JP2016048595A - 圧電素子の電気的接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線部材の端子部と導電性接着剤との間の熱膨張による剥がれを抑制する圧電素子の電気的接続構造を提供する。【解決手段】第1固着部63Baは、貫通孔59の周囲で端子部の電気絶縁層63Bに固着されると共に、第2固着部63Bbは、貫通孔59の周囲で接続部56の表面に固着され、第1固着部63Baの電気絶縁層63Bへの固着は、貫通孔59から放射方向へ電気絶縁層63Bの厚みを超える範囲で行われ、第2固着部63Bbの接続部56の表面への固着は、貫通孔59から放射方向へ配線部の厚みを超える範囲で行われ、第1固着部63Baの貫通孔59から放射方向への範囲は、第2固着部63Bbの貫通孔59から放射方向への範囲と同一又は第2固着部63Bbの貫通孔59から放射方向への範囲を超えることを特徴とする。【選択図】図9

Description

本発明は、圧電素子の電極と配線部材との接続に係わる圧電素子の電気的接続構造及びこれを備えたヘッド・サスペンションに関する。
近年、情報機器の小型化、精密化が急速に進展し、微小距離での位置決め制御が可能なマイクロ・アクチュエータの需要が高まっている。例えば、光学系の焦点補正や傾角制御、インクジェット・プリンタ装置、磁気ディスク装置のヘッド・アクチュエータ等の技術分野での要請がある。
磁気ディスク装置では、単位長さあたりのトラック数 (TPI : Track Per inch)を増大して記憶容量を大きくしているため、トラックの幅が益々狭くなっている。
このため、トラック幅方向の磁気ヘッド位置決め精度の向上が必要となり、微細領域で高精度の位置決めが可能なアクチュエータが望まれていた。
こうした要請に応える技術としては、例えば特許文献1のように、いわゆるデュアル・アクチュエータ方式のヘッド・サスペンションがある。このヘッド・サスペンションは、キャリッジを駆動するボイス・コイル・モータの他に、ベース・プレートとロード・ビームとの間に圧電素子が設けられている。
従って、デュアル・アクチュエータ方式のヘッド・サスペンションでは、ボイス・コイル・モータによる旋回駆動に加え、圧電素子の給電状態に応じた変形によりロード・ビームを介して先端のヘッド部をスウェイ方向へ微少移動させることができる。これにより、磁気ヘッドの位置決めを高精度に行うことができる。
こうしたデュアル・アクチュエータ方式のヘッド・サスペンションでは、例えば図11のような、電気的接続構造101が採用されたものがある。
図11の電気的接続構造101では、圧電素子103の電極103aに、対向配置された配線部材としてのフレキシャ105の端子部107が固着接続されている。
フレキシャ105は、電気絶縁層109上に配線パターン111が積層して形成されている。フレキシャ105の端子部107では、電気絶縁層109に貫通孔113が形成され、この貫通孔113により配線パターン111を圧電素子103側に露出させた接続部115が形成されている。フレキシャ105の接続部115は、導電性接着剤117によって圧電素子103の電極103aに固着接続されている。
このような電気的接続構造101では、フレキシャ105の接続部115から導電性接着剤117を介して圧電素子103の電極103aに給電を行わせることができる。
しかしながら、かかる給電時には、図12のように、電気的接続構造101に各部の熱膨張による応力が発生する。特に、導電性接着剤117と圧電素子103の電極103a及びフレキシャ105の端子部107の接続部115との各間には、熱膨張による相対的に高い応力が発生する。なお、図12では、濃度の濃い部分が応力の高い部分である。
ここで、圧電素子103の電極103aは、その表面が圧電素子103の表面性状に応じて粗く、導電性接着剤117との接着強度が相対的に高くなっている。このため、圧電素子103の電極103aと導電性接着剤117との間では、熱膨張による相対的に高い応力にも対抗できる。
