合物(1)のゲル化剤としての機能を阻害しない範囲において他の成分を含有してもよい。そのような成分としては、例えば、化合物(1)以外のゲル化剤、凝固剤、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、乳化剤、潤滑剤及び安全性向上添加剤などが挙げられる。
本実施形態のゲル状組成物の調製法は特に限定しないが、例えば、有機溶媒、ゲル化剤(すなわち化合物(1))及びその他の添加剤などを加熱しながら混合して均一な混合液にした後に当該混合液を降温することで調製できる。各成分の混合順は特に問わないが、予め非水溶媒と添加剤とからなる溶液を調製した後に、ゲル化剤を混合すると、より容易に均一な混合液になるため、好ましい。
また、本実施形態の化合物(1)は、液晶性化合物として用いることもできる。化合物(1)は、特定の温度範囲でスメクチックA相を形成することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、一般式(α)、一般式(α−β)及び一般式(γ)で表される化合物(α及びβは自然数を示し、γはアルファベットを示す。)を、それぞれ、化合物(α)、化合物(α−β)及び化合物(γ)と表記する。図面の簡単な説明においても同様である。
(実施例1)
(化合物(1−6)の合成)
まず、下記のスキームにて、下記式(A)で表される化合物を得た。
具体的には、まず、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアイオダイド21.70g(45.8mmol)、4−メルカプトフェノール5.72g(45.3mmol)、炭酸カリウム7.24g(52.8mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、65℃で2日間、還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、適量の水と1N塩酸30mLとを加えた後に酢酸エチル及び食塩水を更に加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加え30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体をクロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A)18.23g(38.6mmol)を得た。得られた化合物(A)は無色の粉末であり、その融点は65〜68℃であり、収率は85.2%であった。また、赤外分光光度計(株式会社島津製作所社製、商品名「IRPrestige−21」。以下同様。)、及び、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社社製、商品名「JMN−LA500」。以下同様。)により、化合物(A)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν=3431 (O-H), 1588,1492 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.28-2.38 (2H, m), 2.99 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 5.00 (1H, s), 6.82 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
次に、下記のスキームにて、化合物(B)を得た。
具体的には、まず、化合物(A)2.12g(4.47mmol)、1,6−ジブロモヘキサン3.68g(15.1mmol)、炭酸カリウム0.72g(5.22mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、60℃で11時間、還流を行った。その間、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて1時間毎に反応の進行度を確認した。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、酢酸エチル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し液体を得た。得られた液体にメタノールを加え、析出した固体をろ別し、得られた濾液を減圧蒸留して、化合物(B)1.79g(2.81mmol)を得た。得られた化合物(B)は灰色の固体であり、その融点は35〜37℃であり、収率は62.9%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(B)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν=1591,1496 (C=C), 1235-1140 (C-F), 640-520 (C-Br) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.49-1.58 (6H, m), 1.80 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 1.90 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 2.28-2.38 (2H, m), 3.30 (2H, tt, J = 7.9, 3.1 Hz), 3.42 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.95 (2H, t, J = 6.7 Hz), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
そして、下記のスキームにて、化合物(1−6)を得た。
具体的には、まず、化合物(B)1.8g(2.38mmol)、4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル0.59g(2.40mmol)、炭酸カリウム0.53g(3.89mmol)、及びアセトン50mLをナスフラスコ内に入れ、65℃で2日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(1−6)1.49g(1.99mmol)を得た。得られた化合物(1−6)は無色の粉末であり、その融点は108〜110℃であり、収率は83.6%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(1−6)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν =2250 (C≡N), 1593,1491 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.56 (4H, quin, J = 3.66 Hz), 1.85 (4H, quin, J = 4.12 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 3.00 (2H, tt, J = 7.9, 3.1 Hz), 3.97 (2H, t, J =6.41 Hz), 4.02 (2H, t, J = 6.41 Hz), 6.87 (2H, d, J = 8.55 Hz), 6.99 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.36 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.52 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.63 (2H, d, J = 8.55 HZ), 7.69 (2H, d, J = 8.55 Hz) ppm
