JP5195343B2 - 動力伝達装置およびこれを搭載する車両 - Google Patents

動力伝達装置およびこれを搭載する車両 Download PDF

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本発明は、動力伝達装置およびこれを搭載する車両に関し、詳しくは、入力軸が原動機の出力軸に接続されると共に出力軸が車両の車軸側に接続され、クラッチの係合状態を切り替えることにより前記入力軸に入力される動力を前記出力軸に伝達する動力伝達装置およびこれを搭載する車両に関する。
従来、この種の車両としては、自動停止と自動始動とが可能なエンジンとエンジンからの動力を伝達する自動変速機とを搭載し、この自動変速機が備える油圧駆動のクラッチやブレーキを係合するための油圧を発生させるポンプとして、エンジンからの動力により駆動する機械式オイルポンプと、バッテリからの電力の供給を受けて駆動する電動オイルポンプとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、車両の停車によりエンジンが自動停止したときには機械式オイルポンプに代えて電動オイルポンプを駆動して前進1速を形成するクラッチC1を係合直前の状態に保持することにより、ドライバからの発進要求によりエンジンを再始動しクラッチC1を係合して発進する際のクラッチC1の係合の遅れを防止することができるとしている。
特開2003−74689号公報
上述したタイプの自動変速機の駆動装置では、電動オイルポンプは、通常、機械式オイルポンプと並列に設けられ、電動オイルポンプと機械式オイルポンプのいずれかからオイルを圧送することによりライン圧を生成して油圧回路全体に供給し、油圧回路中のライン圧を調圧バルブにより調圧してから対応するクラッチやブレーキに供給している。このため、電動オイルポンプには比較的高い圧送能力が要求されるから、電動オイルポンプの体格が大きくなり、ひいては装置全体の大型化を招く。
本発明の動力伝達装置およびこれを搭載する車両は、原動機からの動力の伝達を適正に行なうと共に装置の小型化を図ることを主目的とする。
本発明の動力伝達装置およびこれを搭載する車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力伝達装置は、
入力軸が原動機の出力軸に接続されると共に出力軸が車両の車軸側に接続され、クラッチの係合状態を切り替えることにより前記入力軸に入力される動力を前記出力軸に伝達する動力伝達装置であって、
作動流体を貯留する貯留部と、
前記作動流体をろ過するストレーナと、
前記原動機からの動力により前記貯留部に貯留されている作動流体を前記ストレーナを介して吸引することにより流体圧を発生させて前記クラッチに供給する機械式ポンプと、
電力の供給を受けて駆動し、前記ストレーナと前記機械式ポンプとを連結する流路に接続され、前記ストレーナによりろ過された作動流体を吸引することにより流体圧を発生させて前記クラッチに供給する電磁ポンプと、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力伝達装置では、原動機からの動力により貯留部に貯留されている作動流体をストレーナを介して吸引することにより流体圧を発生させてクラッチに供給する機械式ポンプと、電力の供給を受けて駆動しストレーナと機械式ポンプとを連結する流路に接続されてストレーナによりろ過された作動流体を吸引することにより流体圧を発生させてクラッチに供給する電磁ポンプとを設ける。これにより、装置全体を小型化することができる。また、電磁ポンプに吸引する作動流体はストレーナと機械式ポンプとを連結する流路内におけるストレーナでろ過された作動流体を用いるから、異物の噛み込みによるポンプ部のスティックなどの不具合の発生をより確実に抑制することができる。さらに、原動機から動力の出力が開始されるのに先だって電磁ポンプからクラッチに流体圧を作用させておくものとすれば、原動機の動力による機械式ポンプの作動開始により原動機からの動力の伝達を素早く開始させることができる。これらの結果、原動機からの動力の伝達を適正に行なうことができる。ここで、「原動機」には、自動停止と自動始動とが可能な内燃機関が含まれる他、電動機なども含まれる。また、「クラッチ」には、二つの回転系を接続する通常のクラッチが含まれる他、一つの回転系をケースなどの固定系に接続するブレーキも含まれる。
