JP2013117265A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Takayoshi Yonezu
隆義 米津
Kazuyuki Noda
和幸 野田
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Abstract

【課題】フェール時にあっても摩擦係合要素の係合・解放状態が遷移することなく、かつ複数の調圧バルブに対して少数のアシスト圧出力バルブでアシストすることが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】油圧制御装置1は、複数のリニアソレノイドバルブ(例えばSL1)と、信号圧を油路に出力し得る信号ソレノイドバルブとを備えており、各リニアソレノイドバルブのバルブ部70のそれぞれは、信号圧を入力した際にスプール72をアシスト作用させるアシスト油室75と、非作動位置にある際に信号圧を遮断し、作動位置にある際に連通して信号圧をアシスト油室75に入力するアシスト圧入力ポート(例えばSL1e)とを有している。信号圧が出力されても摩擦係合要素の係合・解放状態が遷移することなく、また、少数の信号ソレノイドバルブで複数のリニアソレノイドバルブをアシストすることが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載される自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、電磁部の駆動によりスプールを移動駆動することで、摩擦係合要素の油圧サーボに供給する係合圧を調圧する調圧バルブを複数備えた自動変速機の油圧制御装置に関する。
一般に、自動車等の車両に搭載される多段式の自動変速機にあっては、変速機構の変速段を変更(変速)するための摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)を複数備えており、それら摩擦係合要素の係合・解放制御は、各摩擦係合要素の油圧サーボに供給する係合圧を油圧制御することで行われている。
近年、上述のような摩擦係合要素に対する係合圧は、駆動軸を軸方向に移動駆動する電磁部と、該駆動軸でスプリングに抗して押圧移動されることで入力ポートのライン圧を係合圧に調圧して出力ポートより出力するバルブ部と、を有する1本のリニアソレノイドバルブ(いわゆるダイレクトリニア)で調圧するものが主流となっている。
ところで、摩擦係合要素の油圧サーボに供給する係合圧は、当該摩擦係合要素をスリップさせつつ係合・解放を行うスリップ領域と、係合時に不足の変動トルクによってスリップが生じないようにする係合完了領域とで、油圧の大きさが異なり、つまり変速が完了した状態である係合完了領域では、リニアソレノイドバルブが比較的大きな油圧を長期的に出力する状態となる。
このように大きな油圧を出力し続ける状態を維持するためには、特にノーマルクローズタイプのリニアソレノイドバルブにおいては、上述した電磁部の駆動軸によりスプールを大きな力で押圧し続ける必要があり、従って、電磁部の電磁力を大きくするために電磁部の大型化や消費電力の増大を招いていた。
そこで、スプールを電磁部の駆動軸の押圧方向に押圧し得るように3ウェイソレノイドバルブ(電磁三方弁、いわゆるオン・オフソレノイドバルブ)からの油圧(以下、「アシスト圧」という)でアシストすることで、電磁部の小型化や消費電力の低減を図ったものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−139181号公報
上記特許文献1のものは、アシスト圧でスプールを押圧することで、電磁部の小型化や消費電力の低減が図れるが、例えばオン・オフソレノイドバルブ(電磁三方弁)がオン状態でフェールすると、対応する摩擦係合要素が解放状態であっても、リニアソレノイドバルブのバルブから係合圧が出力した状態に変遷し、つまり摩擦係合要素が係合してしまう虞があり、フェールセーフ機能としては好ましくないという問題がある。
また、特許文献1のものは、1つのリニアソレノイドバルブに対して1つのオン・オフソレノイドバルブをそれぞれに設ける必要があり、特に多段変速化が進む自動変速機にあっては、リニアソレノイドバルブの数が増えるにつれて、オン・オフソレノイドバルブの数も増えてしまうという問題がある。
そこで本発明は、フェール時にあっても摩擦係合要素の係合・解放状態が遷移することなく、かつ複数の調圧バルブに対して少数のアシスト圧出力バルブでアシストすることが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明は(例えば図1乃至図5参照)、駆動軸(63)を軸方向に移動駆動する電磁部(60)と、前記駆動軸(63)により押圧移動されるスプール(72)及び該スプール(72)を前記駆動軸(63)に向けて付勢する付勢部材(73)を有するバルブ部(70)と、を備え、前記電磁部(60)が前記スプール(72)を前記付勢部材(73)の付勢力に抗して押圧移動することで、入力された油圧を摩擦係合要素(C−1,C−2,C−3,B−1,B−2)を係合操作する油圧サーボ(31,32,33,34,35)に供給する係合圧(PC1,PC2,PC3,PB1,PB2)に調圧して出力する調圧バルブ(SL1,SL2,SL3,SL4,SL5)を複数備えた自動変速機(3)の油圧制御装置(1)において、
アシスト圧(PS2)をアシスト圧供給油路(a1,a2,a3,a4,a5,a6)に出力し得るアシスト圧出力バルブ(S2)を備え、
前記調圧バルブ(SL1,SL2,SL3,SL4,SL5)のバルブ部(70)のそれぞれは、
前記アシスト圧(PS2)を入力した際に前記スプール(72)を前記電磁部(60)の駆動軸(63)による押圧方向に押圧作用させるアシスト油室(75)と、
