JP2016060507A - 紙カップ - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのフィルムを積層したものは、高いガスバリア性を有する。また、アルミ箔などの金属箔や、アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム、酸化珪素を蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムなども、高いガスバリア性を有する。
しかしながら、このような高いバリア性を有するフィルムや金属箔を紙に直接貼り合わせることができない。貼り合わせる場合、紙と高いバリア性を有するフィルムや金属箔との間に溶融樹脂を挟ませたり、接着剤をコーティングしてから、積層するなどの方法が必要である。
それは、紙とバリア性を有するフィルムの合わせる面においても、また、バリア性を有するフィルムのシーラント層側の面においても、接着剤を介して、それらの溶融樹脂を塗工する必要があったので、製造工程が多く、高価にならざるを得ない問題があった。
この方法は、ポリビニルアルコール系樹脂が紙と一緒に廃棄処理してもかまわない成分のため、リサイクル適性に優れ、かつ、酸素透過率を低く抑えられるなど、紙容器を製造する素材として、メリットのある紙部材である。
しかしながら、ポリビニルアルコールは、水分、湿度によって、物性が著しく劣化しやすく、特に内容物に水分のある場合は、水分によって、容易に膨潤し、剥れ、溶解し、形状が維持できなくなるなどの問題が発生していた。
しかも、紙はパルプ繊維比率が大きく、バインダーはわずかなので、浸透性が高く、ポリビニルアルコールは、紙基材に深く浸透しやすい。そのため、粘度を高くする、コーティングの厚みを非常に厚くするなどの対応をしないと、パルプ繊維の密度バラツキによって、凹凸ができ易く、欠陥のない良好な層が形成されにくい。かつ、水系溶媒の為、乾燥に時間が掛かり、非常に長い乾燥ラインを持った特別な設備でないと生産できず、生産速度を著しく遅くせざるを得ない、などの問題があった。
さらに、この紙部材を紙カップに成形する場合、少なくとも内面同士を融着するシーラント層4を設けることになる。
紙の内側に設けたポリビニルアルコールからなるバリアコーティング層は、前述のように、紙のパルプ繊維の密度バラツキによって、凹凸ができ易く、かつ、浸透して浸透部を形成し、欠陥のない良好な層や面が形成されにくい。しかし、紙カップはカップ成形時も、使用時も、シーラント層4と紙2との間の強度が必要で、バリアコーティング層をあまり厚くすると、層間での凝集剥離が起き易い問題も発生し易い問題もあった。
特に巻き合わせ融着部や開口部近傍では、融着した蓋を開ける時に内層が強く引っ張られると、凝集破壊が生じ易く、内シーラント層が分離して剥離し、容器の形状が保てないなど、大きな問題が生じる危険があった。
扁平状粉末が無機層状鉱物で、雲母、雲母を主体とした変成岩、または水膨潤性合成雲母のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップである。
バリア性ウレタン樹脂が、酸基を有するポリウレタン樹脂とポリアミン化合物とを含有する水性ポリウレタン樹脂(A)、水溶性高分子(B)、および扁平状粉末(C)、を主たる構成成分とした混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップである。
バリア性アクリル樹脂が、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコール系ポリマーと水系媒体とを含む水系塗工液の混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップである。
また、特別な製造設備を使用せず、製造工程が少なく、生産性が高いので、本発明の紙カップは安価に製造が可能である。
本発明の紙カップに使用される紙基材の第一実施形体を示す図を図1に示す。この紙基材1は、基材の紙2の内容物が接する側の面bに、バリアコーティング層3と内シーラント層4とを設け、紙の内容物が接しない側のおもて面aには、外シーラント層40を設けた紙基材になっている。
ここでは、紙基材2のおもて面aは、特に図には記載していないが、コート材を塗工したコート紙であっても良い。さらに、印刷や箔押しなどを施したりしてもかまわない。
そして、このバリアウレタン樹脂において、混合樹脂中に占める水性ポリウレタン樹脂(A)、水溶性高分子(B)および無機層状鉱物(C)の配合比率は、
