JP2016051128A - 無端ベルト、定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

無端ベルト、定着装置、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少なくとも膜厚方向が高熱伝導性であり、かつ可とう性に優れる無端ベルト及びその無端ベルトを備える定着装置の提供。【解決手段】アスペクト比2以上の高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体と、ポリイミドとを含み、膜厚方向の熱伝導率が0.6W/mK以上である無端ベルトであり、前記高熱伝導体がグラフェンを含み、無端ベルトの周内に配置された加熱手段を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、無端ベルト、定着装置、および画像形成装置に関する。
粉状のトナーを用いる画像形成装置では、像保持体上に形成された静電電位の差による潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する。通常は、このトナー像を記録媒体上に静電的に直接転写した後、あるいは中間転写体に一次転写してから記録媒体に二次転写した後、加熱部材と加圧部材との間に記録媒体を挟み込み、トナー像を加熱および加圧して記録媒体上に定着する。
このようにトナー像を記録媒体上に定着する定着装置として、例えば、円筒状芯金の内部にハロゲンランプ等の発熱体を有する定着ロールと、この定着ロールに押圧される加圧ロールとで構成されるものが広く知られている。この定着装置では、定着ロールと加圧ロールとが互いに圧接されて形成されるニップ部に未定着トナー像を保持した記録媒体が送り込まれ、回転駆動される定着ロールと加圧ロールとの間を通過するときにトナー像が加熱および加圧される。
このような定着装置では、定着ロールが加圧ロールとの圧接力に対して十分な剛性を有するものとなっており、定着ロールにある程度の部材厚を有する芯金が用いられる。装置の起動の際に発熱体に電力を投入した後、または待機状態から復帰する際に、発熱体の輻射熱または接触部から伝導する熱が定着ロールの芯金や各層に伝達され、定着ロールの表面が予め定めた温度に加熱される。
一方、定着ロールに代えて無端状のベルトを定着部材として用いる定着装置が提案されている。定着ベルトには複数の支持ロールによって張架されたタイプや、内部に押圧支持体を有し、無張架の状態で加圧ロールと圧接され回転駆動されるタイプ等がある。定着ベルトは薄肉の耐熱性樹脂等を基層としており、ロール状部材に比べ熱容量が小さいため、短時間でウォーミングアップが行われる。さらに、定着ベルトを用いることによってニップ部の形状を自由に形成することもできる。
定着ベルトを無張架の状態で回転駆動する定着装置としては、例えば、特許文献1には、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する、フィルムもしくはベルト状の、回動可能な加熱部材と、前記加熱部材の内部に備えた輻射発熱源と、前記加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する保持部材と、前記保持部材の前記摺動面との間に前記加熱部材を挟んでニップ部を形成する加圧部材と、を具備しており、前記ニップ部を形成する前記保持部材の前記摺動面が前記加圧部材の軸線に対しクラウン形状を有し、前記加圧部材を回転駆動させることで前記ニップ部において前記加熱部材を前記保持部材の摺動面に内面を摺動させながら回転させ、前記ニップ部の前記加熱部材と前記加圧部材との間に被加熱材を挟持搬送しつつ前記加熱部材の熱で被加熱材を加熱する加熱装置が記載されている。
特許文献2には、耐熱性樹脂を基材とする樹脂製管状物であって、熱伝導率が60WmKを超える充填剤が、1〜25体積%配合されている樹脂製管状物および定着用ベルトが記載されている。
特許文献3には、ポリイミド樹脂100重量部に対し、鱗片状の窒化ホウ素を5〜400重量部含有し、面方向の熱伝導率が1W/m・K以上、厚み方向の熱伝導率が1W/m・K以下、面方向の熱伝導率/厚み方向の熱伝導率の比が5以上である高熱伝導性ポリイミドフィルムが記載されている。
特開2004−062053号公報 特開2006−330405号公報 特開2010−275394号公報
本発明の目的は、少なくとも膜厚方向が高熱伝導性であり、かつ可とう性に優れる無端ベルト、その無端ベルトを備える定着装置、および、その定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、アスペクト比2以上の高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体と、ポリイミド樹脂とを含み、膜厚方向の熱伝導率が0.6W/mK以上である無端ベルトである。
請求項2に係る発明は、前記高熱伝導体がグラフェンを含む、請求項1に記載の無端ベルトである。
請求項3に係る発明は、回転駆動する加圧ロールと、前記加圧ロールに接触して記録媒体が通過されるニップ部を形成しつつ従動回転する、請求項1または2に記載の無端ベルトと、前記無端ベルトの周内に配置され、前記無端ベルトを加熱する加熱手段と、を備える定着装置である。
請求項4に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる、請求項3に記載の定着装置と、を備える画像形成装置である。
請求項1に係る発明によると、アスペクト比2以上の高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体を含まない場合と比較して、少なくとも膜厚方向が高熱伝導性であり、かつ可とう性に優れる無端ベルトが提供される。