前記アシスト圧供給油路(a1,a2,a3,a4,a5,a6)に接続されると共に、前記スプール(72)が前記駆動軸(63)側の非作動位置(図4(a)参照)にある際に前記アシスト圧供給油路(a1,a2,a3,a4,a5,a6)と前記アシスト油室(75)との間を遮断し、前記スプール(72)が前記電磁部(60)の駆動軸(63)により前記付勢部材(73)の付勢力に抗して押圧移動された作動位置(図4(b)参照)にある際に前記アシスト圧供給油路(a1,a2,a3,a4,a5,a6)と前記アシスト油室(75)との間を連通するアシスト圧入力ポート(SL1e,SL2e,SL3e,SL4e,SL5e)と、を有することを特徴とする。
また、本発明において(例えば図4参照)、前記調圧バルブ(SL1,SL2,SL3,SL4,SL5)のバルブ部(70)のそれぞれは、
前記スプール(72)が前記作動位置(図4(b)参照)にある際に前記アシスト油室(75)との間を遮断し、前記スプール(72)が前記非作動位置(図4(a)参照)にある際に前記アシスト油室(75)との間を連通して前記アシスト圧(PS2)を排出し得るアシスト圧排出ポート(SL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5f)を有することを特徴とする。
更に、本発明において(例えば図4参照)、前記調圧バルブ(SL1,SL2,SL3,SL4,SL5)のバルブ部(70)のそれぞれは、
前記駆動軸(63)と前記スプール(72)との間に軸方向移動自在に配置され、前記スプール(72)よりも小径に形成されたプランジャ(82)と、
前記プランジャ(82)の外周側を覆うと共に該プランジャ(82)を摺動自在に支持する内周面(81b)と、前記アシスト圧排出ポート(SL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5f)と該内周面(81b)とを連通する連通油路(81a)と、を備えたスリーブ部材(81)と、を有し、
前記スプール(72)が前記作動位置(図4(b)参照)にある際に前記プランジャ(82)が前記スリーブ部材(81)の連通油路(81a)を遮断することで前記アシスト油室(75)と前記アシスト圧排出ポート(SL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5f)との間を遮断し、前記スプール(72)が前記非作動位置(図4(a)参照)にある際に前記プランジャ(82)が前記スリーブ部材(81)の連通油路(81a)を連通することで前記アシスト油室(75)と前記アシスト圧排出ポート(SL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5f)との間を連通して前記アシスト圧(PS2)を排出することを特徴とする。
また、本発明において(例えば図3参照)、前記アシスト圧出力バルブは、信号圧(PS2)を出力し得るオン・オフソレノイドバルブ(S2)であり、
前記オン・オフソレノイドバルブ(S2)は、前記複数の摩擦係合要素の掴み換えを行う変速制御中にオフされ、前記変速制御が終了した後に信号圧(PS2)を前記アシスト圧として出力することを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、調圧バルブのバルブ部のそれぞれが、スプールが非作動位置にある際にアシスト圧供給油路とアシスト油室との間を遮断し、スプールが作動位置にある際にアシスト圧供給油路とアシスト油室との間を連通するアシスト圧入力ポートを有しているので、例えば故障時にアシスト圧出力バルブからアシスト圧が出力されたままの状態となっても、スプールが非作動位置にある調圧バルブが作動位置に動作することがなく、また、スプールが作動位置にある調圧バルブはそのまま作動位置に維持されるため、つまり故障が生じても解放中の摩擦係合要素が係合状態に、係合中の摩擦係合要素が解放状態に遷移することがなく、フェースセーフ状態を維持することができる。
また、スプールが非作動位置にある調圧バルブのアシスト圧入力ポートにアシスト圧を入力しても該スプールが作動位置に動作することがなく、スプールが作動位置にある調圧バルブにだけアシスト圧が作用するので、1つのアシスト圧出力バルブから出力されるアシスト圧を複数の調圧バルブのアシスト圧入力ポートに入力することを可能とすることができ、言い換えると、複数の調圧バルブに対して少数のアシスト圧出力バルブでアシストすることを可能とすることができる。
請求項2に係る本発明によると、調圧バルブのバルブ部のそれぞれが、スプールが作動位置にある際にアシスト油室との間を遮断し、スプールが非作動位置にある際にアシスト油室との間を連通してアシスト圧を排出し得るアシスト圧排出ポートを有しているので、スプールが非作動位置にある際に確実にアシスト油室のアシスト圧を排出することができ、調圧バルブの誤動作を防止することができる。
請求項3に係る本発明によると、調圧バルブのバルブ部のそれぞれは、スプールが作動位置にある際にプランジャがスリーブ部材の連通油路を遮断することでアシスト油室とアシスト圧排出ポートとの間を遮断し、スプールが非作動位置にある際にプランジャがスリーブ部材の連通油路を連通することでアシスト油室とアシスト圧排出ポートとの間を連通してアシスト圧を排出するので、より確実にスプールが非作動位置にある際に確実にアシスト油室のアシスト圧を排出することができ、調圧バルブの誤動作を防止することができる。
請求項4に係る本発明によると、オン・オフソレノイドバルブが、複数の摩擦係合要素の掴み換えを行う変速制御中にオフされ、変速制御が終了した後に信号圧をアシスト圧として出力するので、変速制御中における摩擦係合要素の掴み換えにアシスト圧の影響を与えることなく、精度良い変速制御を可能にするものでありながら、変速制御が終了した後は、スプールが作動位置にある調圧バルブについて、スプールの作動位置への位置決めをアシストすることができ、各調圧バルブにおける電磁部の小型化や消費電力の低減を図ることができる。
