図1は本発明の一実施例としての動力伝達装置が組み込まれた自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2はオートマチックトランスミッション20の作動表を示す説明図であり、図3は油圧回路40の構成の概略を示す構成図である。
実施例の自動車10は、図1に示すように、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料の爆発燃焼により動力を出力する内燃機関としてのエンジン12と、エンジン12を運転制御するエンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)16と、エンジン12のクランクシャフト14に接続されると共に左右の車輪19a,19bの車軸18a,18bに接続されてエンジン12からの動力を車軸18a,18bに伝達する実施例の動力伝達装置と、を備える。
実施例の動力伝達装置は、図1に示すように、エンジン12からの動力を車軸18a,18bに伝達するトランスアクスル装置として構成されており、エンジン12のクランクシャフト14に接続された入力側のポンプインペラ24aと出力側のタービンランナ24bとからなるロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ24と、エンジン12からの動力により作動油を圧送する機械式オイルポンプ42(図3参照)と、トルクコンバータ24のタービンランナ24bに接続された入力軸21と車軸18a,18bにギヤ機構26とデファレンシャルギヤ28とを介して接続された出力軸22とを有し入力軸21に入力された動力を変速して出力軸22に出力する油圧駆動の有段のオートマチックトランスミッション20と、このオートマチックトランスミッション20を駆動するアクチュエータとしての油圧回路40と、オートマチックトランスミッション20(油圧回路40)を制御するオートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(ATECU)29と、車両全体をコントロールするメイン電子制御ユニット90とを備える。なお、メイン電子制御ユニット90には、シフトレバー91の操作位置を検出するシフトポジションセンサ92からのシフトポジションSPやアクセルペダル93の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ94からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル95の踏み込みを検出するブレーキスイッチ96からのブレーキスイッチ信号BSW,車速センサ98からの車速Vなどが入力されている。実施例では、シフトレバー91のシフトポジションとして、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行用の通常のドライブポジション(Dポジション)、アクセルオフ時にエンジンブレーキを作用させるローポジション(Lポジション)などが用意されている。また、メイン電子制御ユニット90は、エンジンECU16やATECU29と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU16やATECU29と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
オートマチックトランスミッション20は、6段変速の有段変速機として構成されており、シングルピニオン式の遊星歯車機構30とラビニヨ式の遊星歯車機構35と三つのクラッチC1,C2,C3と二つのブレーキB1,B2とワンウェイクラッチF1とを備える。シングルピニオン式の遊星歯車機構30は、外歯歯車としてのサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車としてのリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31はケースに固定されており、リングギヤ32は入力軸21に接続されている。ラビニヨ式の遊星歯車機構35は、外歯歯車の二つのサンギヤ36a,36bと、内歯歯車のリングギヤ37と、サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bとを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア39とを備え、サンギヤ36aはクラッチC1を介してシングルピニオン式の遊星歯車機構30のキャリア34に接続され、サンギヤ36bはクラッチC3を介してキャリア34に接続されると共にブレーキB1を介してケースに接続され、リングギヤ37は出力軸22に接続され、キャリア39はクラッチC2を介して入力軸21に接続されている。また、キャリア39は、ワンウェイクラッチF1によりその回転を一方向に規制されると共にワンウェイクラッチF1に対して並列的に設けられたブレーキB2によりその回転が自由にまたは禁止されるようになっている。
