JP5391380B2 - 型枠材 - Google Patents
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Description
しかし、金属板の場合では強度的に十分であるが、重量的に問題が存在した。また、プラスチック板等の場合には、コスト的或いは強度的に問題が存在した。更に、木質系の合板の場合では、再利用できる転用回数が少ない上に、その原料調達のために熱帯雨林が急速に減少し、地球温暖化の一因となるなど環境への影響も懸念されている。
また、リサイクルを目的として板紙にポリエチレンフィルムとポリエステルフィルムを貼着し、繰り返して使用した後に、板紙を古紙原料としてリサイクルするコンクリート型枠が提案されている。例えば、特許文献1参照。
更に、合成樹脂製段ボールを堰板として使用する例が提案されている。例えば、特許文献2参照。
また、合成樹脂製段ボールを堰板として使用する例では、合成樹脂の成型時に段ボール表面にヒケ(凹凸)が生じ、型枠として使用する際にコンクリート表面にこの凹凸が現れてしまうと云う欠点が存在した。
(1)長尺の中空体を複数個、平行に連設して成る合成樹脂製段ボール板と板紙とから構成された堰板であって、前記堰板の周囲をPET(Polyethylene Terephthalate )樹脂フィルムで被覆して成ると共に、
前記PET樹脂フィルムは、堰板の裏面と略等しい寸法の第1のPET樹脂フィルムと、堰板の表面と小口部を含む範囲を覆うと共に、四隅を切断して裏面側へ折り返し、堰板のコーナー部で折り重なった第2のPET樹脂フィルムから成ることを特徴とする。
(2)(1)に記載の型枠材において、前記板紙は、耐水性板紙であることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載の型枠材において、前記堰板のコンクリートと接する面のPET樹脂フィルムに無数の孔を形成するとともに、前記孔の形成されたPET樹脂フィルムと耐水性板紙との間に吸水シートを配設したことを特徴とする。
(4)(1)〜(3)に記載の型枠材において、前記型枠材の端面に弾性部材を配設したことを特徴とする。
また、使用済みの型枠材は、被覆しているPET樹脂フィルムを剥がした後、型枠としての使用時に削孔される孔を埋め戻すとともに、再度PET樹脂フィルムを張り直すことにより、繰り返し使用することができる。更に、型枠材のコンクリート接触面をPET樹脂フィルムで覆うことで、コンクリートとの剥離性能が向上し、従来の合板堰板を使用した際に行われている剥離剤の塗布工程を省略できる。したがって、剥離剤の使用に伴う環境への悪影響を低減し、コンクリート工事の環境負荷を低減することができる。
また、前記PET樹脂フィルムは、堰板の小口部分を含む全面を被覆したので、型枠施工時及びコンクリート打設時にPET樹脂フィルムが剥がれる事を防止することができる。
また、前記板紙は、耐水性板紙と合成樹脂製段ボール板で構成されているので、型枠として使用した際にPET樹脂フィルムの一部が破損して水分が滲み込んた場合でも、剛性の低下を招くことなく、型枠としての機能を発揮することができる。
また、前記型枠材の端面に弾性部材を配設したので、型枠材を隣接させて大きな型枠を作る場合に型枠材と型枠材の接合部に弾性部材、例えば、ゴムが配設されており、合成樹脂製段ボール板が熱膨張或いは熱収縮しても弾性部材が膨張或いは収縮分を吸収して接合部に隙間が生じるのを防止できる。したがって、コンクリート打設時に型枠材の合わせ目からコンクリートが漏れ出るのを防止することができる。また、弾性部材は、型枠施工時の衝撃を吸収して小口部のフィルム破損や型枠材自体の破損を防止することができる。
また、前記堰板のコンクリートと接する面のPET樹脂フィルムに無数の孔を形成するとともに、前記孔の形成されたPET樹脂フィルムと耐水性板紙との間に吸水シートを配設した場合には、コンクリート打設時の余剰水をPET樹脂フィルムの孔を介して、吸水シートで吸水することでコンクリート外部に排出することができる。したがって、コンクリート中の余剰水を吸収して、水泡、気泡の発生を低減して、打設コンクリートの品質を向上できる。
先ず、端面処理無しの場合(サンプル、横裁断なし、寸法10×10cm)23℃の水に1日浸漬場合に重量増加率は、6.6重量%であった。
また、3日浸漬した場合に重量増加率は、11.6重量%であり、端から1mm程度滲みており僅かな隙間が存在した。また、5日浸漬した場合に重量増加率は、15.7重量%であり、端から2mm程度滲みており僅かな隙間が存在した。また、7日浸漬した場合に重量増加率は、19.1重量%であり、端から2mm程度滲みており僅かな隙間が存在した。次に、端面処理無しのサンプルで(10×10cm)50℃の水に1日浸漬場合に重量増加率は、13.5重量%であり、端から4〜10mm程度滲みていた。また、3日浸漬した場合に重量増加率は、43.9重量%であり、端から20〜30mm程度滲みておりかなり大きな隙間が存在した。また、5日浸漬した場合に重量増加率は、56.2重量%であり、端から30〜40mm程度滲みておりかなり大きな隙間が存在した。また、7日浸漬した場合に重量増加率は、63.7重量%であり、端から30〜40mm程度滲みており、かなり大きな隙間が存在した。
尚、PET樹脂フィルムに着色することによって、合成樹脂製段ボール板の紫外線による劣化を防止することができる。また、本発明は上述の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の設計変更が可能である。
11 中空状角筒
11a リブ
12 合成樹脂製段ボール板
13 板紙
14 PET樹脂フィルム
14a 第1のPET樹脂フィルム
14b 第2のPET樹脂フィルム
15 溝
16 コンクリート型枠
17 補強用枠
18 内部補強枠
19 セパレータ
20 外バタ材
22a 第1のPET樹脂フィルム
22b 第2のPET樹脂フィルム
23 孔
24 吸水シート
30 型枠材
31 弾性部材
32 合成樹脂製段ボール板
33 円柱
34 合成樹脂板
Claims (4)
- 長尺の中空体を複数個、平行に連設して成る合成樹脂製段ボール板と板紙とから構成された堰板であって、
前記堰板の周囲をPET樹脂フィルムで被覆して成ると共に、
前記PET樹脂フィルムは、堰板の裏面と略等しい寸法の第1のPET樹脂フィルムと、堰板の表面と小口部を含む範囲を覆うと共に、四隅を切断して裏面側へ折り返し、堰板のコーナー部で折り重なった第2のPET樹脂フィルムから成ることを特徴とする型枠材。 - 請求項1に記載の型枠材において、
前記板紙は、耐水性板紙であることを特徴とする型枠材。 - 請求項1または2に記載の型枠材において、
前記堰板のコンクリートと接する面のPET樹脂フィルムに無数の孔を形成するとともに、前記孔の形成されたPET樹脂フィルムと耐水性板紙との間に吸水シートを配設したことを特徴とする型枠材。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の型枠材において、
前記型枠材の端面に弾性部材を配設したことを特徴とする型枠材。
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