JP2016061076A - コンクリート打設用の複層型枠、及び、当該複層型枠を用いたコンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

コンクリート打設用の複層型枠、及び、当該複層型枠を用いたコンクリート構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 養生シートへのシワ発生を抑制することができ、より外観の綺麗なコンクリート構造物を形成することができる複層型枠を提供する。
【解決手段】 複層型枠1は、剛性材料からなる板状型枠3と、板状型枠3のコンクリート打設側に配置される養生シート9と、板状型枠3と養生シート9との間に配置される緩衝体5と、緩衝体5と養生シート9とを固着する接着層7と、を備えている。この複層型枠1では、コンクリートの打設後に温度上昇した場合、緩衝体5が、養生シート9の熱膨張に追従して伸び、断面が台形形状となるように変形可能となっている。
【選択図】図4

Description

本発明は、コンクリート打設用の複層型枠、及び、当該複層型枠を用いたコンクリート構造物の製造方法に関する。
コンクリート構造物を構築する場合、コンクリートの打設後、型枠を脱型してからコンクリート表面に養生シートを貼り付けてコンクリートを養生し、所定の強度や耐久性をコンクリート構造物に付与することが行われている。このような養生方法では、型枠を取り外した後に養生シートの貼り付けを行うため作業が煩雑になることから、例えば特許文献1では、型枠の内面に養生シートを予め貼り付けてからコンクリートの打設を行い、その養生シートをコンクリートの養生にそのまま用いることが提案されている。
特開2014−20069号公報
コンクリート打設時に養生シートを型枠に予め貼り付けておく場合、コンクリート打設前の日射やコンクリート硬化時の日射、又はコンクリート硬化時の水和熱等により、養生シートを含む型枠付近における温度が上昇してしまう。このため、熱膨張係数が比較的高い材料から構成される養生シートが熱膨張してしまい、シワ状になってしまう場合がある(例えば図6(b)参照)。このように養生シートにシワが発生してしまうと、打設されたコンクリート表面にもシワが転写され、コンクリート構造物の外観形状(表面品質)を損ねてしまう虞がある。
そこで、本発明の課題は、養生シートへのシワ発生を抑制することができるコンクリート打設用の複層型枠、及び、当該複層型枠を用いたコンクリート構造物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート打設用の複層型枠は、剛性材料からなる板状型枠と、板状型枠のコンクリート打設側に配置される養生シートと、板状型枠と養生シートとの間に配置される緩衝体と、を備え、緩衝体は、養生シートの熱変形に追従して少なくとも一部が変形可能であることを特徴としている。
このコンクリート打設用の複層型枠では、板状型枠と養生シートとの間に緩衝体を配置し、この緩衝体が養生シートの熱変形に追従して少なくとも一部が変形可能となっている。この場合、養生シートが熱膨張しても、養生シートと板状型枠との間にある緩衝体がそれに追従して熱変形するため、養生シートと板状型枠との間での熱変形の差分を緩衝体により緩和させることができ、これにより、養生シートのシワの発生を抑制させることができる。よって、このコンクリート打設用の複層型枠を用いることにより、コンクリート構造物の表面へのシワの転写が抑制され、コンクリート構造物の外観形状を綺麗な仕上がりとすることが可能である。
このコンクリート打設用の複層型枠において、緩衝体は、板状型枠の熱変形と養生シートの熱変形との差を吸収可能な弾性物質から構成されており、緩衝体の熱膨張係数が養生シートの熱膨張係数と同等又はそれよりも小さいことが好ましい。特に緩衝体の熱膨張係数が養生シートの熱膨張係数よりも小さい場合、養生シートと板状型枠との間での熱変形の差分を緩衝体により、より確実に緩和させることができる。また、緩衝体の熱膨張係数は、板状型枠の熱膨張係数と同等又はそれより大きいことがより好ましい。なお、ここでいう弾性物質は、熱可塑性樹脂、天然ゴム、及び合成ゴムの何れか又はこれらの組み合わせからなることが好ましい。
このコンクリート打設用の複層型枠において、緩衝体は、板状型枠に対して固定されていてもよい。この場合、型枠の設置等の作業を容易に行うことができる。一方、緩衝体は、板状型枠に対して滑り可能であってもよい。この場合、養生シートと板状型枠との間での熱変形の差分をより一層確実に緩和することができる。
このコンクリート打設用の複層型枠は、緩衝体と養生シートとの間に配置され、緩衝体と養生シートとを固着する接着層を更に備えていてもよい。この場合、養生シートと緩衝体とが確実に固着されることになり、型枠の設置等の作業を容易に行うことができ、また、緩衝体が養生シートの熱変形により確実に追従する。
