JP2016041966A - レンジ切換え装置 - Google Patents

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Masahiko Ando
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Abstract

【課題】マニュアルバルブを使用せずに切換えバルブによりシフトレンジを切り換える場合でも、バルブボディの油路の共通化を図ることができるレンジ切換え装置を提供する。【解決手段】前進レンジ圧出力ポート52cと入力ポート52dと後進レンジ圧出力ポート52eとを長手方向に沿って順に配置したバルブ穴51aと、前進レンジ位置と非走行レンジ位置と後進レンジ位置との3つの位置に切換可能なスプール52pと、第1のスプリング52sと、第1の作動油室52aと、を有するバルブ部52と、バルブ穴51aに進退可能に設けられ、進出することによりスプール52pの移動を3つの位置のうちの2つの位置に規制するプランジャ53pと、第2のスプリング53sと、を有するプランジャ部53と、を備え、第1の作動油室52aに第1の信号圧PSC1又は第2の信号圧PSC2を入力してスプール52pの位置を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば車両に搭載されるレンジ切換え装置に係り、詳しくは、マニュアルバルブを使用しないレンジ切換え装置に関する。
従来、例えば自動変速機のシフトレンジは、一般に、運転者がシフトレバーを操作することでマニュアルバルブを移動させて油路を切換えることによって設定される。この際、運転者によって選択されたシフト指令を、機械的なワイヤやロッドを介して伝達するのではなく、電気的なシフト指令信号に基づきアクチュエータを駆動することで伝達するレンジ切換え装置の方式が、シフトバイワイヤ(SBW)システムとして知られている。
このようなシフトバイワイヤシステムを用いたレンジ切換え装置として、マニュアルバルブを駆動制御するアクチュエータを設けて構成したものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2012−13148号公報
ところで、特許文献1に記載したレンジ切換え装置に対し、マニュアルバルブを省略し、2つの位置に切換可能な切換バルブと各切換えバルブを切り換えるソレノイドバルブをそれぞれ複数使用することでレンジ圧を切り換えるようにすることが考えられる。しかしながら、特許文献1に記載したレンジ切換え装置のマニュアルバルブは、前進レンジ圧の出力ポートとライン圧の入力ポートと後進レンジ圧の出力ポートとがバルブの長手方向に並んで配置されているのに対し、複数の切換えバルブを用いて複数のレンジ圧を形成する場合には入力ポートや出力ポートの位置が各切換えバルブの配置に応じて離れた位置になってしまう。このため、マニュアルバルブを用いた油圧回路で設計されたバルブボディと複数の切換えバルブを用いた油圧回路で設計されたバルブボディとでは、レンジ切換え装置の周囲のバルブ穴や油路の構成が大きく異なってしまう。このため、バルブボディの油路の共通化が困難で、全く異なる構成のバルブボディを開発及び評価する必要があり、開発工数や製品コストの削減が望まれていた。
そこで、マニュアルバルブを使用せずに切換えバルブによりシフトレンジを切り換える場合でも、バルブボディの油路の共通化を図ることができるレンジ切換え装置を提供することを目的とする。
本開示に係るレンジ切換え装置(51)は(例えば、図3乃至図5、図7乃至図9参照)、前進レンジ圧(PD)を出力する前進レンジ圧出力ポート(52c)と元圧(PL)を入力する入力ポート(52d)と後進レンジ圧(PR)を出力する後進レンジ圧出力ポート(52e)とを長手方向に沿って順に配置したバルブ穴(51a)と、前記入力ポート(52d)及び前記前進レンジ圧出力ポート(52c)を連通する前進レンジ位置と前記入力ポート(52d)を遮断する非走行レンジ位置と前記入力ポート(52d)及び前記後進レンジ圧出力ポート(52e)を連通する後進レンジ位置との3つの位置に切換可能なスプール(52p)と、前記スプール(52p)を前記前進レンジ位置又は前記後進レンジ位置の方向に付勢する第1の付勢部材(52s)と、油圧の供給により前記第1の付勢部材(52s)の付勢力に対抗する対抗圧を付与する第1の作動油室(52a)と、を有するバルブ部(52)と、
前記バルブ穴(51a)に進退可能に設けられ、進出することにより前記スプール(52p)の移動を前記3つの位置のうちの2つの位置に規制するプランジャ(53p)と、前記プランジャ(53p)が進出する方向に付勢する第2の付勢部材(53s)と、を有するプランジャ部(53)と、
前記プランジャ(53p)が進出した状態にロックする第1の信号圧(PSC1)を供給可能な第1の信号ソレノイドバルブ(SC1)と、
前記プランジャ(53p)を退避させる第2の信号圧(PSC2)を供給可能な第2の信号ソレノイドバルブ(SC2)と、を備え、
前記第1の作動油室(52a)に前記第1の信号圧(PSC1)又は前記第2の信号圧(PSC2)を入力して前記スプール(52p)の位置を制御することを特徴とする。
尚、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
本レンジ切換え装置によると、バルブ部は、前進レンジ圧出力ポートと入力ポートと後進レンジ圧出力ポートとを長手方向に沿って順に有しているので、油路の構成をマニュアルバルブと同様にすることができる。これにより、マニュアルバルブを使用せずに切換えバルブによりシフトレンジを切り換える場合でも、バルブボディの油路の共通化を図ることができるようになる。
第1の実施形態に係る車両用駆動装置を示すスケルトン図。 第1の実施形態に係る自動変速機における係合表。 第1の実施形態に係る油圧制御装置を示す説明図であり、(a)は内燃エンジン始動直後の油圧未生成時、(b)はニュートラルレンジ時。 第1の実施形態に係る油圧制御装置を示す説明図であり、(a)は前進レンジ時、(b)は後進レンジ時。 第1の実施形態に係るレンジ切換え装置の作動表。 従来のマニュアルバルブを示す説明図であり、(a)はパーキングレンジ時、(b)は後進レンジ時、(c)はニュートラルレンジ時、(d)は前進レンジ時。 第2の実施形態に係る油圧制御装置を示す説明図であり、(a)は内燃エンジン始動直後の油圧未生成時、(b)はニュートラルレンジ時。 第2の実施形態に係る油圧制御装置を示す説明図であり、(a)は前進レンジ時、(b)は後進レンジ時。 第2の実施形態に係るレンジ切換え装置の作動表。
