JP2016056933A - 車輪駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インホイールモータ駆動装置21のサイクロイド式の減速機Bの外ピンハウジング50として、減速機Bの内部部品の組み込みが容易に行え、加工も容易で加工精度の高いものを採用することを課題とする。【解決手段】 前記外ピンハウジング50を破断分割された半割り体50a、50bの組立てによって形成し、半割り体50a、50bを左右に開いた状態で減速機Bの構成部品を組込み、減速機Bの構成部品を組み込んだ半割り体50a、50bを破断分割面を合せて閉じ、連結ピン60又は固定リング59によって破断分割された半割り体50a、50bを一体に結合するようにした。【選択図】 図7

Description

この発明は、自動車の駆動車輪を駆動する車輪駆動装置に関する。
電動モータを駆動源とし、その電動モータの回転を減速機により減速して駆動車輪を回転させる車輪駆動装置には、減速機の出力軸の回転を、その出力軸上に設けたハブ輪に伝達して、そのハブ輪に支持した駆動車輪を駆動するようにしたインホイールモータ方式と、上記減速機の出力軸にジョイントを介して駆動軸を接続し、その駆動軸の回転をハブ輪に伝達して駆動車輪を駆動するオンボード方式とが存在する。
ここで、図1(a)は、車輪駆動装置1によって駆動車輪としての後輪2を直接駆動するインホイールモータ方式を示し、図1(b)は、車輪駆動装置1における減速機(図示省略)の出力軸にジョイント3を介して駆動軸4を接続し、その駆動軸4によって後輪2を駆動するようにしたオンボード方式を示している。
インホイールモータ方式の車輪駆動装置1は、図2に示すように、駆動力を発生させるモータ部A、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブCとを、駆動車輪としての後輪2のホイール2a内に備える。
インホイールモータ方式およびオンボード方式のいずれの車輪駆動装置1もコンパクト化が要求される。また、後輪2を駆動するために大きな回転駆動トルクが要求される。
その要求に応えるため、特許文献1に記載された車輪駆動装置121においては、図23に示すように、モータ部Aの回転を減速する減速機Bにサイクロイド減速機を採用している。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング122内に収容されている。ケーシング122は、モータ部A側のケーシング122aと、減速機B側のケーシング122bとからなる。
モータ部Aは、ケーシング122aの内周面にステータ123を設け、このステータ123の内周に間隔をおいてロータ124を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ124は、モータ軸124aを中心部に有し、そのモータ軸124aは減速機Bの入力軸130と接続して減速機Bのケーシング122b内に挿入され、軸受125a、125bによってケーシング122aに対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング122bには、下部に潤滑油のオイルタンク141が設けられ、オイルタンク141内の潤滑油をオイルポンプ142によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている(特許文献1)。
潤滑油を減速機Bの内部に供給する給油通路143は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ142の吐出口からケーシング122aの内側に沿って後方へと延び、ケーシング122aの後方から、モータ軸124aの内部通路144と減速機Bの入力軸130の内部通路145を経て、減速機Bのケーシング122b内に至る通路により構成される。
潤滑油の帰還通路146は、減速機Bのケーシング122bの底部に設けられた排出口147、オイルタンク141を経てオイルポンプ142の吸入口に至る通路により構成される。
サイクロイド式の減速機Bは、図23〜図25に示すように、入力軸130に設けられた偏心軸部130a、130bによって2枚の曲線板131を回転自在に支持し、それらの曲線板131の外周に形成された波形歯形131aを減速機Bのケーシング122bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング150の内側に支持された外ピン132に噛合し、上記入力軸130の回転により曲線板131を偏心揺動運動させ、その曲線板131の自転を入力軸130と同軸上に配置された出力軸133から出力し、内輪部材181を回転させている。
外ピンハウジング150の内側に支持された外ピン132の数は、曲線板131の外周の波形歯形131aの凸部の数より多い。
外ピン132は、減速機Bのケーシング122bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング150に支持されている。外ピンハウジング150は、減速機Bのケーシング122bに対してアウター側(車体外側寄り)とインナー側(車体内側寄り)に、図示しないフローティングボルトによってフローティング支持されている。
外ピンハウジング150は、図23及び図24に示すように、軸方向の両端面の内径側に一対のフランジ部151を有する筒型形状をしている。
入力軸130は、図23に示すように、その一端部がスプライン嵌合によりロータ124のモータ軸124aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部130a、130bが設けられている。
偏心軸部130a、130bは、図24に示すように、入力軸130の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部130a、130bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部130a、130bのそれぞれの外径面に転がり軸受134が嵌合されている。