このコンクリート打設用の複層型枠において、緩衝体は、潤滑性を有する液体、ゲル状物質、粘性物質、及び低摩擦体の何れか又はこれらの組み合わせからなってもよい。この場合、養生シートと板状型枠との間での熱変形の差分を緩衝体により緩和させることができ、シワの発生を抑制できる。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法は、剛性材料からなる板状型枠のコンクリート打設側に緩衝体を介して養生シートを配置した複層型枠を準備する準備工程と、複層型枠内にコンクリートを打設する打設工程と、コンクリートの打設後に板状型枠を脱型する脱型工程と、を備え、緩衝体は、打設されたコンクリートが硬化する際、養生シートの熱変形に追従して少なくとも一部が変形することを特徴としている。この場合も、上記同様、養生シートが熱膨張しても、熱膨張しにくい板状型枠へ養生シートの熱膨張の伝達を緩和することができ、養生シートにシワが発生しづらくなる。よって、このコンクリート構造物の製造方法によれば、コンクリート構造物の表面へのシワの転写も抑制され、コンクリート構造物の外観形状を綺麗な仕上がりとすることが可能となる。
このコンクリート構造物の製造方法は、脱型工程の後に、養生シートをコンクリートの表面に残置させてコンクリートを所定期間養生する養生工を更に備えていてもよい。この場合、脱型工程の後にわざわざ養生シートの貼り付け作業等を行うことなく、コンクリートの養生を行うことができる。
本発明によれば、養生シートへのシワの発生を抑制することができ、これにより、外観の綺麗なコンクリート構造物を形成することができる。
本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠の一例を示す断面図である。 本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法を示す断面図である。 本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠で養生シートの熱膨張を緩和する仕組みを示した模式断面図である。 本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠で養生シートの熱膨張を緩和する別の仕組みを示した模式断面図である。 (a)は、本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠を用いて養生シートのシワ発生を抑制した例を示し、(b)は、従来の型枠を用いた比較例を示す。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るコンクリート打設用の複層型枠、及び、当該複層型枠を用いてコンクリート構造物を製造する製造方法について説明する。
まず最初に、コンクリートの打設に用いる複層型枠1について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠の一例を示す断面図である。複層型枠1は、板状型枠3、緩衝体5、接着層7、及び、養生シート9を備えて構成される。接着層7は、例えば、接着剤全般、水、増粘剤、ポリマー又はテープ等などから構成される層である。
板状型枠3は、打設されたコンクリートの外形を形作るための枠体であり、例えば、合板、木板、鋼製型枠又は樹脂型枠などの伸びにくい剛性材料から構成される。板状型枠3は、コンクリートの硬化等の際に温度が上昇したとしてもほとんど膨張せず型枠としての機能を奏するように、比較的熱膨張係数が小さい材料(例えば10μ/℃〜60μ/℃)から構成されている。なお、板状型枠3は、樹脂から構成されてもよいが、その場合、その熱膨張率が100μ/℃以下であることが好ましい。
養生シート9は、コンクリート打設後(特に型枠脱型後)にコンクリートを養生するためのシートであり、例えば0.01mm〜2.0mm程度の厚みを有する。養生シート9としては、熱可塑性樹脂シートが好ましく、ここで用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂;ポリアミド;ポリエチレンテレフタレート;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;フッ素系樹脂等が挙げられる。養生シート9としては、透明性や耐候性等の優れたオレフィン系樹脂を用いることが好適である。なお、養生シート9は、上述したような材料から構成されることから、その熱膨張係数が80μ/℃以上(例えば、80μ/℃〜200μ/℃)であり、内部の温度上昇により、熱膨張しやすい傾向がある。