<第1の実施形態>
以下、本実施形態に係るレンジ切換え装置51を備えた油圧制御装置5を、図1乃至図5に沿って説明する。尚、本明細書中で駆動連結とは、互いの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、それら回転要素が一体的に回転するように連結された状態、あるいはそれら回転要素がクラッチ等を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。
本実施形態の油圧制御装置5を備える車両用駆動装置1の概略構成について図1に沿って説明する。車両用駆動装置1は、自動変速機3と、制御装置(ECU)4と、油圧制御装置5と、オイルポンプ6(図3参照)とを備えている。尚、この車両用駆動装置1は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃エンジンを駆動源とする車両に搭載されるものとする。また、オイルポンプ6としては、例えば、回転軸の駆動力が伝達されて作動される機械式オイルポンプや、電動機により駆動される電動オイルポンプ等、適宜なポンプを適用することができる。
図1に示すように、自動変速機3は、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両に用いて好適であり、内燃エンジンに接続し得る自動変速機3の入力軸30と、第1クラッチC−1と、第2のクラッチC−2と、第3のクラッチC−3と、第1のブレーキB−1と、第2のブレーキB−2と、ワンウェイクラッチF−1とを備え、複数の係合要素の係合状態に基づき伝達経路を変更して複数の変速段を形成し、走行レンジと非走行レンジとに切り換え可能になっている。尚、各クラッチC−1〜C−3及びブレーキB−1〜B−2は、いずれも油圧サーボを有しており、油圧サーボへの油圧の給排により係脱するようになっている。
自動変速機3は、入力軸30上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している所謂シングルピニオンプラネタリギヤである。
また、プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している所謂ラビニヨ型プラネタリギヤである。
プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、ミッションケース32に一体的に固定されているボス部に接続されて回転が固定されている。また、リングギヤR1は、入力軸30の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に、キャリヤCR1は、固定されたサンギヤS1と入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、第1のクラッチC−1及び第3のクラッチC−3に接続されている。
プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなる第1のブレーキB−1に接続されてミッションケース32に対して固定自在となっていると共に、第3のクラッチC−3に接続され、該第3のクラッチC−3を介してキャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、サンギヤS3は、第1のクラッチC−1に接続されており、キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、キャリヤCR2は、入力軸30の回転が入力される第2のクラッチC−2に接続され、該第2のクラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及び第2のブレーキB−2に接続されて、ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケース32に対して一方向の回転が規制されると共に、第2のブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、リングギヤR2は、出力軸と同義となるカウンタギヤ33に接続されており、該カウンタギヤ33は、出力軸及びディファレンシャル装置を介して車輪に接続されている。
上記のように構成された自動変速機3は、図2に示す係合表のように前進1速段〜前進6速段及び後進段において、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2、ワンウェイクラッチF−1が作動することにより、良好なステップ比をもって変速段のギヤ比を形成する。また、これらの複数のクラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2同士を掴み換えすることで各変速制御が実行され、各変速段において前進1速段の駆動時(例えば発進時)を除き、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2のうちの2つが係合されて各変速段が達成される。
ECU4は、例えば、CPUと、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備えており、油圧制御装置5の各ソレノイドバルブSC1,SC2,SL1,SL1等への制御信号等、各種の信号を出力ポートから出力するようになっている。尚、車両には運転者が走行レンジを選択操作可能なシフトレバー11と、シフトレバー11のシフトポジションを検出するシフトポジション検出部12とが設けられており、シフトポジション検出部12は検出したシフトポジションをECU4に入力ポートを介して入力するように接続されている。
図3に示すように、油圧制御装置5は、例えばバルブボディにより構成されており、元圧供給部50と、第1のリニアソレノイドバルブSL1と、第2のリニアソレノイドバルブSL2と、レンジ切換え装置51と、を備えている。
元圧供給部50は、オイルポンプ6から供給された油圧を、不図示のプライマリレギュレータバルブ、セカンダリレギュレータバルブ、モジュレータバルブ等により、スロットル開度に基づきライン圧(元圧)PL及びモジュレータ圧Pmodに調圧するようになっている。
第1のリニアソレノイドバルブSL1は、ECU4により制御され、入力される前進レンジ圧PDを自在に調圧制御し、第1のクラッチC−1の油圧サーボ34に供給するための係合圧PSL1を生成して出力するようになっている(図4(a)参照)。
