JP2016059766A - 自走式掃除機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床面に平行な軸心周りに回転して床面を掃くメインブラシと、前記メインブラシを回転させるメインブラシ駆動部と、床面に垂直な軸心周りに回転して床面を掃く補助ブラシと、前記補助ブラシを回転させる補助ブラシ駆動部と、床の特性を検出する床特性検出部と、前記メインブラシ駆動部および前記補助ブラシ駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記床特性検出部により検出された床の特性に基づいて前記補助ブラシの回転速度または停動の少なくとも何れかを制御することを特徴とする自走式掃除機。
【選択図】図5
Description
さらに、下面に集塵口が形成された中空状の本体ケースと、本体ケースに着脱可能に設けられた本体集塵部と、自律走行用の駆動輪と、本体ケースの下部に床面上を旋回可能に取付けられた一対のサイドブラシと、これらサイドブラシをそれぞれ駆動させる旋回モータを備え、集塵口には回転ブラシが回転可能に軸支され、各旋回モータは、各サイドブラシを本体ケースの幅方向の中心側へと、すなわち各サイドブラシにより塵埃を集塵口側へとかき集めるようにそれぞれ回転するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、自走式でなくユーザーが移動させながら掃除する従来の掃除機では、吸込み口に床面に水平な軸心周りに回転可能な回転ブラシを有し、その回転ブラシの回転速度をユーザーが切替え可能なものが知られている。しかし、従来の掃除機で、床面に垂直な軸心周りに回転する補助ブラシを有するものは一般的でない。
一般に、補助ブラシは放射状のブラシ毛の長さが上述の回転ブラシ(以下、メインブラシという)のブラシ毛の長さに比べて非常に長いため、自身の回転に伴ってブラシ毛が絡まったりブラシ毛にくせが付いたりしやすい。特に、毛足の長い絨毯の床面は、板やタイルのように滑らかな床面に比べて補助ブラシのブラシ毛が絡まったりくせがついたりしやすい。回転速度が高すぎるとブラシ毛が絨毯の毛に絡まったり絨毯との摩擦でブラシ毛が引っ張られてくせがついたりし易いが、その一方で回転速度が低すぎると自走式掃除機1の走行に伴ってブラシ毛が絨毯の毛にひっかかって走行を妨げたりブラシ毛が折れてくせがついたりし易い。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、清掃用ブラシ、特に床面に垂直な軸心周りに回転する補助ブラシの回転を床の特性に基づいて制御する自走式掃除機を提供するものである。
≪自走式掃除機の構成例≫
図1はこの発明の一実施形態である自走式掃除機の外観を示す斜視図であり、図2は図1に示す自走式掃除機のA−A矢視断面図であり、図3は図1に示す自走式掃除機を底面側からみた斜視図である。また、図4は、図1に示す自走式掃除機の補助ブラシの回転方向を示す説明図である。
自走式掃除機1は、円盤形の筐体2を備え、この筐体2の内部および外部に、メインブラシ9、左補助ブラシ10L、右補助ブラシ10R、集塵ボックス30、電動送風機22、左駆動輪29L、右駆動輪29R、後輪26および前輪27、各種センサを含む制御部等の構成要素が設けられている。
この自走式掃除機1において、前輪27が配置されている部分が前方部、後輪26が配置されている部分が後方部、集塵ボックス30が配置されている部分が中間部である。
一対の駆動輪29は、平面視円形の筐体2の中心を通る中心線C(図2参照)と直角に交わる左右一対の回転軸に固定されており、一対の駆動輪29が同一方向に回転すると筐体2が進退し、各駆動輪29が逆方向に回転すると筐体2が中心線Cの回りに回転する。
一対の回転軸は、図示しない一対のモータからそれぞれ個別に回転力が得られるように連結されており、各モータは筐体の底板2aに直接またはサスペンション機構を介して固定されている。
後輪26は自在車輪からなり、駆動輪29が接地する床面Fと接地するよう筐体2の底板2aの一部に回転自在に設けられている。
このように、筐体2に対して前後方向中間に一対の駆動輪29を配置し、前輪27を床面Fから浮かせ、自走式掃除機1の重量を一対の駆動輪29と後輪26によって支持できるよう、筐体2に対して前後方向に重量が配分されている。これにより、進路前方の塵埃を前輪27によって遮ることなく吸込み口6に導くことができる。
