JP6199023B2 - イリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法 - Google Patents

イリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法 Download PDF

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本発明は、イリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法に関する。詳しくは、高収率かつ純度の高いイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法に関する。
イリジウム錯体の8面型6配位錯体にはメリジオナル(meridional)体とフェイシャル(facial)体の2つの幾何異性体が存在する。これらは有機エレクトロルミネッセンス素子のリン光ドーパントとして有用であり様々な研究がなされている。フェイシャル体(以下「fac体」ともいう。)は一般的にメリジオナル体(以下「mer体」ともいう。)に比較しリン光波長が短く、量子効率が高くかつ安定であり、リン光ドーパントとしてより好ましいことが知られている(非特許文献1参照。)。
mer体からfac体への異性化方法として、ヘキサデカン中で250℃で加熱する方法(特許文献1参照。)、ブレンステッド酸の存在下で変換する方法(特許文献2参照。)、UVランプを用いて変換する方法(特許文献3参照。)が知られている。
しかしながら、いずれの方法もmer体が残存し、再結晶又はカラムクロマトグラフィーで精製を試みているが充分でなく、より高純度のfac体を得るためには大きな収率低下を伴うという問題があり、高収率かつ純度の高いイリジウム錯体のfac体の製造方法が望まれていた。
米国特許出願公開第2007/78264号明細書 米国特許第7803948号明細書 国際公開第2011/51404号
Kari A. M. Inorg.Chem.2007,46,7800
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、高収率かつ純度の高いイリジウム錯体のfac体の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、イリジウム錯体のメリジオナル体を光照射し、フェイシャル体に幾何異性化した後に、弱酸を用いて処理することにより、高収率かつ純度の高いイリジウム錯体のフェイシャル体が得られることが分かった。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体のフェイシャル体を製造するイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法であって、該イリジウム錯体のメリジオナル体を光照射し、フェイシャル体に幾何異性化した後、残存するメリジオナル体を弱酸としてカルボン酸を用いて分解することを特徴とするイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
Figure 0006199023
〔式中、B〜B は、B 及びB が窒素原子であるイミダゾール環を表す。11〜B15 は、B 12 及びB 15 が窒素原子であるイミダゾール環、又はB 11 及びB 13 が窒素原子であるイミダゾール環、又はB 11 及びB 12 が窒素原子であるピラゾール環を表す。Z及びZ をそれぞれ含む環は各々ベンゼン環を表す。m1はの整数を表す。m2はの整数を表す
2.前記一般式(1)において、 11 〜B 15 で表される環が、前記イミダゾール環を表すことを特徴とする第1項に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
3.前記一般式(1)において、B〜Bで表される環及びB11〜B15で表される環が、各々下記一般式(2)で表される基を置換基として有することを特徴とする第1項又は第2項に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
Figure 0006199023
式中、R 及びR はアルキル基を表す。R 、R 及びR は、それぞれ、水素原子若しくはアリール基を表す、又は、R 、R 及びR は、それぞれ、隣接するR 及びR 、若しくは隣接するR 及びR が結合してベンゾフラン環を形成する基であってもよい。
.前記光照射の手段として波長250〜400nmの範囲内のUV光を使用することを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
.前記弱酸として、酢酸を使用することを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
本発明の上記手段により、有機エレクトロルミネッセンス用材料として有用なイリジウム錯体のフェイシャル体が高収率かつ高純度で得られるイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法を提供することができる。
例示化合物1−4のmer体とfac体の酢酸に対する安定性を示すグラフ
本発明のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法は、前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体のフェイシャル体を製造するイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法であって、該イリジウム錯体のメリジオナル体を光照射し、フェイシャル体に幾何異性化した後、残存するメリジオナル体を弱酸としてカルボン酸を用いて分解することを特徴とする。この特徴は、請求項1からまでの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記一般式(1)において、 11 〜B 15 で表される環が、前記イミダゾール環を表すことが好ましい。さらに、前記一般式(1)において、B〜Bで表される環及びB11〜B15で表される環が、各々前記一般式(2)で表される基を置換基として有することが好ましい。また、弱酸として、酢酸を使用することが好ましい。