本発明を適用し得る自動変速機を示すスケルトン図。 本自動変速機の係合表。 本自動変速機の油圧制御装置を示す油圧回路図。 各リニアソレノイドバルブの断面図で、(a)は非作動位置の図、(b)は作動位置の図。 変速制御における各油圧の大きさを示すタイムチャート。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。まず、本発明を適用し得る自動変速機3の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車輌に用いて好適な自動変速機3は、内燃エンジン2に接続し得る自動変速機3の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバータ4と、自動変速機構5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、ケース9に対して固定されており、また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10に駆動連結されて、該入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチ(摩擦係合要素)C−1及びクラッチ(摩擦係合要素)C−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキ(摩擦係合要素)B−1に接続されてケース9に対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチ(摩擦係合要素)C−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキ(摩擦係合要素)B−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してケース9に対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪に接続されている。
上記構成の自動変速機3は、図1のスケルトンに示す各クラッチC−1〜C―3、ブレーキB―1,B―2、ワンウェイクラッチF―1が、図2の係合表に示すように係脱されることにより、前進1速段(1ST)〜前進6速段(6TH)、及び後進1速段(REV)を達成している。
ついで、本自動変速機3の油圧制御装置1について図3及び図4に沿って説明する。本油圧制御装置1は、図3に示すように、油圧制御装置1は、大まかに、オイルパン17の内部に設けられたストレーナ16、オイルポンプ15、プライマリレギュレータバルブ21、モジュレータバルブ23、リニアソレノイドバルブSLT、信号ソレノイドバルブ(アシスト圧出力バルブ、オン・オフソレノイドバルブ)S2、マニュアルシフトバルブ25、リニアソレノイドバルブ(複数の調圧バルブ)SL1,SL2,SL3,SL4、SL5、チェックボールバルブ29等を備えて構成されている。
図3に示すように、オイルポンプ15は、オイルパン17からストレーナ16を介してオイルを吸上げる形で油圧を発生させている。上記オイルポンプ15により発生された油圧は、詳しくは後述するプライマリレギュレータバルブ21によってライン圧Pに調圧される。
一方、リニアソレノイドバルブSLTは、後述するモジュレータバルブ23からモジュレータ圧PMODを入力する入力ポートSLTaと、該入力ポートSLTaに入力されたモジュレータ圧PMODを、アクセル開度(スロットル開度)等に基づきSLT圧PSLTに調圧して出力する出力ポートSLTbと、を有している。
プライマリレギュレータバルブ21は、スプール21pと、該スプール21pを図中上方に付勢するスプリング21sと、を備えていると共に、該スプール21pの下方に制御油室21aと、該スプール21pの上方にフィードバック油室21bと、排出ポート21cと、調圧ポート21dと、背圧出力ポート21eと、オイルパン17に連通する排出ポート21fと、を備えている。上記制御油室21aには、上記リニアソレノイドバルブSLTからのSLT圧PSLTが入力される。
即ち、プライマリレギュレータバルブ21のスプール21pに、上記フィードバック圧に対向してスプリング21sの付勢力とSLT圧PSLTとが作用し、要するに、該スプール21pの位置は、主にSLT圧PSLTの大きさによって制御される。該スプール21pが図中の下方側の状態であると、調圧ポート21dと排出ポート21cとが連通し、また、スプール21pがSLT圧PSLTに基づき図中の上方側の状態に移動制御されると、調圧ポート21dと排出ポート21cとの連通量(絞り量)が絞られて(遮断されて)いくと共に、調圧ポート21dと背圧出力ポート21eとの連通量(絞り量)が開いていく。つまり上記制御油室21aに入力されるSLT圧PSLTの大きさによってスプール21pが上方側に向けて移動制御されると共に、排出ポート21cより排出される油圧量が調整されることで調圧ポート21dの油圧が調圧され、これによって調圧ポート21dに接続される油路の油圧がライン圧Pとして調圧される。
なお、背圧出力ポート21eは、図示を省略したセカンダリレギュレータバルブ等に接続されており、該セカンダリレギュレータバルブにて調圧されたセカンダリ圧は、トルクコンバータ4内の内圧やロックアップクラッチ7の係合圧、潤滑回路への潤滑圧などとして供給される。
また、上記排出ポート21cより排出された油圧は、油路c2,c3を介してオイルポンプ15のポート15bに戻され、オイルポンプ15の元圧となるため、結果的にオイルポンプ15が必要な駆動力を下げることとになり、無駄なエネルギを消費することを防ぐことができ、油圧制御装置1を備える車両の燃費向上に寄与することが可能となる。
