以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示す断面図である。図1は、空気入りタイヤ1の回転軸AXを通る子午断面を示す。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部3の一例を示す平面図である。
空気入りタイヤ1は、回転軸AXを中心に回転する。以下の説明において、回転軸AXを中心とする回転方向を適宜、周方向、と称し、回転軸AXと平行な方向を適宜、幅方向、と称し、回転軸AXに対する放射方向を適宜、径方向、と称する。空気入りタイヤ1の中心線(赤道線)CLは、幅方向に関して空気入りタイヤ1の中心を通る。
本実施形態において、空気入りタイヤ1は、細分化された複数のブロック30を有するスタッドレスタイヤである。以下の説明においては、空気入りタイヤ1を適宜、タイヤ1、と称する。
図1に示すように、タイヤ1は、接地面2を有するトレッド部3と、リムと接続されるビード部4と、トレッド部3とビード部4とを結ぶサイドウォール部5とを備えている。接地面2は、タイヤ1の走行において、路面(地面)と接触する。
また、タイヤ1は、カーカス6及びインナーライナー7を有する。カーカス6は、タイヤ1の骨格であり、タイヤ1の形状を保持する。インナーライナー7は、タイヤ1の内部空間に面するように配置される。カーカス6及びインナーライナー7は、トレッド部3、ビード部4、及びサイドウォール部5に配置される。
ビード部4は、ビードコア11と、ビードフィラー12とを含む。ビードコア11は、タイヤ1をリムに固定する。ビードコア11は、幅方向に関してタイヤ1の中心線CLの両側に配置される。ビードコア11は、束ねられた複数の高炭素鋼の環状部材を含む。ビードコア11は、回転軸AXを囲むように配置される。ビードフィラー12は、ビード部4の剛性を高める。
トレッド部3は、ベルト14と、トレッドゴム15とを含む。ベルト14は、積層された複数のベルト材を含む。ベルト14は、径方向に関してカーカス6の外側に配置される。ベルト14は、カーカス6を締め付けて、トレッド部3の剛性を高める。トレッドゴム15に、トレッドパターンが形成される。トレッドゴム15は、径方向に関してカーカス6及びベルト14の外側に配置される。接地面2は、トレッドゴム15に配置される。
サイドウォール部5は、サイドウォールゴム16を含む。サイドウォール部5は、幅方向に関して中心線CLの両側に配置される。
カーカス6は、幅方向に関して中心線CLの一方側のビードコア11と他方側のビードコア11との間にトロイダル状に配置される。カーカス6の両端部は、ビードフィラー12を囲むように折り返される。
トレッドゴム15に溝8が形成される。トレッドパターンは、溝8によって形成される。溝8は、タイヤ1の周方向に形成される主溝9と、タイヤ1の幅方向に形成されるラグ溝と、細溝20とを含む。細溝20によってトレッドゴム15が区画されることによって、ブロック30が形成される。接地面2は、ブロック30の表面を含む。
主溝9は、タイヤ1の周方向に形成される。主溝9の少なくとも一部は、タイヤ1のトレッド部3のセンター部に設けられる。主溝9は、内部にトレッドウェアインジケータを有する。トレッドウェアインジケータは、摩耗末期を示す。主溝9は、4.0mm以上の幅を有し、5.0mm以上の深さを有してもよい。
ラグ溝の少なくとも一部は、タイヤ1の幅方向に形成される。ラグ溝は、1.5mm以上の幅を有する。ラグ溝は、4.0mm以上の深さを有してもよく、部分的に4.0mm未満の深さを有していてもよい。
細溝20は、タイヤ1の周方向、幅方向、周方向と傾斜する方向、及び幅方向と傾斜する方向のそれぞれに形成される。細溝20は、タイヤ1のトレッド部3のセンター部及びショルダー部のそれぞれに設けられる。細溝20は、1mm以上4mm以下の幅を有する。
トレッド部3に設けられた細溝20により、そのトレッド部3に複数のブロック30が形成される。複数のブロック30は、細溝20によって区切られる。
図3は、本実施形態に係るブロック30の一例を示す平面図である。図3は、トレッド部3に設けられた複数のブロック30のうち、1つのブロック30を示す。上述のように、接地面2は、ブロック30の表面を含む。以下の説明においては、ブロック30の表面を適宜、接地面2、と称する。
ブロック30は、接地面2と、接地面2の外形を画定するエッジ10とを有する。ブロック30の周囲に細溝20が設けられる。ブロック30の接地面2のエッジ10は、トレッド部3に設けられた細溝20により規定される。接地面2の外形は、細溝20により規定される。接地面2は、エッジ10の内側に配置される。
ブロック30のエッジ10は、第1ライン51と、第2ライン52と、第1ライン51の一端部と第2ライン52の一端部との間に設けられる第1コーナー61と、第3ライン53と、第4ライン54と、第3ライン53の一端部と第4ライン54の一端部との間に設けられる第2コーナー62と、第1ライン51の他端部と第3ライン53の他端部とを結ぶ第5ライン55と、第2ライン52の他端部と第4ライン54の他端部とを結ぶ第6ライン56と、第3ライン53と第5ライン55との間に設けられる第3コーナー63と、第4ライン54と第6ライン56との間に設けられる第4コーナー64と、を含む。
本実施形態において、ブロック30のエッジ10は、第1ライン51の他端部と第5ライン55との間に設けられる第5コーナー65と、第2ライン52の他端部と第6ライン56との間に設けられる第6コーナー66と、をさらに含む。
