JP2016044368A - 導電性不織布およびそれに用いられるメルトブロー不織布の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】310℃での溶融粘度が20Pa・s以下である溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを用いて形成され、(A)平均繊維径が0.1〜5μmであること、(B)不織布中に存在するフィルム状物が2個以下/1mm2であること、(C)タテ方向の裂断長が10km以上且つ、ヨコ方向の裂断長が6km以上であること、(D)目付けが1.0〜15g/m2であること、(E)厚みが5〜50μmであること、(F)通気度が300cc/cm2/秒以下であること、(G)表面粗さRaが15μm以下であること、をともに満足することを特徴とするメルトブロー不織布と、当該不織布上に形成された金属被膜とを備える導電性不織布。
【選択図】図1
Description
(B)不織布中に存在するフィルム状物が2個以下/1mm2であること、
(C)タテ方向の裂断長が10km以上且つ、ヨコ方向の裂断長が6km以上であること、
(D)目付けが1.0〜15g/m2であること、
(E)厚みが5〜50μmであること、
(F)通気度が300cc/cm2/秒以下であること、
(G)表面粗さRaが15μm以下であること。
<導電性不織布>
本発明の導電性不織布は、溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを用いて形成され、特定の構成要件を満たすメルトブロー不織布と、当該不織布上に形成された金属被膜とを備える。このような本発明の導電性不織布は、非常に軽量、薄型であり、広い周波数にわたって電磁波遮蔽性を有し、電磁波シールディングシート、ガスケット、バックなどの用途に広く使用でき、特に小型、薄型化が求められる電子機器内部で使用される目的において、有用である。
本発明のメルトブロー不織布に使用される溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルは、耐熱性、耐薬品性に優れた樹脂である。本発明にいう溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルとは、溶融相において光学的異方性(液晶性)を示す芳香族ポリエステルであり、「溶融液晶形成性」は、上述した「溶融液晶性」、「溶融異方性」と同義である。「溶融液晶形成性」であることは、たとえば試料をホットステージに載せ窒素雰囲気下で加熱し、試料の透過光を観察することにより認定できる。
本発明の導電性不織布に用いられる金属被膜としては、銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のいずれかからなるか、または、銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のうち、少なくとも2種以上からなる合金あるいは積層被膜からなることが、好ましい。中でも、導電性の高さ、金属被覆の形成容易性などの点から、銅、ニッケル、金あるいはこれらの少なくとも2種以上からなる積層被膜が特に好ましい。これらの中でも、導電性が高く電磁波遮蔽性を付与しやすい点において、銅は最も好ましい金属被膜であるが、表面酸化を抑制する目的で更にニッケルを積層したものが特に好ましい。
本発明はまた上述した本発明の導電性不織布を用いた導電性テープについても提供する。本発明の導電性テープは、たとえば、メルトブロー不織布の金属被膜が形成された側とは反対側に、接着剤または粘着剤が塗布され、さらに、必要に応じ、用時、接着剤または粘着剤が露出するように剥離可能な離型フィルムがさらに積層されていてもよい。本発明の導電性テープに用いられる接着剤、粘着剤、離型フィルムなどは、特に制限されるものではなく、従来公知の適宜の接着剤、粘着剤、離型フィルムを用いることができる。
本発明は、上述した本発明の導電性不織布におけるメルトブロー不織布を好適に製造する方法についても提供する。本発明のメルトブロー不織布の製造方法は、溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを溶融紡出すると同時に紡出物を310〜360℃の紡糸温度、ノズル1m幅あたり5〜30Nm3のエアー量で吹き飛ばして、捕集面上に集積してウェブを形成し、加熱処理を施してメルトブロー不織布を製造するに際し、ノズル孔径0.1〜0.3mm、ノズル孔長さLとノズル孔径Dの比L/Dが20〜50、ノズル孔同士の間隔が0.2〜1.0mmである紡糸ノズルより溶融紡出して得られた不織布を、<溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの融点−40℃>以上、<溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの融点+20℃>以下の温度で3時間以上加熱処理を行なうことを特徴の1つとする。
本発明の導電性不織布は、上述のようにして製造されたメルトブロー不織布に、金属被膜を形成することで製造することができる。金属被覆を形成する方法としては、電気メッキ、無電解メッキ、スパッタリング、真空蒸着など、従来公知の方法を用いることができるが、高い導電性が得やすいとの観点から無電解メッキによる方法が好ましい。無電解メッキの方法としては従来公知の方法を用いることができ、特に制限はないが、基材となる不織布の繊維表面に触媒を付与した後、金属塩、還元剤、緩衝剤を溶解した化学メッキ浴に浸漬することによって金属被膜を形成する方法が一般的である。
ない。なお本発明における不織布の物性は以下の方法により測定されたものを意味する。
不織布中の任意の点に対し、走査型電子顕微鏡にて、1000倍で拡大撮影し、100本の繊維径を測定した値の平均値をメルトブロー不織布の平均繊維径とした。
島津製作所製オートグラフを使用し、JIS L 1906に準じ、タテ方向、ヨコ方向それぞれ3箇所の不織布破断強力を測定し、その平均値から以下式により、メルトブロー不織布の裂断長を算出した。
[フィルム状物の面積、フィルム状物の個数]
不織布中の任意の10箇所、1mm2の箇所について、走査型電子顕微鏡にて100倍で拡大撮影し、繊維収束部、塊部分をフィルム状物としてフィルム状物の面積を算出するとともに個数を測定し、平均値を求めた(小数点以下は四捨五入)。
JIS L 1906に準じ、接着シート幅1mあたりから、縦20cm×横20cmの試料片を3枚採取し、各試料片の質量を電子天秤にて測定し、3点の平均値を試験片面積400cm2で除して、単位面積当たりの質量を算出し、メルトブロー不織布の目付けとした。
JIS L 1906に準じ、目付け測定と同試料片を用い、各試料片において、直径16mm、荷重20gf/cm2のデジタル測厚計((株)東洋精器製作所製:B1型)で各5箇所測定し、15点の平均値をメルトブロー不織布の厚みとした。
JIS L 1096の6.27.1(A法:フラジール法)に準じ、目付け測定と同試料片を用い、各試料片おいて、通気度測定器(TEXTEST製(スイス):FX3300)を使用し、測定面積38cm2、測定圧力125Paの条件で測定し、3点の平均値をメルトブロー不織布の通気度とした。
JIS B0601−1994に準じ、粗度測定器としてレーザ形状顕微鏡(VK−8500、株式会社キーエンス製)を用いて、メルトブロー不織布の平均粗さ(算術平均粗さ)Raを測定した。
導電性不織布の耐熱性は、示差走査熱量計(DSC−60、島津製作所製)を使用して、10℃/minの昇温速度で測定した。
関西電子工業振興センター考案による測定セル(MWF−06−P031−1、マイクロウェーブファクトリー社製)を用い、ベクトル型ネットワークアナライザ(PNA−E8363B、アジレントテクノロジー社製)により発生させた100MHz〜1GHzの電磁波を上記の測定セルで発信し、導電性不織布を介して受信した。その際の透過率を電磁波遮蔽性として測定し、周波数100MHzと1GHzにおける透過率を電磁波遮蔽性として求めた。
導電性不織布の表面抵抗値は、抵抗値測定器(MULTIMETER3478A、ヒューレット・パッカード社製)を使用し、JIS−K−7194に準拠して四端子四探針法により測定した。
