JP2016051450A - 監視用通信システム及び監視用通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の利用者の状態の良否を適切に判定する監視用通信システムを提供する。
【解決手段】本発明の監視用通信システムは、建物の利用者の行動に伴って変化する特徴量を示す特徴量データとして建物内でのエネルギー消費量を示すデータと、外出行動に伴う不在時間を示すデータと、を取得し、利用者の状態の良否に関するスコアを管理し、当該スコアに応じた情報を示す報知データを、予め指定された端末に向けて送信する。また、上記のスコアは、監視期間内においてエネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数、及び、エネルギー消費量の種類に対応する配点数に基づいて算出される値と、不在時間、及び、不在時間の単位時間あたりの配点数に基づいて算出される値と、を用いて求められる。
【選択図】図10

Description

本発明は、建物の利用者の状態を監視するために構築された監視用通信システム、及び、コンピュータを用いて実現される監視用通信方法であって、特に、利用者の行動に伴って変化する特徴量に基づいて利用者の状態の良否を判定する監視用通信システム及び監視用通信方法に関する。
近年、一人暮らしをしている高齢者、介護を受けている被介護者、単身赴任の労働者、親元から離れて生活している若者等、独居者が多数存在している。一方で、通信技術を利用して、独居者が居る建物(住宅)から離れた場所に居る者が当該独居者の状態を見守る(監視する)ことについては、既に公知である。例えば、見守られる者(以下、対象者)が居住している住居内に複数のセンサ(具体的には人感センサ)を設置し、そのセンサの検知結果から上記の対象者が在宅であるか否か、あるいは対象者が居る部屋等を判定することが知られている。しかしながら、このような構成ではセンサ設置に比較的高額な費用を要することになる。また、対象者は、宅内各所に設置された人感センサによって常に監視されている感覚(見張られ感)を感じるようになる。
以上の構成が抱える課題を解決するため、近年では、人感センサ等を用いなくとも対象者の状態を監視することが可能なシステムが開発されている。かかるシステムの一例として、特許文献1乃至3のそれぞれに記載されたシステムについて説明すると、特許文献1に記載の見守りシステムは、家電機器の通電情報を検知し、その通電情報が予め定められた通報条件に適合した場合には監視者側の端末に通知するものである。特許文献2に記載の状態判定システムは、宅内での電気機器の消費電力から居住者の状態を判定するものである。特許文献3に記載の監視装置は、居住者の行為に起因する電力の変化を示す差分曲線を算出し、この差分曲線に基づいて、電力の推移が居住者の行為に起因する確率を算出し、さらに、この確率に基づいて、住宅内の異常の有無を判断するものである。
特開2014−56423号公報 特開2013−235539号公報 特開2012−159896号公報
上記の特許文献1乃至3に記載された発明は、いずれも、宅内で使用されるエネルギー消費機器の使用の有無や消費エネルギー量から居住者の状態を判定(厳密には推定)するものである。しかしながら、エネルギー消費機器の使用の有無や消費エネルギー量だけでは、居住者の状態を適切に判定することが困難である。例えば、エネルギー消費機器が作動し、その事を検知して居住者の状態が良好であると判定した場合、その直後に異常が生じたとしても、良好であるという判定結果が維持されてしまう可能性がある。また、エネルギー消費機器の使用状況だけで居住者の状態を判定しようとすると、外出等で居住者が宅内に居ないにも拘らず、エネルギー消費機器が不使用状態となってから一定時間が経過することで居住者の状態が異常であると誤判定する可能性もある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物の利用者の状態の良否を適切に判定する監視用通信システム及び監視用通信方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明の監視用通信システムによれば、建物の利用者の状態を監視するために構築された監視用通信システムであって、(A)前記利用者の行動に伴って変化する特徴量を示す特徴量データを取得する特徴量データ取得部と、(B)前記利用者の状態の良否に関するスコアを管理するスコア管理部と、(C)前記スコアに応じた情報を示す報知データを、予め指定された端末に向けて送信して、該端末に前記情報を報知させる報知データ送信部と、(D)前記特徴量の種類別に配点数を記憶している記憶部と、を有し、(E)前記特徴量データ取得部は、(e1)前記利用者のエネルギー消費行動に伴って変化する前記建物内でのエネルギー消費量を示す前記特徴量データと、(e2)前記利用者の外出行動に伴って変化する前記建物内に前記利用者が居ない不在時間を示す前記特徴量データと、を取得し、(F)前記スコア管理部は、(f1)予め設定された監視期間内において前記特徴量データが示す前記エネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数、及び、前記記憶部が記憶している前記エネルギー消費量の種類に対応する前記配点数に基づいて算出される値と、(f2)前記特徴量データが示す前記不在時間、及び、前記記憶部が記憶している前記不在時間の単位時間あたりの前記配点数に基づいて算出される値と、を用いて前記スコアを求めることにより解決される。
以上のように構成された本発明の監視用通信システムは、利用者の行動に伴って変化する特徴量に基づいて利用者の状態を判定する。具体的に説明すると、利用者のエネルギー消費行動に伴って変化する建物内でのエネルギー消費量、及び、利用者の外出行動に伴って変化する建物内に居ない不在時間を特徴量として入手する。また、入手したエネルギー消費量からは、監視期間内においてエネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数を特定する。このようにエネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回るということは、建物の利用者が建物内で行動(エネルギー消費行動)を開始してから当該行動を中断/中止したことを意味し、利用者の状態が正常である可能性が高いことを反映している。一方、不在時間があるということは、建物の利用者が外出行動を行っていることを意味し、利用者の状態が正常である可能性が高いことを反映している。そして、本発明の監視用通信システムでは、上記の回数及び不在時間に応じたスコアを求め、かかるスコアから利用者の状態を総合的に判断している。このような構成であれば、単にエネルギー消費機器の使用の有無やエネルギー消費量に基づいて判定する場合に比して、より適切に(精度よく)建物の利用者の状態を判定することが可能となる。
また、上記の監視用通信システムにおいて、前記特徴量データ取得部は、前記建物内に在る複数のエリアの各々について前記エネルギー消費量を示す前記特徴量データを取得し、前記記憶部は、前記配点数を前記エリア別に記憶しており、前記スコア管理部は、前記監視期間内において前記特徴量データが示す前記エリア別の前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った回数、及び、前記記憶部に記憶された前記エリア別の前記配点数に基づいてエリア別スコアを算出した上で、前記建物内に在る複数の前記エリアの各々について算出した前記エリア別スコアすべてを合算して前記スコアを求めると、好適である。
上記の構成によれば、建物内にある複数のエリア別にスコア(エリア別スコア)を算出する。また、エリア別スコアは、エリア別に設定された配点数を用いて算出される。したがって、建物の利用者の状態を判定する上で重要なエリアの配点数については、より高くする等して、各エリアに対して重み付けをすることが可能である。この結果、更に適切に建物の利用者の状態を判定することが可能となる。
また、上記の監視用通信システムにおいて、前記スコア管理部は、前記建物内に在る複数の前記エリアのうち、特定エリアについての前記エリア別スコアを算出する際には、前記監視期間内において前記特定エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った回数、及び、前記記憶部が記憶している前記特定エリアに対応する前記配点数に基づいて前記エリア別スコアを算出し、前記建物内に在る複数の前記エリアの各々について算出した前記エリア別スコアすべてを合算して前記スコアを求める際には、算出した前記特定エリアについての前記エリア別スコアだけ減点すると、より好適である。