本実施形態において、ブロック30は、実質的に六角形である。
本実施形態において、第1ライン51は、直線状である。第2ライン52は、直線状である。第3ライン53は、直線状である。第4ライン54は、直線状である。第5ライン55は、直線状である。第6ライン56は、直線状である。
本実施形態において、第1ライン51と第3ライン53とは平行である。第2ライン52と第4ライン54とは平行である。第5ライン55と第6ライン56とは平行である。
本実施形態において、第1ライン51の寸法(長さ)と、第2ライン52の寸法(長さ)とは実質的に等しい。第3ライン53の寸法(長さ)と、第4ライン54の寸法(長さ)とは実質的に等しい。第5ライン55の寸法(長さ)と、第6ライン56の寸法(長さ)とは実質的に等しい。
なお、第1ライン51の長さとは、第1ライン51の一端部と他端部との距離である。第2ライン52、第3ライン53、第4ライン54、第5ライン55、及び第6ライン56についても同様である。
本実施形態において、第1ライン51、第2ライン52、第3ライン53、第4ライン54、第5ライン55、及び第6ライン56それぞれの寸法は、5mm以上25mm以下である。
第1コーナー61は、角張っている。第2コーナー62は、角張っている。第3コーナー63は、角張っている。第4コーナー64は、角張っている。第5コーナー65は、角張っている。第6コーナー66は、角張っている。
第1コーナー61は、外側に突出する。第1コーナー61は、接地面2の中心(図心)に対して外側に凸む。第2コーナー62は、内側に窪む。第2コーナー62は、接地面2の中心に対して内側に凹む。
第1ライン51と第2ライン52とがなす角度θ1は、40度以上160度以下である。第3ライン53と第4ライン54とがなす角度θ2は、200度以上320度以下である。第3ライン53と第5ライン55とがなす角度θ3は、90度よりも小さい。第4ライン54と第6ライン56とがなす角度θ4は、90度よりも小さい。第1ライン51と第5ライン55とがなす角度θ5は、90度よりも大きい。第2ライン52と第6ライン56とがなす角度θ6は、90度よりも大きい。
本実施形態において、角度θ1と角度θ2との和は、360度である。角度θ3と角度θ4とは、等しい。角度θ5と角度θ6とは、等しい。
図4は、本実施形態に係るトレッド部3の一部を拡大した平面図である。本実施形態においては、細溝20を介して隣接する複数のブロック30によってブロック群40が定められる。図4は、1つのブロック群40を示す。
図4に示すように、本実施形態においては、3つのブロック30によって、1つのブロック群40が定められる。すなわち、本実施形態において、ブロック群40は、3つのブロック30を有する。以下の説明において、3つのブロック30のそれぞれを適宜、第1ブロック31、第2ブロック32、及び第3ブロック33、と称する。
第1ブロック31の接地面2の外形と、第2ブロック32の接地面2の外形と、第3ブロック33の接地面2の外形とは、同一である。本実施形態において、角度θ1は、約120度である。角度θ2は、約240度である。
図5は、1つのブロック群40について、細溝20を強調して示した図である。図4及び図5に示すように、ブロック群40の複数のブロック30(31、32、33)は、細溝20の内側に設定された仮想点Rの周囲に配置される。ブロック群40の複数のブロック30(31、32、33)は、細溝20の内側に設定された仮想点Rの周囲において、それぞれの第1コーナー61が仮想点Rに面するように配置される。第1ブロック31と第2ブロック32と第3ブロック33とは、仮想点Rの周囲に等間隔で配置される。
図5に示すように、細溝20は、第1ブロック31の第1ライン51と第2ブロック32の第2ライン52との間に配置される第1細溝21と、第2ブロック32の第1ライン51と第3ブロック33の第2ライン52との間に配置される第2細溝22と、第3ブロック33の第1ライン51と第1ブロック31の第2ライン52との間に配置される第3細溝23と、を含む。第1細溝21と、第2細溝22と、第3細溝23とは、交わる。仮想点Rは、第1細溝21と第2細溝22と第3細溝23とが交わる部分に設定される。
以下の説明において、第1細溝21と第2細溝22と第3細溝23とが交わる部分を適宜、交差空間、と称する。交差空間は、細溝20の内側の空間である。仮想点Rは、交差空間の内側に設定される。
交差空間の少なくとも一部は、第1ブロック31の第1コーナー61、第2ブロック32の第1コーナー61、及び第3ブロック33の第1コーナー61によって規定される。第1ブロック31は、その第1ブロック31の第1コーナー61が仮想点Rを含む交差空間に面するように配置される。第2ブロック32は、その第2ブロック32の第1コーナー61が仮想点Rを含む交差空間に面するように配置される。第3ブロック33は、その第3ブロック33の第1コーナー61が仮想点Rを含む交差空間に面するように配置される。ブロック群40の複数のブロック30(31、32、33)は、それぞれの第1コーナー61を近付けて向かい合せるように配置される。
図6は、本実施形態に係るトレッド部3の一部を拡大した平面図である。図6に示すように、複数のブロック群40がトレッド部3に設けられる。複数のブロック群40は、隣接して配置される。なお、図6において、図面を見やすくするために、ブロック群40の外形を規定する細溝20を太くして図示してあるが、細溝20の幅は、トレッド部3全体において均一である。