請求項2に係る発明によると、高熱伝導体がグラフェンを含まない場合と比較して、少なくとも膜厚方向が高熱伝導性であり、かつ可とう性に優れる無端ベルトが提供される。
請求項3に係る発明によると、無端ベルトがアスペクト比2以上の高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体を含まない場合と比較して、少なくとも膜厚方向が高熱伝導性であり、かつ可とう性に優れる無端ベルトを有する定着装置が提供される。
請求項4に係る発明によると、無端ベルトがアスペクト比2以上の高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体を含まない場合と比較して、少なくとも膜厚方向が高熱伝導性であり、かつ可とう性に優れる無端ベルトを有する定着装置を備える画像形成装置が提供される。
本発明の実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<無端ベルト>
本発明の実施形態に係る無端ベルトは、アスペクト比2以上の高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体と、ポリイミド樹脂とを含み、膜厚方向の熱伝導率が0.6W/mK以上である。
無端ベルトの膜厚方向の熱伝導率は、0.6W/mK以上であり、1.0W/mK以上であることが好ましい。また、無端ベルトの面内方向の熱伝導率は、0.4W/mK以上であることが好ましく、0.6W/mK以上であることがより好ましい。
無端ベルトの膜厚方向の熱伝導率/面内方向の熱伝導率の比は、1.0以上10以下の範囲であることが好ましく、1.1以上5以下の範囲であることがより好ましい。
本実施形態に係る無端ベルトに含有される放射状構造体は、アスペクト比2以上の高熱伝導体が複数放射状に集まって形成されたものである。この放射状構造体は、一粒子当たりの占有体積が非常に小さく、占有体積に対して、構造体径が非常に大きい。したがって、同径の球状粒子に比べ、同体積量を充てんした場合、多量の個数が充填され、粒子間距離が非常に小さくなる。その結果、熱伝導率が大幅に向上すると考えられる。また、この構造体は放射状構造を形成している。放射状構造体ではなく、単独の薄片状または鱗状であると、無端ベルトを形成する際に例えばポリアミック酸溶液に分散させた後の、乾燥焼成の際の膜厚の体積収縮によって、長軸方向が優先的に面内方向に配向するため、面内方向の熱伝導率は向上するものの、膜厚方向の熱伝導率はほとんど向上しないと考えられる。一方、放射状構造体では異方性がほとんど無いため、乾燥焼成の際に膜厚の体積収縮が起こっても面内方向にほとんど優先配向しないと考えられる。そのため、少なくとも膜厚方向の熱伝導率が大幅に向上し、好ましくは膜厚方向および面内方向の両方向の熱伝導率が大幅に向上すると考えられる。
放射状構造体を構成する高熱伝導体のアスペクト比は、2以上であり、2以上10000以下の範囲であることが好ましい。構造体のアスペクト比が2未満であると、膜厚方向の熱伝導率の向上効果が少なくなり、10000を超えると、材料の分散の際のシェアストレスで破壊されて高アスペクト比が維持できない場合がある。
放射状構造体を構成する高熱伝導体の少なくとも長軸方向の熱伝導率が10W/mK以上であることが好ましい。高熱伝導体の長軸方向の熱伝導率が10W/mK未満であると、膜厚方向の熱伝導率の向上効果が少なくなる場合がある。
放射状構造体を構成する高熱伝導体としては、複数放射状に集まって放射状構造を形成するものであればよく、特に制限はない。そのような高熱伝導体としては、グラフェン、酸化亜鉛等が挙げられ、熱伝導率等の点から、グラフェンが好ましい。すなわち、構造体としては、グラフェンが複数集まって放射状構造を形成しているものが好ましい。
放射状構造体は、例えば、化学気相成長法(CVD)等により製造される。
グラフェンの放射状構造体は、例えば、株式会社インキュベーション・アライアンス社製の「グラフェンフラワー」(登録商標)として入手可能である。
放射状構造体の平均径は、0.1μm以上20μm以下の範囲であることが好ましい。放射状構造体の平均径が0.1μm未満であると、構成する高熱伝導体のアスペクト比が低く、分散体が高熱伝導化しない場合があり、20μmを超えると、フィルムの平滑度が低下する、材料の分散の際のシェアストレスで破壊されて高アスペクト比が維持できない場合がある。
ポリイミド樹脂としては特に制限はなく、例えば、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを実質的に等モル量を有機極性溶媒中で合成されるポリアミド酸をイミド化して得られる。
ポリアミド酸の製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては特に制限はなく、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物であってもよい。
無端ベルトに含有される放射状構造体の含有量は、ポリイミド樹脂に対して0.3体積%以上30体積%以下の範囲であることが好ましく、1体積%以上25体積%以下の範囲であることがより好ましく、2体積%以上20体積%以下の範囲であることがさらに好ましい。この含有量の範囲においては無端ベルトの熱伝導性が大幅に向上し、可とう性がほとんど低下しない。
<無端ベルトの製造方法>
本実施形態に係る無端ベルトの製造方法の例について以下説明するが、この方法に限定されるものではない。