モジュレータバルブ23は、スプール23pと、該スプール23pを図中上方側に付勢するスプリング23sと、を有して構成されていると共に、該スプリング23sの付勢力に抗する方向に入力された油圧が作用する油室23aと、上記ライン圧Pが入力される入力ポート23bと、ライン圧Pをモジュレータ圧PMODとして出力する出力ポート23cと、を有して構成されている。即ち、モジュレータバルブ23は、出力ポート23cから出力されたモジュレータ圧PMODを油室23aに入力することで、ライン圧Pが所定圧以上の大きさとなると、油室23aの油圧がスプリング23sの付勢力に打勝って入力ポート23bを塞ぐように動作することで、ライン圧Pを所定の一定圧に調圧したモジュレータ圧PMODを出力ポート23cから出力する。
マニュアルシフトバルブ25は、不図示のシフトレバーの操作によって駆動されるスプール25pを有していると共に、上記ライン圧Pが入力される入力ポート25aと、ライン圧Pを前進レンジ圧Pとして出力し得る前進レンジ出力ポート25bと、ライン圧Pを後進レンジ圧Pとして出力し得る後進レンジ出力ポート25cと、前進レンジ圧Pをドレーン(排出)し得るドレーンポート25dと、を有している。
即ち、マニュアルシフトバルブ25は、P(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジの状態で、スプール25pのP位置又はN位置によって、入力ポート25aと前進レンジ出力ポート25bとの間、及び入力ポート25aと後進レンジ出力ポート25cとの間を遮断し、前進レンジ圧P及び後進レンジ圧Pを出力せず(非出力とし)、D(ドライブ)レンジの状態で、スプール25pのD位置に基づき、入力ポート25aと前進レンジ出力ポート25bとの間を連通して前進レンジ圧Pを該前進レンジ出力ポート25bから出力し、R(リバース)レンジの状態で、スプール25pのR位置に基づき、入力ポート25aと後進レンジ出力ポート25cとの間を連通して後進レンジ圧Pを該後進レンジ出力ポート25cから出力する。
なお、不図示のシフトレバーがDレンジからNレンジに操作され、スプール25pがD位置からN位置に移動された際は、前進レンジ圧Pがチェックバルブ28を介してドレーンポート25dからドレーンされ、その後、前進レンジ圧Pが略々0圧となると、後述のリニアソレノイドバルブSL1,SL2,SL3,SL4に対してエアが混入しないように、チェックバルブ28が閉じられる。
一方、オン・オフソレノイドバルブからなる信号ソレノイドバルブS2は、例えばノーマルクローズタイプからなり、上記モジュレータバルブ23からモジュレータ圧PMODを入力する入力ポートS2aと、不図示の制御部からの指令によりオン制御された際にモジュレータ圧PMODを信号圧PS2として出力する出力ポートS2bと、を有しており、出力ポートS2bから信号圧PS2が出力されると、油路(アシスト圧供給油路)a1,a2,a3,a4,a5,a6を介して、詳しくは後述するリニアソレノイドバルブSL1〜SL5のアシスト圧入力ポートSL1e〜SL5eにアシスト圧として信号圧PS2が供給される。
続いて、各リニアソレノイドバルブSL1〜SL5の構造について図4に沿って説明する。なお、本実施の形態においては、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5が同様の構造からなるので、リニアソレノイドバルブSL1を詳細に説明して、リニアソレノイドバルブSL2〜SL5の説明は省略する。
図4(a)に示すように、ノーマルクローズタイプからなるリニアソレノイドバルブSL1は、大まかに、電磁部60と、バルブ部70とにより構成されている。電磁部60は、不図示のコネクタに接続されて制御部(不図示)の指令に基づき供給される電流によって磁力を発生する中空状のコイル部61と、該コイル部61の中心部分に軸方向摺動自在に配置され、該コイル部61の磁力が増すにつれて図中下方側に押圧駆動される電磁誘導軸62と、該電磁誘導軸62によって図中下方側に押圧されることで軸方向に移動駆動される駆動軸63と、を備えて構成されている。
また、バルブ部70は、中空スリーブ状に形成され、詳しくは後述する入力ポートSL1a、出力ポートSL1b、フィードバックポートSL1c、排出ポートSL1d、アシスト圧入力ポートSL1e、アシスト圧排出ポートSL1fが貫通形成されたバルブ本体71と、該バルブ本体71の中空内部に軸方向摺動自在に配置され、ランド部72a,72b,72cが形成されたスプール72と、該スプール72を図中上方に付勢するスプリング(付勢部材)73と、該スプリング73を支持すると共にバルブ本体71に螺合されて固定されたキャップ部材74とを備えて構成されており、該スプール72の図中上方にあって、後述するプランジャ機構80との間に、信号圧(アシスト圧)PS2を入力した際にスプール72を電磁部60の駆動軸63による押圧方向(図中下方)に押圧作用させるアシスト油室75を形成している。
入力ポートSL1aは、上記前進レンジ出力ポート25bに接続されており、Dレンジの際に前進レンジ圧Pを入力する。また、出力ポートSL1bは、後述するように係合圧PC1を油圧サーボ31に出力し、クラッチC−1を係合・解放制御する。更に、フィードバックポートSL1cは、係合圧PC1をフィードバック入力する。また、排出ポートSL1dは、オイルパン17に向けて大気開放されており、入力ポートSL1aから入力される前進レンジ圧Pを排出することで出力ポートSL1bから出力する係合圧PC1の大きさを調圧する。そして、アシスト圧入力ポートSL1eは、油路a1,a2を介して上記信号ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bに接続されており、信号ソレノイドバルブS2がオン制御された際に信号圧PS2を入力する。また、アシスト圧排出ポートSL1fは、オイルパン17に向けて大気開放されており、後述するようにアシスト油室75の油圧を排出する。
