JP2016045973A - 磁気ディスク装置および記録ヘッドの駆動方法 - Google Patents

磁気ディスク装置および記録ヘッドの駆動方法 Download PDF

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知子 田口
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Abstract

【課題】高周波アシスト磁気記録において、記録密度の向上を図ることが可能な磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、磁気ディスク装置は、記録媒体12の記録層に記録磁界を印加する主磁極と、主磁極を励磁する記録コイルと、前記記録媒体と対向する媒体対向面の近傍で前記主磁極に隣接して設けられ、高周波磁界を発生する高周波発振子と、を有する記録ヘッドと、記録コイルに記録電流を供給するとともに、記録電流の極性反転後の第1期間内に、オーバーシュート電流を前記記録電流に印加する記録電流供給回路81と、高周波発振子に第1レベルの一定の駆動電流を供給し、前記第1期間内で、第1レベルと異なる第2レベルのパルス駆動電流を前記高周波発振子に印加する駆動電流供給回路82と、を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明の実施形態は、高周波発振子を有する記録ヘッドを用いた磁気ディスク装置および記録ヘッドの駆動方法に関する。
ディスク装置として、例えば、磁気ディスク装置は、ケース内に配設された磁気ディスクと、磁気ディスクを支持および回転するスピンドルモータと、磁気ディスクに対して情報のリード/ライトを行う磁気ヘッドと、を備えている。
近年、記録密度の向上を図る目的で、磁気ヘッドの主磁極の近傍に高周波発振子としてスピントルク発振子を設け、このスピントルク発振子によって磁気ディスクの磁気記録層に高周波磁界を印加する高周波アシスト記録方式の磁気ヘッドが提案されている。また、スピントルク発振子に対して定常レベルの駆動信号を連続的に供給し、記録信号の極性反転後の所定時間だけ定常レベルよりも高いレベルの駆動信号をスピントルク発振子に供給する駆動制御方式を用いた磁気ディスク装置が提案されている。
特開2010−218598号公報 米国特許出願公開第2013/0050866号明細書 特許第5416746号公報
上述した駆動制御方式の場合、記録磁界の反転後、スピントルク発振子の発振立ち上がりまでには時間がかかるため、オーバーライトはよくなるが、記録磁化転移はシャープにできない。そのため、線記録密度の向上が困難となる。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その課題は、高周波アシスト磁気記録において、記録密度の向上を図ることが可能な磁気ディスク装置および記録ヘッドの駆動方法を提供することにある。
実施形態によれば、磁気ディスク装置は、記録媒体の記録層に記録磁界を印加する主磁極と、前記主磁極を励磁する記録コイルと、前記記録媒体と対向する媒体対向面の近傍で前記主磁極に隣接して設けられ、高周波磁界を発生する高周波発振子と、を有する記録ヘッドと、前記記録コイルに記録電流を供給するとともに、前記記録電流の極性反転後の第1期間内に、オーバーシュート電流を前記記録電流に印加する記録電流供給回路と、前記高周波発振子に第1レベルの一定の駆動電流を供給し、前記第1期間内で、前記第1レベルと異なる第2レベルのパルス駆動電流を前記高周波発振子に印加する駆動電流供給回路と、を備えている。
図1は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置(HDD)を概略的に示すブロック図。 図2は、前記HDDにおける磁気ヘッド、サスペンション、記録媒体を示す側面図。 図3は、前記磁気ヘッドのヘッド部および磁気ディスクの一部を拡大して概略的に示す断面図。 図4は、記録ヘッドの先端部およびスピントルク発振子(STO)を拡大して示す断面図。 図5は、前記磁気ヘッドにおける記録電流波形、STO電流波形、STOの発振挙動を示す図。 図6は、比較例に係る磁気ヘッドの記録電流波形、ギャップ磁界、STOの発振挙動を示す図。 図7は、第2の実施形態に係る磁気ディスク装置における、記録ヘッドの記録電流波形およびSTO電流波形を示す図。
以下、図面を参照しながら、実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、ディスク装置として、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)を概略的に示すブロック図、図2は、浮上状態の磁気ヘッドおよび磁気ディスクを示す側面図である。