まず、ポリイミド前駆体溶液を調製する。ポリイミド前駆体溶液は、少なくともジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とにより得られる。有機溶媒としては、ポリアミド酸を溶解するものであればよく、特に限定されないが、有機極性溶媒が好適に挙げられる。
有機極性溶媒としては、その官能基がテトラカルボン酸二無水物またはジアミン化合物とほとんど反応しない双極子を有するものが挙げられる。有機極性溶媒として具体的には、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒等が挙げられる。
調製したポリイミド前駆体溶液に、アスペクト比2以上、好ましくは少なくとも長軸方向の熱伝導率が10W/mK以上である高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体を分散させる。分散する方法としては、プラネタリーミキサ、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、放射状構造体を含有するポリイミド樹脂製の無端ベルトを形成する。このポリイミド樹脂製の無端ベルトの形成方法としては、例えば、まず、円筒状芯体の外周面に放射状構造体を分散させた、ポリイミド前駆体溶液であるポリアミド酸溶液を塗布する。円筒状芯体の外周面にポリアミド酸溶液を塗布する方法としては次のような方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
円筒状芯体の外周面に塗布する方法としては、円筒状芯体をその中心軸に対して水平方向に回転させながらその表面に溶液を吐出することによってらせん状に塗布する方法、円筒状芯体をその中心軸に対して水平方向に回転させながらその表面に溶液を吐出することによってらせん状に塗布し、ブレードによって塗膜を平滑化させる方法、ハケ、ブレード等の塗布手段で、円筒状芯体に往復塗布する方法、塗布溶液保持容器に、円筒状芯体と、形成する膜厚分の穴を形成し、芯体をその穴に移動させることで平滑化された塗膜を形成する方法等が挙げられる。これらの塗布方法は状況等に応じて適宜選択すればよい。
円筒状芯体の材質は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましい。これらの中でも熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウムが好ましい。円筒状芯体の表面は、クロムやニッケル等の金属によるメッキ処理や、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の樹脂による被覆処理等を行ってもよい。
円筒状芯体の表面は、表面粗さRaが例えば0.2μm以上2μm以下程度に粗面化することが好ましい。粗面化方法には、ブラスト、切削、サンドペーパがけ等の方法があるが、ポリイミド樹脂無端ベルトの内面を摺動性のよい球形面状で凸形状の微小な凹凸が形成された状態とするために、円筒状芯体の表面は、球状の粒子を用いてブラスト処理を施すことが好ましい。
次に、例えば、円筒状芯体に形成した溶液塗膜を乾燥させる。溶液塗膜を乾燥させることで、ポリイミド樹脂前駆体溶液の塗膜の含有溶媒の例えば30質量%以上を揮発させ、溶液塗膜の流動性が低下し、放射状構造体の配向方向が固定される。
次いで、例えば350℃以上450℃以下の温度で例えば20分以上60分以下の間、皮膜を加熱処理する。その際、ポリイミド前駆体皮膜中に溶剤が残留していると、皮膜に膨れを生じることがあるため、前記温度に達するまでに、残留溶剤をできる限り除去することが好ましく、この工程では、温度を段階的に上昇させる、またはゆっくりと上昇させることが好ましい。
加熱焼成の後、円筒状芯体を常温(例えば、20℃以上30℃以下)程度まで冷却すると、無端ベルトが形成され、円筒状芯体から取り外し可能となる。無端ベルトは、必要に応じて、無端ベルト端部を切断して端部の長さを揃える切断加工、表面の粗さを調整する研磨加工等が施されてもよい。
なお、無端ベルトを画像形成装置の定着ベルトとして使用する場合は、弾性層、離型層等をさらに形成することが好ましい。離型層材料としては、トナーを離型するものであれば特に制限はなく、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が好適である。弾性層材料としては、耐熱性の弾性体であればよく、シリコーンゴム等が好適である。
<定着装置>
本実施形態に係る定着装置は、回転駆動する加圧ロールと、加圧ロールに接触して記録媒体が通過されるニップ部を形成しつつ従動回転する上記無端ベルトと、無端ベルトの周内に配置され、無端ベルトを加熱する加熱手段と、を備える。この無端ベルトを用いた定着装置の例を以下に説明する。
図1に示される上記無端ベルトを用いた定着装置は、加熱手段として例えば出力500W以上1000W以下程度のハロゲンランプ(熱源)74と、平面部Hを含み、これを取り囲むように配された押圧支持体72と、押圧支持体72の外周を取り巻くように掛けられる耐熱性の定着ベルト(無端ベルト)71と、押圧支持体72の平面部Hの位置で、定着ベルト71を介して加圧する加圧ロール73と、を有する。
定着ベルト71と加圧ロール73との間にはニップ部Nが形成され、ここに未定着のトナー像を保持した記録媒体Pを矢印C方向に通過させることで、加熱加圧定着が行われる。
加熱手段としてはハロゲンランプに限られず、抵抗発熱体、電磁誘導発熱体等の発熱する他の発熱体を用いてもよい。
押圧支持体72としては、鉄、アルミ等の、耐久性や耐熱性の良好な、剛性の高い金属等の材料を用いればよい。熱伝導性等の観点からアルミ系の材料が好ましい。