さらに、前記光照射の手段として波長250〜400nmの範囲内のUV光を使用することが幾何異性化を効率よく行えるため好ましい。また弱酸としてカルボン酸を用いることが収率を上げることから好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法は、前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体のフェイシャル体を製造するイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法であって、該イリジウム錯体のメリジオナル体を光照射し、フェイシャル体に幾何異性化した後、残存するメリジオナル体を弱酸としてカルボン酸を用いて分解することを特徴とする。
《一般式(1)で表されるイリジウム錯体》
本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体について説明する。下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体はリン光ドーパントとして好ましく用いることができる。
Figure 0006199023
〔式中、B〜B は、B 及びB が窒素原子であるイミダゾール環を表す。11〜B15 は、B 12 及びB 15 が窒素原子であるイミダゾール環、又はB 11 及びB 13 が窒素原子であるイミダゾール環、又はB 11 及びB 12 が窒素原子であるピラゾール環を表す。Z及びZ をそれぞれ含む環は各々ベンゼン環を表す。m1はの整数を表す。m2はの整数を表す。〕
〜B及びB11〜B15は、それぞれ炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表し、B〜Bの少なくとも一つ及びB11〜B15の少なくとも一つは、窒素原子を表す。これら5つの原子により形成される芳香族含窒素複素環としては単環が好ましい。例えば、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサジアゾール環及びチアジアゾール環等が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、ピラゾール環、イミダゾール環であり、さらに好ましくはイミダゾール環である。
前記一般式(1)において、B〜Bで表される環が、イミダゾール環を表すことが好ましい。さらに、B〜Bで表される環及びB11〜B15で表される環が、共にイミダゾール環であることが好ましい。
Z及びB〜Bからなる配位子とZ及びB11〜B15で表される配位子は異なる配位子である。
また、一般式(1)において、m1が2を表すことが好ましい。
さらに、B〜B及びB11〜B15で形成される5員環においてIr原子に配位する原子として窒素原子が好ましい。
Z及びZで表される6員環並びにB〜B及びB11〜B15で形成される5員環は、さらに置換基によって置換されていてもよく置換基として例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、スルホニル基、スルフィニル基、ホスホニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シロキ基シ、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、イミド基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシ基等の各基が挙げられる。
これらの置換基のうちで好ましいものは、アリール基であり、更に好ましくは下記一般式(2)で表される基である。
Figure 0006199023
式中、R及びRは置換基を表す。R、R及びRは水素原子又は置換基を表す。置換基は前述した置換基を用いることができる。さらに、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。形成される環として例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環及びインドール環等が挙げられる。
及びRで表される置換基のうち好ましいものはアルキル基であり、さらにイソプロピル基が好ましい。
以下に、本発明の一般式(1)で表される化合物の代表的具体例及び参考とされる化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されものではない。
Figure 0006199023
Figure 0006199023
Figure 0006199023
Figure 0006199023
Figure 0006199023
Figure 0006199023
有機配位子が3つ配位した8面型6配位錯体のイリジウム錯体にはmer体とfac体の2つの幾何異性体が存在する。同じ3個の配位子が八面体の一つの面を占有していればfac体と呼び、中心金属イオンを含む一つの面を占有していればmer体と呼ぶ。例えば、配位している3つの有機配位子中、イリジウム錯体のイリジウムに配位している炭素原子と窒素原子をCとNで表すとイリジウムに対して下記のように立体表示することができる。配位子が異なっていても3個の配位しているC(又はN)が八面体の一つの面を占有していればfac体、中心金属イオンを含む一つの面を占有していればmer体と呼ぶ。