オートマチックトランスミッション20は、図2に示すように、クラッチC1〜C3のオンオフとブレーキB1,B2のオンオフにより前進1速〜6速と後進とニュートラルとを切り替えることができるようになっている。後進の状態は、クラッチC3とブレーキB2とをオンとすると共にクラッチC1,C2とブレーキB1とをオフとすることにより形成することができる。また、前進1速の状態は、クラッチC1をオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。この前進1速の状態では、エンジンブレーキ時には、ブレーキB2がオンとされる。前進2速の状態は、クラッチC1とブレーキB1とをオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB2とをオフとすることにより形成することができる。前進3速の状態は、クラッチC1,C3をオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進4速の状態は、クラッチC1,C2をオンとすると共にクラッチC3とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進5速の状態は、クラッチC2,C3をオンとすると共にクラッチC1とブレーキB1,B2とをオフとすることにより形成することができる。前進6速の状態は、クラッチC2とブレーキB1とをオンとすると共にクラッチC1,C3とブレーキB2とをオフとすることにより形成することができる。また、ニュートラルの状態は、ブレーキB2をオンとすると共にクラッチC1〜C3とブレーキB1とをオフとすることにより形成したり、クラッチC1〜C3とブレーキB1,B2をすべてオフとすることにより形成することができる。実施例では、前者によりニュートラルの状態を形成するものとした。こうする理由については後述する。
オートマチックトランスミッション20におけるクラッチC1〜C3のオンオフとブレーキB1,B2のオンオフは、油圧回路40により行なわれる。油圧回路40は、図3に示すように、エンジン12からの動力により駆動する機械式オイルポンプ42からストレーナ41を介して圧送された作動油を調圧してライン圧PLを生成するレギュレータバルブ44と、ライン圧PLから図示しないモジュレータバルブを介して生成されるモジュレータ圧PMODを調圧して信号圧として出力することによりレギュレータバルブ44を駆動するリニアソレノイドSLTと、ライン圧PLを入力する入力ポート46aとD(ドライブ)ポジション用出力ポート46bとR(リバース)ポジション用出力ポート46cなどが形成されシフトレバー91がDポジションに操作されているときには入力ポート46aとDポジション用出力ポート46bとを連通すると共に入力ポート46aとRポジション用出力ポート46cとの連通を遮断しRポジションに操作されているときには入力ポート46aとDポジション用出力ポート46bとの連通を遮断すると共に入力ポート46aとRポジション用出力ポート46cとを連通しNポジションに操作されているときには入力ポート46aとDポジション用出力ポート46bおよびRポジション用出力ポート46cとの連通を遮断するマニュアルバルブ46と、Dポジション用出力ポート46bからの出力圧であるドライブ圧PDを入力し調圧して出力するノーマルクローズ型のリニアソレノイドSLC1と、Dポジション用出力ポート46bからのドライブ圧PDを入力し調圧して出力するノーマルクローズ型のリニアソレノイドSLC2と、ライン圧PLを入力し調圧してクラッチC3に出力するノーマルオープン型のリニアソレノイドSLC3と、Dポジション用出力ポート46bからのドライブ圧PDを入力し調圧してブレーキB1に出力するノーマルクローズ型のリニアソレノイドSLB1と、機械式オイルポンプ42とストレーナ41との間の油路43に接続された吸入ポート102を介して作動油を吸入し吐出ポート104から吐出する電磁ポンプ100と、リニアソレノイドSLC1からの出力圧であるSLC1圧のクラッチC1への供給と遮断とを切り替えると共に電磁ポンプ100から圧送された油圧をクラッチC1に接続された油路48かブレーキB2に接続された油路78かのいずれか一つに選択的に出力する切替バルブ50と、油路48に接続されたアキュムレータ49と、リニアソレノイドSLC2からの出力圧であるSLC2圧を入力してクラッチC2に接続された油路68か他方の油路69かのいずれか一つに選択的に出力するC2リレーバルブ60と、C2リレーバルブ60から油路69に出力された油圧かマニュアルバルブ46のRポジション用出力ポート46cからの出力圧であるリバース圧PRかのいずれか一つを選択的に入力してブレーキB2に接続された油路78に出力するB2リレーバルブ70と、ライン圧PLからモジュレータバルブを介して入力されたモジュレータ圧PMODを用いてC2リレーバルブ60に駆動用の信号圧を出力するためのノーマルオープン型のオンオフソレノイドS1と、ライン圧PLからモジュレータバルブを介して入力されたモジュレータ圧PMODを用いてB2リレーバルブ70に駆動用の信号圧を出力するためのノーマルクローズ型のオンオフソレノイドS2などにより構成されている。