後方部には、バッテリー12および制御基板15が収容されている。
バッテリー12は、充電端子4を介して充電台40から充電され、制御基板15、左輪駆動モータ21L(図2に図示せず)、右輪駆動モータ21R(図2に図示せず)、メインブラシ駆動部119(図2に図示せず)、左補助ブラシ駆動モータ123L(図2に図示せず)、右補助ブラシ駆動モータ123R(図2に図示せず)、電動送風機22、各種センサ等の各要素に電力を供給する。
図5は、図1に示す自走式掃除機の電気的な構成例を示すブロック図である。
図5の制御部11は、自走式掃除機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、CPU、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、後述する記憶部61に予め格納されRAMに展開された制御プログラムに基づいて、各ハードウェアを有機的に動作させて、自走式掃除機1の掃除機能、走行機能などを実行する。
バッテリー12は、自走式掃除機1の各機能要素に対して電力を供給する部分であり、主として、掃除機能および走行制御を行うための電力を供給する部分である。たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、Ni−Cd電池、などの充電池が用いられる。
衝突センサ14Cは、自走式掃除機1が走行時に障害物と接触したことを検出するために、例えば、筐体2の側板2cの内部に配置される。制御部11は、衝突センサ14Cからの出力信号に基づいて側板2cが障害物に衝突したことを知る。
前輪床面検出センサ18、左輪床面検出センサ19Lおよび右輪床面検出センサ19Rは下り階段等の大きな段差を検出する。
車輪駆動部21は、左輪駆動モータ21Lおよび右輪駆動モータ21Rを含み左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rをそれぞれ駆動および停止させる。左右の駆動輪を独立して正逆両方向に回転させ停止させ得るように駆動モータを構成することにより、自走式掃除機1の前進、後退、旋回、加減速などの走行状態を実現している。制御部11は、左輪ドライバ20Lおよび右輪ドライバ20Rに信号を出力して左輪駆動モータ21Lおよび右輪駆動モータ21Rのそれぞれの駆動モータを制御する。
左補助ブラシ10Lは、補助ブラシ駆動部123の左補助ブラシ駆動モータ123Lによって駆動される。制御部11は、左補助ブラシドライバ125Lに信号を出力して左補助ブラシ駆動モータ123Lを制御する。
右補助ブラシ10Rは、補助ブラシ駆動部123の右補助ブラシ駆動モータ123Rによって駆動される。制御部11は、右補助ブラシドライバ125Rに信号を出力して右補助ブラシ駆動モータ123Rを制御する。
この実施形態によれば、左補助ブラシ10Lと右補助ブラシ10Rがそれぞれの駆動モータで駆動されるので、例えば自走式掃除機1がカーブしながら走行する場合に、外側の補助ブラシの回転速度を内側のサイドブラシの回転速度よりも高めるように制御してもよい。カーブを曲がる期間中に外側のサイドブラシの移動距離は、カーブの内側のサイドブラシの移動距離より大きいので、それに見合った分だけ外側の補助ブラシを内側の補助ブラシよりも速く回転させて塵埃を掃き寄せる効果をより均等に近づけることができる。
床特性検出部127は、清掃作業を行う床の特性を検出する。この実施形態において床特性検出部127は、メインブラシドライバ121によって駆動されるメインブラシ駆動部119の、駆動モータの負荷電流の大きさを検出する回路である。駆動モータの電流は、例えば、駆動モータと直列に抵抗を挿入してその抵抗の両端に発生する電圧を検出する等、公知の手法で検出すればよい。制御部11は、前記負荷電流の大きさに基づいて床の特性を判断する。
なお、イオン発生部117で発生したイオンの一部が流入路へ導かれるようにしてもよい。このようにすれば、吸込み口6から流入路に導かれる気流内にイオンが含まれるため、集塵ボックス30が有する図示しない集塵容器およびフィルタの除菌および脱臭を行うことができる。