水性ポリウレタン樹脂(A)5〜80質量%好ましくは50〜80質量%、
水溶性高分子(B)5〜80質量%好ましくは5〜20質量%、
無機層状鉱物(C)8〜30質量%好ましくは10〜30質量%
の範囲であることが好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂は、鹸化度や重合度が高いほど、吸湿膨潤性が低くなる。
ポリビニルアルコール樹脂の鹸化度が95%より低いと、充分なガスバリア性が得られ難い。
ポリビニルアルコール樹脂の重合度が300より低いと、ガスバリア性の低下を招く。一方、ポリビニルアルコール樹脂の重合度が2000を超えると、水系コーティング剤の粘度が上昇し、他の成分と均一に混合することが難しく、ガスバリア性や密着性の低下といった不具合を招いたりする為好ましくない。
白雲母などは4面体シートと8面体シートが重なった層状の間に交換性陽イオンだけを挟んでいるが、水膨潤性合成雲母の「スメクタイト」などでは、さらに水の層をはさんでいて、水分子を出し入れし、体積が大きく変化する性質がある。
本発明に使用する無機層状鉱物は、このような、白雲母や黒雲母、金雲母などの鉱物、または雲母を主体とした変成岩、および水膨潤性合成雲母、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、緑泥岩などが使用される。
これらの無機層状鉱物は、層の面状方向は、水分や酸素ガス、香り、などの透過を阻止する高密度の結晶になっている。
そのため、このコーティングでは、粘度をできるだけ低くしてコーティングを行い、水平にコーティング基材を保った状態で乾燥させ、水などの媒体系を速く揮発させることが必要になる。
ここで、ポリアルコール系ポリマーは、1分子中に2個以上の水酸基を持つポリマーである。例えば、ポリビニルアルコール樹脂や糖類などである。
特にポリビニルアルコールの場合、鹸化度が95%以上、かつ重合度が300〜2500好ましくは300〜1500の範囲のものがガスバリア性を特に発揮するので好ましい。この場合もバリアウレタンと同じように、鹸化度が95%以下ではガスバリア性の低下を招く。一方、ポリビニルアルコール樹脂の重合度が2500を超えると、水系コーティング剤の粘度が上昇し、他の成分と均一に混合することが難しく、ガスバリア性や密着性の低下といった不具合を招いたりする為好ましくない。
糖類の場合は、単糖類、オリゴ糖類、多糖類やそれらの還元性末端をアルコールにして得られる糖アルコール類、さらに、それらを化学修飾したものが挙げられる。その中でも、
マルトオリゴ糖、水溶性でんぷん、それらの糖アルコール、ソルビトール、デキストリン、プルランなどが、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとの組み合わせで、良好な結果を生んでいる。
ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーは、カルボキシル基を1分子中に2個以上含有するポリマーである。例えばポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸とポリメタアクリル酸の共重合体、あるいはこれらの混合物が考えられる。特にアクリル酸とポリメタアクリル酸の共重合体で、ポリアクリル酸モノマーが、ポリメタアクリル酸モノマーより多い共重合体がより好ましいガスバリア性を発揮する。
しかし、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーの樹脂と混合すると、水分子の動きが制御され、水分子の影響が抑えられるので、酸素や香りなどのガスバリア性が向上する。
水系媒体は、水、または含水媒体で、含水媒体の場合、水を30パーセント以上、好ましくは50パーセント以上含有しているもので、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなどが挙げられる。
0.1パーセント以下の場合、コーティング面にひび割れなどが発生する問題が生じ、99パーセント以上の場合、乾燥が著しく低下し、生産性がなくなる問題が発生する。
ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーの樹脂とポリアルコール系ポリマーとの組成比は、重量比で、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー:ポリアルコール系ポリマー=95:5〜10:90が好ましい。特に、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー:ポリアルコール系ポリマー=90:10〜40:60がより好ましい。
