JP2016044161A - アトラクチロジン類の製造方法、及び、コバルト錯体化合物 - Google Patents

アトラクチロジン類の製造方法、及び、コバルト錯体化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】不安定な化学構造を有するアトラクチロジン類を長期保存可能にしたアトラクチロジン類のコバルト錯体化合物を用いるアトラクチロジン類の製造方法及び該コバルト錯体化合物の提供。
【解決手段】式(I)で表されるコバルト錯体化合物。該コバルト錯体化合物と脱保護剤とを反応させる工程を備える、アトラクチロジン類の製造方法。
Figure 2016044161

(Aは各々独立にCO、P(R又はNO;Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基又はエステル基で置換或いは未置換のC1〜4の直鎖或いは分岐鎖のアルキル基、フェニル基、アルデヒド基;カルボキシル基若しくはエステル基;Rが2以上ある場合各々独立;RはH、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基又はカルボキシル基)
【選択図】なし

Description

本発明は、アトラクチロジン類の製造方法、及び、コバルト錯体化合物に関し、詳しくは、長期保存可能なアトラクチロジン類のコバルト錯体化合物を用いるアトラクチロジン類の製造方法、及び、該コバルト錯体化合物に関する。
アトラクチロジンは、特徴的なジエン−ジイン構造を有するポリエン化合物であり、生薬「ソウジュツ」の主要成分である。またソウジュツを構成生薬とする六君子湯を始めとする配合漢方処方製剤の主薬効成分として知られる。近年、アトラクチロジンがグレリン調節を介した食欲増強作用を有するなど興味深い薬理メカニズムが明らかとなり、臨床応用上及び品質管理上重要な成分として、ますます注目されるようになってきた。
非特許文献1には、アトラクチロジンの合成方法が記載されている。また、天然物からアトラクチロジンを抽出することも可能であり、例えば、非特許文献2には、超臨界流体抽出(SFE)システムと分子蒸留を組み合わせてソウジュツの精油成分からアトラクチロジンを蒸留によって抽出する方法が記載されている。また、特許文献1にはソウジュツからアトラクチロジンを抽出し、その後、再結晶化することによって精製する方法も記載されている。
特開昭59−106421号公報
Annabelle L.K.; Shi Shun; Rik R. Tykwinski J. Org. Chem., 68, 6810-6813, (2003) Gao,Y.; et al.; Guangzhou Zhongyiyao Daxue Xuebao, 21, 6, 476-478,(2004)
しかしながら、アトラクチロジンは不安定な化学構造を有することから、固体安定性が悪く、光や酸素で分解するため、長期保存が困難であるという課題があった。
そこで本発明の目的は、長期保存が可能なアトラクチロジン類のコバルト錯体化合物を用いるアトラクチロジン類の製造方法、及び、該コバルト錯体化合物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の新規なコバルト錯体化合物を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のコバルト錯体化合物およびアトラクチロジン類の製造方法は、下記の[1]〜[5]である。
[1] 下記一般式(I)で表されることを特徴とするコバルト錯体化合物。
Figure 2016044161
(式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
[2]下記一般式(II)、
Figure 2016044161
(式中、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
で表されるアトラクチロジン類と、
下記一般式(III)、
Figure 2016044161
(式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるコバルト化合物とを反応させる工程を備える[1]のコバルト錯体化合物の製造方法。
[3]下記一般式(I)、
Figure 2016044161
(式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
で表されるコバルト錯体化合物と脱保護剤とを反応させる工程を備えることを特徴とするアトラクチロジン類の製造方法。
[4]前記脱保護剤が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよび硝酸鉄(III)からなる群から選ばれるものである[3]のアトラクチロジン類の製造方法。
[5]下記一般式(II)、
Figure 2016044161
(式中、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