一対の偏心軸部130a、130bを設けた入力軸130には、一対の偏心軸部130a、130bを挟むように一対のカウンタウェイト135を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板131は、図24及び図25に示すように、転がり軸受134によって入力軸130に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形131aはトロコイド曲線歯形とされている。図25に示すように、曲線板131には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔136が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔136のそれぞれに内ピン137が余裕をもって挿入され、その内ピン137に回転自在に支持されたころ軸受137aの外周一部がピン孔136の内周一部に接触している。
減速機Bは、図24に示すように、偏心軸部130a、130bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板131と、曲線板131の外周部の波形歯形131aに係合する複数の外ピン132と、曲線板131の自転運動を出力する出力軸133と、曲線板131の隙間に取り付けられてこれら曲線板131の端面に当接して曲線板131の傾きを防止するセンターカラー138とを備える。
出力軸133は、フランジ部133aと軸部133bとを有する。フランジ部133aには、図24及び図25に示すように、出力軸133の回転軸線を中心とする円周上に、内ピン137が等間隔に固定されている。軸部133bの外径面には、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが配置されている。複数の内ピン137を介してフランジ部133aとスタビライザ133dが連結され、出力軸133とスタビライザ133dは一体に回転する。スタビライザ133dのモータ部A側の端部には、オイルポンプ142のインナーロータに接続するポンプ駆動軸133cが一体に設けられている。
外ピン132は、図25に示すように、入力軸130の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板131が公転運動すると、外周の波形歯形131aと外ピン132とが係合して、曲線板131に自転運動を生じさせる。
図24に示すように、外ピンハウジング150のフランジ部151の内周には、出力軸133およびスタビライザ133dが軸受190を介してそれぞれ回転自在に支持されている。出力軸133のフランジ部133aおよびスタビライザ133dの内径面と入力軸130の外径面とは、軸受191を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板131は、出力軸133の対向するフランジ部133aおよびスタビライザ133dの間に組み込まれている。また、出力軸133の対向するフランジ部133aおよびスタビライザ133dには、組み込まれた曲線板131のピン孔136を貫通する内ピン137の両端が支持されている。
出力軸133の対向するフランジ部133aおよびスタビライザ133dに支持された複数の内ピン137は、入力軸130の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板131との摩擦抵抗を低減するために、曲線板131のピン孔136の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受137aが設けられている。ピン孔136の内径寸法は、内ピン137の外径寸法より所定分大きく設定されている。
車輪ハブCは、図23に示すように、出力軸133の軸部133bの外径面にセレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で嵌合連結された内輪部材181と、内輪部材181をケーシング122bに対して回転自在に保持する外輪部材182とを備える。内輪部材181と外輪部材182とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材181と外輪部材182の間に複列の転動体183を設置している。内輪部材181には、車輪取付けフランジ部184が一体に設けられている。
外ピン132は、ケーシング122bに直接保持されているわけではなく、図23に示すように、ケーシング122bの内径面にフローティング状態に支持された外ピンハウジング150に保持されている。
また、筒型の外ピンハウジング150の下部には、図26および図27に示すように、スリット153が設けられている。
外ピンハウジング150の一対のフランジ部151には、厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔154が設けられている。外ピン保持孔154は、図24に示すように、それぞれ入力軸130の回転軸線と平行な方向に延び外ピン132の両端を保持している。外ピン132の両端は、外ピン保持孔154に対して針状ころ軸受155を介して支持されている。針状ころ軸受155は、外輪155aと、この外輪155aの内周面と外ピン132の外周面とを転走面にした針状ころ155bとからなる。針状ころ軸受155の外輪155aは、外ピン保持孔154の内面に嵌合されている。
また、一対のフランジ部151の対応する外ピン保持孔154は、周方向の同位置に互いに対面するように設けられている。即ち、1対の外ピン保持孔154の中心軸線は一致し、外ピンハウジング150を減速機Bのケーシング122bに取り付けると、この外ピン保持孔154の中心軸線は、入力軸130の回転軸線と平行になる。
図26に示すように、一対のフランジ部151の内径側には、厚肉部が形成されている。この厚肉部の外径面には、外ピン保持孔154に連続するように、溝形のザグリ部157が形成されている。
一対のフランジ部151の径方向の外周側に位置する外側面部には、図24に示すように、外ピン保持孔154に挿入した外ピン132の軸方向の抜け出しを防止する外ピンサイドプレート158が固定されている。
