JP6376402B2 - 車両用衝突検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の歩行者等との衝突を検知するための車両用衝突検知装置に関する。
従来、歩行者が車両に衝突した際、歩行者への衝撃を軽減するための歩行者保護装置を備えた車両がある。この車両では、バンパ部にセンサを備えた衝突検知装置を設け、このセンサにより車両に歩行者等が衝突したことが検知された場合、歩行者保護装置を作動させ、歩行者への衝撃を和らげる構成となっている。歩行者保護装置には、例えばポップアップフードと呼ばれるものがある。このポップアップフードは、車両の衝突検知時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジン等の硬い部品とのクリアランスを増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、頭部への衝撃を低減させるものである。
上記した車両用衝突検知装置には、車両のバンパ内におけるバンパレインフォースメントの車両前方側に、内部にチャンバ空間が形成されたチャンバ部材を配設し、このチャンバ空間内の圧力を圧力センサにより検出するようにしたものがある。この構成のものでは、バンパカバーへ歩行者等の物体が衝突すると、バンパカバーの変形に伴ってチャンバ部材が変形し、チャンバ空間に圧力変化が発生する。この圧力変化を圧力センサが検出することで歩行者の衝突を検知している。
近年、上記したチャンバ式の車両用衝突検知装置よりも、小型で搭載性に優れたチューブ部材を用いて衝突を検知するチューブ式の車両用衝突検知装置が提案されている。この車両用衝突検知装置は、車両のバンパ内においてバンパレインフォースメントの車両前方側に配設されたバンパアブソーバと、バンパアブソーバに車幅方向に沿って形成された溝部に装着される中空のチューブ部材と、チューブ部材内の圧力を検出する圧力センサとを備えて構成される。そして、車両前方に歩行者等が衝突した際には、バンパアブソーバが衝撃を吸収しながら変形すると同時にチューブ部材も変形する。このとき、チューブ部材内の圧力が上昇し、この圧力変化を圧力センサにより検出することに基づいて、車両の歩行者との衝突を検知する。
独国実用新案第202011105867号明細書
しかしながら、上記した構成の車両用衝突検知装置では、歩行者等の衝突時にチューブ部材に加わる外力が相対的に大きくなる箇所があり、圧力センサの出力が車幅方向位置でばらつく可能性がある。例えば、バンパアブソーバの車両前後方向の長さが相対的に短くなっている箇所では、歩行者等の衝突時にチューブ部材に加わる外力が相対的に大きくなることで、衝突時における圧力センサの出力が大きくなる可能性がある。このため、圧力センサの出力がバンパの車幅方向における衝突位置によってばらつくことを少なくすることが、一つの課題となっている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、バンパの車幅方向における衝突位置に拘わらず高精度に衝突検知を行うことができる車両用衝突検知装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた車両用衝突検知装置(1)の発明は、車両のバンパ(7)内においてバンパレインフォースメント(9)の車両前方側に配設されたバンパアブソーバ(2)と、前記バンパアブソーバに車幅方向に沿って形成された溝部(2a)内に装着され、内部に中空部(3a)が形成された検出用チューブ部材(3)と、前記検出用チューブ部材の前記中空部内の圧力を検出する圧力センサ(4)とを有し、前記圧力センサによる圧力検出結果に基づいて前記バンパへの物体の衝突を検知する車両用衝突検知装置(1)において、前記検出用チューブ部材の車幅方向における所定箇所に少なくとも1つ以上設けられ、前記検出用チューブ部材の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うものであって、前記検出用チューブ部材よりも剛性が高い外周部材(31〜36)を備え、前記バンパアブソーバは、第一車幅方向部と、前記第一車幅方向部に比して車両前後方向の長さが短い第二車幅方向部と、を有し、前記外周部材が設けられる前記所定箇所は、前記第一車幅方向部側の箇所に比して前記物体の衝突時に前記バンパアブソーバを介して前記検出用チューブ部材に加わる外力が大きくなる前記第二車幅方向部側の箇所であることを特徴とする。
また、車両用衝突検知装置(1)の発明は、車両のバンパ(7)内においてバンパレインフォースメント(9)の車両前方側に配設され、車幅方向中央部における車両前後方向の長さが車幅方向端部側における車両前後方向の長さよりも長いバンパアブソーバ(2)に形成された溝部(2a)内に装着され、内部に中空部(3a)が形成された検出用チューブ部材(3)と、前記検出用チューブ部材の前記中空部内の圧力を検出する圧力センサ(4)とを有し、前記圧力センサによる圧力検出結果に基づいて前記バンパへの物体の衝突を検知する車両用衝突検知装置(1)において、前記検出用チューブ部材の車幅方向における所定箇所に少なくとも1つ以上設けられ、前記検出用チューブ部材の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うものであって、前記検出用チューブ部材よりも剛性が高い外周部材(31〜36)を備え、前記外周部材が設けられる前記所定箇所は、前記バンパアブソーバの前記車幅方向中央部と前記車幅方向端部側とにおける車両前後方向の長さの違いによって、前記車幅方向中央部側の箇所に比して前記物体の衝突時に前記バンパアブソーバを介して前記検出用チューブ部材に加わる外力が相対的に大きくなる前記車幅方向端部側の箇所であることを特徴とする。