こうした本発明の動力伝達装置において、前記機械式ポンプにより発生した流体圧を調圧を伴って前記クラッチに供給する調圧バルブを備え、前記調圧バルブおよび前記電磁ポンプは、一体型の電磁弁として構成されており、各種ポートが形成された中空のスリーブと、該スリーブに挿入される軸状部材であって軸方向に摺動することにより前記各種ポートを開閉可能なスプールと、該スプールを軸方向に付勢するスプリングと、該スプリングと対向する向きに前記スプールに対して推力を発生させる電磁部と、を備え、前記各種ポートとして前記機械式ポンプ側からの作動流体を入力する入力ポートと前記クラッチ側に作動流体を出力する出力ポートと排出ポートとからなる第1のポート群が形成され前記スプールが軸方向に摺動することにより前記入力ポートから入力された作動流体を前記排出ポートの排出を伴って調圧して前記出力ポートに出力する調圧バルブとして機能するよう該スリーブと該スプールとの間で調圧室が形成されると共に、前記各種ポートとして前記ストレーナと前記機械式ポンプとを連結する流路の作動流体を吸入する吸入ポートと前記クラッチに作動流体を吐出する吐出ポートとからなる第2のポート群が形成され前記電磁部からの推力の発生と解除とを繰り返すことにより作動流体を前記吸入ポートを介して吸入して前記吐出ポートから吐出する電磁ポンプとして機能するよう前記スリーブと前記スプールとの間で前記調圧室とは遮断された空間として区画された圧送室が形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、調圧バルブと電磁ポンプとを別体として設けるものに比して装置をさらに小型化することができる。また、電磁弁を調圧バルブとして機能させるときには、ストレーナと機械式ポンプとを連結する流路に接続されている吸入ポートには何らの油圧は作用しないから、電磁ポンプの存在が電磁弁を調圧バルブとして機能させる際にその調圧精度に悪影響を与えるのを抑制することができる。
さらに、本発明の動力伝達装置において、前記機械式ポンプ側から出力された流体圧の前記クラッチへの供給と前記電磁ポンプで発生させた流体圧の前記クラッチへの供給とを選択的に切り替える切替バルブを備えるものとすることもできる。
また、本発明の動力伝達装置において、車両の停止に伴って前記原動機が停止しているときには、前記クラッチが完全に係合するときの圧力よりも低い状態で該クラッチに流体圧が作用するよう前記電磁ポンプを駆動制御する停車時制御を行なう制御手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、電磁ポンプをさらに小型化することができる。この態様の本発明の動力伝達装置において、複数のクラッチの係合状態を切り替えることにより変速比を変更して前記原動機からの動力を前記車軸側に伝達可能な自動変速機を備え、前記制御手段は、車両の停止に伴って前記原動機が停止している場合、前記複数のクラッチのうち発進用の変速比を形成するクラッチに対して前記停車時制御を行なう手段であるものとすることもできる。こうすれば、原動機から動力の出力を開始する際に発進用の変速比に迅速に形成することができ、発進をスムーズに行なうことができる。
本発明の車両は、
原動機と、
上述した各態様のいずれかの本発明の動力伝達装置、即ち、基本的には、入力軸が原動機の出力軸に接続されると共に出力軸が車両の車軸側に接続されクラッチの係合状態を切り替えることにより前記入力軸に入力される動力を前記出力軸に伝達する動力伝達装置であって、作動流体を貯留する貯留部と、前記作動流体をろ過するストレーナと、前記原動機からの動力により前記貯留部に貯留されている作動流体を前記ストレーナを介して吸引することにより流体圧を発生させて前記クラッチに供給する機械式ポンプと、電力の供給を受けて駆動し前記ストレーナと前記機械式ポンプとを連結する流路に接続され前記ストレーナによりろ過された作動流体を吸引することにより流体圧を発生させて前記クラッチに供給する電磁ポンプと、を備える動力伝達装置と、
を搭載することを要旨とする。
本発明の車両では、上述した各態様のいずれかの本発明の動力伝達装置を搭載するから、本発明の動力伝達装置が奏する効果、例えば、装置全体を小型化することができる効果や、電磁ポンプの不具合の発生をより確実に抑制することができる効果、原動機からの動力の伝達を素早く開始させることができる効果、調圧バルブと電磁ポンプとを一体化して電磁弁とした場合に電磁ポンプの存在が電磁弁を調圧バルブとして機能させる際にその調圧精度に悪影響を与えるのを抑制することができる効果などを奏することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としての動力伝達装置20が組み込まれた自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施例の動力伝達装置20が備えるオートマチックトランスミッション30の構成の概略を示す構成図であり、図3はオートマチックトランスミッション30の作動表を示す説明図である。