第2のリニアソレノイドバルブSL2は、ECU4により制御され、入力される後進レンジ圧PRを自在に調圧制御し、第2のブレーキB−2の油圧サーボ35に供給するための係合圧PSL2を生成して出力するようになっている(図4(b)参照)。
レンジ切換え装置51は、バルブ部52と、プランジャ部53と、第1の信号圧PSC1を供給可能な第1の信号ソレノイドバルブSC1と、第2の信号圧PSC2を供給可能な第2の信号ソレノイドバルブSC2とを備えている。
バルブ部52は、バルブボディに形成されたバルブ穴51aと、バルブ穴51aの長手方向に沿ってスライド可能なスプール52pと、スプール52pに付勢する圧縮コイルばねから成る第1のスプリング(第1の付勢部材)52sと、を備えている。バルブ穴51aには、前進レンジ圧PDを出力する前進レンジ圧出力ポート52cと、ライン圧PLを入力する入力ポート52dと、後進レンジ圧PRを出力する後進レンジ圧出力ポート52eと、が形成され、これらは長手方向に沿って順に配置されている。また、バルブ穴51aには、ドレーンポート52f,52gが形成されている。即ち、このバルブ穴51aは、後述するマニュアルバルブ152を設置するためのバルブ穴151aと油路やポートの配置を同様にしている(図6参照)。これにより、マニュアルバルブを使用せずにバルブ部52によりシフトレンジを切り換える場合でも、バルブボディの油路の共通化を図ることができるようになる。
スプール52pは、入力ポート52d及び前進レンジ圧出力ポート52cを連通する前進レンジ位置(図4(a)参照)と、入力ポート52dを遮断する非走行レンジ位置(図3(a)(b)参照)と、入力ポート52d及び後進レンジ圧出力ポート52eを連通する後進レンジ位置(図4(b)参照)との3つの位置に切換可能になっている。第1のスプリング52sは、スプール52pを後進レンジ位置の方向に付勢するようになっている。
スプール52pは、第1のランド部52paと、第2のランド部52pbと、第3のランド部52pcとを備えている。図3(a)(b)に示すように、スプール52pが非走行レンジ位置にある場合は、第2のランド部52pbが入力ポート52dを遮断する。この時、前進レンジ圧出力ポート52cはドレーンポート52fに連通され、後進レンジ圧出力ポート52eはドレーンポート52gに連通される。また、図4(a)に示すように、スプール52pが前進レンジ位置にある場合は、入力ポート52d及び前進レンジ圧出力ポート52cが第2のランド部52pb及び第3のランド部52pcに仕切られて連通される。この時、後進レンジ圧出力ポート52eは、ドレーンポート52gに連通される。また、図4(b)に示すように、スプール52pが後進レンジ位置にある場合は、入力ポート52d及び後進レンジ圧出力ポート52eが第1のランド部52pa及び第2のランド部52pbに仕切られて連通される。この時、前進レンジ圧出力ポート52cは、ドレーンポート52fに連通される。
バルブ部52は、第1の信号圧PSC1の供給により第1のスプリング52sの付勢力に対抗する対抗圧を付与するように、スプール52pを前進レンジ位置に押圧作用する方向に第1の信号圧PSC1を入力する第1の作動油室52aと、第2の信号圧PSC2により第1のスプリング52sの付勢力と同方向への押圧力を付与する第2の作動油室52bとを備えている。第2の作動油室52bには、第1のスプリング52sが収容されている。
プランジャ部53は、バルブ穴に進退可能に設けられたプランジャ53pと、プランジャ53pが進出する方向に付勢する圧縮コイルばねから成る第2のスプリング(第2の付勢部材)53sと、プランジャ53pを進出する方向に第1の信号圧PSC1を入力する第3の作動油室53aと、プランジャ53pを退避する方向に第2の信号圧PSC2を入力する第4の作動油室53bとを備えている。
プランジャ53pは、進出することによりスプール52pの移動を3つの位置のうちの2つの位置に規制するようになっている。即ち、プランジャ53pが進出すると、スプール52pは、非走行レンジ位置(図3(a)参照)と、前進レンジ位置(図4(a)参照)との2つの位置で切換可能になる。これに対し、プランジャ53pが退避すると、スプール52pは、3つの位置で切換可能となるが、本実施形態では後述するように後進レンジ位置(図4(b)参照)に位置するようになる。即ち、プランジャ53pが進出することで、スプール52pは後進レンジ位置に切り換わることができなくなるので、プランジャ部53は車両の後進の許可及び不許可を設定することができるようになっている。
また、第2のスプリング53sは、第1のスプリング52sよりも強く設定されている。これにより、図3(a)に示すように、第2のスプリング53sにより進出されたプランジャ53pと、第1のスプリング52sにより付勢されたスプール52pとが対抗して当接した場合に、プランジャ53pは進出した状態を維持すると共に、スプール52pは、非走行レンジ位置に位置するようになる。
第1の信号ソレノイドバルブSC1は、ECU4により制御され、入力されたモジュレータ圧Pmodを第1の信号圧PSC1として出力可能であり、第1の信号圧PSC1を供給することで、プランジャ53pを進出した状態にロック可能になっている。尚、第1の信号ソレノイドバルブSC1は、非通電時に油圧を出力するノーマルオープンタイプとしている。
第2の信号ソレノイドバルブSC2は、ECU4により制御され、入力されたモジュレータ圧Pmodを第2の信号圧PSC2として出力可能であり、第2の信号圧PSC2を供給することで、プランジャ53pを退避した状態に切換可能になっている。尚、第2の信号ソレノイドバルブSC2は、非通電時に油圧を非出力とするノーマルクローズタイプとしている。また、本実施形態では、各信号ソレノイドバルブSC1,SC2の元圧をいずれもモジュレータ圧Pmodとしているが、これには限られず、例えばライン圧PLを適用してもよい。但し、各信号ソレノイドバルブSC1,SC2の元圧としては、同じ圧を利用することが好ましい。
次に、車両用駆動装置1の油圧制御装置5の動作について、図3乃至図5に沿って説明する。尚、図3及び図4中、太実線で示す油路は油圧が供給されている油路、細破線で示す油路は油圧が供給されていない油路を意味する。また、図5中、ソレノイドバルブSC1,SC2のオン及びオフは通電のオン及びオフを意味している。
内燃エンジンの始動により、元圧供給部50が作動しライン圧PL及びモジュレータ圧Pmodが生成される。内燃エンジンの始動直後の数秒間はライン圧PLが不安定であるため、ECU4は、図3(a)及び図5に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオンして第1の信号圧PSC1を非出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオフして第2の信号圧PSC2を非出力にする。これにより、プランジャ53pが第2のスプリング53sにより進出され、スプール52pが第1のスプリング52sにより非走行レンジ位置に位置される。このため、ライン圧PLが遮断されるので、ニュートラル(N)レンジが形成される。
