JP2016048017A - 窓ガラス支持構造及びその窓ガラス支持構造を備える昇降装置 - Google Patents

窓ガラス支持構造及びその窓ガラス支持構造を備える昇降装置 Download PDF

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Hidefumi Katayama
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Abstract

【課題】車両ドアの窓ガラスの外面と車両ドアの外装部材(ガーニッシュ)の外面とを高精度に面一にすることができる窓ガラス支持構造及びその窓ガラス支持構造を備える昇降装置を提供する。【解決手段】窓ガラス支持構造は、窓ガラス10の端縁11を支持するフレーム4と、フレーム4に設けられたレール部30と、窓ガラス10に固定されてレール部30に摺動可能に配置されるスライダ40と、フレーム4に設けられて窓ガラス10の外面10aと面一に配置される外面5aを有する外装部材5と、外装部材5と窓ガラス10との間を封止する封止部材60とを備える。レール部30と封止部材60とは別部材として構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、車両ドアの窓ガラスを支持する窓ガラス支持構造、及びその窓ガラス支持構造を備える昇降装置に関する。
車両ドアの窓ガラスの外面と車両ドアの外装部材(ガーニッシュ)の外面とが面一となるように窓ガラスを支持する窓ガラス支持構造として、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の窓ガラス支持構造は、窓ガラスの端縁を支持するフレームと、フレームに取り付けられたレール部材と、窓ガラスに固定されるスライダとを備える。スライダは、窓ガラスの内面において窓ガラスの端縁よりも内側に配置される。
レール部材は、フレームに形成された凹部に取り付けられ、スライダを収容するように形成されている。スライダはレール部材に沿って摺動する。
レール部材は、スライダが摺動するガラスラン部と、窓ガラスとドアの外装部材(ガーニッシュ)との隙間を封止するシール部とを有する。
特開2006−341693号公報
ところで、車両の空気抵抗をより低減させるためには、車両ドアの窓ガラスの外面と車両ドアの外装部材(ガーニッシュ)の外面とが高精度に面一であることがより好ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両ドアの窓ガラスの外面と車両ドアの外装部材(ガーニッシュ)の外面とを高精度に面一にすることができる窓ガラス支持構造、及びその窓ガラス支持構造を備える昇降装置を提供することにある。
(1)上記課題を解決する窓ガラス支持構造は、窓ガラスの端縁を支持するフレームと、前記フレームに設けられたレール部と、前記窓ガラスに固定されて前記レール部に摺動可能に配置されるスライダと、前記フレームに設けられて前記窓ガラスの外面と面一に配置される外面を有する外装部材と、前記外装部材と前記窓ガラスとの間を封止する封止部材とを備え、前記レール部と前記封止部材とは別部材として構成される。
この構成によれば、窓ガラスの移動による封止部材の変形がレール部に及ぶことが抑制される。このため、窓ガラスはレール部により精確に位置決めされるようになり、車両ドアの窓ガラスの外面と車両ドアの外装部材の外面とが高精度で面一に配置されるようになる。
(2)上記窓ガラス支持構造において、前記スライダは、前記窓ガラスの内面において前記窓ガラスの端縁よりも内側に配置される。
スライダが窓ガラスの端縁から突き出されている場合は、その突き出されている部分に力が加わると、その突き出されている部分と窓ガラスの端縁から突き出されていない部分との境界部分に応力が集中するため、スライダが変形したり、スライダに亀裂が生じたりするおそれがある。この点、上記構成によれば、窓ガラスの端縁から突き出されている部分がないため、スライダが変形したり亀裂が生じたりすることが抑制される。
(3)上記窓ガラス支持構造において、前記スライダ及び前記レール部の一方は、車両前後方向に奥行きを有してかつ前記スライダの移動方向に沿って延びる溝部を有し、前記スライダ及び前記レール部の他方は、前記溝部に挿通する挿通部を有する。