図1に示すように、HDD10は、矩形状の筐体11と、筐体11内に配設された記録媒体としての磁気ディスク12と、磁気ディスク12を支持および回転するスピンドルモータ14と、磁気ディスク12に対してデータの書込み、読出しを行う複数の磁気ヘッド16と、を備えている。また、HDD10は、磁気ヘッド16を磁気ディスク12上の任意のトラック上に移動するとともに位置決めするヘッドアクチュエータ18を備えている。ヘッドアクチュエータ18は、磁気ヘッド16を移動可能に支持するサスペンションアッセンブリ20と、このサスペンションアッセンブリ20を回動させるボイスコイルモータ(VCM)22とを含んでいる。
HDD10は、ヘッドアンプIC30およびメインコントローラ40を備えている。ヘッドアンプIC30は、例えば、サスペンションアッセンブリ20に設けられ、磁気ヘッド16に電気的に接続されている。メインコントローラ40は、例えば、筐体11の背面側に設けられた図示しない制御回路基板に構成されている。メインコントローラ40は、R/Wチャネル42と、ハードディスクコントローラ(HDC)44と、マイクロプロセッサ(MPU)46と、ドライバIC48と、を備えている。メインコントローラ40は、ヘッドアンプIC30と、ドライバIC48を介して、VCM22及びスピンドルモータ14とに電気的に接続されている。HDD10は、図示しないホストコンピュータに接続可能である。
図1および図2に示すように、磁気ディスク12は、垂直磁気記録媒体として構成されている。磁気ディスク12は、例えば、直径約2.5インチ(6.35cm)の円板状に形成され非磁性体からなる基板101を有している。基板101の各表面には、下地層としての軟磁性層102と、その上層部に、磁気記録層103と保護膜104とが順次積層されている。磁気ディスク12は、スピンドルモータ14のハブに互いに同軸的に嵌合されている。磁気ディスク12は、スピンドルモータ14により所定の速度で矢印B方向に回転される。
サスペンションアッセンブリ20は、筐体11に回動自在に固定された軸受部24と、軸受部24から延出した複数のサスペンション26と、を有している。図2に示すように、磁気ヘッド16は、各サスペンション26の延出端に支持されている。磁気ヘッド16は、サスペンションアッセンブリ20に設けられた配線部材28を介して、ヘッドアンプIC30に電気的に接続されている。
次に、磁気ヘッド16の構成について詳細に説明する。図3は、磁気ヘッドのヘッド部および磁気ディスクの一部を拡大して示す断面図、図4は、記録ヘッドの先端部および磁気ディスクの一部を拡大して示す断面図である。
図2および図3に示すように、磁気ヘッド16は浮上型のヘッドとして構成され、ほぼ直方体状に形成されたスライダ15と、スライダの流出端(トレーリング)側の端部に形成されたヘッド部17とを有している。スライダ15は、例えば、アルミナとチタンカーバイドの焼結体(アルチック)で形成され、ヘッド部17は複数層の薄膜により形成されている。
スライダ15は、磁気ディスク12の表面に対向する矩形状のディスク対向面(媒体対向面、空気支持面(ABS))13を有している。スライダ15は、磁気ディスク12の回転によってディスク表面とABS13との間に生じる空気流Cにより、磁気ディスク表面から所定量浮上した状態に維持される。空気流Cの方向は、磁気ディスク12の回転方向Bと一致している。スライダ15は、空気流Cの流入側に位置するリーディング端15aおよび空気流Cの流出側に位置するトレーリング端15bを有している。
図3に示すように、ヘッド部17は、スライダ15のトレーリング端15bに薄膜プロセスで形成された再生ヘッド54および記録ヘッド58を有し、分離型の磁気ヘッドとして形成されている。また、ヘッド部17は、高周波発振子として、スピントルク発振子(STO)を有している。
再生ヘッド54は、磁気抵抗効果を示す磁性膜55と、この磁性膜55のトレーリング側およびリーディング側に磁性膜55を挟むように配置されたシールド膜56、57と、で構成されている。これら磁性膜55、シールド膜56、57の下端は、スライダ15のABS13に露出している。
記録ヘッド58は、再生ヘッド54に対して、スライダ15のトレーリング端15b側に設けられている。記録ヘッド58は、磁気ディスク12の表面に対して垂直方向の記録磁界を発生させる高透磁率材料からなる主磁極60、トレーリングシールド(ライトシールド、第1シールド)62、および、リーディングシールド(第2シールド)64を有している。主磁極60とトレーリングシールド62とは磁路を形成する第1磁気コアを構成し、主磁極60とリーディングシールド64とは磁路を形成する第2磁気コアを構成している。記録ヘッド58は、第1磁気コアに巻き付けられた第1コイル(記録コイル)70と、第2磁気コアに巻き付けられた第2コイル(記録コイル)72とを有している。
