JP2016055750A - 車両用衝突検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンパの車幅方向における衝突位置に拘わらず高精度に衝突検知を行うことができる車両用衝突検知装置を提供する。【解決手段】車両用衝突検知装置1は、車両のバンパカバー8とバンパレインフォースメント9との間に配設されたバンパアブソーバ2と、バンパアブソーバ2に形成された溝部21aに装着される検出用チューブ部材3と、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力を検出する圧力センサ4とを有し、圧力センサ4による圧力検出結果に基づいてバンパカバー8への物体(歩行者)の衝突を検知する。バンパアブソーバ2は、車両前後方向に分割された前部アブソーバ21と後部アブソーバ22とから構成される。前部アブソーバ21の後面21bに形成された溝部21aに検出用チューブ部材3が装着される。前部アブソーバ21は、検出用チューブ部材3よりも車両前方側における車両前後方向の厚みLが車幅方向全体にわたって均一である。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の衝突事故の発生を正確に検知可能な車両用衝突検知装置に関する。
従来、歩行者が車両に衝突した際、歩行者への衝撃を軽減するための歩行者保護装置を備えた車両がある。この車両では、バンパ部にセンサを備えた衝突検知装置を設け、このセンサにより車両に歩行者等が衝突したことが検知された場合、歩行者保護装置を作動させ、歩行者への衝撃を和らげる構成となっている。この歩行者保護装置には、例えばポップアップフードと呼ばれるものがある。このポップアップフードは、車両の衝突検知時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジンなどの硬い部品との間隔(クリアランス)を増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、頭部への衝撃を低減させるものである。
上記した車両用衝突検知装置には、車両のバンパ内におけるバンパレインフォースメントの前面に、内部に中空部を有するチャンバ部材を配設し、このチャンバ部材の中空部内の圧力を圧力センサにより検出するようにしたものがある。この構成のものでは、バンパ(バンパカバー)へ歩行者等の物体が衝突すると、バンパカバーの変形に伴ってチャンバ部材が変形し、チャンバ空間に圧力変化が発生する。この圧力変化を圧力センサにより検出することで歩行者の衝突を検知している。
近年、上記したチャンバ式の車両用衝突検知装置よりも、小型で搭載性に優れたチューブ部材を用いて衝突を検知するチューブ式の車両用衝突検知装置が提案されている。この車両用衝突検知装置は、車両のバンパカバー内に配設されたバンパアブソーバと、バンパアブソーバに車幅方向に沿って形成された溝部に装着される中空のチューブ部材と、チューブ部材内の圧力を検出する圧力センサとを備えて構成されている。そして、車両前方に歩行者等が衝突した際には、バンパアブソーバが衝撃を吸収しながら変形すると同時にチューブ部材も変形する。このとき、チューブ部材内の圧力が急上昇し、この圧力変化を圧力センサにより検出することに基づいて、車両と歩行者との衝突を検知する。
特表2014−505629号公報
しかしながら、上記した構成の車両用衝突検知装置では、バンパアブソーバの車両前後方向の長さ(厚さ)が車幅方向の位置によって異なっていることにより、チューブ部材の変形量が歩行者等の物体との衝突位置によって異なる場合がある。この場合、車両と歩行者との衝突時におけるチューブ部材の変形量、すなわち、圧力センサによる圧力検出結果が、バンパの車幅方向における衝突位置(車幅方向の位置)によってばらつくことで、衝突検知精度が低下するという問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、バンパの車幅方向における衝突位置に拘わらず高精度に衝突検知を行うことができる車両用衝突検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決するためになされた請求項1に記載の車両用衝突検知装置(1)は、車両のバンパカバー(8)とバンパレインフォースメント(9)との間に配設されたバンパアブソーバ(2)と、バンパアブソーバに車幅方向に沿って形成された溝部(21a,211a〜213a,227b)に装着される検出用チューブ部材(3)と、検出用チューブ部材の内部に形成された中空部(3a)内の圧力を検出する圧力センサ(4)とを有し、圧力センサによる圧力検出結果に基づいてバンパカバーへの物体の衝突を検知する。バンパアブソーバは、車両前後方向に分割された前部アブソーバ(21,211〜213)と後部アブソーバ(22,221〜227)とから構成されると共に、互いに対向する前部アブソーバの後面(21b,211b〜213b)及び後部アブソーバの前面(22a,221a〜227a)の少なくとも一方に形成された溝部に検出用チューブ部材が装着される。そして、前部アブソーバは、溝部に装着された検出用チューブ部材よりも車両前方側における車両前後方向の厚み(L)が車幅方向全体にわたって均一であることを特徴とする。