この構成によれば、挿通部と溝部との係合によりスライダの車幅方向での位置ずれが抑制されるようになる。
このため、窓ガラスが車幅方向で所定範囲内に位置決めされるようになる。
(4)上記窓ガラス支持構造において、前記溝部は、車幅方向に配置されて互いに対向する第1溝面と第2溝面とを有し、前記挿通部は、前記第1溝面に向く第1側面と前記第2溝面に向く第2側面とを有し、前記第1溝面と前記第1側面との少なくとも一方には他方側に突出して当該他方に接触する第1接触部が設けられ、前記第2溝面と前記第2側面との少なくとも一方には他方側に突出して当該他方に接触する第2接触部が設けられる。
この構成によれば、スライダの溝部と、この溝部に挿通する挿通部とは、車幅方向において部分的に接触する。
このため、窓ガラスは車幅方向に精確に位置決めされる。
(5)上記窓ガラス支持構造において、前記スライダは前記溝部を有し、前記レール部は前記挿通部を有し、前記レール部は、更に、前記スライダにおける前記溝部の開口部とは反対側の側面に接触して前記スライダの車両前後方向の移動を規制する規制部を有する。
この構成によれば、スライダの溝部がレール部の挿通部と規制部とに挟まれて車両前後方向でスライダの位置ずれが抑制されるようになるため、車両前後方向において窓ガラスが所定範囲内に位置決めされる。
(6)上記窓ガラス支持構造において、前記スライダは前記挿通部を有し、前記レール部は前記溝部を有し、前記レール部は、更に、前記スライダの前記挿通部における前記溝部が配置される側とは反対側の側面に接触して前記スライダの車両前後方向の移動を規制する規制部を有する。
この構成によれば、スライダの挿通部がレール部の溝部と規制部とに挟まれて車両前後方向でスライダの位置ずれが抑制されるようになるため、車両前後方向において窓ガラスが所定範囲内に位置決めされる。
(7)上記窓ガラス支持構造において、前記フレームは、前記外装部材が取り付けられる第1部位と、前記レール部が設けられる第2部位と、前記第1部位と前記第2部位との中間に位置する中間部位とを有し、前記中間部位は、前記窓ガラスの前記端縁から離間するように設けられ、前記封止部材は、前記中間部位に設けられて、前記窓ガラスと前記端縁と前記外装部材との間の隙間及び前記窓ガラスと前記端縁と当該中間部位との隙間を封止する。この構成によれば、これらの隙間から雨水等が浸入することが抑制される。
(8)昇降装置は、上記の窓ガラス支持構造と、前記窓ガラスを昇降させる駆動機構とを備える。
このため、車両ドアの窓ガラスの外面と車両ドアの外装部材の外面とが高精度で面一に配置されるようになる。
(9)上記昇降装置において、前記駆動機構は、ケーブルと、前記ケーブルを牽引するモータユニットとを備え、前記ケーブルに前記窓ガラス支持構造の前記スライダが固定されている。
従来構造では、窓ガラスを移動させるためのキャリアがケーブルに設けられており、このキャリアに窓ガラスが固定される。この点、上記構成では、ケーブルにスライダが固定される。すなわち、スライダがキャリアの機能を兼有する。このように、上記構成の昇降装置では、従来構造において設けられていたキャリアが省略されるため、昇降装置の構造が簡単になる。
上記窓ガラス支持構造及びその窓ガラス支持構造を備える昇降装置は、車両ドアの窓ガラスの外面と車両ドアの外装部材(ガーニッシュ)の外面とを高精度に面一にすることができる。
車両の模式図。 図1のA−A線に沿う断面模式図。 窓ガラスの端縁を支持する窓ガラス支持構造の模式図。 スライダの斜視図。 窓ガラス支持構造の変形例の模式図。 窓ガラス支持構造の変形例の模式図。 昇降装置を備えた車両ドアの模式図。 (a)はスライダの斜視図、(b)は矢印Bからみたスライダの平面図。 スライダの変形例の平面図。
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して、車両ドアに昇降可能に設けられる窓ガラスの支持構造(以下、「窓ガラス支持構造」という。)について説明する。なお、以降では、車両の天井側を「上」とし、車両のフロア側を「下」とし、車両の前側を「前」とし、車両の後側を「後」として説明する。
図1に、横側からみた車両の模式図を示す。