この構成によれば、検出用チューブ部材よりも剛性が高い外周部材によって、検出用チューブ部材の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うことで、検出用チューブ部材の車幅方向所定箇所における剛性を高めることができる。これにより、車両前方の歩行者との衝突時に、車両前方から加わる外力により車両前後方向に潰れるように変形する検出用チューブ部材を外周部材により受け止めることで、検出用チューブ部材の変形量を小さくすることができる。即ち、衝突時に検出用チューブ部材に加わる外力が相対的に大きくなる箇所に外周部材を配設することで、検出用チューブ部材の変形量を小さくして、圧力センサの出力を小さくできる。従って、車幅方向において圧力センサの出力がばらつくことを少なくでき、車両用衝突検知装置の衝突検知精度を向上させることができる。なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置の全体構成を示す図である。 図1のバンパ部の拡大図である。 図2のバンパ部のIII−III断面図である。 図2のバンパ部のIV−IV断面図である。 外周部材に覆われた検出用チューブ部材の断面図である。 外周部材に覆われた検出用チューブ部材の外観を示す図である。 外周部材の肉厚と、外周部材に覆われた検出用チューブ部材の剛性との関係を示す図である。 第2の実施形態における外周部材に覆われた検出用チューブ部材の断面図である。 第1部材の断面形状を示す図である。 第2部材の断面形状を示す図である。 第3の実施形態における外周部材に覆われた検出用チューブ部材の断面図である。 第4の実施形態における外周部材に覆われた検出用チューブ部材の断面図である。 外周部材の変形例を示す断面図である。 外周部材の他の変形例を示す断面図である。 外周部材の配設位置の変形例を示す図6相当図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置について、図1〜図7を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の車両用衝突検知装置1は、バンパアブソーバ2、中空の検出用チューブ部材3、外周部材31、圧力センサ4、速度センサ5、衝突検知ECU6等を備えて構成される。この車両用衝突検知装置1は、車両前方に設けられたバンパ7への物体(即ち、歩行者)の衝突を検知するものである。このバンパ7は、図3及び図4に示すように、バンパカバー8、バンパアブソーバ2、バンパレインフォースメント9を主体として構成されている。
バンパアブソーバ2は、バンパレインフォースメント9の前面9aに対向する位置(即ち、車両前方側)に配設される。このバンパアブソーバ2は、バンパ7において衝撃吸収の作用を受け持つ部材であり、例えば発泡ポリプロピレン等からなる。
また、バンパアブソーバ2の車両前後方向の長さは、車幅方向で異なる長さに設定されている。即ち、図3に示す車幅方向中央部におけるバンパアブソーバ2の前後長さL1が、図4に示す車幅方向端部側のコーナ部C(図2の囲い線参照)におけるバンパアブソーバ2の前後長さL2よりも長くなっている。
バンパアブソーバ2の後面2bには、図3及び図4に示すように、検出用チューブ部材3を装着するための溝部2aが車幅方向に沿って形成されている。この溝部2aは、矩形の断面形状を有し、車幅方向に延びている。
溝部2aの車両前後方向の長さは、車幅方向で異なる長さに設定されている。即ち、外周部材31が設けられていない箇所(即ち、車幅方向中央部等)では、溝部2aの前後長さW1は、検出用チューブ部材3の前後長さLcと同程度に設定されている。一方、外周部材31が設けられている箇所(即ち、コーナ部C)では、溝部2aの前後長さW2は、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた前後長さLc+tと同程度に設定されている。この場合、W1は8mm程度であり、W2は10mm程度である。
また、溝部2aの車両上下方向の長さHは、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた車両上下方向の長さ、即ちLc+2t以上に設定されている。図4に示す例では、溝部2aの上下長さHは11mm程度に設定されている。なお、溝部2aの上下長さHは、Lc+2t以上の長さであればよく、適宜変更可能であるものとする。
検出用チューブ部材3は、図1及び図2に示すように、内部に中空部3aが形成され、車幅方向、即ち車両左右方向に延びているチューブ状の部材である。この検出用チューブ部材3は、車両のバンパ7内においてバンパレインフォースメント9の前面9aに対向する位置(即ち、車両前方側)に配設される。検出用チューブ部材3の両端部は、バンパレインフォースメント9の車幅方向左右の外側にて湾曲し、後述する圧力センサ4に接続される。
この検出用チューブ部材3は、円形の断面形状を有し、合成ゴム、例えばシリコーンゴムからなる。検出用チューブ部材3の外径は、7mm〜10mm程度である。また、検出用チューブ部材3の周壁の肉厚は、1mm〜3mm程度である。図3〜図5に示す例では、検出用チューブ部材3の外形寸法は、外径Lc=8mm、肉厚t=2mmに設定されている。なお、検出用チューブ部材3の断面形状は、円形に限られず、四角形などの多角形であってもよい。また、検出用チューブ部材3の材質としては、他にもエチレンプロピレンゴム(EPDM)等でもよい。
本実施形態では、図6に示すように、検出用チューブ部材3の車幅方向における所定箇所に外周部材31が設けられている。具体的には、外周部材31は、検出用チューブ部材3の車幅方向端部側のコーナ部Cに2つ設けられている。このコーナ部Cでは、バンパアブソーバ2の車両前後方向の長さL2が短い箇所であるため、歩行者の衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる(図2及び図4参照)。