上記の構成によれば、特定エリアについて算出したエリア別スコアは減点数となり、エリア別スコアの合算時には、上記の減点数の分だけ差し引くこととしている。これは、特定エリアでのエネルギー消費行動が増えるほど、建物の利用者の状態が良好でない可能性が高いことを反映している。例えば、特定エリアが主寝室だった場合を想定すると、主寝室でのエネルギー消費行動(電力使用)が多くなるということは、寝込んでいたりする等、利用者の状態が良好でない可能性が高い。かかる状況を考慮し、スコアを求める際に、特定エリアについてのエリア別スコアを減点数とした。この結果、一段と適切に建物の利用者の状態を判定することが可能となる。
また、上記の監視用通信システムにおいて、前記スコア管理部は、前記監視期間内において前記特定エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った回数をカウントする際、下記の条件(1)及び(2)を満たす回をカウント対象から除外すると、より一層好適である。
(1)前記監視期間中、予め設定された除外時間内であること。
(2)前記特徴量データが示す前記特定エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った以降に、前記特定エリア以外の前記エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回っていないこと。
上記の構成では、特定エリアについてのエリア別スコアを算出するにあたって監視期間内における特定エリアでのエネルギー消費行動の回数をカウントする際、上記の条件(1)及び(2)を満たす回をカウントしないこととしている。これは、本来減点対象とある特定エリアでのエネルギー消費行動が行われたとしても、時間帯次第では減点項目としてカウントとすべきではないことを反映している。一例を挙げて説明すると、建物の利用者が特定エリアである主寝室で当日最後の行動(エネルギー消費行動)を行ったとしても、それが夜間(具体的には利用者の就寝時刻以降)であれば、その行動は、就寝のために行われる正規の行動であると言える。このため、上記の条件(1)及び(2)を満たす行動を減点事項としてカウントする対象から外せば、建物の利用者の状態を判定するためにスコアを求められたときに、より妥当な計算結果が得られるようになる。
また、上記の監視用通信システムにおいて、前記記憶部は、基準値を記憶しており、前記報知データ送信部は、前記スコアと前記基準値との比較結果に応じた前記情報を示す前記報知データを送信し、前記記憶部に記憶された前記基準値を過去の前記スコアに基づいて補正し、補正後の前記基準値に更新する基準値更新部を更に有すると、好適である。
上記の構成では、過去のスコアに基づいて適宜基準値を更新する。つまり、上記の構成によれば、過去における建物の利用者のエネルギー消費行動や外出行動の頻度を考慮して基準値を妥当な値に適宜見直すことが可能となる。この結果、建物の利用者の状態がより一層適切に判定されることになる。
また、上記の監視用通信システムにおいて、前記基準値更新部は、前記記憶部に記憶された前記基準値を補正した際に、補正後の前記基準値を通知するための通知データを前記端末に向けて送信すると、より好適である。
上記の構成では、基準値を補正した場合に、指定された端末(例えば、監視者が保有する端末)に向けてその旨を通知する。これにより、基準値が補正されたことに気付き、当該補正の適否を判断することが可能となる。この結果、建物の利用者の状態が尚一層適切に判定されることになる。
また、上記の監視用通信システムにおいて、前記基準値更新部は、前記通知データを受信した前記端末から、補正後の前記基準値に対する採用の可否を連絡するための可否連絡データを受信し、受信した該可否連絡データが補正後の前記基準値の採用を許可する内容を示すデータであったときに、前記記憶部に記憶された前記基準値を補正後の前記基準値に更新すると、一段と好適である。
上記の構成では、補正後の基準値の採用を許可する旨の可否連絡データを受信した場合のみ、補正後の基準値に更新することになっている。すなわち、例えば監視者が補正後の補正の適否を判断し、適当と判断した場合にのみ、補正後の基準値を採用することとなる。したがって、上記の構成によれば、基準値の更新の有無に関して監視者の意思が反映されることになり、結果として、本発明の監視用通信システムが監視者にとって使い勝手のよいシステムとなる。
また、上記の監視用通信システムにおいて、前記報知データ送信部は、前記監視期間中、所定時刻を経過してから前記監視期間の終了時刻までの間に前記特徴量データが示す前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えていない場合に、その旨を通知するための情報を示す前記報知データを前記端末に向けて送信すると、更に好適である。
上記の構成では、監視期間中、所定時刻を経過してから監視期間の終了時刻までの間にエネルギー消費量が第一閾値を超えていない場合、指定された端末(例えば、監視者が保有する端末)に向けてその旨を通知する。これにより、例えば、本来建物内に利用者が居る時間帯においてエネルギー消費量が使用されていない場合、利用者が建物内に居ないと判定し、その旨を監視者に報知することが可能となる。この結果、本来建物内に居る時間帯に利用者が居ないという状況(異常)を監視者に気付かせることが可能となる。
また、前述の課題は、本発明の監視用通信方法によれば、コンピュータを用いて建物の利用者の状態を監視する監視用通信方法であって、(A)コンピュータが、利用者の行動に伴って変化する特徴量を示す特徴量データを取得する特徴量データ取得工程と、(B)コンピュータが、前記利用者の状態の良否に関するスコアを管理するスコア管理工程と、(C)前記スコアに応じた情報を示す報知データを、予め指定された端末に向けて送信して、該端末に前記情報を報知させる報知データ送信工程と、(D)前記特徴量データ取得工程では、コンピュータが、(d1)前記利用者のエネルギー消費行動に伴って変化する前記建物内でのエネルギー消費量を示す前記特徴量データと、(d2)前記利用者の外出行動に伴って変化する前記建物内に前記利用者が居ない不在時間を示す前記特徴量データと、を取得し、(E)前記スコア管理工程では、コンピュータが、(e1)予め設定された監視期間内において前記特徴量データが示す前記エネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数、及び、記憶部が前記特徴量の種類別に記憶している配点数中、前記エネルギー消費量の種類に対応する前記配点数に基づいて算出される値と、(e2)前記特徴量データが示す前記不在時間と、前記記憶部が記憶している前記不在時間の単位時間あたりの前記配点数と、に基づいて算出される値と、を用いて前記スコアを求めることにより解決される。
上記の方法では、利用者の行動に伴って変化する特徴量である建物内でのエネルギー消費量、及び、利用者の外出時間に基づいてスコアを算出し、その算出結果から利用者の状態の良否を判断する。なお、エネルギー消費量については、当該エネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数を特定し、その回数に応じたスコアを求める。このような手順によれば、単にエネルギー消費機器の使用の有無やエネルギー消費量に基づいて判定する場合に比して、より適切に(精度よく)建物の利用者の状態を判定することが可能となる。
本発明の監視用通信システム及び監視用通信方法によれば、利用者の行動に伴って変化する特徴量に基づいて利用者の状態を判定する。具体的には、建物内でのエネルギー消費量、及び、利用者が建物内に居ない不在時間を特徴量とし、これらの特徴量からスコアを求める。ここで、エネルギー消費量については、第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数(エネルギー消費行動の回数)を特定し、当該回数に応じたスコアを求める。そして、エネルギー消費行動回数に応じたスコアと不在時間に応じたスコアとを合算等することで最終的に求められるスコア、から利用者の状態の良否を判断する。