車両ドア1は、ドア本体2と、窓ガラス10を支持する窓枠3とを備える。窓枠3は、窓ガラス10の前側の端縁を支持する前支持部3aと、窓ガラス10の後側の端縁11を支持する後支持部3bと、窓ガラス10の上端を支持する上支持部3cとを備える。
図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
窓枠3の前支持部3a及び後支持部3bのそれぞれは、フレーム4と、このフレーム4の外側を覆う外装部材5とを備える。フレーム4の外側の一部分は、外装部材5(所謂ガーニッシュ)により覆われる。フレーム4の外側の他の部分は窓ガラス10により覆われる。
また、フレーム4は、窓ガラス10の外面10aと外装部材5の外面5aとが面一となるように、窓ガラス10を支持する。このような面一構造(所謂、フラッシュサーフェイス)により車両の空気抵抗が低減される。また、面一構造により、意匠面に形成される意匠線や影が見立たなくなるため、意匠性が向上する。
窓ガラス支持構造20は、フレーム4と、フレーム4に設けられるレール部30と、窓ガラス10に固定されるスライダ40と、フレーム4に設けられる外装部材5と、外装部材5と窓ガラス10との間を封止する封止部材60とを備える。また、フレーム4には、車両天井を支持する支柱6に当接する緩衝部材70が取り付けられている。
図3を参照して、車両ドアの窓ガラス10の端縁11(図3では、後側の端縁)を支持する窓ガラス支持構造20について説明する。
フレーム4は、外装部材5が取り付けられる第1部位4aと、レール部30が設けられた第2部位4bと、第1部位4aと第2部位4bとの中間に位置する中間部位4cとを有する。
第1部位4aは、外装部材5に沿う形状とされる。例えば、外装部材5が車両前後方向DLに直線に延びる平坦面構造を有する場合、第1部位4aは、この面構造と同様の形状、すなわち平坦面構造を有する。
中間部位4cは、窓ガラス10との間に隙間SAを設けるようにして、第1部位4aから車内側に延びる。中間部位4cには、上述の封止部材60が取り付けられる。封止部材60は、窓ガラス10の端縁11と外装部材5との間の隙間SB、及び窓ガラス10の端縁11と中間部位4cとの間の隙間SAを封止する。封止部材60には、中間部位4cに係合する係合突起61が複数個設けられ、これらの係合突起61は、中間部位4cに設けられた係止部(例えば、孔。図示省略。)に挿入される。
第2部位4bは、車両前後方向DLにおけるフレーム4の端側に設けられる。
第2部位4bには、レール部30が設けられている。レール部30は、スライダ40を摺動可能に支持する。
フレーム4に設けられたレール部30は、スライダ40に設けられた溝部50に挿通する挿通部31と、車両前後方向DLにおけるスライダ40の位置ずれを規制する規制部36とを有する。
挿通部31は、車両前後方向DLにおいて規制部36よりも窓ガラス10の端縁11側に設けられている。
挿通部31は、窓ガラス10側に向かって延びる基部32と、基部32から車両前後方向DLかつ前方に延びてスライダ40の溝部50に挿通する先端部33とを有する。先端部33は、窓ガラス10側に向く第1側面34と、第1側面34とは反対側に設けられてフレーム4側に向く第2側面35とを有する。
規制部36は、車両前後方向DLにおいて挿通部31よりも窓ガラス10の中央部側に設けられている。
規制部36は、車幅方向DWに沿ってかつ窓ガラス10側に向かって延び、スライダ40において溝部50の開口部55とは反対側の側面45に対向するように配置されている。この構成により、規制部36はスライダ40の車両前後方向DLへの移動を規制する。
なお、上述のフレーム4は、例えば、樹脂成形されたり、複数枚の金属板により形成されたりする。またレール部30は、フレーム4と一体成形されたり、フレーム4とは別部材として形成されたりする。レール部30は、封止部材60よりも高い剛性を有する。封止部材60はゴム等の弾性部材により形成される。
次に、図3及び図4を参照して、スライダ40について説明する。
スライダ40は、窓ガラス10に接着されるスライダ本体部41と、スライダ本体部41から突出して溝部50を区画する溝区画部42とを有する。
スライダ40は、窓ガラス10の端縁11よりも内側に配置される。特に、スライダ本体部41は、窓ガラス10の端縁11よりも内側に配置され、接着剤で窓ガラス10に固定される。窓ガラス10においてその端縁11からスライダ本体部41の端面までの間の部分は、封止部材60が接触する領域ARとして確保されている。