この外周部材31は、検出用チューブ部材3の外周面のうち少なくとも車両上方側及び下方側を覆うものであり、本実施形態では、車両前方側の半周以上を覆っている。外周部材31の周方向の長さは、当該外周部材31の内周面に検出用チューブ部材3の外周面を嵌め込んだ際に、検出用チューブ部材3が脱落しない程度の長さであることが好ましい。図5に示す例では、外周部材31の周方向の長さは、検出用チューブ部材3の外周面の4分の3周程度を覆う長さになっている。なお、検出用チューブ部材3の外周面の「車両上方側」とは、検出用チューブ部材3の外周面の上端部から前後に45°程度の範囲をいう。また、検出用チューブ部材3の外周面の「車両下方側」とは、検出用チューブ部材3の外周面の下端部から前後に45°程度の範囲をいうものとする。
この外周部材31は、検出用チューブ部材3よりも剛性が高い弾性材料からなる。具体的には、外周部材31は、検出用チューブ部材3よりもゴム硬度が高いシリコーンゴムからなる。この外周部材31の硬度は、検出用チューブ部材3の硬度の3倍以上であるものとする。また、外周部材31は、周方向で肉厚tが均一である。具体的には、外周部材31の肉厚tは、1.5mm程度に設定されている。なお、外周部材31の材質は、検出用チューブ部材3よりも剛性が高い弾性材料であれば適宜変更可能である。また、外周部材31の硬度は、検出用チューブ部材3の硬度よりも高ければ適宜変更可能であるとする。
また、外周部材31の内周面は、検出用チューブ部材3の外周面と整合する外形形状を有している。溝部2a内への検出用チューブ部材3の組付け時には、溝部2a内の所定箇所に外周部材31を配設させた後に、外周部材31の内周面に検出用チューブ部材3を嵌め込みながら、検出用チューブ部材3を溝部2a内に装着する。即ち、外周部材31の車両後方側の開口部から検出用チューブ部材3を車両前方へ押し込むことにより、検出用チューブ部材3と外周部材31とが嵌合した状態になる。
なお、外周部材31は、車両上方側及び下方側の周方向の長さが同じ長さに設定されている。従って、検出用チューブ部材3は、外周部材31に覆われた状態において、溝部2a内の上下方向の中央位置に配置される。これにより、車両前方に歩行者等が衝突した際に、検出用チューブ部材3を上下方向にバランス良く変形させることが可能となっている。
圧力センサ4は、バンパレインフォースメント9の前面9aよりも車両後方側に配置される。具体的には、圧力センサ4は、バンパカバー8内の左右両端部側に2つ設置され、バンパレインフォースメント9の後面9bに図示しないボルト等で締結することにより固定されて取り付けられる。本実施形態では、このように圧力センサ4を2つ設置することにより、冗長性及び検出精度を確保している。
この圧力センサ4は、図2に示すように、検出用チューブ部材3の左右両端部に接続され、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力を検出するように構成されている。具体的には、圧力センサ4は、気体の圧力変化を検出するセンサ装置であり、検出用チューブ部材3の中空部3a内の空気の圧力変化を検出する。圧力センサ4は、図1に示すように、伝送線を介して衝突検知ECU(Electronic Control Unit)6に電気的に接続され、圧力に比例した信号を衝突検知ECU6へ出力する。衝突検知ECU6は、圧力センサ4による圧力検出結果に基づいて、バンパ7への歩行者の衝突を検知する。また、衝突検知ECU6は、歩行者保護装置10に電気的に接続されている。
速度センサ5は、車両の速度を検出するセンサ装置であり、衝突検知ECU6に信号線を介して電気的に接続されている。この速度センサ5は、車両速度に比例した信号を衝突検知ECU6へ送信する。
衝突検知ECU6は、CPUを主体として構成され、車両用衝突検知装置1の動作全般を制御するものであり、図1に示すように、圧力センサ4、速度センサ5、歩行者保護装置10のそれぞれに電気的に接続されている。衝突検知ECU6には、圧力センサ4からの圧力信号、速度センサ5からの速度信号等が入力される。衝突検知ECU6は、圧力センサ4による圧力信号及び速度センサ5による速度信号に基づいて、所定の衝突判定処理を実行し、バンパ7への歩行者等の物体の衝突を検知した場合には歩行者保護装置10を作動させる。
バンパ7は、車両の衝突時における衝撃を和らげるためのものであり、バンパカバー8、バンパアブソーバ2、バンパレインフォースメント9等から構成される。バンパカバー8は、バンパ7の構成部品を覆うように設けられ、ポリプロピレン等の樹脂製の部材である。このバンパカバー8は、バンパ7の外観を構成すると同時に、車両全体の外観の一部を構成するものとなっている。
バンパレインフォースメント9は、バンパカバー8内に配設されて車幅方向に延びるアルミニウム等の金属製の剛性部材であって、図3及び図4に示すように、内部中央に梁が設けられた中空部材である。また、バンパレインフォースメント9は、車両前方側の面である前面9aと、車両後方側の面である後面9bとを有している。このバンパレインフォースメント9は、図1及び図2に示すように、車両前後方向に延びる一対の金属製部材であるサイドメンバ11の前端に取り付けられる。
通常、車両の衝突事故においては、車両の進行方向(即ち、車両前方)に存在する歩行者や車両と衝突する場合が多い。このため、本実施形態では、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の後面9bに配設して、車両前方の歩行者や車両との衝突に伴う衝撃が、車両前方に設けられたバンパカバー8等から圧力センサ4に直接伝わることをバンパレインフォースメント9の存在によって保護している。