実施例の自動車10は、図1に示すように、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料の爆発燃焼により動力を出力する内燃機関としてのエンジン12と、エンジン12のクランクシャフト14に接続されると共に左右の車輪86a,86bにデファレンシャルギヤ84を介して連結された駆動軸82に接続されてエンジン12からの動力を駆動軸82に伝達する実施例の動力伝達装置20と、を備える。
エンジン12は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)18により運転制御されている。エンジンECU18は、詳細に図示しないが、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備える。このエンジンECU18には、クランクシャフト14に取り付けられた回転数センサ16などのエンジン12を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されており、エンジンECU18からは、スロットル開度を調節するスロットルモータへの駆動信号や燃料噴射弁への制御信号,点火プラグへの点火信号,エンジン12をクランキングするスタータモータ13への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。エンジンECU18は、車両全体をコントロールするメイン電子制御ユニット(以下、メインECUという)60と通信しており、メインECU60からの制御信号によってエンジン12を制御したり、必要に応じてエンジン12の運転状態に関するデータをメインECU60に出力する。
実施例の動力伝達装置20は、エンジン12からの動力を駆動軸82に伝達するトランスアクスル装置として構成されており、エンジン12のクランクシャフト14に接続された入力側のポンプインペラ22aと出力側のタービンランナ22bとからなるロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ22と、トルクコンバータ22の後段に配置されエンジン12からの動力により作動油を圧送する機械式オイルポンプ42と、トルクコンバータ22のタービンランナ22b側に接続された入力軸36と駆動軸82に接続された出力軸38とを有し入力軸36に入力された動力を変速して出力軸38に出力する油圧駆動の有段のオートマチックトランスミッション30と、このオートマチックトランスミッション30を駆動するアクチュエータとしての油圧回路40と、オートマチックトランスミッション30(油圧回路40)を制御するオートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(以下、ATECUという)26と、メインECU60とを備える。
オートマチックトランスミッション30は、図2に示すように、ダブルピニオン式の遊星歯車機構30aとシングルピニオン式の二つの遊星歯車機構30b,30cと三つのクラッチC1,C2,C3と四つのブレーキB1,B2,B3,B4と三つのワンウェイクラッチF1,F2,F3とを備える。ダブルピニオン式の遊星歯車機構30aは、外歯歯車としてのサンギヤ31aと、このサンギヤ31aと同心円上に配置された内歯歯車としてのリングギヤ32aと、サンギヤ31aに噛合する複数の第1ピニオンギヤ33aと、この第1ピニオンギヤ33aに噛合すると共にリングギヤ32aに噛合する複数の第2ピニオンギヤ34aと、複数の第1ピニオンギヤ33aおよび複数の第2ピニオンギヤ34aとを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア35aとを備え、サンギヤ31aはクラッチC3を介して入力軸36に接続されると共にワンウェイクラッチF2を介して接続されたブレーキB3のオンオフによりその回転を自由にまたは一方向に規制できるようになっており、リングギヤ32aはブレーキB2のオンオフによりその回転を自由にまたは固定できるようになっており、キャリア35aはワンウェイクラッチF1によりその回転を一方向に規制されると共にブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは固定できるようになっている。