加圧ロール73は、例えば、金属製等の芯金にシリコーンゴムやその発泡体等の弾性の高い耐熱性材料を含んでなる弾性層を形成してなる、いわゆるソフトロールが用いられる。加圧ロール73の表層がソフトロールであるため、ニップ部Nにおいて加圧ロール73が適切に凹み、ニップ部Nの形状が、押圧支持体72の平面部Hの影響を受けて、略平面状となる。
なお、加圧ロール73の表面性状としては、押圧支持体72の平面部Hとの接触により、略平面状となる程度の弾力性または柔軟性を有することが好ましく、目的に応じて各種材料を適宜選択すればよい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着させる上記定着装置と、を備える。上記無端ベルトを用いた定着装置を備える画像形成装置の例について以下に説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例の構成を示す概略構成図である。本実施形態に係る画像形成装置では、上記無端ベルトを用いた定着装置が適用される。
図2に示される画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60とを備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。この定着装置60として上記無端ベルトを用いた定着装置が適用される。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体ドラム11を備えている。感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11の表面を帯電させる帯電手段の一例として、感光体ドラム11を帯電させる帯電器12が設けられ、前記帯電手段により帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段の一例として、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザー露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
感光体ドラム11の周囲には、潜像形成手段により像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11上の残留トナーを除去する清掃手段としてドラムクリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザー露光器13、現像器14、一次転写ロール16およびドラムクリーナ17の電子写真用デバイスが感光体ドラム11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、例えば、ポリイミドまたはポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は例えば10Ωcm以上1014Ωcm以下程度となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図2に示すB方向に予め定めた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、例えば、定速性に優れたモータ(図示せず)等により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して予め定めた張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を抑制する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、例えば、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、例えば、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、例えば、鉄、SUS等の金属等で構成された円柱棒である。スポンジ層は、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したニトリルゴム(NBR)とスチレン・ブタジエンゴム(SBR)とエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下程度のスポンジ状の円筒ロールである。
一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(例えば、マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、例えば、バックアップロール25と、現像手段により形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段の一例としての、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
バックアップロール25は、例えば、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が例えば10Ω/□以上1010Ω/□以下程度となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
二次転写ロール22は、例えば、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、例えば、鉄、SUS等の金属等で構成された円柱棒である。スポンジ層は、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下程度のスポンジ状の円筒ロールである。
