JP2016054082A - リチウムイオン電池の充電制御方法、リチウムイオン電池の充電制御装置およびリチウムイオン電池システム - Google Patents

リチウムイオン電池の充電制御方法、リチウムイオン電池の充電制御装置およびリチウムイオン電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン電池について、正極電位の上昇を抑制することで、正極自体の劣化を抑制できるようにする。【解決手段】リチウムイオン電池はオリビン型結晶構造を有する正極活物質を含み、目標電圧まで定電流−定電圧充電方式による充電を行う充電工程(ステップS11,S22)と、負極の電位変化量を評価する負極電位評価工程(ステップS20)と、負極電位評価工程で評価した負極の電位変化量に基づいて、目標電圧を低下させる設定を行う電圧設定工程(ステップS21)とを有する。この構成によれば、充電回数の増加や経年劣化等に応じて負極電位が変化しても、目標電圧から設定電圧に充電する電圧を低下させるので、充電回数の増加や経年劣化等の影響を受けにくくなり、正極電位の上昇を抑制することができる。よって、正極自体の劣化を抑制することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、正極及び負極を備えるリチウムイオン電池に対する充電を制御するリチウムイオン電池の充電制御方法と、リチウムイオン電池の充電制御装置と、リチウムイオン電池システムとに関する。
従来では、充電の末期で正極の電位を速やかに上昇させ、クーロン効率、サイクル特性および充電容量を向上させることを目的とするリチウムイオン二次電池に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このリチウムイオン二次電池は、定電流定電圧方式または多段定電流方式によって充電が行われ、充電の末期で正極の電位が速やかに上昇する。
特開2009−093924号公報
しかし、特許文献1に記載の定電流定電圧または多段定電流による充電は、充放電や経年劣化に伴い、負極電位に対する相対的な正極電位(例えばカーボン負極に対する電位)が上昇していく。また、充電の末期で正極の電位が速く上昇すると、電界液分解ガスが発生したりする、という問題がある。さらに、充電末期において、抵抗が上昇する類の正極材料(オリビン型結晶構造を有する正極活物質等)を用いた場合、例えばリチウム金属基準の正極充電電位の上昇は、一定のCレートでなされた充電末における急激な負極の過電圧を引き起こし、リチウム析出等の問題を引き起こす。さらには、上記ガス発生を一層加速させる要因に成り得る。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、オリビン型結晶構造を有する正極活物質を用いた電池において、充電末期における正極電位(リチウム金属基準の正極電位)の上昇を抑制し、劣化を加速させる各問題を解決するリチウムイオン電池の充電制御方法、リチウムイオン電池の充電制御装置およびリチウムイオン電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、正極(22p)及び負極(22m)を備えるリチウムイオン電池(22)に対する充電を制御するリチウムイオン電池の充電制御方法において、前記リチウムイオン電池はオリビン型結晶構造を有する正極活物質を含み、目標電圧(Vtar)まで定電流−定電圧充電方式による充電を行う充電工程と、前記負極の電位変化量(ΔV)を評価する負極電位評価工程と、前記負極電位評価工程で評価した前記負極の電位変化量に基づいて、前記目標電圧を低下させる設定を行う電圧設定工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、充電工程は、負極電位評価工程によって負極電位(負極の電位)を評価する前は目標電圧まで充電を行い、負極電位評価工程によって負極電位を評価した後は電圧設定工程で設定した電圧まで充電を行う。充電回数の増加や経年劣化等に応じて負極電位が変化しても、評価された負極電位に基づいて充電する電圧を低下させるので、充電回数の増加や経年劣化等の影響を受けにくくなり、正極電位の上昇を抑制することができる。よって、正極自体の劣化を抑制することができる。
第2の発明は、正極(22p)及び負極(22m)を備えるリチウムイオン電池(22)に対する充電を制御するリチウムイオン電池の充電制御装置(21)において、前記リチウムイオン電池はオリビン型結晶構造を有する正極活物質を含み、目標電圧(Vtar)まで定電流−定電圧充電方式による充電を行う充電手段(21b)と、前記負極の電位変化量(ΔV)を評価する負極電位評価手段(21c)と、前記負極電位評価手段で評価した前記負極の電位変化量に基づいて、前記目標電圧を低下させる設定を行う電圧設定手段(21a)とを有することを特徴とする。