Figure 0006199023
本発明で用いられるmer体は、米国特許6835835号明細書、米国特許7745627号明細書、国際公開第2005/61522号及び国際公開第2010/86089号等に記載の方法により合成することができる。
《光照射》
本発明においては、前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体のmer体を光照射し、フェイシャル体に幾何異性化した後、残存するメリジオナル体を弱酸としてカルボン酸で分解する。光照射により、8面型6配位錯体のイリジウム錯体をmer体からfac体へ異性化することができる。光の波長は、紫外線、可視光領域のものを用いることができる。好ましくは波長200〜500nmの範囲内の光であり、更に好ましくは波長250〜400nmの範囲内の紫外(UV)光である。この範囲の波長の光を用いることで、mer体からfac体への幾何異性化を効率的に行うことができる。
光源としては、特に限定なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、例えば、室温で、100W高圧水銀灯を数時間〜数10時間照射することができる。
光照射は窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
《酸処理》
本発明で用いられる弱酸は光照射後に残存した未反応のmer体を選択的に分解する目的で用いられる。弱酸により、未反応のmer体が選択的に分解されるので、後の精製が容易になり、高収率で高純度のfac体を得ることができる。
本発明で用いられる弱酸としては、例えば、カルボン酸(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、コハク酸等)、リン酸、炭酸、ホウ酸、シリカゲル、活性白土等が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、カルボン酸である。更に好ましくは酢酸である。
本発明に用いられる弱酸の使用量は一般式(1)で表されるイリジウム錯体に対してモル比で1〜20倍量が好ましく、特に好ましくは1〜10倍量の範囲内である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《製造例1:例示化合物1−4〔fac体〕の製造(比較例)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−4〔mer体〕4.0g(3.39mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ40時間、室温で照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
Figure 0006199023
続いてカラムクロマトグラフィー(SiO、展開液テトラヒドロフラン(THF)/ヘプタン)により、濃縮した反応液を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量1.88g、収率47.0%、HPLC純度98.9%)。
カラムでmer体とfac体が充分に分離しきれず収率が大幅に低下し、さらにmer体0.3%が含有されていた。
《製造例2:例示化合物1−4〔fac体〕の製造(本発明)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−4〔mer体〕4.0g(3.39mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ40時間室温で照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
濃縮した反応液を酢酸エチル80mlに溶解し酢酸2.0g(イリジウム錯体に対して10倍mol量)を投入し攪拌1時間行った。続いて炭酸ナトリウム2.5g(7倍mol量)を溶解した水溶液20mlを加えた。200ml分液ロートに混合液を移し、水洗後減圧蒸留で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、展開液THF/ヘプタン)により濃縮物を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量3.12g、収率78.0%、HPLC純度99.9%)。高純度かつ高収率で目的の化合物が得られた。
以下に用いた例示化合物1−4〔mer体〕体及び例示化合物1−4〔fac体〕のH−NMRの詳細を示す。
例示化合物1−4〔mer体〕
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=8.05(d,2H),7.96(dd,2H),7.98−7.76(m,4H),7.75−7.65(m,5H),7.38(d,1H),7.35−7.20(m,4H),7.15−6.93(m,4H),6.90−6.65(m,6H),6.60−6.40(m,3H),3.30−3.14(m,3H),2.80−2.63(m,3H),1.65−1.52(m,12H),1.48(d,3H),1.42(d,3H),1.40−1.26(m,15H),1.22(t,3H).
例示化合物1−4〔fac体〕
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=8.05(d,2H),7.93(dd,2H),7.82(t,2H),7.77(t,2H),7.68(t,5H),7.32(d,3H),7.15−7.07(m,6H),6.83−6.75(m,3H),6.73−6.59(m,4H),6.46(d,2H),3.20−3.06(m,3H),2.80−2.63(m,3H),1.62(d,3H),1.55(d,6H),1.41(d,3H),1.38−1.26(m,18H),1.23(d,3H),1.21(d,3H).