以上の構成であれば、人感センサ等の高価なセンサを建物内の各所に設置する必要がなく、さらに、単にエネルギー消費機器の使用の有無やエネルギー消費量に基づいて判定する場合に比して、より適切に建物の利用者の状態を判定することが可能となる。特に、本来、建物内に居ない不在時間が存在するということは、建物の利用者の状態が外出可能な状態であって良好である可能性が高いと考えられる。この事を反映し、本発明の監視用通信システム及び監視用通信方法では、不在時間が存在するときにはより高いスコアとすることで、建物の利用者の状態に関してより妥当な判定結果が得られる。
本発明の一実施形態に係る監視用通信システムを示す概念図である。 ホームサーバのハードウェア構成を示す図である。 ホームサーバの構成を機能面から示す図である。 図4の(A)、(B)、(C)は、それぞれ、監視者が保有する端末に表示されるメール文面の一例を示す図である。 配点数の対応テーブルの一例を示す図である。 状態の良否を判定する際の基準値についての一例を示す図である。 各部屋におけるエネルギー消費量に対して設定された閾値を示す図である。 エネルギー消費行動の回数をカウントする手順に関する説明図である。 日常処理の流れを示す図である。 スコア管理工程の流れを示す図である。 基準値更新処理の流れを示す図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。特に、以下の説明中、具体的なデータ処理の手順や表示画面での表示内容(画面レイアウト等を含む)については、あくまでも一例に過ぎず、本発明の効果が奏されるものである限り、自由に設計し得るものである。
<<本実施形態に係る監視用通信システムの全体構成>>
先ず、本実施形態に係る監視用通信システム(以下、本システムS)の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本システムSを示す概念図である。
本システムSは、通信技術を利用して被監視者の状態を、被監視者が居る建物から離れた場所に居る監視者が監視するために構築されたものである。以下では、高齢の独居者Fを被監視者とし、当該独居者Fの親族P(例えば子供)を監視者とするケースを例に挙げて説明する。ただし、これに限定されるものではなく、監視者は独居者の家族以外の者、例えば、見守りサービスを営む民間会社であってもよく、また、被監視者は、単身赴任中の労働者や親元を離れた学生等、高齢者以外の独居者であってもよい。
本システムSは、図1に示すように、独居者Fが利用する建物、すなわち独居者Fの住宅(以下、単に住宅H)内に構築された通信システムと、親族Pが保有する通信端末9とによって構成されている。具体的に説明すると、住宅H内に構築された通信システムは、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)であり、ホームサーバ1と、宅内に設置された各種の計測センサと、を主たる構成要素としている。ホームサーバ1は、「コンピュータ」の一例に相当し、本システムSの中核を担う装置である。
より具体的に説明すると、ホームサーバ1は、宅内に設置された各種計測センサと宅内ネットワーク(不図示)を通じて通信し、その計測結果を示すデータを取得する。計測センサは、エネルギー消費量を計測するためのセンサであり、住宅H内の各部屋別に設置されている。ここで、「エネルギー」とは、建物内にある機器(エネルギー消費機器)を使用することで消費されるものの総称であり、本実施形態では電気、ガス及び水道水が該当する。なお、電気、ガス及び水道水以外のエネルギー(例えば蒸気や冷媒等)が使用される建物であれば、かかるエネルギーの消費量を計測対象とすることになる。なお、本実施形態において、「エネルギー消費量」とは、単位時間あたりの消費量であり、電力(W)、ガス流量(L/h)、水流量(L/h)を意味している。
また、本システムSにおいてホームサーバ1は、無線LANルータ2を介して住宅H外の機器と通信可能に接続されている。これにより、ホームサーバ1は、インターネット等の外部通信ネットワークGNに接続された通信機器と通信し、当該機器との間でデータの授受を行うことが可能である。ここで、ホームサーバ1が外部通信ネットワークGNを通じて通信する機器には、親族Pが保有する通信端末9が含まれる。この通信端末9は、「端末」の一例であり、携帯電話、スマートフォン、タブレット若しくはノートパソコン等によって構成されるが、少なくとも通信機能、メール送受信機能及びメール等の情報を表示する機能を有する機器であればよい。
さらに、ホームサーバ1は、宅内に独居者Fが居るかどうか(換言すると、外出しているかどうか)を判別する機能を有する。具体的に説明すると、図1に示すように、独居者Fは、普段、発信器10を携帯している。この発信器10は、ペンダントやアクセサリー等を模した外観を有する発信器であり、具体的には、WiFi(登録商標)端末によって構成されている。一方、無線LANルータ2の対応エリア(信号を受信することが可能なエリア)は、住宅H内の空間に設定されている。そして、発信器10が住宅H内に在るとき、すなわち、独居者Fが在宅であるときには、発信器10から発せられた信号が無線LANルータ2を介してホームサーバ1によって受信される。この場合、ホームサーバ1は、宅内に独居者Fが居ると判断する。反対に、独居者Fが外出しているときには、発信器10からの信号がホームサーバ1に届かず、ホームサーバ1は、宅内に独居者Fが居ないと判断する。
なお、宅内に独居者Fが居るかどうかを判別する方式については、上記のような発信器10を用いる方式に限定されず、他の方式を採用してもよい。例えば、住宅H内に防犯システムが構築されている場合には、当該防犯システムが起動している間は独居者Fが宅内に居ないと判断し、当該防犯システムが休止している間は独居者Fが在宅であると判断することとしてもよい。
さらにまた、ホームサーバ1は、独居者Fの行動に伴って変化する特徴量をスコア化し、日々のスコアを管理する機能を有する。そして、ホームサーバ1は、日々のスコアから独居者Fの状態の良否を判断し、その結果を示すメールを親族Pの通信端末9宛に送信する。通信端末9は、その表示画面にメール文面を表示し、親族Pは、当該メール文面を通じて独居者Fの状態の良否を知ることになる。このように独居者Fの行動をスコア化して独居者Fの状態についての判断材料とするという構成は、本システムSの特徴であり、後に詳しく説明することとする。
なお、ホームサーバ1が独居者Fの状態を報知するために送信するメールは、「報知データ」に相当し、以下では、状態報知用の報知メールとも言う。また、本実施形態では、状態報知用の報知メールの送信先として親族Pの通信端末9が予め指定されているが、これに限定されるものではない。親族Pの通信端末9以外の端末、例えば、独居者Fの住宅H近辺に住む住人が保有する端末や警備会社等に設置された端末が含まれていてもよい。
また、通信端末9が表示画面に状態報知用の報知メールの文面を表示する動作は、通信端末9が独居者Fの状態に応じた情報(換言すると、スコアに応じた情報)を報知するために行う動作に相当する。ただし、報知動作としては、メール文面の表示に限られず、警告音や音声を発生する動作、所定の発光態様にて発光する動作、あるいは所定の振動態様にて振動する動作であってもよい。
<<ホームサーバ1の詳細構成>>
次に、前述したホームサーバ1の詳細構成について説明する。ホームサーバ1は、いわゆるホームゲートウェイ機能を有するコンピュータである。ホームサーバ1は、図2に示すようにCPU1a、ROMやRAMからなるメモリ1b、通信用インタフェース1c(図2では通信用I/Fと表記)及びハードディスクドライブ1dを有する。図2は、ホームサーバ1のハードウェア構成を示す図である。
また、ハードディスクドライブ1dには、独居者Fの状態を監視するためのプログラム(以下、監視用プログラム)が記憶されている。この監視用プログラムがCPU1aによって読み出されて実行されることで、ホームサーバ1は、独居者Fの状態を監視するための各種機能を発揮するようになる。
また、ハードディスクドライブ1dは、「記憶部」として機能し、独居者Fの状態の良否を判定するために必要な各種データを記憶している。なお、これらのデータの記憶場所については、ホームサーバ1内のハードディスクドライブ1dに限定されるものではなく、ホームサーバ1以外の機器、例えば、ホームサーバ1と通信可能なデータベースサーバに記憶されていてもよい。