これに対し、フレキシャ105の端子部107の接続部115は、その表面が圧電素子103の電極103aよりも滑らかであり、導電性接着剤117との接着強度が相対的に弱くなっている。この結果、端子部107の接続部115と導電性接着剤117との間では、熱膨張による相対的に高い応力に対抗することができず、剥がれが生じることがあった。
特開2002-184140号公報
解決しようとする問題点は、圧電素子の電極と配線部材の端子部とを導電性接着剤によって固着接続する場合に、端子部と導電性接着剤との間で熱膨張による剥がれが生じていた点である。
本発明は、配線部材の端子部と導電性接着剤との間の熱膨張による剥がれを抑制するために、基部にロード・ビームを介して読み書き用のヘッド部を支持し、前記基部と前記ロード・ビームとの間に設けられて電圧の印加状態に応じて変形する圧電素子が前記ロード・ビームを介し前記ヘッド部を前記基部に対してスウェイ方向に微少移動させるヘッド・サスペンションに用いる圧電素子の電気的接続構造であって、前記圧電素子の電極に対向配置された配線部材の端子部を導電性接着剤によって固着接続し、前記端子部に貫通形成された貫通孔と、前記端子部の圧電素子側に対する反対側で前記貫通孔の周囲に露出して設けられた接続部とを備え、前記配線部材は、前記圧電素子の電極に対向配置された電気絶縁層に配線部を積層して形成され、前記貫通孔が前記電気絶縁層及び前記配線部を貫通して前記接続部が前記貫通孔の周囲の前記配線部からなり、前記導電性接着剤は、前記貫通孔を介し前記接続部の表面から前記電極の表面にわたって配置固化し、前記導電性接着剤の配置固化により前記端子部と前記圧電素子との間に第1固着部を備えると共に前記接続部の表面に第2固着部を備え、前記第1固着部は、前記貫通孔の周囲で前記端子部の前記電気絶縁層に固着されると共に、前記第2固着部は、前記貫通孔の周囲で前記接続部の表面に固着され、前記第1固着部の前記電気絶縁層への固着は、前記貫通孔から放射方向へ前記電気絶縁層の厚みを超える範囲で行われ、前記第2固着部の前記接続部の表面への固着は、前記貫通孔から放射方向へ前記配線部の厚みを超える範囲で行われ、前記第1固着部の前記貫通孔から放射方向への範囲は、前記第2固着部の前記貫通孔から放射方向への範囲と同一又は前記第2固着部の前記貫通孔から放射方向への範囲を超えることを最も主な特徴とする。
本発明は、上記構成であるから、接続部と導電性接着剤との間の熱膨張に起因する応力を低減して剥がれを抑制することができる。
圧電素子の電気的接続構造を採用したヘッド・サスペンションの一例を示す概略平面図である(参考例)。 図1のヘッド・サスペンションの斜視図である(参考例)。 フレキシャの端子部周辺を示す一部省略斜視図である(参考例)。 図3のフレキシャを反転した一部省略斜視図である(参考例)。 電気的接続構造の端子部を拡大して示し、(a)は平面図、(b)は(a)のV−V線矢視に係る断面図である(参考例)。 図1の電気的接続構造のVI−VI線矢視に係る斜視断面図である(参考例)。 電気的接続構造の応力分布を示し、(a)は斜視断面図、(b)は導電性接着剤のみの斜視断面図、(c)は(b)のVII−VII線矢視に係る斜視断面図である(参考例)。 変形例に係る電気的接続構造の端子部を示す断面図である(参考例)。 電気的接続構造の斜視断面図である(実施例1)。 電気的接続構造の応力分布を示し、(a)は斜視断面図、(b)は導電性接着剤のみの斜視断面図、(c)は(b)のX−X線矢視に係る斜視断面図である(実施例1)。 電気的接続構造の斜視断面図である(従来例)。 電気的接続構造の応力分布を示す斜視断面図である(従来例)。
配線部材の端子部と導電性接着剤との間の熱膨張による剥がれを抑制するという目的を、第1固着部は、貫通孔の周囲で端子部の電気絶縁層に固着されると共に、第2固着部は、貫通孔の周囲で接続部の表面に固着され、第1固着部の電気絶縁層への固着は、貫通孔から放射方向へ電気絶縁層の厚みを超える範囲で行われ、第2固着部の接続部の表面への固着は、貫通孔から放射方向へ配線部の厚みを超える範囲で行われ、第1固着部の貫通孔から放射方向への範囲は、第2固着部の貫通孔から放射方向への範囲と同一又は第2固着部の貫通孔から放射方向への範囲を超えることによって実現した。