(実施例2)
(化合物(2)の合成)
まず、下記のスキームにて、化合物(C)を得た。
具体的には、まず、上記のようにして得られた化合物(B)1.79g(2.81mmol)、35質量%過酸化水素水0.29g(2.91mmol)、及び酢酸50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で一晩還流を行った。反応終了後、室温まで静置し、そこに6質量%亜硫酸水素ナトリウムを40mL加えて吸引濾過し、化合物(C)1.59g(2.38mmol)を得た。得られた化合物(C)は無色の結晶であり、その融点は64〜65℃であり、収率は85%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(C)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1593,1497 (C=C), 1235-1140 (C-F), 640-520 (C-Br) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.52-1.58 (8H, m), 1.85 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 1.91 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 2.53-2.63 (2H, m), 3.29 (2H, tt, J = 8.5, 4.0 Hz), 3.43 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.06 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.85 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
次に、下記のスキームにて、化合物(2)を得た。
具体的には、まず、化合物(C)2.60g(3.89mmol)、4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル0.76g、(3.89mmol)、炭酸カリウム0.57g(4.11mmol)、及び3−ペンタノン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で24時間、還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮して固体を得た。得られた固体をクロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製後、エタノールで再結晶を行い、化合物(2)2.19g(2.84mmol)を得た。得られた化合物(2)は無色の粉末であり、その融点は126〜128℃であり、収率は73.0%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(2)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν =2235 (C≡N), 1588,1498 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.56 (4H, quin, J = 3.66 Hz), 1.87 (4H, quin, J = 6.71 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 3.00 (2H, tt, J = 8.5, 4.0 Hz), 4.03 (2H, t, J =6.41 Hz), 4.07 (2H, t, J = 6.41 Hz), 6.99 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.05 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.53 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.64 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.69 (2H, d, J = 8.55 HZ), 7.84 (2H, d, J = 9.16 Hz) ppm
(実施例3)
(化合物(1−12)の合成)
下記のスキームにて、化合物(1−12)を得た。
具体的には、まず、化合物(A)3.00g(6.33mmol)、1,12−ジブロモウンデカン3.31g(9.50mmol)、炭酸カリウム1.03g、(7.46mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、60℃で11時間還流を行った。その間、HPLCにて1時間毎に反応の進行度を確認した。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、酢酸エチル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。次いで、得られた固体をシクロペンチルメチルエーテルで洗浄し再び吸引濾過を行い、その洗浄を更に2回行った。得られた固体2.00g、4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル1.24g、(6.36mmol)、炭酸カリウム1.24g、(8.99mmol)、及び3−ペンタノン50mLをナスフラスコ内に入れ、110℃で2日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、酢酸エチル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体をクロロホルムでリサイクルHPLCにより精製し、化合物(1−12)0.82g(0.98mmol)を得た。得られた化合物(1−12)は、無色の粉末であり、その融点は107〜108℃であり、収率は15.5%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(1−12)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 2220 (C≡N), 1590,1496 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.29-1.36 (10H, m), 1.42-1.50 (2H, m), 1.74-1.83 (8H, m), 2.27-2.38 (2H,m), 2.96 (2H, tt, J = 7.9, 3.1 Hz), 3.94 (2H, t, J = 6.41 Hz), 4.00 (2H, t, J = 6.71 Hz), 6.86 (2H, d, J = 9.16 Hz), 6.98 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.36 (2H, d, J = 9.16 Hz),7.51 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.62 (2H, d, J = 8.54 Hz), 7.67 (2H, d, J = 9.16 Hz) ppm
(実施例4)
(化合物(1−4)の合成)
まず、下記のスキームにて、化合物(H)を得た。