尚、内燃エンジンが停止していて油圧が発生しない場合は、図3(a)の場合と同様に、ニュートラルレンジが形成される(図5参照)。
内燃エンジンの始動後、ライン圧PL及びモジュレータ圧Pmodが安定してから、シフトレバー11が操作されて、ECU4がシフトポジションとしてニュートラルレンジが選択されたと判断した場合は、ECU4は、図3(b)及び図5に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオフして第1の信号圧PSC1を出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオンして第2の信号圧PSC2を出力にする。
第1の信号圧PSC1は、プランジャ部53の第3の作動油室53aに入力されて、プランジャ53pを進出した状態にロックする。ここで、第2の信号圧PSC2がプランジャ部53の第4の作動油室53bに対抗圧として入力されるが、第2のスプリング53sの付勢力によりプランジャ53pは進出した状態で維持される。また、バルブ部52では、第1の作動油室52aに第1の信号圧PSC1が入力されると共に、第2の作動油室52bに対抗圧として第2の信号圧PSC2が入力されるが、第1のスプリング52sの付勢力によりスプール52pは非走行レンジ位置に位置される。即ち、このレンジ切換え装置51では、第1の信号圧PSC1及び第2の信号圧PSC2を同時に出力状態にした場合に、プランジャ53pは第2のスプリング53sの付勢力により進出し、スプール52pは第1のスプリング52sの付勢力により非走行レンジ位置に切り換わるようになっている。このため、ライン圧PLが遮断されるので、ニュートラルレンジが形成される。
ここで、第1の信号ソレノイドバルブSC1と第1の作動油室52aとを連通する油路と、第2の信号ソレノイドバルブSC2と第4の作動油室53bとを連通する油路とには、オリフィスを設けるようにしてもよい。この場合、第1の信号圧PSC1を第1の作動油室52aに供給する速度と、第2の信号圧PSC2を第4の作動油室53bに供給する速度とを、いずれも遅延することができる。これにより、第1の作動油室52a及び第4の作動油室53bの両方に油圧が供給されずにニュートラルレンジを形成している状態(図3(a)参照)から、第1の作動油室52a及び第4の作動油室53bの両方に油圧が供給されてニュートラルレンジを形成している状態(図3(b)参照)に切り換わる際に、いずれか一方の信号圧PSC1,PSC2が先に供給されてスプール52pが瞬間的に移動してしまうことを抑制することができる。尚、上述したオリフィスを設けた場合は、第1の作動油室52a及び第4の作動油室53bからのドレーン速度を確保するために、第1の作動油室52a及び第4の作動油室53bから抜ける側への流通を許容するチェック弁を設けるようにしてもよい。
尚、ECU4が、シフトポジションはニュートラルレンジであるものの走行レンジが形成されるというフェールを検出した場合は、各クラッチC−1〜C−3やブレーキB−1〜B−2を係脱するためのリニアソレノイドバルブSL1,SL2等から係合圧を出力しないことで意図しない動作を防止することができる。
次に、シフトレバー11が操作されて、ECU4がシフトポジションとして前進(D)レンジが選択されたと判断した場合は、ECU4は、図4(a)及び図5に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオフして第1の信号圧PSC1を出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオフして第2の信号圧PSC2を非出力にする。
第1の信号圧PSC1は、プランジャ部53の第3の作動油室53aに入力されて、プランジャ53pを進出した状態にロックする。バルブ部52では、第1の作動油室52aに第1の信号圧PSC1が入力され、スプール52pは前進レンジ位置に位置される。即ち、このレンジ切換え装置51では、プランジャ53pは進出した状態でスプール52pを前進レンジ位置と非走行レンジ位置とに規制し、第1のスプリング52sはスプール52pを後進レンジ位置の方向に付勢し、第1の信号圧PSC1がプランジャ53pを突出した状態にロックした場合に、第1の信号圧PSC1を第1の作動油室52aに入力することにより、スプール52pを前進レンジ位置に切り換えるようになっている。このため、前進レンジが形成されてライン圧PLが前進レンジ圧PDとして出力され、第1のリニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDが供給されるので、前進変速段を形成するために、第1のリニアソレノイドバルブSL1から第1のクラッチC−1の油圧サーボ34に係合圧PSL1を供給可能になる。
次に、シフトレバー11が操作されて、ECU4がシフトポジションとして後進(R)レンジが選択されたと判断した場合は、ECU4は、図4(b)及び図5に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオンして第1の信号圧PSC1を非出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオンして第2の信号圧PSC2を出力にする。
第2の信号圧PSC2は、プランジャ部53の第4の作動油室53bに入力されて、プランジャ53pを第2のスプリング53sの付勢力に抗して退避させた状態で維持する。このため、スプール52pは後進レンジ位置に切り換わり可能になる。バルブ部52では、第2の作動油室52bに入力された第2の信号圧PSC2及び第1のスプリング52sにより、スプール52pは後進レンジ位置に切り換わるようになっている。即ち、このレンジ切換え装置51では、第1の信号圧PSC1を非出力にすると共に、第2の信号圧PSC2によりプランジャ53pを退避させた場合に、第1のスプリング52sの付勢力によりスプール52pを後進レンジ位置に切り換えるようになっている。このため、後進レンジが形成されてライン圧PLが後進レンジ圧PRとして出力され、第2のリニアソレノイドバルブSL2に後進レンジ圧PRが供給されるので、後進変速段を形成するために、第2のリニアソレノイドバルブSL2から第2のブレーキB−2の油圧サーボ35に係合圧PSL2を供給可能になる。