また、水系塗工液に、可塑剤を含ませることによって、それらのひび割れを防止し、より、ガスバリア性が上がる。可塑剤の含有量はポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコール系ポリマーの合計重量の1〜50パーセント、好ましくは1〜30パーセント含有することが好ましい。
この可塑剤の具体例としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1、3−ブタンジオール、2、3−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレンングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、エリトリトール、グリセリンなどであって、これらの単体、またはそれらを複数含む混合物を可塑剤として使用することができる。
最終製品での塗工厚みは、0.1〜100ミクロンメーター、特に0.5〜5ミクロンメーターが好ましい。
そこで、紙表面の凹凸以上の厚いバリアコーティング層3を設ける方法もあるが、バリアコーティングを複数回コーティングして、最薄の所でも性能が発揮できる厚みを確保することが好ましい。特に水系のコーティングなので、複数回に分けてコーティングし、その最終コートで、扁平状粉末の向きが合い、かつ、隙間なく重なるようなコーティングが好
ましい。
この内シーラント層は、容器の内面同士を融着させ形状を形作ったり、外シーラント層と融着させたり、底部と融着する役目と、内容物と接するので、内容物が紙側に滲み込むことを防止する役目を持っている。しかし、低い温度で溶融して、強固に固着しやすい樹脂で、結晶化せず、ランダムな状態で固化している樹脂なので、油分や酸素ガスなどの透過率は高く、また、湿気の透過もある程度有している。
基材の紙2は、紙繊維の間に空間があるので、容易に透過して来る。紙2の内容物接面側は、扁平状粉末6を含んだバリアコーティング層3が設けられている。そのさらに内容物接面側に内シーラント層4が設けられている。
この図のバリアコーティング層3に使用されている扁平状粉末6は無機層状鉱物の黒雲母で、扁平状粉末6に当たってはじかれ、透過しない酸素ガス7がみられる。しかし、扁平状粉末6の隙間だけを通って透過する酸素ガス8もあるが、透過可能な通路は狭いので、わずかである。
この扁平状粉末6は、層状になって一定の面を持っているので、層をなす面が互いに重なり合うようにコーティングして、バリアコーティング層3を扁平状粉末6で覆うように配置できると、全体としてガスバリア性の高いバリアコーティング層になることができる。このようにして、紙2という、通気性の高い素材に対し、バリア性を持たせることができる。
この紙部材1は、基材の紙2の内容物が接する側の面bにポリエチレンなどの中間樹脂層5をラミネートした紙を使用し、その中間樹脂層5にバリアコーティング層3と内シーラント層4とを設けた紙部材になっている。
厚みは薄くても、厚くてもかまわないが、12〜60マイクロメーター、好ましくは18〜40マイクロメーターで貼り合せる。
厚みは薄くても、厚くてもかまわないが、10〜40マイクロメーター、好ましくは16〜32マイクロメーターで貼り合せる。
基材の紙2は、紙繊維の間に空間があるので、酸素ガスや匂い物質などは容易に透過して来る。
紙2の表面は、実際には凹凸な面になっているが、中間樹脂層5がコーティングされ、バリアコーティングされる内面側は平滑面を形成している。この中間樹脂層5も、酸素ガスや匂い物質などが容易に透過してしまう。
そして、中間樹脂層5のさらに内容物接面側には、扁平状粉末6を含んだバリアコーティング層3が設けられている。さらに内容物接面側に内シーラント層4が設けられている。この図のバリアコーティング層3に使用されている扁平状粉末6は無機層状鉱物の黒雲母などで、扁平状粉末6に当たってはじかれ、酸素ガス7が透過しにくい。特に中間樹脂層5によって、平滑になった面へ塗工するので、扁平状粉末6は面に沿って同じへき開面が重なるように重なることができる。そして、ほぼ隙間が出ないように扁平状粉末6は覆うことが出来る。その為、扁平状粉末6の隙間だけを通って酸素ガス8が透過しようとしても、透過可能な通路は狭いので、ごくわずかしか通過できない。