特開2012−97903号公報
ところで、サイクロイド式の減速機Bの筒型の外ピンハウジング150は、図26及び図27に示すように、中ぐり加工によって一体に形成され、この一体に形成された外ピンハウジング150内に内部部品を組込み、カセット化された減速機Bをケーシング122bに組込んでいる。
外ピンハウジング150は、サイズが大きくて、内部形状も複雑であるため、加工が困難で製作コストが高い。
また、筒型の外ピンハウジング150の内部を切削する際には、工具の突出し量を大きくしなければならないので、加工精度を向上させることも困難である。
また、減速機Bを組み立てる場合、外ピンハウジング150が一体に形成されているため、曲線板131等の内部部品を、スリット153を通じて外ピンハウジング150の内部に挿入し、曲線板131と入力軸130に設けられた偏心軸部130a、130bとを位相合わせをしながら転がり軸受134を圧入し、曲線板131のピン孔136を位相合わせしながら出力軸133を挿入する等の機械では難しい工程が必要であった。また、これらの箇所はクリアランスが小さく、無理に圧入・挿入しようとすると、相手部材を傷つけてしまうおそれがあった。
また、外ピンハウジング150の中で内部部品の組み立てを行わなければならなので、曲線板131等の大きな構成部品を内部に挿入できるように、外ピンハウジング150には、内部部品の挿入用にスリット153を大きく開ける必要があり、その大きなスリット153によって外ピンハウジング150の強度や剛性が低下する恐れがある。
そこで、この発明は、部品挿入用の開口部も小さくしても減速機の内部部品の組み込みが行え、加工も容易で加工精度も高い、外ピンハウジングを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部によって入力軸に回転自在に支持され、外周に波形歯形が形成された曲線板と、曲線板の外周の波形歯形に噛合する外ピンと、減速機のケーシングの内径面に回り止めされた状態に設けられ、外ピンの両端部を支持するフランジ部を両端面に有する筒型の外ピンハウジングとを有し、外ピンハウジング内に曲線板を組み込み、入力軸の回転により曲線板を偏心揺動運動させて、その曲線板の自転を前記入力軸と同軸上に配置された出力軸から出力するようにしたサイクロイド式の減速機とされた車輪駆動装置において、前記外ピンハウジングを左右に破断分割された半割り体からなり、半割り体を左右に開いた状態で減速機の構成部品を組込み、減速機の構成部品を組み込んだ半割り体を破断分割面を合せて閉じ、連結手段によって破断分割された半割り体を一体に結合することを特徴とする。
円筒型に形成した外ピンハウジングの外径円筒部に、破断分割の起点となるノッチを有する破断分割用の孔を等配で複数個所に設け、等配に設けた隣り合う破断分割用の孔の中間に、逃がし孔を設けることにより、破断分割用の孔の間隔が長くなり亀裂が斜めに走る等の不都合を防止することができる。
また、前記外ピンハウジングを中心軸を含む面で上下に破断分割された半割り体によって形成し、この半割り体を上下に開いた状態で減速機の構成部品を組込み、減速機の構成部品を組み込んだ半割り体を破断分割面を合せて閉じ、破断分割面で合せた半割り体の外面に固定リングを嵌めて、破断分割された半割り体を一体に結合するようにしてもよい。
この発明に係るインホイールモータ駆動装置においては、上記のように、外ピンハウジングを破断分割した半割り体の組立てによって形成するようにしたので、加工が容易で、加工精度も高い。また、外ピンハウジング内への減速機の内部部品の組み込みを、二分割された半割り体を開いた状態で行えるので、減速機の内部部品の組み込み作業が容易である。また、部品挿入用の開口部も小さくすることができ、外ピンハウジングの強度や剛性を向上させることができる。さらに、破断分割した分割面を合せるので、位置精度や同軸度を精密に保つことができる。
(a)は、この発明に係る車輪駆動装置をインホイールモータ方式として採用した電動車両の概略図、(b)は、この発明に係る車輪駆動装置をオンボード方式として採用した電動車両の概略図である。 この発明に係る車輪駆動装置の実施の形態を示す正面図である。 この発明に係るインホイールモータ駆動装置の縦断正面図である。 減速機の拡大縦断正面図である。 図3のD−D線に沿った縦断側面図である。 オイルポンプの拡大図である。 外ピンハウジングの一例を示す分解斜視図である。 図7の外ピンハウジングを形成する半割り体を閉じ、連結ピンによって締結した状態を示す斜視図である。 二つの半割り体と連結ピンとの関係を示す外ピンハウジングの縦断面図である。 図7に示す二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの一例であり、(a)は短軸ピンの側面図、(b)は短軸ピンの正面図、(c)は長軸ピンの側面図、(d)は長軸ピンの正面図である。 外ピンハウジングの別な形態を示す正面図である。 図11の外ピンハウジングの斜視図である。 外ピンハウジングの別な形態を示す正面図である。 図13の外ピンハウジングの縦断正面図である。 図7の外ピンハウジングを使用する減速機の組み立て手順を示す分解図である。 外ピンハウジングの別な形態を示す正面図である。 図16の外ピンハウジングの斜視図である。 図16の外ピンハウジングを使用する減速機の組み立ての第1の手順を示す分解断面図である。 図16の外ピンハウジングを使用する減速機の組み立ての第2の手順を示す分解正面図である。 図16の外ピンハウジングを使用する減速機の組み立ての完了状態を示す正面図である。 外ピンハウジングの別な形態を示す分解正面図である。 図21の外ピンハウジングの組立て完了状態を示す正面図である。 従来例を示す縦断正面図である。 従来例の減速機の拡大縦断正面図である。 図23のD−D線に沿った縦断側面図である。 従来の外ピンハウジングの斜視図である。 従来の外ピンハウジングの縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図2に示すように、駆動車輪としての後輪2におけるホイール2aの内側には、この発明に係る車輪駆動装置1が設けられている。