さらに、前述の掃除機本体に設けられた操作パネルや操作ボタンとは別にリモコンユニットが設けられており、このリモコンユニットも入力部51に相当する。このリモコンユニットに設けられた操作ボタンを押すと、リモコンユニットから赤外線や無線電波信号が送出され、無線通信により動作の指示入力を行う。入力部51としてのリモコンがユーザーからの指示を受けると、制御部11はこの指示に応答し、例えば左輪駆動モータ21Lおよび右輪駆動モータ21Rを制御してユーザーが指示する方向へ走行させあるいは走行を停止させる。また、例えばイオン発生部117のイオン発生を制御する。
記憶部61には、例えば、バッテリー12の残容量等の状態を示す電池情報、自走式掃除機1の走行経路の履歴、現在位置および方向を示す位置情報、自走式掃除機1の動作モードを示す動作モード情報を格納する。動作モード情報は、自走式掃除機1が清掃作業中のステータスを示す運転モード、入力部51が指示を受付けたら即座に清掃作業を開始できるステータスを示すスタンバイモード、自走式掃除機1が節電状態であることを示すスリープモードの何れのステータスかを示すデータである。
また、集塵ボックス30が駆動輪29の回転軸の上方に配置されているため、集塵によって重量が増加しても自走式掃除機1の重量バランスが維持される。
自走式掃除機1は、掃除が終了すると充電台40に帰還する。これにより、充電端子4が端子部41に接してバッテリー12が充電される。
この実施の形態において、清掃作業開始の指示を受付けると制御部11は、予め定められたそれぞれの回転速度でメインブラシ9、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rを回転させながら清掃作業を行う。
床特性検出部127は、前述の予め定められた回転速度(以下、第1速度とも呼ぶ)でメインブラシ9が回転している状態でメインブラシ駆動部119のメインブラシ駆動モータの電流を検出する。即ち、メインブラシ9の負荷電流、言い換えれば回転負荷の大きさを検出する。
一方、負荷電流が閾値を超える場合、制御部11は床面が大きな回転負荷の特性を有する絨毯などであって補助ブラシのブラシ毛が絡まったりくせが付いたりし易い特性のものと判断する。そして、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rの回転速度を第2速度からそれよりも低い第3速度に変更する。この実施形態で第3速度は第2速度未満であるがゼロ、即ち停止状態より大きい。
滑らかな床面を清掃するとき左右の補助ブラシは壁際など、吸込み口6の側方の塵埃を吸込み口6へ効率的に導くように定められた第2速度で回転させればよい。ところが、第2速度では絨毯の床面を清掃するには回転が速すぎてブラシ毛が絨毯の毛に絡まったり絨毯との摩擦でブラシ毛が引っ張られてくせがついたりし易い。一方、回転が遅すぎるとブラシ毛が絨毯の毛にひっかかり自走式掃除機1の走行を妨げたりブラシ毛が折れてくせがついたりし易い。よって、第2速度より低いが停止状態ではないある範囲に絨毯の清掃に好適な第3速度が存在する。実施に際しては、自走式掃除機1に種々の特性の床面での清掃作業を行わせる実験に基づいて第3速度を定めればよい。
清掃作業中に制御部11は、床特性検出部127を用いてメインブラシ駆動モータの負荷電流の大きさを逐次モニタする。メインブラシ9を第1速度で回転させている状態で前記負荷電流が予め定められた閾値を超える状態が予め定められた第1期間を超えて続いたら、制御部11は左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rの回転速度を初期の第2速度から第3速度に切替えて回転させる。その後、メインブラシ9を第1速度で回転させている状態で前記負荷電流が前記閾値以下になる状態が予め定められた第2期間を超えて続いたら、制御部11は左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rを第3速度から第2速度に切替えて回転させる。さらにその後、メインブラシ9を第1速度で回転させている状態で前記負荷電流が前記閾値を超える状態が前記第1期間を超えて続いたら、制御部11は左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rの回転速度を第2速度から第3速度に切替えて回転させる。以降、制御部11は、メインブラシ駆動モータの負荷電流の大きさを逐次モニタして閾値と比較し、補助ブラシの回転速度を制御する。