緩衝体5は、板状型枠3と養生シート9との間に配置され、養生シート9の熱変形(熱膨張)に追従して少なくとも一部が変形可能な板状部材である。緩衝体5は、その熱膨張係数が養生シート9の熱膨張係数と同等又はそれ以下の材料から構成されており、例えば、80μ/℃〜200μ/℃である。このような熱膨張率を有する緩衝体5は、例えば、熱可塑性樹脂、天然ゴム、及び合成ゴムの何れか又はこれらの組み合わせからなる弾性物質から構成される。なお、緩衝体5の熱膨張係数は、伸びにくい板状型枠3の熱膨張率よりは大きいことが好ましいが、例えば板状型枠3が樹脂等から構成される場合には、同等であってもよい。
また、緩衝体5と養生シート9との間には接着層7が配置されており、この接着層7により、養生シート9が緩衝体5にその全面に亘って固着している。このような固着により、養生シート9が温度上昇等により熱変形(熱膨張)した際、緩衝体5の一部又は全部がそれに追従して変形する。一方、緩衝体5は、養生シート9と固着された側と反対の面において、板状型枠3に固定されている。板状型枠3と緩衝体5との固定は、例えば、ビス、釘、セパレータ、又は、接着層などによって行ってもよい。なお、緩衝体5は、温度上昇等を抑えるため、日光を反射する素材や色(白色又は銀)から構成されていてもよい。この場合、緩衝体5付近の発熱を抑え、養生シート9の熱膨張を抑えることができる。また、緩衝体5は、板状型枠3に固定されずに、板状型枠3に対して滑り可能な状態で取り付けられていてもよい。
上述した構成を有する複層型枠1は、コンクリートを打設する施工現場で、板状型枠3、緩衝体5及び養生シート9から組み上げて構成するようにしてもよいし、工場等において事前にこれらを組み上げておいて、施工現場に持ち込んでコンクリートの打設等に用いるようにしてもよい。以下では、図2及び図3を参照しながら、施工現場でこれらを組み上げる場合を例にとって複層型枠1を用いてコンクリート構造物を製造する製造方法を説明するが、予め組み込まれた複層型枠1を用いてコンクリート構造物を製造してももちろんよい。
図2は、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法を示すフローチャートであり、図3は、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法を示す断面図である。本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法は、図2に示すように、板状型枠3のコンクリート打設側に緩衝体5を介して養生シート9を設置するシート設置工程(ステップS1)、複層型枠1を設置する型枠設置工程(ステップS2)、コンクリートを打設する打設工程(ステップS3)、打設コンクリートの硬化後に養生シートを残置したまま型枠を脱型する脱型工程(ステップS4)、及び、残置された養生シートでコンクリート構造物を養生する養生工程(ステップS5)を含んでいる。
まず、ステップS1のシート設置工程では、板状型枠3、緩衝体5及び養生シート9を準備する。そして、図3(a)、(b)に示すように、板状型枠3のコンクリート打設側に緩衝体5を介して養生シート9を貼り付ける。なお、養生シート9は緩衝体5に接着層7により固着され、緩衝体5はビス等により板状型枠3に固定される。図3では、説明を容易にするため、接着層7等の図示を省略している。以上により、板状型枠3、緩衝体5及び養生シート9を備える複層型枠1が形成される。
続いて、ステップS1のシート設置工程が終了して複層型枠1が組み立てられると、ステップS2の型枠設置工程では、複層型枠1を、形成するコンクリート構造物Caに対応した所定の位置に設置する。
続いて、ステップS3の打設工程に進み、図3(c)に示すように、板状型枠3の内面に養生シート9が貼り付けられた状態でコンクリートCの打設を行う。そして、コンクリートCの打設が終了したら、バイブレータ等を用いて締固めを行う。その後、コンクリートCの締固めが終了すると、複層型枠1をはめたまま、コンクリートCの湿潤養生を例えば1日〜7日程度行い、コンクリートCを硬化させる。コンクリートCが硬化するまでそのままの状態を維持する。通常は材齢初期に乾燥の影響をコンクリート表面に作用させると水和に必要な水分が失われ、水和反応に悪影響が生じるため、脱型材齢はセメントにより3〜12日程度とされている。しかし,本手法はコンクリート表面にシートが接しているため、脱型しても乾燥の影響を受けない。したがって、コンクリートの自立後、材齢1〜3日程度で早期に脱型が可能である。
続いて、打設工程でのコンクリートの打設及びその硬化が完了したら、ステップS4の型枠脱型工程に進み、図3(d)に示すように、硬化したコンクリートCの表面を養生シート9が覆うように残置したまま板状型枠3を緩衝体5と共に脱型し、コンクリートCから引き離す。なお、緩衝体5を養生シート9と共に残置しておいてもよい。