実施例2
《例示化合物1−4〔mer体〕と例示化合物1−4〔fac体〕の酢酸に対する安定性》
例示化合物1−4〔mer体〕1g(0.848mmol)を酢酸エチル30mlに溶解し酢酸0.16g(イリジウム錯体に対して3倍mol量)を加え室温で撹拌した。同様に例示化合物1−4〔fac体〕1g(0.848mmol)を酢酸エチル30mlに溶解し酢酸0.16g(イリジウム錯体に対して3倍mol量)を加え室温で撹拌した。それぞれの残存率をHPLCで測定した結果を図1のグラフに示す。図1は、酢酸エチル溶液中における、例示化合物1−4のmer体とfac体の酢酸に対する安定性を表す。mer体は4時間で消失するのに対してfac体において全く分解が見られなかった。
更に酢酸をそれぞれ0.51g(イリジウム錯体に対して10倍mol量)に増量したところmer体は1時間で消失し配位子のみが確認された。これに対してfac体は3時間後において全く分解が見られなかった。
以上から、酢酸と共存させた場合mer体のみ選択的に分解可能であることが分かる。
実施例3
《製造例3:例示化合物1−19〔fac体〕の製造(比較例)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−19〔mer体〕4.0g(3.35mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ室温で43時間照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
Figure 0006199023
続いてカラムクロマトグラフィー(SiO、展開液THF/ヘプタン)により、濃縮した反応液を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量1.56g、収率39.0%、HPLC純度98.8%)。
カラムでmer体とfac体が充分に分離しきれず収率が大幅に低下し、さらにmer体0.4%が含有されていた。
《製造例4:例示化合物1−19〔fac体〕の製造(本発明)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−19〔mer体〕4.0g(3.35mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ室温で40時間照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
濃縮した反応液を酢酸エチル80mlに溶解し酢酸2.0g(イリジウム錯体に対して10倍mol量)を投入し攪拌1時間行った。続いて炭酸ナトリウム2.5g(イリジウム錯体に対して7倍mol量)を溶解した水溶液20mlを加えた。200ml分液ロートに混合液を移し、水洗後減圧蒸留で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、展開液THF/ヘプタン)により濃縮物を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量3.08g、収率77.0%、HPLC純度99.9%)。高純度かつ高収率で目的の化合物が得られた。
以下に用いた例示化合物1−19〔mer体〕及び例示化合物1−19〔fac体〕のH−NMRの詳細を示す。
例示化合物1−19〔mer体〕
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=8.47(d,1H),8.43(d,1H),7.98(dd,1H),7.90−7.80(m,4H),7.75−7.63(m,5H),7.38(t,1H),7.30−7.20(m,4H),7.18−6.96(m,2H),6.95−6.77(m,4H),6.75−6.40(m,6H),3.70−3.30(m,3H),2.60−2.30(m,3H),1.65−1.52(m,15H),1.50−1.24(m,21H).
例示化合物1−19〔fac体〕
H NMR(400MHz,CDCl3):8.44(dd,1H),8.40(d,1H),7.98(dd,1H),7.90−7.80(m,3H),7.75−7.65(m,5H),7.39(d,1H),7.33(d,1H),7.16−7.05(m,7H),6.83−6.73(m,3H),6.66−6.50(m,3H),6.50−6.43(m,3H),3.50−3.20(m,3H),2.60−2.30(m,3H),1.67−1.52(m,15H),1.48−1.18(m,21H).