なお、図示しないが、バンパアブソーバ2の後面2bに設けられた嵌合凸部が、バンパレインフォースメント9の前面9aに設けられた嵌合凹部に嵌め合わされることにより、バンパアブソーバ2のバンパレインフォースメント9への組付けが行われる。
歩行者保護装置10としては、例えばポップアップフードを用いる。このポップアップフードは、車両の衝突検知後瞬時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジン等の硬い部品とのクリアランスを増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、歩行者の頭部への衝撃を低減させるものである。なお、ポップアップフードの代わりに、車体外部のエンジンフード上からフロントウインド下部にかけてエアバッグを展開させて歩行者の衝撃を緩衝するカウルエアバッグ等を用いてもよい。
次に、本実施形態における車両用衝突検知装置1の衝突時の動作について説明する。車両前方に歩行者等の物体が衝突した際には、バンパ7のバンパカバー8が歩行者との衝突による衝撃により変形する。続いて、バンパアブソーバ2が衝撃を吸収しながら変形すると同時に、検出用チューブ部材3も変形する。このとき、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力が急上昇し、この圧力変化が圧力センサ4に伝達する。圧力センサ4は、圧力に比例した圧力信号を衝突検知ECU6へ出力する。
ここで、本実施形態では、歩行者等の衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所(即ち、コーナ部C)に、検出用チューブ部材3の外周面のうち車両前方側の半周以上を覆う外周部材31が設けられている。この外周部材31は、検出用チューブ部材よりも剛性が高い弾性材料からなる。即ち、外周部材31の硬度は、検出用チューブ部材3の硬度の3倍以上である。このため、図7の参考例に示すように、検出用チューブ部材3だけの場合(基準値に相当)に比較して、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた剛性を基準値の1.25倍よりも大きくすることが可能となる。例えば、外周部材31の肉厚tを1.5mm、硬度を検出用チューブ部材3の5.0倍とした場合(図7の△印参照)、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた剛性を基準値の1.5倍程度にすることができる。なお、図7には、外周部材31が検出用チューブ部材3の外周面の全周を覆うとした場合の剛性が示されているが、本実施形態においても、ほぼ同様の効果が得られることが想定される。
このように、本実施形態では、衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所に、検出用チューブ部材3よりも剛性が高い外周部材31を設けることで、当該箇所における衝突時の検出用チューブ部材3の変形量を小さくしている。具体的には、外周部材31は、検出用チューブ部材3の外周面の車両前方側の半周以上を覆うものであるので、車両前方の歩行者との衝突時に、車両前方から加わる外力によって車両前後方向に潰れるように変形する検出用チューブ部材3を外周部材31により受け止めることで、検出用チューブ部材3の変形量を効果的に小さくしている。これにより、衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所において圧力センサ4の出力を小さくし、バンパ7における車幅方向位置で圧力センサ4の出力がばらつくことを少なくしている。
続いて、車両用衝突検知装置1の衝突検知ECU6は、圧力センサ4の検知結果に基づいて、所定の衝突判定処理を実行する。この衝突判定処理では、例えば圧力センサ4及び速度センサ5の検出結果に基づいて、衝突物の有効質量を算出し、この有効質量が所定の閾値より大きい場合、歩行者との衝突が発生したものと判定する。更に、車両速度が所定の範囲(例えば、時速25km〜55kmの範囲)内である場合に、歩行者保護装置10の作動を要する歩行者との衝突が発生したものと判定する。
ここで、「有効質量」とは、衝突時における圧力センサ4の検出値より、運動量と力積の関係を利用して算出する質量をいう。車両と物体との衝突が発生した場合、歩行者とは質量の異なる衝突物では、検知される圧力センサ4の値が異なる。このため、人体の有効質量と、想定される他の衝突物の質量との間に閾値を設定することにより、衝突物の種類を切り分けることが可能となる。この有効質量は、次式に示すように、圧力センサ4により検出される圧力の値の所定時間における定積分値を、速度センサ5により検出される車両速度で割ることにより算出される。
M=(∫P(t)dt)/V・・・(式1)
なお、Mは有効質量、Pは所定時間における圧力センサ4による検出値、tは所定時間(例えば、数ms〜数十ms)、Vは速度センサ5により検出される衝突時の車両速度を示している。有効質量を算出する方法には、他にも、衝突した物体の運動エネルギーEを表す式E=1/2・MV2を用いて算出することが可能である。この場合、有効質量は、M=2・E/V2により算出される。
そして、衝突検知ECU6は、歩行者保護装置10の作動を要する歩行者との衝突が発生したと判定した場合、歩行者保護装置10を作動させる制御信号を出力し、歩行者保護装置10を作動させて、上記したように歩行者への衝撃を低減させる。
