JP2016054155A - 荷電粒子ビーム・システム用の環境セル - Google Patents

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Abstract

【課題】荷電粒子ビーム・システム用の環境セルを提供すること。
【解決手段】荷電粒子ビーム・システム用の環境セルは、X−Yステージ上に取り付けられたセルと集束カラムの光軸との間の相対運動を可能にし、それによってセル内に副ステージを配置する必要性を排除する。後退可能な蓋などの柔軟なセル構成は、ビーム誘起プロセスおよび熱誘起プロセスを含むさまざまなプロセスを可能にする。荷電粒子ビーム・システム内において光電子のガス・カスケード増幅を使用して実行される光子収率分光法は、セル内の材料の分析およびセル内の処理の監視を可能にする。後退可能な鏡を使用してルミネセンス分析を実行することもできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、荷電粒子ビーム・システムに関し、具体的には、反応性ガス環境中でワーク・ピース(work piece)を処理することを可能にする荷電粒子ビーム・システムに関する。
走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope)(「SEM」)では、調査対象であるサンプルのある領域の上で1次電子ビームを走査する。電子がサンプルに衝突する際に放出されるエネルギーは、サンプル中の別の荷電粒子の遊離を引き起こす。2次的なこれらの粒子の量およびエネルギーは、サンプルの性質、構造および組成に関する情報を提供する。用語「サンプル」は伝統的に、荷電粒子ビーム・システム内で処理または観察されている任意のワーク・ピースを指すために使用されており、本明細書で使用されるとき、この用語は任意のワーク・ピースを含み、より大きな母集団の代表として使用されているサンプルに限定されない。本明細書で使用されるとき、用語「2次電子」は、後方散乱した1次電子およびサンプルに由来する電子を含む。2次電子を検出するため、SEMはしばしば、1つまたは複数の2次電子検出器を備える。
従来のSEMでは、ガス分子による1次電子ビームの散乱を防ぎ、2次電子の捕集を可能にするため、サンプルが高真空中に維持される。しかしながら、生体サンプルなどの湿ったサンプルは高真空中での観察に適さない。このようなサンプルは、正確な像が得られる前に、真空中においてその流体内容物の蒸発を経験し、蒸発したガスは1次電子ビームを妨害する。ガスを放出する物体、すなわち高真空でガスを失う固体も特別な考慮を必要とする。
比較的に高圧下にあるサンプルを使用して動作する電子顕微鏡が、例えば、「Secondary Electron Detector for Use in a Gaseous Atmosphere」という名称のMancuso他の米国特許第4,785,182号に記載されている。このような装置は、高圧(High Pressure)走査型電子顕微鏡(HPSEM)または環境型(Environmental)走査型電子顕微鏡としての方がよく知られている。一例が、FEI CompanyのQuanta 600 ESEM(登録商標)高圧SEMである。
HPSEMでは、調査対象のサンプルが、一般に0.1トル(0.13ミリバール)から50トル(65ミリバール)、より一般的には1トル(1.3ミリバール)から10トル(13ミリバール)の圧力を有するガス雰囲気中に置かれるのに対して、従来のSEMでは、サンプルが、一般に10-5トル(1.3×10-5ミリバール)未満のかなり低い圧力の真空中に置かれる。従来のSEMと比較したときのHPSEMの利点は、HPSEMが、生体サンプルなどの湿ったサンプル、および従来のSEMの高真空条件下では画像化することが難しいと思われる他のサンプルの電子−光学像を形成する可能性を提供する点である。HPSEMは、サンプルをその自然状態に維持する可能性を提供し、サンプルは、従来のSEMを使用した研究では通常必要であり、サンプルを変化させる可能性がある乾燥、凍結または真空コーティングの不利な要件にさらされない。HPSEMの他の利点は、プラスチック、セラミック、ガラスなどの絶縁サンプル中に蓄積する傾向がある電荷の中和を、イオン化された画像化ガスが容易にする点である。
HPSEMでは一般に、「ガス・イオン化カスケード増幅(gas ionization cascade amplification)」または「ガス・カスケード増幅(gas cascade amplification)」として知られるプロセスを使用して2次電子を検出する。このガス増幅では、2次荷電粒子が電場によって加速され、画像化ガス中のガス分子と衝突して追加の荷電粒子を生み出し、生み出された荷電粒子は別のガス分子と衝突して、別の追加の荷電粒子を生成する。このカスケードは、検出器の電極において非常に多数の荷電粒子が電流として検出されるまで続く。いくつかの実施形態では、サンプル表面からのそれぞれの2次電子が、ガス圧および電極構成に応じて、例えば20個超、100個超または1,000個超の追加の電子を生成する。
HPSEMは、圧力制限アパーチャ(pressure−limiting aperture)(PLA)を使用して集束カラム内を高真空に維持することにより、高ガス圧の領域をサンプル室に限定する。ガス分子は1次電子ビームを散乱させる。そのため、圧力制限アパーチャは、1次ビームの妨害を低減させるために1次電子ビームが高圧領域内を移動する距離を最小化し、同時に、2次電子信号の十分なガス・カスケード増幅が得られる十分な移動距離をサンプルと検出器の間に提供するように配置される。
米国特許第4,785,182号に記載のHPSEMは、圧力制限アパーチャを有する真空エンベロープ(envelope)と、真空エンベロープ内に位置し、電子を放出することができる電子ビーム源と、真空エンベロープ内に位置し、電子源によって放出された電子ビームを、圧力制限アパーチャを通して誘導することができる1つまたは複数の集束レンズと、真空エンベロープ内に位置し、電子ビームを走査することができるビーム偏向器と、高真空エンベロープの外側に置かれたサンプルプラットホームを含み、ガスに包まれたサンプルを所望の圧力に維持することができるサンプル室とを備える。
HPSEMは湿った生体サンプルを観察することができるが、このような観察にまつわる問題が依然として存在する。例えば、水和した材料を室温または体温で観察したときには、サンプル室内の全ての表面において水が凝縮する傾向がある。このような凝縮はHPSEMの動作を妨害し、腐食および汚染を引き起こす可能性がある。
電子ビーム、イオン・ビームなどの荷電粒子ビームを使用して、サンプルをエッチングするため、またはサンプルの表面に材料を付着させるための化学反応を誘起させることもできる。このようなプロセスは例えば、「Electron Beam Processing」という名称のMucil他の米国特許第6,753,538号に記載されている。基材の存在下で処理ガスと相互作用して化学反応を生じさせるこの荷電粒子ビーム・プロセスは、「ビーム・ケミストリ(beam chemistry)」と呼ばれている。本明細書で使用されるとき、用語「処理」は、エッチング、付着などサンプル表面を改変する処理と、画像化の両方を含む。用語「処理ガス」は、画像化のために使用されるガス、または荷電粒子ビームとともに使用されてサンプルを改変するガスを含むために使用される。用語「画像化ガス」は、主として画像化のために使用されるガスを含むために使用される。これらのガスの種別は相互排除ではなく、一部のガスは、サンプルを改変するためと像を形成するための両方の目的に使用されることがある。例えば、水蒸気は、炭素を含むサンプルをエッチングするために使用することができる。水蒸気は、他の材料を含むサンプルの像を形成するために使用することもできる。
従来のHPSEMは、効率的なビーム・ケミストリに対してあまりよく適合されていない。HPSEMシステムをビーム・ケミストリに使用することの1つの問題点は、サンプル室内にH2Oなどの不純物が存在することである。ビーム・ケミストリは一般に、処理に先立つ3ステップ手順を含む。第1に、スクロール・ポンプなどの粗引きポンプによって支援されたターボ分子ポンプなどの高真空ポンプを使用して、サンプル室を高真空にポンピングし、それによってサンプル室の圧力を10-5ミリバールよりも低くする。第2に、サンプル室を高真空ポンプから分離し、第3に、サンプル室に、ビーム・ケミストリに使用する前駆体ガス物質を充填する。例えば、WおよびPtを含む材料を電子ビーム誘起付着させる目的にはそれぞれWF6およびPt(PF34が使用され、SiO2、Crなどの材料をエッチングする目的にはXeF2が使用される。この方法の問題点は、第2および第3のステップ、ならびにその後のビーム・ケミストリ・プロセス・ステップによって、サンプル室内のH2Oなどの気体不純物の濃度が、10-5ミリバールである初期ベース圧力よりもかなり高い圧力まで増大することである。不純物濃度のこの増大は、上記のステップ2に起因するサンプル室のポンピング流量の劇的な低下の結果である。この不純物は、サンプル室内の表面からの脱離と、SEMおよびHPSEM室に対して一般に使用されているOリングを通した拡散とによって導入される。一般的な室では、背景不純物の圧力が、10-5ミリバールよりも低い高真空ベース圧力から、10-3ミリバールよりも高いHPSEMベース圧力に増大する。正確なHPSEMベース圧力は、室の内側の表面積と、実験室雰囲気から室を分離するために使用されるOリングの数およびサイズと、別のポンプによってポンプ排気されている電子光学カラムを通したHPSEMサンプル室のポンプ排気速度を制限する圧力制限アパーチャのサイズとの相関関係によって決まる。この不純物は主にH2O、N2およびO2からなり、電荷制御のため、および真空に適合しないサンプルの安定化のためにH2O蒸気などのガスを室に充填することを伴う従来のHPSEM動作を妨害しない。しかしながら、H2O、O2などの分子は、大部分の有機金属化合物、WF6、MoF6、Pt(PF34、XeF2、F2、Cl2などの付着前駆体およびエッチング前駆体と反応し、これらの前駆体の分解を引き起こすため、これらの不純物はビーム・ケミストリを妨害する。これらの不純物はさらに、サンプル表面で表面部位を占有し、それによってビーム・ケミストリに使用する前駆体分子の吸着速度を低下させ、付着時にW、Moなどの材料の酸化を引き起こし、それによって付着先の材料の組成および機能特性を変化させる。HPSEMベース圧力は、サンプル室と電子光学カラムの間の圧力制限アパーチャのサイズを大きくすることによって低くすることができる。しかしながら、これは、カラム内へのガス流量が増大し、使用可能な最大サンプル室圧力が低下するため、望ましくない。HPSEMベース圧力は、スクロール・ポンプなどの粗引きポンプを使用してサンプル室をポンピングすることによっても低くすることができる。しかしながら、これも、しばしば高価で有毒である前駆体ガスの消費速度および排出速度を増大させ、粗引きポンプの寿命を短くするため、望ましくない。HPSEMベース圧力は、Oリングの代わりにナイフエッジ(knife−edge)金属−金属真空シールを使用する、分析の前にサンプル室を焼くなどの超高真空技術で使用されている技法を使用して低くすることもできる。しかしながら、これらの方法は、商用可変圧力(variable pressure)SEM(VPSEM)システムの期待されている費用および融通性と両立しない。