具体的には、まず、化合物(A)3.08g(6.53mmol)、1,4−ジブロモブタン4.44g(20.6mmol)、炭酸カリウム1.50g(10.9mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、60℃で9時間、還流を行った。その間、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて1時間毎に反応の進行度を確認した。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、酢酸エチル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し液体を得た。得られた液体にメタノールを加え再結晶して吸引濾過を行い、得られた濾液を減圧蒸留して、化合物(H)3.12g(5.12mmol)を得た。得られた化合物(H)は灰色の粘性がある固体であり、その融点は26〜30℃であり、収率は78%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(H)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1234-1182 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.95 (2H, quin, J = 3.05 Hz) 2.07 (2H, quin, J = 3.05 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 2.99 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 3.49 (2H, t, J = 6.41 Hz), 3.99 (2H, t, J = 6.10 Hz), 6.86 (2H, d, J = 8.55 HZ), 7.37 (2H, d, J = 8.55 Hz) ppm
そして、下記のスキームにて、化合物(1−4)を得た。
具体的には、まず、化合物(H)0.59g(0.97mmol)、4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル0.19g(0.97mmol)、炭酸カリウム0.20g(1.45mmol)、及び3−ペンタノン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で24時間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(1−4)0.52g(0.72mmol)を得た。得られた化合物(1−4)は白色の粉末であり、その融点は124〜125℃であり、収率は74%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(1−4)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 2232 (C≡N), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.00 (4H, quin, J = 3.05 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 3.00 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 4.04 (2H, t, J = 5.50 Hz), 4.09 (2H, t, J = 5.80 Hz), 6.87 (2H, d, J = 9.16 Hz), 6.99 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.37 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.53 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.63 (2H, d, J = 8.55 HZ), 7.69 (2H, d, J = 8.55 Hz) ppm
(実施例5)
(化合物(3−4)の合成)
下記のスキームにて、化合物(3−4)を得た。
具体的には、まず、化合物(H)0.57g(0.94mmol)、4−ヒドロキシ−4’−ニトロビフェニル0.20g(0.94mmol)、炭酸カリウム0.21g(1.52mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、65℃で2日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(3−4)0.51g(0.69mmol)を得た。得られた化合物(3−4)は黄色の粉末であり、その融点は94〜96℃であり、収率は73%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(3−4)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1530 (NO2), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.03 (4H, quin, J = 3.05 Hz), 2.28-2.39 (2H,m), 3.00 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 4.05 (2H, t, J = 5.80 Hz), 4.10 (2H, t, J = 5.80 Hz), 6.88 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.01 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.37 (2H, d, J = 8.55 Hz),7.57 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.68 (2H, d, J = 9.16 HZ), 8.26 (2H, d, J = 9.16 Hz) ppm
(実施例6)
(化合物(3−6)の合成)
下記のスキームにて、化合物(3−6)を得た。
具体的には、まず、化合物(B)0.83g(1.30mmol)、4−ヒドロキシ−4’−ニトロビフェニル0.29g(1.30mmol)、炭酸カリウム0.25g(1.81mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、65℃で2日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(3−6)0.62g(0.81mmol)を得た。得られた化合物(3−6)は黄色の粉末であり、その融点は76〜78℃であり、収率は62%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(3−6)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν =1533 (NO2), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.56-1.57 (4H, m), 1.85 (4H, quin, J = 4.28 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 2.99 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 3.98 (2H, t, J = 6.41 Hz), 4.03 (2H, t, J = 6.41 Hz), 6.87 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.01 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.37 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.57 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.68 (2H, d, J = 8.55 HZ), 8.26 (2H, d, J = 9.16 Hz) ppm