ここで、図2の作動表に示すように、リバースはオンオフソレノイドS1をオンとすることにより形成され、ニュートラルはリニアソレノイドSLC3とオンオフソレノイドS1,S2とをオンとすることにより形成され、前進1速はリニアソレノイドSLC1〜SLC3をオンとしエンジンブレーキ時には更にオンオフソレノイドS2をオンとすることにより形成され、前進2速はリニアソレノイドSLC1,SLC3,SLB1とオンオフソレノイドS1とをオンとすることにより形成され、前進3速はリニアソレノイドSLC1とオンオフソレノイドS1とをオンとすることにより形成され、前進4速はリニアソレノイドSLC1〜SLC3とオンオフソレノイドS1とをオンとすることにより形成され、前進5速はリニアソレノイドSLC2とオンオフソレノイドS1とをオンとすることにより形成され、前進6速はリニアソレノイドSLC2,SLC3,SLB1とオンオフソレノイドS1とをオンとすることにより形成される。なお、リニアソレノイドSLC3とオンオフソレノイドS1は、前述したように、ノーマルオープン型のソレノイドとして構成されているから、オフされたときに油圧が出力されオンされたときには油圧は出力されない。
切替バルブ50は、ライン圧PLを信号圧として入力する信号圧用入力ポート52aとリニアソレノイドSLC1からのSLC1圧を入力する入力ポート52bと電磁ポンプ100からの吐出圧を入力する入力ポート52cとクラッチC1の油路48に接続された出力ポート52dとブレーキB2の油路78に逆止弁58を介して接続された出力ポート52eの各種ポートが形成されたスリーブ52と、スリーブ52内を軸方向に摺動するスプール54と、スプール54を軸方向に付勢するスプリング56とにより構成されている。この切替バルブ50は、ライン圧PLが信号圧用入力ポート52aに入力されているときには、スプリング56の付勢力に打ち勝ってスプール54が図中左半分の領域に示す位置に移動し、入力ポート52bと出力ポート52dとを連通し入力ポート52cと出力ポート52dとの連通を遮断し入力ポート52cと出力ポート52eとを連通することにより、リニアソレノイドSLC1のSLC1圧をクラッチC1に作用させると共に電磁ポンプ100からの吐出圧をブレーキB2に作用させることができる。一方、ライン圧PLが信号圧用入力ポート52aに入力されていないときには、スプリング56の付勢力によりスプール54が図中右半分の領域に示す位置に移動し、入力ポート52bと出力ポート52dとの連通を遮断し入力ポート52cと出力ポート52dとを連通し入力ポート52cと出力ポート52eとの連通を遮断することにより、電磁ポンプ100からの吐出圧をクラッチC1に作用させることができる。
C2リレーバルブ60は、オンオフソレノイドS1からの出力圧であるS1圧をB2リレーバルブ70を介して信号圧として入力する信号圧用入力ポート62aとリニアソレノイドSLC2からの出力圧であるSLC2圧を入力する入力ポート62bとクラッチC2の油路68に接続された出力ポート62cとB2リレーバルブ70と連結する油路69に接続された出力ポート62dとドレンポート62eとが形成されたスリーブ62と、スリーブ62内を軸方向に摺動するスプール64と、スプール64を軸方向に付勢するスプリング66とにより構成されている。このC2リレーバルブ60は、オンオフソレノイドS1から信号圧用入力ポート62aに信号圧が入力されていないときには、スプリング66の付勢力によりスプール64が図中左半分の領域に示す位置に移動し、入力ポート62bと出力ポート62cとを連通すると共に入力ポート62bと出力ポート62dとの連通を遮断することにより、リニアソレノイドSLC2のSLC2圧をクラッチC2に作用させることができる。一方、オンオフソレノイドS1から信号圧用入力ポート62aに信号圧が入力されているときには、この信号圧がスプリング66の付勢力に打ち勝ってスプール66が図中右半分の領域に示す位置に移動し、入力ポート62bと出力ポート62cとの連通を遮断すると共に入力ポート62bと出力ポート62dとを連通することにより、リニアソレノイドSLC2からのSLC2圧を油路69を介してB2リレーバルブ70に供給することができる。なお、入力ポート62bと出力ポート62cとの連通が遮断されると、これに伴って出力ポート62cとドレンポート62eとが連通し、クラッチC2内の作動油がドレンポート62eを介してドレンされるようになっている。