以上説明したように、第1の実施形態の車両用衝突検知装置1は、車両のバンパ7内においてバンパレインフォースメント9の車両前方側に配設されたバンパアブソーバ2と、バンパアブソーバ2に車幅方向に沿って形成された溝部2a内に装着される内部に中空部3aが形成された検出用チューブ部材3と、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力を検出する圧力センサ4とを有し、圧力センサ4による圧力検出結果に基づいてバンパ7への物体(即ち、歩行者)の衝突を検知する。そして、検出用チューブ部材3の車幅方向における所定箇所に少なくとも1つ以上(この場合2つ)設けられ、検出用チューブ部材3の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うものであって、検出用チューブ部材3よりも剛性が高い外周部材31を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、検出用チューブ部材3よりも剛性が高い外周部材31によって、検出用チューブ部材3の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うことで、検出用チューブ部材3の車幅方向所定箇所における剛性を高めることができる。これにより、車両前方の歩行者との衝突時に、車両前方から加わる外力により車両前後方向に潰れるように変形する検出用チューブ部材3を外周部材31により受け止めることで、検出用チューブ部材3の変形量を小さくすることができる。即ち、衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所に外周部材を配設することで、検出用チューブ部材3の変形量を小さくして、圧力センサ4の出力を小さくできる。従って、車幅方向において圧力センサ4の出力がばらつくことを少なくでき、車両用衝突検知装置1の衝突検知精度を向上させることができる。
また、外周部材31は、検出用チューブ部材3の外周面のうち少なくとも車両前方側の半周以上を覆うものであることを特徴とする。この構成によれば、検出用チューブ部材3の外周面のうち少なくとも車両前方側の半周以上が外周部材31により覆われているので、衝突時に車両前方から検出用チューブ部材3に加わる外力を小さくすることができる。これにより、衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所において、圧力センサ4の出力を効果的に小さくして、車幅方向における圧力センサ4の出力のばらつきをより少なくできる。
また、外周部材31が設けられる所定箇所は、歩行者等の衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所である。具体的には、外周部材31が設けられる所定箇所は、バンパアブソーバ2の車両前後方向の長さL2が短い箇所(即ち、コーナ部C)であることを特徴とする。
この構成によれば、歩行者等の衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所、即ち、バンパアブソーバ2の車両前後方向の長さL2が短い箇所において、外周部材31を配設することで検出用チューブ部材3の変形量を小さくして、圧力センサ4の出力を小さくできる。これにより、車幅方向において圧力センサ4の出力がばらつくことを効果的に少なくできる。
また、外周部材31は、検出用チューブ部材3よりも硬度が高い弾性材料からなる。具体的には、外周部材31の硬度は、検出用チューブ部材3の硬度の3倍以上であることを特徴とする。
この構成によれば、外周部材31が弾性材料からなるので、衝突時における検出用チューブ部材3の変形が外周部材31によって阻害されないようにしながら、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた剛性を良好に向上させることができる(図7参照)。
また、外周部材31は、周方向で肉厚tが均一であることを特徴とする。この構成によれば、外周部材31の肉厚tが周方向で均一であるので、外周部材31を容易に製造できる。
また、外周部材31が設けられる箇所では、溝部2aの車両前後方向の長さW2は、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた車両前後方向の長さLc+tと同程度に設定されている。外周部材31が設けられない箇所では、溝部2aの車両前後方向の長さW1は、検出用チューブ部材3の車両前後方向の長さLcと同程度に設定されたことを特徴とする。
この構成によれば、外周部材31が設けられる箇所では、溝部2aの前後長さW2は、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた車両前後方向の長さLc+tと同程度に設定されているので、検出用チューブ部材3が溝部2aの外側にはみ出してしまうことを防ぐことができる。また、外周部材31が設けられない箇所では、溝部2aの前後長さW1は、検出用チューブ部材3の前後長さLcと同程度に設定されているので、溝部2a内に検出用チューブ部材3を安定して配置することができる。
また、溝部2aの車両上下方向の長さHは、検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた車両上下方向の長さHc+t以上に設定されたことを特徴とする。この構成によれば、溝部2aの車両上下方向の長さHが検出用チューブ部材3と外周部材31とを合わせた車両上下方向の長さHc+t以上に設定されているので、外周部材31に覆われた検出用チューブ部材3を溝部2a内へ組み付ける際に、検出用チューブ部材3が上下方向に潰れることがないようにできる。