シングルピニオン式の遊星歯車機構30bは、外歯歯車のサンギヤ31bと、このサンギヤ31bと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32bと、サンギヤ31bに噛合すると共にリングギヤ32bに噛合する複数のピニオンギヤ33bと、複数のピニオンギヤ33bを自転かつ公転自在に保持するキャリア35bとを備え、サンギヤ31bはクラッチC1を介して入力軸36に接続されており、リングギヤ32bはダブルピニオン式の遊星歯車機構30aのリングギヤ32aに接続されると共にブレーキB2のオンオフによりその回転を自由にまたは固定できるようになっており、キャリア35bはクラッチC2を介して入力軸36に接続されると共にワンウェイクラッチF3によりその回転を一方向に規制できるようになっている。また、シングルピニオン式の遊星歯車機構30cは、外歯歯車のサンギヤ31cと、このサンギヤ31cと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32cと、サンギヤ31cに噛合すると共にリングギヤ32cに噛合する複数のピニオンギヤ33cと、複数のピニオンギヤ33cを自転かつ公転自在に保持するキャリア35cとを備え、サンギヤ31cはシングルピニオン式の遊星歯車機構30bのサンギヤ31bに接続されており、リングギヤ32cはシングルピニオン式の遊星歯車機構30bのキャリア35bに接続されると共にブレーキB4のオンオフによりその回転を自由にまたは固定できるようになっており、キャリア35cは出力軸38に接続されている。
オートマチックトランスミッション30は、図3に示すように、クラッチC1〜C3のオンオフとブレーキB1〜B4のオンオフにより前進1速〜5速と後進とニュートラルとを切り替えることができるようになっている。前進1速の状態、即ち入力軸36の回転を最も大きな減速比で減速して出力軸38に伝達する状態は、クラッチC1をオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB1〜B4とをオフとすることにより形成することができる。この前進1速の状態では、エンジンブレーキ時には、ブレーキB4をオンとすることにより、ワンウェイクラッチF3に代えてリングギヤ32cの回転が固定される。前進2速の状態は、クラッチC1とブレーキB3とをオンとすると共にクラッチC2,C3とブレーキB1,B2,B4とをオフとすることにより形成することができる。この前進2速の状態では、エンジンブレーキ時には、ブレーキB2をオンとすることにより、ワンウェイクラッチF1およびワンウェイクラッチF2に代えてリングギヤ32aおよびリングギヤ32bの回転が固定される。前進3速の状態は、クラッチC1,C3とブレーキB3とをオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B2,B4とをオフとすることにより形成することができる。前進4速の状態は、クラッチC1〜C3とブレーキB3とをオンとすると共にブレーキB1,B2,B4をオフとすることにより形成することができる。前進5速の状態、即ち入力軸36の回転を最も小さな減速比で減速(増速)して出力軸38に伝達する状態は、クラッチC2,C3とブレーキB1,B3とをオンとすると共にクラッチC1とブレーキB2,B4とをオフとすることにより形成することができる。また、オートマチックトランスミッション30では、ニュートラルの状態、即ち入力軸36と出力軸38との切り離しは、すべてのクラッチC1〜C3とブレーキB1〜B4とをオフとすることにより行なうことができる。また、後進の状態は、クラッチC3とブレーキB4とをオンとすると共にクラッチC1,C2とブレーキB1〜B3をオフとすることにより形成することができる。
オートマチックトランスミッション30におけるクラッチC1〜C3のオンオフとブレーキB1〜B4のオンオフは、油圧回路40により行なわれる。図4は、油圧回路40におけるクラッチC1の駆動系の構成の概略を示す部分構成図である。