図6に示すように、トレッド部3は、複数のブロック群40で囲まれたブロック37を有する。ブロック37は、ブロック群40に属しない。図6に示す例においては、ブロック37の接地面2の外形は、正六角形である。
図7は、複数のブロック群40のうち、3つのブロック群40を抽出した図である。以下の説明において、3つのブロック群40のそれぞれを適宜、第1ブロック群41、第2ブロック群42、及び第3ブロック群43、と称する。
第1ブロック群41と第2ブロック群42とは隣接する。第2ブロック群42と第3ブロック群43とは隣接する。第3ブロック群43と第1ブロック群41とは隣接する。
第1ブロック群41の外形と、第2ブロック群42の外形と、第3ブロック群43の外形とは、同一である。
図7に示すように、第1ブロック群41のブロック30(第3ブロック33)の第4コーナー64と、第2ブロック群42のブロック30(第1ブロック31)の第3コーナー63とが対向するように配置される。すなわち、第1ブロック群41の第4コーナー64と、第2ブロック群42の第3コーナー63とは、細溝20を介して向かい合うように配置される。
第2ブロック群42のブロック30(第1ブロック31)の第4コーナー64と、第3ブロック群43のブロック30(第2ブロック32)の第3コーナー63とが対向するように配置される。すなわち、第2ブロック群42の第4コーナー64と、第3ブロック群43の第3コーナー63とは、細溝20を介して向かい合うように配置される。
第3ブロック群43のブロック30(第2ブロック32)の第4コーナー64と、第1ブロック群41のブロック30(第3ブロック33)の第3コーナー63とが対向するように配置される。すなわち、第3ブロック群43の第4コーナー64と、第1ブロック群41の第3コーナー63とは、細溝20を介して向かい合うように配置される。
このように、本実施形態においては、トレッド部3において隣接する2つのブロック群40は、一方のブロック群40のブロック30の第3コーナー63と、他方のブロック群40のブロック30の第4コーナー64とが対向するように配置される。
また、本実施形態において、ブロック群40は、仮想点Rの周囲に配置される3つのブロック30(31、32、33)を有する。1つのブロック群40は、第3コーナー63を3つ有する。1つのブロック群40は、第4コーナー64を3つ有する。
図6などに示したように、ある1つのブロック群(特定のブロック群)40の周囲に、他のブロック群40が複数配置される。それら複数の他のブロック群40のそれぞれは、特定のブロック群40に隣接するように配置される。本実施形態においては、特定のブロック群40が有する3つの第3コーナー63の全部が、他のブロック群40が有する第4コーナー64と対向する。特定のブロック群40が有する3つの第4コーナー64の全部が、他のブロック群40が有する第3コーナー63と対向する。
以上説明したように、本実施形態によれば、接地面2の外形を画定するブロック30のエッジ10は、外側に突出する第1コーナー61と内側に窪む第2コーナー62とを有し、異方性を有する。これにより、駆動、制動、及び旋回のそれぞれにおいて、タイヤ1は、高いエッジ効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、細溝20を介して隣接する複数のブロック30によって、ブロック群40が定められる。ブロック群40は、細溝20の交差空間の内側に設定された仮想点Rの周囲に配置される複数のブロック30によって定められる。それらブロック30は、第1コーナー61が仮想点Rに面するように配置される。換言すれば、ブロック群40の複数のブロック30は、それぞれの第1コーナー61が近付いて向かい合うように配置される。これにより、異方性を有するブロック30のエッジ10が様々な方向に向くように配置される。そのため、トレッド部3に対して様々な方向の力が作用しても、タイヤ1は、高いエッジ効果を得ることができる。したがって、駆動、制動、及び旋回のそれぞれにおいて、タイヤ1は、氷上性能の向上を図ることができる。
また、ブロック群40のブロック30は、細溝20を介して隣接する。そのため、複数のブロック30のうち、あるブロック30に力が作用してそのブロック30が倒れようとしても、隣接するブロック30に支えられる。これにより、ブロック30の倒れ込みが抑制される。ブロック30の倒れ込みが抑制されることによっても、駆動、制動、及び旋回のそれぞれにおいて、タイヤ1の氷上性能の向上が図られる。
また、本実施形態においては、トレッド部3において、隣接するように複数のブロック群40が設けられる。隣接する2つのブロック群40のうち、一方のブロック群40のブロック30の第3コーナー63が、他方のブロック群40のブロック30の第4コーナー64と対向するように配置される。隣接する2つのブロック群40は、一方のブロック群40の第3コーナー63と他方のブロック群40の第4コーナー64とが近付いて向かい合うように配置される。これにより、複数のブロック群40が密集するように配置され、複数のブロック30が密集するように配置される。これにより、より高いエッジ効果が得られるとともに、ブロック30の倒れ込みも十分に抑制される。したがって、駆動、制動、及び旋回のそれぞれにおいて、タイヤ1の氷上性能を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態においては、ブロック30のエッジ10は、第1ライン51の他端部と第5ライン55との間に設けられる第5コーナー65と、第2ライン52の他端部と第6ライン56との間に設けられる第6コーナー66と、をさらに含む。これにより、6つのラインと6つのコーナーとによって、トレッド部3に対して様々な方向の力が作用しても、タイヤ1は、高いエッジ効果を得ることができる。したがって、駆動、制動、及び旋回のそれぞれにおいて、タイヤ1は、氷上性能の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、第1ライン51と第3ライン53とは平行であり、第2ライン52と第4ライン54とは平行である。また、本実施形態においては、第5ライン55と第6ライン56とは平行である。これにより、高いエッジ効果が得られ、氷上性能の向上が図られる。