この構成によれば、充電手段は、負極電位評価手段によって負極電位(負極の電位)を評価する前は目標電圧まで充電を行い、負極電位評価手段によって負極電位を評価した後は電圧設定手段で設定した電圧まで充電を行う。充電回数の増加や経年劣化等に応じて負極電位が変化しても、評価された負極電位に基づいて充電する電圧を低下させるので、充電回数の増加や経年劣化等の影響を受けにくくなり、正極電位の上昇を抑制することができる。よって、正極自体の劣化を抑制することができる。
第3の発明は、リチウムイオン電池システム(20)において、請求項6から10のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池の充電制御装置(21)と、前記リチウムイオン電池(22)とを有することを特徴とする。
この構成によれば、充電末期の正極電位(例えば金属リチウム基準)の上昇を抑制し、正極自体の劣化を抑制できるリチウムイオン電池システムを提供することができる。
なお「リチウムイオン電池」は、オリビン型結晶構造を有する正極活物質を含む二次電池である。「目標電圧」は、所望の電池容量(放電電圧)を確保するため、一般的には充電回数の増加に伴って変化する。「定電流−定電圧(Constant Current−Constant Voltage)充電方式」は、所定の充電電圧になるまで定電流(電圧可変)で充電を行い、所定の充電電圧になった後は定電圧(電流可変)で充電を行う。「負極の電位変化量」は、初回の満充電時における負極の電位を基準とし、リチウムイオン電池の充放電に伴って負極の電位が変化する電位差である。
リチウムイオン電池システムの第1構成例を示す模式図である。 充電制御装置の構成例を示す模式図である。 負極電位(負極電圧)の変化例を示すグラフ図である。 充電制御処理の手続き例を示すフローチャート図である。 充電曲線と放電曲線の変化例を示すグラフ図である。 負極電位の第1評価例を説明する図(グラフ図)である。 負極電位の第2評価例を説明する図(グラフ図)である。 負極電位の第3評価例を説明する図(グラフ図)である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。本明細書では、正極の電位を「正極電位」と呼び、負極の電位を「負極電位」と呼ぶことにする。単に「電圧」と言う場合は、正極電位と負極電位との電位差を意味する。
図1に示すリチウムイオン電池システム20は、車両(主に自動車)に備えられ、充電制御装置21,リチウムイオン電池22などを有する。単に「電池パック」と呼ばれることもある。充電制御装置21は、リチウムイオン電池22に対する充電を制御する。図示するスイッチSWは、必要に応じて備えてよく、破線で示すように充電制御装置21によってオン/オフが制御される。
充電制御装置21は、スイッチSWをオフにした状態において、電力源10から供給される電力を受けて充電制御装置21への充電を行う。当該充電は、定電流−定電圧充電方式で行う(図4を参照)。また充電制御装置21は、スイッチSWをオンにした状態において、リチウムイオン電池22から負荷30に電力を供給(すなわち放電)する。充電制御装置21の構成例については後述する(図2を参照)。充電制御装置21は、リチウムイオン電池22の充放電を監視する点で「保護回路」とも言える。
電力源10は、充電に必要な電力を供給可能であれば任意である。例えば、発電機能を有する回転電機、発電機、太陽電池、他の電池(リチウムイオン電池であるか否かを問わない)、商用電源などが該当する。負荷30は、電力の供給を受けて作動する要素(例えば車両に備える機器,装置,部品等)であれば任意である。電力源10と負荷30は、通常は異なる要素であるが、同一の要素であってもよい。
リチウムイオン電池22は、オリビン型結晶構造(オリビン系)の正極活物質を有する二次電池であって、少なくとも正極22p,負極22m,電解液22eを有する。二点鎖線で示す参照極22r(さらに後述する参照端子222)は必要に応じて備えてよい。図示しないが、正極22pと負極22mの間には絶縁性のセパレータが介在される。
正極22p及び負極22mは、いずれも集電体や電極層などを有する。集電体は、金属元素や合金を問わず、任意の導電性材料で成形してよく、任意の形状で成形してよい。金属箔を含めてもよく、電気抵抗率が低い金属元素や合金でもよい。電極層は「活物質層」とも呼ばれ、正極22pや負極22mに応じた物質で集電体に層状に設けられる。電解液22e(電解質)は、正極22pと負極22mの間で荷電担体(例えばイオンなど)の輸送を行えれば任意である。
本形態では、各極を次のように成形や接続を行う。正極22pは、オリビン型結晶構造の正極活物質を含ませて成形してあればよく、導電材,結着材,溶媒等として用いる物質を問わない。オリビン型結晶構造の正極活物質は、リチウム−遷移金属複合酸化物の一種である。例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO),リン酸マンガンリチウム(LiMnPO),リン酸マンガン鉄リチウム(LiFeMn1−xPO;ただし0≦x<1),リン酸ニッケル(LiNiPO)などが該当する。