で表されるアトラクチロジン類を昇華して精製する工程を含む[3]または[4]のアトラクチロジン類の製造方法。
本発明により、長期保存が可能なアトラクチロジン類のコバルト錯体化合物を用いるアトラクチロジン類の製造方法、及び、該コバルト錯体化合物を提供することが可能となる。
実験例1で得たアトラクチロジンのコバルト錯体化合物のH−NMRのスペクトルである。 実験例2−1で得たアトラクチロジンのH−NMRのスペクトルである。 実験例3の安定性評価のTLC分析の結果を示す写真図である。 実験例5で用いた装置を示す模式図である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[コバルト錯体化合物]
本発明のコバルト錯体化合物は、下記一般式(I)、
Figure 2016044161
(式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
で表されるものである。
上記一般式(I)中のRが表す、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヒドロキシメチル基、ホルミルメチル基、カルボキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。また、上記一般式(I)中のRが表すエステル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。
上記一般式(I)中のAは、CO又はP(Rであることが好ましく、CO又はRがフェニル基であるP(Rがより好ましく、COが特に好ましい。
上記一般式(I)中の上記Rはメチル基であることが好ましい。
上記コバルト錯体化合物を脱保護剤と反応させることにより、簡便に、上記一般式(II)で表されるアトラクチロジン類を製造することができる。
上記のとおり、アトラクチロジン類は不安定であるが、本発明のコバルト錯体化合物は、比較的安定であり、化学変化しにくい。その為、本発明のコバルト錯体化合物を保存し、必要時に脱保護反応を行うことによりアトラクチロジン類を製造することができる。
[コバルト錯体化合物の製造方法]
本発明のコバルト錯体化合物の製造方法は、下記一般式(II)、
Figure 2016044161
(式中、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
で表されるアトラクチロジン類と、
下記一般式(III)、
Figure 2016044161
(式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるコバルト化合物とを反応させる工程を備えるものである。前記アトラクチロジン類は、合成で製造してもよく、天然物から抽出したものを用いてもよい。
上記一般式(II)中のR2はメチル基であることが好ましい。
上記一般式(III)中のRが表す、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられる。また、上記一般式(III)中のRが表すエステル基としては、上記と同様のものが挙げられる。
上記一般式(III)中のAは、CO又はP(Rであることが好ましく、CO又はRがフェニル基であるP(Rがより好ましく、COであることが特に好ましい。
上記一般式(II)で表されるアトラクチロジン類と上記一般式(III)で表されるコバルト化合物との反応温度は、特に制限はなく、室温〜100℃で反応を行うことが好ましい。また、反応時間は、例えば反応温度が室温の場合は好ましくは1時間以内である。
[アトラクチロジン類の製造方法]
本発明のアトラクチロジン類の製造方法は、上記一般式(I)で表されるコバルト錯体化合物と脱保護剤とを反応させることを特徴とするものである。脱保護剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物、硝酸鉄(III)等が挙げられ、少ない副生成物でアトラクチロジン類を製造できることから、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、及び、トリエチレンテトラミンが好ましい。
脱保護剤との反応温度は、特に制限はなく、室温〜100℃で反応を行うことが好ましい。また、反応時間は、例えば反応温度が65℃の場合は好ましくは1時間以内である。
本発明のアトラクチロジン類の製造方法は、上記一般式(II)で表されるアトラクチロジン類を昇華して精製する工程を含むことが好ましく、高い回収率かつ高い純度で精製できるとともに、厳密な製造制御工程などを含まない簡便な操作で精製を行うことができる。また再結晶法で必要な有機溶媒類を一切使用しないため、精製したアトラクチロジン中の残留溶媒に留意する必要がない利点に加え、作業員の衛生環境上の利点も有する。
当該昇華して精製する工程は、上記一般式(I)で表されるコバルト錯体化合物と脱保護剤とを反応させて製造したアトラクチロジン類を精製するために設けてもよく、また、上記一般式(I)で表されるコバルト錯体化合物を製造するための反応に用いるアトラクチロジン類を精製するために設けてもよい。