溝区画部42は、車幅方向DWに沿ってかつフレーム4の第2部位4b側に向かって延長する第1壁部43と、この第1壁部43から車両前後方向DLに沿って延びる第2壁部44とを有する。溝部50は、スライダ本体部41と第1壁部43と第2壁部44とにより構成される。溝部50は、スライダ本体部41側に形成された第1溝面51と、第2壁部44に設けられた第2溝面52とを有する。第1溝面51と第2溝面52とは車幅方向に配置されて互いに対向する。溝部50は、車両前後方向DLに奥行きを有して、後方に開口し、スライダ40の長手方向DY(スライダ40の移動方向と同じ方向)の一端から他端にわたって延びる。溝区画部42において溝部50の開口部55とは反対側の側面45は、上述したようにフレーム4に設けられた規制部36が接触しうる。
溝部50にレール部30の挿通部31が挿通した状態では、挿通部31の第1側面34と溝部50の第1溝面51とが互いに向き合い、かつ挿通部31の第2側面35と溝部50の第2溝面52とが互いに向き合う。
溝部50の第1溝面51には、挿通部31の第1側面34に接触する第1接触部53が設けられる。
また、溝部50の第2溝面52には、挿通部31の第2側面35に接触する第2接触部54が設けられる。
第1接触部53及び第2接触部54はスライダ40の長手方向DYに沿って延びる。第1接触部53及び第2接触部54は貫通孔56を有することが好ましい(図4参照)。この構成により、第1接触部53及び第2接触部54は弾性が増すため(変形しやすくなるため)、スライダ40の移動(すなわち窓ガラス10の移動)が円滑になる。
次に、窓ガラス支持構造20の作用を説明する。
従来の窓ガラス支持構造20では、スライダは、封止機能を有する部材によって形成されたレール部材により支持される。このため、レール部材の弾性変形によりスライダが精確に位置決めされない場合がある。この点、本技術では、封止部材60とは別部材のレール部30によりスライダ40が支持される。このため、レール部30に対してスライダ40が精確に位置決めされる。このようなことから、フレーム4に対して窓ガラス10が精確に位置決めされるようになる。
また、フレーム4は、第1部位4aと、第2部位4bと、中間部位4cとを備える。中間部位4cは、窓ガラス10の端縁11に対応する部分に配置される。そして、中間部位4cには、外装部材5と窓ガラス10の端縁11との間の隙間SBを封止する封止部材60が配置される。第2部位4bは、車両前後方向DLにおいて、窓ガラス10の端縁11よりも窓ガラス10の中央側に配置されている。この第2部位4bにはレール部30が設けられている。
このように、本実施形態に係る窓ガラス支持構造20では、窓ガラス10の封止部分と、スライダ40を支持するレール部30とが離れたところに配置される。すなわち、窓ガラス支持構造20では、窓ガラス10の封止機能を担う部分と窓ガラス10の摺動機能を担う部分が離れた位置に配置される。
このため、窓ガラス10の封止機能を担う封止部材60の変形が、摺動機能を担うレール部30に影響を及ぼすことがないか、若しくはその影響が抑制されるようになる。このような作用によって、レール部30の位置精度が維持され、フレーム4に対するスライダ40及び窓ガラス10の位置精度が高くなる。このようなことから、窓ガラス10の外面10aと外装部材5の外面5aとが車幅方向DWにずれて段差が生じるような事態、またはこの段差が拡大するようなことが抑制されるようになる。
次に、本実施形態に係る窓ガラス支持構造20についてその効果を説明する。
(1)窓ガラス支持構造20は、フレーム4と、フレーム4に設けられたレール部30と、レール部30に摺動可能に配置されるスライダ40と、フレーム4に設けられて窓ガラス10の外面10aと面一に配置される外面5aを有する外装部材5と、外装部材5と窓ガラス10との間を封止する封止部材60とを備える。レール部30と封止部材60とは別部材として構成される。
この構成によれば、窓ガラス10の移動による封止部材60の変形がレール部30に及ぶことが抑制される。このため、窓ガラス10はレール部30により精確に位置決めされるようになり、車両ドア1の窓ガラス10の外面10aと車両ドア1の外装部材5の外面5aとが高精度で面一に配置されるようになる。