また、バルブ部70は、上記電磁部60との間にアシスト油室75を介してプランジャ機構80を備えている。該プランジャ機構80は、上記駆動軸63と上記スプール72との間に軸方向移動自在に配置され、該スプール72の各ランド部72a,72b,72cよりも小径に形成されたプランジャ82と、該プランジャ82を中心部分に軸方向移動自在に支持するスリーブ部材81とを有している。そして、スリーブ部材81には、プランジャ82の外周側を覆うと共に該プランジャ82を摺動自在に支持する内周面81bと、上記アシスト圧排出ポートSL1fと該内周面81bとを連通する連通油路81aと、が形成されている。
以上のように構成されたリニアソレノイドバルブSL1において、図4(a)に示すように、電磁部60のコイル部61に通電されていない状態であって、駆動軸63が駆動されずに、スプリング73の付勢力に基づきスプール72が図中上方位置(非作動位置)にあると、入力ポートSL1aがランド部72bにより遮断され、例えばDレンジの際にあっても入力ポートSL1aの前進レンジ圧Pが遮断されて出力ポートSL1bから油圧は出力されず、つまり係合圧PC1は0圧である。また、この際は、アシスト圧入力ポートSL1eもランド部72aにより遮断されており、例えば信号ソレノイドバルブS2から信号圧PS2がフェール等により出力されていたとしても、アシスト油室75には信号圧PS2が入力されず、スプール72には何らアシスト作用は生じない。
なお、この状態で、例えばバルブ部70のバルブ本体71とスプール72のランド部72aとの間に公差により生じた隙間からアシスト油室75に信号圧PS2の漏れ込みがあったとしても、プランジャ82が上方に位置して連通油路81aを連通し、アシスト油室75とアシスト圧排出ポートSL1fとを連通しているので、漏れ込みによる信号圧PS2を排出することができ、スプール72には何らアシスト作用は生じない。
ついで、例えば不図示の制御部が図2の係合表に従ってクラッチC−1の係合を判断し、電磁部60のコイル部61に通電されていくと、電磁誘導軸62の駆動に基づき駆動軸63が図中下方に押圧駆動され、図4(b)に示すように、プランジャ82及びスプール72がスプリング73の付勢力に抗して図中下方位置(作動位置)に押圧移動される。すると、例えばDレンジの際にあっては、ランド部72bと入力ポートSL1aとの開口量(連通量)に応じて、入力ポートSL1aの前進レンジ圧Pからランド部72a,72bの間を通って出力ポートSL1bに出力される係合圧PC1の大きさが調圧される。これにより、係合圧PC1が、クラッチC−1を係合操作する油圧サーボ31に徐々に大きくなるように供給され、クラッチC−1がスリップされつつ係合制御される。なお、この際は、フィードバックポートSL1cに係合圧PC1がフィードバックされてスプール72の図中上方側へのフィードバック圧として作用する。
また、図4(b)に示すように、スプール72が図中下方位置(作動位置)となると、ランド部72aが下方に移動し、アシスト圧入力ポートSL1e(油路a2)とアシスト油室75とが連通すると共に、プランジャ82がスリーブ部材81の連通油路81aを遮断し、つまりアシスト圧排出ポートSL1fが遮断された状態となる。この状態で、例えば不図示の制御部がクラッチC−1の完全係合を判断し、信号ソレノイドバルブS2から信号圧PS2がアシスト圧として出力されると、アシスト油室75に信号圧PS2が作用し、スプール72が図中下方側に押圧して、つまり電磁部60によるスプール72の押圧駆動をアシストする。
なお、この状態で信号ソレノイドバルブS2がオン状態でフェールし、アシスト油室75に信号圧PS2が入力されたままになったとしても、クラッチC−1が係合状態にあるので、そのままクラッチC−1の係合状態が維持されるだけである。
その後、例えば不図示の制御部がクラッチC−1の解放を判断すると、まず、信号ソレノイドバルブS2がオフ制御されてアシスト油室75の信号圧PS2が信号ソレノイドバルブS2にてドレーン(排出)される。これにより、スプール72は、スプリング73の付勢力に対向する電磁部60の駆動軸63の駆動(コイル部61の通電量)によって位置制御され、電磁部60のコイル部61に対して非通電となると、図4(a)に示すように、スプール72、プランジャ82、駆動軸63は、スプリング73の付勢力によって、図中上方位置(非作動位置)(即ち駆動軸63側)に戻される。
以上説明したリニアソレノイドバルブSL1と同様に構成されたリニアソレノイドバルブSL2は、図3に示すように、上記前進レンジ出力ポート25bに接続されて前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSL2aと、不図示の制御部からの指令に基づき電子制御されることで自在に調圧されるクラッチC−2用の係合圧PC2を出力する出力ポートSL2bと、係合圧PC2をフィードバックするフィードバックポートSL2cと、前進レンジ圧Pを排出することで係合圧PC2を調圧する排出ポートSL2dと、油路a1,a3を介して上記信号ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bに接続され、信号ソレノイドバルブS2がオン制御された際に信号圧PS2を入力するアシスト圧入力ポートSL2eと、アシスト油室75の油圧を排出し得るアシスト圧排出ポートSL2fと、を備えている。
また、リニアソレノイドバルブSL1と同様に構成されたリニアソレノイドバルブSL4は、上記前進レンジ出力ポート25bに接続されて前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSL4aと、不図示の制御部からの指令に基づき電子制御されることで自在に調圧されるブレーキB−1用の係合圧PB1を出力する出力ポートSL4bと、係合圧PB1をフィードバックするフィードバックポートSL4cと、前進レンジ圧Pを排出することで係合圧PB1を調圧する排出ポートSL4dと、油路a1,a5を介して上記信号ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bに接続され、信号ソレノイドバルブS2がオン制御された際に信号圧PS2を入力するアシスト圧入力ポートSL4eと、アシスト油室75の油圧を排出し得るアシスト圧排出ポートSL4fと、を備えている。