負極22mは、負極活物質を含めて成形してあればよく、導電材,結着材,溶媒等として用いる物質を問わない。負極活物質は、黒鉛系(炭素系)材料でもよく、Sn,Si,Sb,Ge,Cのうちで少なくとも一つの元素を含む材料でもよい。参照極22rは金属リチウムで成形する基準電極である。正極22pはプラス端子221に接続する。負極22mはマイナス端子223に接続する。参照極22rは参照端子222に接続する。その他にセパレータや非水電解質等は、リチウムイオン電池22として機能すれば任意の物質を適用してよい。要するに、リチウムイオン電池22が後述する図5〜図8に示す充電特性を呈するように構成されていればよい。
図2に示す充電制御装置21は、電圧設定手段21a,充電手段21b,負極電位評価手段21c,記録部21d,電圧記録手段21eなどを有する。
充電手段21bは、リチウムイオン電池22に対する充電や放電の制御を行う。この充電手段21bは、初回の充電(負極電位評価手段21cによって負極電位を評価する前)では目標電圧Vtarまで充電を行う。目標電圧Vtarは任意の形式で記録しておく。例えば、記録部21dに目標電圧Vtarを記録してもよく、プログラムに目標電圧Vtarを含めてもよい。また、充電手段21bは、2回目以降の充電(負極電位評価手段21cによって負極電位を評価した後)では電圧設定手段21aで設定した設定電圧Vsetまで充電を行う。目標電圧Vtarと設定電圧Vsetは、数値が異なるものの、リチウムイオン電池22の充電を行う目的の電圧という点で同一要素である。
電圧記録手段21eは、充電や放電に伴って時々刻々と変化するリチウムイオン電池22の電圧を測定し、記録部21dに記録する。電圧を測定することから、電圧センサを備える。リチウムイオン電池22の電圧は、正極電位と負極電位との電位差であるので、図1に示すプラス端子221とマイナス端子223との間を電圧センサで測定する。電圧センサの設置位置は任意であって、充電制御装置21に備えてもよく、充電制御装置21の外部に備えてもよい。負極22mの電位変化量ΔVを評価することができる限りにおいて、電圧を測定して記録部21dに記録するタイミングは任意に設定してよい。以下では、充電時に測定される電圧を「充電電圧Vchg」とし、放電時に測定される電圧を「放電電圧Vdis」とする。
記録部21dは、充電電圧Vchgや放電電圧Vdis、その他の処理データを記録できる記録媒体であれば任意である。電源遮断後も記録内容を保持可能な不揮発性メモリを用いるのが望ましい。所定のデータの集合体を「プロファイル」と呼ぶことにする。例えば、充電電圧Vchgのプロファイルや、放電電圧Vdisのプロファイルなどが該当する。
負極電位評価手段21cは、充電電圧Vchgや放電電圧Vdisなどのデータに基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価する。ここで、電位変化量ΔVについて図3を参照しながら説明する。
図3には、縦軸を負極電位[V]とし、横軸を充電率Q[%]として、充電時における負極電位の変化例を示す。初回の充電時における変化を充電曲線L1(実線)で示し、n回目(nは2以上の整数)の充電時における変化を充電曲線L2(一点鎖線)で示す。充電曲線L1,L2は、いずれも「特性線」に相当する。負極電位は、図1に示す負極22mと参照極22rとの電位差であり、電圧センサをマイナス端子223と参照端子222の間に接続して測定できる。この負極電位は、矢印D1で示すように、充電回数の増加や経年劣化等に応じて特性が次第に変化する。
充電曲線L1は、充電率Q1から負極電位が低下し始める。これに対して、充電曲線L2は、充電率Q2(例えば満充電を示す100[%])を超えてからようやく負極電位が低下し始める。負極電位は、充電率Q2において、充電曲線L1は電圧V1であり、充電曲線L2は電圧V2である。初回の充電とn回目の充電とでは電位差(V2−V1)が生じ、この電位差を「電位変化量ΔV」とする。
図2に戻り、負極電位評価手段21cは、負極22mの電位変化量ΔVの評価を行う。本形態では、差分値評価法、シフト量評価法、微分係数評価法のうちで一以上を適用する。各評価法の具体例については後述する(図4,図6〜図8を参照)。
電圧設定手段21aは、負極電位評価手段21cで評価した負極22mの電位変化量ΔVに基づいて、目標電圧Vtarから低下させた設定電圧Vsetを設定する。すなわち、Vset=Vtar−ΔVである。設定電圧Vsetは記録部21dに記録するとよい。よって充電手段21bは、2回目以降の充電において設定電圧Vsetを新たな目標電圧Vtarとして、リチウムイオン電池22に充電を行う。
リチウムイオン電池22に対する充電や放電に関する制御例について、図4〜図8を参照しながら説明する。なお図4において、ステップS11,S22は充電工程,充電手段21bに相当し、ステップS20は負極電位評価工程,負極電位評価手段21cに相当し、ステップS21は電圧設定工程,電圧設定手段21aに相当する。また、図5〜図8は図3と同様に、縦軸を負極電位[V]とし、横軸を充電率Q[%]とする変化を示す。