実施形態においては、配線部材は、圧電素子の電極に対向配置された電気絶縁層に配線部を積層して形成され、端子部は、貫通孔が電気絶縁層及び配線部を貫通し、接続部が貫通孔周囲の配線部からなる。
好ましくは、貫通孔が、配線部側の径を電気絶縁層側の径に対して同径以上に設定される。
図1〜図8は、参考例を示す。実施例1の説明の前に、理解を容易にするため参考例を説明する。
[ヘッド・サスペンションの概略構成]
図1は圧電素子の電気的接続構造を採用したヘッド・サスペンションの一例を示す概略平面図、図2はヘッド・サスペンションの斜視図である。
図1及び図2のように、ヘッド・サスペンション1は、本発明参考例の圧電素子3の電気的接続構造4を用いており、基部5にロード・ビーム7を介して先端の読み書き用のヘッド部9を支持している。
圧電素子3は、矩形の圧電セラミック、例えば矩形のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。圧電素子3の一側面には、金メッキにより共通の電極3aが形成され、他側面には、金メッキにより一対の電極3b,3cが形成されている。
この圧電素子3は、基部5とロード・ビーム7との間に設けられて電極3a,3b,3cを介した電圧の印加状態に応じて変形し、ロード・ビーム7を介しヘッド部9を基部5に対してスウェイ方向に微少移動させる。
基部5は、ステンレスなど導電性のべース・プレート11にステンレスなど導電性の補強プレート13の基端側を重ねて構成されている。ベース・プレート11と補強プレート13との間は、レーザー溶接などにより結合されている。
べース・プレート11及び補強プレート13には、両者を貫通する貫通孔15が形成されている。ベース・プレート11には、ボス部17が一体に形成されている。ボス部17は、ボイス・コイル・モータ(図示せず)に取り付けられたキャリッジ(図示せず)の取付穴にスエージングにより取り付けられている。
これにより、ヘッド・サスペンション1では、ボイス・コイル・モータによる旋回駆動と圧電素子3によるヘッド部9の微小駆動とを行うことができるようになっている。
補強プレート13の先端側には、圧電素子3の取付部19が形成されている。取付部19には、圧電素子3を配置する開口部21が形成され、開口部21内にエッチング処理等による取付フランジ23,25が備えられている。この開口部21内には、圧電素子3が非導電性接着剤により固定されている。開口部21のスウェイ方向両側には、可撓部27a,27bが設けられている。
取付部19の先端には、結合部29が形成されている。結合部29と圧電素子3の一対の電極面3b,3cとの間には、銀ペースト等の導電性接着剤31a,31bが塗布されている。この導電性接着剤31a,31bにより補強プレート13と電極面3b,3cとの間が導通接続されている。結合部29には、ロード・ビーム7が結合されている。
ロード・ビーム7は、情報の書き込み,読み取りを行う先端側のヘッド部9に負荷荷重を与えるものである。ロード・ビーム7は、例えばステンレス鋼薄板で形成され、剛体部33とばね部35とを含んでいる。
ばね部35は、窓37により二股に形成され、厚み方向の曲げ剛性を下げている。ばね部35の基端には、基部5側の結合部29に結合する被結合部39が形成されている。被結合部39は、結合部29にレーザー溶接などにより結合されている。
剛体部33の幅方向両縁には、レール部41a,41bが箱曲げにより板厚方向に立ち上げ形成されている。レール部41a,41bは、剛体部33の先端側から基端に渡って設けられている。
剛体部33の先端には、ロード・アンロード用のタブ43が設けられ、同先端側にディンプル(図示せず)が設けられている。
ヘッド部9のスライダは、配線部材としてのフレキシャ45のタング部45aに支持されている。