油圧回路40は、図4に示すように、作動油を貯留するオイルパン41と、オイルパン41に貯留されている作動油をろ過するストレーナ41aと、エンジン12からの動力を用いて機械式オイルポンプ42によりオイルパン41からストレーナ41aを介して圧送された作動油の圧力(ライン圧PL)を調節するレギュレータバルブ43と、ライン圧PLから図示しないモジュレータバルブを介して生成されるモジュレータ圧PMODを調圧して信号圧として出力することによりレギュレータバルブ43を駆動するリニアソレノイド44と、ライン圧PLを入力する入力ポート45aとD(ドライブ)ポジション用出力ポート45bとR(リバース)ポジション用出力ポート45cなどが形成されシフトレバー71の操作に連動して各ポートの連通と遮断とを行なうマニュアルバルブ45と、マニュアルバルブ45のDポジション用ポート45bからの作動油を入力し調圧してクラッチC1側に出力するリニアソレノイドとして機能すると共にクラッチC1に作動油を圧送する電磁ポンプとしても機能する電磁弁100と、リニアソレノイドとして機能している電磁弁100からの作動油と電磁ポンプとして機能している電磁弁100からの作動油とを選択的に入力してクラッチC1側に出力する切替バルブ50と、クラッチC1と切替バルブ50との間の油路に接続されクラッチC1に作用する油圧の急変を抑制するダンパとして機能すると共にクラッチC1に作用している油圧を蓄圧するアキュムレータ48などにより構成されている。切替バルブ50とアキュムレータ48とを接続する油路49にはオリフィス49aが設けられている。なお、図4では、クラッチC1以外の他のクラッチC2,C3やブレーキB1〜B4の油圧系については本発明の中核をなさないから省略しているが、これらの油圧系については周知のリニアソレノイドなどを用いて構成することができる。以下、油圧回路40が備える電磁弁100の詳細についてさらに説明する。
図5は、電磁弁100の構成の概略を示す構成図である。電磁弁100は、マニュアルバルブ45を介して入力されるライン圧PLから最適なクラッチ圧を生成してクラッチC1をダイレクトに制御可能なダイレクト制御用のリニアソレノイドバルブとして機能すると共に油圧を発生させる電磁ポンプとしても機能するよう構成されており、ソレノイド部110と、このソレノイド部110により駆動されてライン圧PLを入力すると共に入力したライン圧PLを調圧して出力する調圧バルブ部120と、同じくソレノイド部110により駆動されて作動油を圧送するポンプ部130とを備える。
ソレノイド部110は、底付き円筒部材としてのケース111と、ケース111の内周側に配置され絶縁性のボビンに絶縁導線が巻回されてなるコイル(ソレノイドコイル)112と、ケース111の開口端部にフランジ外周部が固定されたフランジ部114aとフランジ部114aからコイル112の内周面に沿って軸方向に延伸された円筒部114bとからなる第1のコア114と、ケース111の底部に形成された凹部の内周面と接触すると共にコイル112の内周面に沿って第1のコア114の円筒部114bと所定間隔を隔てた位置まで軸方向に延伸された円筒状の第2のコア115と、第2のコア115に挿入され第1のコア114の内周面および第2のコア115の内周面を軸方向に摺動可能なプランジャ116と、第1のコア114の円筒部114bに挿入されプランジャ116の先端に当接すると共に円筒部114bの内周面を軸方向に摺動可能なシャフト118とを備える。また、ソレノイド部110は、コイル112からの端子がケース111の外周部に形成されたコネクタ部119に配策されており、この端子を介してコイル112への通電が行なわれる。ケース111と第1のコア114と第2のコア115とプランジャ116は、いずれも純度の高い鉄などの強磁性材料により形成されており、第1のコア114の円筒部114bの端面と第2のコア115の端面との間の空間は、非磁性体として機能するよう形成されている。なお、この空間は、非磁性体として機能させればよいから、ステンレススチールや黄銅などの非磁性金属を設けるものとしても構わない。ソレノイド部110では、コイル112に通電すると、ケース111,第2のコア115,プランジャ116,第1のコア114,ケース111の順にコイル112の周囲を周回するよう磁束が流れる磁気回路が形成され、これにより第1のコア114とプランジャ116との間に吸引力が作用してプランジャ116が吸引される。前述したように、プランジャ116の先端には第1のコア114の内周面を軸方向に摺動可能なシャフト118が当接されているから、プランジャ116の吸引に伴ってシャフト118は前方(図中左方向)に押し出される。
調圧バルブ部120とポンプ部130は、その共用の部材として、バルブボディ102に組み込まれ一端がソレノイド部110のケース111により第1のコア114に取り付けられた略円筒状のスリーブ122と、スリーブ122の内部空間に挿入され一端がソレノイド部110のシャフト118の先端に当接されたスプール124と、スリーブ122の他端にネジ止めされたエンドプレート126と、スプール124をソレノイド部110側の方向へ付勢するスプリング128とを備える。