また、ホームサーバ1は、無線LANルータ2を介して、宅内各所に設置された計測センサと通信し、当該センサから計測結果を示すデータ(以下、計測データ)を取得する。ここで、計測データとは、独居者Fの行動に伴って変化する特徴量を示す特徴量データの一つであり、具体的には、独居者Fのエネルギー消費行動に伴って変化する宅内でのエネルギー消費量を示す特徴量データである。そして、ホームサーバ1は、各計測センサから一定時間毎(例えば、5分毎)に計測データを取得する。
また、本実施形態では、部屋別に計測センサが設置されており、ホームサーバ1は、各部屋について計測データを取得する。具体的に説明すると、独居者Fが居住する住宅Hには、図1に示すように、複数のエリアとしてダイニングキッチン、主寝室、書斎及び風呂があり、各部屋別にエネルギー消費量の計測が行われている。より具体的に説明すると、分電盤3内において部屋別に分岐している電力供給路のうち、主寝室用の電力供給路及び書斎用の電力供給路には、それぞれ電力センサ4、5が取り付けられている。ホームサーバ1は、これら2つ電力センサ4、5とそれぞれ通信することで、主寝室での消費電力を示す計測データと、書斎での消費電力を示す計測データと、を取得する。
また、ダイニングキッチンのガスコンロに向けて敷設されたガス供給路中には、ガス消費量を計測するガスセンサ6が取り付けられている。ホームサーバ1は、このガスセンサ6と通信することで、ダイニングキッチンでのガス消費量(厳密には、単位時間あたりの消費量)を示す計測データを取得する。
また、風呂に向けて敷設された水供給路中には、水道水の消費量を計測する流量センサ7が取り付けられている。同様に、ダイニングキッチンの蛇口に向けて敷設された水供給路中には、水道水の消費量を計測する流量センサ8が取り付けられている。ホームサーバ1は、これら2つの流量センサ7、8とそれぞれ通信することで、風呂での水消費量(厳密には、単位時間あたりの消費量)を示す計測データと、ダイニングキッチンでの水消費量を示す計測データ(厳密には、単位時間あたりの消費量)と、を取得する。
なお、本実施形態では、ダイニングキッチン、主寝室、書斎及び風呂のそれぞれにおけるエネルギー消費量を計測することとした。ただし、これに限定されるものではなく、上記以外の部屋(例えばトイレ)又は部屋以外のエリア(例えば廊下)におけるエネルギー消費量を計測してもよい。また、各部屋での計測対象とするエネルギー消費量についても上記の内容に限定されるものではなく、例えば風呂でのエネルギー消費量としては、水消費量の他に、ガス消費量も計測対象に含めることとしてもよい。
さらに、ホームサーバ1は、独居者Fが在宅している間、無線LANルータ2を介して、独居者Fが携帯する発信器10からの信号を受信する。なお、本実施形態では、ホームサーバ1が発信器10に対して定期的に信号発信を命令し、発信器10は、宅内に在るときにホームサーバ1からの命令を受け付けると、これをトリガーとして信号を発信する。
一方、ホームサーバ1は、独居者Fが住宅H内に居ない間、発信器10からの信号を受信せず、独居者Fが帰宅した時点で再び受信するようになる。そして、ホームサーバ1は、この発信器10からの信号を受信しなくなってから再び受信するまでの間の経過時間を示すデータ(以下、不在時間データ)を取得する。ここで、不在時間データとは、独居者Fの外出行動に伴って変化する住宅H内に独居者Fが居ない不在時間を示す特徴量データである。
なお、本実施形態では、独居者Fの外出直前に発信器10からの信号を受信した時刻と、独居者Fの帰宅直後に発信器10からの信号を受信した時刻と、をホームサーバ1が特定し、両時刻の差を算出し、その算出結果を示すデータを不在時間データとして取得することになっている。すなわち、本実施形態では、ホームサーバ1が自ら不在時間データを生成することで当該不在時間データを取得することになっている。ただし、これに限定されるものではなく、不在時間データがホームサーバ1以外の機器によって生成され、ホームサーバ1が当該機器と通信することで不在時間データを取得することとしてもよい。
次に、上述したホームサーバ1の構成について図3を参照し、機能面から改めて説明することとする。図3は、ホームサーバ1の構成を機能面から示す図である。ホームサーバ1は、図3に示すように、特徴量データ取得部11、スコア管理部12、報知データ送信部13、記憶部14、及び基準値更新部15を有する。以下、これらの各々について詳細に説明する。
(特徴量データ取得部)
特徴量データ取得部11は、特徴量データ、より具体的には前述の計測データや不在時間データを取得するものである。この特徴量データ取得部11は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b及び通信用インタフェース1cが監視用プログラムと協働することによって実現される。
本実施形態において、特徴量データ取得部11は、住宅H内に在る複数の部屋の各々について計測データを一定時間毎(例えば、5分間毎)に取得する。具体的に説明すると、特徴量データ取得部11は、主寝室での消費電力を示す計測データ、書斎での消費電力を示す計測データ、ダイニングキッチンでのガス消費量を示す計測データ、風呂での水消費量を示す計測データと、ダイニングキッチンでの水消費量を示す計測データと、を取得する。
また、特徴量データ取得部11は、独居者Fの外出直前に発信器10からの信号を受信した時刻と、独居者Fの帰宅直後に発信器10からの信号を受信した時刻と、に基づいて不在時間を算出する。この結果、特徴量データ取得部11は、不在時間を示す特徴量データ、すなわち、不在時間データを取得する。
(スコア管理部)
スコア管理部12は、独居者Fの状態の良否に関するスコアを管理するものである。このスコア管理部12は、ホームサーバ1のCPU1a及びメモリ1bが監視用プログラムと協働することによって実現される。
スコア管理部12は、特徴量データ取得部11が取得した計測データ及び不在時間データに基づいて上記のスコアを算出する工程(スコア管理工程)を実施する。このスコア管理工程は、ホームサーバ1が毎日実行する日常処理の中で実施される。したがって、本実施形態では、上記のスコアが毎日算出されることになる。なお、スコア管理工程を含む日常処理については後の項で詳述することとする。
(報知データ送信部)
報知データ送信部13は、スコア管理部12が算出したスコアに応じた情報を示す報知データを生成して親族Pの通信端末9に向けて送信し、当該通信端末9に情報を報知させるものである。この報知データ送信部13は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b及び通信用インタフェース1cが監視用プログラムと協働することによって実現される。
報知データ送信部13が送信する報知データは、独居者Fの状態を報知する目的で送信されるメール、すなわち、状態報知用の報知メールである。報知メールは、日常処理が実施される都度、つまり、毎日送信される。また、メール文面は、スコア管理部12が算出したスコアに応じて決まる。具体的に説明すると、スコア管理部12によるスコアの算出結果が比較的高い結果であると、図4の(A)に示すような文面の報知メールが送信される。反対に、スコアの算出結果が比較的低い結果であると、図4の(B)に示すような文面の報知メールが送信される。図4の(A)及び(B)は、報知メールの文面の一例を示す図である。
また、報知データ送信部13は、他の報知データとして、独居者Fが外出した場合において所定時刻以降になっても帰宅しないときにその旨を通知するためのメール(以下、未帰宅報知用の報知メール)を送信する。なお、所定時刻は、任意の時刻に設定することが可能であるが、本実施形態では18時に設定されていることとする。
(記憶部)
記憶部14は、独居者Fの状態の良否を判定するために必要な各種データを記憶するものであり、ホームサーバ1のハードディスクドライブ1dによって構成されている。記憶部14が記憶しているデータには、図1に示すように、配点テーブル、基準値テーブル、閾値テーブル及び過去スコアが含まれる。以下、各データについて説明する。
配点テーブルは、利用者の行動に伴って変化する特徴量(具体的には、エネルギー消費量や不在時間)に対する配点数を、当該特徴量の種類別に規定したものである。特に、エネルギー消費量に対応する配点数については、図5に示すように住宅Hの部屋別、及び、エネルギーの種類別に規定されている。換言すると、記憶部14は、部屋別及びエネルギーの種類別に配点数を記憶している。なお、図5は、配点数の対応テーブルを示す図であるが、同図中の配点数は、あくまでも一例に過ぎず、特に限定されず任意に設定することが可能である。