この扁平状粉末6は、層状になって一定の面を持っているので、層をなす面が互いに重なり合うようにコーティングして、バリアコーティング層を扁平状粉末6で覆うように配置でき、薄く塗工しても、全体としてガスバリア性の高いバリアコーティング層にすることができる。
このようにして、紙2という、通気性の高い素材に対し、バリア性を持たせることができる。
すなわち、紙カップを製造する場合、図5で示されるように巻き合わせ融着部9が生じる。
しかし、巻き合わせ融着部9は、紙部材をそのまま巻き合わせると、図7−1のように紙部材の端面21が露出する。
このような端面が露出した状態で、内容物が液体であって、それが端面を浸漬した場合、バリアコーティング層3が水溶性樹脂を用いているので、内容物がバリアコーティング層3を破壊し、表裏が分離してしまう恐れがある。特に水溶性の塗工樹脂を使用しているので、端面であっても浸透し、端面から溶出し、紙容器そのものが破壊されてしまう問題が発生する。たとえコーティング層を破壊しない内容物であっても、通気性の高い紙の端面から内容物が浸透し、バリア性が確保できなくなってしまう問題がある。
そこで、紙部材端面には、バリアコーティング層や基材の紙が容器内面に露出しないようにする必要がある。
また、この非コーティング範囲をあまり大きくしてしまうと、巻き合わせ融着部9近傍のバリア層がなくなってしまい、酸素などの透過が大きくなってしまう恐れがある。
バリアコーティング層は、扁平状粉末6が、層状になって一定の面を持っていて、層をなす面が互いに重なり合うようにコーティングされ、扁平状粉末6で覆うように配置されている。このような重なり合う扁平状粉末6は、加熱加圧処理によって、隣接する内シーラント層4が再溶融し、流動性を得て流れ出すと、扁平状粉末は容易に層を破壊された凝集破壊を起こしてしまう。
特に第2実施形態のように中間樹脂層5があると、バリアコーティング層3は溶融する樹脂に挟まれているので、容易に破壊し、再溶融した樹脂に包含されやすい。
バリアコーティング層3の扁平状粉末6は隣接する再溶融した樹脂に包含され、樹脂と紙、あるいは樹脂同士の融着が行われる。
特に巻き合わせ部9の融着部91は、再溶融した内シーラント層4が紙2の端面まで流れて、紙の端面を覆い、さらに合わさった他方の内シーラント層4と融着するように、端面処理が行われる。
その為、バリアコーティング層が内容物などに含まれる水などによって、溶解や凝集破壊などの影響が発生する問題が起こることは無い。
巻き合わせ部9と同様に、容器内側上部90が加熱加圧処理されると、バリアコーティング層3の扁平状粉末6は再溶融した樹脂に包含され、樹脂と紙、あるいは樹脂同士の融着が行われる。
その為、紙カップの内容物に接する容器内部のバリアコーティング層3は、端面がシールされているので、水分が入り込んで凝集破壊などのバリア性の低下は発生せず、高いバリア性が確保される。
ただ、容器内側上部90の加熱加圧処理は、あまり大きな面積に行うとバリア性が低下してしまうので、極力最小の面積になるように行うことが好ましい。
また、蓋と融着する近傍は、蓋と融着する加工によって加熱加圧処理と同じ加工になるので、この融着部分のバリアコーティング層3は、拡散して内シーラント層4や中間樹脂層5に入り込み、消滅してしまう。
図9は、このような塗料をコートした紙カップ原紙を用いた紙基材の第三実施形態を示す断面図である。
片面に塗料50をコーティングした紙2を使用し、塗料をコートした面にバリアコーティング層3を薄く塗工し、薄くて、かつ、高いバリア性のあるコーティング面にしている。さらに表裏にエクストルーダーラミネーション機で低密度ポリエチレンを貼り合わせた紙部材1になっている。
このコート紙に使用される塗料50は、クレー(カオリン)や炭酸カルシウムなどの白色顔料と、デンプンなどの接着剤(バインダー)を混合して作る。塗料は、紙の製造工程の中でコーターを使って塗布する。コーターは、抄紙機と直結することで抄紙・塗工を1工程とするオンマシン式であっても、抄紙とは別工程とするオフマシン式であってもかまわない。
浸透し、凹部が充填され、面が大きく補修され、表面が平滑になったコート紙が出来上がる。
このコート紙は、通常15g/m2〜40g/m2の坪量で塗料を塗工することで、塗工前にあった紙の繊維が表面に飛び出たり、凹部が生じている表面状態を、平滑に覆って、紙表面の凹凸が緩和している。そのため、このコート紙を使用すると、バリアコーティング層が薄くても、容易に平滑で均一なバリアコーティング層を作ることができるので、高いバリア性を発揮できる。特にグロスタイプのコート紙が好ましい。
なお、端部を折り畳んで、外側に内シーラント層4を出して融着する加工で、加熱加圧処理が巻き合わせ融着部では発生するので、この融着部分のバリアコーティング層3は、拡散して内シーラント層4に入り込み、消滅してしまう。