HPSEMシステムをビーム・ケミストリに使用することの他の問題点は、ガスを導入し、サンプル室からガスを排出するのに相当な時間を要することである。従来のHPSEMのサンプル室は、リーク弁によってそこからガスが導入されるガス入口を含む。ガスは次いでサンプル室全体に移動する。ガス分子の一部はPLAを通ってカラム内へ漏れ、カラムを低圧に維持する真空ポンプによって除去される。入口リーク弁は、PLAを通ってカラム内へ漏れるガスが、リーク弁を通して導入されるガスとぴったり一致することによって、所望の平衡圧が達成されるように調整される。HPSEMは一般に、平衡が達成された後でなければサンプルの処理を開始しない。ガスが平衡圧に達するには相当な時間がかかり、ビーム・ケミストリ前駆体の蒸気圧がサンプル室の所望の動作圧と同様である場合には特にそうである。一般的なHPSEMシステムおよびデュアル・ビーム・システムで使用されているものなどの30リットルの大容積サンプル室では、処理ガスの分圧が平衡に達するのに最大30分かかることもある。「デュアル・ビーム」システムは、電子ビームとイオン・ビームなど、単一のサンプル室に対して実装された2つのビームを使用する。
複数の処理ガスをサンプル室内へ注入することをプロセスが含むとき、上記の問題はより大きくなる。一般に、ニードル弁の下流のサンプル室側に圧力計がある。この圧力計は一般にサンプル室内の全圧を測定し、混合ガス中の複数の処理ガスの分圧を別々に測定することはできない。したがって、それぞれのガスの所望の分圧が達成されたことを知ることは難しい。
従来のSEM、集束イオン・ビーム(FIB)またはデュアル・ビーム・システムでビーム・ケミストリ処理を実行するとき、システム・オペレータは一般に、材料をエッチングしまたは付着させることによって処理する対象領域に到達するために、サンプルの荷電粒子ビーム像を得る。ビーム処理操作を実行した後、オペレータは一般に、プロセスの結果を評価するため、そのサンプルの別の荷電粒子ビーム像を得る。HPSEMでは一般に処理と画像化に異なるガスが使用されるため、この画像化、処理、画像化のシーケンスでは、室内のガスを複数回取り替える必要があることになる。一部の処理ガスが画像化中も室内に留まる場合には、画像化操作中に、ビームによってサンプルが意図せずに改変される可能性がある。1つのガスを完全に排出し、次いで別のガスで平衡圧を得るのに相当な時間がかかるため、このような多ステップ操作はHPSEMでは実用的でない。ビーム・ケミストリに使用される一部のガスの分子は、室壁に留まる時間が非常に長い傾向があり、完全に蒸発し、サンプル室から除去されるのにより長い時間がかかる傾向があるため、場合によっては処理時間はさらに長くなる。
ビーム・ケミストリに対して一般にHPSEMが使用されない他の理由は、腐食性の処理ガスがHPSEMの構成要素を劣化させることがあるためである。例えば、ビーム・ケミストリに関連したある種の処理ガスは、プラスチック管などの構成要素と自発的に反応することができ、人間の健康にとって非常に危険である。XeFおよびMoFのようなガスは、プラスチックのガス管をもろくし、ついには周囲環境への危険なガスの漏出を引き起こしうる。
HPSEMサンプル室のガス環境は、反応性ガスが存在する条件下での熱アニールによってサンプルが改変される動的プロセスをSEMによってリアルタイムで調査することを可能にする。例えば、O環境中で高温(例えば850°C)に加熱することによって鉄、鋼などのサンプルを酸化させ、それによって、酸化中にリアルタイムで画像化することができる微細構造の変化を生じさせることができる。しかしながら、HPSEM内で実行することができる調査の範囲は、VPSEMベース圧力の源である上述のH2O、O2などの不純物によって制限される。これらの不純物は、H2のような還元ガスによって引き起こされる熱誘起性還元、および不純物とサンプルの間、または不純物とプロセス前駆体分子との間の意図しない反応に起因する多くの形態の化学蒸着(CVD)のようなサンプル改変プロセスを阻害する。
参照によって本明細書に組み込まれる、本出願の譲受人に譲渡されたPCT/US2008/053223は、HPSEM動作を可能にし、同時に、上記の問題のうちのいくつかを解決する環境セル(environmental cell)のいくつかの構成を記載している。「環境セル」は、サンプルの周囲の環境、一般に環境セルが置かれたサンプル室内の環境とは異なる環境を提供する囲い(enclosure)を意味する。環境セルは、サンプル環境の制御を改良し、HPSEM処理中に存在するガス不純物の濃度を低下させ、HPSEM処理室の容積および内側表面積を小さくすることによって、上記の問題のうちのいくつかを解決することができる。本発明の実施形態は、費用および工学的な複雑さを低減させ、ビーム・ケミストリおよび酸化、還元、CVDなどの熱誘起性ガス媒介性プロセスの研究および応用に対するHPSEMの有用性を広げる、環境セル法の設計の改良を含む。この改良には、サンプル環境の制御の向上、HPSEMビーム・ケミストリおよび熱誘起性ガス媒介性プロセスの研究および応用のための相補的な「相関」サンプル分析技術の容易化、ならびに環境セル内で使用しなければならない材料の数の低減、およびその結果としての材料とプロセス前駆体との間の化学的不適合性の低減が含まれる。
米国特許第4,785,182号明細書 米国特許第6,753,538号明細書 PCT/US2008/053223 米国特許第6,025,592号明細書 米国特許出願公開第2008/0308742号明細書
Honda他、「Atmospheric effect of air,N2,O2,and water vapor on the ionization energy of titanyl phthalocyanine thin film studied by photoemission yield spectroscopy」、Journal of Applied Physics、102、103704(2007)
本発明の目的は、制御された環境を提供する能力を有する荷電粒子ビーム・システム内でのサンプルの処理および/または分析を容易にすることにある。
本発明の好ましい一実施形態によれば、ガス環境中でサンプルを処理することを可能にするセルが提供される。いくつかの実施形態では、高真空環境中でもサンプルを処理または分析することができ、複数のタイプの処理および分析を同じ機器で実行することができるように、環境セルを構成することができる。さまざまな実施形態で使用可能な処理技法および分析技法には例えば、以下の技法うちの1つまたは複数の技法が含まれる:高真空およびHPSEM電子ビーム・ケミストリ、集束イオン・ビーム・ミリングおよびケミストリ、ならびにX線、陰極ルミネセンス、ホトルミネセンスおよび光電子収率分光法。
一実施形態では、セルが2つの部分からなり、上部は、電子ビーム・カラムに対して固定され、電子ビーム・カラム内へ流入するガス流を制限する圧力制限アパーチャを含み、下部は、従来の高真空荷電粒子ビーム・システムの移動可能なステージ上に取り付けられる。セルの上部と下部の間の摺動接触シールが上部と下部の間の相対移動を可能にする。電子ビーム軸に垂直な平面内のステージの平行移動は、セル内の副ステージを必要とせずにサンプルを誘導することを可能にし、ビーム軸に沿った平行移動は、摺動接触シールを開いてセル内部のより迅速なポンプ排気を可能にすることによって、セル環境から周囲の真空室の環境への迅速な切替えを可能にする。上部およびカラムから遠ざかる方向のセルの下部の軸方向運動はさらに、サンプルとカラムの間の空間を広げ、サンプルとカラムの間に放物面鏡などの装置を挿入することを可能にし、それによって、セルのガス環境中での処理の前後に、陰極ルミネセンス分光法、光ルミネセンス分光法などの技法によってサンプルを分析することを可能にする。いくつかの実施形態では、セルの上部が後退機構に取り付けられ、この後退機構は、上部を後退させ、それによってサンプルの周囲の空間をさらに広げることができ、それによって高真空処理室内のサンプルの小さな領域に処理ガスを送達するガス噴射毛細管などの装置、またはサンプルのX線分析に使用するX線捕集器を挿入することを可能にする。本発明の実施形態は、サンプルを実験室雰囲気にさらすことなしに、プロセス・ワークフローを遅延させ、費用および複雑さを増大させる真空移送装置を使用せずに、高真空処理装置および高真空分析装置を、セル内で遭遇する化学的に腐食性の環境に適合させる必要なしに、柔軟で迅速な処理および分析を実施することを可能にする。
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなり広く概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を達成する他の構造を変更しまたは設計するベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