(2)本実施形態では、スライダ40は、窓ガラス10の内面10bにおいて窓ガラス10の端縁11よりも内側に配置される。
スライダ40が窓ガラス10の端縁11から車両前後方向DLに突き出されている場合は、窓ガラス10の端縁11から突き出されている部分に力が加わると、その突き出されている部分と窓ガラス10の端縁11から突き出されていない部分との境界部分に応力が集中する。このため、スライダ40が変形したり、スライダ40に亀裂が生じたりするおそれがある。この点、上記構成によれば、窓ガラス10の端縁11から突き出されている部分がないため、スライダ40が変形したり、亀裂が生じたりすることが抑制される。
(3)本実施形態では、スライダ40は、車両前後方向DLに奥行きを有し、かつスライダ40の移動方向に沿って延びる溝部50を有する。レール部30は、溝部50に挿通する挿通部31を有する。
この構成によれば、挿通部31と溝部50との係合によりスライダ40が車幅方向DWでの位置ずれが抑制されるようになる。このため、窓ガラス10が所定範囲内に位置決めされるようになる。
(4)本実施形態では、スライダ40の溝部50の第1溝面51には、挿通部31の第1側面34側に突出してこの第1側面34に接触する第1接触部53が設けられている。かつ、スライダ40の溝部50の第2溝面52には、挿通部31の第2側面35側に突出してこの第2側面35に接触する第2接触部54が設けられる。
この構成によれば、溝部50と挿通部31とが車幅方向DWにおいて部分的に接触する。このため、窓ガラス10は車幅方向DWに精確に位置決めされる。また、溝部50と挿通部31とは部分的に接触し摩擦が小さいため、窓ガラス10は円滑に移動する。
(5)本実施形態では、レール部30は規制部36を有する。規制部36は、スライダ40における溝部50の開口部55とは反対側の側面45に接触してスライダ40の車両前後方向DLの移動を規制する。
この構成によれば、スライダ40の溝部50がレール部30の挿通部31と規制部36とに挟まれて車両前後方向DLにおけるスライダ40の位置ずれが抑制されるようになるため、車両前後方向DLにおいて窓ガラス10の位置ずれが抑制される。
(6)本実施形態では、フレーム4は、外装部材5が取り付けられる第1部位4aと、レール部30が設けられる第2部位4bと、第1部位4aと第2部位4bとの中間に位置する中間部位4cとを有する。中間部位4cは、窓ガラス10の端縁11から離間するように設けられる。封止部材60は、中間部位4cに設けられて、窓ガラス10と端縁11と外装部材5との間の隙間SB及び窓ガラス10と端縁11と当該中間部位4cとの隙間SAを封止する。この構成によれば、これらの隙間SA,SBから雨水等が浸入することが抑制される。
第1実施形態に係る窓ガラス支持構造20は、以下のように変更することができる。
なお、以下に示す変形例は、例示であって、窓ガラス支持構造20に係る技術は、上記第1実施形態やこれらの変形例に限定されるものではない。
(第1変形例)
図5を参照して、窓ガラス支持構造20の変形例を説明する。ここでは、フレーム4のレール部30の構造及びスライダ40の溝部50の構造の変形例を示す。なお、第1実施形態の構成要素と同じ構成要素については同一符号を付して説明する。
フレーム4に設けられたレール部30は、スライダ40に設けられた溝部150(後述)に挿通する挿通部131と、車両前後方向DLにおけるスライダ40の位置ずれを規制する規制部136とを有する。
挿通部131は、第1実施形態と異なり、車両前後方向DLにおいて規制部136よりも窓ガラス10の中央部側に設けられている。
挿通部131は、窓ガラス10側に向かって延びる基部132と、基部132から車両前後方向DLかつ後方に延びてスライダ140の溝部150に挿通する先端部133とを有する。
規制部136は、車両前後方向DLにおいて挿通部131よりも窓ガラス10の端縁11側に設けられている。
規制部136は、車幅方向DWに沿ってかつ窓ガラス10側に向かって延び、スライダ140において溝部150の開口部とは反対側の側面145に対向するように配置されている。