B2リレーバルブ70は、オンオフソレノイドS2からの出力圧であるS2圧を信号圧として入力する信号圧用入力ポート72aとオンオフソレノイドS1からのS1圧を信号圧としてこのB2リレーバルブ70を介してC2リレーバルブ60の信号圧用入力ポート62aに出力するための信号圧用入力ポート72bおよび信号圧用出力ポート72cとマニュアルバルブ46のRポジション用出力ポート46cからのリバース圧PRを入力する入力ポート72dとC2リレーバルブ60の出力ポート62dからの出力圧を入力する入力ポート72eとブレーキB2の油路78に接続された出力ポート72fとが形成されたスリーブ72と、スリーブ72内を軸方向に摺動するスプール74と、スプール74を軸方向に付勢するスプリング76とにより構成されている。このB2リレーバルブ70は、オンオフソレノイドS2から信号圧用入力ポート72aに信号圧が入力されていないときには、スプリング76の付勢力によりスプール74が図中左半分の領域に示す位置に移動し、信号圧用入力ポート72bを閉塞してC2リレーバルブ60の信号圧用入力ポート62aへの信号圧の伝達を遮断し入力ポート72dと出力ポート72fとを連通し入力ポート72eと出力ポート72fとの連通を遮断することにより、マニュアルバルブ45のRポジション用出力ポート46cからのリバース圧PRをブレーキB2に作用させることができる。一方、オンオフソレノイドS2から信号圧用入力ポート72aに信号圧が入力されているときには、この信号圧がスプリング76の付勢力に打ち勝ってスプール74が図中右半分の領域に示す位置に移動し、S1信号圧用入力ポート72bとS1信号圧用出力ポート72cとを連通してオンオフソレノイドS1からの信号圧を信号圧用入力ポート72bおよび信号圧用出力ポート72cを介してC2リレーバルブ60の信号圧用入力ポート62aに出力可能な状態とし入力ポート72dと出力ポート72fとの連通を遮断し入力ポート72eと出力ポート72fとを連通することにより、C2リレーバルブ60と連結する油路69からの油圧をブレーキB2に作用させることができる。後者の場合、C2リレーバルブ60では、オンオフソレノイドS1からの信号圧が信号圧用入力ポート62aに入力されているときには、リニアソレノイドSLC2からのSLC2圧を油路69に出力するから、リニアソレノイドSLC2からのSLC2圧をブレーキB2に作用させてブレーキB2を係合することができる。
こうして構成された実施例の自動車10では、シフトレバー91を「D(ドライブ)」の走行ポジションとして走行しているときに、車速Vが値0,アクセルオフ,ブレーキスイッチ信号BSWがオンなど予め設定された自動停止条件の全てが成立したときにエンジン12を自動停止する。エンジン12が自動停止されると、その後、ブレーキスイッチ信号BSWがオフなど予め設定された自動始動条件が成立したときに自動停止したエンジン12を自動始動する。
実施例の自動車10では、シフトレバー91がDポジションに操作されている状態で自動停止条件が成立してエンジン12が自動停止したときには、これに伴って機械式オイルポンプ42も停止するから、ライン圧PLが抜け、切替バルブ50のスプール54はリニアソレノイドSLC1の出力ポートとクラッチC1の油路48との接続を遮断すると共にこのクラッチC1の油路48と電磁ポンプ100の吐出ポート104とを接続する。したがって、電磁ポンプ100から作動油を圧送することにより、クラッチC1に油圧を作用させることができる。次に、自動始動条件が成立して停止しているエンジン12が自動始動されると、これに伴って機械式オイルポンプ42が作動することによりライン圧PLが生成し、切替バルブ50のスプール54はリニアソレノイドSLC1の出力ポートとクラッチC1の油路48とを接続すると共にこのクラッチC1の油路48と電磁ポンプ100の吐出ポート104との接続を遮断する。このとき、マニュアルバルブ46の入力ポート46aに入力されるライン圧PLはDポジション用出力ポート46bから出力されるから、Dポジション用出力ポート46bからの油圧(ドライブ圧PD)をリニアソレノイドSLC1により調圧してクラッチC1に供給することにより、クラッチC1を完全に係合して車両を発進させることができる。このようにエンジン12が自動停止している最中に電磁ポンプ100を駆動してクラッチC1に油圧を作用させておくことにより、エンジン12が自動始動した直後にリニアソレノイドSLC1によりクラッチC1を迅速に係合させることができるから、エンジン12の自動始動を伴う発進をスムーズに行なうことができる。なお、実施例では、電磁ポンプ100の圧送性能がクラッチC1のピストンとドラムとの間に設けられたシールリングなどから漏れ出る量だけ作動油が補充できる程度となるよう設計するものとした。
また、実施例の自動車10では、エンジン12が運転している最中にシフトレバー91がNポジションに操作されたときには、ライン圧PLにより切替バルブ50のスプール54は電磁ポンプ100の吐出ポート104とブレーキB2の油路78とを接続するから、電磁ポンプ100を駆動することによりブレーキB2に油圧を作用させることができる。実施例では、ピストン(図示せず)がストロークして摩擦板(図示せず)に接触する程度の油圧をブレーキB2に作用させるものとした。なお、ノーマルオープン型のリニアソレノイドSLC3への通電はオンされ、クラッチC3はオフとされる。この状態でシフトレバー91がNポジションからRポジションに操作されると、マニュアルバルブ46では入力ポート46aに入力されるライン圧PLがRポジション用出力ポート46cから出力されるから、オンオフソレノイドS2によりB2リレーバルブ70を入力ポート72dと出力ポート72fとを連通させてRポジション用出力ポート46cとブレーキB2の油路78とを接続することにより、Rポジション用出力ポート46cから出力される油圧(リバース圧PR)をブレーキB2に作用させることができる。