また、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の後面9bの左右両端部側に2つ配設することにより、検出用チューブ部材3における圧力変化を高い精度で検知できるとともに、冗長性を確保できる。すなわち、2つの圧力センサ4の出力を用いて衝突判定を行うことによって、誤検知を防止して正確な衝突検知を行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。なお、図8〜図10において上記第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。第2の実施形態においては、図8〜図10に示すように、外周部材32は、第1部材321と第2部材322とを有して構成される。即ち、外周部材32は、周方向において第1部材321と第2部材322とに分割可能である。この外周部材32は、第1部材321と第2部材322とが嵌合した状態で、検出用チューブ部材3の外周面の全周を覆うものである。
第1部材321は、図9に示すように、C字状の断面形状を有し、検出用チューブ部材3の外周面のうち車両前方側の半周を覆うものである。第1部材321の肉厚tは、周方向で均一であり、1.5mm程度に設定されている。この第1部材321の後面には、検出用チューブ部材3の車両上方側及び下方側に位置する箇所に、車幅方向に沿って嵌合凸部321aが1つずつ設けられている。嵌合凸部321aは、車両後方に所定長さだけ突出している。これら嵌合凸部321aは、第2部材322の嵌合凹部322bに嵌合する。
第2部材322は、図10に示すように、逆C字状の断面形状を有し、検出用チューブ部材3の外周面のうち車両後方側の半周を覆うものである。第2部材322の肉厚tは、第1部材321と同様に、周方向で均一であり、1.5mm程度に設定されている。この第2部材322の前面には、検出用チューブ部材3の車両上方側及び下方側に位置する箇所に、車幅方向に沿って嵌合凹部322bが1つずつ設けられている。嵌合凹部322bには、第1部材321の嵌合凸部321aが嵌合する。
外周部材32は、検出用チューブ部材3を挟むようにして、第1部材321の嵌合凸部321aと第2部材322の嵌合凹部322bとが嵌合することによって、検出用チューブ部材3の外周面の全周を覆うように配設される。
また、溝部2aの車両前後方向の長さは、車幅方向で異なる長さに設定されている。即ち、外周部材32が設けられていない箇所(即ち、車幅方向中央部等)では、溝部2aの前後長さW1は、検出用チューブ部材3の前後長さLcと同程度に設定されている。一方、外周部材32が設けられている箇所(即ち、コーナ部C)では、溝部2aの前後長さW2は、検出用チューブ部材3と外周部材32とを合わせた前後長さLc+2tと同程度に設定されている。この場合、W1は8mm程度であり、W2は11mm程度である。
以上説明した第2の実施形態の車両用衝突検知装置1では、外周部材32は、検出用チューブ部材3の外周面の全周を覆うものであることを特徴とする。この第2の実施形態の車両用衝突検知装置1においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、外周部材32により検出用チューブ部材3の外周面の全周が覆われるので、歩行者の倒れ込みに伴って車両上方から加わる外力によって、車両前後方向に加えて上下方向にも潰れる検出用チューブ部材3を外周部材32により確実に受け止めることができる。これにより、衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所において、検出用チューブ部材3の変形量をより確実に小さくして、圧力センサ4の出力を確実に小さくできる。従って、車幅方向において圧力センサ4の出力がばらつくことをより少なくできる。
また、外周部材32は、第1部材321と第2部材322とに周方向において分割され、第1部材321と第2部材322とが嵌合した状態で検出用チューブ部材3の外周面の全周を覆うものであることを特徴とする。
この構成によれば、第1部材321に外周部材32を組付けた後、第2部材322の嵌合凹部322bと第1部材321の嵌合凸部321aとを嵌合させることにより、検出用チューブ部材3の外周面の全周を外周部材32によって容易に覆うことができる。
なお、第1部材321の嵌合凸部321a、及び第2部材322の嵌合凹部322bはなくてもよく、第1部材321と第2部材322とを接着固定するようにしてもよい。また、外周部材32は、検出用チューブ部材3の外周面の全周を覆うものであればよく、複数の部材に分割されないものでもよい。この場合、外周部材32の内周部に検出用チューブ部材3を挿通させることで、検出用チューブ部材3の車幅方向における所定箇所に外周部材32を配設するものとする。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について、図11を参照して説明する。なお、図11において上記第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。第3の実施形態においては、図11に示すように、検出用チューブ部材3の外周面のうち車両前方側の半周以上を覆う外周部材33が設けられ、この外周部材33は、周方向で肉厚が異なる構成となっている。具体的には、外周部材33の車両前方側の肉厚t1は、1mm程度に設定されている。一方、外周部材33の車両上方側及び下方側の肉厚t2は、1.5mm程度に設定されている。
また、溝部2aの車両前後方向の長さは、車幅方向で異なる長さに設定されている。即ち、外周部材33が設けられていない箇所では、溝部2aの前後長さW1は、検出用チューブ部材3の前後長さLcと同程度に設定されている。一方、外周部材33が設けられている箇所では、溝部2aの前後長さW2は、検出用チューブ部材3と外周部材33とを合わせた前後長さLc+t1と同程度に設定されている。この場合、W1は8mm程度であり、W2は9mm程度である。即ち、第3の実施形態では、溝部2aの前後長さW2を第1の実施形態よりも短くすることが可能となっている。