スライダ140は、窓ガラス10に接着されるスライダ本体部141と、スライダ本体部141から突出して溝部150を区画する溝区画部142とを有する。溝部150は、車両前後方向DLに奥行きを有し、前方に開口し、スライダ140の長手方向DY(スライダ140の移動方向と同じ方向)の一端から他端にわたって延びる。
この構成によれば、第1実施形態と同様に、挿通部131と溝部150との係合によりスライダ140が車幅方向DWでの位置ずれが抑制されるようになる。このため、窓ガラス10が車幅方向DWで所定範囲内に位置決めされるようになる。
(第2変形例)
次に、図6を参照して、窓ガラス支持構造20の他の変形例を説明する。窓ガラス支持構造20では、フレーム4にレール部30の構成要素として溝部250と規制部270とが設けられている。具体的には、フレーム4には、溝部250を区画する溝区画部260が設けられている。溝部250は、車両前後方向DLに奥行きを有し、前方に開口し、スライダ240の長手方向DY(スライダ240の移動方向と同じ方向)の一端から他端にわたって延びる。
フレーム4に設けられた規制部270は、溝区画部260よりも窓ガラス10の中央側に配置されている。フレーム4の規制部270は、スライダ240に設けられた挿通部242(後述参照)の基部243において溝部250が配置される側とは反対側の側面245に接触する。
スライダ240は、窓ガラス10に固定されるスライダ本体部241と、溝部250に挿通する挿通部242とを有する。
挿通部242は、窓ガラス10側に向かって延びる基部243と、基部243から車両前後方向DLかつ後方に延びてフレーム4の溝部250に挿通する先端部244とを有する。
この変形例の効果を説明する。
(1)本実施形態において、レール部30は溝部250を有する。溝部250は、車両前後方向DLに奥行きを有し、かつスライダ240の移動方向に沿って延びる。スライダ240は、この溝部250に挿通する挿通部242を有する。
この構成によれば、挿通部242と溝部250との係合によりスライダ240が車幅方向DWの位置ずれが抑制されるようになる。このため、窓ガラス10が車幅方向DWで所定範囲内に位置決めされるようになる。
(2)本実施形態において、スライダ240は挿通部242を有し、レール部30はこの挿通部242が挿通する溝部250を有する。また、レール部30は、規制部270を有する。規制部270は、スライダ240の挿通部242における基部243の側面245(すなわち、溝部250が配置される側とは反対側の側面245)に接触してスライダ240の車両前後方向DLの移動を規制する。
この構成によれば、スライダ240の挿通部242がレール部30の溝部250と規制部270とに挟まれて車両前後方向DLでスライダ240の位置ずれが抑制されるようになるため、車両前後方向DLにおいて窓ガラス10が所定範囲内に位置決めされる。
なお、窓ガラス支持構造20の第2変形例には、第1変形例で示した変更が加えられ得る。すなわち、レール部30の一構成要素である溝部250が車両前後方向DLにおいて規制部270よりも窓ガラス10の中央側に配置され、レール部30の他の構成要素である規制部270が車両前後方向DLにおいて溝部250よりも窓ガラス10の端縁11に配置され得る。この場合においても、第1及び第2変形例と同様、少なくとも車幅方向DWでスライダ240の位置ずれが抑制されるため、窓ガラス10が所定範囲内に位置決めされるようになる。
(その他の変形例)
上記第1実施形態では、溝部50に第1接触部53及び第2接触部54が設けられているが、挿通部31に第1接触部53及び第2接触部54が設けられてもよい。また、溝部50及び挿通部31の両方に第1接触部53及び第2接触部54が設けられてもよい。
すなわち、互いに対向する溝部50の第1溝面51と挿通部31の第1側面34との少なくとも一方に、他方側に突出して当該他方側に接触する第1接触部53が設けられうる。また、互いに対向する溝部50の第2溝面52と挿通部31の第2側面35との少なくとも一方に、他方側に突出して当該他方側に接触する第2接触部54が設けられ得る。この構成は、第1及び第2変形例にも適用される。
(第2実施形態)
図7〜図9を参照して、本実施形態に係る昇降装置80について説明する。昇降装置80は、窓ガラス10を昇降させる駆動機構81と、第1実施形態に係る窓ガラス支持構造20とを備える。スライダ340は、ケーブル83によって牽引される。以下、昇降装置80について具体的に説明する。