図4に示す充電制御処理は、充電制御装置21で繰り返し実行される。まず、リチウムイオン電池22への充電が初回か否かで分岐する〔ステップS10〕。リチウムイオン電池22の電圧は、既充電(2回目以上)よりも未充電(初回)が低いので、既充電と未充電との間を閾値電圧(例えば0.3[V])として判別してもよい。
リチウムイオン電池22への充電が初回であれば(ステップS10でYES)、スイッチSWをオフに切り替えて、電力源10から供給される電力を受けて目標電圧Vtarまでリチウムイオン電池22への充電を行う〔ステップS11〕。充電を行う際には、時々刻々と変化する充電電圧Vchgを記録部21dに記録する。
初回の充電において、記録部21dに記録された充電電圧Vchgに基づいてグラフ状に表すと、例えば図5に実線で示す充電曲線L1のように変化する。初回の充電は、目標電圧Vtarに達する充電率Q1(>100[%])まで定電流充電制御CCで行い、充電率Q1以降は定電圧充電制御CVで行う。定電流充電制御CCは、一定電流かつ可変電圧による充電を行う制御である。定電圧充電制御CVは、一定電圧かつ可変電流による充電を行う制御である。
図4に戻る。初回の充電を完了した後は、スイッチSWをオンに切り替えて、リチウムイオン電池22から負荷30に供給するために放電し〔ステップS12〕、初回の充電制御処理を終了(リターン)する。放電を行う際には、時々刻々と変化する放電電圧Vdisを記録部21dに記録する。記録された放電電圧Vdisに基づいてグラフ状に表すと、例えば図6に示す放電曲線Ldisのように変化する。
一方、リチウムイオン電池22への充電が2回目以上であれば(ステップS10でNO)、現時点における負極電位(負極22mの電位)を評価する〔ステップS20〕。ここで、負極電位の評価法(差分値評価法,シフト量評価法,微分係数評価法)について図6〜図8を参照しながら説明する。「充電曲線」は、記録部21dに記録された充電電圧Vchgに基づいて得られる曲線である。「放電曲線」は、記録部21dに記録された放電電圧Vdisに基づいて得られる曲線である。
(差分値評価法)
差分値評価法は、充電電圧Vchgと放電電圧Vdisとの差分値に基づいて電位変化量ΔVを評価する方法である。図6に示すように、リチウムイオン電池22への充電時における充電電圧Vchgは充電曲線Lchgのように変化し、リチウムイオン電池22からの放電時における放電電圧Vdisは放電曲線Ldisのように変化する。差分値評価法では、充電曲線Lchgと放電曲線Ldisの平均である平均値曲線Lavaを基準とし、充電曲線Lchgと平均値曲線Lavaとの差分だけ負極22mの電位が上がるものと推定する。同一の充電率Qmにおいて、充電曲線Lchgの電圧を充電電圧Vchgとし、平均値曲線Lavaの電圧を平均電圧Vavaとする。このとき、電位変化量ΔVはΔV=Vchg−Vavaで求められる。
また、充電率Qmにおいて放電曲線Ldisの電圧を放電電圧Vdisとする。この場合の電位変化量ΔVは、ΔV=Vava−Vdisで求めてもよく、ΔV=(Vchg−Vdis)/2で求めてもよい。単純平均に限らず、充電回数を考慮して加重平均で求めてもよい。
(シフト量評価法)
シフト量評価法は、シフト量に基づいて電位変化量ΔVを評価する方法である。図7には、初回の充電曲線L3を実線で示し、2回目以降の充電曲線L4を一点鎖線で示す。充電曲線L3,L4は、いずれも「特性線」に相当する。リチウムイオン電池22の電圧が変化する変化量が閾値Vth(例えば30[mV])を超えて変化する位置を「段状変化位置」とする。図7における段状変化位置は、充電曲線L3について充電率Q3が該当し、充電曲線L4について充電率Q4が該当する。充電率Q4と充電率Q3の差分を「シフト量ΔQ」とする。
シフト量ΔQは、充電率Qの増減方向にシフトする変化量である。このシフト量ΔQは負極電位と1対1で対応しており、電位変化量ΔVと同様に充電回数が増えるにつれて大きくなる。そこで、シフト量ΔQと電位変化量ΔVとの関係を予め記録部21dに記録しておく。記録部21dに記録する内容は、シフト量ΔQに基づいて電位変化量ΔVが特定(評価)できれば任意である。例えばマップ,テーブル,関数等が該当する。こうして、シフト量ΔQに基づいて電位変化量ΔVを評価する。
(微分係数評価法)
微分係数評価法は、微分係数に基づいて電位変化量ΔVを評価する方法であって、シフト量評価法の変形例である。微分係数dは、充電曲線を充電率で微分して得られる係数である。図8に示す例の微分係数dV/dQは、充電曲線L5を充電率Q5で微分して得る。充電曲線L5は「特性線」に相当する。具体的には、充電率Q5から微少充電率dQまで変化したとき、充電曲線L5にかかる充電電圧Vchgが電圧変化量dVだけ変化したときに、dV/dQを演算して求める。こうして求めた微分係数dV/dQが閾値(例えば5)を超えたときの充電率Q(図8では充電率Q5)を段状変化位置と特定する。特定した段状変化位置に基づいてシフト量ΔQを求め、当該シフト量ΔQに基づいて電位変化量ΔVを評価する点はシフト量評価法と同じである。段差を直接観測するより、シフト量ΔQをより高精度で求められ、ひいては電位変化量ΔVをより高精度で求められる。