環境セルを有する本発明の荷電粒子ビーム・システムの一実施形態を示す図である。 後退可能な蓋を備えた環境セルを有する本発明の荷電粒子ビーム・システムの他の実施形態を示す図である。 後退可能な環境セルを有する本発明の荷電粒子ビーム・システムの他の実施形態を示す図である。 環境セルと光電子収率分光法用の光子源とを有する本発明の荷電粒子ビーム・システムの他の実施形態を示す図である。 本発明の一方法の諸ステップを示す流れ図である。 自然酸化物層を有するシリコン、自然酸化物層を除去するためにXeF2によってエッチングされたシリコン、ヒ化ガリウムおよび金のガス増幅されたPYSスペクトルを示す図である。 大気中でアニールされたシリコン、次いでXeF2に暴露した後のシリコン、次いでN2Oに暴露した後のシリコン、および次いでXeF2に再び暴露した後のシリコンのガス増幅されたPYSスペクトルを示す図である。 環境セルの好ましい一実施形態の詳細を示す図である。 図8Aからとった断面を示す図である。 本発明の一方法の諸ステップを示す流れ図である。 本発明の一方法の諸ステップを示す流れ図である。
これらの添付図面は、一律の尺度で描くことを意図して描いたものではない。これらの図面において、さまざまな図に示されている同一の構成要素またはほぼ同一の構成要素は、同様の符号によって示されている。見やすくするため、全ての図面の全ての構成要素に符号が付けられているわけではない。
本発明の実施形態の一態様は、ガス環境中でサンプルを処理することを提供する荷電粒子ビーム・システムである。本発明のさまざまな実施形態の中には追加の機能を提供するものがある。一実施形態では、本発明は、荷電粒子ビーム・システム内においてワーク・ピースを比較的に高い圧力の中で処理するための環境セルを提供する。この環境セルは、1つまたは複数のガス入口およびガス出口と、ガス・イオン化カスケード増幅を使用する2次電子検出器とを含むことがある。いくつかの実施形態では、高圧走査電子顕微鏡法だけでなく、さまざまなタイプの処理または分析および柔軟な処理ワークフローを容易にするために、セルの蓋、1つまたは複数のセル壁などのセルの部分を除去するように、セルを構成することができる。
好ましい一実施形態は、サンプルステージ上に取り付けられた環境セルを、セルの内部を荷電粒子ビーム・カラムの内部よりも高圧に維持する圧力制限アパーチャとは無関係に移動させることを可能にするガス・シールを含む。好ましいことに、荷電粒子ビーム・システムの光軸と圧力制限アパーチャとの間のアラインメントを変化させることなく、環境セルを移動させることができる。サンプルを含むセルをビームに対して移動させることができるため、いくつかの実施形態では、ビームに対してサンプルを移動させるために、PCT/US2008/053223に記載されているもののような副ステージをセル内に配置する必要がない。サンプル副ステージを排除すると、少なくとも3つの理由からサンプル環境の制御が向上することにより、費用および複雑さが低減し、セル性能が向上する。サンプル副ステージを排除すると、第1に、一部のステージ移動機構と両立しない腐食性ガスなどの処理ガスの使用が容易になる。第2に、処理ガスにさらされるセルの内容積および表面の面積を小さくすることができ、それによって処理ガスのより迅速な排出および切替えが可能になる。第3に、処理前にセル、加熱器およびサンプルを焼くことによってサンプル環境からガス不純物を除去する効率が上昇する。焼く温度は、セル構成要素の耐熱性によって制限され、PCT/US2008/053223に記載されたセルの副ステージは一般に、システムの構成要素の中で最も耐熱性の低い構成要素である。
環境セルの好ましい実施形態は、セルのガス環境中での荷電粒子ビーム誘起性の局所反応を可能にするだけでなく、走査型電子顕微鏡内またはデュアル・ビーム機器内での化学蒸着、触媒反応、酸化、還元、表面パッシベーションなどの熱処理も可能にする。熱処理は、大域処理または局所処理とすることができる。「大域処理」は、サンプル全体またはサンプル表面の大部分に対して実施される処理を指し、「局所処理」は、反応物、触媒または反応を開始させるためのエネルギーの存在によって決まる、数平方ミリメートル、数平方ミクロンまたはそれよりもずっと小さな面積に対して実施される処理を指す。例えば、Auコロイドなどの触媒種は、SiのCVDなどの熱駆動性、ガス媒介性のプロセスを局所化することができる。別の例として、荷電粒子ビームもしくはレーザは、環境セル全体に分布した処理ガスとの局所反応のためのエネルギーを供給することができ、または、毛細管によるガス反応物の局所噴射は、全体的に加熱されたサンプルに反応物を供給することができる。大域処理の例には、環境セル全体にガスを分布させ、サンプルを加熱して、サンプル表面の酸化または還元を誘起させること、サンプル表面での膜のCVD、サンプル表面をドライ・エッチングすることなどがある。
いくつかの実施形態では、2つの部分、すなわちSEMシステムまたはデュアル・ビーム・システムのサンプルステージ上に取り付けられたセル本体部分と、SEMの対物レンズの磁極片または磁極片のすぐ下に取り付けられた蓋部分であり、圧力制限アパーチャ(PLA)を含む蓋部分とからなるセルを構築することによって、セルとカラムの間の相対運動を容易にする。電子ビーム軸はPLAの中心を通る。セル本体は、荷電粒子ビーム・ステージに取り付けられ、サンプルを収容する。蓋部分と本体部分の間のシールは、蓋部分と本体部分の間の相対運動を可能にする。一実施形態では、このシールが、蓋の対合面との間でシールを形成するのに適した滑らかな表面仕上げを有するフランジをセル本体の上面が含む摺動接触摩擦シールである。例えば電子ビーム軸に平行なz軸に沿って荷電粒子ビーム・ステージを上昇させることにより、セル本体のフランジを蓋の表面と接触させることによって、ガス・シールが形成される。ステージの高さは、セルから周囲の室内へのガス流量を制限する、接触シールまたは小さな隙間とすることができる適切なシールが形成されるように調整される。フランジの平面と蓋の平面は、エラストマーを使用し、または使用せずに、シールを形成することができる。ステンレス鋼およびアルミニウムは、適切な接触シールを形成することが明らかにされているが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマー、ニトリル・ゴム、シリコーン・ゴムなど、他の金属および非金属シール材料を使用することもできる。これらのシール材料は、適切なシールを形成しなければならないだけでなく、セル内で使用される処理ガスおよびセル本体の運転温度と両立しなければならない。このシールは完全に気密性である必要はない。ある程度のガス漏れは起こり、周囲の室に漏れたガスは真空ポンプによって排出される。セルがシールされているときに、セル本体、したがってサンプルを、z軸に垂直な平面内で平行移動させるために、ステージのx軸およびy軸が使用される。
いくつかの実施形態では、セル本体が、圧縮可能なベローズ(bellows)などの柔軟な部分を含み、この柔軟な部分は、一般に数ミリメートルであるサンプルの限定されたz軸方向の平行移動およびx−y平面内の移動を可能にする。ベローズは、適切な接触シールを維持し、同時にセルと蓋の間の滑らかな相対運動を可能にするのに十分な圧力を、蓋のシール面とセル本体のシール面との間に加えるのに足る十分な剛性を有する。このベローズはさらに、SEMカラム内への機械的振動の伝達を低減させることができる。ステージに対して環境セルが傾くこと、または移動することを防ぐために、環境セルに機械的支持を提供することができる。
処理中または処理後に、真空を中断することなしに、すなわち、サンプル室を開いてサンプルを実験室雰囲気にさらすことなしに、サンプルのX線分析を実施することを可能にするため、いくつかの実施形態では、セルがX線透過性の窓を含むことができる。この窓は、ベリリウムなどの金属またはポリイミドなどのポリマーから製作することができ、セルの蓋に埋め込むことができる。X線検出器の検出立体角を大きくするため、SEM室の内部、好ましくは環境セルの外側に、X線集束光学部品を配置することができる。
いくつかの実施形態では、顕微鏡を高真空モードで操作することができるように、また、さまざまなタイプの処理および分析技法のためにサンプルにアクセスすることができるように、環境サンプルセルの一部分を構成することができる。いくつかの実施形態では、蓋を後退させることができる。例えば、荷電粒子ビーム室内に配置された後退可能なアームに、蓋を取り付けることができる。後退可能な蓋はさらに、セルにガスを充填する代わりに、公知のガス噴射システム(gas injection system)(「GIS」)の毛細管を使用してガスを局所的に送達し、その一方で、サンプルの残りの部分を比較的に低い圧力下に置くことによって、荷電粒子ビーム支援エッチングまたは荷電粒子ビーム支援付着の使用を可能にする。蓋が後退しているときに、追加の処理および分析を実行することができ、これには、シールされたセル内では、技法の有用性および/またはセルの有用性を低下させることなしには実施することができない高真空技法が含まれる。例えば、デュアル・ビーム・システムでは、「真空を中断する」必要なしに、すなわちサンプル室を大気にさらすことなく蓋を後退させて、集束イオン・ビームによってサンプルを処理することができる。後退可能な蓋はさらに、ガス環境中でのセル内動作、高真空集束イオン・ビームまたは電子ビーム・プロセス、および毛細管を局所的に使用してサンプルにガスを送達する高真空熱ガス・ケミストリ・プロセス相互を無換気で(すなわち「真空を中断する」ことなく)切り替える必要があるマルチステップ・プロセスを可能にする。高真空熱ガス・ケミストリ・プロセスは、サンプル全体までは処理しないが、一般的な荷電粒子ビーム処理よりも広い面積を処理し、環境セル内での使用に適さない低蒸気圧前駆体の使用を可能にする。後退可能な蓋は、電子ビームが衝突したときにサンプルから放出された放射を検出する放射検出器、例えばX線分析のためにX線を検出するX線検出器またはルミネセンス分析のために光を検出する光子検出器の使用を容易にする。後退可能な蓋は、真空を中断しないサンプルの陰極ルミネセンス、ホトルミネセンスおよびX線分析などの技法の使用を容易にする。X線分析は、セルのX線透過性窓を通して実行することもできるが、蓋を後退させると、センサをサンプルのより近くに配置することができ、それによってX線検出器の捕集立体角を大きくすることができる。さらに、X線窓は、相反する要件が両立するように構築されていなければならないため、X線窓は、検出システムの効率を低下させる。例えば、X線窓は高いX線透過性を有していなければならないが、同時に、セル本体の温度および通常のセル動作中に使用される反応性ガスとの接触に耐える十分な頑丈さも持ち合わせていなければならない。後退可能なセル蓋はさらに、公知の高効率陰極ルミネセンス分析システムの使用を容易にする。高効率陰極ルミネセンス・システムは一般に、陰極ルミネセンス検出の間、サンプルとSEMカラムの間に配置される後退可能な放物面鏡または楕円鏡を使用する。この鏡は、捕集立体角を、したがって陰極ルミネセンス・システムの効率を最大にする。鏡後退機構は、陰極ルミネセンス分析の前後に実行されるサンプル画像化プロセスおよびサンプル操作プロセスを鏡が妨害することを防ぐ。陰極ルミネセンスだけでなく、高効率ホトルミネセンスに鏡を使用することもできる。ホトルミネセンスでは、サンプルから放出された光子が、電子ではなく光子によって励起される。陰極ルミネセンスは、ホトルミネセンスによって達成することができない高い空間分解能の欠点を有する。