図3は、フレキシャの端子部周辺を示す一部省略斜視図、図4は、図3のフレキシャを反転した一部省略斜視図、図5は、電気的接続構造の端子部を拡大して示し、(a)は平面図、(b)は(a)のV−V線矢視に係る断面図である。なお、図3〜図5のフレキシャは、図1、図2のフレキシャと若干形状は異なるが、基本的には同構造である。
フレキシャ45は、ばね性を有する薄いステンレス鋼圧延板(SST)などの導電性薄板47に、電気絶縁層49を形成し、この電気絶縁層49に配線部である銅の配線パターン51,53を積層して形成したものである。本参考例では、図5のように、フレキシャ45の圧電素子側に対する反対側の表面がカバー絶縁層54によって被覆されている。なお、カバー絶縁層54は省略することも可能である。
導電性薄板47の厚みは、10〜25μm程度の範囲で、電気絶縁層49の厚みは、5〜15μm程度の範囲で、配線パターン51,53の厚みは、8〜15μm程度の範囲で、カバー絶縁層54の厚みは、1〜5μm程度の範囲で形成される。
配線パターン51の一端は、図1及び図3のように、ヘッド部9のスライダに支持された書き込み用の端子、読み取り用の端子に導通接続され、配線パターン53の一端には、圧電素子3に対する端子部55が形成されている。この圧電素子3と端子部55との間には、電気的接続構造4が適用されている。なお、配線パターン51及び53の他端には、外部接続用の端子部(図示せず)が設けられている。
[電気的接続構造]
図6は、図1の電気的接続構造のVI−VI線矢視に係る斜視断面図である。
図6のように、電気的接続構造4では、端子部55の圧電素子側に対する反対側で、端子部55の接続部56に導電性接着剤63を固着接続している。
本参考例の端子部55は、図3〜図6のように、その周辺を含めてエッチング処理等により導電性薄板47が除去されている。この端子部55には、円形の貫通孔59が貫通形成されている。
貫通孔59は、図5及び図6のように、電気絶縁層49及び配線パターン53を貫通し、電気絶縁層49側の絶縁層孔59a及び配線パターン53側の配線孔59bからなっている。絶縁層孔59a及び配線孔59bの径は、同一径に設定されている。ただし、配線孔59bを絶縁層孔59aよりも大径に形成してもよい。
従って、貫通孔59は、配線パターン53側の径が電気絶縁層49側の径に対して同一径以上に設定された構成となっている。
貫通孔59の周囲には、リング状の接続部56が形成されている。接続部56は、配線パターン53の一部からなっている。接続部56の表面側は、カバー絶縁層54が除去されて外部に露出している。
従って、接続部56は、端子部55の圧電素子側に対する反対側で貫通孔59周囲に設けられた構成となっている。
接続部56の裏面側は、電気絶縁層49によってカバーされると共に支持されている。これにより、接続部56が端子部55の圧電素子側に露出しないようになっている。
端子部55の圧電素子側には、障突部としてのステンレス・リング57が電気絶縁層49から突設されている。ステンレス・リング57は、貫通孔59の周囲で導電性薄板47を部分的に残すことで形成されている。ステンレス・リング57は、接続部56の裏面側で径方向中間部に位置している。
導電性接着剤63は、図6のように、端子部55の接続部56表面から貫通孔59を介して圧電素子3の電極3aにわたって塗布固化されている。固化した導電性接着剤63は、端子部55の両側に位置して全体として略工字状となっている。
端子部55の圧電素子側では、導電性接着剤63が圧電素子3の電極3aに固着した第1固着部63aとなっている。第1固着部63aは、ステンレス・リング57が、端子部55と圧電素子3との間で導電性接着剤63の固化前の流れ出しの障害となることで形成される。具体的には、ステンレス・リング57によって圧電素子3の電極3aとの間を狭くし、導電性接着剤63が毛細管現象により両間に入り込んで固化する。
これにより、第1固着部63aは、ステンレス・リング57と圧電素子3の電極3aとの間及びステンスレス・リング57の内周側で段付の円柱形状となっている。