図6は、図5に示す制御部11が清掃作業中にメインブラシおよび補助ブラシを制御する処理を示すフローチャートである。図6に基づいて制御部11の処理の手順を説明する。
制御部11は、入力部51が清掃開始の作業を受付けたら(ステップS11のYes)、電動送風機22を回転させて吸込み口6から床面の塵埃を吸引させつつ車輪駆動部21を制御して走行させる。また、メインブラシ9を前記第1速度で回転させ、かつ、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rを第2速度で回転させる(ステップS13)。
清掃作業が未完了と判断した場合(ステップS25のNo)、ルーチンは前述のステップS15へ戻り、床特性検出部127を用いて補助ブラシの回転速度の制御と清掃終了の判定を繰り返す。
以上が、制御部11の処理である。
実施の形態1では、毛足の長い絨毯を想定した。これに対して毛足の短い絨毯では、補助ブラシのブラシ毛が絨毯毛に絡まることなく絨毯の上を移動することができる。ただし、床表面に凹凸があるために補助ブラシを回転させても塵埃を吸込み口6に掻き集める効果が少ない点は毛足の長い絨毯と同様である。そこで、毛足の短い絨毯の場合は補助ブラシを停止させるように制御してもよい。
例えば一年を通じて温暖な地域では、毛足の長い絨毯を想定する必要は無いといえ、それに代えて毛足の短い絨毯を想定したほうが合理的である。毛足の短い絨毯を想定した使用環境で制御部11は、メインブラシ9を前記第1速度で回転させている状態で前記負荷電流が予め定められた閾値を超える状態が前記第1期間を超えて続いたら、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rの回転を停止させる。その後、前記負荷電流が前記閾値以下になる状態が予め定められた前記第2期間を超えて続いたら、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rを前記第2速度で回転させる。さらにその後、前記負荷電流が前記閾値を超える状態が前記第1期間を超えて続いたら、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rの回転を停止させる。
この実施の形態では、補助ブラシだけでなくメインブラシの回転速度を床特性に応じて切替える態様を述べる。
毛足の長い絨毯の場合、絨毯毛の根元近くにあるゴミをメインブラシ9で掻き出すためにメインブラシ9を通常の回転速度である第1速度よりも速い第4速度で回転させてもよい。
負荷電流の大きさが閾値を超えており床面が絨毯と判断したら、制御部11は実施の形態1で述べたように左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rの回転速度を第2速度から第3速度に変更する。さらに、メインブラシ9の回転速度を第1速度からそれよりも速い第4速度に変更する。
なお、メインブラシ9が第4速度で回転している間も床特性検出部127はメインブラシ駆動モータの負荷電流の大きさを検出する。このとき、床の特性が絨毯か否かの判定に用いる閾値(以下、第2閾値とも呼ぶ)は、メインブラシ9が第1速度で回転しているときの判定に用いる第1閾値と異なる。第2閾値は、メインブラシ9が第1速度で回転しているときに第1閾値に相当する回転負荷を与える床面上でメインブラシ9を第4速度で回転させ、そのときの負荷電流に対応させて決定されてもよい。
実施の形態1および2は、床特性検出部127が検出したメインブラシ9の回転負荷が一つの閾値を超えるか否かに応じて補助ブラシの回転速度を2段階に切替えるものであったが、この実施形態では回転負荷を複数の閾値で判定し、補助ブラシの回転速度を多段階に切替える。まず、2つの閾値で判定して、補助ブラシの回転速度を3段階に切替える態様について述べる。
具体例として、実施の形態1のような板やタイルの滑らかな床面と毛足の長い絨毯との床特性に加えて、両者の中間の床特性を判定する。その中間の床特性は、一例を挙げるとオフィスフロアに敷き詰められるカーペットのような、毛足の短い絨毯に該当する床特性である。そして、実施の形態2で述べたように、毛足の短い絨毯の場合は、補助ブラシを停止させるように制御する。