昇華は0.5hPa〜1.0hPaの環境下であることが好ましく、その際の温度は、50〜100℃であることが好ましい。
出発材料、試薬及び溶媒は、特に断りのない限り、購入した市販品をさらに精製せずに用いた。非水溶性の反応は全て、試薬から水分を除去し、不活性雰囲気化(アルゴン)で行った。反応の進行はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)プレートで観察し、紫外線下で可視化し、リンモリブデン酸溶液を用いて加熱により染色した。生成物質は、BW-300SP(富士シリシア化学)又は標準酸化アルミニウム90(メルク)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC)、又はODSカラムクロマトグラフィー(YMC−GEL ODS−A−HG)によって精製した。プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)は分光計を用いて600MHzで記録した。取得したデータについて、ケミカルシフト、積分値、多重度(s=シングル、d=ダブレット、dd=ダブルダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、br=ブロード、m=マルチプレット)を評価した。カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)は分光計を用いて150MHzで記録した。化合物のIRスペクトルは、4000〜500cm−1のフィルム(3M Type61 ディスポーザルIRカード)を用いて、Jasco FT−IR4000で記録した。融点は、ヤナコ微量融点測定装置を用いて測定した。
[実験例1]
アトラクチロジンのコバルト錯体化合物(({μ−[1(3,4−η):2(3,4−η):3(5,6−η):4(5,6−η)]−(1E,2E)−2−ノナ−1,7−ジエン−3,5−ジイン−1−イル}フラン)=テトラキス(トリカルボニルコバルト)(Co1―Co2)(Co3―Co4))の合成
Figure 2016044161
トルエン(1.0mL)に非特許文献1に記載の合成法で得たアトラクチロジン(17.2mg、94.4μmol)及びジ−コバルトオクタカルボニル(71.0mg、207.7μmol)を溶解した溶液を室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物をシリカゲル(ヘキサン)でクロマトグラフし、黒色の固形物としてアトラクチロジンのコバルト錯体化合物を69.0mg得た(収率97%)。
得られた化合物のデータは下記の通り。
m.p. 90-92°C, 1H-NMR (CDCl3, 600 MHz) δ: 1.87 (3H, s), 6.25 (1H, brs), 6.43 (2H, brs×2), 6.62 (1H, brs), 6.83 (1H, brs), 7.20-7.33 (1H, brs), 7.45 (1H, s), 13C-NMR (CDCl3, 150 MHz) δ: 18.7, 92.7, 64.1, 95.7, 97.8, 109.7, 111.9, 123.9, 124.1, 127.2, 134.8, 142.9, 152.7, 198.7, IR (KBr): cm-1: 2094, 2075, 2059, 2023, 2012, 2004, ESI-MS m/z: +ESI 215 [MH] +, HRESI-MS m/z: 754.7510 (Calcd for C25H11O13Co4: 754.7522).
また、得られた化合物のH−NMRを図1に示す。
[実験例2−1]
アトラクチロジンのコバルト錯体化合物の脱コバルト化
Figure 2016044161
DMF(0.5mL)に上記で得たアトラクチロジンのコバルト錯体化合物(50.1mg、66.4μmol)とエチレンジアミン・2Ac−OH(242mg、1.34mmol)を溶解した溶液を65℃で60分間攪拌した。得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ2.5*40、ヘキサン)で精製し、濃灰色の固形物としてアトラクチロジンを9.2mg得た(収率76%)。
得られた化合物のH−NMRを図2に示す。アトラクチロジンのコバルト錯体化合物を脱コバルト化して得たアトラクチロジンのH−NMRは、もとのアトラクチロジンのH−NMRと完全に一致していることを確認した。
[実験例2−2、2−3]
使用する脱保護剤、溶剤、温度、攪拌時間を下記表1に記載のように変えた以外は、上記実験例2−1と同様に反応を行った。脱コバルト化して得られたアトラクチロジンの収率を下記表1に示す。
Figure 2016044161
[実験例3]
アトラクチロジンのコバルト錯体化合物の安定性評価1