再び図4に戻る。ステップS20で評価した電位変化量ΔV(負極電位の変化量)に基づいて目標電圧Vtarを低下させて設定電圧Vsetを設定する〔ステップS21〕。ステップS21で設定される設定電圧Vsetは、Vset=Vtar−ΔVである。例えば、目標電圧Vtarが4.25[V]であり、電位変化量ΔVが0.02[V]であれば、設定電圧Vsetは4.23[V]になる。
設定電圧Vsetが設定されると、電力源10から供給される電力を受けて設定電圧Vsetまでリチウムイオン電池22への充電を行う〔ステップS22〕。ステップS22は、ステップS11と同様にスイッチSWをオフに切り替える。充電を行う際には、必要に応じて時々刻々と変化する充電電圧Vchgを記録部21dに記録してよい。なお、上述したステップS21,S22は順不同に実行してもよく、同時並行に実行してもよい。
2回目以降の充電を完了した後は、スイッチSWをオンに切り替えて、リチウムイオン電池22から負荷30に供給するために放電し〔ステップS12〕、初回の充電制御処理を終了(リターン)する。放電を行う際には、必要に応じて時々刻々と変化する放電電圧Vdisを記録部21dに記録してよい。
2回目以降の充電において、記録部21dに記録された充電電圧Vchgに基づいてグラフ状に表すと、例えば図5に一点鎖線で示す充電曲線L2のように変化する。2回目以降の充電は、設定電圧Vsetに達する充電率Q1(>100[%])まで定電流充電制御CCで行い、充電率Q1以降は定電圧充電制御CVで行う。
以上のように示す充電制御を行うことにより、負極22mの電位が変化しても、目標電圧Vtarよりも低い設定電圧Vsetで2回目以降の充電を行う。そのため、充電の末期では正極22pの電位上昇が抑えられ、リチウム析出を抑制して正極22p自体が劣化するのを抑えられ、電界液分解ガスの発生を抑えることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態では、リチウムイオン電池システム20を車両(車輪数を問わない)に備える構成とした。この形態に代えて、車両以外の移動機器(例えば航空機や船舶など)に備える構成としてもよく、移動端末に備える構成としてもよい。充電制御装置21についても同様である。設置対象が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、図5に示す充電曲線L1を初回の充電、同じく充電曲線L2を2回目以降の充電とした(図5を参照)。この形態に代えて、充電曲線L2をn回目の充電とするとき、充電曲線L1を(n−1)回目(ただしn>3)の充電としてもよい。すなわち、充電曲線L2と基準として、前回以前の充電時に記録された充電電圧Vchgを用いてもよく、前回以前であって複数回に記録された充電電圧Vchgを用いて演算した結果(例えば単純平均,加重平均,移動平均など)でもよい。記録部21dに記録された最適なデータを用いることで、n回目の充電におけるリチウムイオン電池22に最適な設定電圧Vsetを設定することができる。よって、リチウム析出を抑制して正極22p自体が劣化するのを抑えられ、電界液分解ガスの発生を抑えることができる。
上述した実施の形態では、充電のために電力を供給する一つの電力源10を適用し、充放電を行う一つリチウムイオン電池22を適用し、放電のために電力を供給する一つの負荷30を適用する構成とした(図1を参照)。この形態に代えて、複数の電力源10を適用してもよく、複数のリチウムイオン電池22を適用してもよく、複数の負荷30を適用してもよい。いずれも形態(定格,容量,種類,接続方法など)を問わない。数量が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、負極電位(負極22mの電位)は、差分値評価法,シフト量評価法,微分係数評価法のいずれかで評価する構成とした(図4,図6〜図8を参照)。この形態に代えて、差分値評価法,シフト量評価法,微分係数評価法のうちで二以上の評価法を用いて評価してもよく、他の評価法(例えばマイナス端子223と参照端子222の間に電圧センサを接続して測定する等)を用いて評価してもよい。いずれにせよ、現時点におけるリチウムイオン電池22の負極電位を評価することができるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、正極22pはオリビン型結晶構造の正極活物質を含ませて成形する構成とした(図1を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、オリビン型結晶構造以外の正極活物質を含ませて正極22pを成形してもよい。オリビン型結晶構造以外の正極活物質は、例えばポリアニオン型結晶構造の正極活物質などが該当する。ポリアニオン型結晶構造の正極活物質は、Liαβη4−γγ(ただし0≦α≦2.0、0≦β≦1.5、1≦η≦1.5、0≦γ≦1.5)の化学式で表される。MはMn,Co,Ni,Fe,Cu,Cr,Mg,Ca,Zn,Tiより選ばれる一種以上の物質である。XはP,As,Si,Mo,Geより選ばれる一種以上の物質である。ZはAl,Mg,Ca,Zn,Tiより選ばれる一種以上の物質である。要するに、正極22pに含まれる正極活物質によって、リチウムイオン電池22が後述する図5〜図8に示す充電特性を呈するように構成されていればよい。現時点におけるリチウムイオン電池22の負極電位を評価できるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