紙基材は、日本大昭和板紙株式会社製のカップ原紙NCAN−Gで、表裏コート剤塗布品であり、坪量260g/m2。
塗工前に、コロナ放電処理を行う。
バリアコーティング層は、紙基材の内面側に、無機層状鉱物のモンモリロナイトを1:1で添加したポリビニルアルコール樹脂混合物をグラビア印刷機により0.4g/m2の厚みに塗工した。
最内層は、溶融ポリエチレン(低密度ポリエチレン:融点102℃)をエクストルーダーラミネーション機により、30マイクロメーター貼り合せた。
最外層は、溶融ポリエチレン(低密度ポリエチレン)をエクストルーダーラミネーション機により、20マイクロメーター貼り合せ。
試作容器は、内容量100グラムのヨーグルト用紙カップを作成。
ボトム部、底部、共に上記紙部材を使用。
蓋は、外層からエチレンテレフタレート(厚み12マイクロメーター)/ウレタン系接着剤(ドライラミネーション)/アルミ箔(厚み12マイクロメーター)/エチレン・酢酸エチル共重合体(酢酸成分10重量パーセント)(厚み30マイクロメーター)に貼り合せたフィルムを使用。
巻き合わせ部の端面や容器内側上部90は120℃で加熱加圧処理した。最内層のポリエチレン層は加熱加圧処理で25マイクロメーターになった。
巻き合わせ部の端面や容器内側上部のバリアコーティング層は最内層のポリエチレン樹脂層に取り込まれ、無くなっていた。
紙基材は、日本大昭和板紙株式会社製のカップ原紙NCAN−Gで、表裏コート剤塗布品であり、坪量260g/m2。
紙基材に対する塗工前に、コロナ放電処理を行い、両面に低密度ポリエチレン(融点102℃)をエクストルーダーラミネーション機で貼り合わせる。(外面側低密度ポリエチレン層厚20マイクロメーター、内面側低密度ポリエチレン層厚16マイクロメーター)
バリアコーティング層は、両面ポリエチレンを貼り合せた紙基材の内面側に、無機層状鉱物のモンモリロナイトを1:1で添加したポリビニルアルコール樹脂混合物をグラビア印刷機により0.4g/m2の厚みに塗工した。
最内層は、溶融ポリエチレン(低密度ポリエチレン:融点102℃)をエクストルーダーラミネーション機により、30マイクロメーター貼り合せた。
試作容器は、内容量100グラムのヨーグルト用紙カップを作成。
ボトム部、底部、共に上記紙部材を使用。
蓋は、実施例1と同じフィルムを使用。
巻き合わせ部の端面や容器内側上部90は120℃で加熱加圧処理した。最内層のポリエチレン層は加熱加圧処理で25マイクロメーターになった。
巻き合わせ部の端面や容器内側上部のバリアコーティング層は最内層のポリエチレン樹脂層に取り込まれ、無くなっていた。
紙基材は、ボトム部、底部、共に実施例1と同じ基材を使用した。
試作容器は、内容量100グラムのヨーグルト用紙カップを作成。
蓋も、実施例1と同じフィルムを使用した。
巻き合わせ部の端面は、120℃で加熱加圧処理した。最内層のポリエチレン層は加熱加圧処理で22マイクロメーターになった。巻き合わせ部の端面のバリアコーティング層は最内層のポリエチレン樹脂層に取り込まれ、無くなっていた。
容器内側上部90は加熱加圧処理しなかった。
紙基材は、ボトム部、底部、共に実施例2と同じ基材を使用した。
試作容器は、内容量100グラムのヨーグルト用紙カップを作成。
蓋も、実施例1と同じフィルムを使用した。
巻き合わせ部の端面は、120℃で加熱加圧処理した。最内層のポリエチレン層は加熱加圧処理で22マイクロメーターになった。巻き合わせ部の端面のバリアコーティング層は最内層のポリエチレン樹脂層に取り込まれ、無くなっていた。
容器内側上部90は加熱加圧処理しなかった。
<実施例1>
融着していた蓋部を10個剥離したが、凝集破壊による層間剥離などは起きなかった。
蓋開封前の酸素透過率測定は、酸素ガスバリア性を株式会社日立ハイテクノロジーズ社製MOCON酸素透過率測定装置OX−TRAN(登録商標)2/61で測定。
測定結果は、0.5cc/Package・dayで、バリア性が確認できた。
<実施例2>
融着していた蓋部を10個剥離したが、凝集破壊による層間剥離などは起きなかった。
蓋開封前の酸素透過率測定は、酸素ガスバリア性を株式会社日立ハイテクノロジーズ社製MOCON酸素透過率測定装置OX−TRAN(登録商標)2/61で測定。
測定結果は、0.5cc/Package・dayで、バリア性が確認できた。
<比較例1>
融着していた蓋部を10個剥離したが、4個凝集破壊により層間剥離が発生し、紙基材が
むき出しになってしまった。