実験例1で得たアトラクチロジンのコバルト錯体化合物を、製造後、遮光密封したサンプルを室温保管し(7月〜8月、エアコンなし、室温、湿度:成り行き)、TLC分析によって安定性を確認した(薄層板:シリカゲル、展開溶媒:ヘキサン、紫外線(254nm)を照射)。結果を図3に示す。アトラクチロジンのコバルト錯体化合物は4ヶ月以上の間、比較的過酷な夏場の室温及び湿度下でさえ安定であることがわかった。
[実験例4]
アトラクチロジンのコバルト錯体化合物の安定性評価2
実験例1で得たアトラクチロジンのコバルト錯体化合物について以下の処理を行い、試料とした。
それぞれの試料をヘキサンに溶かし、それぞれの試料溶液とした。試料溶液は用時調製とし、調製後速やかに分析を開始した。
A.透明瓶で100日間室温保存
B.紫外線(365nm)を3時間照射
実験例1で得たアトラクチロジンのコバルト錯体化合物の遮光冷蔵保存品をヘキサンに溶かした液を用い、検量線を作成した。検量線作成に用いた液は用時調製とし、調製後速やかに分析を開始した。
HPLC分析条件として、以下の条件を用いた。
<分析条件>
検出波長:300nm、カラム:TSK gel ODS−80Ts QA、カラム温度:20℃、移動相:アセトニトリル、流量:1.0mL/min
検量線は0.564μg〜1.499μgの範囲で良好な直線性が得られた。検量線及を用いて算出した定量値を下記表2に示す。A.透明瓶・室温で100日間保管したもの、及び、B.紫外線(365nm)を3時間照射したもの、ともに定量値約100%が得られ、アトラクチロジンのコバルト錯体化合物が固体状態で安定であることを確認した。
Figure 2016044161
[実験例5]
アトラクチロジンの昇華精製
実験例2で得られたアトラクチロジン214.0mgを10mLのナスコルに入れ、図4に示す装置を用いて80℃で、減圧下(0.73−0.81hPa)、昇華精製を行った。1時間後、結晶が十分成長したことを確認し、冷却管に付着したアトラクチロジンを回収した(乾燥収量202.3mg、収率94.5%)。従来の再結晶による精製方法は単回の歩留まり率が約80%であり、再結晶濾液を濃縮し、再結晶を繰り返すことでアトラクチロジンを得ている。今回見出された昇華精製法は、94%を超える回収率であった。また、装置を設置すれば、短時間で極めて簡便な操作方法で精製を行うことができる。
昇華精製により得られたアトラクチロジンについて、日局定量用の規格適合性を評価し、適合する事を確認した。また、現在品質管理に使用している定量用アトラクチロジン試液との使用同等性を併せて確認した。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とするコバルト錯体化合物。
    Figure 2016044161

    (式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
  2. 下記一般式(II)、
    Figure 2016044161

    (式中、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
    で表されるアトラクチロジン類と、
    下記一般式(III)、
    Figure 2016044161
    (式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよい。)
    で表されるコバルト化合物とを反応させる工程を備える請求項1記載のコバルト錯体化合物の製造方法。
  3. 下記一般式(I)、
    Figure 2016044161

    (式中、AはそれぞれCO、P(RまたはNOを表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基またはエステル基で置換されてもよい炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;フェニル基;アルデヒド基;カルボキシル基またはエステル基を表し、Rが2以上ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
    で表されるコバルト錯体化合物と脱保護剤とを反応させる工程を備えることを特徴とするアトラクチロジン類の製造方法。
  4. 前記脱保護剤が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよび硝酸鉄(III)からなる群から選ばれるものである請求項3記載のアトラクチロジン類の製造方法。
  5. 下記一般式(II)、
    Figure 2016044161
    (式中、Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルデヒド基またはカルボキシル基を表す。)
    で表されるアトラクチロジン類を昇華して精製する工程を含む請求項3または4記載のアトラクチロジン類の製造方法。
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