続いて、板状型枠3等を脱型した後、ステップS5の養生工程に進み、コンクリートCの貼付面に残置された養生シート9を用いて、コンクリートCを所定期間養生する。このような養生シート9を用いて、板状型枠3等の脱型後30日以上養生を続けてもよいし、板状型枠3等の脱型後90日以上養生を続けてもよい。更に、コンクリート構造物の引き渡しに至るまで(例えば脱型後1年以上)養生を続けてももちろんよい。このような長期の養生を続けられることにより、コンクリートCの水和反応を促進させ耐久性を飛躍的に高めて、その品質を向上することができる。
続いて、養生シート9を用いて所定期間の養生が終了すると、図3(e)に示すように、養生シート9をコンクリートCから取り外し、これにより、コンクリート構造物Caが完成する。
ここで、ステップS3の打設工程からステップS4の脱型工程の間における養生シート9の熱膨張、及び、それに伴う緩衝体5等の変形について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠で養生シートの熱膨張を緩和する仕組みを示した模式断面図である。
まず、図4に示す例では、緩衝体5が接着層7aにより板状型枠3にその全面に亘って固定されている。図4に示す複層型枠1では、図4(a)に示す状態で、型枠の設置や養生シート9側へのコンクリートの打設が行われる。そして、コンクリート打設前の日射等により、養生シート9付近の温度が、例えば40℃〜60℃へ上昇する。この温度上昇に伴い、熱膨張率が比較的高い養生シート9は熱膨張して養生シート9aとなる。なお、コンクリート打設後の硬化時の日射や水和熱等によっても同様の温度上昇が発生するが、その場合も、養生シート9は熱膨張して養生シート9aとなる。ところで、本実施形態に係る複層型枠1では、上述した弾性物質からなる緩衝体5が養生シート9と板状型枠3との間に配置されており、図4(b)に示すように、この養生シート9の熱膨張に追従して、緩衝体5aがその断面が台形形状になるように変形する。このため、本実施形態に係る複層型枠1では、養生シート9にシワが入ることが抑制される。
また、図5に示す別の例では、緩衝体5が板状型枠3に対して滑り可能な状態で取り付けられている。図5に示す複層型枠1aでは、図5(a)に示す状態で、型枠の設置やコンクリートの打設が行われる。そして、コンクリート打設前の日射、コンクリート打設後の硬化時の日射や水和熱等により、上記同様に温度が上昇する。この温度上昇に伴い、熱膨張率が比較的高い養生シート9は熱膨張して養生シート9aとなる。ところで、本実施形態に係る複層型枠1aでは、上述した弾性物質からなる緩衝体5が養生シート9と板状型枠3との間に配置されており、この養生シート9の熱膨張に追従して緩衝体5aも同様に膨張する。この際、緩衝体5は板状型枠3に対して固定されておらず、すべり変形する。このため、本実施形態に係る複層型枠1aの場合であっても、養生シート9にシワが入ることが抑制される。
以上、本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠1,1aでは、板状型枠3と養生シート9との間に緩衝体5を配置し、この緩衝体5が養生シート9の熱変形に追従して少なくとも一部が変形可能となっている。このため、養生シート9が熱膨張しても、養生シート9と板状型枠3との間にある緩衝体5がそれに追従して熱変形するため、養生シート9と板状型枠3との間での熱変形の差分を緩衝体5により緩和させることができ、これにより、養生シート9のシワの発生を抑制できる。よって、このコンクリート打設用の複層型枠1,1aを用いることにより、コンクリート構造物Caの表面へのシワの転写も抑制され、コンクリート構造物Caの外観形状を綺麗な仕上がりとすることが可能である。
また、本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠1,1aでは、緩衝体5は、板状型枠3の熱変形と養生シート9の熱変形との差を吸収可能な弾性物質から構成されており、緩衝体5の熱膨張係数が養生シート9の熱膨張係数と同等又はそれよりも小さい。このため、養生シート9と板状型枠3との間での熱変形の差分を緩衝体5により、より確実に緩和させることができる。また、緩衝体5の熱膨張係数は、板状型枠3の熱膨張係数と同等又はそれよりも大きい。これにより、より確実に熱変形の差分を緩和させることができる。
また、本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠1では、緩衝体5は、板状型枠3に対して固定されている。このため、複層型枠1の設置等の作業を容易に行うことができる。一方、複層型枠1aのように緩衝体5が板状型枠3に対して滑り可能であってもよい。この場合、養生シート9と板状型枠3との間での熱変形の差分をより一層確実に緩和することができる。