いくつかの実施形態では、処理または分析のためにサンプルにアクセスすることができるように、環境セルの1つまたは複数の壁を後退させ、または他の方法で邪魔にならない位置へ移動させることができる。
いくつかの実施形態では、セルがさらに、高温サンプル処理中に好ましくは最小限のガス放出を示すサンプル加熱器を含むことができる。ガス放出は、サンプルを高温で処理するために使用されるガス環境を汚染する可能性がある、加熱器からのH2Oなどの分子の放出を伴う。処理中のガス放出を最小化するため、高真空環境中で、または流動しているN2、Arなどの不活性ガスの存在下で、加熱器およびサンプルを予備加熱することができる。このような「浄化プロセス」の効果は一般に、温度および時間とともに増大する。例えば、サンプルおよび加熱器を、250°Cで2時間、または100°Cで10時間、加熱することができる。加熱器は、パイロリティックボロンナイトライド(Pyrolytic Boron Nitride)(PBN)などの材料を含む超高真空定格の加熱器とすることができる。いくつかの実施形態では、酸化性ガス環境中での加熱器の寿命を延ばすために、加熱器が、Al23などの材料からなってよい。セルの加熱およびそれに伴うステージやSEMカラムなどの顕微鏡の他の構成要素の加熱を防ぐため、サンプル加熱器を使用するセルの実施形態はさらに、セル壁およびセル蓋の液体冷却を使用することができる。セル壁とフランジの間のベローズを使用して、セル本体の水冷却に起因する振動を抑制することもできる。反応性ガス環境中でのサンプル処理の前に、セル壁の放射加熱およびH2Oなどの汚染物質のセル壁からの脱離が可能になるように、浄化処理ステップの間は、水冷却を止めておくことができる。いくつかの実施形態では、セル・ベースから分離することができるように、セル本体を製作することができる。この構成では、HPSEMステージ上に取り付けられたセル・ベースに加熱器を取り付けることができる。このセル・ベースをセル本体なしで使用することができ、それによって、公知の毛細管ガス噴射システムを備える従来の高真空デュアル・ビーム・システム内で熱ガス・ケミストリを実施することができる。このように、単一セル設計は、浸漬ガス媒介性熱誘起性サンプル処理と局所ガス媒介性熱誘起性サンプル処理の両方を可能にする。
いくつかの実施形態では、サンプル加熱器とサンプル冷却器の人間工学的な交換を可能にするため、加熱器の幾何形状が、ペルチエ冷却器などの冷却装置の幾何形状と同じである。ビーム・ケミストリ・プロセスの速度がサンプル表面での前駆体分子の吸着時間によって制限されるときなど、場合によっては、冷却が望ましいことがある。
いくつかの実施形態では、加熱器およびサンプルから、セル壁、セル蓋および電子検出器などの周囲の構成要素への放射熱伝達を最小化するため、熱シールドが使用される。この熱シールドは、加熱器およびサンプルを取り囲むことができ、電子ビームがサンプルに到達することを可能にし、サンプルから放出された電子が検出器に到達することを可能にする開口を含むことができる。本発明の譲受人に譲渡されたKnowlesの「High Temperature Specimen Stage and Detector for an Environmental Scanning electron Microscope」という名称の米国特許第6,025,592号は、熱シールドを有する高温試料ステージを記載している。非常に高いサンプル温度、例えば900°Cよりも高いサンプル温度では、金属の熱シールドに数ボルトまたは数十ボルトのバイアスを印加して、熱イオン電子(thermionic electron)が画像化電子信号を妨害することを防ぐことができる。このバイアスは、熱イオン電子を捕集するために正とすることができ、または熱イオン電子をサンプル表面に向かって誘導するために負とすることができる。いずれの構成でも、このバイアスされた熱シールドによって低エネルギーの2次電子も抑制され、画像化は、高エネルギーの後方散乱電子または透過電子によってなされることができる。
図1は、本発明の好ましい一実施形態を概略的に示す。荷電粒子ビーム・システム100は、全て光軸114に沿って整列した、荷電粒子ビーム源104と、集束光学部品106と、偏向器108と、磁極片112を含む対物レンズ110とを備える荷電粒子ビーム・カラム102を含む。排気可能なサンプル室122は、サンプル130を収容するためのセル126を収容したサンプル移動ステージ124を含む。ステージ124は少なくとも、光軸に対する第1の平行移動軸または回転軸および第2の平行移動軸または回転軸を有する。セルは、セル126内にガスを供給するためのガス入口134と、セル126からガスを除去するためのガス出口136とを含む。弁137は、セル内へのガス流量を制御し、弁138は、出口136を通したセルからの流出を制御する。入口134および出口136は、柔軟で、セル内で使用される処理ガスおよびサンプル室122に対するサンプルステージ124のx−y移動と両立するステンレス鋼ベローズ(bellows)139からなることができる。
セル126は下部140および上部142からなる。上部142は、磁極片112上に取り付けられており、セル126の内部から荷電粒子ビーム・カラム102へ流入するガスの量を低減させる圧力制限アパーチャ144を含む。ガス流の制限は、図1に示した中空円錐、管、小さな開口を有する膜など、いくつかの幾何形状を使用して達成することができる。セルの上部142は、セルの下部140のフランジ148の対合面とシールを形成して、セル126の内部のガスを維持するシール面を提供する蓋146を含む。下部140は、サンプルステージ124上に支持されている。サンプルステージ124は、少なくとも3つの自由度を有することが好ましい。すなわち、サンプルステージ124は、光軸114に垂直な平面(「x−y」平面)内で移動することができ、光軸114に平行に(すなわち「z」軸に沿って)上下に移動することができることが好ましい。フランジ148は、セルのステージと一緒に移動可能な部分とセルの粒子光学カラムに対して固定された部分との間の垂直移動を可能にする柔軟な部分、例えば任意選択のベローズ150によって、下部140の残りの部分に接続されることが好ましい。フランジ148および蓋146は、処理ガスに適合し、滑らかなシール面を提供するように仕上げることができ、シール面間の接触を維持する弾力性を与えることができる材料から製作されることが好ましい。高真空環境での冷間溶着の可能性を回避するため、フランジ148と蓋146は一般に、異なる材料からなることができる。例えば、ステンレス鋼は適切なシールを維持し、大部分の処理ガスに適合する。Oリングなど、他のタイプの摺動シールを使用することもできる。ベローズ150は、許容可能な摺動接触シールを維持するのに十分なフランジ148と蓋146の間の垂直圧力を提供し、同時にx−y平面内の移動およびz軸に沿ったサンプルの高さ調整を可能にする。セルが傾くこと、またはセル126とステージ124の間の相対移動を防ぐため、クリップ、クランプまたはねじ付きロッドなどの機械構造物によって、セル126をステージ124に固定することができる。室122からセル126を取り外すことを可能にするため、ガス入口134およびガス出口136は、ねじ付き管継手、Swagelok(登録商標) VCR(登録商標)取付け部品などの取付け部品を使用してセル126に接続することができる。当業者ならば、圧力制限アパーチャ144を通ってカラム102内へ少量のガスが流入することを理解するであろう。このガスは、スクロール・ポンプ、ターボ分子ポンプ、イオン・ポンプなどの真空ポンプ160によって除去されるが、あるいは、源104と圧力制限アパーチャ144の間に急な圧力勾配を生み出すように、このようないくつかのポンプを、カラムの異なる部分に接続してもよい。同様に、一部のガスは、フランジ148と蓋146の間のシールを通してサンプル室122内へ漏出する。このガスは、ターボ分子ポンプ、スクロール・ポンプなどの真空ポンプ162によって除去される。いくつかの実施形態では、このシールが接触シールではなく、フランジと蓋の間の好ましくは1mm未満の隙間(gap)である。接触シールの欠点は、フランジ148と蓋146の間の摩擦が、x−y平面内のステージ124の平行移動を妨害することがあることである。隙間シールの欠点は、セル126とび室122の間のガス流量が隙間のサイズの増大とともに増大することである。
サンプルステージ124上にセル126を配置し、セル126と光軸114の間の相対移動を可能にすると、移動可能な別個のステージをセル126内に配置する必要がなくなる。この2部分ガス・シールは、PLA144が荷電粒子ビームの光軸114との整列を維持し、同時に、サンプルの関心の領域をビームと整列させるためにステージがx−y平面内を移動することを可能にするような態様で、PLA144を磁極片112に取り付けることを可能にする。
磁極片112に対する蓋146の位置を固定し、ステージ124のz運動を使用してセル126の下部140を配置すると、下部140をz軸に沿って移動させることにより、セル126をシールすること、およびセル126を「開く」ことができる。このようにしてセルを開くと、真空ポンプ162によって、非常に効率的かつ迅速にセル126からガスを排出することができる。ポンプ162は一般に、ポンプ排気速度が少なくとも150リットル/秒のターボ分子ポンプである。このようなポンプは一般にセル126よりも大きく、高いポンプ排気速度を維持しながら、このようなポンプを、136などのガス排出口を使用してセルに直接に接続することはできない。ポンプ排気速度は、出口134のコンダクティビティ(conductivity)によって制限されるためである。しかしながら、直径が少なくとも10cmである開口などの高コンダクティビティ開口163を介してであれば、ポンプ162を室122に接続することができる。次いで、蓋146とフランジ148の間に隙間、好ましくは1cmよりも大きい隙間ができるようにセルを開くことにより、ポンプ162を使用して、セル126から迅速に排気することができる。