また、本実施形態においては、第1ライン51の寸法と第2ライン52の寸法とは実質的に等しく、第3ライン53の寸法と第4ライン54の寸法とは実質的に等しい。これにより、線対称な外形を有するブロック30によって、高い氷上性能を得ることができる。また、ブロック30を密集させることができる。
また、本実施形態においては、ブロック群40は、仮想点Rの周囲に配置される3つのブロック30を有し、特定のブロック群40の周囲に他のブロック群40が複数配置される。特定のブロック群40が有する3つの第3コーナー63の全部が、他のブロック群40の第4コーナー64と対向し、特定のブロック群40が有する3つの第4コーナー64の全部が、他のブロック群40の第3コーナー63と対向する。これにより、複数のブロック群40が密集するように配置され、高いエッジ効果が得られるとともに、ブロック30の倒れ込みが抑制される。
また、本実施形態においては、第1ライン51、第2ライン52、第3ライン53、第4ライン54、第5ライン55、及び第6ライン56それぞれの寸法は、5mm以上25mm以下である。これにより、ブロック30の剛性の低下、及びエッジ効果の低下が抑制される。寸法が5mmよりも小さいと、ブロック30の剛性が低下し、その結果、氷上性能が低下する可能性がある。寸法が25mmよりも大きいと、十分なエッジ効果が得られず、その結果、氷上性能が低下する。
また、本実施形態においては、第1ライン51と第2ライン52とがなす角度θ1は、40度以上160度以下であり、第3ライン53と第4ライン54とがなす角度θ2は、200度以上320度以下である。これにより、ブロック30の倒れ込み、及びエッジ効果の低下が抑制される。第1ライン51と第2ライン52とがなす角度θ1が40度よりも小さいと、局所的にブロック30の剛性が低下し、その結果、ブロック30の倒れ込みが発生する可能性が高くなる。第1ライン51と第2ライン52とがなす角度θ1が160度よりも大きいと、ブロック30のエッジ効果が低下する可能性がある。第3ライン53と第4ライン54とがなす角度θ2が320度よりも大きいと、局所的にブロック30の剛性が低下し、その結果、ブロック30の倒れ込みが発生する可能性が高くなる。第3ライン53と第4ライン54とがなす角度θ2が200度よりも小さいと、ブロック30のエッジ効果が低下する可能性がある。
また、本実施形態においては、細溝20の幅は、1mm以上4mm以下である。これにより、トレッド部3の除水効果を維持しつつ、ブロック30の倒れ込みを抑制できる。細溝20の幅が1mmよりも小さいと、除水効果が低下する。細溝20の幅が4mmよりも大きいと、あるブロック30が倒れようとすると、隣接するブロック30が支えることが困難となり、その結果、ブロック30の倒れ込みが発生する。
なお、本実施形態において、第1ライン51と第3ライン53とは非平行でもよい。第2ライン52と第4ライン54とは非平行でもよい。第5ライン55と第6ライン56とは非平行でもよい。以下の実施形態においても同様である。
なお、本実施形態において、第1ライン51の寸法と第2ライン52の寸法とが異なってもよい。第3ライン53の寸法と第4ライン54の寸法とが異なってもよい。以下の実施形態においても同様である。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図8は、本実施形態に係るブロック30Bの一例を示す平面図である。ブロック30Bのエッジ10Bは、第1ライン51と、第2ライン52と、第1ライン51の一端部と第2ライン52の一端部との間に設けられる第1コーナー61と、第3ライン53と、第4ライン54と、第3ライン53の一端部と第4ライン54の一端部との間に設けられる第2コーナー62と、第1ライン51の他端部と第3ライン53の他端部とを結ぶ第5ライン55と、第2ライン52の他端部と第4ライン54の他端部とを結ぶ第6ライン56と、第3ライン53と第5ライン55との間に設けられる第3コーナー63と、第4ライン54と第6ライン56との間に設けられる第4コーナー64と、第1ライン51の他端部と第5ライン55との間に設けられる第5コーナー65と、第2ライン52の他端部と第6ライン56との間に設けられる第6コーナー66と、を含む。
第1ライン51、第2ライン52、第3ライン53、第4ライン54、第5ライン55、及び第6ライン56はそれぞれ、直線状である。
第1ライン51と第3ライン53とは平行である。第2ライン52と第4ライン54とは平行である。第5ライン55と第6ライン56とは平行である。第1ライン51の寸法と、第2ライン52の寸法とは実質的に等しい。第3ライン53の寸法と、第4ライン54の寸法とは実質的に等しい。第5ライン55の寸法と、第6ライン56の寸法とは実質的に等しい。