図3および図4に示すように、主磁極60は、磁気ディスク12の表面に対してほぼ垂直に延びている。主磁極60の磁気ディスク12側の先端部60aは、ディスク面に向かって先細に絞り込まれている。主磁極60の先端部60aは、例えば、断面が台形状に形成されている。主磁極60の先端面は、スライダ15のABS13に露出している。(先端部60aのトレーリング側端面67aの幅は、磁気ディスク12におけるトラックの幅にほぼ対応している。
軟磁性体で形成されたトレーリングシールド62は、主磁極60のトレーリング側に配置され、主磁極60の直下の磁気ディスク12の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられている。トレーリングシールド62は、ほぼL字形状に形成され、主磁極60に接続される第1接続部50および第2接続部を有している。第1接続部50は非導電体52を介して主磁極60の上部、すなわち、主磁極60のABS13から離れた部分、に接続されている。
トレーリングシールド62の先端部62aは、細長い矩形状に形成されている。トレーリングシールド62の先端面は、スライダ15のABS13に露出している。先端部62aのリーディング側端面62bは、磁気ディスク12のトラックの幅方向に沿って延び、また、ABS13に対してほぼ垂直に延びている。このリーディング側端面62bは、主磁極60のトレーリング側端面67aとライトギャップWGを置いて平行に対向している。
ABS13の近傍で、主磁極60の先端部60aとトレーリングシールド62のリーディング側端面62bとの間に、これらを電気的に接合する導電層65が配置されている。トレーリングシールド62の先端部62aは、第2接続部を構成している。導電層65は、単層あるいは、複数の導電層を積層した多層構造のいずれでもよい。導電層65の材料は、Cu、Ag、Au、Al、ニクロムなどを用いることができる。
導電層65は、高周波発振子を含んでいてもよい。本実施形態では、導電層65は、高周波発振子として機能するスピントルク発振子(STO)74を含んでいる。STO74は、スピン注入層(第2磁性体層)、中間層、発振層(第1磁性体層)を、主磁極60側からトレーリングシールド62側に順に積層して構成されている。なお、積層の順番は、上記と逆でもよい。
主磁極60とトレーリングシールド62とに端子91、92がそれぞれ接続され、これらの端子91、92は、配線を介してヘッドアンプIC30に接続される。このヘッドアンプIC30から主磁極60、導電層65、トレーリングシールド62を通してSTO電流を直列に通電できるように電流回路が構成されている。
記録ヘッド58は、主磁極60およびトレーリングシールド62を含む磁気回路(第1磁気コア)に巻き付くように配置された第1コイル70を有している。第1コイル70は、第1磁気コアにおいて、例えば、第1接続部50の回りに巻付けられている。磁気ディスク12に信号を書き込む際、第1コイル70に記録電流を流すことにより、第1コイル70は、主磁極60を励起して主磁極60に磁束を流す。
軟磁性体で形成されたリーディングシールド64は、主磁極60のリーディング側に主磁極60と対向して設けられている。リーディングシールド64は、ほぼL字形状に形成され、磁気ディスク12側の先端部64aは細長い矩形状に形成されている。この先端部64aの先端面(下端面)は、スライダ15のABS13に露出している。先端部64aのトレーリング側端面64bは、磁気ディスク12のトラックの幅方向に沿って延びている。このトレーリング側端面64bは、主磁極60のリーディング側端面とギャップを置いて対向している。このギャップには、後述する非磁性体としての保護膜絶縁膜が位置している。
リーディングシールド64は、磁気ディスク12から離間した位置で主磁極60に接合された第2接続部68を有している。この第2接続部68は、例えば、軟磁性体で形成され、主磁極60およびリーディングシールド64とともに磁気回路を形成している。記録ヘッド58の第2コイル72は、主磁極60およびリーディングシールド64を含む磁気回路(第2磁気コア)に巻きつくように配置され、この磁気回路に磁界を印加する。第2コイル72は、第2磁気コアにおいて、例えば、第2接続部68の回りに巻付けられている。なお、第2接続部68の一部に非導電体、もしくは、非磁性体を挿入してもよい。