一方、チェックボールバルブ29は、上記マニュアルシフトバルブ25の後進レンジ出力ポート25cに接続された入力ポート29aと、上記前進レンジ出力ポート25bに接続された入力ポート29bと、リニアソレノイドバルブSL3の入力ポートSL3aに接続された出力ポート29cと、チェックボール29Bと、を備えて構成されており、該チェックボール29Bが、チェックボールバルブ29の内部の油路上を転動して、入力ポート29aと入力ポート29bとに入力された油圧の大きい方に押圧されることで、入力された油圧が大きい方の入力ポート29a又は入力ポート29bと出力ポート29cとを連通させる。即ち、チェックボールバルブ29は、Dレンジの際に前進レンジ圧PをリニアソレノイドバルブSL3の入力ポートSL3aに入力し、Rレンジの際に後進レンジ圧PをリニアソレノイドバルブSL3の入力ポートSL3aに入力する。
そして、リニアソレノイドバルブSL1と同様に構成されたリニアソレノイドバルブSL3は、上述のようにチェックボールバルブ29を介して前進レンジ圧P又は後進レンジ圧Pを入力する入力ポートSL3aと、不図示の制御部からの指令に基づき電子制御されることで自在に調圧されるクラッチC−3用の係合圧PC3を出力する出力ポートSL3bと、係合圧PC3をフィードバックするフィードバックポートSL3cと、前進レンジ圧P又は後進レンジ圧Pを排出することで係合圧PC3を調圧する排出ポートSL3dと、油路a1,a4を介して上記信号ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bに接続され、信号ソレノイドバルブS2がオン制御された際に信号圧PS2を入力するアシスト圧入力ポートSL3eと、アシスト油室75の油圧を排出し得るアシスト圧排出ポートSL3fと、を備えている。
また、リニアソレノイドバルブSL1と同様に構成されたリニアソレノイドバルブSL5は、上記プライマリレギュレータバルブ21の調圧ポート21dに直接的に接続されてライン圧Pを入力する入力ポートSL5aと、不図示の制御部からの指令に基づき電子制御されることで自在に調圧されるブレーキB−2用の係合圧PB2を出力する出力ポートSL5bと、係合圧PB2をフィードバックするフィードバックポートSL5cと、ライン圧Pを排出することで係合圧PB2を調圧する排出ポートSL5dと、油路a1,a6を介して上記信号ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bに接続され、信号ソレノイドバルブS2がオン制御された際に信号圧PS2を入力するアシスト圧入力ポートSL5eと、アシスト油室75の油圧を排出し得るアシスト圧排出ポートSL5fと、を備えている。
以上のように構成された油圧制御装置1にあっては、不図示の制御部の変速判断に従い図2に示す係合表に沿って摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)同士の掴み換え変速制御を行う際、各クラッチC−1,C−2,C−3及びブレーキB−1,B−2のスリップないし係合制御を行う状態では、信号ソレノイドバルブS2がオフ制御され、各リニアソレノイドバルブSL1〜SL5のアシスト油室75に信号圧PS2が入力されず、各リニアソレノイドバルブSL1〜SL5の電磁部60の駆動軸63の軸方向駆動制御により、各係合圧PC1,PC2,PC3,PB1,PB2が細やかにコントロール制御される。
そして、摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)同士の掴み換え変速制御が終了すると、制御部によって信号ソレノイドバルブS2がオン制御され、各リニアソレノイドバルブSL1〜SL5のアシスト圧入力ポートSL1e,SL2e,SL3e,SL4e,SL5eに油路a1〜a6を介して信号圧PS2が入力される。この際、スプール72が図4中下方位置(作動位置)に移動しているリニアソレノイドバルブおいては、アシスト油室75に信号圧PS2が入力されて、電磁部60の駆動軸63によるスプール72の押圧がアシストされる。なお、このアシスト中においては、電磁部60に対する通電を切って、消費電力を抑えるようにしてもよい。
一方、スプール72が図4中上方位置(非作動位置)にあるリニアソレノイドバルブおいては、アシスト圧入力ポートがランド部72aによって遮断されているため、アシスト油室75に信号圧PS2が作用せず、スプール72が移動することはない。
その後、再び摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)同士の掴み換え変速制御に移行する場合は、制御部によって信号ソレノイドバルブS2がオフ制御され、各リニアソレノイドバルブSL1〜SL5のアシスト圧入力ポートSL1e,SL2e,SL3e,SL4e,SL5e及び各アシスト油室75に対する信号圧PS2が該信号ソレノイドバルブS2から排出されるので、上記各係合圧PC1,PC2,PC3,PB1,PB2のコントロール制御状態に戻される。
ついで、本油圧制御装置1の変速制御の一例を図5に沿って説明する。例えば自動変速機3が前進4速段にされて走行している状態では、クラッチC−1の係合圧PC1がリニアソレノイドバルブSL1から出力され、かつ信号ソレノイドバルブS2から信号圧PS2が出力されているため、リニアソレノイドバルブSL1のアシスト油室75に信号圧PS2が入力されている。これにより、係合圧PC1は、リニアソレノイドバルブSL1の電磁部60でスプール72を下方に押圧した場合の油圧PAよりも、アシストされた分の油圧PBを加えた大きさの油圧で係合状態にある。