また、本実施形態に係るコンクリート打設用の複層型枠1,1aは、緩衝体5と養生シート9との間に配置され、緩衝体5と養生シート9とを固着する接着層7を更に備えている。このため、養生シート9と緩衝体5との固着が確実に実施されることになり、型枠の設置等の作業を容易に行うことができ、また、緩衝体5が養生シート9の熱変形により確実に追従する。
また、上記コンクリート打設用の複層型枠1,1aを用いたコンクリート構造物の製造方法によれば、コンクリート打設前の型枠設置〜脱型にかかる際の内部での温度上昇により養生シート9が熱膨張しても、熱膨張しにくい板状型枠3へ養生シート9の熱膨張の伝達を緩和することができ、養生シート9にシワが発生しづらくなる。その結果、コンクリート構造物Caの表面へのシワの転写も抑制され、コンクリート構造物Caの外観形状を綺麗な仕上がりとすることが可能となる。
なお、上記の製造方法では、脱型工程の後に、養生シート9をコンクリートの表面に残置させてコンクリートCを所定期間養生するようにしている。このため、脱型工程の後にわざわざ養生シートの貼り付け作業等を行うことなく、コンクリートの養生を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な実施形態に適用できる。例えば、上記実施形態では、緩衝体5として、熱可塑性樹脂等を示したが、これに代えて、潤滑性を有する液体、ゲル状物質、粘性物質(増粘剤等)、及び低摩擦体(不織布等)の何れか又はこれらの組み合わせた緩衝体を用いてもよい。この場合も、養生シート9と板状型枠3との間での熱変形の差分を、かかる緩衝体5により緩和させることができ、シワの発生を抑制できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、図1に示す緩衝体5を設けた複層型枠1(実施例)と、緩衝体5を設けずに板状型枠3と養生シート9とを直接貼り付けた型枠100(比較例)とを準備した。図6(a),(b)に示すように、実施例の複層型枠1及び比較例の型枠100では、600mmピッチ、計6個のPコンをそれぞれ取り付けた。
実施例及び比較例に係る型枠1,100において、板状型枠3としては、合板型枠(東洋テックス株式会社製、商品名「塗装合板」、熱膨張係数50μ/℃)を使用し、緩衝体5(実施例のみ)としては、5mm厚のポリカーボネート板(熱膨張係数100μ/℃)を使用し、養生シート9としては、ポリプロピレン製の熱可塑性樹脂シート(熱膨張係数150μ/℃)を使用した。
また、養生シート9は、20℃試験室にて、水のりにて、緩衝体5(実施例)又は板状型枠3(比較例)に貼り付けられ、その後、一時間静置した。また、実施例の複層型枠1では、緩衝体5は、その外縁を900mmピッチ、計6個のビスで板状型枠3に固定した。
続いて、上記の複層型枠1(実施例)と、緩衝体を有しない型枠100(比較例)とを屋外(晴天)に一週間放置した。その結果を、図6に示す。図6(a)に示すように、緩衝体5を有する複層型枠1では、養生シート9の表面にシワがまったく発生しなかった。一方、緩衝体を有しない型枠100では、養生シートの表面にシワが発生してしまった。よって、緩衝体5を有する複層型枠1を用いた場合、打設されたコンクリートの表面にシワを転写してしまうことを抑制できることが確認できた。
1,1a…複層型枠、3…板状型枠、5…緩衝体、7…接着層、9…養生シート。
上記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート打設用の複層型枠は、剛性材料からなる板状型枠と、板状型枠のコンクリート打設側に配置される養生シートと、板状型枠と養生シートとの間に配置され、板状型枠に対して固定される緩衝体と、緩衝体と養生シートとの間に配置され、緩衝体と養生シートとを固着する接着層と、を備え、接着層は、板状型枠のコンクリートからの脱型時に養生シートが緩衝体から剥離しコンクリート側に残置可能な程度に緩衝体と養生シートとを固着し、緩衝体は、板状型枠の熱変形と養生シートの熱変形との差を吸収可能な弾性物質から構成され、当該緩衝体の熱膨張係数が養生シートの熱膨張係数と同等又はそれよりも小さく且つ板状型枠の熱膨張係数と同等又はそれよりも大きくなっており、緩衝体は養生シートの熱変形に追従して少なくともその一部が変形可能であることを特徴としている。
このコンクリート打設用の複層型枠において、緩衝体は、板状型枠に対して固定されていてもよい。この場合、型枠の設置等の作業を容易に行うことができる