また、本実施形態では、図5に示すように、エネルギー消費量に対応する配点数が、当該エネルギーを消費する行動を1回実施したときの配点数となっている。また、図5に示すように、不在時間に対応する配点数は、不在時間1時間あたりの配点数となっている。また、図5に示すように、主寝室での電力使用に対応する配点数は、マイナスの値となっている。つまり、本実施形態では、住宅Hにある複数の部屋のうち、主寝室が「特定エリア」に相当する。そして、各部屋でのエネルギー消費量に基づいてスコアを算出するときには、主寝室での電力使用を減点の対象としている。これは、主寝室での電力使用回数が増えるほど、独居者Fの状態が良好ではない(具体的には「寝たきり」の状態である)可能性が高いことを反映している。かかる状況を考慮し、主寝室での電力使用を減点対象とした上でスコアを算出すれば、独居者Fの状態の良否についての判断材料となるスコアが、より妥当な値として算出されることになる。
なお、本実施形態では、主寝室を特定エリアとして設定し、スコア算出時には、主寝室での電力使用を減点の対象とすることとしたが、これに限定されるものではない。主寝室以外の部屋を特定エリアに設定してもよく、当該部屋でのエネルギー消費行動を減点の対象としてもよい。
基準値テーブルは、スコアの算出結果から独居者Fの状態の良否を評価するために設定された基準値を、図6に示すように評価内容毎に規定したものである。図6は、状態の良否を判定する際の基準値を示す図であるが、同図中の基準値についてはあくまでも一例に過ぎず、特に限定されず任意に設定することが可能である。なお、基準値については、本実施形態のように範囲を以て規定されることとしてもよく、単一の値を以て規定されることとしてもよい。
基準値テーブルは、報知データ送信部13が状態報知用の報知メールを生成するにあたって読み出される。具体的に説明すると、報知データ送信部13は、スコア管理部12が算出したスコアと各基準値とを比較し、その比較結果に応じたメール文面を示す報知メールを生成・送信する。例えば、スコア管理部12によるスコアの算出結果が「50」であった場合、基準値「45〜」に該当する。この場合、独居者Fの状態については「非常に(行動量が)多い」という評価になり、かかる評価結果に対応する報知メールが生成されて送信されることになる。
閾値テーブルは、スコア管理部12がエネルギー消費量に基づいてスコアを算出するに際して、エネルギー消費量(厳密には、エネルギー消費量の経時変化)からエネルギー消費行動の回数に変換するために用いられる。この閾値テーブルには、図7に示すように、部屋別及びエネルギーの種類別に2つの閾値が規定されている。一方の閾値は、第一閾値であり、通常のエネルギー消費行動において到達する値に設定されている。もう一方の閾値は、第二閾値であり、第一閾値とは異なる値であり、具体的には通常のエネルギー消費行動を中断/中止した際に到達する値に設定されている。図7は、各部屋におけるエネルギー消費量別の閾値を示す図である。
そして、上記2つの閾値を用いることで、所定期間中に行われたエネルギー消費行動の回数をカウントすることが可能である。以下に、エネルギー消費行動の回数をカウントする手順について、図8を参照しながら説明する。図8は、エネルギー消費行動の回数をカウントする手順に関する説明図であり、ある部屋でのエネルギー消費量の経時変化を示したグラフを示している。
ある部屋でのエネルギー消費量は、当該ある部屋でエネルギー消費行動が行われれば上昇し、また、エネルギー消費行動が中断/中止されれば下降する。一方、ある部屋でのエネルギー消費量を示す計測データは、ホームサーバ1(具体的には特徴量データ取得部11)によって一定間隔毎に取得される。このように一定間隔毎に計測データが取得される結果、ある部屋でのエネルギー消費量の経時変化が特定されることになる。
ここで、エネルギー消費量の経時変化のグラフにおいて、図8に示すようにエネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った区間が有れば、その区間内にエネルギー消費行動が開始されて中断/停止されたと考えられる。すなわち、上記の区間が、エネルギー消費行動1回分に相当する。したがって、所定期間内でのエネルギー消費量の経時変化を特定し、その経時変化を示すグラフ中、エネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った区間の数を特定すれば、所定期間内に行われたエネルギー消費行動の回数をカウントすることが可能である。
以上の手順にてエネルギー消費行動の回数をカウントすれば、前述した配点テーブルを参照することで、当該エネルギー消費行動の回数に基づくスコアを算出することが可能となる。改めて図5を参照しながら説明すると、例えば、書斎での電力使用の回数が5回であった場合には、その分のスコアは、10点(=5回×2点/回)となる。
過去スコアは、スコア管理部12が算出した日別のスコアのうち、過去1週間分のスコアである。なお、過去スコアとして蓄積されるスコアについては、過去1週間分に限定されるものではなく、過去数日分、過去1カ月分、過去数カ月分、あるいは過去1年分など、任意の日数に設定することが可能である。
(基準値更新部)
基準値更新部15は、記憶部14に記憶された基準値テーブルの各基準値を過去スコアに基づいて定期的に補正し、補正後の基準値に更新するものである。この基準値更新部15は、ホームサーバ1のCPU1a及びメモリ1bが監視用プログラムと協働することによって実現される。
基準値更新部15が過去スコアに基づいて基準値を更新することで、過去における独居者Fの行動パターン(具体的には、エネルギー消費行動や外出行動の頻度)を考慮して基準値を妥当な値に定期的に見直すことが可能となる。また、基準値更新部15は、基準値を補正した際に、補正後の基準値を通知するための通知データを親族Pの通信端末9に向けて送信する。具体的には、図4の(C)に示すような通知メールを送信する。図4の(C)は、通知メールの文面の一例を示す図である。
通知メールの文面には、図4の(C)に示すように、各状態評価レベル(図4の(C)では、『非常に(行動量が)少ない』という評価レベル)に対して補正前の基準値と補正後の基準値が掲載されている。かかるメール文面を見た親族Pは、基準値が補正されたことに気付くようになる。その上で、親族Pは、当該補正の適否を判断し、その判断結果に応じた画面操作を行う。具体的に説明すると、通信端末9の表示画面には、図4の(C)に示すように、通知メールの文面とともに2つのボタンB1、B2が表示される。一方のボタンB1(図中、「はい」という表記があるボタン)は、親族Pが補正後の基準値の採用を許可する場合に押すボタンである。もう一方のボタンは(図中、「いいえ」と表記されたボタン)は、親族Pが補正後の基準値の採用を拒否する場合に押すボタンである。
そして、親族Pがいずれか一方のボタンを押すと、かかるボタン操作が通信端末9によって受け付けられる。通信端末9は、受け付けたボタン操作に応じたデータを生成し、ホームサーバ1に向けて送信する。このデータは、補正後の基準値に対する採用の可否を連絡するための可否連絡データであり、基準値更新部15によって受信される。ここで、受信した可否連絡データが補正後の基準値の採用を許可する内容を示すデータであると、基準値更新部15は、記憶部14に記憶された基準値テーブルの各基準値のうち、補正の対象となった基準値を補正後の基準値に更新する。
反対に、受信した可否連絡データが補正後の基準値の採用を拒否する内容を示すデータであると、基準値更新部15による更新は行われず、補正前の基準値を引き続き採用する。以上のように本実施形態では、補正後の基準値を採用するか否かの最終決定は、監視者である親族Pに委ねられており、補正後の基準値の採用を許可した場合にのみ基準値を更新することになっている。これにより、基準値の更新の有無に関して親族Pの意思が反映されることになり、結果として、本システムSが親族Pにとって使い勝手のよいシステムとなる。
<<本システムによる監視用通信方法について>>