また、溝部2aの車両上下方向の長さHは、検出用チューブ部材3と外周部材33とを合わせた車両上下方向の長さ、即ちLc+2・t2以上に設定されている。即ち、溝部2aの上下長さHは11mm以上に設定されている。
以上説明した第3の実施形態の車両用衝突検知装置1では、検出用チューブ部材3の車幅方向における所定箇所(即ち、コーナ部C)に2つ設けられ、検出用チューブ部材3の外周面のうち少なくとも車両前方側の半周以上を覆うものであって、検出用チューブ部材3よりも剛性が高い外周部材33を備えている。そして、外周部材33は、周方向で肉厚(t1,t2)が異なることを特徴とする。
この第3の実施形態の車両用衝突検知装置1においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、外周部材33の車両前方側の肉厚t1が車両上方側及び下方側の肉厚t2よりも薄くなっているので、衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所において、外周部材33の省スペース化を図りながら、圧力センサ4の出力を小さくできる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について、図12を参照して説明する。なお、図12において上記第1の実施形態と同一部分において同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。第4の実施形態においては、図12に示すように、外周部材34は、検出用チューブ部材3の外周面の車両上方側及び下方側を覆っている。即ち、検出用チューブ部材3の外周面の車両上方側を覆う外周部材34と、検出用チューブ部材3の外周面の車両下方側を覆う外周部材34とが車両上下方向に間隔をあけて設けられている。
上下の外周部材34は、アーチ状の断面形状を有し、車幅方向に沿って所定長さだけ延びている。上下の外周部材34の肉厚tは、1.5mm程度である。また、外周部材34と検出用チューブ部材3とを合わせた前後長さは、検出用チューブ部材3の前後長さと同じである。つまり、上下の外周部材34を検出用チューブ部材3に設けても、検出用チューブ部材3の前後長さは変化しない。従って、溝部2aの前後長さを変更させる必要がない。なお、上下の外周部材34は、それぞれ検出用チューブ部材3の外周面に接着固定されるものとする。
溝部2aの前後長さは、上述の通り、車幅方向全体に亘って均一に設定されている(図示しない)。即ち、外周部材34が配設された箇所おける溝部2aの前後長さW2は、外周部材34が配設された箇所における溝部2aの前後長さW1と同じく、検出用チューブ部材3の前後長さLcと同程度に設定されている。この場合、W1及びW2は8mm程度である。
また、溝部2aの車両上下方向の長さHは、検出用チューブ部材3と上下の外周部材34とを合わせた車両上下方向の長さ、即ちLc+2t以上に設定されている。この場合、溝部2aの上下長さHは、11mm程度に設定されている。
以上説明した第4の実施形態の車両用衝突検知装置1では、検出用チューブ部材3の車幅方向における所定箇所(即ち、コーナ部C)に少なくとも1つ以上設けられ、検出用チューブ部材3の外周面のうち車両上方側及び下方側を覆うものであって、検出用チューブ部材3よりも剛性が高い外周部材34を備えたことを特徴とする。
この第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、検出用チューブ部材3の外周面の車両上方側及び下方側にだけ外周部材34が設けられているので、バンパアブソーバ2の溝部2aの前後長さを変更する必要がなく、簡易な構成で所望の箇所における検出用チューブ部材3の剛性を高くでき、バンパ7の車幅方向における圧力センサ4の出力の調節を図ることができる。
[その他の実施形態]
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形又は拡張を施すことができる。例えば、外周部材31の周方向の長さは、適宜変更可能であるものとする。図13に示すように、上記第1の実施形態の外周部材31の周方向の長さよりも、周方向の長さが長く設定された外周部材35を設けてもよい。図13に示す例では、外周部材35は、検出用チューブ部材3の外周面の上端部の後方60°から左回りに300°周回して下端部後方60°の範囲に亘って配設されている。
また、外周部材は、検出用チューブ部材3の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うものであればよく、例えば、図14に示すように、検出用チューブ部材3の外周面の車両上方側だけを覆う外周部材36を設けてもよい。
また、上記実施形態では、検出用チューブ部材3の車幅方向端部のコーナ部Cに、外周部材31〜36が設けられるものとしたが、これに限られない。外周部材31〜36が設けられる箇所は、物体(即ち、歩行者)の衝突時に検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなる箇所であればよく、図15に示すように、検出用チューブ部材3の車幅方中央側のフロント部Fに、車幅方向に所定の間隔をあけて複数(図15では3つ)設けられるものとしてもよい。この場合は、フロント部Fにおいては、歩行者等の衝突に伴う外力が車両側方へ逃げることがないので、検出用チューブ部材3に加わる外力が相対的に大きくなることを想定している。
また、上記実施形態では、衝突判定処理において、有効質量が所定の閾値以上になった場合に歩行者保護装置10の作動を要する歩行者との衝突が発生したと判定するものとしたが、これに限られない。例えば、圧力センサ4により検出された圧力の値、圧力変化率等を衝突判定の閾値として用いてもよい。