第1コーナー61、第2コーナー62、第3コーナー63、第4コーナー64、第5コーナー65、及び第6コーナー66はそれぞれ、角張っている。
角度θ1と角度θ2との和は、360度である。本実施形態において、角度θ1は、約90度である。角度θ2は、約270度である。角度θ3と角度θ4とは、等しい。角度θ5と角度θ6とは、等しい。
図9は、本実施形態に係るトレッド部3Bの一部を拡大した平面図である。本実施形態においては、細溝20を介して隣接する複数のブロック30Bによってブロック群40Bが定められる。図9は、1つのブロック群40Bを示す。
本実施形態においては、4つのブロック30Bによって、1つのブロック群40Bが定められる。すなわち、本実施形態において、ブロック群40Bは、仮想点Rの周囲に配置される4つのブロック30Bを有する。ブロック群40Bの複数のブロック30Bは、細溝20の内側に設定された仮想点Rの周囲において、それぞれの第1コーナー61が仮想点Rに面するように配置される。以下の説明において、4つのブロック30Bのそれぞれを適宜、第1ブロック31B、第2ブロック32B、第3ブロック33B、及び第4ブロック34B、と称する。
仮想点Rの周囲に配置される4つのブロック30Bのうち、第1ブロック31Bの第1コーナー61と、第1ブロック31Bの第2コーナー62と、第3ブロック33Bの第1コーナー61と、第3ブロック33Bの第2コーナー62とが、直線L1上に配置される。
仮想点Rの周囲に配置される4つのブロック30Bのうち、第2ブロック32Bの第1コーナー61と、第2ブロック32Bの第2コーナー62と、第4ブロック34Bの第1コーナー61と、第4ブロック34Bの第2コーナー62とが直線L2上に配置される。
本実施形態において、直線L1と直線L2とは直交する。
図10は、本実施形態に係るトレッド部3Bの一部を拡大した平面図である。図10に示すように、複数のブロック群40Bがトレッド部3Bに設けられる。複数のブロック群40Bは、隣接して配置される。なお、図10において、図面を見やすくするために、ブロック群40Bの外形を規定する細溝20を太くして図示してあるが、細溝20の幅は、トレッド部3B全体において均一である。
図10に示すように、トレッド部3Bは、複数のブロック群40Bで囲まれたブロック38を有する。ブロック38は、ブロック群40Bに属しない。図10に示す例においては、ブロック38の接地面2の外形は、正方形である。
図11は、複数のブロック群40Bのうち、5つのブロック群40Bを抽出した図である。以下の説明において、5つのブロック群40Bのそれぞれを適宜、第1ブロック群41B、第2ブロック群42B、第3ブロック群43B、第4ブロック群44B、及び第5ブロック群45B、と称する。
図11において、第2ブロック群42B、第3ブロック群43B、第4ブロック群44B、及び第5ブロック群45Bは、第1ブロック群41Bの周囲に配置される。第1ブロック群41Bと第2ブロック群42Bとは隣接する。第1ブロック群41Bと第3ブロック群43Bとは隣接する。第1ブロック群41Bと第4ブロック群44Bとは隣接する。第1ブロック群41Bと第5ブロック群45Bとは隣接する。
図11に示すように、第1ブロック群41Bの第3コーナー63と、第2ブロック群42Bの第4コーナー64とが細溝20を介して対向する。第1ブロック群41Bの第4コーナー64と、第2ブロック群42Bの第3コーナー63とが細溝20を介して対向する。
第1ブロック群41Bの第3コーナー63と、第3ブロック群43Bの第4コーナー64とが細溝20を介して対向する。第1ブロック群41Bの第4コーナー64と、第3ブロック群43Bの第3コーナー63とが細溝20を介して対向する。
第1ブロック群41Bの第3コーナー63と、第4ブロック群44Bの第4コーナー64とが細溝20を介して対向する。第1ブロック群41Bの第4コーナー64と、第4ブロック群44Bの第3コーナー63とが細溝20を介して対向する。
第1ブロック群41Bの第3コーナー63と、第5ブロック群45Bの第4コーナー64とが細溝20を介して対向する。第1ブロック群41Bの第4コーナー64と、第5ブロック群45Bの第3コーナー63とが細溝20を介して対向する。
このように、本実施形態においても、トレッド部3Bにおいて隣接する2つのブロック群40Bは、一方のブロック群40Bのブロック30Bの第3コーナー63と、他方のブロック群40Bのブロック30Bの第4コーナー64とが対向するように配置される。
また、本実施形態において、ブロック群40Bは、仮想点Rの周囲に配置される4つのブロック30B(31B、32B、33B、34B)を有する。1つのブロック群40Bは、第3コーナー63を4つ有する。1つのブロック群40Bは、第4コーナー64を4つ有する。
図10及び図11などに示したように、ある1つのブロック群(特定のブロック群)40Bの周囲に、他のブロック群40Bが複数配置される。それら複数の他のブロック群40Bのそれぞれは、特定のブロック群40Bに隣接するように配置される。本実施形態においては、特定のブロック群40Bが有する4つの第3コーナー63の全部が、他のブロック群40Bが有する第4コーナー64と対向する。特定のブロック群40Bが有する4つの第4コーナー64の全部が、他のブロック群40Bが有する第3コーナー63と対向する。