車輪駆動装置1は、図3に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を図2に示す駆動輪(後輪2)に伝える車輪ハブCとを備える。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング22内に収容されている。ケーシング22は、モータ部A側のケーシング22aと、減速機B側のケーシング22bとからなる。
モータ部Aは、ケーシング22aの内周面にステータ23を設け、このステータ23の内周に間隔をおいてロータ24を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ24は、モータ軸24aを中心部に有し、そのモータ軸24aは減速機Bの入力軸30と接続して減速機Bのケーシング22b内に挿入され、軸受25a、25bによってケーシング22に対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング22bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油をオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。オイルポンプ42はモータ部Aと減速機Bとの間の隔壁22cに設けられている。
潤滑油を減速機Bの内部に供給する給油通路43は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ42の吐出口からケーシング22aの内側に沿って後方へと延び、ケーシング22aの後方から、モータ軸24aの内部通路44と減速機Bの入力軸30の内部通路45を経て、減速機Bのケーシング22b内に至る通路により構成される。そして、オイルポンプ42から供給された潤滑油は、減速機Bの入力軸30の内部通路45に設けられた半径方向の供給口から遠心力およびオイルポンプ42の圧力によって飛散して、減速機B内を潤滑及び冷却している。いわゆる軸心給油方式を採用している。
潤滑油の帰還通路46は、減速機Bのケーシング22bの底部に設けられた排出口47、オイルタンク41を経てオイルポンプ42の吸入口に至る通路により構成される。
オイルポンプ42は、図6に示すように、減速機Bの回転を利用して回転するインナーロータ72と、インナーロータ72の回転に伴って従動回転するアウターロータ73と、ポンプ室74と、帰還通路46に連通する吸入口75と、給油通路43に連通する吐出口76とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ72は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分72aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分72bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ72は、減速機Bの出力軸33と一体回転する(図3参照)。
アウターロータ73は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分73aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分73bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ73は、ポンプケース77に回転自在に支持されている。
インナーロータ72は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ73は、インナーロータ72の回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ72の歯数をnとすると、アウターロータ73の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ72とアウターロータ73との間の空間には、複数のポンプ室74が設けられている。そして、インナーロータ72が減速機Bの出力軸33の回転を利用して回転すると、アウターロータ73は従動回転する。このとき、インナーロータ72およびアウターロータ73はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室74の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口75から流入した潤滑油が吐出口76から給油通路43に圧送される。
減速機Bのケーシング22bには、図3に示すように、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を帰還通路46を通じてオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
サイクロイド式の減速機Bは、図3〜図5に示すように、入力軸30に設けられた偏心軸部30a、30bによって2枚の曲線板31を回転自在に支持し、それらの曲線板31の外周に形成された波形歯形31aを減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32に噛合し、上記入力軸30の回転により曲線板31を偏心揺動運動させ、その曲線板31の自転を入力軸30と同軸上に配置された出力軸33から出力し、車輪ハブCを回転させている。
減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32の数は、曲線板31の外周の波形歯形31aの凸部の数より多い。
外ピン32は、図3に示すように、減速機Bのケーシング22bの内径面に隙間を介して配設される外ピンハウジング50に支持されている。外ピンハウジング50は、減速機Bのケーシング22bに対してアウター側とインナー側に、フローティングボルトによってフローティング支持されている。