時点t1において、制御部が4−5アップシフト変速の変速開始を判断すると、信号ソレノイドバルブS2がオフ制御され、信号圧PS2が0圧になり、リニアソレノイドバルブSL1は、電磁部60によるコントロール状態となる。これにより、係合圧PC1はクラッチC−1を係合状態に維持されつつ直ぐにスリップないし解放し得る大きさに降下される。また、リニアソレノイドバルブSL3の電磁部60が制御されて、駆動軸63の駆動によりスプール72が移動制御され、係合圧PC3が係合直前の状態までガタ詰め(ファストフィル)される。
時点t2において、実際の変速開始が判断されると、時点t3までにおいて、リニアソレノイドバルブSL1の電磁部60の駆動制御によりスプール72が図4中上方側に移動制御され、係合圧PC1が下降されてクラッチC−1が解放されると共に、リニアソレノイドバルブSL3の電磁部60の駆動制御によりスプール72が図4中下方側に移動制御され、係合圧PC3が徐々に上昇されてクラッチC−3がスリップされつつ係合状態にされる。
そして、時点t4において、制御部が4−5変速制御の終了を判断すると、信号ソレノイドバルブS2がオン制御され、各リニアソレノイドバルブSL1〜SL5のアシスト圧入力ポートSL1e,SL2e,SL3e,SL4e,SL5eに対して信号圧PS2が入力される。この際、図4(b)に示すようにアシスト圧入力ポートSL3eとアシスト油室75が連通しているリニアソレノイドバルブSL3においては、スプール72が信号圧PS2でアシストされて、係合圧PC3は、リニアソレノイドバルブSL3の電磁部60でスプール72を下方に押圧した場合の油圧PAよりも、アシストされた分の油圧PBを加えた大きさの油圧で係合完了状態にされる。
このように変速制御の終了後に係合状態となるリニアソレノイドバルブSL3については、電磁部60だけによって大きな油圧(PA+PB)を出力する必要がなく、信号圧PS2のアシストによって大きな係合圧PC3が出力できるので、電磁部60の小型化や消費電力の低減を図ることができる。
一方、スプール72が図4(a)に示すようにスプール72が上方位置(非作動位置)にあるリニアソレノイドバルブSL1おいては、アシスト圧入力ポートSL1eがランド部72aによって遮断されているため、アシスト油室75に信号圧PS2が作用せず、スプール72が移動せず、つまり係合圧PC1は0圧のまま維持されて、クラッチC−1は解放状態に維持される。
以上説明したように、本油圧制御装置1によると、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5のバルブ部70のそれぞれが、スプール72が非作動位置(図4(a)参照)にある際に油路a1〜a6とアシスト油室75との間を遮断し、スプール72が作動位置(図4(b)参照)にある際に油路a1〜a6とアシスト油室75との間を連通するアシスト圧入力ポートSL1e,SL2e,SL3e,SL4e,SL5eを有しているので、例えば故障時に信号ソレノイドバルブS2から信号圧PS2が出力されたままの状態となっても、スプール72が非作動位置にあるリニアソレノイドバルブが作動位置に動作することがなく、また、スプール72が作動位置にあるリニアソレノイドバルブはそのまま作動位置に維持されるため、つまり故障が生じても解放中の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)が係合状態に、係合中の摩擦係合要素が解放状態に遷移することがなく、フェースセーフ状態を維持することができる。
また、スプール72が非作動位置にあるリニアソレノイドバルブのアシスト圧入力ポートに信号圧PS2を入力しても該スプール72が作動位置に動作することがなく、スプール72が作動位置にあるリニアソレノイドバルブにだけ信号圧PS2が作用するので、1つの信号ソレノイドバルブS2から出力される信号圧PS2を複数のリニアソレノイドバルブのアシスト圧入力ポートに入力することを可能とすることができ、言い換えると、複数のリニアソレノイドバルブに対して少数の信号ソレノイドバルブでアシストすることを可能とすることができる。
また、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5のバルブ部70のそれぞれが、スプール72が作動位置にある際にアシスト油室75との間を遮断し、スプール72が非作動位置にある際にアシスト油室75との間を連通して信号圧PS2を排出し得るアシスト圧排出ポートSL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5fを有しているので、スプール72が非作動位置にある際に確実にアシスト油室75の信号圧PS2を排出することができ、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5の誤動作を防止することができる。
更に、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5のバルブ部70のそれぞれは、スプール72が作動位置にある際にプランジャ82がスリーブ部材81の連通油路81aを遮断することでアシスト油室75とアシスト圧排出ポートSL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5fとの間を遮断し、スプール72が非作動位置にある際にプランジャ82がスリーブ部材81の連通油路81aを連通することでアシスト油室75とアシスト圧排出ポートSL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5fとの間を連通して信号圧PS2を排出するので、より確実にスプール72が非作動位置にある際に確実にアシスト油室75の信号圧PS2を排出することができ、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5の誤動作を防止することができる。