図7は、昇降装置80を備える車両ドア1の模式図である。図7は、車両ドア1を車内から見た図である。
車両ドア1は、ドア本体2と、窓ガラス10を支持する窓枠3とを備える。窓枠3は、窓ガラス10の前側の端縁11を支持する前支持部3aと、窓ガラス10の後側の端縁11を支持する後支持部3bと、窓ガラス10の上端を支持する上支持部3cとを備える。前支持部3a及び後支持部3bのそれぞれは、フレーム4と、このフレーム4の外側を覆う外装部材5とを備える。
フレーム4は、ドア本体2の内部に挿通し、窓ガラス10の移動範囲にわたるように延長されている。フレーム4の配置構成は、ドア本体2の内部に挿通する構成に限定されず、例えば、フレーム4はドア本体2のインナーパネルに一体に形成され得る。すなわち、フレーム4のレール部30(図2参照)が窓ガラス10の移動範囲にわたるように敷設される。スライダ340はレール部30に沿って摺動する。
駆動機構81は、モータユニット82と、モータユニット82によって牽引されるケーブル83と、ケーブル83を懸架するプーリ84とを備える。窓ガラス10に固定されているスライダ340はケーブル83が接続される。モータユニット82によってケーブル83がその張力方向に移動すると、これに伴ってスライダ340及び窓ガラス10が移動する。すなわち、この実施形態では、スライダ340は、窓ガラス10を運搬するためのキャリアとして機能する。
図8(a)に、スライダ340の斜視図を示す。図8(b)は、図8(a)の矢印Bからみたスライダ340の平面図である。
スライダ340は、第1実施形態のスライダ40の構成に加えて、ケーブル83の一端が固定される固定部341を有する。ケーブル83は、ストッパ85でこの固定部341に固定される。固定部341は、溝部50を区画する第1壁部43に設けられている。なお、この構成の場合は、フレーム4に設けられる規制部36(図3参照)は、固定部341の側面342に対向するように配置される。
図9は、スライダ440の変形例である。
このスライダ440は、図8に示したスライダ340の固定部341の配置を変更したものである。この変形例では、固定部341は溝部50を区画する第2壁部44に設けられる。
本実施形態に係る昇降装置80についてその効果を説明する。
(1)本実施形態に係る昇降装置80は、窓ガラス10を昇降させる駆動機構81と、上述の窓ガラス支持構造20とを備える。昇降装置80は上述の窓ガラス支持構造20を備えるため、車両ドアの窓ガラス10の外面10aと車両ドア1の外装部材5の外面5aとが高精度で面一に配置されるようになる。
(2)本実施形態では、駆動機構81は、ケーブル83と、ケーブル83を牽引するモータユニット82とを備える。そして、ケーブル83に窓ガラス支持構造20のスライダ340,440が固定される。
従来構造では、窓ガラス10を移動させるためのキャリアがケーブル83に設けられており、このキャリアに窓ガラス10が固定される。この点、上記構成では、ケーブル83にスライダ340,440が固定される。すなわち、スライダ340,440がキャリアの機能を兼有する。このように、上記昇降装置80では、従来構造において設けられていたキャリアが省略されるため、昇降装置80の構造が簡単になる。
なお、本技術に係る昇降装置80は、以下のように構成され得る。
・上記第2実施形態では、窓ガラス支持構造20として第1実施形態に示したものが用いられているが、窓ガラス支持構造20の構成はこれに限定されない。例えば、窓ガラス支持構造20として、第1実施形態の第1変形例、第2変形例、及びその他の変形例も用いられ得る。
・上記第2実施形態では、キャリアを有する既存の駆動機構81も用いられ得る。
この場合、キャリアに窓ガラス10が固定されるため、その構造は簡略化されないが、窓ガラス支持構造20の構成により、少なくとも、窓ガラス10の外面10aと車両ドア1の外装部材5の外面5aとが高精度で面一に配置されるという効果が得られる。