(実施例7)
(化合物(4−4)の合成)
下記のスキームにて、化合物(4−4)を得た。
具体的には、まず、化合物(H)0.76g(1.24mmol)、4−シアノフェノール0.14g(1.24mmol)、炭酸カリウム0.25g(1.81mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、65℃で2日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(4−4)0.35g(0.54mmol)を得た。得られた化合物(4−4)は白色の粉末であり、その融点は67〜69℃であり、収率は44%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(4−4)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 2228 (C≡N), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.00 (4H, quin, J = 2.59), 2.28-2.38 (2H,m), 3.00 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 4.03 (2H, t, J = 5.80 Hz), 4.08 (2H, t, J = 5.80 Hz), 6.86 (2H, d, J = 9.16 Hz), 6.93 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.37 (2H, d, J = 8.55 HZ), 7.58 (2H, d, J = 9.16 Hz) ppm
(実施例8)
(化合物(4−6)の合成)
下記のスキームにて、化合物(4−6)を得た。
具体的には、まず、化合物(B)0.94g(1.48mmol)、4−シアノフェノール0.18g(1.48mmol)、炭酸カリウム0.25g(1.81mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、65℃で2日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(4−6)0.48g(0.71mmol)を得た。得られた化合物(4−6)は白色の粉末であり、その融点は68〜70℃であり、収率は48%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(4−6)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 2223 (C≡N), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ =1.55 (4H, quin, J = 3.66 Hz), 1.80-1.87(4H, m), 2.28-2.38 (2H,m), 2.99 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 3.97 (2H, t, J = 6.41 Hz), 4.01 (2H, t, J = 6.41 Hz), 6.86 (2H, d, J = 8.55 Hz), 6.93 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.37 (2H, d, J = 8.55 HZ), 7.57 (2H, d, J = 9.16 Hz) ppm
(実施例9)
(化合物(5)の合成)
下記のスキームにて、化合物(5)を得た。
具体的には、まず、化合物(B)0.94g(1.48mmol)、4−ヒドロキシ−4’−ヘキシルビフェニル0.27g(0.97mmol)、炭酸カリウム0.18g(1.30mmol)、及び3−ペンタノン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で12時間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでリサイクルHPLCにより精製し、化合物(5)0.45g(0.55mmol)を得た。得られた化合物(5)は白色の粉末であり、その融点は142〜144℃であり、収率は57%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(5)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 0.90-0.93 (3H, m), 1.33-1.36 (4H, m), 1.47 (2H, quin, J = 7.25 Hz), 1.55-1.63 (4H, m), 1.77-1.85 (6H, m), 2.28-2.38 (2H,m), 2.99 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 3.99 (6H, ttt, J = 6.41, 6.41, 6.41 Hz), 6.87 (2H, d, J = 8.55 Hz), 6.93 (4H, dd, J = 8.55, 8.55 Hz), 7.36 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.46 (4H, dd, J = 8.55, 8.55 Hz) ppm
(実施例10)
(化合物(6)の合成)
下記のスキームにて、化合物(6)を得た。
具体的には、まず、化合物(B)0.60g(0.94mmol)、4−フルオロ−4’−ヒドロキシビフェニル0.18g(0.94mmol)、炭酸カリウム0.18g(1.30mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、65℃で2日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでリサイクルHPLCにより精製し、化合物(6)0.35g(0.47mmol)を得た。得られた化合物(6)は白色の粉末であり、その融点は115〜117℃であり、収率は51%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(6)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.55-1.57 (4H, m), 1.84 (4H, quin, J = 5.04 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 2.99 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 3.97 (2H, t, J = 6.41 Hz), 4.01 (2H, t, J = 6.41 Hz), 6.87 (2H, d, J = 9.16 Hz), 6.95 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.09 (2H, dd, J = 8.55, 9.16 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.45 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.49 (2H, dd, J = 9.2, 5.5) ppm
(実施例11)
(化合物(7)の合成)
まず、下記のスキームにて、化合物(D)を得た。