ここで、全てのソレノイドバルブの通電がオフになるオールオフフェールを発生した場合は、第1のソレノイドバルブSC1が非通電で第1の信号圧PSC1が出力され、第2のソレノイドバルブSC2が非通電で第2の信号圧PSC2が非出力になるので、図4(a)及び図5に示すように、前進レンジが形成されるようになる。したがって、オールオフフェール時に、リンプホーム機能として前進走行の選択を保障することができる。
ここで、従来の例えばリンク式のマニュアルバルブ152について説明する。ここでは、不図示のレンジ切換え装置のバルブボディのバルブ穴151aにマニュアルバルブ152を形成する場合について、図6を用いて説明する。
バルブ穴151aには、前進レンジ圧PDを出力する前進レンジ圧出力ポート152cと、ライン圧PLを入力する入力ポート152dと、後進レンジ圧PRを出力する後進レンジ圧出力ポート152eと、が形成され、これらは長手方向に沿って順に配置されている。また、バルブ穴151aには、ドレーンポート152f,152gが形成されている。マニュアルバルブ152は、シフトレバー11に連結され、シフトレバー11のシフトポジションの切り換えに対応してバルブ穴151aの長手方向に沿ってスライド可能なスプール152pを備えている。
スプール152pは、第1のランド部152paと、第2のランド部152pbと、第3のランド部152pcと、第4のランド部152pdと、第5のランド部152peとを備えている。図6(a)に示すように、スプール152pがパーキングレンジ位置にある場合は、第3のランド部152pc及び第4のランド部152pdが入力ポート152dを遮断する。また、図6(b)に示すように、スプール152pが後進レンジ位置にある場合は、入力ポート152d及び後進レンジ圧出力ポート152eが第2のランド部152pb及び第3のランド部152pcに仕切られて連通される。また、図6(c)に示すように、スプール152pがニュートラルレンジ位置にある場合は、第2のランド部152pb及び第3のランド部152pcが入力ポート152dを遮断する。また、図6(d)に示すように、スプール152pが前進レンジ位置にある場合は、入力ポート152d及び前進レンジ圧出力ポート152cが第2のランド部152pb及び第3のランド部152pcに仕切られて連通される。
このように、マニュアルバルブ152のスプール152pは第1の実施形態のバルブ部52のスプール52pとは異なり4箇所に位置するようになっているが、バルブ穴151aについては、上述した第1の実施形態のバルブ部52のバルブ穴51aと入力ポート及び前後進レンジ圧出力ポートの配置、即ち各ポートの順序や位置を同様にしている。尚、ここでは、バルブ部52のバルブ穴51aと同様のバルブ穴を有するマニュアルバルブの例として図6に示すマニュアルバルブ152を挙げているが、このマニュアルバルブ152に限られないのは勿論である。
以上説明したように、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、バルブ部52は、バルブ穴51aにおいて前進レンジ圧出力ポート52cと入力ポート52dと後進レンジ圧出力ポート52eとを長手方向に沿って順に有しているので、油路の構成をマニュアルバルブと同様にすることができる。例えば、バルブ部52のバルブ穴51aの各ポートの順序や位置は、マニュアルバルブの一例である図6に示すマニュアルバルブ152のバルブ穴151aの対応する各ポートの順序や位置と同様になっている。このため、バルブ穴の各ポートの順序や位置が異なる場合に比べて、バルブボディの構成の共通化を促進することができる。これにより、マニュアルバルブを使用せずにバルブ部52によりシフトレンジを切り換えるレンジ切換え装置51でも、マニュアルバルブを使用するレンジ切換え装置とバルブボディの油路の共通化を図ることができるようになる。
また、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、第1の信号ソレノイドバルブSC1は、ノーマルオープンタイプであり、プランジャ53pは、進出した状態でスプール52pの切換可能な2つの位置を前進レンジ位置と非走行レンジ位置とに規制し、第1のスプリング52sは、スプール52pを後進レンジ位置の方向に付勢し、第1の信号圧PSC1がプランジャ53pを突出した状態にロックした場合に、第1の信号圧PSC1を第1の作動油室52aに入力することにより、スプール52pを前進レンジ位置に切り換えるようになっている。
これにより、オールオフフェール時に前進レンジが形成されるので、前進走行の選択を保障してリンプホーム機能を実現することができる。また、この状態で第1の信号圧PSC1が出力されなければ、スプール52pが非走行レンジ位置に切り換わる。即ち、内燃エンジンの停止時の油圧が発生していない状態では、ニュートラルレンジが形成されるようになる。このため、内燃エンジンを始動した時に、ニュートラルレンジが形成されているので、意図しない走行レンジが誤って形成されてしまう可能性を回避することができる。
また、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、第2の信号ソレノイドバルブSC2は、ノーマルクローズタイプであり、第1の信号圧PSC1を非出力にすると共に、第2の信号圧PSC2によりプランジャ53pを退避させた場合に、第1のスプリング52sの付勢力によりスプール52pを後進レンジ位置に切り換えるようになっている。
これにより、前進レンジを形成するためは各信号ソレノイドバルブSC1,SC2を両方とも非通電にし、後進レンジを形成するためには各信号ソレノイドバルブSC1,SC2を両方とも通電にするようになる。このため、信号ソレノイドバルブSC1,SC2のフェールにより前進レンジと後進レンジとが逆になってしまうのは、2つの信号ソレノイドバルブSC1,SC2が両方ともフェールを発生したダブルフェールの場合に限られる。例えば、前進レンジ時において、信号ソレノイドバルブSC1,SC2の一方だけが油圧の出力及び非出力を反対にするフェールを発生しても、ニュートラルレンジが形成されてしまうものの後進レンジが形成されることは防止される。
また、後進レンジを形成するためには各信号ソレノイドバルブSC1,SC2を両方とも通電にするようにしているので、第1の信号圧PSC1の非供給と第2の信号圧PSC2の供給とが固定されてしまうようなダブルフェールが発生しない限り、後進レンジが固定されてしまう可能性は低くなる。