また、ノーマルオープン型のリニアソレノイドSLC3への通電をオンからオフとすることにより、ライン圧PLをクラッチC3に作用させることができる。これにより、クラッチC3が係合されてRポジションが形成される。このように、シフトレバー91がNポジションのときに電磁ポンプ100によりブレーキB2に油圧を作用させておけば、シフトレバー91がNポジションからRポジションに操作されて電磁ポンプ100からの吐出圧に代えてマニュアルバルブ46のRポジション用出力ポート46cからのリバース圧PRをブレーキB2に供給されたときにブレーキB2を素早く係合することができるから、シフト操作に対する応答性を向上させることができる。なお、シフトレバー91がNポジションにあるときには、ブレーキB2を完全に係合する必要はないから、比較的圧送能力が低い電磁ポンプ100でも十分にその役割を果たすことができる。
以上説明した実施例の動力伝達装置によれば、切替バルブ50を用いて、リニアソレノイドSLC1の出力ポートとクラッチC1の油路48との接続と遮断とを切り替えると共に電磁ポンプ100の吐出ポート104とクラッチC1の油路48かブレーキB2の油路78かのいずれかとの接続を切り替えることにより、シフトレバー91がDポジションでエンジン12が自動停止している最中に前進1速を形成するクラッチC1に油圧を作用させることができ、シフトレバー91がNポジションのときにその後にRポジションに操作されたときに備えてRポジションを形成するクラッチC3とブレーキB2のうちブレーキB2に油圧を作用させることができる。この結果、電磁ポンプ100を効率的に作動させて必要なバルブの数を減らすことができ、装置全体をより小型化することができる。また、電磁ポンプ100を効率的に作動させることことにより、機械式オイルポンプ42の負荷を低減できるから、エネルギ効率の向上を図ることができる。
実施例の動力伝達装置では、シフトレバー91がDポジションでエンジン12が運転している最中にクラッチC1に油圧を作用させるためのリニアソレノイドSLC1と、シフトレバー91がDポジションでエンジン12が自動停止している最中にクラッチC1に油圧を作用させシフトレバー91がNポジションのときにブレーキB2に油圧を作用させるための電磁ポンプ100とを備えるものとしたが、図4の変形例の油圧回路40Bに示すように、これらを一体とするものとしてもよい。なお、変形例の油圧回路40Bが備える各構成のうち実施例の油圧回路40と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は重複するから省略する。変形例の油圧回路40Bは、実施例の油圧回路40におけるリニアソレノイドSLC1と電磁ポンプ100と切替バルブ50とに代えて、リニアソレノイドとして機能する調圧バルブ部120と電磁ポンプとして機能するポンプ部130とを有する電磁弁100Bと、調圧バルブ部120の出力ポート122bとクラッチC1の油路48との接続と遮断とを切り替えると共にポンプ部130の吐出ポート132bとクラッチC1の油路48かブレーキB2の油路78かのいずれかとの接続を切り替える切替バルブ150と、を備える。図5は、電磁弁100Bの構成の概略を示す構成図である。
電磁弁100Bは、ソレノイド部110と、このソレノイド部110により駆動されてマニュアルバルブ46のDポジション用出力ポート46bからの油圧(ドライブ圧PD)を入力し調圧して出力する調圧バルブ部120と、同じくソレノイド部110により駆動されて作動油を圧送するポンプ部130とを備える。
ソレノイド部110は、底付き円筒部材としてのケース111と、ケース111の内周側に配置され絶縁性のボビンに絶縁導線が巻回されてなるコイル(ソレノイドコイル)112と、ケース111の開口端部にフランジ外周部が固定されたフランジ部114aとフランジ部114aからコイル112の内周面に沿って軸方向に延伸された円筒部114bとからなる第1のコア114と、ケース111の底部に形成された凹部の内周面と接触すると共にコイル112の内周面に沿って第1のコア114の円筒部114bと所定間隔を隔てた位置まで軸方向に延伸された円筒状の第2のコア115と、第2のコア115に挿入され第1のコア114の内周面および第2のコア115の内周面を軸方向に摺動可能なプランジャ116と、第1のコア114の円筒部114bに挿入されプランジャ116の先端に当接すると共に円筒部114bの内周面を軸方向に摺動可能なシャフト118とを備える。また、ソレノイド部110は、コイル112からの端子がケース111の外周部に形成されたコネクタ部119に配策されており、この端子を介してコイル112への通電が行なわれる。ケース111と第1のコア114と第2のコア115とプランジャ116は、いずれも純度の高い鉄などの強磁性材料により形成されており、第1のコア114の円筒部114bの端面と第2のコア115の端面との間の空間は、非磁性体として機能するよう形成されている。