(1)パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との共重合物からなり、融点300℃、310℃での溶融粘度が15Pa・sである溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを、二軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径(直径)0.15mm、L/D=30、幅1mあたり孔数1500(ノズル孔同士の間隔:0.67mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.10g/分、樹脂温度330℃、熱風温度330℃、ノズル幅1mあたり18Nm3で吹き付けて目付けが15g/m2の不織布を得た後、空気中にて300℃で6時間加熱処理した。その後、得られた不織布を110℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が86°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧120kg/cmで加圧カレンダーを用い、連続的に処理した。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.8μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり(走査型電子顕微鏡写真を図1に示す)、タテ方向の引張り強力は74N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は26N/15mmであり、タテ方向の裂断長は34km、且つ、ヨコ方向の裂断長は12kmであり(構成要件(C)を充足)、目付けは上述のように15g/m2であり(構成要件(D)を充足)、厚みは25μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は12cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは7μmであった。
実施例1と同じ方法にて、目付が9g/m2(構成要件(D)を充足)のメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.8μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり、タテ方向の引張り強力は42N/15mm、ヨコ方向の引張り張力は14N/15mmであり、タテ方向の裂断長は32km、且つ、ヨコ方向の裂断長は11kmであり(構成要件(C)を充足)、厚みは17μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は38cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは8μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは80(dB)、周波数1GHzでは81(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.031(Ω/□)であった。
実施例1と同じ方法にて、目付が5g/m2(構成要件(D)を充足)のメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.8μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり、タテ方向の引張り強力は21N/15mm、ヨコ方向の引張り張力は7N/15mmであり、タテ方向の裂断長は29km、且つ、ヨコ方向の裂断長は10kmであり(構成要件(C)を充足)、厚みは13μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は82cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは9μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは74(dB)、周波数1GHzでは71(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.091(Ω/□)であった。
110℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が86°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧450kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.8μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり、タテ方向の引張り強力は76N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は26N/15mmであり、タテ方向の裂断長は34km、且つ、ヨコ方向の裂断長は12kmであり(構成要件(C)を充足)、目付けは上述のように15g/m2であり(構成要件(D)を充足)、厚みは23μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は10cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは5μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは87(dB)、周波数1GHzでは85(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.025(Ω/□)であった。
110℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が95°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧120kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.8μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり、タテ方向の引張り強力は74N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は26N/15mmであり、タテ方向の裂断長は34km、且つ、ヨコ方向の裂断長は12kmであり(構成要件(C)を充足)、目付けは上述のように15/m2であり(構成要件(D)を充足)、厚みは24μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は12cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは6μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは87(dB)、周波数1GHzでは85(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.027(Ω/□)であった。
110℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が94°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧450kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.9μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり、タテ方向の引張り強力は72N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は23N/15mmであり、タテ方向の裂断長は33km、且つ、ヨコ方向の裂断長は10kmであり(構成要件(C)を充足)、目付けは上述のように15g/m2であり(構成要件(D)を充足)、厚みは20μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は7cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは3μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは90(dB)、周波数1GHzでは87(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.023(Ω/□)であった。
230℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が94°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧120kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.9μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり、タテ方向の引張り強力は71N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は24N/15mmであり、タテ方向の裂断長は32km、且つ、ヨコ方向の裂断長は11kmであり(構成要件(C)を充足)、目付けは上述のように15g/m2であり(構成要件(D)を充足)、厚みは21μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は8cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは4μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは90(dB)、周波数1GHzでは87(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.023(Ω/□)であった。
230℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が94°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧450kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は3.1μm(構成要件(A)を充足)で、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2(構成要件(B)を充足)であり、タテ方向の引張り強力は77N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は26N/15mmであり、タテ方向の裂断長は35km、且つ、ヨコ方向の裂断長は12kmであり(構成要件(C)を充足)、目付けは上述のように15g/m2であり(構成要件(D)を充足)、厚みは17μmであり(構成要件(E)を充足)、通気度は5cc/cm2/秒(構成要件(F)を充足)と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは2μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは93(dB)、周波数1GHzでは90(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.018(Ω/□)であった。
80℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が90°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧180kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.7μmで、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2であり、タテ方向の引張り強力は70N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は24N/15mmであり、タテ方向の裂断長は32km、且つ、ヨコ方向の裂断長は11kmであり、目付けは上述のように15g/m2であり、厚みは27μmであり、通気度は16cc/cm2/秒と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは10μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは83(dB)、周波数1GHzでは81(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.029(Ω/□)であった。
300℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が90°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧180kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.8μmで、不織布中に存在するフィルム状物は1個/1mm2であり、タテ方向の引張り強力は77N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は27N/15mmであり、タテ方向の裂断長は35km、且つ、ヨコ方向の裂断長は12kmであり、目付けは上述のように15g/m2であり、厚みは30μmであり、通気度は18cc/cm2/秒と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは13μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは82(dB)、周波数1GHzでは80(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.029(Ω/□)であった。
200℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が60°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧180kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.7μmで、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2であり、タテ方向の引張り強力は71N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は24N/15mmであり、タテ方向の裂断長は32km、且つ、ヨコ方向の裂断長は11kmであり、目付けは上述のように15g/m2であり、厚みは31μmであり、通気度は19cc/cm2/秒と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは14μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは83(dB)、周波数1GHzでは81(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.029(Ω/□)であった。
200℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が98°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧180kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.9μmで、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2であり、タテ方向の引張り強力は72N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は25N/15mmであり、タテ方向の裂断長は33km、且つ、ヨコ方向の裂断長は11kmであり、目付けは上述のように15g/m2であり、厚みは23μmであり、通気度は12cc/cm2/秒と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは14μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは80(dB)、周波数1GHzでは78(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.031(Ω/□)であった。
200℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が90°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧60kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は2.7μmで、不織布中に存在するフィルム状物は0個/1mm2であり、タテ方向の引張り強力は72N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は24N/15mmであり、タテ方向の裂断長は33km、且つ、ヨコ方向の裂断長は11kmであり、目付けは上述のように15g/m2であり、厚みは28μmであり、通気度は17cc/cm2/秒と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは12μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは82(dB)、周波数1GHzでは80(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.030(Ω/□)であった。
200℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が90°の樹脂製の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧800kg/cmで加圧カレンダーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は3.0μmで、不織布中に存在するフィルム状物は1個/1mm2であり、タテ方向の引張り強力は60N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は15N/15mmであり、タテ方向の裂断長は27km、且つ、ヨコ方向の裂断長は7kmであり、目付けは上述のように15g/m2であり、厚みは14μmであり、通気度は6cc/cm2/秒と低目付け、低厚みでありながら緻密性が高く、かつ非常に高強力なメルトブロー不織布を得た。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは9μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは85(dB)、周波数1GHzでは83(dB)の良好な遮蔽性を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.028(Ω/□)であった。
実施例1と同じ溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを、二軸押し出し機により押し出し、ノズル孔径(直径)0.2mm、L/D=10、幅1mあたり孔数1500(ノズル孔同士の間隔:0.67mm)のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.40g/分、樹脂温度330℃、熱風温度330℃、ノズル幅1mあたり18Nm3で吹き付けて目付けが15g/m2の不織布を得たが、ノズルのL/Dが小さいため、ノズル直下での糸切れが不織布中に多く混入した。得られた不織布を空気中にて300℃で6時間加熱処理した。その後、100℃に加熱した金属ロールと表面のショアD硬度が60°の樹脂性の弾性ロール(由利ロール株式会社製)の間に通し、線圧30kg/cmで加圧カレンダーし、メルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の平均繊維径は9.2μmで、不織布中に存在するフィルム状物は4個/1mm2であり、タテ方向の引張り強力は12N/15mm、ヨコ方向の引張り強力は5N/15mmであり、タテ方向の裂断長は5km、且つ、ヨコ方向の裂断長は2kmであり、目付けは上述のように15g/m2であり、厚みは67μmであり、通気度は415cc/cm2/秒であった。さらに、得られたメルトブロー不織布の表面粗さRaは19μmであった。得られたメルトブロー不織布を用いて、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の融点は335℃で、極めて高い耐熱性が得られた。また、得られた導電性不織布の電磁波遮蔽性は、周波数100MHzでは45(dB)、周波数1GHzでは36(dB)を示した。また、この導電性不織布の表面抵抗値は、0.295(Ω/□)であった。
Claims (5)
- 310℃での溶融粘度が20Pa・s以下である溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを用いて形成され、以下の(A),(B),(C),(D),(E),(F),(G)をともに満足するメルトブロー不織布と、当該不織布上に形成された金属被膜とを備える、導電性不織布。
(A)平均繊維径が0.1〜5μmであること、
(B)不織布中に存在するフィルム状物が2個以下/1mm2であること、
(C)タテ方向の裂断長が10km以上且つ、ヨコ方向の裂断長が6km以上であること、
(D)目付けが1.0〜15g/m2であること、
(E)厚みが5〜50μmであること、
(F)通気度が300cc/cm2/秒以下であること、
(G)表面粗さRaが15μm以下であること。 - 金属被膜が銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のいずれかからなる請求項1に記載の導電性不織布。
- 金属被膜が銅、ニッケル、金、銀、コバルト、錫、亜鉛のうち、少なくとも2種以上からなる合金あるいは積層被膜からなる請求項1に記載の導電性不織布。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性不織布を用いた導電性テープ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性不織布に用いられるメルトブロー不織布を製造する方法であって、
溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを溶融紡出すると同時に紡出物を310〜360℃の紡糸温度、ノズル1m幅あたり5〜30Nm3のエアー量で吹き飛ばして、捕集面上に集積してウェブを形成し、加熱処理を施してメルトブロー不織布を製造するに際し、ノズル孔径0.1〜0.3mm、ノズル孔長さLとノズル孔径Dの比L/Dが20〜50、ノズル孔同士の間隔が0.2〜1.0mmである紡糸ノズルより溶融紡出して得られた不織布を、<溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの融点−40℃>以上、<溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの融点+20℃>以下の温度で3時間以上加熱処理を行ない、
表面のショアD硬度が85〜95°の弾性ロールと金属ロールとの間で、温度100〜250℃、線圧100〜500kg/cmで連続的に処理する、製造方法。
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