第2コイル72は、第1コイル70と反対向きに巻かれている。第1コイル70および第2コイル72にそれぞれライト電流端子95、96が接続され、これらのライト電流端子95、96は配線を介してヘッドアンプIC30に接続される。第2コイル72は、第1コイル70と直列に接続されてもよい。また、第1コイル70および第2コイル72は、別々に電流供給制御してもよい。第1コイル70および第2コイル72に供給する電流は、ヘッドアンプIC30およびメインコントローラ40によって制御される。
上述した記録ヘッド58において、主磁極60、トレーリングシールド62、およびリーディングシールド64を構成する軟磁性材料は、Fe、Co、又はNiの少なくとも一種を含む合金、または化合物の中から選択して用いることができる。
図3に示すように、再生ヘッド54および記録ヘッド58は、スライダ15のABS13に露出する部分を除いて、保護絶縁膜76により覆われている。保護絶縁膜76は、ヘッド部17の外形を構成している。
上記のように構成された磁気ヘッド16および記録ヘッド58を駆動するヘッドアンプIC30は、図1に示したように、図示しない配線およびライト電流端子95、96を介して第1および第2コイル70、72に記録電流を供給する記録電流供給回路81と、図示しない配線および端子91、92を介して、STO74に駆動電流を供給するためのSTO電流供給回路82と、記録電流供給回路81とSTO電流供給回路82とに電流を流す時間およびタイミングを制御するタイミング演算部83と、R/Wチャネル42で発生する記録パターン信号に応じて、記録電流波形を発生する記録電流波形発生器84と、を備えている。記録電流波形発生器84は、発生した記録電流波形をタイミング演算部83へ入力する。
HDD10の動作時において、メインコントローラ40は、MPU46の制御の下、ドライバIC48によりスピンドルモータ14を駆動し、磁気ディスク12を所定の速度で回転する。また、メインコントローラ40は、ドライバIC48によりVCM22を駆動し、磁気ヘッド16を磁気ディスク12の所望のトラック上に移動および位置決めする。
記録時において、ヘッドアンプIC30の記録電流供給回路81は、R/Wチャネル42から発生する記録信号、記録パターンに応じて記録電流を第1および第2コイル70、72に通電する。これにより、第1および第2コイル70、72は主磁極60を励磁し、主磁極60から記録磁界を発生させる。また、記録電流供給回路81は、記録電流が極性反転する際、所定量および所定時間のオーバーシュート電流を記録電流波形に重畳し、第1および第2コイル70へ供給する。
STO電流供給回路82は、MPU46の制御の下、主磁極60およびトレーリングシールド62に電圧を印加することにより、配線、端子91、92、主磁極60、STO74、トレーリングシールド62を通して駆動電流を直列に通電する。すなわち、STO電流供給回路82は、STO74の膜厚方向に、電流を通電する。通電することにより、STO74の発振層の磁化が回転し、高周波磁界(マイクロ波)を発生させることが可能となる。これにより、STO74は、磁気ディスク12の磁気記録層103に高周波磁界を印加し、磁気記録層103の保磁力を低減する。このような状態で、記録ヘッド58から記録磁界を磁気記録層103に印加して、所望のデータを磁気記録層103に書き込む。
図5は、本実施形態に係るHDD10において、第1、2コイル70、72に入力する記録電流波形と、STOの発振状態とを示している。図5(a)は、第1および第2コイル70、72に供給する電流波形の極性反転(磁化反転)後に、オーバーシュート電流を付加した(重畳した)場合の記録電流波形を示し、図5(b)は、記録電流と同じタイミングでSTO74へ通電するSTO電流波形を示している。図5(c)は、記録電流と同じタイミングでの、記録ヘッド58のギャップ磁界の変化を示し、図5(d)、図5(e)は、記録電流と同じタイミングでの、STO74の発振状態(面内磁界)と、STO74の発振周波数と、を示している。
図5(a)に示すように、記録電流供給回路81は、記録電流の極性反転後の所定の期間(第1期間)T1でオーバーシュート電流を記録電流に重畳して供給する。図5(b)に示すように、STO電流供給回路82は、STO74に対して一定の第1レベル(電流値)S1の駆動電流を連続的に供給し、オーバーシュート電流の供給期間T1内において、第1レベルS1よりも絶対値の高い第2レベル(電流値)S2のパルス駆動電流を瞬間的な期間T2だけSTO74に供給する。パルス駆動電流の立ち上がりタイミングは、極性反転後、ギャップ(ライトギャップWG)内磁界が反転するタイミング、すなわち、ギャップ内磁界がゼロを通過する時と、オーバーシュート電流の印加終了時との間に、パルス駆動電流のピークが位置するように、適宜調整する。