次に、本システムSにおいてホームサーバ1が独居者Fの状態を監視するために実行する処理の流れについて説明する。かかる処理では、本発明の監視用通信方法が採用されている。換言すると、本発明の監視用通信方法は、本システムSを構成するホームサーバ1が実行する処理、具体的には後述する日常処理や基準値更新処理において適用される。つまり、日常処理や基準値更新処理の流れは、本発明の監視用通信方法の手順例を示すものであり、日常処理や基準値更新処理のそれぞれにおいて実行される各ステップは、本発明の監視用通信方法を構成する各工程に相当する。以下、日常処理及び基準値更新処理について、それぞれ説明する。
日常処理は、独居者Fの状態を監視する目的でホームサーバ1が毎日実行する処理であり、図9に示す流れに従って進行する。図9は、日常処理の流れを示す図である。また、日常処理を構成する各工程は、監視期間中の工程(S001〜S003)と、監視期間後の工程(S004〜S008)とに大別される。ここで、監視期間とは、独居者Fの行動を監視する期間として予め設定された期間であり、本実施形態では、独居者Fが起床してから就寝するまでの時間帯(例えば、7時から24時までの時間帯)に設定されている。
なお、監視期間については上記の時間帯に限定されるものではなく、任意の時間帯に設定することが可能である。ただし、1日あたりの監視期間については24時間より短く設定した方が望ましい。これは、仮に1日あたりの監視期間を24時間に設定してしまうと、例えば独居者Fが就寝中に目が覚めて主寝室にて電力使用を一時的に行ったときに当該行動が減点対象となってしまうためである。かかる意味で、監視期間については、本実施形態のように就寝時間を除いた時間帯に設定するのが望ましいと言える。
先ず、1日の中で監視期間の開始時刻(すなわち、7時)になると(S001)、ホームサーバ1が独居者Fの行動に伴って変化する特徴量を示す特徴量データを取得する(S002)。本ステップS002は、「特徴量データ取得工程」に相当する。具体的に説明すると、本ステップS002において、ホームサーバ1は、住宅Hの部屋別及びエネルギーの種類別に設置されたセンサ(すなわち、電力センサ4、5、ガスセンサ6及び流量センサ7、8)と通信し、各種センサから一定間隔毎に計測データを取得する。
また、本ステップS002において、ホームサーバ1は、独居者Fが携帯する発信器10に対して定期的に信号発信命令を送る。独居者Fが在宅である場合には、ホームサーバ1は、無線LANルータ2を介して発信器10からの信号を受信する。一方、独居者Fが外出して住宅H内から居なくなると、ホームサーバ1は、発信器10からの信号を受信しなくなり、独居者Fが帰宅した時点で再び受信するようになる。そして、ホームサーバ1は、発信器10からの信号を受信しなくなってから再び受信するまでの間の経過時間を示す特徴量データ、すなわち、不在時間データを取得する。
以上のような特徴量データ(具体的には計測データや不在時間データ)の取得が監視期間中、継続して行われる。そして、監視期間の終了時刻(すなわち、24時)になった時点で特徴量データの取得を中断する(S003)。
その後、ホームサーバ1は、収集した特徴量データを解析し、その解析結果から独居者Fの状態の良否を判断する。具体的に説明すると、先ず、ホームサーバ1は、各部屋別に取得したエネルギー消費量についての計測データから、18時以降から監視期間の終了時刻(すなわち、24時)までの間における各部屋別のエネルギー消費量を特定する(S004)。そして、ホームサーバ1は、ハードディスクドライブ1dから閾値テーブルを参照し、18時以降から24時までの間のエネルギー消費量が第一閾値を超えている部屋が有るかどうかを確認する(S005)。18時以降から24時までの間のエネルギー消費量が第一閾値を超えている部屋が有る場合、ホームサーバ1は、同時間帯において独居者Fが在宅である(換言すると、独居者Fが正常状態にある)と判断し、それ以降のステップS007及び008に進む。
一方、18時以降から24時までの間のエネルギー消費量が第一閾値を超えている部屋が無い場合、ホームサーバ1は、同時間帯において独居者Fが住宅H内に居ない(換言すると、外出していた独居者Fが未だ帰宅していない)と判断する。かかる場合、ホームサーバ1は、独居者Fが未帰宅である旨を通知するためのメール文面を示す報知メール、すなわち、未帰宅報知用の報知メールを生成し、親族Pの通信端末9に向けて送信する(S006)。このように本実施形態では、本来住宅H内に独居者Fが居る時間帯においてエネルギー消費量が使用されていない場合に、独居者Fが住宅H内に居ないことを報知することができる。この結果、本来住宅H内に居る時間帯に独居者Fが居ないという状況(異常)を親族Pに気付かせることが可能となる。
なお、18時以降から24時までの時間帯に独居者Fが住宅H内に居るかどうかは、独居者Fが携帯する発信器10から発信された信号の受信の有無に基づいて判断することも可能である。ただし、本実施形態のように18時以降から24時までの間のエネルギー消費量が第一閾値を超えているかどうかに基づいて在宅の有無を判断する場合には、万が一、独居者Fが発信器10を宅内に置き忘れて外出した場合や発信器10が故障したとしても適切に在宅の有無を判断することが可能となる。
18時以降から24時までの間のエネルギー消費量が第一閾値を超えている部屋が有ったケース(S005でYes)について改めて説明すると、ホームサーバ1は、スコア管理工程を実施する(S007)。その後、ホームサーバ1は、スコア管理工程で求めたスコアに応じたメール文面を示す報知データ、すなわち、状態報知用の報知メールを生成する。この際、ホームサーバ1は、ハードディスクドライブ1dに記憶された基準値テーブルを参照し、スコア管理工程で求めたスコアと基準値テーブルの各基準値とを対比する。対比の結果、上記のスコアが含まれる範囲に設定された基準値が特定され、当該基準値に対応した評価内容が更に特定される。
そして、ホームサーバ1は、特定した評価内容を掲載したメール文面を示す報知メールを生成し、親族Pの通信端末9に向けて送信する(S008)。本ステップS008は、「報知データ送信工程」に相当し、通信端末9に上記のメール文面を表示させるために行われる。なお、状態報知用の報知メールの送信時間については、任意の時間に設定可能であるが、本実施形態では、監視期間の終了時刻(すなわち、24時)から30分を経過して以降、翌日の所定時刻になるまでの時間帯内で設定されている。
そして、通信端末9に表示されたメール文面を見ることにより、親族Pは、監視対象日(厳密には、状態報知用の報知メールが送信された日の前日)における独居者Fの状態、具体的には行動量をチェックすることが可能となる。
以上までに説明してきた一連のステップ(S001〜S008)が完了した時点で、日常処理が終了する。
次に、スコア管理工程について図10を参照しながら詳しく説明する。図10は、スコア管理工程の流れを示す図である。スコア管理工程では、先ず、ホームサーバ1が部屋別及びエネルギーの種類別に取得した計測データから、監視期間における各種エネルギー消費量の経時変化を部屋別に特定する(S011)。その後、ホームサーバ1は、ハードディスクドライブ1dに記憶された閾値テーブルを参照する。そして、ホームサーバ1は、閾値テーブルにおいて部屋別及びエネルギーの種類別に規定されている第一閾値及び第二閾値、並びに、前工程において特定した監視期間中のエネルギー消費量の経時変化に基づいて、監視期間中のエネルギー消費行動の回数を部屋別及びエネルギーの種類別にカウントする(S012)。
部屋別及びエネルギーの種類別にエネルギー消費行動の回数をカウントした後、ホームサーバ1は、ハードディスクドライブ1dに記憶された配点テーブルを参照し、特定した回数と対応する配点数とに基づいて部屋別及びエネルギー種類別のスコア(以下、エリア別スコア)を算出する(S013)。本ステップS013について分かり易く説明するために、以下、書斎での電力使用に対するエリア別スコアを算出するケースを例に挙げて説明する。
書斎での電力使用に対するエリア別スコアを算出するにあたり、前工程S012にて書斎での電力使用回数をカウントすることになる。電力使用回数とは、監視期間において書斎での消費電力が第一閾値(図7中のS1d)を超えた後に第二閾値(図7中のS2d)を下回った回数を意味している。ここで、特定した電力使用回数がN回であったとする。
次に、配点テーブルに規定された配点数のうち、書斎での電力使用に対応する配点数(=2点/回)と、特定した電力使用回数(=N回)と、を乗じる。この結果として得られる積(=2N)が、書斎での電力使用に対するエリア別スコアに相当する。
そして、ホームサーバ1は、部屋別及びエネルギーの種類別に以上の手順を繰り返すことにより、すべての部屋についてエリア別スコアを算出する(S014)。これにより、本実施形態では、下記(a1)〜(a5)に示すエリア別スコアが算出される。