蓋開封前の酸素透過率測定は、酸素ガスバリア性を株式会社日立ハイテクノロジーズ社製MOCON酸素透過率測定装置OX−TRAN(登録商標)2/61で測定。
測定結果は、0.5cc/Package・dayで、バリア性が確認できた。
<比較例2>
融着していた蓋部を10個剥離したが、2個凝集破壊により層間剥離が発生し、紙基材がむき出しになってしまった。
蓋開封前の酸素透過率測定は、酸素ガスバリア性を株式会社日立ハイテクノロジーズ社製MOCON酸素透過率測定装置OX−TRAN(登録商標)2/61で測定。
測定結果は、0.5cc/Package・dayで、バリア性が確認できた。
<結論>
加熱加圧処理を行うことで、蓋を開封した時に凝集破壊による層間剥離が改善する。また、加熱加圧処理によって、大きくバリア性は変化しない。
2・・・・・・・・・紙
21・・・・・・・・紙端面(容器内側)
3・・・・・・・・・バリアコーティング層
4・・・・・・・・・内シーラント層
40・・・・・・・・外シーラント層
5・・・・・・・・・中間樹脂層
50・・・・・・・・塗料
6・・・・・・・・・扁平状粉末
7・・・・・・・・・透過しない酸素ガス
8・・・・・・・・・透過する酸素ガス
9・・・・・・・・・巻き合わせ融着部
90・・・・・・・・内側上部(加熱加圧処理)
91・・・・・・・・融着部(巻き合わせ部)
a・・・・・・・・・紙のおもて面
b・・・・・・・・・紙の内容物が接する側の面(塗工面)
Claims (10)
- 内容物が接する側の紙面に、バリアコーティング層とシーラント層とを設けた紙部材をカップ原紙基材とし、カップ内側上部と巻き合わせ融着部を加熱加圧処理したことを特徴とする紙カップ。
- 内容物が接する側の紙面に、溶融ポリエチレン層、バリアコーティング層とシーラント層とを設けた紙部材をカップ原紙基材とし、カップ内面上部と巻き合わせ融着部を加熱加圧処理したことを特徴とする紙カップ。
- 加熱加圧処理をインパルスシールとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の紙カップ。
- 加熱加圧処理をヒートシールとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の紙カップ。
- バリアコーティング層として、バリア性ウレタン樹脂、バリア性アクリル樹脂、扁平状粉末とビニルアルコール樹脂の混合物、扁平状粉末とバリア性アクリル樹脂の混合物、または、バリア性ウレタン樹脂とバリア性アクリル樹脂とを含む混合物の、いずれかの皮膜を、少なくとも1層以上設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップ。
- バリアコーティング層として、扁平状粉末とビニルアルコール樹脂の混合物、または扁平状粉末とバリア性アクリル樹脂の混合物の皮膜を少なくとも1層以上設け、
扁平状粉末が無機層状鉱物で、雲母、雲母を主体とした変成岩、または水膨潤性合成雲母のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップ。 - バリアコーティング層として、バリア性ウレタン樹脂、または、バリア性ウレタン樹脂とバリア性アクリル樹脂とを含む混合物の皮膜を、少なくとも1層以上設け、
バリア性ウレタン樹脂が、酸基を有するポリウレタン樹脂とポリアミン化合物とを含有する水性ポリウレタン樹脂(A)、水溶性高分子(B)、および扁平状粉末(C)、を主たる構成成分とした混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップ。 - 水溶性高分子(B)は、鹸化度が95%以上、かつ重合度が300〜2000のポリビニルアルコール樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の紙カップ。
- バリアコーティング層として、バリア性アクリル樹脂、扁平状粉末とバリア性アクリル樹脂の混合物、または、バリア性ウレタン樹脂とバリア性アクリル樹脂とを含む混合物の皮膜を、少なくとも1層以上設け、
バリア性アクリル樹脂が、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコール系ポリマーと水系媒体とを含む水系塗工液の混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙カップ。 - 水系塗工液が可塑剤を含むことを特徴とする請求項9に記載の紙カップ。
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