なお、この空間は、非磁性体として機能させればよいから、ステンレススチールや黄銅などの非磁性金属を設けるものとしても構わない。ソレノイド部110では、コイル112に通電すると、ケース111,第2のコア115,プランジャ116,第1のコア114,ケース111の順にコイル112の周囲を周回するよう磁束が流れる磁気回路が形成され、これにより第1のコア114とプランジャ116との間に吸引力が作用してプランジャ116が吸引される。前述したように、プランジャ116の先端には第1のコア114の内周面を軸方向に摺動可能なシャフト118が当接されているから、プランジャ116の吸引に伴ってシャフト118は前方(図中左方向)に押し出される。
調圧バルブ部120とポンプ部130は、その共用の部材として、バルブボディ101に組み込まれ一端がソレノイド部110のケース111により第1のコア114に取り付けられた略円筒状のスリーブ122と、スリーブ122の内部空間に挿入され一端がソレノイド部110のシャフト118の先端に当接されたスプール124と、スリーブ122の他端にネジ止めされたエンドプレート126と、スプール124をソレノイド部110側の方向へ付勢するスプリング128とを備える。
スリーブ122は、調圧バルブ部120を形成する領域の開口部としては、マニュアルバルブ45のDポジション用出力ポート45bからの作動油を入力する入力ポート122aと、クラッチC1側に入力した作動油を吐出する出力ポート122bと、入力した作動油をドレンするドレンポート122cと、出力ポート122bから出力される作動油をバルブボディ101の内面とスリーブ122の外面とにより形成された油路122eを介して入力してスプール124にフィードバック力を作用させるフィードバックポート122dとが形成されている。また、スリーブ122のソレノイド部110側の端部には、スプール124の摺動に伴ってスリーブ122の内周面とスプール124の外周面との間から漏れ出た作動油を排出するための排出孔122fも形成されている。また、スリーブ122は、ポンプ部130を形成する領域の開口部としては、作動油を吸入する吸入ポート132aと、吸入した作動油を吐出する吐出ポート132bと、ポンプ部130の機能を停止したときに残存している作動油を排出するドレンポート132cとが形成されている。
スプール124は、スリーブ122の内部に挿入される軸状部材として形成されており、スリーブ122の内壁を摺動可能な円柱状の三つのランド124a,124b,124cと、ランド124aとランド124bとの間を連結しランド124a,124bの外径よりも小さな外径で且つ互いのランド124a,124bから中央部に向かうほど外径が小さくなるようテーパ状に形成され入力ポート122aと出力ポート122bとドレンポート122cの各ポート間を連通可能な連通部123aと、ランド124bとこれよりも外径が小さなランド124cとの間を連結しスリーブ122の内壁と共にスプール124に対してソレノイド部110側の方向にフィードバック力を作用させるためのフィードバック室を形成する連結部123bと、三つのランド124a,124b,124cとこれらを連結する連通部123aおよび連結部123bとからなる本体とは別体としてランド124cに接続された吸入用逆止弁134と、吸入用逆止弁134とエンドプレート126との間に介在する吐出用逆止弁136と、を備え、スリーブ122とスプール124の連通部123aとランド124a,124bとにより調圧室121を形成し、スリーブ122とスプール124の吸入用逆止弁134と吐出用逆止弁136とによりポンプ室131を形成する。
ポンプ部130の吸入用逆止弁134は、ランド124cと連結され中央にポンプ室131と吸入ポート132aとを連通する開口部133が形成された円筒状の本体134aと、ボール134bと、このボール134bを本体134aの開口部133に押し付けるスプリング134cとを備え、ポンプ室131内が正圧のときにスプリング134cの付勢力により開口部133を閉塞して閉弁しポンプ室131内が負圧のときにスプリング134cの収縮を伴って開口部133を開放して開弁する。一方、吐出用逆止弁136も、スプリング128と吸入用逆止弁134のスプリング134cとを受けるスプリング受けとして機能すると共に中央に吐出ポート132bとを連通する開口部135が形成された円筒状の本体136aと、ボール136bと、エンドプレート126をスプリング受けとしてボール136bを本体136aの開口部135に押し付けるスプリング136cとを備え、ポンプ室131内が負圧のときにスプリング136cの付勢力により開口部135を閉塞して閉弁しポンプ室131内が正圧のときにスプリング136cの収縮を伴って開口部135を開放して開弁する。したがって、ソレノイド部110のコイル112への通電をオンからオフしたときにはスプリング136cおよびスプリング128の付勢力によりスプール124をソレノイド部110側に移動させることによりポンプ室131内を負圧として作動油を吸入用逆止弁134を介して吸入ポート132aからポンプ室131内に吸入し、ソレノイド部110のコイル112への通電をオフからオンしたときにはソレノイド部110からの推力によりスプール124をエンドプレート126側に移動させることによりポンプ室131内を正圧として吸入した作動油を吐出用逆止弁136を介して吐出ポート132bから吐出することができる。