(1)負荷電流≦第3閾値であれば、実施の形態1と同様の第2速度で補助ブラシを回転させる。
(2)第3閾値<負荷電流≦第4閾値であれば、補助ブラシを停止させる。
(3)第4閾値<負荷電流であれば、実施の形態1と同様の第3速度で補助ブラシを回転させる。
あるいは、実施の形態3と同様、自身の回転負荷の大きさに応じて2段階に切替えてもよい。例えば、制御部11はメインブラシが前記第1速度で回転しているときの負荷電流が前記第4閾値を超えるか否かに応じてメインブラシ9の回転速度を第1速度か第4速度に制御する。あるいは、負荷電流が前記第3閾値を超えるか否かに応じてメインブラシ9の回転速度を第1速度か第4速度に制御する。メインブラシ9が第4速度で回転しているとき、第3閾値および第4閾値に対応する床特性に基づいてそれぞれ定められた第5閾値および第6閾値を用いて負荷電流を比較する。
さらに別の態様としてメインブラシ9の回転速度を3段階に切替えてもよい。その場合、メインブラシ9の3つの回転速度についてそれぞれ2つの閾値を予め定めておく必要がある。
以上、床の特性に応じて補助ブラシの回転速度を3段階に切替える態様を説明したが、これまでの説明から補助ブラシの回転速度の切替えを4段階以上に拡張することは当業者にとって自明であり、この発明の範囲に含まれる。
床特性検出部127の構成として、メインブラシ駆動モータの負荷電流を検出する態様を述べた。他の構成態様として、左補助ブラシ駆動モータ、右補助ブラシ駆動モータの何れかあるいは両方の負荷電流を検出してもよい。また、電動送風機22の負荷電流を検出することにより、吸込み口6から空気を吸込むときの抵抗の強さを検出してもよい。
あるいはまた、イメージセンサを用いて床表面の状態を検出するようにしてもよい。
図5で、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rは、異なるモータで駆動されるが、共通のモータで駆動されてもよい。ただし、メインブラシ9とは異なるモータで駆動される。
また、後述する実施の形態6については、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rは個別のモータで駆動されなければならない。
これまでの実施形態では、床特性として床表面の状態に着目した。補助ブラシのブラシ毛の絡まり易さやくせのつき易さと床表面の状態との間に相関があると考えるからである。特に、床表面が回転するブラシ毛に与える摩擦の大きさに着目した。そして、補助ブラシの回転を制御してブラシ毛が絡まりにくく、くせがつきにくいようにする手法を述べた。
それに対してこの実施形態における床特性は、注目する床が壁際や障害物に近い領域か否かを意味する。床特性検出部127は、清掃作業の対象である床が壁際や障害物に近い領域か否かを検出し、制御部11は、その検出に応じて補助ブラシの回転を制御してブラシ毛にくせがつきにくいように制御する。
それらの検出に応答して制御部11は、壁面や障害物に近い側の補助ブラシについては回転を維持するが、反対側の補助ブラシを通常と反対方向に回転させる。
この実施形態によれば、一方の補助ブラシが壁や障害物の近くを清掃するとき反対側の補助ブラシが通常と反対方向に回転するので、ブラシ毛の曲りくせが補正される。
なお、補助ブラシを通常と反対方向に回転させることに代えて補助ブラシを停止させてもよい。補助ブラシを停止させることにより、常に一方向に回転させる場合に比べてブラシ毛の曲りくせが緩和される。
左右の補助ブラシは、吸込み口6の左右の前方に配置されて自走式掃除機が前進しているときに斜め前方のゴミを中央部の吸込み口6へ掃き寄せるが、自走式掃除機が後退するとき、進行方向に対して補助ブラシは吸込み口6の後方にあり、機能が発揮されない。
そこで、この実施形態では、自走式掃除機1が後退中に左右の補助ブラシを通常の回転方向と反対方向に回転させることで、塵埃を掃き寄せるのではなくブラシ毛のくせを補正する。
なお、左補助ブラシ10Lおよび右補助ブラシ10Rのそれぞれのブラシ毛が図4に示す状態より若干長く、ブラシ毛の先端がメインブラシ9のブラシ毛と接触する場合は、左右の補助ブラシと共にメインブラシ9を通常の回転方向と反対方向に回転させてもよい。
前述した実施の形態6では、左方超音波センサ14Lおよび右方超音波センサ14Rが床特性検出部の機能を担うのに対し、この実施形態では、前方超音波センサ14Fもそれらに加えて床特性検出部の機能を担う。