(a1)キッチンでのガス使用に対するエリア別スコア:4K(Kはガス使用回数)
(a2)風呂での湯使用に対するエリア別スコア:10L(Lは湯使用回数)
(a3)キッチンでの水使用に対するエリア別スコア:3M(Mは水使用回数)
(a4)書斎での電力使用に対するエリア別スコア:2N(Nは電力使用回数)
(a5)主寝室での電力使用に対するエリア別スコア:−2X(Xは電力使用回数)
また、本実施形態では、監視期間中における主寝室での電力使用回数をカウントする際、下記の条件(1)及び(2)を満たす回をカウント対象から除外することとしている。
(1)監視期間中、予め設定された除外時間内(具体的には18時以降の時間帯)であること。
(2)電力センサ4から取得した計測データが示す主寝室での消費電力が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った以降に、主寝室以外の部屋でのエネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回っていないこと。
上記の条件(1)及び(2)を満たす回をカウント対象から除外するのは、監視期間中における独居者Fの最後の行動が主寝室で行われたとき、その後には独居者Fが主寝室にてそのまま就寝してしまうことを反映している。より具体的に説明すると、例えば独居者Fが比較的早い時間(例えば、19時頃)に就寝する場合、就寝直前のエネルギー消費行動は主寝室にて行われることになる。かかる行動は、就寝のために行われる正規の行動であると言えるが、前述したように、主寝室でのエネルギー消費行動(電力使用)が減点対象となっている。そのため、就寝直前に行った主寝室でのエネルギー消費行動であって、かつ、18時以降の行動については、減点項目としてカウントしないこととしている。この結果、就寝直前に主寝室で行う通常のエネルギー消費行動が減点の対象とならず、その後にスコアを求める際に妥当な計算結果が得られるようになる。
次に、ホームサーバ1は、監視期間中に不在時間データを取得したか否かを判定することにより、監視期間中における独居者Fの外出の有無を特定する(S015)。そして、外出が有った場合、ホームサーバ1は、不在時間データから不在時間を特定する(S016)。なお、以下では、特定した不在時間をP時間とする。
さらに、ホームサーバ1は、配点テーブルに規定された配点数のうち、外出に対応する配点数(=10点/時間)と、特定した不在時間(=P時間)と、を乗じることで、外出分のスコアを算出する(S017)。
そして、ホームサーバ1は、すべての部屋について算出したエリア別スコアと、前工程S017で算出した外出分のスコアと、を合算してスコアを算出する(S018)。具体的に説明すると、上述した(a1)〜(a5)のエリア別スコアと外出スコアとを合算することでスコアが求められ、当該スコアをScとすると、下記の式にて算出される。
Sc=4K+10L+3M+2N−2X+10P
上述の式から分かるように、本実施形態では、各部屋について算出したエリア別スコアすべてと外出分のスコアとを合算してスコアを求める際には、算出した主寝室の電力使用に対するエリア別スコアだけ減点することとしている。これは、前述したように、主寝室でのエネルギー消費行動(電力使用)が多くなる場合には、主寝室で寝込んでいる等、独居者Fの状態が良好でない可能性が高いことを反映している。本実施形態では、このような状況を考慮し、主寝室での電力使用を減点対象としてスコアを求めることとし、この結果、独居者Fの状態の良否を判定する上で妥当なスコアを得ることが可能となる。
一方、監視期間中における独居者Fの外出が無かった場合、ホームサーバ1は、すべての部屋について算出したエリア別スコア(すなわち、上述した(a1)〜(a5)のエリア別スコア)を合算してスコアを算出する(S019)。この際にも、算出した主寝室の電力使用に対するエリア別スコアだけ減点することになっている。
以上までに説明してきた一連のステップ(S011〜S019)が完了した時点で、スコア管理工程が終了する。
次に、基準値更新処理について説明する。基準値更新処理は、ハードディスクドライブ1dに記憶された基準値テーブルの各基準値を適宜見直す目的でホームサーバ1が定期的に実行する処理であり、本実施形態では1週間毎に実行することとなっている。ただし、基準値更新処理の実行頻度については、1週間毎に限定されるものではなく任意の頻度に設定可能であり、例えば1日毎、1カ月毎、2〜3月毎あるいは1年毎に実行することとしてもよい。
基準値更新処理は、図11に示す流れに従って進行する。図11は、基準値更新処理の流れを示す図である。具体的に説明すると、ホームサーバ1は、前回の更新から1週間が経過すると、先ず、ハードディスクドライブ1dに記憶された過去1週間分のスコアを読み出す(S021、S022)。そして、ホームサーバ1は、過去1週間分のスコアについて平均値及び標準偏差を算出する(S023)。その後、ホームサーバ1は、算出した平均値及び標準偏差に基づいて基準値の補正量を算定する。この補正量の算定方法については、特に限定されるものではなく、妥当な補正量を算出し得る方法であれば制限なく利用可能である。
そして、ホームサーバ1は、基準値テーブル中、補正対象とする基準値を選定し、選定した基準値を上記の補正量だけ増加(減少)させるように補正する(S024)。その後、ホームサーバ1は、補正後の基準値を通知するための通知データを生成し、親族Pの通信端末9に向けて送信する(S025)。
通知データを受信した通信端末9側では、通知データが展開され、同データが示すメール文面が表示画面に表示されるようになる。親族Pは、かかるメール文面を見た上で、補正後の基準値に対する採用の可否を連絡するためのボタン操作を行う(具体的には、図4の(C)に図示した2つのボタンB1、B2のいずれかを押す)。このボタン操作を受け付けた通信端末9は、操作内容を示すデータ、すなわち可否連絡データを生成し、ホームサーバ1に向けて送信する。
ホームサーバ1は、通信端末9から送信された可否連絡データを受信し、親族Pが補正後の基準値の採用を許可したか否かを判定する(S026)。ここで、受信した可否連絡データが補正後の基準値の採用を許可する内容を示すデータであった場合、ホームサーバ1は、基準値テーブル中、補正対象となった基準値を補正後の基準値に更新する(S027)。反対に、受信した可否連絡データが補正後の基準値の採用を拒否する内容を示すデータであった場合、基準値の更新は行われず、ホームサーバ1は、補正前の基準値を引き続き採用する(S028)。
そして、以上までに説明してきた一連の工程(S021〜S028)が完了した時点で、基準値更新処理が終了する。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、建物の一例として住宅Hを挙げ、その利用者である独居者Fの状態を監視するケースを例に挙げて説明した。ただし、本発明は、他の建物の利用者の状態を監視する場合にも利用可能であり、例えば老人ホーム等の養護施設や病院等の利用者の状態を監視する場合にも利用可能である。
また、上記の実施形態では、独居者Fの状態の良否を判定する際に参照する基準値(具体的には、ハードディスクドライブ1dに記憶された基準値テーブルの各基準値)がホームサーバ1によって定期的に更新されることとした。ただし、これに限定されるものではなく、監視者である親族Pや独居者F自らが不図示の入力画面を通じて基準値を更新することとしてもよい。また、上記の実施形態では、過去のスコアに基づいて基準値を補正し、補正後の基準値の採用を許可するかどうかの最終的な決定が、監視者である親族Pによってなされることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、補正後の基準値の採用を許可するかどうかの決定を独居者F自らが行うこととしてもよい。