また、上記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法は、剛性材料からなる板状型枠のコンクリート打設側に緩衝体を介して養生シートを配置した複層型枠を準備する準備工程と、複層型枠内にコンクリートを打設する打設工程と、コンクリートの打設後に板状型枠を脱型する脱型工程と、脱型工程の後にコンクリートを所定期間養生する養生工程と、を備え、準備工程では、緩衝体を板状型枠に固定すると共に緩衝体と養生シートとを接着層により固着させ、または、予め緩衝体が板状型枠に固定され且つ緩衝体と養生シートとが接着層により固着された複層型枠を準備し、脱型工程では、板状型枠を脱型する際、養生シートを接着層の部分において緩衝体から剥離させてコンクリート表面に残置し、養生工程では、コンクリート表面に残置された養生シートによりコンクリートを所定期間養生し、打設工程に用いられる複層型枠を構成する緩衝体は、板状型枠の熱変形と養生シートの熱変形との差を吸収可能な弾性物質から構成され、当該緩衝体の熱膨張係数が養生シートの熱膨張係数と同等又はそれよりも小さく且つ板状型枠の熱膨張係数と同等又はそれよりも大きくなっており、打設されたコンクリートが硬化する際、緩衝体は養生シートの熱変形に追従して少なくともその一部が変形することを特徴としている。この場合も、上記同様、養生シートが熱膨張しても、熱膨張しにくい板状型枠へ養生シートの熱膨張の伝達を緩和することができ、養生シートにシワが発生しづらくなる。よって、このコンクリート構造物の製造方法によれば、コンクリート構造物の表面へのシワの転写も抑制され、コンクリート構造物の外観形状を綺麗な仕上がりとすることが可能となる。
このコンクリート構造物の製造方法は、脱型工程の後に、養生シートをコンクリートの表面に残置させてコンクリートを所定期間養生する養生工を更に備えていてもよい。この場合、脱型工程の後にわざわざ養生シートの貼り付け作業等を行うことなく、コンクリートの養生を行うことができる。

Claims (10)

  1. 剛性材料からなる板状型枠と、
    前記板状型枠のコンクリート打設側に配置される養生シートと、
    前記板状型枠と前記養生シートとの間に配置される緩衝体と、を備え、
    前記緩衝体は、前記養生シートの熱変形に追従して少なくとも一部が変形可能であることを特徴とする、コンクリート打設用の複層型枠。
  2. 前記緩衝体は、前記板状型枠の熱変形と前記養生シートの熱変形との差を吸収可能な弾性物質から構成されており、
    前記緩衝体の熱膨張係数は、前記養生シートの熱膨張係数と同等又はそれよりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート打設用の複層型枠。
  3. 前記緩衝体の熱膨張係数は、前記板状型枠の熱膨張係数と同等又はそれよりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載のコンクリート打設用の複層型枠。
  4. 前記弾性物質は、熱可塑性樹脂、天然ゴム、及び合成ゴムの何れか又はこれらの組み合わせからなることを特徴とする、請求項2又は3に記載のコンクリート打設用の複層型枠。
  5. 前記緩衝体は、前記板状型枠に対して固定されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート打設用の複層型枠。
  6. 前記緩衝体は、前記板状型枠に対して滑り可能であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート打設用の複層型枠。
  7. 前記緩衝体と前記養生シートとの間に配置され、前記緩衝体と前記養生シートとを固着する接着層を更に備えることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のコンクリート打設用の複層型枠。
  8. 前記緩衝体は、潤滑性を有する液体、ゲル状物質、粘性物質、及び低摩擦体の何れか又はこれらの組み合わせからなることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート打設用の複層型枠。
  9. 剛性材料からなる板状型枠のコンクリート打設側に緩衝体を介して養生シートを配置した複層型枠を準備する工程と、
    前記複層型枠内にコンクリートを打設する打設工程と、
    前記コンクリートの打設後に前記板状型枠を脱型する脱型工程と、を備え、
    前記緩衝体は、前記打設されたコンクリートが硬化する際、前記養生シートの熱変形に追従して少なくとも一部が変形することを特徴とする、コンクリート構造物の製造方法。
  10. 前記脱型工程の後に、前記養生シートを前記コンクリートの表面に残置させて前記コンクリートを所定期間養生する養生工を更に備えることを特徴とする、請求項9に記載のコンクリート構造物の製造方法。
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