この構成によれば、溝部に装着された検出用チューブ部材よりも車両前方側における前部アブソーバの車両前後方向の厚みを車幅方向全体にわたって均一にすることによって、車両と歩行者との衝突時における検出用チューブ部材の変形量、すなわち、圧力センサによる圧力検出結果が、バンパの車幅方向における衝突位置(車幅方向の位置)によってばらつくことを防ぐことができる。これにより、車両用衝突検知装置の衝突検知精度を向上させることができる。なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置の全体構成を示す図である。 図1のバンパ部の拡大図である。 図2のバンパ部のIII−III断面図である。 図2のバンパ部のIV−IV断面図である。 圧力センサの内部構造を示す断面図である。 第2の実施形態の図3相当図である。 第3の実施形態の図3相当図である。 第4の実施形態の図3相当図である。 第5の実施形態の図3相当図である。 第6の実施形態の図3相当図である。 第7の実施形態の図2相当図である。 図11のXII−XII断面図である。 図11のXIII−XIII断面図である。 第8の実施形態の図3相当図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置について、図1〜図6を参照して説明する。図1〜図5に示すように、本実施形態の車両用衝突検知装置1は、衝撃吸収用部材であるバンパアブソーバ2、中空の検出用チューブ部材3、圧力センサ4、充填部材5、衝突検知ECU6などを備えて構成されている。この車両用衝突検知装置1は、車両前方に設けられたバンパ7への物体(歩行者など)の衝突を検知するものである。このバンパ7は、図3及び図4に示すように、バンパカバー8、バンパアブソーバ2、バンパレインフォースメント9を主体として構成されている。
バンパアブソーバ2は、バンパ7において衝撃吸収の作用を受け持つ部材であり、バンパカバー8とバンパレインフォースメント9との間に配設される。このバンパアブソーバ2は、車両前後方向に分割された前部アブソーバ21と後部アブソーバ22とから構成される。前部アブソーバ21及び後部アブソーバ22は、発泡樹脂、例えば発泡ポリプロピレンなどからなる。
具体的には、後部アブソーバ22を形成する発泡樹脂は、前部アブソーバ21を形成する発泡樹脂よりも発泡倍率が低くなっている。このため、後部アブソーバ22は、前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材よりも硬度が大きくなっている。
前部アブソーバ21は、後部アブソーバ22よりも車両前方側に設けられ、前部アブソーバ21の後面21bと、後部アブソーバ22の前面22aとが、車幅方向全体にて互いに当接しながら対向して配置されている。
前部アブソーバ21の後面21bには、図2〜図4に示すように、検出用チューブ部材3を装着するための溝部21aが車幅方向に沿って形成されている。具体的には、溝部21aは、前部アブソーバ21の前面から溝部21aの車両前方側壁面までの距離が車幅方向全体にわたって一定の距離Lとなるように形成されている。また、溝部21aは、矩形形状の断面を有し、その車両前後方向及び車両上下方向の長さが、検出用チューブ部材3の車両前後方向及び車両上下方向の長さ以上となっている。なお、溝部21aは、車幅方向の途中に屈曲部を有していてもよいものとする。また、溝部21aの断面形状は矩形に限られず、例えば円形や多角形であってもよい。
前部アブソーバ21は、図2〜図4に示すように、溝部21aに装着された検出用チューブ部材3よりも車両前方側における車両前後方向の厚みLが、車幅方向全体にわたって均一となっている。また、前部アブソーバ21の後面21bとバンパレインフォースメント9の前面9aとの離間距離Xは、車幅方向位置によって異なっている。具体的には、後部アブソーバ22の車両前後方向の厚みは、車幅方向位置における上記離間距離Xに基づいて設定されている。すなわち、後部アブソーバ22は、その車両前後方向の厚みを車幅方向位置によって異なるものとすることにより、前部アブソーバ21の後面21bとバンパレインフォースメント9の前面9aとの間の隙間を埋める機能を果たす。
本実施形態では、バンパカバー8とバンパレインフォースメント9とは、外形形状(湾曲部の曲率など)が異なるものとなっている。このため、車幅方向中央部側の離間距離X1(図3参照)が、車幅方向端部側の離間距離X2(図4参照)よりも大きくなっている。そこで、後部アブソーバ22の前面22aの外形形状を、車幅方向全体にわたってバンパカバー8の外形形状と整合させると共に、後部アブソーバ22の後面の外形形状を、車幅方向全体にわたってバンパレインフォースメント9の外形形状と整合させている。
すなわち、後部アブソーバ22は、車幅方向中央部側にて車両前後方向の長さ(厚み)が大きくなり、車幅方向端部側にて車両前後方向の長さが小さくなっている。このようにして、検出用チューブ部材3よりも車両前方側における前部アブソーバ21の車両前後方向の厚みLが、車幅方向全体にわたって均一となるようにしている。
検出用チューブ部材3は、内部に中空部3aが形成され、車幅方向(車両左右方向)に延びている部材であり、バンパアブソーバ2の上記溝部21aに装着されるものである。また、検出用チューブ部材3は、車両のバンパ7内におけるバンパレインフォースメント9の前面9a(車両前方側)に配設される。この検出用チューブ部材3の両端部は、バンパレインフォースメント9の車幅方向左右の外側にて、略コ字状に湾曲して後述する圧力センサ4に接続されている。
この検出用チューブ部材3は、円形の断面形状を有し、合成ゴム、例えばシリコーンゴムからなる。また、検出用チューブ部材3の外径は、例えば10mm程度であるとする。なお、検出用チューブ部材3の断面形状は、円形に限られず、四角形などの多角形であってもよい。また、検出用チューブ部材3の材質としては、他にもエチレンプロピレンゴム(EPDM)などでもよい。
圧力センサ4は、バンパレインフォースメント9の前面9aよりも車両後方側に配置される。具体的には、圧力センサ4は、バンパレインフォースメント9の左右両端部側の後面9bに2つ設置され、ボルト(図示しない)を締結することにより固定されて取り付けられる。本実施形態では、このように圧力センサ4を2つ設置することにより、冗長性及び検出精度を確保している。