具体的には、まず、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアイオダイド4.62g(9.75mmol)、4−ブロモベンゼンチール1.81g(9.57mmol)、炭酸カリウム1.51g(10.9mmol)、及びアセトン50mLを200mLナスフラスコに入れ、65℃にて24時間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加え30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体をメタノールで再結晶後、吸引濾過し、化合物(D)4.59g(8.58mmol)を得た。得られた化合物(D)は、無色の粉末であり、その融点は38〜40℃であり、収率は89.6%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(D)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1580, 1477 (C=C), 1248-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.33-2.43 (2H, m), 3.10 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 7.23 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.46 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
次に、下記のスキームにて、化合物(E)を得た。
具体的には、まず、窒素雰囲気下で、4−ブロモアニソール5.01g(2.68mmol)、削状マグネシウム0.82g(33.7mmol)、及びドライテトラヒドロフラン25mLを200mL二口フラスコに入れ、室温で灰色の溶液になるまで撹拌を行った。次に、−78°Cまで冷却後、そこにホウ酸トリメチル3.43g(3.30mmol)及びドライテトラヒドロフラン15mLを加えて2時間撹拌を行った。その後、徐々に室温に戻して更に2時間撹拌した。次いで、空気雰囲気にして、1N希塩酸50mLを氷冷中で加えて1時間撹拌した。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、酢酸エチル、水及び食塩水を更に加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加え30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し、化合物(E)2.63g(17.3mmol)を得た。得られた化合物(E)は灰色の粉末であり、その融点は201〜206℃であり、収率は65.0%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(E)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 3358 (O-H), 1601, 1580 (C=C), 1250 (>O) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 3.76 (3H, s), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.85 (2H, s) ppm
次に、下記のスキームにて、化合物(F)を得た。
具体的には、まず、窒素雰囲気下で、化合物(D)7.10g(13.3mmol)、化合物(E)2.30g(15.1mmol)、炭酸ナトリウム1.98g(18.7mmol)、酢酸パラジウム(II)0.01g(0.045mmol)、トリフェニルホスフィン0.03g(0.11mmol)、水20mL及び1,4−ジオキサン80mLをフラスコに入れ、100℃で18時間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置して、空気雰囲気にして、1N塩酸50mLを加えて中和した後に吸引濾過を行って固体を得た。その固体を酢酸エチルに溶解し、さらに吸引濾過を行って、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(F)7.04g(12.5mmol)を得た。得られた化合物(F)は褐色の粉末であり、その融点は128〜131℃であり、収率は94.2%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(F)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1601, 1580 (C=C), 1250 (>O), 1248-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.33-2.48 (2H, m), 3.14 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 3.85 (3H, s), 6.98 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.41 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.52 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.52 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
次に、下記のスキームにて、化合物(G)を得た。
具体的には、まず、化合物(F)7.04g(12.5mmol)、及びジクロロメタン60mLを500mLナスフラスコ内に入れ、氷浴中で1時間撹拌した後に、三臭化ホウ素8.01g(31.9mmol)を加え、徐々に室温に戻して更に12時間撹拌した。次いで、空気雰囲気にして、水を氷冷中で加えて1時間撹拌した。析出した固体を吸引濾過し、この固体をクロロホルムから再結晶し、化合物(G)5.14g(9.38mmol)を得た。得られた化合物(G)は無色の粉末であり、その融点は170〜173℃であり、収率は63.2%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(G)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 3445 (O-H), 1609, 1489 (C=C), 1235-1186 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.43-2.51 (2H, m), 3.16 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 6.78 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.43 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.51 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
次いで、下記のスキームにて、化合物(I)を得た。