外ピンハウジング50は、図7〜図9に示すように、破断分割された半割り体50a、50bからなり、この半割り体50a、50bを破断分割面で合せた状態で軸方向に貫通する貫通孔61を設け、この貫通孔61に連結ピン60を挿通し、破断分割された二つの半割り体50a、50bを連結ピン60によって一体に結合している。
連結ピン60は、図10(a)(b)に示す長さの短い短軸ピン60aと図10(c)(d)に示す長さの長い長軸ピン60bとからなる。短軸ピン60aと長軸ピン60bは、鍔部60cを挟んでボルト部60dと固定部60eを有する。二つの半割り体50a、50bのうち、一方の半割り体50aの貫通孔61の内面には、連結ピン60のボルト部60dが螺合する雌ねじ部60fが形成され、長軸ピン60bのボルト部60dは、半割り体50bを貫通し、半割り体50aの雌ねじ部60fに螺合するようになっており、長軸ピン60bのボルト部60dを雌ねじ部60fに締め付けることにより、二つの半割り体50a、50bが一体に結合されるようになっている。
短軸ピン60aのボルト部60dは、半割り体50aの雌ねじ部60fに螺合するが、半割り体50aの雌ねじ部60fに螺合した長軸ピン60bのボルト部60dの先端に達しないように、短く形成されている。
この発明に係る外ピンハウジング50は、外ピン保持孔54を貫通加工した後に、破断分割した二つの半割り体50a、50bを形成する。その後、後述するように減速機Bの内部部品を組み立てた後、破断分割面を合せて一体に結合して形成している。
外ピンハウジング50を左右分割し別々に製作すると、それぞれの外ピン保持孔54の位置精度や同軸度を出しにくく、異音・振動の原因となるが、この発明に係る外ピンハウジング50のように、外ピン保持孔54を貫通加工した後に、破断分割すると、周方向の位相がずれることがなくなるので、位置精度や同軸度が精密に保つことができる。
また、位置精度や同軸度をよくするために左右部材を締結して一体加工する方法も考えられるが、ずれないように位置決めピンを追加するなど加工中にずれないように締結する方法や、合わせ面の平面度の良い仕上げが必要となる。組立工程の簡素化のために、他の工程での手間がかなり増えてしまい、また、設計の自由度が低下してしまう。
また、外ピンハウジング50を一体に形成した後に、ワイヤカット等で左右に分割する方法も考えられるが、この方法によると、合わせ面を平滑に仕上げる、加工コストが高くなるにもかかわらず、位置ずれを防止する位置決めピンが必要になる等、元の位相からずれずに組み立てるための手間がかかると共に、設計自由度が低下する。また、位置決めピンのすきま分のずれもないように左右の外ピンハウジング50をボルトで強固に締結すると、ボルト座面が座屈し周辺が変形するおそれもある。
この発明は、減速機Bの組立てを容易に行える左右分割型の外ピンハウジング50でありながら、各部の同軸度等の精度を確保しつつ、容易に位置決めができるようにするために、外ピンハウジング50を、左右の外ピン保持孔54を貫通加工で製作し、全ての形状を仕上げたのち、破断分割し、一方の半割り体50a、50bの内部に曲線板31、入力軸30、出力軸33等の組立部材を配置し、その後、他方の半割り体50a、50bを分割前と同じ位相で合せて、ボルト止めにより一体化したものである。
破断分割は、延性の低い材料を用い、衝撃入力等により破断分割させ、その破面自体のかみ合いで位置合わせを行うので、位置決めピンが不要となり、当接面の加工を行う必要もなく、これまでの一体型の外ピンハウジング50の加工を行い、その最後に、破断分割の工程を追加する最小限の工程の追加により、分割型の外ピンハウジング50を形成することが可能となる。
外ピンハウジング50は、それ自体に転動面を持たず、大きな荷重のかかる箇所もない。そのため、従来は、外ピンハウジング50に使用する材料としては、価格面、加工のしやすさから、炭素量C=0.3〜0.7%の延性が高い材料である中炭素鋼が一般に使用されているが、この発明では、ノッチ(V字溝)にタガネ等の先鋭工具によって衝撃荷重を加えることによって、ノッチ入れた部分からかち割って破断分割を行うので、破断分割工法に適した延性の低い鋼、例えば、組織がほぼすべてパーライトとなる共析組成(c=0.77wt%)付近のDIN規格C70S6等の非調質鋼や、より低炭素で強化元素を添加した非調質鋼を使用する。他に、低合金鋼粉の焼結鍛造材が挙げられる。
外ピンハウジング50を破断分割、即ち、円筒型に形成した外ピンハウジング50を左右に破断分割するには、図7〜図9に示すように、円筒型に形成した外ピンハウジング50の外径円筒部に、等配で複数個所(3〜6か所)の破断分割用の孔52aを設け、孔52aに破断分割の起点となるノッチ52bを設ける。ノッチ52bを付ける方法としては、レーザノッチや機械加工ノッチが挙げられる。また、破断分割用の孔52aのみでは孔52a間の距離が長くなり亀裂が斜めに走る等、かみ合わせに不適な面となることがあるので、破断分割の亀裂が到達する破断分割を行わない逃がし孔53も複数個所設けることにより、かみ合わせに適した破断面が得られる。
破断分割用の孔52aと逃がし孔53は、減速機Bの回転時に外ピンハウジング50の内部の潤滑油を、外ピンハウジング50の外部に排出するために使用される。外ピンハウジング50の内部に潤滑油が過度に溜まると、曲線板31等により潤滑油が撹拌されることとなり、効率が悪くなると共に、油温も上昇する。従来は、曲線板31を入れるスリットが下部であったため、内部で回転により飛散した油は、外ピン32の軸受55等を潤滑して排出されたものを除くと、下部まで垂れスリットから排出されていたが、この発明では外ピンハウジング50の円筒部の全周に、破断分割用の孔52aと逃がし孔53があるので、潤滑油が排出されやすくなる。また、各部を潤滑する潤滑油は各部から抜熱し、空冷や水冷されているケーシング22に熱を渡している。従来では、下部スリットから排出されオイルタンク41に流れ込む間での冷却はわずかであるが、破断分割用の孔52aと逃がし孔53から外ピンハウジング50の外部に出た潤滑油がケーシング22に付着するこの発明の実施形態では、潤滑油がより効果的に冷却される。