この圧力センサ4は、図2及び図5に示すように、検出用チューブ部材3の左右両端部に接続され、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力を検出するように構成されている。具体的には、圧力センサ4は、気体の圧力変化を検出するセンサ装置であり、検出用チューブ部材3の中空部3a内の空気の圧力変化を検出する。圧力センサ4は、図1に示すように、伝送線を介して衝突検知ECU(Electronic Control Unit)6に電気的に接続され、圧力に比例した信号を衝突検知ECU6へ出力する。衝突検知ECU6は、圧力センサ4による圧力検出結果に基づいて、バンパ7への歩行者の衝突を検知する。また、衝突検知ECU6は、歩行者保護装置10に電気的に接続されている。
圧力センサ4は、図5に示すように、本体部40と、センサ部41と、圧力導入管42と、コネクタ部43とを備えて構成される。本体部40は、センサ部41を収容するための箱状のケースである。センサ部41は、圧力検出用のセンサ素子等が設けられた基板などからなる。圧力導入管42は、検出用チューブ部材3内の圧力をセンサ部41に導入するための略円筒状の管であり、本体部40から検出用チューブ部材3の中空部3a内に差し込まれている。センサ部41は、圧力導入管42を介して検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力変化を検出する。このセンサ部41は、コネクタ部43に設けられたコネクタ44に電気的に接続されており、圧力に比例した信号をコネクタ44及び信号線を介して衝突検知ECU6へ送信する(図1参照)。
速度センサ5は、車両の速度を検出するセンサ装置であり、衝突検知ECU6に信号線を介して電気的に接続されている。この速度センサ5は、車両速度に比例した信号を衝突検知ECU6へ送信する。
衝突検知ECU6は、CPUを主体として構成され、車両用衝突検知装置1の動作全般を制御するものであり、圧力センサ4、歩行者保護装置10のそれぞれに電気的に接続されている(図1参照)。衝突検知ECU6には、圧力センサ4からの圧力信号(圧力データ)などが入力される。衝突検知ECU6は、圧力センサ4による圧力検出結果(入力信号)に基づいて所定の衝突判定処理を実行し、バンパ7への歩行者などの物体の衝突を検知した場合には歩行者保護装置10を作動させる。
バンパ7は、車両の衝突時における衝撃を和らげるためのものであり、バンパカバー8、バンパアブソーバ2、バンパレインフォースメント9などから構成される。バンパカバー8は、バンパ7の構成部品を覆うように設けられ、ポリプロピレン等の樹脂製の部材である。このバンパカバー8は、バンパ7の外観を構成すると同時に、車両全体の外観の一部を構成するものとなっている。
バンパレインフォースメント9は、バンパカバー8内に配設されて車幅方向に延びるアルミニウムなどの金属製の剛性部材であって、図3及び図4に示すように、内部中央に梁が設けられた日の字状断面を有する中空部材である。また、バンパレインフォースメント9は、車両前方側の面(前面9a)と、車両後方側の面(後面9b)とを有している。このバンパレインフォースメント9は、図1及び図2に示すように、車両前後方向に延びる一対の金属製部材であるサイドメンバ11の前端に取り付けられる。また、本実施形態では、上記したようにバンパレインフォースメント9の外形形状(湾曲部の曲率など)は、バンパカバー8の外形形状と異なるものとなっている。
通常、車両の衝突事故においては、車両の進行方向(車両前方)に存在する歩行者や車両と衝突する場合が多い。このため、本実施形態では、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の後面9bに配設して、車両前方の歩行者や車両との衝突に伴う衝撃(外力)が、車両前方に設けられたバンパカバー8などから圧力センサ4に直接伝わることをバンパレインフォースメント9の存在によって保護している。
歩行者保護装置10としては、例えばポップアップフードを用いる。このポップアップフードは、車両の衝突検知後瞬時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジンなどの硬い部品との間隔(クリアランス)を増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、歩行者の頭部への衝撃を低減させるものである。なお、ポップアップフードの代わりに、車体外部のエンジンフード上からフロントウインド下部にかけてエアバッグを展開させて歩行者の衝撃を緩衝するカウルエアバッグなどを用いてもよい。
次に、本実施形態における車両用衝突検知装置1の衝突時の動作について説明する。車両前方に歩行者などの物体が衝突した際には、バンパ7のバンパカバー8が歩行者との衝突による衝撃により変形する。続いて、前部アブソーバ21が衝撃を吸収しながら変形すると同時に、検出用チューブ部材3も変形する。このとき、検出用チューブ部材3内の圧力が急上昇し、この圧力変化が圧力センサ4に伝達する。
本実施形態では、前部アブソーバ21の車両後方側に設けられた後部アブソーバ22は、前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材3よりも硬度が大きい材質からなる。このため、前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材3が変形した後に、後部アブソーバ22が変形する。すなわち、前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材3よりも先に後部アブソーバ22が変形することがなく、前部アブソーバ21の変形に伴って検出用チューブ部材3を適切に変形させることが可能となっている。