スリーブ122は、調圧バルブ部120を形成する領域の開口部としては、マニュアルバルブ45のDポジション用出力ポート45bからの作動油を入力する入力ポート122aと、クラッチC1側に入力した作動油を吐出する出力ポート122bと、入力した作動油をドレンするドレンポート122cと、出力ポート122bから出力される作動油をバルブボディ102の内面とスリーブ122の外面とにより形成された油路122eを介して入力してスプール124にフィードバック力を作用させるフィードバックポート122dとが形成されている。また、スリーブ122のソレノイド部110側の端部には、スプール124の摺動に伴ってスリーブ122の内周面とスプール124の外周面との間から漏れ出た作動油を排出するための排出孔122fも形成されている。また、スリーブ122は、ポンプ部130を形成する領域の開口部としては、作動油を吸入する吸入ポート132aと、吸入した作動油を吐出する吐出ポート132bと、ポンプ部130の機能を停止したときに残存している作動油を排出するドレンポート132cとが形成されている。
スプール124は、スリーブ122の内部に挿入される軸状部材として形成されており、スリーブ122の内壁を摺動可能な円柱状の三つのランド124a,124b,124cと、ランド124aとランド124bとの間を連結しランド124a,124bの外径よりも小さな外径で且つ互いのランド124a,124bから中央部に向かうほど外径が小さくなるようテーパ状に形成され入力ポート122aと出力ポート122bとドレンポート122cの各ポート間を連通可能な連通部123aと、ランド124bとこれよりも外径が小さなランド124cとの間を連結しスリーブ122の内壁と共にスプール124に対してソレノイド部110側の方向にフィードバック力を作用させるためのフィードバック室を形成する連結部123bと、ランド124cに接続された吸入用逆止弁134と、吸入用逆止弁134とエンドプレート126との間に介在する吐出用逆止弁136と、を備え、スリーブ122とスプール124の連通部123aとランド124a,124bとにより調圧室121を形成し、スリーブ122とスプール124の吸入用逆止弁134と吐出用逆止弁136とによりポンプ室131を形成する。
ポンプ部130の吸入用逆止弁134は、ランド124cと連結され中央にポンプ室131と吸入ポート132aとを連通する開口部133が形成された円筒状の本体134aと、ボール134bと、このボール134bを本体134aの開口部133に押し付けるスプリング134cとを備え、ポンプ室131内が正圧のときにスプリング134cの付勢力により開口部133を閉塞して閉弁しポンプ室131内が負圧のときにスプリング134cの収縮を伴って開口部133を開放して開弁する。一方、吐出用逆止弁136も、スプリング128と吸入用逆止弁134のスプリング134cとを受けるスプリング受けとして機能すると共に中央に吐出ポート132bとを連通する開口部135が形成された円筒状の本体136aと、ボール136bと、エンドプレート126をスプリング受けとしてボール136bを本体136aの開口部135に押し付けるスプリング136cとを備え、ポンプ室131内が負圧のときにスプリング136cの付勢力により開口部135を閉塞して閉弁しポンプ室131内が正圧のときにスプリング136cの収縮を伴って開口部135を開放して開弁する。したがって、ソレノイド部110のコイル112への通電をオンからオフしたときにはスプリング136cおよびスプリング128の付勢力によりスプール124をソレノイド部110側に移動させることによりポンプ室131内を負圧として作動油を吸入用逆止弁134を介して吸入ポート132aからポンプ室131内に吸入し、ソレノイド部110のコイル112への通電をオフからオンしたときにはソレノイド部110からの推力によりスプール124をエンドプレート126側に移動させることによりポンプ室131内を正圧として吸入した作動油を吐出用逆止弁136を介して吐出ポート132bから吐出することができる。