1 車両用衝突検知装置
2 バンパアブソーバ
2a 溝部
3 検出用チューブ部材
3a 中空部
31〜36 外周部材
4 圧力センサ
7 バンパ
8 バンパカバー
9 バンパレインフォースメント
C コーナ部(所定箇所)
F フロント部(所定箇所)
t,t1,t2 外周部材の肉厚
H 溝部の上下長さ
Lc 検出用チューブ部材の上下・前後長さ

Claims (12)

  1. 車両のバンパ(7)内においてバンパレインフォースメント(9)の車両前方側に配設されたバンパアブソーバ(2)と、前記バンパアブソーバに車幅方向に沿って形成された溝部(2a)内に装着され、内部に中空部(3a)が形成された検出用チューブ部材(3)と、前記検出用チューブ部材の前記中空部内の圧力を検出する圧力センサ(4)とを有し、前記圧力センサによる圧力検出結果に基づいて前記バンパへの物体の衝突を検知する車両用衝突検知装置(1)において、
    前記検出用チューブ部材の車幅方向における所定箇所に少なくとも1つ以上設けられ、前記検出用チューブ部材の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うものであって、前記検出用チューブ部材よりも剛性が高い外周部材(31〜36)を備え
    前記バンパアブソーバは、第一車幅方向部と、前記第一車幅方向部に比して車両前後方向の長さが短い第二車幅方向部と、を有し、
    前記外周部材が設けられる前記所定箇所は、前記第一車幅方向部側の箇所に比して前記物体の衝突時に前記バンパアブソーバを介して前記検出用チューブ部材に加わる外力が大きくなる前記第二車幅方向部側の箇所であることを特徴とする車両用衝突検知装置。
  2. 前記外周部材が設けられる前記所定箇所は、前記検出用チューブ部材の車幅方向端部側のコーナ部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突検知装置。
  3. 車両のバンパ(7)内においてバンパレインフォースメント(9)の車両前方側に配設され、車幅方向中央部における車両前後方向の長さが車幅方向端部側における車両前後方向の長さよりも長いバンパアブソーバ(2)に形成された溝部(2a)内に装着され、内部に中空部(3a)が形成された検出用チューブ部材(3)と、
    前記検出用チューブ部材の前記中空部内の圧力を検出する圧力センサ(4)とを有し、
    前記圧力センサによる圧力検出結果に基づいて前記バンパへの物体の衝突を検知する車両用衝突検知装置(1)において、
    前記検出用チューブ部材の車幅方向における所定箇所に少なくとも1つ以上設けられ、前記検出用チューブ部材の外周面のうち少なくとも車両上方側又は下方側を覆うものであって、前記検出用チューブ部材よりも剛性が高い外周部材(31〜36)を備え、
    前記外周部材が設けられる前記所定箇所は、前記バンパアブソーバの前記車幅方向中央部と前記車幅方向端部側とにおける車両前後方向の長さの違いによって、前記車幅方向中央部側の箇所に比して前記物体の衝突時に前記バンパアブソーバを介して前記検出用チューブ部材に加わる外力が相対的に大きくなる前記車幅方向端部側の箇所であることを特徴とする車両用衝突検知装置。
  4. 前記外周部材(31,33,34,35)は、前記検出用チューブ部材の外周面のうち少なくとも車両前方側の半周以上を覆うものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  5. 前記外周部材(32)は、前記検出用チューブ部材の外周面の全周を覆うものであることを特徴とする請求項に記載の車両用衝突検知装置。
  6. 前記外周部材は、前記検出用チューブ部材よりも硬度が高い弾性材料からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  7. 前記外周部材の硬度は、前記検出用チューブ部材の硬度の3倍以上であることを特徴とする請求項6に記載の車両用衝突検知装置。
  8. 前記外周部材(31,32,34〜36)は、周方向で肉厚(t)が均一であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  9. 前記外周部材(33)は、周方向で肉厚(t1,t2)が異なることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  10. 前記外周部材(32)は、第1部材(321)と第2部材(322)とに周方向において分割され、前記第1部材と前記第2部材とが嵌合した状態で前記検出用チューブ部材の外周面の全周を覆うものであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  11. 前記溝部の車両前後方向の長さ(W1,W2)は、前記外周部材が設けられる箇所では、前記検出用チューブ部材と前記外周部材とを合わせた車両前後方向の長さ(Lc+t,Lc+2t,Lc)と同程度に設定され、前記外周部材が設けられない箇所では、前記検出用チューブ部材の車両前後方向の長さ(Lc)と同程度に設定されたことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  12. 前記溝部の車両上下方向の長さ(H)は、前記検出用チューブ部材と前記外周部材とを合わせた車両上下方向の長さ(Lc+2t)以上に設定されたことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
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