以上説明したように、本実施形態においても、タイヤ1は高い氷上性能を得ることができる。また、複数のブロック群40Bが密集するように配置され、高いエッジ効果が得られるとともに、ブロック30Bの倒れ込みが抑制される。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図12は、本実施形態に係るブロック30Cの一例を示す平面図である。ブロック30Cのエッジ10Cは、第1ライン51と、第2ライン52と、第1ライン51の一端部と第2ライン52の一端部との間に設けられる第1コーナー61と、第3ライン53と、第4ライン54と、第3ライン53の一端部と第4ライン54の一端部との間に設けられる第2コーナー62と、第1ライン51の他端部と第3ライン53の他端部とを結ぶ第5ライン55と、第2ライン52の他端部と第4ライン54の他端部とを結ぶ第6ライン56と、第3ライン53と第5ライン55との間に設けられる第3コーナー63と、第4ライン54と第6ライン56との間に設けられる第4コーナー64と、第1ライン51の他端部と第5ライン55との間に設けられる第5コーナー65と、第2ライン52の他端部と第6ライン56との間に設けられる第6コーナー66と、を含む。
第1ライン51、第2ライン52、第3ライン53、第4ライン54、第5ライン55、及び第6ライン56はそれぞれ、直線状である。
第1ライン51と第3ライン53とは平行である。第2ライン52と第4ライン54とは平行である。第5ライン55と第6ライン56とは平行である。第1ライン51の寸法と、第2ライン52の寸法とは実質的に等しい。第3ライン53の寸法と、第4ライン54の寸法とは実質的に等しい。第5ライン55の寸法と、第6ライン56の寸法とは実質的に等しい。
第1コーナー61、第2コーナー62、第3コーナー63、第4コーナー64、第5コーナー65、及び第6コーナー66はそれぞれ、角張っている。
角度θ1と角度θ2との和は、360度である。本実施形態において、角度θ1は、約60度である。角度θ2は、約300度である。角度θ3と角度θ4とは、等しい。角度θ5と角度θ6とは、等しい。
図13は、本実施形態に係るトレッド部3Cの一部を拡大した平面図である。本実施形態においては、細溝20を介して隣接する複数のブロック30Cによってブロック群40Cが定められる。図13は、1つのブロック群40Cを示す。
本実施形態においては、6つのブロック30Cによって、1つのブロック群40Cが定められる。すなわち、本実施形態において、ブロック群40Cは、仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30Cを有する。ブロック群40Cの複数のブロック30Cは、細溝20の内側に設定された仮想点Rの周囲において、それぞれの第1コーナー61が仮想点Rに面するように配置される。以下の説明において、6つのブロック30Cのそれぞれを適宜、第1ブロック31C、第2ブロック32C、第3ブロック33C、第4ブロック34C、第5ブロック35C、及び第6ブロック36C、と称する。
仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30Cのうち、第1ブロック31Cと第2ブロック32Cとを隔てる細溝21と、第4ブロック34Cと第5ブロック35Cとを隔てる細溝24とが直線La上に配置される。仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30Cのうち、第2ブロック32Cと第3ブロック33Cとを隔てる細溝22と、第5ブロック35Cと第6ブロック36Cとを隔てる細溝25とが直線Lb上に配置される。仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30Cのうち、第3ブロック33Cと第4ブロック34Cとを隔てる細溝23と、第6ブロック36Cと第1ブロック31Cとを隔てる細溝26とが直線Lc上に配置される。
仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30Cのうち、第1ブロック31Cの第1コーナー61と、第1ブロック31Cの第2コーナー62と、第4ブロック34Cの第1コーナー61と、第4ブロック34Cの第2コーナー62とが直線L1上に配置される。
仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30Cのうち、第2ブロック32Cの第1コーナー61と、第2ブロック32Cの第2コーナー62と、第5ブロック35Cの第1コーナー61と、第5ブロック35Cの第2コーナー62とが直線L2上に配置される。
仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30Cのうち、第3ブロック33Cの第1コーナー61と、第3ブロック33Cの第2コーナー62と、第6ブロック36Cの第1コーナー61と、第6ブロック36Cの第2コーナー62とが直線L3上に配置される。
図14は、本実施形態に係るトレッド部3Cの一部を拡大した平面図である。図14に示すように、複数のブロック群40Cがトレッド部3Cに設けられる。複数のブロック群40Cは、隣接して配置される。なお、図14において、図面を見やすくするために、ブロック群40Cの外形を規定する細溝20を太くして図示してあるが、細溝20の幅は、トレッド部3C全体において均一である。
図14に示すように、トレッド部3Cは、複数のブロック群40Cで囲まれたブロック39を有する。ブロック39は、ブロック群40Cに属しない。