次に、電磁弁100Bの動作すなわちリニアソレノイドとして機能する際の動作と電磁ポンプとして機能する動作について説明する。まず、リニアソレノイドとして機能する際の動作について説明する。いま、コイル112への通電がオフされている場合を考える。この場合、スプール124はスプリング128,134c,136cの付勢力によりソレノイド部110側へ移動しているから、ランド124bにより入力ポート122aが閉塞されると共に連通部123aを介して出力ポート122bとドレンポート122cとが連通された状態となる。したがって、クラッチC1には油圧は作用しない。コイル112への通電がオンされると、コイル112に印加される電流の大きさに応じた吸引力で第1のコア114にプランジャ116が吸引され、これに伴ってシャフト118が押し出されてシャフト118の先端に当接されたスプール124がエンドプレート126側に移動する。これにより、入力ポート122aと出力ポート122bとドレンポート122cとが互いに連通した状態となり、入力ポート122aから入力された作動油は一部が出力ポート122bに出力されると共に残余がドレンポート122cに出力される。また、フィードバックポート122dを介してフィードバック室に作動油が供給され、スプール124には出力ポート122bの出力圧に応じたフィードバック力がソレノイド部110側の方向に作用する。したがって、スプール124は、プランジャ116の推力(吸引力)とスプリング128のバネ力とフィードバック力とが丁度釣り合う位置で停止することになる。この際、コイル112に印加される電流が大きくなるほど、即ちプランジャ116の推力が大きくなるほど、スプール124がエンドプレート126側に移動し、入力ポート122aの開口面積を広げると共にドレンポート122cの開口面積を狭める。コイル112への通電が最大となると、スプール124はプランジャ116の可動範囲の最もエンドプレート126側に移動し、連通部123aにより入力ポート122aと出力ポート122bとが連通されると共にランド124aによりドレンポート122cが閉塞されて出力ポート122bとドレンポート122cとが遮断される。これにより、クラッチC1には最大油圧が作用することになる。このように、実施例の電磁弁20では、コイル112への通電がオフされている状態で入力ポート122aを遮断すると共に出力ポート122bとドレンポート122cとを連通するから、ノーマルクローズ型の電磁弁として機能することがわかる。
続いて、電磁弁100Bを電磁ポンプとして機能させる場合の動作について説明する。いま、コイル112への通電がオンされている状態からオフされた場合を考える。この場合、スプール124はエンドプレート126側からソレノイド部110側へ移動するから、ポンプ室131内は負圧となり、吸入用逆止弁134が開弁すると共に吐出用逆止弁136が閉弁して作動油を吸入用逆止弁134を介して吸入ポート132aからポンプ室131内に吸入する。この状態からコイル112への通電をオンすると、スプール124はソレノイド部110側からエンドプレート126側に移動するから、ポンプ室131内は正圧となり、吸入用逆止弁134が閉弁すると共に吐出用逆止弁136が開弁してポンプ室131内に吸入した作動油を吐出用逆止弁136を介して吐出ポート132bから吐出する。このように、コイル112への通電のオンとオフとを繰り返す矩形波電流を印加(以下、これを矩形波電流制御という)することにより、電磁弁100Bを作動油を圧送する電磁ポンプとして機能させることができる。以上、電磁弁100Bについての詳細を説明した。
切替バルブ150は、ライン圧PLを信号圧として入力する信号圧用入力ポート152aとストレーナ41と機械式オイルポンプ42との間の油路43に接続された入力ポート152bとポンプ部130の吸入ポート132aに接続された出力ポート152cとドレンポート152dと調圧バルブ部120の出力ポート122bに接続された入力ポート152eとポンプ部130の吐出ポート132bに接続された入力ポート152fとクラッチC1の油路48に接続された出力ポート152gとポンプ部130のドレンポート132cに接続された入力ポート152iとブレーキB2の油路78に接続された出力ポート152hの各種ポートが形成されたスリーブ152と、スリーブ152内を軸方向に摺動するスプール154と、スプール154を軸方向に付勢するスプリング156とにより構成されている。この切替バルブ150は、ライン圧PLが信号圧用入力ポート152aに入力されているときには、スプリング156の付勢力に打ち勝ってスプール154が図中右半分の領域に示す位置に移動し、入力ポート152eと出力ポート152gとを連通し入力ポート152fと出力ポート152gとの連通を遮断し入力ポート152fと出力ポート152hとを連通することにより、調圧バルブ部120の出力ポート122bにクラッチC1の油路48を接続すると共にポンプ部130の吐出ポート132bにブレーキB2の油路78を接続する。