次に、電磁弁100の動作すなわちリニアソレノイドとして機能する際の動作と電磁ポンプとして機能する動作について説明する。まず、リニアソレノイドとして機能する際の動作について説明する。いま、コイル112への通電がオフされている場合を考える。この場合、スプール124はスプリング128,134c,136cの付勢力によりソレノイド部110側へ移動しているから、ランド124bにより入力ポート122aが閉塞されると共に連通部123aを介して出力ポート122bとドレンポート122cとが連通された状態となる。したがって、クラッチC1には油圧は作用しない。コイル112への通電がオンされると、コイル112に印加される電流の大きさに応じた吸引力で第1のコア114にプランジャ116が吸引され、これに伴ってシャフト118が押し出されてシャフト118の先端に当接されたスプール124がエンドプレート126側に移動する。これにより、入力ポート122aと出力ポート122bとドレンポート122cとが互いに連通した状態となり、入力ポート122aから入力された作動油は一部が出力ポート122bに出力されると共に残余がドレンポート122cに出力される。また、フィードバックポート122dを介してフィードバック室に作動油が供給され、スプール124には出力ポート122bの出力圧に応じたフィードバック力がソレノイド部110側の方向に作用する。したがって、スプール124は、プランジャ116の推力(吸引力)とスプリング128のバネ力とフィードバック力とが丁度釣り合う位置で停止することになる。この際、コイル112に印加される電流が大きくなるほど、即ちプランジャ116の推力が大きくなるほど、スプール124がエンドプレート126側に移動し、入力ポート122aの開口面積を広げると共にドレンポート122cの開口面積を狭める。コイル112への通電が最大となると、スプール124はプランジャ116の可動範囲の最もエンドプレート126側に移動し、連通部123aにより入力ポート122aと出力ポート122bとが連通されると共にランド124aによりドレンポート122cが閉塞されて出力ポート122bとドレンポート122cとが遮断される。これにより、クラッチC1には最大油圧が作用することになる。このように、実施例の電磁弁20では、コイル112への通電がオフされている状態で入力ポート122aを遮断すると共に出力ポート122bとドレンポート122cとを連通するから、ノーマルクローズ型の電磁弁として機能することがわかる。
続いて、電磁弁100を電磁ポンプとして機能させる場合の動作について説明する。いま、コイル112への通電がオンされている状態からオフされた場合を考える。この場合、スプール124はエンドプレート126側からソレノイド部110側へ移動するから、ポンプ室131内は負圧となり、吸入用逆止弁134が開弁すると共に吐出用逆止弁136が閉弁して作動油を吸入用逆止弁134を介して吸入ポート132aからポンプ室131内に吸入する。この状態からコイル112への通電をオンすると、スプール124はソレノイド部110側からエンドプレート126側に移動するから、ポンプ室131内は正圧となり、吸入用逆止弁134が閉弁すると共に吐出用逆止弁136が開弁してポンプ室131内に吸入した作動油を吐出用逆止弁136を介して吐出ポート132bから吐出する。このように、コイル112への通電のオンとオフとを繰り返す矩形波電流を印加する(以下、この制御を矩形波電流制御をいう)ことにより、実施例の電磁弁20を作動油を圧送する電磁ポンプとして機能させることができる。以上、電磁弁100の詳細について説明した。
切替バルブ50は、ライン圧PLを信号圧として入力する信号圧用入力ポート52aとストレーナ41aと機械式オイルポンプ42との間の油路46に接続された入力ポート52bとこの入力ポート52bから入力した作動油を出力する出力ポート52cと電磁弁100の調圧バルブ部120の出力ポート122bに接続された入力ポート52dと電磁弁100のポンプ部130の吐出ポート132bに接続された入力ポート52eとこれら二つの入力ポート52d,52eからの油圧を選択的に入力してクラッチC1に出力する出力ポート52fとポンプ部130のドレンポート132cに接続された入力ポート52gとこの入力ポート52gから入力した作動油をドレンするドレンポート52hの各種ポートが形成されたスリーブ52と、スリーブ52内を軸方向に摺動するスプール54と、スプール54を軸方向に付勢するスプリング56とにより構成されている。この切替バルブ50は、ライン圧PLが信号圧用入力ポート52aに入力されているときにはスプリング56の付勢力に打ち勝ってスプール54が図中右半分の領域に示す位置に移動し入力ポート52bと出力ポート52cとの連通を遮断し入力ポート52dと出力ポート52fとを連通すると共に入力ポート52eを閉塞することにより調圧バルブ部120の出力ポート122bとクラッチC1側とを連通し、ライン圧PLが信号圧用入力ポート52aに入力されていないときにはスプリング56の付勢力によりスプール54が図中左半分の領域に示す位置に移動し入力ポート52bと出力ポート52cとを連通してストレーナ41aと機械式オイルポンプ42との間の油路46に切替バルブ50を介してポンプ部130の吸入ポート132aを接続すると共に入力ポート52dを閉塞して入力ポート52eと出力ポート52fとを連通することによりポンプ部130の吐出ポート132bとクラッチC1側とを連通する。