また、上記の実施形態では、独居者Fの行動に伴って変化する特徴量をスコア化する処理(上記の実施形態における日常処理)を毎日行うこととした。ただし、これに限定されるものではなく、上記の処理を数日間隔で実行することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、監視期間が終了すると、先ず、18時以降から監視期間の終了時刻(24時)までの間における各部屋別のエネルギー消費量を特定することとした。そして、同時間帯においてネルギー消費量が第一閾値を超えている部屋が有るかどうかを確認し、該当する部屋が無い場合にはホームサーバ1が未帰宅報知用の報知メールを親族Pの通信端末9に向けて送信することとした。また、上記の実施形態では、未帰宅報知用の報知メールを送信した場合には、スコア管理工程、及び状態報知用の報知メールを送信する報知データ送信工程を実施しないことになっている。ただし、これに限定されるものではなく、未帰宅報知用の報知メールを送信した場合にもスコア管理工程及び報知データ送信工程を実施ししてもよい。かかる場合には、未帰宅報知用の報知メールをスコア管理工程の実施直後に送信することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、エネルギー消費量の経時変化からエネルギー消費行動の回数をカウントする際に必要となる2つの閾値、すなわち第一閾値及び第二閾値が互いに異なる値であるとした。具体的には、第一閾値よりも第二閾値の方が低いこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、第一閾値の方が第二閾値よりも低くなっていてもよく、あるいは、両閾値が同値となっていてもよい。
1 ホームサーバ
1a CPU
1b メモリ
1c 通信用インタフェース
1d ハードディスクドライブ
2 無線LANルータ
3 分電盤
4,5 電力センサ
6 ガスセンサ
7,8 流量センサ
9 通信端末
10 発信器
11 特徴量データ取得部
12 スコア管理部
13 報知データ送信部
14 記憶部
15 基準値更新部
B1、B2 ボタン
F 独居者
GN 外部ネットワーク
P 親族
S 本システム

Claims (9)

  1. 建物の利用者の状態を監視するために構築された監視用通信システムであって、
    前記利用者の行動に伴って変化する特徴量を示す特徴量データを取得する特徴量データ取得部と、
    前記利用者の状態の良否に関するスコアを管理するスコア管理部と、
    前記スコアに応じた情報を示す報知データを、予め指定された端末に向けて送信して、該端末に前記情報を報知させる報知データ送信部と、
    前記特徴量の種類別に配点数を記憶している記憶部と、を有し、
    前記特徴量データ取得部は、
    前記利用者のエネルギー消費行動に伴って変化する前記建物内でのエネルギー消費量を示す前記特徴量データと、
    前記利用者の外出行動に伴って変化する前記建物内に前記利用者が居ない不在時間を示す前記特徴量データと、を取得し、
    前記スコア管理部は、
    予め設定された監視期間内において前記特徴量データが示す前記エネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数、及び、前記記憶部が記憶している前記エネルギー消費量の種類に対応する前記配点数に基づいて算出される値と、
    前記特徴量データが示す前記不在時間、及び、前記記憶部が記憶している前記不在時間の単位時間あたりの前記配点数に基づいて算出される値と、を用いて前記スコアを求めることを特徴とする監視用通信システム。
  2. 前記特徴量データ取得部は、前記建物内に在る複数のエリアの各々について前記エネルギー消費量を示す前記特徴量データを取得し、
    前記記憶部は、前記配点数を前記エリア別に記憶しており、
    前記スコア管理部は、前記監視期間内において前記特徴量データが示す前記エリア別の前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った回数、及び、前記記憶部に記憶された前記エリア別の前記配点数に基づいてエリア別スコアを算出した上で、前記建物内に在る複数の前記エリアの各々について算出した前記エリア別スコアすべてを合算して前記スコアを求めることを特徴とする請求項1に記載の監視用通信システム。
  3. 前記スコア管理部は、
    前記建物内に在る複数の前記エリアのうち、特定エリアについての前記エリア別スコアを算出する際には、前記監視期間内において前記特定エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った回数、及び、前記記憶部が記憶している前記特定エリアに対応する前記配点数に基づいて前記エリア別スコアを算出し、
    前記建物内に在る複数の前記エリアの各々について算出した前記エリア別スコアすべてを合算して前記スコアを求める際には、算出した前記特定エリアについての前記エリア別スコアだけ減点することを特徴とする請求項2に記載の監視用通信システム。
  4. 前記スコア管理部は、前記監視期間内において前記特定エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った回数をカウントする際、下記の条件(1)及び(2)を満たす回をカウント対象から除外することを特徴とする請求項3に記載の監視用通信システム。
    (1)前記監視期間中、予め設定された除外時間内であること。
    (2)前記特徴量データが示す前記特定エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回った以降に、前記特定エリア以外の前記エリアでの前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えた後に前記第二閾値を下回っていないこと。
  5. 前記記憶部は、基準値を記憶しており、
    前記報知データ送信部は、前記スコアと前記基準値との比較結果に応じた前記情報を示す前記報知データを送信し、
    前記記憶部に記憶された前記基準値を過去の前記スコアに基づいて補正し、補正後の前記基準値に更新する基準値更新部を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の監視用通信システム。
  6. 前記基準値更新部は、前記記憶部に記憶された前記基準値を補正した際に、補正後の前記基準値を通知するための通知データを前記端末に向けて送信することを特徴とする請求項5に記載の監視用通信システム。
  7. 前記基準値更新部は、前記通知データを受信した前記端末から、補正後の前記基準値に対する採用の可否を連絡するための可否連絡データを受信し、受信した該可否連絡データが補正後の前記基準値の採用を許可する内容を示すデータであったときに、前記記憶部に記憶された前記基準値を補正後の前記基準値に更新することを特徴とする請求項6に記載の監視用通信システム。
  8. 前記報知データ送信部は、前記監視期間中、所定時刻を経過してから前記監視期間の終了時刻までの間に前記特徴量データが示す前記エネルギー消費量が前記第一閾値を超えていない場合に、その旨を通知するための情報を示す前記報知データを前記端末に向けて送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の監視用通信システム。
  9. コンピュータを用いて建物の利用者の状態を監視する監視用通信方法であって、
    コンピュータが、利用者の行動に伴って変化する特徴量を示す特徴量データを取得する特徴量データ取得工程と、
    コンピュータが、前記利用者の状態の良否に関するスコアを管理するスコア管理工程と、
    前記スコアに応じた情報を示すデータを、予め指定された端末に向けて送信して、該端末に前記情報を報知させる報知データ送信工程と、
    前記特徴量データ取得工程では、コンピュータが、
    前記利用者のエネルギー消費行動に伴って変化する前記建物内でのエネルギー消費量を示す前記特徴量データと、
    前記利用者の外出行動に伴って変化する前記建物内に前記利用者が居ない不在時間を示す前記特徴量データと、を取得し、
    前記スコア管理工程では、コンピュータが、
    予め設定された監視期間内において前記特徴量データが示す前記エネルギー消費量が第一閾値を超えた後に第二閾値を下回った回数、及び、記憶部が前記特徴量の種類別に記憶している配点数中、前記エネルギー消費量の種類に対応する前記配点数に基づいて算出される値と、
    前記特徴量データが示す前記不在時間と、前記記憶部が記憶している前記不在時間の単位時間あたりの前記配点数と、に基づいて算出される値と、を用いて前記スコアを求めることを特徴とする監視用通信方法。
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