外ピンハウジング50の破断分割工程は、ノッチ52bを入れた複数個所の破断分割用の孔52aに割型を入れ、くさびを打ち込んで離間させてノッチ52bを起点に破断を生じさせ、破断分割用の孔52aから逃がし孔53にかけて破断させ、外ピンハウジング50を左右に分割する。
図7〜図9に示す実施形態では、ノッチ52bを破断分割用の孔52a内の径方向に設けたが、ノッチ52bは、図11及び図12に示すように、外ピンハウジング50の円筒部の外周に設けてもよい。
また、連結ピン60によって破断分割された二つの半割り体50a、50bを一体に結合する際に、連結ピン60のボルト部60dが螺合する雌ねじ部60fの長さを確保するなどの目的で、図13及び図14に示すように、分割箇所が外ピンハウジング50の円筒部の片側に偏ってもよい。
以上の実施形態における外ピンハウジング50は、半割り体50a、50bの分割面を合せて連結ピン60によって結合した状態において、筒型形状であり、軸方向両端部に内径側に延びる一対のフランジ部51を備える。
入力軸30は、図3に示すように、その一端部がスプライン嵌合によりロータ24のモータ軸24aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部30a、30bが設けられている。
偏心軸部30a、30bは、図4に示すように、入力軸30の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部30a、30bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部30a、30bのそれぞれの外径面に転がり軸受34が嵌合されている。
一対の偏心軸部30a、30bを設けた入力軸30には、一対の偏心軸部30a、30bを挟むように一対のカウンタウェイト35を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板31は、転がり軸受34によって入力軸30に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形31aはトロコイド曲線歯形とされている。図5に示すように、曲線板31には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔36が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔36のそれぞれに内ピン37が余裕をもって挿入され、その内ピン37に回転自在に支持されたころ軸受37aの外周一部がピン孔36の内周一部に接触している。
減速機Bは、図4に示すように、偏心軸部30a、30bに回転自在に保持される公転部材としての2枚の曲線板31と、曲線板31の外周部の波形歯形31aに係合する複数の外ピン32と、曲線板31の自転運動を出力する出力軸33と、2枚の曲線板31の隙間に取り付けられてこれら曲線板31の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー38とを備える。
出力軸33は、フランジ部33aと軸部33bとを有する。フランジ部33aには、図5に示すように、出力軸33の回転軸線を中心とする円周上に、内ピン37が等間隔に固定されている。軸部33bの外径面には、図3に示すように、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが設けられている。複数の内ピン37を介しフランジ部33aとスタビライザ33dが連結され、出力軸33とスタビライザ33dは一体に回転する。スタビライザ33dのモータ部A側の端部には、オイルポンプ42のインナーロータ72に接続するポンプ駆動軸33cが一体に設けられている。
外ピン32は、入力軸30の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板31が公転運動すると、外周の波形歯形31aと外ピン32とが係合して、曲線板31に自転運動を生じさせる。
図4に示すように、外ピンハウジング50のフランジ部51の内周には、出力軸33およびスタビライザ33dが転がり軸受90を介してそれぞれ回転自在に支持されている。また、出力軸33のフランジ部33aおよびスタビライザ33dの内径面と入力軸30の外径面とは、転がり軸受91を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板31は、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dの間に組み込まれている。また、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dには、組み込まれた曲線板31のピン孔36を貫通する内ピン37の両端が支持されている。
出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dに支持された複数の内ピン37は、入力軸30の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板31との摩擦抵抗を低減するために、2枚の曲線板31の各ピン孔36の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受37aがそれぞれ設けられている。ピン孔36の内径寸法は、内ピン37の外径寸法(「針状ころ軸受37aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
減速機Bは、図15に示すように、二分割された外ピンハウジング50の半割り体50a、50bを開いた状態で、入力軸30、2枚の曲線板31、カウンタウェイト35、出力軸33、内ピン37、転がり軸受90、91等の外ピンハウジング50内に組み込まれる減速機Bの内部部品を組み立て、その後、針状ころ軸受55の外輪55aと針状ころ55bを組込んである半割り体50a、50bにより左右から減速機Bの内部部品を挟み、次いで、外ピン32を挿し入れて、端面に外ピンサイドプレート58を装着し、二つの半割り体50a、50bの貫通孔61に、連結ピン60の長軸ピン60bと短軸ピン60aを両側から挿入し、長軸ピン60bと短軸ピン60aのボルト部60dを、半割り体50aの貫通孔61に形成した雌ねじ部60fに螺合し、長軸ピン60bと短軸ピン60aのボルト部60dを締め付けることにより、組み立てが完了する。