更に、本実施形態では、溝部21aに装着された検出用チューブ部材3よりも車両前方側における前部アブソーバ21の車両前後方向の長さLを、車幅方向全体にわたって均一となるようにしている。このため、車両と歩行者との衝突時における検出用チューブ部材3の変形量、すなわち、圧力センサ4による圧力検出結果が衝突位置(車幅方向の位置)によってばらつくことを防ぐことができる。これにより、車両用衝突検知装置1の衝突検知精度を向上させることを可能としている。
車両用衝突検知装置1の衝突検知ECU6は、圧力センサ4及び速度センサ5の検知結果に基づいて、所定の衝突判定処理を実行する。この衝突判定処理では、具体的には、圧力センサ4及び速度センサ5の検出結果に基づいて、衝突物の有効質量を算出し、この有効質量が所定の閾値より大きい場合、歩行者との衝突が発生したものと判定する。更に、車両速度が所定の範囲(例えば時速25km〜55kmの範囲)内である場合に、歩行者保護装置10の作動を要する歩行者との衝突が発生したものと判定する。
ここで、「有効質量」とは、衝突時における圧力センサ4の検出値より、運動量と力積の関係を利用して算出する質量をいう。車両と物体との衝突が発生した場合、歩行者とは質量の異なる衝突物では、検知される圧力センサ4の値が異なる。このため、人体の有効質量と、想定される他の衝突物の質量との間に閾値を設定することにより、衝突物の種類を切り分けることが可能となる。この有効質量は、次式に示すように、圧力センサ4により検出される圧力の値の所定時間における定積分値を、速度センサ5により検出される車両速度の値で割ることにより算出される。
M=(∫P(t)dt)/V・・・(式1)
なお、Mは有効質量、Pは所定時間における圧力センサ4による検出値、tは所定時間(例えば、数ms〜数十ms)、Vは衝突時の車両速度を示している。有効質量を算出する方法には、他にも、衝突した物体の運動エネルギーEを表す式E=1/2・MV2を用いて算出することが可能である。この場合、有効質量は、M=2・E/V2により算出される。
そして、衝突検知ECU6は、歩行者保護装置10の作動を要する歩行者との衝突が発生したと判定した場合、歩行者保護装置10を作動させる制御信号を出力し、歩行者保護装置10を作動させて、上記したように歩行者への衝撃を低減させる。
以上説明したように、第1の実施形態の車両用衝突検知装置1は、車両のバンパカバー8とバンパレインフォースメント9との間に配設されたバンパアブソーバ2と、バンパアブソーバ2に車幅方向に沿って形成された溝部21aに装着される検出用チューブ部材3と、検出用チューブ部材3の内部に形成された中空部3a内の圧力を検出する圧力センサ4とを有し、圧力センサ4による圧力検出結果に基づいてバンパカバー8への物体の衝突を検知する。バンパアブソーバ2は、車両前後方向に分割された前部アブソーバ21と後部アブソーバ22とから構成されると共に、互いに対向する前部アブソーバ21の後面21bに形成された溝部21aに検出用チューブ部材が装着される。そして、前部アブソーバ21は、溝部21aに装着された検出用チューブ部材3よりも車両前方側における車両前後方向の厚みLが車幅方向全体にわたって均一であることを特徴とする。
この構成によれば、溝部21aに装着された検出用チューブ部材3よりも車両前方側における前部アブソーバ21の車両前後方向の厚みLを車幅方向全体にわたって均一にすることによって、車両と歩行者との衝突時における検出用チューブ部材3の変形量、すなわち、圧力センサ4による圧力検出結果が、バンパ7の車幅方向における衝突位置(車幅方向の位置)によってばらつくことを防ぐことができる。これにより、車両用衝突検知装置1の衝突検知精度を向上させることができる。
また、前部アブソーバ21の後面21bとバンパレインフォースメント9の前面9aとの離間距離Xは、車幅方向位置によって異なる。後部アブソーバ22の車両前後方向の厚みは、車幅方向位置における離間距離Xに基づいて設定され、車幅方向位置によって異なることを特徴とする。
この構成によれば、前部アブソーバ21の後面21bとバンパレインフォースメント9の前面9aとの車幅方向位置における離間距離Xに応じて、後部アブソーバ22の車両前後方向の厚みを設定することにより、前部アブソーバ21の検出用チューブ部材3よりも車両前方側における車両前後方向の厚みLを車幅方向全体にわたって均一にすることが可能となる。
また、溝部21aは、前部アブソーバ21の後面21bに形成される。そして、検出用チューブ部材3は、前部アブソーバ21の後面21bに形成された溝部21aに装着されることを特徴とする。
この構成によれば、前部アブソーバ21の後面21bと、これに対向する後部アブソーバ22の前面22aとの間に、検出用チューブ部材3を安定して配置することができる。また、前部アブソーバ21の後面21bに溝部21aが配設されているので、検出用チューブ部材3をバンパアブソーバ2へ容易に組付けることができる。
また、後部アブソーバ22は、前部アブソーバ21の車幅方向全体に対向して設けられていることを特徴とする。この構成によれば、後部アブソーバ22が前部アブソーバ21の車幅方向全体に対向して設けられているので、溝部21a内に異物や小動物等が入り込むことを車幅方向全体にて防止でき、車幅方向全体において異物や小動物等により検出用チューブ部材3が破損されることを防止できる。更に、溝部21a内に配設された検出用チューブ部材3が、車両後方側へずれて脱落することを確実に防止できる。
また、後部アブソーバ22は、前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材3よりも硬度が大きいことを特徴とする。この構成によれば、後部アブソーバ22が前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材3よりも硬いので、衝突時において前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材3よりも先に後部アブソーバ22が変形することを防ぐことができる。