2次電子検出器は、セル126の壁から内側へ延び、セルの壁から電気的に分離された針の形の導電性電極164を備える。導線が、電極164から画像化コントローラ165へ信号を運ぶ。電極164上の電荷が、サンプル130から放出された2次電子166を引き寄せる。電極164とサンプル130の間の電位差によって、サンプルからの2次電子166は加速し、ガス分子と衝突し、衝突されたガス分子はイオン化されて追加の電子を放出し、放出された追加の電子は加速し、より多くのガス分子をイオン化し、これにより、2次電子信号は、衝突カスケードを経由して増幅される。圧力制限アパーチャ144または磁極片112上に取り付けられ、圧力制限アパーチャ144または磁極片112から絶縁されたリング形検出器、ガス後方散乱電子検出器、固体後方散乱電子検出器などの代替検出器(図示せず)を使用することもできる。後方散乱検出器の利点は、サンプルが高温であり、そのために熱イオン電子電流が2次電子検出器を飽和させるときにも使用できることである。熱イオン電子のエネルギーは小さく、熱イオン電子は、熱イオン電子を捕集し、または熱イオン電子をサンプル表面へ戻すようにサンプルまたはサンプルの近くの電極をバイアスすることによって、抑制することができる。しかしながら、2次電子のエネルギーも小さいため、この方法は、電子ビームによって励起される2次電子も抑制する。固体検出器は、サンプルに関する固有のトポグラフィ(topographic)情報を提供することができるマルチセグメント検出器とすることができる。固体検出器の欠点は、耐熱性が低く、XeF2などの処理ガスに適合しない材料からなることである。
任意選択の加熱器180は、サンプル130を加熱することを可能にする。絶縁プラットホーム182は、ステージ124に接続されたセル140の下部から加熱器180を分離する。熱処理のためにサンプル130を加熱する目的に加熱器180が使用されているときに、任意選択の冷却コイル184を使用してセル126の壁を冷却することができる。任意選択の冷却コイル(図示せず)を使用して蓋146を冷却することもできる。セルをクリーニングしているときには、冷却を使用できないようにすることができる。セル・クリーニング手順は、セルを開いて、セルの蓋146と下部140の間に大きな隙間、一般に5cmの隙間をつくり、その間に、真空ポンプ162によって室122から排気し、セルの壁および蓋を例えば100°Cまで加熱することができるように、サンプルおよび加熱器を例えば400°Cまで加熱することからなることができる。セルの壁と蓋の正確な温度は、加熱器からセル壁への熱伝達速度、蓋およびセルの熱質量、ならびに蓋およびセルから周囲の荷電粒子ビーム・システム100への熱伝達速度によって決まる。
光子透過性の光学窓188は、機器の使用者がサンプルを観察することを可能にする。X線分析を実行するために、光学窓188を使用して、サンプルからのX線190がX線検出器192に入ることを可能にすることもできる。
いくつかの実施形態では、排気可能な室を開くことなしに、粒子光学カラムに対して固定されたセルの一部を後退させることができる。図2は、後退可能な蓋246を有するセル226を含む荷電粒子ビーム・システム200を概略的に示す。後退機構280は、セル226の上から、図2に示された後退位置まで蓋246を移動させる。後退機構280は、電気モータ、圧電モータまたは空気式スイッチを使用して、蓋246を、単一の軸に沿って平行移動させることができる。圧力制限アパーチャ244を光軸114と整列させるため、後退機構280は、磁極片112に対する適当な位置精度で、例えば磁極片112から約100μm以内に、蓋を配置することができることが好ましい。後退機構280は、圧力制限アパーチャ244を光軸114と整列させることを可能にする、2軸モータ、一対の止めねじなどの任意選択のx−y整列機構を含むことができる。蓋246が後退しているときには、「In−Chamber Electron Detector」という名称の米国特許出願公開第2008/0308742号に記載されているエバーハート−ソーンリー(Everhart−Thornley)検出器などの2次粒子検出器282を使用して、顕微鏡を高真空モードで動作させることができる。蓋が後退しているときには、集束イオン・ビーム・カラム284からの集束イオン・ビームによってサンプル230を処理することもできる。蓋246が後退しているときにはさらに、サンプル230のガス支援イオン・ビーム処理、ガス支援電子ビーム処理または局所化された熱処理のためにガスを局所的に噴射するため、ガス噴射システムの毛細管286をサンプル230に向かって挿入することができる。蓋246が後退しているときにはさらに、サンプル230の陰極ルミネセンス分析を実行するために、後退機構288によって、放物面鏡、楕円鏡287などの集光器を挿入し、配置することができる。電子ビームが衝突したときにサンプル230から放出された光289は、鏡287によって検出器290内へ反射される。検出器290は、モノクロメータおよび光電子増倍管を含むことができる。任意選択の蓋支持体292は、フランジ148と蓋246の間に接触シールを形成するためにセルを上昇させるとき、およびシールされたセルをステージ124を使用してx−y平面内で平行移動させるときに、蓋246が磁極片112を傷つけることを防ぐ。任意選択で、蓋246を後退機構280に恒久的に取り付けることができ、それによって、ガスの流れおよびサンプルの処理を可能にするために蓋が挿入され、セルがシールされた後も、後退機構はその場に残る。
図3は、モジュール式のセル302を含む荷電粒子ビーム・システム300を示す。セル302は、セル・ベース304、セル壁306およびセル蓋308を含む。サンプル310へのアクセスをより良好にすることができるよう邪魔にならない位置に移動された1つまたは複数のセル壁306が示されている。一実施形態では、セル・ベース304のシール308に、セル壁が挿入される。後退機構280と同様の後退機構320に取り付けられた把持器の中にセル壁を保持している間に、サンプルステージ124を下げてベース304を低くすることによって、壁306をユニットとして取り外すことができる。セル壁306がシール308内にないときに、セル壁は、システム200の後退する蓋246と同じように後退する。他の実施形態では、1つまたは複数の壁がベースに蝶番によって取り付けられており、対応するそれぞれの蝶番を軸に壁を回転させて、邪魔にならない位置へ壁を移動させることができる。示された構成では、SEMステージ124上に取り付けられたセル・ベース304上の絶縁体182に、加熱器180が取り付けられている。したがって、セル本体の他の部分および蓋がなくとも加熱器180を使用することができ、それによって、標準SEMシステムまたは標準デュアル・ビーム・システムとして、熱ガス・ケミストリを高い費用効果で実施することができる。
本発明の他の態様は、高真空高圧荷電粒子ビーム・システム内での光電子収率分光法(photoelectron yield spectrscopy)(「PYS」)の使用を伴う。PYSは、表面感受性の(surface−sensitive)技法であり、一般に超高真空環境で実行される。しかしながら、大部分のSEMシステムのサンプル室で使用されている高真空環境などの高真空環境でサンプルを分析する目的に、PYSを使用することもできる。しかしながら、現在使用されているSEMでのPYSの有用性は、サンプル表面の清浄度および全体的な状態の制御が不十分であること、ならびにサンプル表面を流れるガスの純度および量を高度に制御する必要がある高品質熱処理を実行することができないことによって、大幅に制限される。PYSは、HPSEM内または上記の実施形態内で使用されているものなどのガス・イオン化カスケードを使用して電子放出電流が増幅されるガス環境でも実行することができる。しかしながら、高真空SEMの場合と同様に、現在使用されているHPSEMでのPYSの有用性も、サンプル表面の清浄度および全体的な状態の制御が不十分であること、ならびに高品質熱処理を実行することができないことによって、大幅に制限される。
PYSでは、電子放出電流が、サンプルに当たる電磁放射の周波数の関数として測定される。全電子収率は、入射光子のエネルギーの関数として測定される。電子収率は、表面から放出された電子を検出することによって、または、表面を出る光電子の電荷を補償するサンプル電流、すなわちグランドとサンプルの間の電流を測定することによって測定することができる。一般に約2eVから約20eVの範囲にある光子エネルギーは、光イオン化エネルギーおよびサンプルの最も高い占有状態に関する情報を与える。より高いエネルギーの光子(例えば最高10keVのX線)は、(すなわちEXAFS(広域エックス線吸収微細構造)技法の場合のように)価電子帯のより低い状態の調査を可能にする。