このように、二分割された外ピンハウジング50の半割り体50a、50bを開いた状態で、減速機Bの内部部品の組み立てを行うことができるので、外ピンハウジング50の半割り体50a、50bに設ける開口部は、入力軸30と出力軸33が挿通できる大きさがあればよい。したがって、外ピンハウジング50に、大きな曲線板31を挿入する大きさのスリットが不要になるので、外ピンハウジング50の強度や剛性が向上する。
車輪駆動装置1であるインホイールモータ駆動装置21の軽量化の観点から、ケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、鋼で形成するのが望ましい。
図4に示すように、半割り体50a、50bを合わせて形成される外ピンハウジング50の一対のフランジ部51には、厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔54が設けられている。外ピン保持孔54は、それぞれ入力軸30の回転軸線と平行な方向に延び外ピン32の両端を保持する。外ピン32の両端は、外ピン保持孔54に対して針状ころ軸受55を介して支持されている。針状ころ軸受55は、外輪55aと、この外輪55aの内周面と外ピン32の外周面とを転走面にした針状ころ55bとからなる。針状ころ軸受55の外輪55aは、外ピン保持孔54の内面に嵌合されている。
また、一対のフランジ部51の対応する外ピン保持孔54は、周方向の同位置に互いに対面するように設けられている。即ち、一対の外ピン保持孔54の中心軸線は一致し、外ピンハウジング50を減速機Bのケーシング22bに取り付けると、この外ピン保持孔54の中心軸線は、入力軸30の回転軸線と平行になる。これにより、外ピン32を入力軸30の回転軸線と平行に保持することができる。
図7及び図8に示すように、一対のフランジ部51の径方向の内周側に位置する厚肉部には、外ピン保持孔54に連続するように、溝形のザグリ部57が形成されている。
一対のフランジ部51の径方向の外周側に位置する外側面部には、図4及び図15に示すように、外ピン保持孔54に挿入した外ピン32の軸方向の抜け出しを防止する外ピンサイドプレート58がそれぞれ固定される。短軸ピン60aと長軸ピン60bで外ピンサイドプレート58を挟んで固定するが、図7及び図8では、外ピンサイドプレート58の図示が省略されている。
図3〜図15に示す実施形態の外ピンハウジング50は、半割り体50a、50bの連結ピン60として、図10(a)(b)に示す長さの短い短軸ピン60aと図10(c)(d)に示す長さの長い長軸ピン60bとからなるものを使用している。
短軸ピン60aと長軸ピン60bは、鍔部60cを挟んで減速機Bのケーシング22bに対して固定するための固定部60eを有する。
短軸ピン60aと長軸ピン60bの一端に位置する固定部60eは、それぞれ減速機Bのケーシング22bに対して弾性部材62を介して固定している(図3参照)。
連結ピン60の固定部60eと減速機Bのケーシング22bとを弾性部材62を介して固定することにより、外ピンハウジング50に生じる振動のケーシング22への伝達を軽減することができる。これによって外ピンハウジング50をケーシング22bに対してフローティング支持することになる。
以上の実施形態は、外ピンハウジング50の分割を、外ピンハウジング50の中心軸に対して垂直な面で行った例であるが、図16〜図22に示す実施形態は、外ピンハウジング50の分割を、外ピンハウジング50の中心軸を含む面で行った例である。
外ピンハウジング50の中心軸を含む面で分割する例では、外ピンハウジング50の円筒部の中心軸を含む面に、破断分割の起点となるノッチ52bを有する破断分割用の孔52aを設け、この破断分割用の孔52aのノッチ52bに、タガネ等の先鋭工具によって衝撃荷重を加えて円筒形の外ピンハウジング50を上下に破断分割して、二つの半割り体50a、50bを形成している。
図17に示すこの上下に分割した例では、外ピンハウジング50の円筒部の頂面と底面に、油抜き孔52cを形成している。
この上下に分割した半割り体50a、50bを使用する減速機Bの組立ては、次のように行う。
図18に示すように、二分割された外ピンハウジング50の半割り体50a、50bを上下に開いた状態で、入力軸30、2枚の曲線板31、カウンタウェイト35、出力軸33、内ピン37、転がり軸受90、91等の外ピンハウジング50内に組み込まれる減速機Bの内部部品を組み立て、その後、針状ころ軸受55の外輪55aと針状ころ55bを組込んである半割り体50a、50bにより上下から減速機Bの内部部品を挟み、次いで、図19に示すように、円筒形に突き合わせた半割り体50a、50bの外面に固定リング59を嵌めて半割り体50a、50bを一体に結合した後、外ピン32を挿し入れて、端面に外ピンサイドプレート58を短軸ピン60aで固定装着することにより、図20に示すように、組み立てが完了する。
次に、図21及び図22は、外ピンハウジング50の分割を、外ピンハウジング50の中心軸を含む面で行った別な例であり、この例では、円筒形に突き合わせた半割り体50a、50bの外面に、固定リング59を嵌める段溝59aを形成し、半割り体50a、50bの外面に固定リング59を嵌め入れた状態で、外ピンハウジング50の外面と固定リング59の外面とが概ね面一になるようにしている。
なお、図16〜図22に示す実施形態の固定リング59は特許請求の範囲の連結部材である。固定リング59には、外ピンハウジング50をケーシング22bに対してフローティング支持するためのフローティングボルト60aをねじ固定している。ここでフローティングボルト60aは図4〜図15で示した連結ピンと同じである。フローティングボルト60aの固定部60eと減速機Bのケーシング22bとを弾性部材62を介して固定することにより、外ピンハウジング50に生じる振動を軽減することができる。