すなわち、前部アブソーバ21の溝部21aに装着された検出用チューブ部材3の車両後方側に、前部アブソーバ21及び検出用チューブ部材3よりも硬い後部アブソーバ22が配設され、更に、後部アブソーバ22の車両後方側に剛性部材であるバンパレインフォースメント9が配設されているので、検出用チューブ部材3が車両後方側に撓むことを確実に防止することができる。これにより、衝突時に検出用チューブ部材3を適切に変形させることができ、車両用衝突検知装置1の衝突検知精度を確実に向上させることができる。
また、前部アブソーバ21及び後部アブソーバ22は、発泡樹脂からなり、後部アブソーバ22を形成する発泡樹脂は、前部アブソーバ21を形成する発泡樹脂よりも発泡倍率が低いことを特徴とする。
この構成によれば、前部アブソーバ21の発泡倍率よりも後部アブソーバ22の発泡倍率を低くすることで、前部アブソーバ21の硬度よりも後部アブソーバ22の硬度を容易に大きくすることができる。
また、本実施形態では、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の後面9bの左右両端部側に2つ配設しているので、検出用チューブ部材3における圧力変化を高い精度で検知できるとともに、冗長性を確保できる。すなわち、2つの圧力センサ4の出力を用いて衝突判定を行うことによって、誤検知を防止して正確な衝突検知を行うことができる。
次に、本発明の第2〜第8の実施形態について、図6〜図14を参照して説明する。なお、図6〜図14には上記第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について、図6を参照して説明する。第2の実施形態においては、図6に示すように、後部アブソーバ221における上部に、前部アブソーバ21の後面21bよりも車両前方側へ張り出した(突出した)上部張出部221bが設けられている。この上部張出部221bは、前部アブソーバ21の上面に当接して、車幅方向に延びて設けられている。
具体的には、上部張出部221bが前部アブソーバ21の後面21bよりも車両前方側へ張り出している長さBが、前部アブソーバ21とバンパカバー8との間の最も接近した距離Aよりも長くなっている。このため、前部アブソーバ21が車両前方側にずれたとしても、上部張出部221bの下面が前部アブソーバ21の上面に当接した状態に維持可能な構成となっている。これにより、溝部21aの車両上方側から当該溝部21a内に異物や小動物等が入り込むことを防止している。
上記した第2の実施形態の車両用衝突検知装置1によれば、後部アブソーバ221に上部張出部221bを設けることにより、前部アブソーバ21と後部アブソーバ221との組付け性を良好にすることができる。すなわち、上部張出部221bにより後部アブソーバ221を前部アブソーバ21に係止させることにより、前部アブソーバ21に対して後部アブソーバ221が車両下方側にずれてしまうことを防止できる。これにより、後部アブソーバ221を所定の位置に安定して配置することができる。
また、溝部21aよりも上方側に設けられた上部張出部221bにより、溝部21aの外部の車両上方側から溝部21a内に異物や小動物等が入り込むことを防止でき、溝部21a内に装着された検出用チューブ3が異物や小動物等により破損されることを防止できる。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について、図7を参照して説明する。第3の実施形態においては、第3の実施形態と比較して、図7に示すように、後部アブソーバ222における上部に、上部張出部222bが設けられていることに加え、後部アブソーバ222における下部に、下部張出部222cが設けられている。下部張出部222cは、溝部21aよりも下方側において前部アブソーバ21の後面21bよりも車両前方側へ張り出し、前部アブソーバ21の下面に当接して、車幅方向に延びて設けられている。
具体的には、上部張出部221b及び下部張出部222cが前部アブソーバ21の後面21bよりも車両前方側へ張り出している長さBが、前部アブソーバ21とバンパカバー8との間の最も接近した距離Aよりも長くなっている。このため、前部アブソーバ21が車両前方側にずれたとしても、上部張出部221b及び下部張出部222cが前部アブソーバ21に当接した状態に維持可能な構成となっている。これにより、溝部21aの車両上方側及び下方側から当該溝部21a内に異物が混入することを防止している。
また、後部アブソーバ222の前面222aと、上部張出部222b及び下部張出部222cとによって、凹形状部222dが形成されている。前部アブソーバ21と後部アブソーバ222とは、前部アブソーバ21が後部アブソーバ222の凹形状部222dに嵌合することにより固定されて一体化されている。
上記した第3の実施形態の車両用衝突検知装置1によれば、後部アブソーバ222に上部張出部222b及び下部張出部222cが設けられているので、溝部21aの外部の車両上方側及び下方側から溝部21a内に異物等が混入することを確実に防ぐことができる。これにより、溝部21a内に装着された検出用チューブ3が破損することを確実に防止できる。
また、前部アブソーバ21と後部アブソーバ222とは、前部アブソーバ21が後部アブソーバ222の凹形状部222dに嵌合固定されているので、前部アブソーバ21を後部アブソーバ222に、より安定して組み付けることができる。
なお、上部張出部222b及び下部張出部222cが、前部アブソーバ21の後面21bよりも車両前方側へ張り出している(突出している)長さは、適宜変更可能であるとする。