このような、オーバーシュート電流の重畳、および供給期間T1内における、STO駆動電流の第2レベルS2のパルス駆動電流の印加により、図5(c)に示すように、極性反転後、ギャップ内磁界は短時間で所望のギャップ磁界Hg1に到達する。また、図5(d)、(e)に示すように、極性反転からSTO74の発振が安定するまでの時間T3を大幅に短くすることができる。これにより、記録磁化転移をシャープにすることができるため、線記録密度の向上を図ることができる。
なお、パルス駆動電流の第2レベルS2を、第1レベルS1の2倍以上とした場合、STOの発振周波数が一瞬上がりすぎるという現象が生じ、所望のSTO発振周波数となるまでの時間が長くなり、立ち上がりが悪くなる。記録能力を向上させることができるSTO発振周波数は、記録媒体の垂直記録層の磁化の異方性磁界Hkによって影響されるため、この異方性磁界HkにマッチングしたSTO発振周波数が必要となる。すなわち、パルス駆動信号の第2レベルS2は、大きすぎても小さすぎても、記録媒体の磁化反転をよくする効果が低減する。従って、パルス駆動信号の第2レベルS2は、第1レベルS1の2倍以下に設定することが望ましく、例えば、1.3<(S2/S1)<2に設定することが望ましい。
一方、図6は、比較例として、STO電流を一定として、パルス駆動電流を印加しない場合の(a)記録電流波形、(b)ギャップ内磁界、(c)STO面内磁化、(d)STO発振周波数を示している。
図6(a)に示すように、磁化反転時、記録電流波形にオーバーシュート電流を重畳する供給期間T1において、ギャップ内磁界は、図6(b)に示されている所望のギャップ磁界Hg1に到達しない状態が発生する。これは、オーバーシュート電流を印加している間、STOが磁気ギャップ内に配置されている磁気コア(トレーリング側コア)に流れる磁束よりも、他方の磁気コア(リーディング側コア)に流れる磁束の量が増大している状態にあり、STOへ加わるべき磁界が不足しているためである。図6(c)、(d)に示されるように、STO面内磁界およびSTO発振周波数は、図6(b)に示すギャップ内磁界と同じタイミングで変化する(立ち上がる)。そのため、ギャップ内磁界の立ち上がり遅れにより、STO面内磁界およびSTO発振周波数の立ち上がりが遅れ、磁極の磁界応答からSTOの発振が安定するまでに、時間T4(〜0.7ns)を要する。この場合、時間T4の後にSTOが発振している期間では、記録状態、つまり、オーバーライト特性は向上するが、磁化転移形成には、STOのアシスト発振が寄与していない。そのため、比較例では、線記録密度を向上することが困難となる。
以上のように、本実施形態に係る磁気ディスク装置では、記録電流へのオーバーシュート電流の重畳、および供給期間T1内での、STO駆動電流の第2レベルS2のパルス駆動電流の印加により、極性反転からSTOの発振が安定するまでの時間を大幅に短くすることができる。すなわち、記録電流の極性反転後に、オーバーシュート電流を印加した場合においても、スピントルク発振子の応答性を早くすることができる。これにより、記録磁化転移をシャープにすることができるため、安定した高周波アシストにより良好な記録を行うことができ、線記録密度の向上を図ることができる。
以上のことから、本実施形態によれば、高周波アシスト磁気記録において、より高速で安定な記録が可能な磁気ディスク装置が得られる。
次に、他の実施形態に係るHDDについて説明する。なお、以下に説明する他の実施形態において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るHDDにおける、記録ヘッドの記録電流波形およびSTO電流波形を示している。第2の実施形態に係るHDDによれば、記録電流供給回路は、記録電流の極性反転時、供給期間(第1期間)T1だけ、オーバーシュート電流を記録電流に重畳する。また、STO電流供給回路は、第1レベルS1の一定駆動電流に加えて、第1期間T1内で、第1レベルS1よりも高い第2レベルS2のパルス駆動電流を印加する。この際、STO電流供給回路は、パルス駆動電流の電流値を第2レベルS2に上げた後、第1レベルS1よりも低い第3レベルS3まで減少させるようにパルス駆動電流を供給するように構成されている。すなわち、オーバーシュート電流に同期して印加するパルス駆動電流の電流値は、定常の第1レベルS1よりも高いレベルの電流値を印加後に、第1レベルS1よりも低い電流値としてもよい。なお、本実施形態において、第1レベルS1と第3レベルS3との差の絶対値は、第1レベルS1と第2レベルS2との差の絶対値よりも小さいことが望ましい。パルス駆動電流の電流値を定常の第1レベルS1よりも低い電流値とする場合、第1レベルS1の1/2以内に設定することが望ましい。
このようなパルス駆動電流を用いた場合でも、高周波発振子の応答性を上げ、記録磁化転移をシャープにすることができる。そのため、安定した高周波アシストにより良好な記録を行うことができ、線記録密度の向上を図ることができる。