PYSを使用して、HPSEMなどの荷電粒子ビームの環境セルまたはサンプル室内のサンプルに関する追加の情報を提供することができる。サンプルのPYSスペクトルは、サンプルがガスにさらされたときに変化することがあり、あるいは真空環境またはガス環境中での熱アニールによって改変されることがある。PCT/US2008/053223に記載されている環境セルなどの環境セル、特に本明細書に開示されている環境セルを使用して、サンプル表面の気相不純物および吸着物質の濃度を低下させることでサンプル環境の制御を改良することができ、それによっていくつかのPYS分析技術の使用を容易にすることができる。PYSなどの技法をサンプル加熱器とともに使用して、サンプル表面の不純吸着物質の影響を監視することによってシステムの清浄度を監視することができ、さらに、ガス環境中での熱アニール、非局所ドライ・エッチングなどのサンプル改変プロセスを監視することができる。サンプル電流計、またはマルチチャネル・プレート、エバーハート−ソーンリー検出器などの2次電子検出器を使用して、高真空中で、サンプルのベースラインPYSスペクトル(「ベースライン」)を得ることができるが、このような高真空2次電子検出器の大部分は光に感応し、そのため、PYSに使用される光子によって検出器が飽和しないことを保証するための予防措置をとらなければならない。あるいは、標準ガスとして規定され、光電子放出電流のガス・カスケード増幅の媒質として使用されるN2、Arなどの不活性ガス環境中で、サンプルのベースライン・スペクトルを得ることもできる。この方法の利点は、前述の電極164などのHPSEM検出器は光に感応せず、HPSEM PYS検出器として機能するのに、追加のハードウェアまたは変更を一切必要としないことである。ベースラインPYSスペクトルを使用して、サンプルの初期特性を決定することができる。ベースラインを使用して、その後のシステム・クリーニングおよびサンプル表面でのサンプル処理の影響を検出することもできる。ベースラインを得た後に、セルからガスを排出し、サンプルを追加のガスにさらすことができ、処理ステップと処理ステップの間、処理ステップ中または処理ステップ後に、1つまたは複数のPYSスペクトルが得られる。ベースラインPYSスペクトルを得るために使用した標準ガスを使用して、最終的なスペクトルを得ることができる。図2および3に示した246などの後退可能なセル蓋ならびに図3に示した306などの後退可能なセル本体は、PYS分析を高真空環境中とガス環境中の両方で実行する必要があり、そのようなPYS分析から利益を得る複雑なマルチステップ・プロセスを可能にする。例えば、図9は、サンプルを処理する一般的なステップを示す。ステップ902で、セル内のサンプル上に、CVDを使用して膜を付着させる。ステップ904で、このサンプルをCVD前駆体ガスの中に沈めたまま、サンプルの特性をPYSによって評価する。ステップ906で、CVD前駆体ガスを除去し、高真空中でサンプルの特性をPYSによって評価する。ステップ908で、このサンプルが高真空環境中にある間に、デュアル・ビーム・システムのFIBカラムを使用して、このサンプルに、高真空中で1keVのGa+を注入する。ステップ910で、ガリウム注入後に再び、サンプルの特性を高真空中でPYSによって評価する。ステップ912で、セルに還元ガスを充填し、サンプルが還元ガス環境中にある間に、サンプルの特性をPYSによって評価する。ステップ914で、Ga+注入によって生じた構造的損傷の一部を回復させるため、セルの還元ガス環境中でサンプルを熱アニールする。ステップ916で、還元環境中でのアニールの後に、還元ガス環境中でサンプルの特性をPYSによって評価する。
PYSは一般に、CVD、ドライ・エッチング、触媒反応、酸化/還元/パッシベーション、イオン注入、固−固および固−液相転移などの動的プロセスのインシチュ(in−situ)特性評価に使用することができる。荷電粒子ビーム室またはセル内での制御されたガス雰囲気、エッチング剤および/またはアニールへの暴露によって改変されたサンプルの特性を、本発明によって評価することもできる。
図4は、PYSを実行するシステムを概略的に示す。図4のシステムは、図1のシステムに似ているが、紫外線源、X線源などの放射源402が追加されている。源402からの放射は、窓406を通ってサンプル404に当たり、それらの入来光子が、電子を遊離させるだけの十分なエネルギーを有する場合には、サンプル404はそれによって光電子を放出する。光電子は、衝突カスケード・プロセスによって増幅され、検出器164によって検出される。図4は、環境セル内で実行されているPYSを示しているが、PYSは、HPSEMのサンプル室内で実行することもできる。
光電子放出収率システムをHPSEMに組み込むと、既存のHPSEM技法によっては得ることができない電子構造情報を得ることができ、光電子放出収率システムを組み込むことは、反応性ガス環境中での熱アニールなどの表面改変プロセスの調査を目的に設計されたHPSEMシステムに対して特に望ましい。
源402によって供給される光子は一般に、サンプル404の表面における直径がDである集束ビームの形態をとり、この直径Dは、光子ビームが404を越えて広がらないように構成される。Dが100μm未満、好ましくは10μm未満である十分に集束した本発明の高真空実施態様は、マルチビーム・システム上に実装された、液体金属イオン源またはプラズマ・イオン源を有する集束イオン・ビームまたはレーザを使用して実行される材料除去プロセスの終点を決定するのに役立つことがある。集束イオン・ビーム、レーザ・ビーム、高真空検出器およびマルチビーム・システムの他の構成要素の動作を妨げないように、セル302内でサンプル310を処理する前/処理した後に、蓋308、壁306などのセル構成要素を後退させることができるため、PYSと図3に示したセル302などのモジュール式セルとの組合せは、現在使用されているマルチビーム・システム上に実装するのに特に適している。
図5は、高圧荷電粒子ビーム・システム内でPYSを実行する好ましい1つの方法を示す。図5のステップは、環境セル内で実行するものとして説明するが、HPSEMの従来のサンプル室内で実行することもできる。ステップ502で、環境セル内にサンプルを配置する。ステップ504で、セルからガスを排出する。ステップ506で、光電子のガス増幅に使用することができる標準ガスをセルに充填する。この標準ガスがサンプル表面、したがってPYSスペクトルに影響を及ぼすかどうかは、サンプルを構成している材料に依存する。例えば、Ar、N2、Heなどの不活性ガスは、大部分の材料の表面に最小限の影響しか及ぼさず、一方、サンプルが酸化物であるときにはO2などのガスが好ましいことがある。セル内のガス圧は用途によって異なるが、一般に0.1ミリバールから10ミリバールである。ステップ508で、約2eVから環境ガスのイオン化しきい値(一般に12eV超)までの範囲のエネルギーを有する光子をサンプルに送達する。イオン化しきい値よりも大きなエネルギーを有する光子を使用することもできるが、PYSスペクトルを分析する際には、ガス中で生成された光電子を考慮しなければならない。光子源402は一般に、セルの外側の室122の内部または室122の外部(図示せず)に配置され、光学窓または光ファイバを通してサンプル404に送達される。大部分の可変調単色源は、セル142内に配置するには体積が大きすぎる。
ステップ512で、衝突する光子のエネルギーをある範囲にわたって変化させながら、放出された光電子をガス・カスケード増幅によって増幅し、増幅された信号を、針またはリングなどの導電性電極検出器を使用して検出して、ベースラインPYSスペクトルを形成する。この光電子放出電流を使用して、光子が表面に衝突したところに存在する材料、または光子が表面に衝突したところに存在する材料の状態を決定することができる。一般に、この光電子放出電流を光子エネルギーの関数として測定して、サンプル表面に存在する材料のタイプおよびサンプル表面の性質を決定する。
Honda他、「Atmospheric effect of air,N,O,and water vapor on the ionization energy of titanyl phthalocyanine thin film studied by photoemission yield spectroscopy」、Journal of Applied Physics、102、103704(2007)に記載されているとおり、光電流は、低光子エネルギーでは一般にゼロであり、より低い最初のエネルギー・レベルの電子が表面から放出されるIで表わされるエネルギーから、光電流は、エネルギーの増大とともにゆっくりと増大する。励起されていない外殻電子を除去するのに十分な放射エネルギーに対応する点I0で、光電子電流は、エネルギーの増大とともに、より急速に増大し始める。より高いエネルギーにおいて、ビーム・エネルギーに対する光電子電流の依存性は、サンプル表面の電子構造の詳細によって決まる。
ステップ514で、ベースラインPYSスペクトルを決定するのに使用したガスをセルから除去する。サンプルの表面に吸着した残留ガスを脱離させるために、ステップ516で、サンプルを加熱してもよい。ステップ512でベースライン・スペクトルを決定し、ステップ514〜516で標準ガスを除去した後、ステップ518で、セルに処理ガスを充填する。次いで、ステップ520でサンプルを処理する。この処理は、反応性ガス環境中での熱アニールなどの熱誘起処理、CVD、または電子ビーム支援エッチング、電子ビーム支援付着などの荷電粒子ビーム誘起処理を含むことができる。O2、H2、NH3、XeF2などのガス中での熱アニールは、さまざまな材料の酸化、還元またはドライ・エッチングを引き起こしうる。CVD処理は例えば、それぞれシラン、四塩化ゲルマニウム、エタノール、六フッ化タングステンまたはTEOSを使用したシリコン、ゲルマニウム、炭素、タングステンまたは酸化シリコンの付着を含むことができる。
処理がいつ完了したかを判定するため、または例えば表面の電子構造の変化が検出されるまでサンプル温度を上昇させる実験において、処理がいつ始まったかを判定するために、PYSを使用して処理を監視することができ、あるいは、処理後に、PYSを使用して結果を分析することができる。処理中または処理後に、ステップ522でサンプルに向かって光子を誘導し、ガス・カスケード増幅された光電流をステップ524で測定することによって、PYSスペクトルを再び測定する。ステップ522および524は、ステップ520の処理が完了した後、またはサンプルを処理している間に実行することができる。すなわち、連続したPYSスペクトルを、処理時間の関数として収集することができる。あるいは、固定された光子エネルギーを使用して励起させた光電子放出電流を、処理時間の関数として測定することもできる。処理中にサンプル表面が変化すると、表面組成が変化するにつれて光電流も変化する。PYSを使用して、ステップ520の処理がいつ完了したかを判定することができる。
PYSスペクトルは、ガス増幅用の処理ガスを使用して測定することができ、または、処理ガスを除去し、別のガスを使用してPYSスペクトルを測定することもできる。処理が完了したと判断ブロック526で判定されたときには、終端ブロック530に示されているように、このプロセスは終了となる。