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態について、図8を参照して説明する。第4の実施形態においては、第3の実施形態と比較して、以下の点で構成が異なっている。まず、前部アブソーバ211に上側凹部211c及び下側凹部211dが設けられている。具体的には、上側凹部211cは、前部アブソーバ211の後面211bにおける上部に、断面矩形状に車幅方向に沿って形成されている。また、下側凹部211dは、前部アブソーバ211の後面211bにおける下部に、断面矩形状に車幅方向に沿って形成されている。
また、前部アブソーバ211の上側凹部211cに、後部アブソーバ223の上部張出部223bが配置されるとともに、前部アブソーバ211の下側凹部211dに、後部アブソーバ223の下部張出部223cが配置される。すなわち、前部アブソーバ211の上側凹部211cの外形形状は、後部アブソーバ223の上部張出部223bの外形形状と整合するようになっている。また、前部アブソーバ211の下側凹部211dの外形形状は、後部アブソーバ223の下部張出部223cの外形形状と整合するようになっている。
なお、第3の実施形態と同様に、上部張出部223b及び下部張出部223cは、前部アブソーバ211の後面211bよりも車両前方側へ張り出し且つ車幅方向に延びて設けられている。また、上部張出部223b及び下部張出部223cが前部アブソーバ21の後面21bよりも車両前方側へ張り出している長さBは、前部アブソーバ21とバンパカバー8との間の最も接近した距離Aよりも長くなっている。
また、第3の実施形態と同様に、後部アブソーバ223の前面223aと、上部張出部223b及び下部張出部223cとによって、凹形状部223dが形成されている。前部アブソーバ211と後部アブソーバ223とは、前部アブソーバ211が後部アブソーバ223の凹形状部223dに嵌合することにより固定されて一体化される。
上記した第4の実施形態の車両用衝突検知装置1によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第4の実施形態では、上部張出部223b及び下部張出部223cが、前部アブソーバ211の上面及び下面からはみ出していないので、バンパアブソーバ2の省スペース化を図ることが可能である。
[第5の実施形態]
以下、本発明の第5の実施形態について、図9を参照して説明する。第5の実施形態においては、図3に示す第1の実施形態と比較して、前部アブソーバ212の後面212bに嵌合凸部212cが形成されているとともに、後部アブソーバ224の前面224aに嵌合凹部224bが形成されている構成である点が異なる。そして、前部アブソーバ212の嵌合凸部212cが、後部アブソーバ224の嵌合凹部224bに嵌合することにより、前部アブソーバ212と後部アブソーバ224とが固定されて一体化される構成となっている。
具体的には、前部アブソーバ212の後面212bにおいて、検出用チューブ部材3が装着される溝部212aの車両上方側及び下方側にそれぞれ1つずつ、車両後方側に突出した嵌合凸部212c形成されている。また、後部アブソーバ224の前面224aにおける上部及び下部に、前部アブソーバ212の嵌合凸部212cと嵌合するように、それぞれ1つずつ嵌合凹部224bが形成されている。
上記した第5の実施形態の車両用衝突検知装置1によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、前部アブソーバ212の嵌合凸部212cと後部アブソーバ224の嵌合凹部224bとを嵌合することにより、前部アブソーバ212と後部アブソーバ224とをより確実に固定することができる。
なお、前部アブソーバ212の後面212bに嵌合凹部を設け、後部アブソーバ224の前面224aに嵌合凸部を設けて、後部アブソーバ224の嵌合凸部を前部アブソーバ212の嵌合凹部に嵌合させるようにしてもよい。
[第6の実施形態]
以下、本発明の第6の実施形態について、図10を参照して説明する。第6の実施形態においては、図7に示す第3の実施形態と比較して、前部アブソーバ212の後面212bの上下2箇所に嵌合凸部212cが形成されているとともに、後部アブソーバ225の前面225aの上下2箇所に嵌合凹部225bが形成されている構成となっている点が異なる。前部アブソーバ212の嵌合凸部212cは、後部アブソーバ225の嵌合凹部225bに嵌合する。これにより、前部アブソーバ212と後部アブソーバ225とが固定されて一体化される構成となっている。
具体的には、第5の実施形態と同様に、前部アブソーバ212の後面212bにおいて、検出用チューブ部材3が装着される溝部212aの車両上方側及び下方側にそれぞれ1つずつ、車両後方側に突出した嵌合凸部212c形成されている。また、後部アブソーバ225の前面225aにおける上部及び下部に、前部アブソーバ212の嵌合凸部212cと嵌合するように、それぞれ1つずつ嵌合凹部224bが形成されている。
また、第3の実施形態と同様に、後部アブソーバ225における上部に、上部張出部225bが設けられているとともに、後部アブソーバ225における下部に、下部張出部225cが設けられている。なお、第6の実施形態では、後部アブソーバ225の前面225aと、上部張出部225b及び下部張出部225cとによって、凹形状部が形成された構成にはなっていない。
上記した第6の実施形態の車両用衝突検知装置1によれば、第3の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、前部アブソーバ212の嵌合凸部212cと後部アブソーバ225の嵌合凹部225bとを嵌合することにより、前部アブソーバ212と後部アブソーバ225とをより確実に固定することができる。