一方、端子部55の圧電素子側に対する反対側では、導電性接着剤63が端子部55の接続部56に固着した第2固着部63bとなっている。第2固着部63bは、貫通孔59に対して放射方向に突出した円柱形状に形成されている。この第2固着部63bは、その外周側が端子部55の接続部56表面上に位置して固着している。
第2固着部63bと第1固着部63aとの間は、貫通孔59内の連結部63cによって一体に連結されている。連結部63cは、絶縁層孔59a及び配線孔59bの内周に固着した円柱形状となっている。
従って、導電性接着剤63は、第2固着部63b及び連結部63cが端子部55の接続部56表面及び内周に導通し、第1固着部63aが圧電素子3の電極3aに導通している。この結果、導電性接着剤63は、端子部55の接続部56と圧電素子3の電極3aとの間を導通接続し、端子部55から導電性接着剤63を介して圧電素子3に給電を行わせることができる。
給電の際には、導電性接着剤63と端子部55の接続部56との間に熱膨張による応力が発生するが、本参考例では、この応力を低減することができる。
すなわち、電気的接続構造4では、端子部55の圧電素子側に対する反対側において、 貫通孔59周囲に設けられた接続部56表面に導電性接着剤63の第2固着部63bが固着している。
このため、第2固着部63bを接続部56に対する反対側で開放することができると共に貫通孔59によって接続部56の面方向の強度を低下させることができる。
この結果、電気的接続構造4では、接続部56表面に対する拘束の発生を抑制することができ、接続部56と第2固着部63bとの間(界面)の熱膨張による応力を低減することができる。
また、接続部56の裏面側では、電気絶縁層49が導電性接着剤63の第1固着部63aに固着し、導電性接着剤63の食い付きを弱くすることができる。これにより、接続部56の裏面側と第1固着部63aとの間でも、熱膨張による応力を低減することができる。
なお、圧電素子3の電極3aと導電性接着剤63との間では、熱膨張による相対的に高い応力が発生するが、従来技術と同様に接着強度が相対的に高く、かかる応力にも対抗できる。
図7は、電気的接続構造の応力分布を示し、(a)は斜視断面図、(b)は導電性接着剤のみの斜視断面図、(c)は(b)のVII−VII線矢視に係る斜視断面図である。図7では、圧電素子3と導電性接着剤63との界面及び端子部55の基端側を拘束し、温度を20℃から140℃まで上昇させたときの応力分布の解析結果を示している。なお、図7では、濃度の濃い部分が応力の高い部分である。
図7から明らかなように、電気的接続構造4では、端子部55の接続部56と導電性接着剤63の第2固着部63bとの間での熱膨張による応力を低減できることが確認できた。
接続部56の裏面側においても、導電性接着剤63の第1固着部63aとの間での熱膨張による応力を低減できることが確認できた。
[参考例の効果]
本参考例の電気的接続構造4では、端子部55に貫通形成された貫通孔59と、端子部55の圧電素子側に対する反対側で貫通孔59周囲に設けられた接続部56とを備え、導電性接着剤63が、貫通孔59を介し接続部56表面から電極3a表面にわたって配置固化している。
すなわち、本参考例では、端子部55の圧電素子側に対する反対側で貫通孔59周囲の接続部56表面に導電性接着剤63を固着させることで、接続部56表面に対する拘束の発生を抑制することができる。
この結果、本参考例では、接続部56と導電性接着剤63との間(界面)での熱膨張による応力を低減することができ、両者間の剥がれを抑制して電気的接続に対する長期信頼性を確保することができる。
本参考例の電気的接続構造4では、フレキシャ45が、圧電素子3の電極3aに対向配置された電気絶縁層49に配線パターン51,53を積層して形成され、端子部55が、貫通孔59が電気絶縁層49及び配線パターン53を貫通し、接続部56が貫通孔59周囲の配線パターン53からなる。
従って、本参考例では、端子部55と導電性接着剤63との間での熱膨張による剥がれを抑制できる電気的接続構造4を確実に実現することができる。
貫通孔59は、配線パターン53側の径が電気絶縁層49側の径に対して同径以上に設定されている。