〔作用効果〕
上述した実施の形態および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)リチウムイオン電池22の充電制御方法において、リチウムイオン電池22はオリビン型結晶構造を有する正極活物質を含み、目標電圧Vtarまで定電流−定電圧充電方式による充電を行う充電工程(図4のステップS11,S22)と、負極22mの電位変化量ΔVを評価する負極電位評価工程(図4のステップS20)と、負極電位評価工程で評価した負極22mの電位変化量ΔVに基づいて、目標電圧Vtarを低下させる設定を行う電圧設定工程(図4のステップS21)とを有する構成とした(図2,図4〜図8を参照)。この構成によれば、充電工程は、負極電位評価工程によって負極電位を評価する前は目標電圧Vtarまで充電を行い(図4のステップS11)、負極電位評価工程によって負極電位を評価した後は電圧設定工程で設定した電圧(設定電圧Vset)まで充電を行う(図4のステップS22)。充電回数の増加や経年劣化等に応じて負極電位が変化しても、目標電圧Vtarから設定電圧Vsetに充電する電圧を低下させるので、充電回数の増加や経年劣化等の影響を受けにくくなり、正極電位の上昇を抑制することができる。よって、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(2)負極電位評価工程(図4のステップS20)は、リチウムイオン電池22に充電する電圧を測定して得られる充電電圧Vchgと、リチウムイオン電池22から放電される電圧を測定して得られる放電電圧Vdisとの一方または双方に基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成とした(図4,図6〜図8を参照)。この構成によれば、記録部21dに記録される充電電圧Vchgや放電電圧Vdisによって、負極22mの電位変化量ΔVを評価することができる。よって、正極電位の上昇を抑制することができ、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(3)負極電位評価工程(図4のステップS20)は、同一の充電率Qmにおける充電電圧Vchgと放電電圧Vdisとの差分値に基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成とした(図4,図6を参照)。すなわち、ΔV=Vchg−Vava、ΔV=Vava−Vdis、ΔV=(Vchg−Vdis)/2のいずれかで求められる。この構成によれば、電圧センサで簡単に測定できる充電電圧Vchgや放電電圧Vdisに基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価することができる。よって、正極電位の上昇を抑制することができ、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(4)負極電位評価工程(図4のステップS20)は、充電率Qに対する充電電圧Vchgの変化量が閾値Vthを超えて変化する段状変化位置(充電率Q5)を特定し、段状変化位置が充電率Qの増減方向にシフトするシフト量ΔQに基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成とした(図4,図7を参照)。充電電圧Vchgに代えて(あるいは加えて)、放電電圧Vdisを適用してシフト量ΔQを求め、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成としてもよい。これらの構成によれば、負極22mの電位(負極電位)と1対1で対応するシフト量ΔQに基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価することができる。よって、正極電位の上昇を抑制することができ、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(5)負極電位評価工程(図4のステップS20)は、充電電圧Vchgの充電曲線L5(特性線)について、充電率Qで微分して得られる微分係数dV/dQに基づいて、段状変化位置(図8では充電率Q5)を特定する構成とした(図4,図8を参照)。充電電圧Vchgの充電曲線L5に代えて(あるいは加えて)、放電電圧Vdisの放電曲線について、充電率Qで微分して得られる微分係数dV/dQに基づいて、段状変化位置を特定する構成としてもよい。放電曲線は、特性線に相当し、例えば図6に示す放電曲線Ldisが該当する。これらの構成によれば、充電曲線L3,L4の段差を直接観測するより、シフト量ΔQが高精度で求められ、ひいては電位変化量ΔVが高精度で求められる。