なお、前部アブソーバ212の後面212bに嵌合凹部を設け、後部アブソーバ225の前面225aに嵌合凸部を設けて、後部アブソーバ225の嵌合凸部を前部アブソーバ212の嵌合凹部に嵌合させるようにしてもよい。
[第7の実施形態]
以下、本発明の第7の実施形態について、図11〜図13を参照して説明する。第7の実施形態においては、図11に示すように、後部アブソーバ226が前部アブソーバ21の車幅方向の一部にだけ対向して設けられている点が第1の実施形態と異なる。具体的には、後部アブソーバ226が、車幅方向中央部側において前部アブソーバ21に対向して設けられており(図12参照)、車幅方向左右端部側には設けられていない(図13参照)構成となっている。
上記構成のバンパアブソーバ2(前部アブソーバ21及び後部アブソーバ226)は、前部アブソーバ21の後面21bとバンパレインフォースメント9の前面9aとの離間距離Xが車幅方向中央部側においては存在するが、車幅方向左右端部側には離間距離Xが存在しない(前部アブソーバ21の後面21bとバンパレインフォースメント9の前面9aとが当接している)場合に適用可能である。
この場合、離間距離Xが存在しない(微小である場合を含む)部分では、検出用チューブ部材3の車両後方側に剛性部材であるバンパレインフォースメント9があるため、衝突時に検出用チューブ部材3が車両後方側に撓むことがなく、検出用チューブ部材3を適切に変形させることが可能である。
なお、溝部21aに装着された検出用チューブ部材3よりも車両前方側における前部アブソーバ21の車両前後方向の厚みLは、第1の実施形態と同様に、車幅方向全体にわたって均一となっている。
この離間距離Xは、バンパカバー8やバンパレインフォースメント9の外形形状(湾曲部の曲率など)によって異なるものとなる。このため、車幅方向位置により異なる離間距離Xに応じて後部アブソーバを適宜配設すればよく、車幅方向に間隔をあけて複数の後部アブソーバを配置してもよい。例えば、車幅方向左右端部側に離間距離Xが存在し、車幅方向中央部側に離間距離Xが存在しない構成では、左右に分割された2つの後部アブソーバを、車幅方向左右端部における離間距離Xが存在する領域に配設すればよい。
上記した第7の実施形態の車両用衝突検知装置1によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、バンパカバー8やバンパレインフォースメント9の外形形状(湾曲部の曲率など)によって異なる離間距離Xに応じて、必要な部分にだけ後部アブソーバを設ければよいので、バンパアブソーバ2の省スペース化を図ることができるとともに、コストを抑えることが可能である。
[第8の実施形態]
以下、本発明の第8の実施形態について、図14を参照して説明する。上記第1の実施形態では、前部アブソーバ21の後面21bにのみ溝部21aを形成した例を示したが、これには限られない。検出用チューブ部材3を装着するための溝部は、後部アブソーバ22の前面22aにのみ形成されていてもよく、前部アブソーバ21の後面21bと後部アブソーバ22の前面22aとの両方に形成されていてもよい。第8の実施形態においては、図14に示すように、前部アブソーバ213の後面213bに溝部213aが設けられているとともに、後部アブソーバ227の前面227aに溝部227bが設けられている。
前部アブソーバ213の溝部213aと後部アブソーバ227の溝部227bとは、互いに対向する位置に配設されている。そして、溝部213a及び溝部227bにより形成される領域(溝部に相当)に検出用チューブ部材3が配置される。なお、溝部213aの車両前後方向の長さと、溝部227b車両前後方向の長さとをたし合わせた長さは、検出用チューブ部材3の車両前後方向の長さ以上となっているものとする。また、溝部213a及び溝部227bの車両上下方向の長さは、検出用チューブ部材3の車両上下方向の長さ以上となっている。
なお、本実施形態においても、前部アブソーバ213は、溝部213aと溝部227bとの間に装着された検出用チューブ部材3よりも車両前方側における車両前後方向の厚みLが車幅方向全体にわたって均一である。
上記した第8の実施形態の車両用衝突検知装置1によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、検出用チューブ部材3が前部アブソーバ213の溝部213aに対して車両後方側にはみ出す場合に、後部アブソーバ227の溝部227bの車両前後方向の長さを調節することにより、検出用チューブ部材3を適切にバンパアブソーバ2に配置することができる。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形または拡張を施すことができる。例えば、上記実施形態では、後部アブソーバ22,221〜227は、前部アブソーバ21,211〜213よりも発泡倍率が低い発泡樹脂からなるものとしたが、これに限られない。後部アブソーバ22,221〜227の材質は、前部アブソーバ21,211〜213及び検出用チューブ部材3よりも硬度が大きいものであればよく、適宜変更可能であるとする。
また、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の後面9bにおける左右両端部側に2つ配設したが、これに限られず、圧力センサ4を任意の位置に配置可能である。例えば、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の上面に配置してもよく、別の剛性部材に固定してもよい。更に、冗長性を向上させるために3つ以上の圧力センサ4を配設してもよい。
1 車両用衝突検知装置
2 バンパアブソーバ
21,211〜213 前部アブソーバ