このため、本参考例では、接続部56の裏面側を電気絶縁層49によって支持することができ、貫通孔59周囲に位置する接続部56の剛性を向上することができる。
しかも、電気絶縁層49が、接続部56の裏面側で導電性接着剤63に固着し、導電性接着剤63の食い付きを弱くすることができる。このため、本参考例では、接続部56の裏面側と導電性接着剤63との間での熱膨張による応力も低減することができる。
従って、本参考例では、より確実に端子部55と導電性接着剤63との間での熱膨張による剥がれを抑制して電気的接続に対する長期信頼性を確保することができる。
本参考例の電気的接続構造4では、接続部56がリング状であるため、接続部56全体で表面に対する拘束の発生を確実に抑制することができる。
また、本参考例の電気的接続構造4では、電気絶縁層49の圧電素子側で貫通孔59周囲に突設され導電性接着剤63の固化前の流れ出しの障害となるステンレス・リング57を備えている。
このため、本参考例では、ステンレス・リング57により、圧電素子3と端子部55との間の導電性接着剤63の均一化を図ることができると共に導電性接着剤63に対する食い付きを強くすることができる。
従って、本参考例では、圧電素子3と端子部55との間の接着強度を向上することができる。この結果、上記のように接続部56の裏面側で導電性接着剤63の食い付きを弱くしても、圧電素子3と端子部55との間を確実に接着させることができる。
かかる電気的接続構造4を用いたヘッド・サスペンション1は、圧電素子3とフレキシャ45の端子部55との導電接続の信頼性の向上したヘッド・サスペンション1を得ることができ、ヘッド・サスペンション1の高精度の位置決めを信頼性高く達成することができる。
[変形例]
本参考例では、図8のように、ステンレス・リングの形状を変更することも可能である。
図8は、本参考例の変形例に係る電気的接続構造の端子部を示す断面図である。なお、変形例においては、上記参考例と基本構成が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にAを付して重複した説明を省略する。
図8のように、本変形例は、ステンレス・リング57Aの内径を貫通孔59と同径に形成したものである。これに応じて、ステンレス・リング57Aの外径が、参考例と比較して小径に設定されている。
このような変形例においても、上記参考例と同様の作用効果を奏することができる。
図9は、本発明の実施例1に係る電気的接続構造の斜視断面図である。なお、本実施例においては、上記参考例と基本構成が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にBを付して重複した説明を省略する。
図9のように、本実施例の電気的接続構造4Bは、ステンレス・リング57Bが、端子部55Bの接続部56に対して積層方向で重ならないようにしたものである。
すなわち、ステンレス・リング57Bは、接続部56の外径よりも大きい内径を有するリング状であり、接続部56に対して外側に位置している。本実施例では、ステンレス・リング57Bの内径が、接続部56及び導電性接着剤63Bの第2固着部63Bbの外径と同一径となっている。
かかる電気的接続構造4Bでは、接続部56の裏面側にステンレス・リング57Bが位置しないので、接続部56がステンレス・リング57Bによって引っ張られ或いは拘束されることがない。このため、接続部56の全域にわたって、導電性接着剤63Bの第2固着部63Bbとの間の応力を低減することができる。
図10は、電気的接続構造の応力分布を示し、(a)は斜視断面図、(b)は導電性接着剤のみの斜視断面図、(c)は(b)のX−X線矢視に係る斜視断面図である。なお、図10の応力分布は、参考例の図7と同様にして解析したものであり、濃度の濃い部分が応力の高い部分を示す。
ここで、上記参考例では、図7のように(特に図7(c)参照)、接続部55と導電性接着剤63の第2固着部63bとの間の応力を低減することはできたものの、ステンレス・リング57に重なる部分で応力の高い部分が残存していた。