また、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、バルブ部52は、第2の信号圧PSC2により第1のスプリング52sの付勢力と同方向への押圧力を付与する第2の作動油室52bを有し、第1の信号圧PSC1及び第2の信号圧PSC2を同時に出力状態にした場合に、プランジャ53pは第2のスプリング53sの付勢力により進出し、スプール52pは第1のスプリング52sの付勢力により非走行レンジ位置に切り換わるようになっている。
これにより、シフトレンジをニュートラルレンジから前進レンジに切り換えた場合は、第2の信号圧PSC2を非供給にすることで実現できる一方、シフトレンジをニュートラルレンジから後進レンジに切り換えた場合は、第1の信号圧PSC1を非供給にすることで実現することができる。このため、ニュートラルレンジを中心に前進レンジ及び後進レンジに対する迅速なシフトチェンジが可能になるので、例えばガレージ制御等の制御性を向上することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係るレンジ切換え装置51を備えた油圧制御装置5を、図7乃至図9に沿って説明する。本実施形態は、第1のスプリング52sの付勢方向が第1の実施形態とは逆である点と、第2の作動油室52bに第1の信号圧PSC1が供給されない点とで、第1の実施形態と異なっているが、それ以外の構成は第1の実施形態と同様であるので、同様の構成は符号を同じくして詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1のスプリング52sがスプール52pを前進レンジ位置の方向に付勢するように設けられている。このため、第1のスプリング52sの付勢力に対抗する対抗圧を付与する第1の作動油室52aは、第2の信号圧PSC2の入力によりスプール52pを後進レンジ位置の方向に付勢するように設けられている。また、第2の作動油室52bは、第1の実施形態と同様に第1のスプリング52sを収容しているが、第1の実施形態と異なり油圧は供給されることはない。
これにより、本実施形態のレンジ切換え装置51では、第1の信号圧PSC1がプランジャ53pを突出した状態にロックした場合に、第1のスプリング52sの付勢力により、スプールを前進レンジ位置に切り換えるようになっている(図8(a)参照)。また、本実施形態のレンジ切換え装置51では、第1の信号圧PSC1を非出力にすると共に、第2の信号圧PSC2がプランジャ53pを退避させた場合に、第2の信号圧PSC2が第1の作動油室52aに供給されることにより、スプール52pを後進レンジ位置に切り換えるようになっている(図8(b)参照)。更に、本実施形態のレンジ切換え装置51では、第1の信号圧PSC1及び第2の信号圧PSC2を同時に出力状態にした場合に、プランジャ53pは第2のスプリング53sの付勢力により進出し、スプール52pは第2の信号圧PSC2により非走行レンジ位置に切り換わるようになっている(図7(b)参照)。
次に、車両用駆動装置1の油圧制御装置5の動作について、図7乃至図9に沿って説明する。尚、図7及び図8中、太実線で示す油路は油圧が供給されている油路、細破線で示す油路は油圧が供給されていない油路を意味する。また、図9中、ソレノイドバルブSC1,SC2のオン及びオフは通電のオン及びオフを意味している。
内燃エンジンの始動により、元圧供給部50が作動しライン圧PL及びモジュレータ圧Pmodが生成される。内燃エンジンの始動直後の数秒間はライン圧PLが不安定であるため、ECU4は、図7(a)及び図9に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオンして第1の信号圧PSC1を非出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオフして第2の信号圧PSC2を非出力にする。これにより、プランジャ53pが第2のスプリング53sにより進出され、スプール52pが第1のスプリング52sにより前進レンジ位置に位置される。このため、前進レンジが形成されてライン圧PLが前進レンジ圧PDとして出力され、第1のリニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDが供給されるが、シフトレバー11がニュートラルレンジ等の非走行レンジであれば第1のリニアソレノイドバルブSL1を作動させないようにする。
尚、内燃エンジンが停止していて油圧が発生しない場合は、図7(a)の場合と同様に、前進レンジが形成される(図9参照)。このため、ECU4は、内燃エンジンの始動時に、各クラッチC−1〜C−3やブレーキB−1〜B−2を係脱するためのリニアソレノイドバルブSL1,SL2等から係合圧を出力しないことで意図しない動作を防止するように制御する。
内燃エンジンの始動後、ライン圧PL及びモジュレータ圧Pmodが安定してから、シフトレバー11が操作されて、ECU4がシフトポジションとしてニュートラルレンジが選択されたと判断した場合は、ECU4は、図7(b)及び図9に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオフして第1の信号圧PSC1を出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオンして第2の信号圧PSC2を出力にする。
第1の信号圧PSC1は、プランジャ部53の第3の作動油室53aに入力されて、プランジャ53pを進出した状態にロックする。ここで、第2の信号圧PSC2がプランジャ部53の第4の作動油室53bに対抗圧として入力されるが、第2のスプリング53sの付勢力によりプランジャ53pは進出した状態で維持される。また、バルブ部52では、第1の作動油室52aに第2の信号圧PSC2が入力され、第1のスプリング52sの付勢力に抗してスプール52pを非走行レンジ位置に切り換える。即ち、このレンジ切換え装置51では、第1の信号圧PSC1及び第2の信号圧PSC2を同時に出力状態にした場合に、プランジャ53pは第2のスプリング53sの付勢力により進出し、スプール52pは第2の信号圧PSC2により非走行レンジ位置に切り換わるようになっている。このため、ライン圧PLが遮断されるので、ニュートラルレンジが形成される。
この時、スプール52pには、前進レンジ位置に向けて第1のスプリング52sの付勢力が作用し、非走行レンジ位置に向けて第2の信号圧PSC2が作用する。このため、非走行レンジ位置への切り換えを実現するために、第2の信号圧PSC2の大きさは、第1のスプリング52sの付勢力よりも大きく設定しておく。