21a,211a〜213a,227b 溝部
21b,211b〜213b 後面
22,221〜227 後部アブソーバ
22a,221a〜227a 前面
221b〜223b,225b 上部張出部
222c,223c,225c 下部張出部
222d,223d 凹形状部
3 検出用チューブ部材
3a 中空部
4 圧力センサ
6 衝突検知ECU
7 バンパ
8 バンパカバー
9 バンパレインフォースメント
9a 前面
9b 後面
10 歩行者保護装置
X 離間距離
L 厚み

Claims (12)

  1. 車両のバンパカバー(8)とバンパレインフォースメント(9)との間に配設されたバンパアブソーバ(2)と、前記バンパアブソーバに車幅方向に沿って形成された溝部(21a,211a〜213a,227b)に装着される検出用チューブ部材(3)と、前記検出用チューブ部材の内部に形成された中空部(3a)内の圧力を検出する圧力センサ(4)とを有し、前記圧力センサによる圧力検出結果に基づいて前記バンパカバーへの物体の衝突を検知する車両用衝突検知装置(1)において、
    前記バンパアブソーバは、車両前後方向に分割された前部アブソーバ(21,211〜213)と後部アブソーバ(22,221〜227)とから構成されると共に、互いに対向する前記前部アブソーバの後面(21b,211b〜213b)及び前記後部アブソーバの前面(22a,221a〜227a)の少なくとも一方に形成された前記溝部に前記検出用チューブ部材が装着され、
    前記前部アブソーバは、前記溝部に装着された前記検出用チューブ部材よりも車両前方側における車両前後方向の厚み(L)が車幅方向全体にわたって均一であることを特徴とする車両用衝突検知装置。
  2. 前記前部アブソーバの後面(21b,211b,212b)と前記バンパレインフォースメントの前面(9a)との離間距離(X)は、車幅方向位置によって異なり、
    前記後部アブソーバは、その車両前後方向の厚みが車幅方向位置における前記離間距離に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突検知装置。
  3. 前記後部アブソーバの車両前後方向の厚みは、車幅方向位置によって異なることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用衝突検知装置。
  4. 前記溝部は、前記前部アブソーバの前記後面に形成され、
    前記検出用チューブ部材は、前記前部アブソーバの前記後面に形成された前記溝部に装着されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  5. 前記後部アブソーバ(22,221〜227)は、前記前部アブソーバ(21,211〜213)の車幅方向の一部に対向して設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  6. 前記後部アブソーバ(22,221〜225,227)は、前記前部アブソーバの車幅方向全体に対向して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の車両用衝突検知装置。
  7. 前記後部アブソーバは、前記前部アブソーバ及び前記検出用チューブ部材よりも硬度が大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  8. 前記前部アブソーバ及び前記後部アブソーバは、発泡樹脂からなり、
    前記後部アブソーバを形成する発泡樹脂は、前記前部アブソーバを形成する発泡樹脂よりも発泡倍率が低いことを特徴とする請求項7に記載の車両用衝突検知装置。
  9. 前記後部アブソーバ(221〜223,225)は、前記溝部よりも上方側において前記前部アブソーバの前記後面よりも車両前方側へ張り出し且つ車幅方向に延びる上部張出部(221b〜223b,225b)を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  10. 前記後部アブソーバ(222,223,225)は、前記溝部よりも下方側において前記前部アブソーバ後面よりも車両前方側へ張り出し且つ車幅方向に延びる下部張出部(222c,223c,225c)を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  11. 前記後部アブソーバ(222,223)は、前記溝部よりも上方側において前記前部アブソーバ後面よりも車両前方側へ張り出し且つ車幅方向に延びる上部張出部(222b,223b)と、前記溝部よりも下方側において前記前部アブソーバ後面よりも車両前方側へ張り出し且つ車幅方向に延びる下部張出部(222c,223c)とを備え、
    前記前部アブソーバと前記後部アブソーバとは、前記上部張出部と前記下部張出部と前記後部アブソーバ前面(222a,223a)とによって形成される凹形状部(222d,223d)に前記前部アブソーバが嵌合することにより固定されて一体化されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  12. 前記前部アブソーバ後面及び前記後部アブソーバ前面のいずれか一方に嵌合凸部(212c)が形成され且つ他方に前記嵌合凸部に嵌合可能な嵌合凹部(224b,225b)が形成され、
    前記前部アブソーバと前記後部アブソーバとは、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との嵌合により固定されて一体化されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
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