PYSスペクトルの空間分解能は、光子によって照らされる面積によって定義される。対象となる用途の多くで空間分解能はそれほど重要ではないが、空間分解能が重要な用途では、光子を小さなスポットに集束させ、その光子スポットによって照らされた小さな面積からのスペクトルを得ることができる。任意選択のステップ532で、サンプル表面を照らしているスポットを移動させることができる。例えば、焦点をラスタ走査して、表面のマップを作成することができる。このマップを、それぞれの画素においてPYSスペクトルを取得することができるスペクトル・マップとすることができる。空間分解能は、集束レーザ・ビームおよび近距離場光学部品を使用して最適化することができる。
所望の数の異なるガスに暴露した後にスペクトルを測定するために、ステップ514〜524を繰り返すことができる。暴露と暴露の間に処理を実施しても、または実施しなくてもよい。
図6は、ガス・カスケード増幅を使用して得たサンプルのPYSスペクトルを示す。グラフ602は、自然酸化物層を有するシリコンサンプルのスペクトルを示す。グラフ604は、酸化物層を除去するXeFに暴露した後のシリコンサンプルのスペクトルを示す。酸化物除去はしばしば、層を例えばCVDによって付着させる前の予備ステップである。グラフ606は、ヒ化ガリウムサンプルのPYSスペクトルを示し、グラフ608は、金サンプルのPYSスペクトルを示す。
図7は、逐次処理を経たシリコンサンプルのガス・カスケード増幅を使用して得たPYSスペクトルを示す。グラフ702は、自然酸化物層を有するシリコンサンプルのスペクトルを示す。グラフ704は、酸化物層を除去するであろうXeF2に暴露した後のシリ コンサンプルのスペクトルを示す。グラフ706は、新たな酸化物層を生成するN2Oに暴露した後のシリコンサンプルのPYSスペクトルを示し、グラフ608は、新たな酸化物層を除去するためにXeF2に再び暴露した後のシリコンサンプルのPYSスペクトルを示す。図6および7のグラフのデータは、エクスシチュ(ex situ)セル内で、光電子のガス・カスケード増幅を使用して得た。これらのスペクトルは、光源および光送達システムの周波数応答に関して補正されていない。
前述のとおり、セル内で実行することができる他の分析技法は、陰極ルミネセンスである。一般的なプロセスを図10で説明する。ステップ1002で、セルの蓋を後退させ、セル内および荷電粒子ビーム室内のガスをポンプで排出して、セルおよび荷電粒子ビーム室を高真空にする。ステップ1004で、SEMを使用して、サンプルの対象領域の位置を特定する。ステップ1006で、サンプルとSEM磁極片の間に陰極ルミネセンス鏡を挿入する。ステップ1008で、陰極ルミネセンス分析を実行する。ステップ1012で、陰極ルミネセンス鏡を後退させ、ステップ1014で、セルの蓋を挿入し、ステージのz軸を使用してセル本体を上昇させることによってセルをシールする。ステップ1016で、サンプルの光電子工学的特性を変化させるNH3などの反応性ガスの存在下でサンプルを熱アニールする。ステップ1018で、NH3流を止め、サンプルを室温まで冷却し、その間に、セル本体を下げ、蓋を後退させ、システム内のガスをポンプで排出して、システムを高真空にする。ステップ1022で、サンプルとSEM磁極片の間に陰極ルミネセンス鏡を再び挿入し、ステップ1024で、陰極ルミネセンス分析を実行して、サンプルに対するアニール処理の影響を評価し、ブロック1030でプロセスを終了する。任意選択で、陰極ルミネセンス分析中に、例えばサンプルホルダおよびサンプル加熱器に組み込まれた液体窒素冷却器を使用して、サンプルを、室温よりも低い温度に冷却することができる。冷却は、フォノン媒介性の緩和経路を抑制することによって、多くの材料の陰極ルミネセンス分析を相当に改良する。図10のワークフローは、反応性環境中での熱アニールの前後に、サンプルを大気にさらすことなく、また、サンプル位置決め機構および真空移送機構を必要とすることなしに、所与のサンプル領域を分析することができるという利点を有する。このことは特に、ガスのタイプおよびサンプル温度の関数として実行される熱アニールなどの複数のプロセス・ステップの前後に、陰極ルミネセンス分析を実行する必要がある複雑なプロセスにとって有益であり、非常に都合がよい。
図8Aおよび8Bは、図1のセル126などの環境セル800の好ましい一実施形態の概略図である。ベローズ824の上端828は、図1のフランジ148などのフランジ812に強固に取り付けられている。ベローズ824の下端826は、図1のセル126の下部140などのベース804に強固に取り付けられている。図1のx−y−z軸の定義を使用して説明すると、ベローズ824は、ベローズ824の下端826に対する上端828の3つの運動度を容易に可能にすることができることは、当技術分野においてよく知られている。この3つの運動度は、z運動(z軸に沿ったベローズの圧縮または伸長)、x軸を軸にした回転、およびy軸を軸にした回転からなる。一般に、z軸を軸とした下端826に対する上端828の回転運動は非常に望ましくなく、ベローズ824内の溶着部の破損につながることがある。下端826に対する上端828の小さなx−y運動も可能だが、好ましい3つの自由度のために必要な力に比べて大きな力が必要となることがある。したがって、ベローズの損傷を防ぎ、セルとカラムの間の望ましくない大きな力を回避するために、好ましい3つの自由度を可能にし、同時に、z軸を軸としたベローズのねじれを防ぎ、一方の端部に対するもう一方の端部のx−y運動を最小化するように、環境セル800を構成することが望ましい。図8Aは、ベローズ824の運動を好ましい3つの自由度に限定するピン機構の概略側断面図である。図8Bは、図8Aの環境セル800のA−A線上面断面図(図8A参照)である。図1のフランジ148などのフランジ812は、一般にN≧3であるN個の複数のポケット822を有するように構成されており、図8Bは、N=4の場合を示している。同じN本のピン806の下端808が、セル・ベース804に強固に取り付けられている。ピン806の上端は玉形の端部810を備え、玉形の端部810はそれぞれ、フランジ812の1つのポケット822にすべりばめされている。ピン810は、ポケット822の中にゆるくはまっており、ベース804に対するフランジ812の垂直相対運動820および821を可能にする。これらの運動は、垂直z軸運動、x軸を軸とした回転およびy軸を軸とした回転を含む。ベース804に対するフランジ812のx−y運動およびz軸回転は主に、ポケット822内での玉810の主として垂直方向の運動によって防止される。蓋802に対する不可欠なベースのx−y運動は、図1と同様に、フランジ812と蓋802の間の摺動シールによって可能になる。図1のステージ124などのステージ(図示せず)が、セル800をx軸およびy軸に沿って平行移動させるとき、ピン806は、ベース804のx−y平面内の運動816がフランジ812のx−y平面内の運動814と一致することを保証する。相対的なz軸運動、x軸を軸とした傾斜およびy軸を軸とした傾斜は、対応するポケット822内でのそれぞれの玉810の独立した垂直運動820および821によって可能になる。
本発明の実施形態は、荷電粒子システム内で使用される従来のSEM/HPSEM画像化および分析に加えて、インシチュ処理技法およびインシチュ分析技法を提供する。このような追加は、新規の特性評価能力をHPSEMシステムに提供することによって、研究ツールおよびナノプロトタイピング(nanoprototyping)ツールに対するこのようなHPSEMシステムの汎用性および価値を向上させることができる。
したがって、本発明の好ましい実施形態は、荷電粒子源と、粒子の集束ビームを生成し、このビームをサンプルに向かって誘導するための粒子光学カラムであり、光軸を有する粒子光学カラムと、排気可能なサンプル室と、この排気可能な室内に配置された移動ステージであり、光軸に対して移動可能な移動ステージと、処理するためのサンプルを収容するためのセルとを備え、このセルが、ステージ上に配置され、ステージと一緒に移動可能なセルの少なくとも一部分と、セル内へガスを導入するための少なくとも1つのガス入口と、ステージが運動する間、粒子光学カラムに対して固定されたセルの少なくとも一部分とを含む荷電粒子ビーム・システムを提供する。
好ましい実施形態では、セルが、ステージと一緒に移動可能なセルの部分と、粒子光学カラムに対して固定されたセルの部分との間をシールするシールを含む。好ましくは、シールが、粒子光学カラムに対して固定された第1の平面と、ステージ上に配置されたセルの部分から延びる第2の平面とを含み、これらの2つの平面が、セルの内部から排気可能な室へのガス流を低減させるシールを形成する。
ある実施形態によれば、第1の平面が、粒子光学カラムのレンズに取り付けられている。好ましくは、第1の平面および第2の平面が、ステンレス鋼、アルミニウム、もしくはポリテトラフルオロエチレンなどのフルオロポリマーを含み、または、第1の平面と第2の平面が、エラストマーを使用することなくシールを形成する。好ましい実施形態では、シールが、接触シールまたは1mm未満の隙間である。好ましくは、セルが、ステージと一緒に移動可能なセルの部分と粒子光学カラムに対して固定されたセルの部分との間の垂直移動を可能にする柔軟な部分を含む。
好ましくは、セルが光子透過性の窓を含む。ある実施形態では、排気可能な室を開かなくても、粒子光学カラムに対して固定されたセルの部分を後退させることができる。好ましい実施形態は、電子ビームが衝突したときにサンプルから放出された放射を検出する放射検出器をさらに備える荷電粒子ビーム・システムを含む。好ましくは、放射検出器が、X線分析のためにX線を検出し、またはルミネセンス分析のために光を検出する。
好ましい実施形態では、この荷電粒子ビーム・システムが、サンプルを加熱する加熱器、またはステージ上に配置されたセルの部分、粒子光学カラムに対して固定されたセルの部分もしくはサンプルを冷却する冷却器を含む。この荷電粒子ビーム・システムはさらに、ホトルミネセンス分析または光電子収率分光法を実行するため、ある周波数範囲にわたる放射をサンプルに照射する能力を有する放射源を備える。好ましい実施形態では、荷電粒子ビーム・システムのセルがさらに、ガス・カスケード増幅によって増幅されたサンプルからの電子信号を検出する検出電極を含む。