次に、シフトレバー11が操作されて、ECU4がシフトポジションとして前進レンジが選択されたと判断した場合は、ECU4は、図8(a)及び図9に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオフして第1の信号圧PSC1を出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオフして第2の信号圧PSC2を非出力にする。
第1の信号圧PSC1は、プランジャ部53の第3の作動油室53aに入力されて、プランジャ53pを進出した状態にロックする。バルブ部52では、第1のスプリング52sの付勢力により、スプール52pは前進レンジ位置に位置される。即ち、このレンジ切換え装置51では、プランジャ53pは進出した状態でスプール52pを前進レンジ位置と非走行レンジ位置とに規制し、第1のスプリング52sはスプール52pを前進レンジ位置の方向に付勢し、第1の信号圧PSC1がプランジャ53pを突出した状態にロックした場合に、第1のスプリング52sの付勢力によりスプール52pを前進レンジ位置に切り換えるようになっている。このため、前進レンジが形成されてライン圧PLが前進レンジ圧PDとして出力され、第1のリニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDが供給されるので、前進変速段を形成するために、第1のリニアソレノイドバルブSL1から第1のクラッチC−1の油圧サーボ34に係合圧PSL1を供給可能になる。
次に、シフトレバー11が操作されて、ECU4がシフトポジションとして後進レンジが選択されたと判断した場合は、ECU4は、図8(b)及び図9に示すように、第1のソレノイドバルブSC1の通電をオンして第1の信号圧PSC1を非出力にし、第2のソレノイドバルブSC2の通電をオンして第2の信号圧PSC2を出力にする。
第2の信号圧PSC2は、プランジャ部53の第4の作動油室53bに入力されて、プランジャ53pを第2のスプリング53sの付勢力に抗して退避させた状態で維持する。このため、スプール52pは後進レンジ位置に切り換わり可能になる。バルブ部52では、第1の作動油室52aに入力された第2の信号圧PSC2が第1のスプリング52sの付勢力に抗して、スプール52pは後進レンジ位置に切り換わるようになっている。即ち、このレンジ切換え装置51では、第1の信号圧PSC1を非出力にすると共に、第2の信号圧PSC2によりプランジャ53pを退避させた場合に、第2の信号圧PSC2によりスプール52pを後進レンジ位置に切り換えるようになっている。このため、後進レンジが形成されてライン圧PLが後進レンジ圧PRとして出力され、第2のリニアソレノイドバルブSL2に後進レンジ圧PRが供給されるので、後進変速段を形成するために、第2のリニアソレノイドバルブSL2から第2のブレーキB−2の油圧サーボ35に係合圧PSL2を供給可能になる。
ここで、全てのソレノイドバルブの通電がオフになるオールオフフェールを発生した場合は、第1のソレノイドバルブSC1が非通電で第1の信号圧PSC1が出力され、第2のソレノイドバルブSC2が非通電で第2の信号圧PSC2が非出力になるので、図8(a)及び図9に示すように、前進レンジが形成されるようになる。したがって、オールオフフェール時に、リンプホーム機能として前進走行の選択を保障することができる。
以上説明したように、本実施形態のレンジ切換え装置51によっても、バルブ部52は、バルブ穴51aにおいて前進レンジ圧出力ポート52cと入力ポート52dと後進レンジ圧出力ポート52eとを長手方向に沿って順に有しているので、油路の構成をマニュアルバルブと同様にすることができる。これにより、マニュアルバルブを使用せずにバルブ部52によりシフトレンジを切り換える場合でも、バルブボディの油路の共通化を図ることができるようになる。
また、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、第1の信号ソレノイドバルブSC1は、ノーマルオープンタイプであり、プランジャ53pは、進出した状態でスプール52pの切換可能な2つの位置を前進レンジ位置と非走行レンジ位置とに規制し、第1の信号圧PSC1がプランジャ53pを突出した状態にロックした場合に、第1のスプリング52sの付勢力により、スプール52pを前進レンジ位置に切り換えるようになっている。これにより、オールオフフェール時に前進レンジが形成されるので、前進走行の選択を保障してリンプホーム機能を実現することができる。
また、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、内燃エンジンが停止していて油圧が発生しない場合は、図7(a)の場合と同様に、前進レンジが形成されるようになっている(図9参照)。このため、内燃エンジンの再始動時にバルブスティック等のフェールが発生した場合であっても、前進走行を保障することができる。
また、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、第2の信号ソレノイドバルブSC2は、ノーマルクローズタイプであり、第1の信号圧PSC1を非出力にすると共に、第2の信号圧PSC2によりプランジャ53pを退避させた場合に、第2の信号圧PSC2が第1の作動油室52aに供給されることにより、スプール52pを後進レンジ位置に切り換えるようになっている。
これにより、通常の前進レンジを形成するためには各信号ソレノイドバルブSC1,SC2を両方とも非通電にし(図8(a)参照)、後進レンジを形成するためには各信号ソレノイドバルブSC1,SC2を両方とも通電にするようになる。このため、通常の前進レンジ時においては、信号ソレノイドバルブSC1,SC2の一方だけが油圧の出力及び非出力を反対にするフェールを発生しても、ニュートラルレンジあるいは内燃エンジンの始動直後等と同様の前進レンジ(図7(a)参照)が形成されてしまう可能性はあっても後進レンジが形成されることは防止される。
これに対し、後進レンジ時において、第1の信号圧PSC1が非出力、第2の信号圧PSL2が出力される場合に、第2の信号ソレノイドバルブSC2に単独でオフフェールが発生すると、各信号圧PSL1,PSL2の両方が非出力になり、内燃エンジンの始動直後等と同様の前進レンジを形成してしまう可能性がある。しかしながら、本実施形態では、後進レンジ時には第1クラッチC−1は解放されているため、第1のリニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDが供給されたとしても係合圧PSL1は出力されず、前進変速段が形成されてしまうことは防止される。