なお、補助ブラシを通常と反対方向に回転させることに代えて補助ブラシを停止させてもよい。後退時に補助ブラシを停止させることにより、常に一方向に回転させる場合に比べてブラシ毛の曲りくせが緩和される。
(i)この発明による自走式掃除機は、床面に平行な軸心周りに回転して床面を掃くメインブラシと、前記メインブラシを回転させるメインブラシ駆動部と、床面に垂直な軸心周りに回転して床面を掃く補助ブラシと、前記補助ブラシを回転させる補助ブラシ駆動部と、床の特性を検出する床特性検出部と、前記メインブラシ駆動部および前記補助ブラシ駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記床特性検出部により検出された床の特性に基づいて前記補助ブラシの回転速度または停動の少なくとも何れかを制御することを特徴とする。
(ii)前記床特性検出部は、前記メインブラシ駆動部が予め定められた速度で前記メインブラシを回転させるときの負荷の大きさを検出し、前記制御部は、検出された負荷が予め定められた閾値以下の場合に前記補助ブラシを予め定められた回転速度で回転させるが、前記閾値を超える場合に前記補助ブラシを前記回転速度と異なる速度で回転させるかまたは停止させてもよい。
このようにすれば、メインブラシを回転させるときの負荷の大きさを検出することによって、床特性を得ることができる。補助ブラシのブラシ毛のくせのつき易さと床面の摩擦の大きさとの間には相関があると考えられ、床面の摩擦の大きさを検出する手法として、メインブラシ駆動モータの負荷の大きさを検出することができる。
このようにすれば、補助ブラシだけでなくメインブラシも床特性に応じた好適な回転速度に制御できる。
このようにすれば、補助ブラシを常に一方向に回転させる場合に比べてブラシ毛の曲りくせが緩和される。
このようにすれば、補助ブラシを常に一方向に回転させる場合に比べてブラシ毛の曲りくせが緩和される。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
Claims (5)
- 床面に平行な軸心周りに回転して床面を掃くメインブラシと、
前記メインブラシを回転させるメインブラシ駆動部と、
床面に垂直な軸心周りに回転して床面を掃く補助ブラシと、
前記補助ブラシを回転させる補助ブラシ駆動部と、
床の特性を検出する床特性検出部と、
前記メインブラシ駆動部および前記補助ブラシ駆動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記床特性検出部により検出された床の特性に基づいて前記補助ブラシの回転速度または停動の少なくとも何れかを制御することを特徴とする自走式掃除機。 - 前記床特性検出部は、前記メインブラシ駆動部が予め定められた速度で前記メインブラシを回転させるときの負荷の大きさを検出し、
前記制御部は、検出された負荷が予め定められた閾値以下の場合に前記補助ブラシを予め定められた回転速度で回転させるが、前記閾値を超える場合に前記補助ブラシを前記回転速度と異なる速度で回転させるかまたは停止させる請求項1に記載の自走式掃除機。 - 前記制御部は、検出された負荷が前記閾値を超える場合に前記メインブラシを予め定められた回転速度で回転させるが、前記閾値以下の場合に前記メインブラシを前記回転速度よりも速く回転させる請求項1に記載の自走式掃除機。
- 前記床特性検出部は、清掃する床が壁または障害物の近傍の領域か否かを検出し、
前記補助ブラシは左右にそれぞれ設けられて独立して回転および停止が可能であり、
前記制御部は、前記床特性検出部の検出に基づいて左または右の何れか一方の補助ブラシが壁または障害物の近傍の床を清掃するとき、前記壁または前記障害物の近傍を清掃する補助ブラシを予め定められた清掃時の回転方向に回転させ、他方の補助ブラシを清掃時の回転方向と逆方向に回転させまたは停止させる請求項1〜3の何れか一つに記載の自走式掃除機。 - 前記制御部は、前進走行および後退走行を行わせ、前進走行のときは前記補助ブラシを予め定められた清掃時の回転方向に回転させ、後退走行のときは清掃時の回転方向と逆方向に回転させる請求項1〜4の何れか一つに記載の自走式掃除機。
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