これに対し、電気的接続構造4Bでは、図10から明らかなように(特に図10(c)参照)、端子部55Bの接続部56と導電性接着剤63Bの第2固着部63Bbとの間で生じる応力を全域にわたって低減できることが確認できた。
このように、本実施例の電気的接続構造4Bでは、端子部55Bの接続部56と導電性接着剤63Bの第2固着部63Bbとの間で生じる応力を全域にわたって低減できる。従って、本実施例では、より確実に端子部55と導電性接着剤63Bとの間での熱膨張による剥がれを抑制して、電気的接続に対する長期信頼性を確保することができる。
また、本実施例では、上記参考例と同様の作用効果も奏することができる。
1 ヘッド・サスペンション
3 圧電素子
3a 電極
4B 電気的接続構造
5 基部
7 ロード・ビーム
9 ヘッド部
45 フレキシャ(配線部材)
49 電気絶縁層
51,53 配線パターン(配線部)
57B ステンレス・リング(障突部)
55B 端子部
56 接続部
59 貫通孔
63B 導電性接着剤
63Ba 第1固着部
63Bb 第2固着部

Claims (5)

  1. 基部にロード・ビームを介して読み書き用のヘッド部を支持し、前記基部と前記ロード・ビームとの間に設けられて電圧の印加状態に応じて変形する圧電素子が前記ロード・ビームを介し前記ヘッド部を前記基部に対してスウェイ方向に微少移動させるヘッド・サスペンションに用いる圧電素子の電気的接続構造であって、
    前記圧電素子の電極に対向配置された配線部材の端子部を導電性接着剤によって固着接続し、前記端子部に貫通形成された貫通孔と、前記端子部の圧電素子側に対する反対側で前記貫通孔の周囲に露出して設けられた接続部とを備え、
    前記配線部材は、前記圧電素子の電極に対向配置された電気絶縁層に配線部を積層して形成され、
    前記貫通孔が前記電気絶縁層及び前記配線部を貫通して前記接続部が前記貫通孔の周囲の前記配線部からなり、
    前記導電性接着剤は、前記貫通孔を介し前記接続部の表面から前記電極の表面にわたって配置固化し、
    前記導電性接着剤の配置固化により前記端子部と前記圧電素子との間に第1固着部を備えると共に前記接続部の表面に第2固着部を備え、
    前記第1固着部は、前記貫通孔の周囲で前記端子部の前記電気絶縁層に固着されると共に、前記第2固着部は、前記貫通孔の周囲で前記接続部の表面に固着され、
    前記第1固着部の前記電気絶縁層への固着は、前記貫通孔から放射方向へ前記電気絶縁層の厚みを超える範囲で行われ、
    前記第2固着部の前記接続部の表面への固着は、前記貫通孔から放射方向へ前記配線部の厚みを超える範囲で行われ、
    前記第1固着部の前記貫通孔から放射方向への範囲は、前記第2固着部の前記貫通孔から放射方向への範囲と同一又は前記第2固着部の前記貫通孔から放射方向への範囲を超える、
    ことを特徴とする圧電素子の電気的接続構造。
  2. 請求項1記載の圧電素子の電気的接続構造であって、
    前記貫通孔は、前記配線部側の径が前記電気絶縁層側の径に対して同径以上に設定された、
    ことを特徴とする圧電素子の電気的接続構造。
  3. 請求項1又は2記載の圧電素子の電気的接続構造であって、
    前記接続部は、リング状である、
    ことを特徴とする電気的接続構造。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の圧電素子の電気的接続構造であって、
    前記電気絶縁層の圧電素子側で前記貫通孔の周囲に突設され前記導電性接着剤の固化前の流れ出しの障害となる障突部を備え、
    前記障突部は、前記接続部に対して外側に位置し積層方向で重ならない、
    ことを特徴とする圧電素子の電気的接続構造。
  5. 請求項4記載の圧電素子の電気的接続構造であって、
    前記障突部は、前記接続部の外径よりも大きい内径のリング状である、
    ことを特徴とする圧電素子の電気的接続構造。
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