また、後進レンジを形成するためには各信号ソレノイドバルブSC1,SC2を両方とも通電にするようにしているので、第1の信号圧PSC1の非供給と第2の信号圧PSC2の供給とが固定されてしまうようなダブルフェールが発生しない限り、後進レンジが固定されてしまう可能性は低くなる。
また、本実施形態のレンジ切換え装置51によると、第1の信号圧PSC1及び第2の信号圧PSC2を同時に出力状態にした場合に、プランジャ53pは第2のスプリング53sの付勢力により進出し、スプール52pは第2の信号圧PSC2により非走行レンジ位置に切り換わるようになっている。
これにより、シフトレンジをニュートラルレンジから前進レンジに切り換えた場合は、第2の信号圧PSC2を非供給にすることで実現できる一方、シフトレンジをニュートラルレンジから後進レンジに切り換えた場合は、第1の信号圧PSC1を非供給にすることで実現することができる。このため、ニュートラルレンジを中心に前進レンジ及び後進レンジに対する迅速なシフトチェンジが可能になるので、例えばガレージ制御等の制御性を向上することができる。
尚、上述した第1及び第2の実施形態においては、第1の信号ソレノイドバルブSC1をノーマルオープン、第2の信号ソレノイドバルブSC2をノーマルクローズとした場合について説明したが、これには限定されず、第1のスプリング52sの位置等を含めて適宜変更して設定することができる。
51 レンジ切換え装置
51a バルブ穴
52 バルブ部
52a 第1の作動油室
52b 第2の作動油室
52c 前進レンジ圧出力ポート
52d 入力ポート
52e 後進レンジ圧出力ポート
52p スプール
52s 第1のスプリング(第1の付勢部材)
53 プランジャ部
53s 第2のスプリング(第2の付勢部材)
53p プランジャ
PD 前進レンジ圧
PL ライン圧(元圧)
PR 後進レンジ圧
PSC1 第1の信号圧
PSC2 第2の信号圧
SC1 第1の信号ソレノイドバルブ
SC2 第2の信号ソレノイドバルブ

Claims (7)

  1. 前進レンジ圧を出力する前進レンジ圧出力ポートと元圧を入力する入力ポートと後進レンジ圧を出力する後進レンジ圧出力ポートとを長手方向に沿って順に配置したバルブ穴と、前記入力ポート及び前記前進レンジ圧出力ポートを連通する前進レンジ位置と前記入力ポートを遮断する非走行レンジ位置と前記入力ポート及び前記後進レンジ圧出力ポートを連通する後進レンジ位置との3つの位置に切換可能なスプールと、前記スプールを前記前進レンジ位置又は前記後進レンジ位置の方向に付勢する第1の付勢部材と、油圧の供給により前記第1の付勢部材の付勢力に対抗する対抗圧を付与する第1の作動油室と、を有するバルブ部と、
    前記バルブ穴に進退可能に設けられ、進出することにより前記スプールの移動を前記3つの位置のうちの2つの位置に規制するプランジャと、前記プランジャが進出する方向に付勢する第2の付勢部材と、を有するプランジャ部と、
    前記プランジャが進出した状態にロックする第1の信号圧を供給可能な第1の信号ソレノイドバルブと、
    前記プランジャを退避させる第2の信号圧を供給可能な第2の信号ソレノイドバルブと、を備え、
    前記第1の作動油室に前記第1の信号圧又は前記第2の信号圧を入力して前記スプールの位置を制御する、
    ことを特徴とするレンジ切換え装置。
  2. 前記第1の信号ソレノイドバルブは、ノーマルオープンタイプであり、
    前記プランジャは、進出した状態で前記2つの位置として前記前進レンジ位置と前記非走行レンジ位置とに規制し、
    前記第1の付勢部材は、前記スプールを前記後進レンジ位置の方向に付勢し、
    前記第1の信号圧が前記プランジャを突出した状態にロックした場合に、前記第1の信号圧を前記第1の作動油室に入力することにより、前記スプールを前記前進レンジ位置に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンジ切換え装置。
  3. 前記第2の信号ソレノイドバルブは、ノーマルクローズタイプであり、
    前記第1の信号圧を非出力にすると共に、前記第2の信号圧により前記プランジャを退避させた場合に、前記第1の付勢部材の付勢力により前記スプールを前記後進レンジ位置に切り換える、
    ことを特徴とする請求項2記載のレンジ切換え装置。
  4. 前記バルブ部は、前記第2の信号圧により前記第1の付勢部材の付勢力と同方向への押圧力を付与する第2の作動油室を有し、
    前記第1の信号圧及び前記第2の信号圧を同時に出力状態にした場合に、前記プランジャは前記第2の付勢部材の付勢力により進出し、前記スプールは前記第1の付勢部材の付勢力により前記非走行レンジ位置に切り換わる、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のレンジ切換え装置。
  5. 前記第1の信号ソレノイドバルブは、ノーマルオープンタイプであり、
    前記プランジャは、進出した状態で前記2つの位置として前記前進レンジ位置と前記非走行レンジ位置とに規制し、
    前記第1の信号圧が前記プランジャを突出した状態にロックした場合に、前記第1の付勢部材の付勢力により、前記スプールを前記前進レンジ位置に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンジ切換え装置。
  6. 前記第2の信号ソレノイドバルブは、ノーマルクローズタイプであり、
    前記第1の信号圧を非出力にすると共に、前記第2の信号圧により前記プランジャを退避させた場合に、前記第2の信号圧が前記第1の作動油室に供給されることにより、前記スプールを前記後進レンジ位置に切り換える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のレンジ切換え装置。
  7. 前記第1の信号圧及び前記第2の信号圧を同時に出力状態にした場合に、前記プランジャは前記第2の付勢部材の付勢力により進出し、前記スプールは第2の信号圧により前記非走行レンジ位置に切り換わる、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のレンジ切換え装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019019854A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 ジヤトコ株式会社 レンジ切替装置
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