実施例4
《製造例5:例示化合物1−5〔fac体〕の製造(比較例)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−5〔mer体〕4.0g(3.39mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ室温で40時間照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
Figure 0006199023
続いてカラムクロマトグラフィー(SiO、展開液THF/ヘプタン)により、濃縮した反応液を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量1.48g、収率37.0%、HPLC純度98.6%)。
カラムでmer体とfac体が充分に分離しきれず収率が大幅に低下し、さらにmer体0.6%が含有されていた。
《製造例6:例示化合物1−5〔fac体〕の製造(本発明)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−5〔mer体〕4.0g(3.39mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ室温で40時間照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
濃縮した反応液を酢酸エチル80mlに溶解し酢酸2.0g(イリジウム錯体に対して10倍mol量)を投入し攪拌1時間行った。続いて炭酸ナトリウム2.5g(イリジウム錯体に対して7倍mol量)を溶解した水溶液20mlを加えた。200ml分液ロートに混合液を移し、水洗後減圧蒸留で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、展開液THF/ヘプタン)により濃縮物を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量2.80g、収率70.0%、HPLC純度99.9%)。高純度かつ高収率で目的の化合物が得られた。
実施例5
《製造例7:例示化合物1−10〔fac体〕の製造(比較例)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−10〔mer体〕4.0g(3.39mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ室温で40時間照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
Figure 0006199023
続いてカラムクロマトグラフィー(SiO、展開液THF/ヘプタン)により、濃縮した反応液を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量1.60g、収率40.0%、HPLC純度98.9%)。
カラムでmer体とfac体が充分に分離しきれず収率が大幅に低下し、さらにmer体0.3%が含有されていた。
《製造例8:例示化合物1−10〔fac体〕の製造(本発明)》
セン特殊光源製光化学反応装置VG500(500ml、100W高圧水銀灯)に窒素導入管、温度計、ジムロートを装着した。例示化合物1−10〔mer体〕4.0g(3.39mmol)THF200ml、MeOH300mlを投入した後、窒素で30分間バブリングした。高圧水銀灯のスイッチを入れ室温で40時間照射した。反応液を減圧蒸留で濃縮した。
濃縮した反応液を酢酸エチル80mlに溶解し酢酸2.0g(イリジウム錯体に対して10倍mol量)を投入し攪拌1時間行った。続いて炭酸ナトリウム2.5g(イリジウム錯体に対して7倍mol量)を溶解した水溶液20mlを加えた。200ml分液ロートに混合液を移し、水洗後減圧蒸留で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、展開液THF/ヘプタン)により濃縮物を精製し、さらにTHF/MeOHの混合溶媒により再結晶を行った(収量2.84g、収率71.0%、HPLC純度99.9%)。高純度かつ高収率で目的の化合物が得られた。
その他の例示化合物も上記の方法に準じて製造することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体のフェイシャル体を製造するイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法であって、該イリジウム錯体のメリジオナル体を光照射し、フェイシャル体に幾何異性化した後、残存するメリジオナル体を弱酸としてカルボン酸を用いて分解することを特徴とするイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
    Figure 0006199023
    〔式中、B〜B は、B 及びB が窒素原子であるイミダゾール環を表す。11〜B15 は、B 12 及びB 15 が窒素原子であるイミダゾール環、又はB 11 及びB 13 が窒素原子であるイミダゾール環、又はB 11 及びB 12 が窒素原子であるピラゾール環を表す。Z及びZ をそれぞれ含む環は各々ベンゼン環を表す。m1はの整数を表す。m2はの整数を表す
  2. 前記一般式(1)において、B 11 〜B15で表される環が、前記イミダゾール環を表すことを特徴とする請求項1に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
  3. 前記一般式(1)において、B〜Bで表される環及びB11〜B15で表される環が、各々下記一般式(2)で表される基を置換基として有することを特徴とする請求項1又は2に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
    Figure 0006199023
    式中、R 及びR はアルキル基を表す。R 、R 及びR は、それぞれ、水素原子若しくはアリール基を表す、又は、R 、R 及びR は、それぞれ、隣接するR 及びR 、若しくは隣接するR 及びR が結合してベンゾフラン環を形成する基であってもよい。
  4. 前記光照射の手段として波長250〜400nmの範囲内の紫外(UV)光を使用することを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
  5. 前記弱酸として、酢酸を使用することを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載のイリジウム錯体のフェイシャル体の製造方法。
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