具体的には、まず、化合物(G)2.00g(3.65mmol)、1,6−ジブロモヘキサン2.88g(11.8mmol)、炭酸カリウム0.65g(4.72mmol)、及び3−ペンタノン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で6時間、還流を行った。その間、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて1時間毎に反応の進行度を確認した。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し、残渣にアセトンを加え、不溶物を吸引濾過により除いた。そして、ろ液を濃縮して、化合物(I)1.50g(2.11mmol)を得た。得られた化合物(I)は灰色の固体であり、その融点は97〜101℃であり、収率は58%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(I)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1235-1140 (C-F), 640-520 (C-Br) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.52 (4H, quin, J = 4.88 Hz), 1.82 (2H, quin, J = 6.87 Hz), 1.91 (2H, quin, J = 6.87 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 3.12-3.15 (2H, m), 4.01 (2H, t, J = 6.41 Hz), 6.97 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.41 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.50 (2H, dd, J = 8.55, 7.32 Hz) ppm
そして、下記のスキームにて、化合物(7)を得た。
具体的には、まず、化合物(I)0.60g(0.85mmol)、4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル0.17g(0.85mmol)、炭酸カリウム0.21g(1.52mmol)、及び3−ペンタノン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で1日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、シクロペンチルメチルエーテル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(7)0.40g(0.48mmol)を得た。得られた化合物(7)は白色の粉末であり、その融点は162〜163℃であり、収率は57%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(7)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 2230 (C≡N), 1235-1240 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.57 (6H), 1.86 (4H), 2.43 (2H), 3.14 (2H), 4.03 (4H), 6.98 (4H), 7.42 (2H), 7.68 (2H) ppm
(実施例12)
(化合物(8)の合成)
下記のスキームにて、化合物(8)を得た。
具体的には、まず、化合物(I)0.52g(0.73mmol)、4−フルオロ−4’−ヒドロキシビフェニル0.14g(0.73mmol)、炭酸カリウム0.18g(1.30mmol)、及び3−ペンタノン50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で1日間還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水、酢酸エチル及び食塩水を加えて水相と有機相に分離した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて30分間静置した後、ひだ折り濾過を行い、濾液をエバポレーターで濃縮し固体を得た。得られた固体を、クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(8)0.06g(0.07mmol)を得た。得られた化合物(8)は無色の結晶であり、その融点は181〜182℃であり、収率は10%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(8)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.78 (6H), 1.86 (2H), 2.42 (2H), 3.14 (2H), 4.02 (4H), 6.97 (2H), 7.09 (2H), 7.40-7.54 (4H,m) ppm
(実施例13)
(化合物(9)の合成)
まず、下記のスキームにて、化合物(J)を得た。
具体的には、まず、化合物(I)0.6g(0.84mmol)、35質量%過酸化水素水0.21g(2.1mmol)、及び酢酸50mLを200mLナスフラスコ内に入れ、110℃で一晩還流を行った。反応終了後、室温まで静置し、そこに6質量%亜硫酸水素ナトリウムを40mL加えて吸引濾過し、化合物(J)0.54g(0.74mmol)を得た。得られた化合物(J)は無色の結晶であり、その融点は151〜152℃であり、収率は87%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合(J)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1235-1140 (C-F), 640-520 (C-Br) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.53 (2H, quin, J = 3.51 Hz), 1.84 (2H, quin, J = 6.71 Hz), 1.92 (2H, quin, J = 7.02 Hz), 2.58-2.68 (2H,m), 3.36 (2H, tt, J = 8.5, 4.0 Hz), 3.44 (2H, t, J = 6.71 Hz), 4.03 (2H, t, J = 6.41 Hz), 7.00 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.56 (2H, d, J = 9.16 Hz), 7.77 (2H, d, J = 8.55 Hz), 7.96 (2H, d, J = 8.55 Hz) ppm
そして、下記のスキームにて、化合物(9)を得た。
具体的には、まず、化合物(J)0.52g(3.89mmol)、4−フルオロ−4’−ヒドロキシビフェニル0.13g、(0.71mmol)、炭酸カリウム0.15g(1.10mmol)、及びシクロヘキサノン70mLを200mLナスフラスコ内に入れ、160℃で1日間、還流を行った。反応終了後、室温になるまで静置し分液漏斗に移した。そこに、水100mLを加えて吸引濾過を行い、固体と液体に分離した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、化合物(9)0.03g(0.04mmol)を得た。得られた化合物(9)は無色の結晶であり、その融点は190〜191℃であり、収率は6.0%であった。また、赤外分光光度計及び核磁気共鳴装置により、化合物(9)を同定した。その結果を下記に示す。
IR(KBr):ν = 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.58 (6H), 1.86 (2H), 2.61 (2H), 3.36 (2H), 4.05 (4H), 6.97 (2H), 7.09 (2H), 7.77 (2H), 7.95 (2H) ppm
(ゲル化能の評価)