車輪ハブCは、図3に示すように、出力軸33の軸部33bの外径面に固定連結された内輪部材81と、内輪部材81をケーシング22bに対して回転自在に保持する外輪部材82とを備える。内輪部材81と外輪部材82とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材81と外輪部材82の間に複列の転動体83を設置している。内輪部材81には、車輪取付けフランジ部84が一体に設けられている。
また、前記の実施形態において、曲線板31を支持する転がり軸受34として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、深溝玉軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
また、前記の実施形態においては、モータ部Aに、ケーシング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ24とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
1 :車輪駆動装置
2 :後輪
2a :ホイール
21 :インホイールモータ駆動装置
22 :ケーシング
22a :ケーシング
22b :ケーシング
23 :ステータ
24 :ロータ
24a :モータ軸
25a :軸受
25b :軸受
30 :入力軸
30a :偏心軸部
30b :偏心軸部
31 :曲線板
31a :波形歯形
32 :外ピン
33 :出力軸
33a :フランジ部
33b :軸部
33c :ポンプ駆動軸
33d :スタビライザ
34 :転がり軸受
35 :カウンタウェイト
36 :ピン孔
37 :内ピン
37a :軸受
38 :センターカラー
41 :オイルタンク
42 :オイルポンプ
43 :給油通路
44 :内部通路
45 :内部通路
46 :帰還通路
47 :排出口
50 :外ピンハウジング
50a :半割り体
50b :半割り体
51 :フランジ部
52a :孔
52b :ノッチ
52c :油抜き孔
53 :逃がし孔
54 :外ピン保持孔
55 :軸受
55a :外輪
57 :ザグリ部
58 :外ピンサイドプレート
59 :固定リング
59a :段溝
60 :連結ピン
60a :短軸ピン
60b :長軸ピン
60c :鍔部
60d :ボルト部
60e :固定部
60f :雌ねじ部
61 :貫通孔
62 :弾性部材
72 :インナーロータ
72a :歯先部分
72b :歯溝部分
73 :アウターロータ
73a :歯先部分
73b :歯溝部分
74 :ポンプ室
75 :吸入口
76 :吐出口
77 :ポンプケース
81 :内輪部材
82 :外輪部材
83 :転動体
84 :車輪取付けフランジ部
90 :転がり軸受
91 :転がり軸受
A :モータ部
B :減速機
C :車輪ハブ

Claims (9)

  1. 駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部によって入力軸に回転自在に支持され、外周に波形歯形が形成された曲線板と、曲線板の外周の波形歯形に噛合する外ピンと、減速機のケーシングの内径面に回り止めされた状態に設けられ、外ピンの両端部を支持するフランジ部を両端面に有する筒型の外ピンハウジングとを有し、外ピンハウジング内に曲線板を組み込み、入力軸の回転により曲線板を偏心揺動運動させて、その曲線板の自転を前記入力軸と同軸上に配置された出力軸から出力するようにしたサイクロイド式の減速機とされた車輪駆動装置において、前記外ピンハウジングを左右に破断分割された半割り体からなり、半割り体を左右に開いた状態で減速機の構成部品を組込み、減速機の構成部品を組み込んだ半割り体を破断分割面を合せて閉じ、連結部材によって破断分割された半割り体を一体に結合することを特徴とする車輪駆動装置。
  2. 円筒型に形成した外ピンハウジングの外径円筒部に、破断分割の起点となるノッチを有する破断分割用の孔を等配で複数個所に設けたことを特徴とする請求項1に記載の車輪駆動装置。
  3. 円筒型に形成した外ピンハウジングの外径円筒部に等配に設けた隣り合う破断分割用の孔の中間に、逃がし孔を設けた請求項2に記載の車輪駆動装置。
  4. 前記連結部材が、一方の半割り体に設けた貫通孔を通して他方の半割り体に設けた雌ねじ部に固定する連結ピンからなる請求項1乃至3のいずれかに記載の車輪駆動装置。
  5. 駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部によって入力軸に回転自在に支持され、外周に波形歯形が形成された曲線板と、曲線板の外周の波形歯形に噛合する外ピンと、減速機のケーシングの内径面に回り止めされた状態に設けられ、外ピンの両端部を支持するフランジ部を両端面に有する筒型の外ピンハウジングとを有し、外ピンハウジング内に曲線板を組み込み、入力軸の回転により曲線板を偏心揺動運動させて、その曲線板の自転を前記入力軸と同軸上に配置された出力軸から出力するようにしたサイクロイド式の減速機とされた車輪駆動装置において、前記外ピンハウジングを上下に破断分割された半割り体からなり、半割り体を上下に開いた状態で減速機の構成部品を組込み、減速機の構成部品を組み込んだ半割り体を破断分割面を合せて閉じ、破断分割面で合せた半割り体を連結部材により、破断分割された半割り体を一体に結合することを特徴とする車輪駆動装置。
  6. 前記連結部材が円筒形に突き合わせた半割り体の外面に嵌める固定リングであることを特徴とする請求項5に記載の車輪駆動装置。
  7. 円筒形に突き合わせた半割り体の外面に、固定リングを嵌める段溝を形成したことを特徴とする請求項5に記載の車輪駆動装置。
  8. 前記減速機と前記車輪ハブ軸受部との間にジョイントおよび駆動軸を介在したオンボード方式の請求項1〜5のいずれかの項に記載の車輪駆動装置。
  9. インホイールモータ方式の請求項1〜5のいずれかの項に記載の車輪駆動装置。
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