図14に示すように、複数のブロック群40Cは、隣接するように配置される。特定のブロック群40Cの周囲に、複数の他のブロック群40Cが配置される。
図14に示す例においても、トレッド部3Cにおいて隣接する2つのブロック群40Cは、一方のブロック群40Cのブロック30Cの第3コーナー63と、他方のブロック群40Cのブロック30Cの第4コーナー64とが対向するように配置される。
また、本実施形態において、ブロック群40Cは、仮想点Rの周囲に配置される6つのブロック30C(31C、32C、33C、34C、35C、36C)を有する。1つのブロック群40Cは、第3コーナー63を6つ有する。1つのブロック群40Cは、第4コーナー64を6つ有する。
ある1つのブロック群(特定のブロック群)40Cの周囲に、他のブロック群40Cが複数配置される。それら複数の他のブロック群40Cのそれぞれは、特定のブロック群40Cに隣接するように配置される。図14に示す例では、特定のブロック群40Cが有する6つの第3コーナー63のうち、4つの第3コーナー63が、他のブロック群40Cの第4コーナー64と対向する。特定のブロック群40Cが有する6つの第4コーナー64のうち、4つの第4コーナー64が、他のブロック群40Cの第3コーナー63と対向する。
また、図14に示す例では、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線L2と、他方のブロック群40Cの直線L2とが、同一直線上に配置される。
また、図14に示す例では、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線Lcと、他方のブロック群40Cの直線Lcとが、同一直線上に配置される。
以上説明したように、本実施形態においても、タイヤ1は高い氷上性能を得ることができる。また、複数のブロック群40Cが密集するように配置され、高いエッジ効果が得られるとともに、ブロック30Cの倒れ込みが抑制される。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
本実施形態は、上述の第3実施形態の変形例である。図15及び図16は、本実施形態に係るブロック群40Cの配置例を示す。ブロック群40Cは、図13を参照して説明したブロック群40Cである。
図15及び図16に示す例において、特定のブロック群40Cの周囲に、複数の他のブロック群40Cが配置される。特定のブロック群40Cが有する6つの第3コーナー63の全部が、他のブロック群40Cの第4コーナー64と対向する。特定のブロック群40Cが有する6つの第4コーナー64の全部が、他のブロック群40Cの第3コーナー63と対向する。
図15に示す例では、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線Laと、他方のブロック群40Cの直線Laとが、同一直線上に配置される。また、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線Lbと、他方のブロック群40Cの直線Lbとが、同一直線上に配置される。また、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線Lcと、他方のブロック群40Cの直線Lcとが、同一直線上に配置される。
図16に示す例では、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線L1と、他方のブロック群40Cの直線L1とが、同一直線上に配置される。また、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線L2と、他方のブロック群40Cの直線L2とが、同一直線上に配置される。また、隣接する2つのブロック群40Cのうち、一方のブロック群40Cの直線L3と、他方のブロック群40Cの直線L3とが、同一直線上に配置される。
図15及び図16に示す例においても、タイヤ1は高い氷上性能を得ることができる。また、複数のブロック群40Cが密集するように配置され、高いエッジ効果が得られるとともに、ブロック30Cの倒れ込みが抑制される。
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図17は、本実施形態に係るブロック30Dの一例を示す図である。上述の各実施形態においては、第1コーナー61から第6コーナー66の全部が角張っていることとした。図17に示すように、第1コーナー61が曲線を含んでもよい。すなわち、第1コーナー61は丸みを帯びてもよい。なお、第1コーナー61のみならず、第2コーナー62、第3コーナー63、第4コーナー64、第5コーナー65、及び第6コーナー66の少なくとも一つが曲線を含んでもよい。
図18は、本実施形態に係るブロック30Eの一例を示す図である。上述の各実施形態においては、第1ライン51から第6ライン56の全部が直線状であることとした。図18に示すように、第3ライン53が曲線を含んでもよいし、第4ライン54が曲線を含んでもよい。なお、第1ライン51、第2ライン52、第5ライン55、及び第6ライン56の少なくとも一つが曲線を含んでもよい。
図19は、本実施形態に係るブロック30Fの一例を示す図である。図19に示すように、第1ライン51と第5ライン55とが同一直線上に配置され、第2ライン52と第6ライン56とが同一直線上に配置されてもよい。図19に示すブロック30Fは、実質的に四角形である。ブロック30Fは、第1コーナー61と、第2コーナー62と、第3コーナー63と、第4コーナー64と、を有する。図19に示す例においては、4つのライン(辺)を有するブロック30Fによって、高い氷上性能を得ることができる。