(6)リチウムイオン電池22の充電制御装置21において、リチウムイオン電池22はオリビン型結晶構造を有する正極活物質を含み、目標電圧Vtarまで定電流−定電圧充電方式による充電を行う充電手段21bと、負極22mの電位変化量ΔVを評価する負極電位評価手段21cと、負極電位評価手段21cで評価した負極22mの電位変化量ΔVに基づいて、目標電圧Vtarを低下させる設定を行う電圧設定手段21aとを有する構成とした(図2,図4〜図8を参照)。この構成によれば、充電手段21bは、負極電位評価手段21cによって負極電位(負極22mの電位)を評価する前は目標電圧Vtarまで充電を行い、負極電位評価手段21cによって負極電位を評価した後は電圧設定手段21aで設定した電圧(設定電圧Vset)まで充電を行う。充電回数の増加や経年劣化等に応じて負極電位が変化しても、評価された負極電位に基づいて充電する電圧を低下させるので、充電回数の増加や経年劣化等の影響を受けにくくなり、正極電位の上昇を抑制することができる。よって、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(7)負極電位評価手段21cは、リチウムイオン電池22に充電する電圧を測定して得られる充電電圧Vchgと、リチウムイオン電池22から放電される電圧を測定して得られる放電電圧Vdisとの一方または双方に基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成とした(図2,図4,図6〜図8を参照)。この構成によれば、記録部21dに記録される充電電圧Vchgや放電電圧Vdisによって、負極22mの電位変化量ΔVを評価することができる。よって、正極電位の上昇を抑制することができ、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(8)負極電位評価手段21cは、同一の充電率Qmにおける充電電圧Vchgと放電電圧Vdisとの差分値に基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成とした(図4,図6を参照)。すなわち、ΔV=Vchg−Vava、ΔV=Vava−Vdis、ΔV=(Vchg−Vdis)/2のいずれかで求められる。この構成によれば、電圧センサで簡単に測定できる充電電圧Vchgや放電電圧Vdisに基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価することができる。よって、正極電位の上昇を抑制することができ、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(9)負極電位評価手段21cは、充電率Qに対する充電電圧Vchgの変化量が閾値Vthを超えて変化する段状変化位置を特定し、段状変化位置が充電率Qの増減方向にシフトするシフト量ΔQに基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成とした(図4,図7を参照)。充電電圧Vchgに代えて(あるいは加えて)、放電電圧Vdisを適用してシフト量ΔQを求め、負極22mの電位変化量ΔVを評価する構成としてもよい。これらの構成によれば、負極22mの電位(負極電位)と1対1で対応するシフト量ΔQに基づいて、負極22mの電位変化量ΔVを評価することができる。よって、正極電位の上昇を抑制することができ、正極22p自体の劣化を抑制することができる。
(10)負極電位評価手段21cは、充電電圧Vchgの充電曲線L5(特性線)について、充電率Qで微分して得られる微分係数dV/dQに基づいて、段状変化位置(図8では充電率Q5)を特定する構成とした(図4,図8を参照)。充電電圧Vchgの充電曲線L5に代えて(あるいは加えて)、上述した放電電圧Vdisの放電曲線について、充電率Qで微分して得られる微分係数dV/dQに基づいて、段状変化位置を特定する構成としてもよい。これらの構成によれば、充電曲線L3,L4の段差を直接観測するよりもシフト量ΔQが高精度で求められ、ひいては電位変化量ΔVが高精度で求められる。
(11)リチウムイオン電池システム20は、リチウムイオン電池22の充電制御装置21と、リチウムイオン電池22とを有する構成とした(図1を参照)。この構成によれば、正極電位の上昇を抑制し、正極22p自体の劣化を抑制できるリチウムイオン電池システム20を提供することができる。
20 リチウムイオン電池システム
21 充電制御装置
21a 電圧設定手段
21b 充電手段
21c 負極電位評価手段
21d 記録部