そして、信号ソレノイドバルブS2が、複数の摩擦係合要素の掴み換えを行う変速制御中にオフされ、変速制御が終了した後に信号圧PS2をアシスト圧として出力するので、変速制御中における摩擦係合要素の掴み換えに信号圧PS2の影響を与えることなく、精度良い変速制御を可能にするものでありながら、変速制御が終了した後は、スプール72が作動位置にあるリニアソレノイドバルブSL1〜SL5について、スプール72の作動位置への位置決めをアシストすることができ、各リニアソレノイドバルブSL1〜SL5における電磁部60の小型化や消費電力の低減を図ることができる。
なお、以上説明した本実施の形態においては、自動変速機3として前進6速段及び後進段を達成する多段式の変速機であるものを説明したが、例えば前進8速段を達成するような多段変速機であってもよく、勿論、変速段の段数はどのようなものであってもよい。
また、本実施の形態においては、自動変速機3が内燃エンジン2の回転を変速する車両に適用されたものを説明したが、これに限らず、モータ・ジェネレータを配設したハイブリッド車両に本自動変速機3を適用しても構わない。
また、本実施の形態において、全てのリニアソレノイドバルブSL1〜SL5に対して1本の信号ソレノイドバルブS2を備えたものを説明したが、これに限らず、複数の信号ソレノイドバルブでアシスト圧を出力するようにしてもよく、つまりリニアソレノイドバルブの数に比して信号ソレノイドバルブの数が少ないものであれば、そのうちの1つの信号ソレノイドバルブが複数のリニアソレノイドバルブにアシスト圧を出力することになるので、本発明の適用範囲内である。
また、本実施の形態においては、信号ソレノイドバルブS2をノーマルクローズタイプのものとして説明したが、これに限らず、ノーマルオープンタイプで構成しても構わない。
また、本実施の形態においては、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5をノーマルクローズタイプのものであるとして説明したが、ノーマルオープンタイプのものにあって、クローズ(係合圧の非出力)をアシストするような構造でも構わない。
1 油圧制御装置
3 自動変速機
31,32,33,34,35 油圧サーボ
60 電磁部
63 駆動軸
70 バルブ部
72 スプール
73 付勢部材(スプリング)
75 アシスト油室
81 スリーブ部材
81a 連通油路
81b 内周面
82 プランジャ
C−1,C−2,C−3 摩擦係合要素(クラッチ)
B−1,B−2 摩擦係合要素(ブレーキ)
C1,PC2,PC3,PB1,PB2 係合圧
S2 アシスト圧、信号圧
SL1,SL2,SL3,SL4,SL5 調圧バルブ(リニアソレノイドバルブ)
SL1e,SL2e,SL3e,SL4e,SL5e アシスト圧入力ポート
SL1f,SL2f,SL3f,SL4f,SL5f アシスト圧排出ポート
S2 アシスト圧出力バルブ、オン・オフソレノイドバルブ(信号ソレノイドバルブ)
a1,a2,a3,a4,a5,a6 アシスト圧供給油路

Claims (4)

  1. 駆動軸を軸方向に移動駆動する電磁部と、前記駆動軸により押圧移動されるスプール及び該スプールを前記駆動軸に向けて付勢する付勢部材を有するバルブ部と、を備え、前記電磁部が前記スプールを前記付勢部材の付勢力に抗して押圧移動することで、入力された油圧を摩擦係合要素を係合操作する油圧サーボに供給する係合圧に調圧して出力する調圧バルブを複数備えた自動変速機の油圧制御装置において、
    アシスト圧をアシスト圧供給油路に出力し得るアシスト圧出力バルブを備え、
    前記調圧バルブのバルブ部のそれぞれは、
    前記アシスト圧を入力した際に前記スプールを前記電磁部の駆動軸による押圧方向に押圧作用させるアシスト油室と、
    前記アシスト圧供給油路に接続されると共に、前記スプールが前記駆動軸側の非作動位置にある際に前記アシスト圧供給油路と前記アシスト油室との間を遮断し、前記スプールが前記電磁部の駆動軸により前記付勢部材の付勢力に抗して押圧移動された作動位置にある際に前記アシスト圧供給油路と前記アシスト油室との間を連通するアシスト圧入力ポートと、を有する、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記調圧バルブのバルブ部のそれぞれは、
    前記スプールが前記作動位置にある際に前記アシスト油室との間を遮断し、前記スプールが前記非作動位置にある際に前記アシスト油室との間を連通して前記アシスト圧を排出し得るアシスト圧排出ポートを有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記調圧バルブのバルブ部のそれぞれは、
    前記駆動軸と前記スプールとの間に軸方向移動自在に配置され、前記スプールよりも小径に形成されたプランジャと、
    前記プランジャの外周側を覆うと共に該プランジャを摺動自在に支持する内周面と、前記アシスト圧排出ポートと該内周面とを連通する連通油路と、を備えたスリーブ部材と、を有し、
    前記スプールが前記作動位置にある際に前記プランジャが前記スリーブ部材の連通油路を遮断することで前記アシスト油室と前記アシスト圧排出ポートとの間を遮断し、前記スプールが前記非作動位置にある際に前記プランジャが前記スリーブ部材の連通油路を連通することで前記アシスト油室と前記アシスト圧排出ポートとの間を連通して前記アシスト圧を排出する、
    ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記アシスト圧出力バルブは、信号圧を出力し得るオン・オフソレノイドバルブであり、
    前記オン・オフソレノイドバルブは、前記複数の摩擦係合要素の掴み換えを行う変速制御中にオフされ、前記変速制御が終了した後に信号圧を前記アシスト圧として出力する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。
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