このとき、入力ポート152bと出力ポート152cとの連通が遮断すると共に出力ポート152cとドレンポート152dとが連通することによりポンプ部130の吸入ポート132aに作動油が供給されないようになり、入力ポート152iとドレンポート152jとが連通することによりポンプ部130のドレンポート132cから作動油がドレンされるようになっている。一方、ライン圧PLが信号圧用入力ポート152aに入力されていないときには、スプリング156の付勢力によりスプール154が図中左半分の領域に示す位置に移動し、入力ポート152bと出力ポート152cとを連通し入力ポート152eと出力ポート152gとの連通を遮断し入力ポート152fと出力ポート152gとを連通し入力ポート152fと出力ポート152hとの連通を遮断し入力ポート152iとドレンポート152jとの連通を遮断することにより、ストレーナ41と機械式オイルポンプ42との間の油路43に切替バルブ150を介してポンプ部130の吸入ポート132aを接続しポンプ部130の吐出ポート132bにクラッチC1の油路48を接続する。
これにより、切替バルブ150を用いて、調圧バルブ部120の出力ポート122bとクラッチC1の油路48との接続と遮断とを切り替えると共にポンプ部130の吐出ポート132bとクラッチC1の油路48かブレーキB2の油路78かのいずれかとの接続を切り替えることができ、実施例と同様の効果を奏することができる。また、リニアソレノイドと電磁ポンプとを一体化することにより、一つのソレノイド部110で調圧バルブ部120とポンプ部130とを作動させるから、装置全体をさらに小型化することができる。なお、この変形例の電磁弁100Bでは、調圧バルブ部120をノーマルクローズ型として構成するものとしたが、ノーマルオープン型として構成するものとしてもよい。また、変形例の電磁弁100Bでは、吸入用逆止弁132と吐出用逆止弁134とをスリーブ122内に内蔵するものとしたが、いずれか一方をスリーブ122外のバルブボディ101に組み込むものとしてもよいし、両方をバルブボディ101に組み込むものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置では、切替バルブ50をライン圧PLを用いて駆動するものとしたが、ライン圧PLを図示しないモジュレータバルブを介して降圧したモジュレータ圧PMODを用いて駆動するものとしてもよいし、ライン圧PLやモジュレータ圧がソレノイドバルブを介して切替バルブ50に供給されるようにしてこのソレノイドバルブを用いて駆動するものとしても構わない。
実施例の動力伝達装置では、前進1速〜6速の6段変速のオートマチックトランスミッション20を組み込むものとしたが、これに限定されるものではなく、4段変速や5段変速,8段変速など、如何なる段数の自動変速機を組み込むものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「原動機」に相当し、クラッチC1が「第1のクラッチ」に相当し、ブレーキB2が「第2のクラッチ」に相当し、クラッチC3が「第3のクラッチ」に相当し、機械式オイルポンプ42が「第1のポンプ」に相当し、電磁ポンプ100が「第2のポンプ」に相当し、切替バルブ50が「切替バルブ」に相当する。また、電磁弁100Bのポンプ部130も「第2のポンプ」に相当し、電磁弁100Bの入力ポート122aや出力ポート122b,ドレンポート122c,フィードバックポート122dが「第1のポート群」に相当し、電磁弁100の吸入ポート132aや吐出ポート132b,ドレンポート132cが「第2のポート群」に相当し、リニアソレノイドSLC1が「調圧バルブ」に相当する。また、切替バルブ150も「切替バルブ」に相当する。また、リニアソレノイドSLC2が「第2の調圧バルブ」に相当する。ここで、「原動機」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど、如何なるタイプの内燃機関であっても構わないし、内燃機関以外の電動機など、動力を出力可能なものであれば如何なるタイプの原動機であっても構わない。「第2のポンプ」としては、電磁力により作動油を圧送する電磁ポンプに限定されるものではなく、電動機からの動力により作動油を圧送する電動ポンプなど、電力の供給を受けて駆動して流体圧を発生させるものであれば如何なるタイプのポンプであっても構わない。また、「第2のポンプ」としては、前進1速を形成するクラッチC1に作動流体を圧送するものに限定されるものではなく、例えば、運転者の指示や走行状態などにより発進時の変速段が前進1速以外の変速段(前進2速など)に設定されたときにその変速段を形成するクラッチやブレーキに作動油を圧送するものとするなどとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。