22 リチウムイオン電池
22m 負極
22p 正極
Vset 設定電圧
Vtar 目標電圧

Claims (11)

  1. 正極(22p)及び負極(22m)を備えるリチウムイオン電池(22)に対する充電を制御するリチウムイオン電池の充電制御方法において、
    前記リチウムイオン電池はオリビン型結晶構造を有する正極活物質を含み、
    目標電圧(Vtar)まで定電流−定電圧充電方式による充電を行う充電工程と、
    前記負極の電位変化量(ΔV)を評価する負極電位評価工程と、
    前記負極電位評価工程で評価した前記負極の電位変化量に基づいて、前記目標電圧を低下させる設定を行う電圧設定工程と、
    を有することを特徴とするリチウムイオン電池の充電制御方法。
  2. 前記負極電位評価工程は、前記リチウムイオン電池に充電する電圧を測定して得られる充電電圧(Vchg)と、前記リチウムイオン電池から放電される電圧を測定して得られる放電電圧(Vdis)との一方または双方に基づいて、前記負極の電位変化量を評価することを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の充電制御方法。
  3. 前記負極電位評価工程は、同一の充電率(Q)における前記充電電圧と前記放電電圧との差分値に基づいて、前記負極の電位変化量を評価することを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池の充電制御方法。
  4. 前記負極電位評価工程は、前記充電率に対する前記充電電圧および前記放電電圧のうちで一方または双方の変化量が閾値を超えて変化する段状変化位置(Q5)を特定し、前記段状変化位置が前記充電率の増減方向にシフトするシフト量に基づいて、前記負極の電位変化量を評価することを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池の充電制御方法。
  5. 前記負極電位評価工程は、前記充電電圧および前記放電電圧のうちで一方または双方にかかる電圧の特性線(L5)について、前記充電率で微分して得られる微分係数(dV/dQ)に基づいて、前記段状変化位置を特定することを特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン電池の充電制御方法。
  6. 正極(22p)及び負極(22m)を備えるリチウムイオン電池(22)に対する充電を制御するリチウムイオン電池の充電制御装置(21)において、
    前記リチウムイオン電池はオリビン型結晶構造を有する正極活物質を含み、
    目標電圧(Vtar)まで定電流−定電圧充電方式による充電を行う充電手段(21b)と、
    前記負極の電位変化量(ΔV)を評価する負極電位評価手段(21c)と、
    前記負極電位評価手段で評価した前記負極の電位変化量に基づいて、前記目標電圧を低下させる設定を行う電圧設定手段(21a)と、
    を有することを特徴とするリチウムイオン電池の充電制御装置。
  7. 前記負極電位評価手段は、前記リチウムイオン電池に充電する電圧を測定して得られる充電電圧(Vchg)と、前記リチウムイオン電池から放電される電圧を測定して得られる放電電圧(Vdis)との一方または双方に基づいて、前記負極の電位変化量を評価することを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン電池の充電制御装置。
  8. 前記負極電位評価手段は、同一の充電率(Q)における前記充電電圧と前記放電電圧との差分値に基づいて、前記負極の電位変化量を評価することを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン電池の充電制御装置。
  9. 前記負極電位評価手段は、前記充電率に対する前記充電電圧および前記放電電圧のうちで一方または双方の変化量が閾値を超えて変化する段状変化位置(Q5)を特定し、前記段状変化位置が前記充電率の増減方向にシフトするシフト量に基づいて、前記負極の電位変化量を評価することを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン電池の充電制御装置。
  10. 前記負極電位評価手段は、前記充電電圧および前記放電電圧のうちで一方または双方にかかる電圧の特性線(L5)について、前記充電率で微分して得られる微分係数(dV/dQ)に基づいて、前記段状変化位置を特定することを特徴とする請求項9に記載のリチウムイオン電池の充電制御装置。
  11. 請求項6から10のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池の充電制御装置(21)と、
    前記リチウムイオン電池(22)と、
    を有することを特徴とするリチウムイオン電池システム(20)。
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