二次転写ロール22は、例えば、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉等を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた予め定めたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
用紙Kを搬送する搬送手段として、例えば、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定めたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスの例について説明する。図2に示す画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により予め定めた画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の予め定めた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y,M,C,Kの4色の色材階調データに変換され、レーザー露光器13に出力される。
レーザー露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザー露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y,M,C,Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から予め定めたサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、画像形成装置および画像形成方法の一例について説明したが、本発明は上記実施形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能であり、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは言うまでもない。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下実施例において、無端ベルトの面内方向と膜厚方向の熱伝導率の測定にはサーモウェーブアナライザTA3(ベテル社製)を用いて熱拡散率を測定し、別途、無端ベルトの密度と比熱容量を測定し、熱伝導率を算出した。
可とう性の評価として、耐折れ性試験を以下の通り行った。得られた無端ベルトから、耐折れ強度試験片(試験部長さ100mm、幅15mm)を作製した。作製した試験片を用い、試験機MIT−DA(東洋精機製作所製)にて、屈曲R1、荷重1.25kg、両振り、振り角度135°、速度175回/分の条件にて、規定回数屈曲ストレスを印加し、破断するまでの屈曲回数を確認した。評価基準は、以下の通りである。
A:5万回で破断なし
B:1万回以上5万回未満で破断発生
C:1回以上1万回未満で破断発生
<実施例1>
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンが、N−メチルピロリドン中で合成された、固形分濃度18質量%、粘度約120Pa・sの溶液を用意した。このポリアミック酸溶液に、グラフェンが複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体(登録商標名グラフェンフラワー、平均径1〜10μm、放射状構造体を構成する高熱伝導体のアスペクト比は2000、放射状構造体を構成する高熱伝導体の長軸方向の熱伝導率は5000W/mK、インキュベーション・アライアンス製)を固形分体積比率で10体積%添加し、プラネタリーミキサにて30分間分散した。
この得られた溶液を、内径30mm、長さ500mmの円筒状アルミニウム製金型表面に塗布した。なお、この円筒状金型には、表面にシリコーン系の離型剤を予め塗布することで、ベルト成形後の剥離性を向上させた。塗布方法は金型をその中心軸に対して水平方向に回転させながらその表面に溶液を吐出することによってらせん状に塗布し、ブレードによって塗膜を平滑化させる方法を用いた。
次に、乾燥工程において、100℃の乾燥炉に、芯体を20rpmで回転させながら入れた。60分後に取り出すと、約150μm厚のポリイミド前駆体皮膜が形成され、残留溶媒は約40%(重量比)であった。
加熱焼成工程として、150℃で20分間、220℃で20分間、および380℃で30分間加熱して、ポリイミド樹脂皮膜を形成した。室温に冷えた後、芯体から皮膜を取り外し、75μm厚のポリイミド樹脂無端ベルトが得られた。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は5.1W/mKであり、面内方向は4.2W/mKであった。耐折れ性試験はA:5万回で破断なしであった。無端ベルトの断面を電界放射型走査型電子顕微鏡で観察した結果、放射状構造体が面内に分散している構造が確認された。
なお、得られた無端ベルトに含まれるグラフェン放射状構造体を構成する高熱伝導体のアスペクト比は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテク社製、H−9500型)を用いて10個の構造体の長さ、厚みを測定して算出、平均化した。得られた無端ベルトに含まれるグラフェン放射状構造体の平均径は、電界放出型走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製、SU8010型)を用いて観察し、30個の構造体の径を測定し平均化した。