容器内で上記各化合物と有機溶媒とを加熱しながら混合して均一な混合液とした後に、25℃まで降温してサンプル液を得た。なお、加熱は化合物が溶解するまで行った。その容器を25℃の環境下で30分間静置後、サンプル液が収容された状態で容器を上下逆にして、その際の流動性を確認し、流動性を失っているものをゲル化したゲル状組成物であるとして「G」と評価した。また、有機溶媒と上記各化合物との混合比を変化させ、ゲル状組成物にするために必要な化合物の最低濃度(ゲル状組成物の総量を基準とする化合物の濃度)を、質量基準(質量%)で求めた。化合物の量が少ないほどゲル化能が高いといえる。結果を表1の括弧内に示す。
一方、上述のサンプル液における上記各化合物の濃度を5質量%まで高めて加熱してもゲル化せず、25℃の環境下で30分間静置後にゾル状にあったものを「S」、沈殿物が生じたものを「P」、化合物が溶解しなかったものを「I」と評価した。この結果も表1に示す。
また、ゲル化したサンプル液について、化合物の各濃度(Conc.)毎のゾル−ゲル転移温度(Tsol-gel)の結果を図1〜14に示す。なお、図中、有機溶媒として、「PC」は炭酸プロピレン、「GBL」はγ−ブチロラクトン、「BMIM−TFSA」は、イオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、「EMIM−TFSA」はイオン液体である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、「TMPA−TFSA」はイオン液体であるN,N,N−−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、「DEME−TFSA」はイオン性液体であるN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドをそれぞれ示す。
なお、用いた有機溶媒は、表1及び図1〜14に示すとおりである。
(相転移温度の測定)
上記各化合物について、結晶及びスメクティックA相の間の相転移温度(すなわち融点)、スメクティックA相及び等方性液体の間での相転移温度、並びに、スメクティックA相及び等方性液体の間での相転移潜熱を下記のようにして測定した。
相転移温度及び相転移潜熱は、示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、製品名「SSC−5200DSC」)を用い、毎分5℃又は10℃の昇温速度及び降温速度にて測定した。液晶相の同定は、温度コントローラー(メトラー社製、FP82HTホットステージ及びFP90コントロールプロセッサー)を備えた偏光顕微鏡(ニコン社製、製品名「OHOPTIPHOT2−POL」、光学倍率100倍)にて行った。
結果を表2に示す。なお、表2中、「mp」は結晶及びスメクティックA相の間での相転移温度、すなわち融点を示し、「SmA−Iso」はスメクティックA相及び等方性液体(Iso)の間での相転移温度を示し、温度を括弧(( ))で示す相転移は、単変相転移であることを示す。また、ΔH[SmA−Iso]はスメクティックA相及び等方性液体の間での相転移潜熱を示す。さらに、化合物(1−4)と下記式(8OCB)で表される化合物(以下、「化合物(8OCB)」と表記する。)との二成分系混合物、化合物(1−6)と化合物(1−12)との二成分系混合物、並びに化合物(4−6)と化合物(8OCB)との二成分系混合物について、各成分の組成比を変化させた際の相転移温度を、上記と同様にして測定した。その結果を図15、16及び17に示す。なお、図15、16及び17中、「C」は結晶、「SmA」はスメクティックA相、「Iso」は等方性液体、「N」はネマティック相を示す。また、化合物(8OCB)は、相転移温度が、結晶及びスメクティックA相間で55℃、スメクティックA相及びネマティック相間で67℃、ネマティック相及び等方液体間で80℃であった。
(偏光顕微鏡写真)
化合物(3−4)及び(3−6)、並びに、化合物(1−4)と化合物(8OCB)との二成分系(化合物(1−4):化合物(8OCB)=40:60(モル比))混合物について、偏光顕微鏡写真を撮影した。まず、試料である化合物又は二成分系混合物を、スライドガラスとカバーガラスとの間に挟んだ後、結晶が融解し、等方性液体になるまで加熱し、室温まで冷却した。これにより結晶化した試料を偏光顕微鏡観察下で毎分5℃で昇温するよう加熱した。試料が等方性液体になった後、毎分5℃で降温するよう冷却した。
化合物(3−4)については、試料加熱時には95℃にて結晶が融解し、等方性液体になった。等方性液体の冷却時には、88℃にてスメクティックA相に特徴を示すファン組織が認められた。さらに冷却し、85℃になった時点で、ファン組織の偏光顕微鏡写真(100倍)を撮影した。その写真を図18に示す。
化合物(3−6)については、試料加熱時には70℃にて結晶が融解し、スメクティックA相になり、さらに加熱すると、78℃にて等方性液体になった。等方性液体の冷却時には、78℃にてスメクティックA相に特徴を示すファン組織が認められた。さらに冷却し、75℃になった時点で、ファン組織の偏光顕微鏡写真(100倍)を撮影した。その写真を図19に示す。
化合物(1−4)と8OCBとの二成分系混合物については、試料加熱時には92℃にて結晶が融解して、スメクティックA相になり、さらに加熱すると、100℃にて等方性液体になった。等方性液体の冷却時には、100℃にてスメクティックA相に特徴を示すファン組織がみられた。さらに冷却し、95℃になった時点で、ファン組織の偏光顕微鏡写真(100倍)を撮影した。その写真を図20に示す。
本発明の新規なフルオロアルカン誘導体は、ゲル化能を有したり液晶性を示したりするものである。したがって、本発明は、ゲル化剤及びそれを含むゲル状組成物、並びに液晶性化合物及びそれを含む液晶性組成物の分野に産業上利用可能性がある。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるフルオロアルカン誘導体。
    R−X−Ar1−O−R1−O−Ar2−Y (1)
    (式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数6〜30の2価の芳香族基を示し、R1は鎖中に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい飽和又は不飽和の炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Rはパーフルオロアルキル基を有する飽和又は不飽和の炭素数2〜22の1価の炭化水素基を示し、Xは−S−又は−SO2−で表される基を示し、Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はフッ素原子を示す。)
  2. 前記Rが下記一般式(2)で表される基である、請求項1に記載のフルオロアルカン誘導体。
    m2m+1p2p− (2)
    (式中、mは2〜16の自然数を示し、pは0〜6の整数を示す。)
  3. 前記Ar1及びAr2が、それぞれ独立に、1つ以上の芳香族炭化水素環を有する縮合環、又は、複数の芳香環を単結合により結合した基であって、前記芳香環のうち1つ以上が芳香族炭化水素環である基である、請求項1又は2に記載のフルオロアルカン誘導体。
  4. 前記Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、フェニレン基又はビフェニレン基である、請求項1又は2に記載のフルオロアルカン誘導体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフルオロアルカン誘導体からなるゲル化剤。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフルオロアルカン誘導体からなる液晶性化合物。
  7. 請求項5に記載のゲル化剤と、有機溶媒と、を含有するゲル状組成物。
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