1…車両ドア、2…ドア本体、3…窓枠、3a…前支持部、3b…後支持部、3c…上支持部、4…フレーム、4a…第1部位、4b…第2部位、4c…中間部位、5…外装部材、5a…外面、6…支柱、10…窓ガラス、10a…外面、10b…内面、11…端縁、20…窓ガラス支持構造、30…レール部、31…挿通部、32…基部、33…先端部、34…第1側面、35…第2側面、36…規制部、40…スライダ、41…スライダ本体部、42…溝区画部、43…第1壁部、44…第2壁部、45…側面、50…溝部、51…第1溝面、52…第2溝面、53…第1接触部、54…第2接触部、55…開口部、56…貫通孔、60…封止部材、61…係合突起、70…緩衝部材、80…昇降装置、81…駆動機構、82…モータユニット、83…ケーブル、84…プーリ、85…ストッパ、131…挿通部、132…基部、133…先端部、136…規制部、140…スライダ、141…スライダ本体部、142…溝区画部、145…側面、150…溝部、240…スライダ、241…スライダ本体部、242…挿通部、243…基部、244…先端部、245…側面、250…溝部、260…溝区画部、270…規制部、340…スライダ、341…固定部、342…側面、440…スライダ。

Claims (9)

  1. 窓ガラスの端縁を支持するフレームと、前記フレームに設けられたレール部と、前記窓ガラスに固定されて前記レール部に摺動可能に配置されるスライダと、前記フレームに設けられて前記窓ガラスの外面と面一に配置される外面を有する外装部材と、前記外装部材と前記窓ガラスとの間を封止する封止部材とを備え、前記レール部と前記封止部材とは別部材として構成される
    窓ガラス支持構造。
  2. 前記スライダは、前記窓ガラスの内面において前記窓ガラスの端縁よりも内側に配置される
    請求項1に記載の窓ガラス支持構造。
  3. 前記スライダ及び前記レール部の一方は、車両前後方向に奥行きを有してかつ前記スライダの移動方向に沿って延びる溝部を有し、
    前記スライダ及び前記レール部の他方は、前記溝部に挿通する挿通部を有する
    請求項1または請求項2に記載の窓ガラス支持構造。
  4. 前記溝部は、車幅方向に配置されて互いに対向する第1溝面と第2溝面とを有し、
    前記挿通部は、前記第1溝面に向く第1側面と前記第2溝面に向く第2側面とを有し、
    前記第1溝面と前記第1側面との少なくとも一方には他方側に突出して当該他方に接触する第1接触部が設けられ、
    前記第2溝面と前記第2側面との少なくとも一方には他方側に突出して当該他方に接触する第2接触部が設けられる
    請求項3に記載の窓ガラス支持構造。
  5. 前記スライダは前記溝部を有し、
    前記レール部は前記挿通部を有し、
    前記レール部は、更に、前記スライダにおける前記溝部の開口部とは反対側の側面に接触して前記スライダの車両前後方向の移動を規制する規制部を有する
    請求項3または請求項4に記載の窓ガラス支持構造。
  6. 前記スライダは前記挿通部を有し、
    前記レール部は前記溝部を有し、
    前記レール部は、更に、前記スライダの前記挿通部における前記溝部が配置される側とは反対側の側面に接触して前記スライダの車両前後方向の移動を規制する規制部を有する
    請求項3または請求項4に記載の窓ガラス支持構造。
  7. 前記フレームは、前記外装部材が取り付けられる第1部位と、前記レール部が設けられる第2部位と、前記第1部位と前記第2部位との中間に位置する中間部位とを有し、
    前記中間部位は、前記窓ガラスの前記端縁から離間するように設けられ、
    前記封止部材は、前記中間部位に設けられて、前記窓ガラスと前記端縁と前記外装部材との間の隙間及び前記窓ガラスと前記端縁と当該中間部位との隙間を封止する
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の窓ガラス支持構造。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の窓ガラス支持構造と、前記窓ガラスを昇降させる駆動機構とを備える昇降装置。
  9. 前記駆動機構は、ケーブルと、前記ケーブルを牽引するモータユニットとを備え、前記ケーブルに前記窓ガラス支持構造の前記スライダが固定されている
    請求項8に記載の昇降装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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