本発明の好ましい実施形態はさらに、荷電粒子ビーム処理の方法であって、排気可能な室と、移動ステージと、集束カラムと、光軸とを有する荷電粒子ビーム・システムを用意するステップと、排気可能な室内に配置された、ガス環境中でサンプルを処理するための環境セルを用意するステップであり、この環境セルが、移動ステージ上に配置され、圧力制限アパーチャを含むステップと、圧力制限アパーチャが光軸に対して固定された状態を維持したまま、ステージを移動させるステップとを含む方法を提供する。好ましくは、ステージを移動させるステップが、環境セルのシール部分を、圧力制限アパーチャに対して固定されたシール部材に対して移動させるステップ、または環境セルのシール部分をシール部材から分離することによって室内のセルの開閉を可能にするために、環境セルを下げるステップを含む。好ましいある実施形態では、この方法がさらに、セルと集束カラムの間に光子捕集器を挿入するステップと、光子捕集器を使用して、サンプルによって放出された光子を検出器へ誘導するステップとを含む。好ましくは、光子が、荷電粒子ビームによって励起される。好ましい他の実施形態では、この方法がさらに、ガス環境中でサンプルを加熱するステップと、ガス環境中でサンプルを処理する前および処理した後に光子を捕集するステップとを含む。好ましくは、この方法がさらに、サンプルから放出された光子を前記検出器を使用して捕集する間、サンプルを室温よりも低い温度に冷却するステップを含む。
本発明の好ましい実施形態はさらに、荷電粒子源と、排気可能なサンプル室と、粒子の集束ビームを生成し、排気可能なサンプル室内のサンプルに向かってこのビームを誘導するための粒子光学カラムと、ある周波数範囲にわたる放射を、排気可能なサンプル室内のサンプルに向かって誘導する能力を有し、それによってサンプルが光電子を放出する光子源と、この光電子信号を検出する電極とを備える荷電粒子ビーム・システムを提供する。好ましくは、この光電子信号がガス・カスケードで増幅される。いくつかの場合には、サンプルまたはステージを流れる電流を光電子放出電流の尺度として検出するために、電極が、サンプルまたはステージに接続される。好ましくは、放射源がレーザであり、または、放射源が、約2eVから約10eVまでの間のあるエネルギー範囲にわたる光子を供給する能力を有する。好ましい実施形態では、この荷電粒子ビーム・システムがさらに、排気可能なサンプル室にガスを供給するガス源を備える。好ましくは、排気可能なサンプル室が、サンプル室内に環境セルを含む。好ましい実施形態はさらに、電極が環境セル内に配置されており、放射源が環境セルの外側に配置されており、環境セルが、放射がサンプルに到達することを可能にするフィードスルー(feed−through)を含む荷電粒子ビーム・システムを提供する。好ましくは、環境セルが後退可能な蓋を含み、この蓋が後退しているときに、電極が、光電子信号を検出するために使用される。好ましい実施形態では、この荷電粒子ビーム・システムがさらに、放射源からの放射をサンプルに向かって導く放射ガイドを備える。
好ましい実施形態はさらに、荷電粒子ビーム・システム内でサンプルを処理する方法であって、移動ステージおよび集束カラムを含む荷電粒子ビーム・システムを用意するステップであり、この集束カラムが、移動ステージ上のサンプルに向かって荷電粒子のビームを誘導する能力を有するステップと、移動ステージを収容するための排気可能な室を用意するステップと、排気可能な室内にガスを供給するステップと、排気可能な室内のガスをサンプル表面と反応させるためのエネルギー源を用意するステップと、排気可能な室内のサンプルに向かって光子のビームを誘導するステップと、この光子ビームによって生成されたサンプルからの光電子信号を測定するステップとを含む方法を提供する。好ましくは、光子ビームによって生成されたサンプルからの光電子信号を測定するステップが、電極検出器に電圧を印加して、サンプルから放出され、ガス・カスケード増幅によって増幅された光電子を含む信号を検出するステップを含み、検出された信号が、サンプル表面の特性を決定するために使用される。
好ましくは、サンプルの特性を決定することが、処理が完了したかどうかを判定すること、および処理が完了している場合に処理をやめることを含む。好ましくは、排気可能な室内のガスをサンプル表面と反応させるためのエネルギー源を用意するステップが、サンプルを加熱するステップ、またはサンプル表面に向かって荷電粒子ビームを誘導するステップを含む。
本明細書で特に定義されていない場合、その用語は、その通常の一般的な意味で使用されることが意図されている。添付図面は、本発明の理解を助けることが意図されており、特に明記しない限り、一律の尺度では描かれていない。
本発明は、多数の発明態様および幅広い適用可能性を有し、上記の例において説明し、示した多くの利点を提供することができる。本発明の実施形態は、具体的な用途によって大きく異なり、全ての実施形態が、これらの全ての利点を提供するわけではなく、本発明によって達成可能な全ての目的を達成するわけではない。本明細書に添付された特許請求項または手続追行中に補正された特許請求項のうちの一部の特許請求項は、本明細書に記載された本発明の実施形態のうちの全てではない一部の実施形態をカバーすることがある。
本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。
100 荷電粒子ビーム・システム
102 荷電粒子ビーム・カラム
104 荷電粒子ビーム源
106 集束光学部品
108 偏向器
110 対物レンズ
112 磁極片
114 光軸
122 排気可能なサンプル室
124 サンプル移動ステージ
126 セル
402 放射源
404 サンプル

Claims (15)

  1. 荷電粒子源と、
    排気可能なサンプル室と、
    粒子の集束ビームを生成し、前記排気可能なサンプル室内のサンプルに向かって前記ビームを誘導するための粒子光学カラムと、
    環境ガスのイオン化しきい値までの複数の周波数範囲で単一の集束ビーム中の光子を、前記排気可能なサンプル室内の前記サンプルに向かって誘導する能力を有し、それによって前記サンプルが光電子を放出する光子源と、
    前記光電子信号を検出する電極と
    を備える荷電粒子ビーム・システム。
  2. 前記光電子信号がガス・カスケードで増幅される、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  3. 前記サンプルまたは前記ステージを流れる電流を光電子放出電流の尺度として検出するために、前記電極が、前記サンプルまたは前記ステージに接続された、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  4. 前記放射源がレーザである、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  5. 前記放射源が、約2eVから約10eVまでの間のあるエネルギー範囲にわたる光子を供給する能力を有する、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  6. 前記排気可能なサンプル室にガスを供給するガス源をさらに備える、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  7. 前記排気可能なサンプル室が、前記サンプル室内に環境セルを含む、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  8. 前記電極が、前記環境セル内に配置されており、
    前記放射源が、前記環境セルの外側に配置されており、
    前記環境セルが、前記放射が前記サンプルに到達することを可能にするフィードスルーを含む、
    請求項7に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  9. 前記環境セルが後退可能な蓋を含み、前記蓋が後退しているときに、前記電極が、前記光電子信号を検出するために使用される、請求項7に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  10. 前記放射源からの前記放射を前記サンプルに向かって導く放射ガイドをさらに備える、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  11. 荷電粒子ビーム・システム内でサンプルを処理する方法であって、
    移動ステージおよび集束カラムを含む荷電粒子ビーム・システムを用意するステップであり、前記集束カラムが、前記移動ステージ上のサンプルに向かって荷電粒子のビームを誘導する能力を有するステップと、
    前記移動ステージを収容するための排気可能な室を用意するステップと、
    前記排気可能な室内でガスをサンプルに局所的に供給するステップと、
    前記排気可能な室内の前記ガスをサンプル表面と反応させるためのエネルギー源を用意するステップと、
    前記排気可能な室内の前記サンプルに向かって、ある周波数範囲にわたる光子照射ビームを誘導するステップと、
    前記光子ビームによって生成された前記サンプルからの光電子信号を測定するステップと
    を含む方法。
  12. 前記光子ビームによって生成された前記サンプルからの光電子信号を測定する前記ステップが、電極検出器に電圧を印加して、前記サンプルから放出され、ガス・カスケード増幅によって増幅された光電子を含む信号を検出するステップを含み、検出された前記信号が、前記サンプル表面の特性を決定するために使用される、請求項11に記載の方法。
  13. サンプルの特性を決定することが、処理が完了したかどうかを判定すること、および処理が完了している場合に処理をやめることを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記排気可能な室内の前記ガスを前記サンプル表面と反応させるためのエネルギー源を用意する前記ステップが、前記サンプルを加熱するステップを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記排気可能な室内の前記ガスを前記サンプル表面と反応させるためのエネルギー源を用意する前記ステップが、前記サンプル表面に向かって荷電粒子ビームを誘導するステップを含む、請求項11に記載の方法。
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