得られた無端ベルトに含まれるグラフェン放射状構造体の含有量(体積%)は、ピクノメーターを用いてグラフェン構造体を分散したベルトサンプルと分散していないベルトサンプルを用いて水に浸漬してベルト比重を測定し、グラフェン放射状構造体の分散液からグラフェン放射状構造体の比重を測定し、グラフェン放射状構造体の含有量を算出することで測定した。
<実施例2>
グラフェン放射状構造体の添加量を1.5体積%とした以外は実施例1と同様に材料溶液を作製、塗布し、塗膜形成し、乾燥焼成させ、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は0.7W/mKであり、面内方向は0.5W/mKであった。耐折れ性試験はA:5万回で破断なしであった。
<比較例1>
ポリアミック酸溶液にグラフェン放射状構造体の代わりに、鱗状黒鉛粉末(CSP−E、平均粒径8μm、日本黒鉛工業製)を10体積%添加した以外は実施例1と同様に材料溶液を作製、塗布し、塗膜形成し、乾燥焼成させ、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は0.5W/mKであり、面内方向は3.9W/mKであり、膜厚方向の熱伝導率が大幅に低下した。耐折れ性試験はA:5万回で亀裂なしであった。無端ベルトの断面を電界放射型走査型電子顕微鏡で観察した結果、鱗状黒鉛の長軸が面内に配向している構造が確認された。
<比較例2>
鱗状黒鉛粉末を35体積%添加した以外は比較例1と同様に材料溶液を作製、塗布し、塗膜形成し、乾燥焼成させ、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は3.9W/mKであり、面内方向は25W/mKであった。耐折れ性試験はC:1〜1万回で破断発生であり、可とう性が大幅に低下した。
<比較例3>
ポリアミック酸溶液にグラフェン放射状構造体の代わりに、球状黒鉛粉末(CGB−10、平均粒径10μm、日本黒鉛工業製)を10体積%添加した以外は実施例1と同様に材料溶液を作製、塗布し、塗膜形成し、乾燥焼成させ、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は0.4W/mKであり、面内方向は0.6W/mKであり、面内、膜厚方向の熱伝導率が大幅に低下した。耐折れ性試験はA:5万回で亀裂なしであった。
<比較例4>
ポリアミック酸溶液に球状黒鉛粉末を45体積%添加した以外は実施例1と同様に材料溶液を作製、塗布し、塗膜形成し、乾燥焼成させ、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は4.1W/mKであり、面内方向は3.6W/mKであった。耐折れ性試験はC:1〜1万回で破断発生であり、可とう性が大幅に低下した。
<比較例5>
ポリアミック酸溶液にグラフェン放射状構造体の代わりに、グラフェン粉末(グラフェンナノパウダー12nm、平均粒径4.5μm、イーエムジャパン製)を10体積%添加した以外は実施例1と同様に材料溶液を作製、塗布し、塗膜形成し、乾燥焼成させ、無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトの熱伝導率を測定した結果、膜厚方向は0.7W/mKであり、面内方向は5.1W/mKであり、膜厚方向の熱伝導率が大幅に低下した。耐折れ性試験はA:5万回で亀裂なしであった。無端ベルトの断面を電界放射型走査型電子顕微鏡で観察した結果、グラフェンの長軸が面内に一様に配向している構造が確認された。
実施例および比較例で作製した無端ベルトの評価結果を表1に示す。
実施例の無端ベルトは、比較例の無端ベルトに比べて、少なくとも膜厚方向の熱伝導率が0.6W/mK以上である高熱伝導性であり、かつ可とう性に優れていた。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット、7 定着装置、10 一次転写部、11 感光体ドラム、12 帯電器、13 レーザー露光器、14 現像器、15 中間転写ベルト、16 一次転写ロール、17 ドラムクリーナ、20 二次転写部、22 二次転写ロール、25 バックアップロール、26 給電ロール、31 駆動ロール、32 支持ロール、33 テンションロール、34 クリーニングバックアップロール、35 中間転写ベルトクリーナ、40 制御部、42 基準センサ(ホームポジションセンサ)、43 画像濃度センサ、50 用紙収容部、51 給紙ロール、52 搬送ロール、53 搬送ガイド、55 搬送ベルト、56 定着入口ガイド、60 定着装置、71 定着ベルト(無端ベルト)、72 押圧支持体、73 加圧ロール、74 ハロゲンランプ(熱源)、100 画像形成装置。

Claims (4)

  1. アスペクト比2以上の高熱伝導体が複数集まって放射状構造を形成している放射状構造体と、ポリイミド樹脂とを含み、
    膜厚方向の熱伝導率が0.6W/mK以上であることを特徴とする無端ベルト。
  2. 前記高熱伝導体がグラフェンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の無端ベルト。
  3. 回転駆動する加圧ロールと、
    前記加圧ロールに接触して記録媒体が通過されるニップ部を形成しつつ従動回転する、請求項1または2に記載の無端ベルトと、
    前記無端ベルトの周内に配置され、前記無端ベルトを加熱する加熱手段と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着させる、請求項3に記載の定着装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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