図20は、本実施形態に係るブロック30Gの一例を示す図である。図20に示すように、第1ライン51の他端部と第3ライン53の他端部とを結ぶ第5ライン55の少なくとも一部に、第7コーナー67が設けられてもよい。第2ライン52の他端部と第4ライン54の他端部とを結ぶ第6ライン56の少なくとも一部に、第8コーナー68が設けられてもよい。
すなわち、上述の各実施形態において、図21に示すように、ブロック30Xのエッジは、第1ライン51と、第2ライン52と、第1ライン51の一端部と第2ライン52の一端部との間に設けられる第1コーナー61と、第3ライン53と、第4ライン54と、第3ライン53の一端部と第4ライン54の一端部との間に設けられる第2コーナー62と、第1ライン51の他端部と結ばれ第3ライン53との間に第3コーナー63を形成する第5ライン55と、第2ライン52の他端部と結ばれ第4ライン54との間に第4コーナー64を形成する第6ライン56と、を含めばよい。第5ライン55の形態及び第6ライン56の形態は、任意に選択可能である。
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図22は、本実施形態に係るブロック30Hの一例を示す図である。図22に示すように、ブロック30Hは、サイプ71を有する。サイプ71は、第5ライン55と第6ライン56とを結ぶように形成される。サイプ71は、直線状である。
図23は、本実施形態に係るブロック30Iの一例を示す図である。図23に示すように、ブロック30Iは、サイプ72を有する。サイプ72は、第5ライン55と第6ライン56とを結ぶように形成される。サイプ72は、屈曲部を有する。
サイプ71及びサイプ72は、幅が0.4mm以上1.0mm未満の溝であり、上述の細溝20よりも細い溝である。
本実施形態によれば、サイプ71又はサイプ72により、更なる氷上性能の向上が図られる。
(実施例)
図24は、本実施形態に係るタイヤ1の性能試験の結果を示す図である。図24は、タイヤ1の氷上制駆動、氷上旋回、及び雪上制駆動に係る性能試験の結果を示す。
性能試験において、タイヤ1が排気量1000[cc]のセダンタイプの試験車両に装着される。タイヤ1のサイズは、195/65R15、タイヤ1の空気圧は、220kPaである。その試験車両が、氷盤路面を走行し、制駆動性能、及び旋回性能を評価した。また、その試験車両が、圧雪路面を走行し、制駆動性能を評価した。制動試験は、40km/hからの制動距離を、従来例1を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
図24において、ブロック群(隣接なし)とは、トレッド部にブロック群が設けられているものの、複数のブロック群が離れて配置されていることをいう。ブロック群(隣接あり)とは、上述の各実施形態で説明したように、トレッド部において複数のブロック群が隣接して配置されていることをいう。
また、図24において、ラインの長さとは、第1ライン51から第6ライン56の寸法である。θ1は、第1ライン51と第2ライン52とがなす角度である。θ2は、第3ライン53と第4ライン54とがなす角度である。本試験では、θ1とθ2とは等しい。細溝幅とは、細溝20の幅である。
図24において、従来例1とは、図25に示すようなトレッドパターンを有するタイヤである。図25に示すように、従来例1のタイヤは、主溝9を有する。ブロック301Jの外形は、四角形である。従来例1において、ブロック群(40)は存在しない。ブロック301Jのライン(辺)の寸法は、10mm、細溝20の幅は、2mmである。
図24において、従来例2とは、図26に示すようなトレッドパターンを有するタイヤである。図26に示すように、従来例2のタイヤは、主溝9を有する。ブロック302Jの外形は、図3などを参照して説明したブロック30と同等である。角度θ1及び角度θ2は、120度である。従来例2において、複数のブロック302Jの第1コーナー61Jは、同じ方向を向いている。従来例2において、ブロック群(40)は存在しない。ブロック302Jのラインの寸法は、10mm、細溝20の幅は、2mmである。
実施例1は、図4などを参照して説明したようなブロック群40を有する。実施例1において、複数のブロック群40は離れて配置される。角度θ1及び角度θ2は、120度である。ブロック30のラインの寸法は、10mm、細溝20の幅は、2mmである。
実施例2及び実施例3は、上述の各実施形態で説明したようなブロック群40を有する。実施例2及び実施例3において、複数のブロック群40は隣接して配置される。実施例2及び実施例3において、角度θ1及び角度θ2は、120度である。細溝20の幅は、2mmである。実施例2のラインの寸法は、10mmである。実施例3のラインの寸法は、30mmである。
試験結果に示すように、実施例1及び実施例2のタイヤ1では、氷上制駆動性能、氷上旋回性能、及び雪上制駆動性能が向上することが分かる。実施例3から分かるように、隣接する複数のブロック群40が設けられていても、ラインの寸法が長すぎると、氷上制駆動性能、及び氷上旋回性能が改善されないことが分かる。
なお、実施例1及び実施例2において、ブロックにサイプを設けると、氷上制駆動性能、氷上旋回性能、及び雪上制駆動性能が更に向上することが確認できた。