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、高周波発振子は、主磁極のトレーリング側に限らず、主磁極のリーディング側に設けてもよい。記録電流値、駆動電流値、記録電流のオーバーシュート量、印加期間は、上述した実施形態で示した数値に限定されることなく、適宜変更可能である。記録ヘッドは、トレーリングシールドおよびリーディングシールドを備えたダブルコア構造に限定されることなく、トレーリングシールドあるいはリーディングシールドのいずれか一方のみを備える構成としてもよい。
また、主磁極のトラック幅方向の両側へサイドシールドを設置してもよい。このサイドシールドを設置することにより、隣接トラックへのフリンジ磁界の減少が可能となり、トラック幅方向の記録密度を向上することが出来る。
10…磁気ディスク装置、11…筐体、12…磁気ディスク、13…ABS
14…スピンドルモータ、15…スライダ、16…磁気ヘッド、17…ヘッド部、
18…ヘッドアクチュエータ、30…ヘッドアンプIC、40…メインコントローラ、
54…再生ヘッド、58…記録ヘッド、60…主磁極、62…トレーリングシールド、
70…第1コイル、72…第2コイル、74…スピントルク発振子、
81…記録電流供給回路、82…STO電流供給回路

Claims (8)

  1. 記録媒体の記録層に記録磁界を印加する主磁極と、前記主磁極を励磁する記録コイルと、前記記録媒体と対向する媒体対向面の近傍で前記主磁極に隣接して設けられ、高周波磁界を発生する高周波発振子と、を有する記録ヘッドと、
    前記記録コイルに記録電流を供給するとともに、前記記録電流の極性反転後の第1期間内に、オーバーシュート電流を前記記録電流に印加する記録電流供給回路と、
    前記高周波発振子に第1レベルの一定の駆動電流を供給し、前記第1期間内で、前記第1レベルと異なる第2レベルのパルス駆動電流を前記高周波発振子に印加する駆動電流供給回路と、
    を備える磁気ディスク装置。
  2. 前記駆動電流供給回路は、前記記録電流の極性反転後、前記記録ヘッドのライトギャップ内磁界が反転してゼロを通過する時と、前記オーバーシュート電流の印加終了時との間に、前記パルス駆動電流のピークが位置するように、前記パルス駆動電流の印加タイミングを制御するように構成されている請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記パルス駆動電流の第2レベルは、前記第1レベルの2倍以下である請求項1又は2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記第2レベルは、前記第1レベルよりも高い電流値である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記記録ヘッドは、前記主磁極にライトギャップを置いて対向するライトシールドを備え、前記高周波発振子は、前記主磁極とライトシールドとの間で、前記媒体対向面の近傍に設けられ、前記主磁極およびライトシールドに電気的に接続されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  6. 前記記録ヘッドは、前記主磁極にライトギャップを置いて対向する第1シールドと、前記第1シールドと反対側で前記主磁極に対向して設けられた第2シールドと、前記主磁極および第1シールドで構成される磁気コアに巻き付けられた第1コイルと、前記主磁極および第2シールドで構成される磁気コアに巻き付けられた第2コイルと、を備え、
    前記高周波発振子は、前記主磁極と前記第1シールドとの間で、前記媒体対向面の近傍に設けられ、前記主磁極および第1シールドに電気的に接続されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  7. 記録ヘッドの駆動方法であって、
    前記記録ヘッドの記録コイルに記録電流を供給し、
    前記記録電流の極性反転後に、オーバーシュート電流を第1期間内で前記記録電流に重畳し、
    前記記録ヘッドの高周波発振子に第1レベルの一定の駆動電流を通電し、
    前記第1期間内で、前記駆動電流に前記第1レベルと異なる第2レベルのパルス駆動電流を印加する記録ヘッドの駆動方法。
  8. 前記記録電流の極性反転の後、前記記録ヘッドのライトギャップ内磁界が反転してゼロを通過する時と、前記オーバーシュート電流の印加終了時との間に、前記パルス駆動電流のピークが位置するように、前記パルス駆動電流の印加タイミングを制御する請求項7に記載の記録ヘッドの駆動方法。
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