なお、ライン圧PLが信号圧用入力ポート52aに入力されているときには、出力ポート52cとドレンポート52hとが連通してポンプ部130の吸入ポート132aに作動油が供給されないようになると共に入力ポート52gとドレンポート52hとが連通してポンプ部130のドレンポート132cから作動油がドレンされるようになっている。
ATECU26は、詳細には図示しないが、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備える。ATECU26には、入力軸36に取り付けられた回転数センサ24からの入力軸回転数Ninや出力軸38に取り付けられた回転数センサからの出力軸回転数Noutなどが入力ポートを介して入力されており、ATECU26からは、リニアソレノイド44や電磁弁100などの各種ソレノイドへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ATECU26は、メインECU60と通信しており、メインECU60からの制御信号によってオートマチックトランスミッション30(油圧回路40)を制御したり、必要に応じてオートマチックトランスミッション30の状態に関するデータをメインECU60に出力する。
メインECU60は、詳細には図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備える。メインECU60には、イグニッションスイッチ70からのイグニッション信号,シフトレバー71の操作位置を検出するシフトポジションセンサ72からのシフトポジションSP,アクセルペダル73の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ74からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル75の踏み込みを検出するブレーキスイッチ76からのブレーキスイッチ信号BSW,車速センサ78からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。メインECU60は、エンジンECU18やATECU26と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU18やATECU26と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された自動車10では、シフトレバー62を「D(ドライブ)」の走行ポジションとして走行しているときに、車速Vが値0,アクセルオフ,ブレーキスイッチ信号BSWがオンなど予め設定された自動停止条件の全てが成立したときにエンジン12を自動停止する。エンジン12が自動停止されると、その後、ブレーキスイッチ信号BSWがオフなど予め設定された自動始動条件が成立したときに自動停止したエンジン12を自動始動する。
次に、こうして構成された自動車20が搭載する実施例の動力伝達装置20の動作、特に、エンジン12の自動停止中の動作について説明する。図6は、メインECU60により実行される自動停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトレバー62をDポジションとして走行しているときに、エンジン12の自動停止条件が成立したときに実行される。なお、この走行状態では、切替バルブ50は、電磁弁100のポンプ部130の吐出ポート132bとクラッチC1とを流路的に遮断すると共に調圧バルブ部120の出力ポート122bとクラッチC1とを流路的に接続した状態となっている。
自動停止時制御ルーチンが実行されると、メインECU60のCPUは、まず、エンジン12がアイドリング運転されるようアイドリング運転指令をエンジンECU18に送信し(ステップS100)、所定時間T1(例えば、100msecや150msec,200msecなど)が経過するのを待つ(ステップS110)。所定時間T1が経過すると、レギュレータバルブ43によりライン圧PLが最大となるようリニアソレノイド44を駆動制御する駆動指令をATECU26に送信すると共に(ステップS120)、リニアソレノイドとして機能している電磁弁100のコイル112に印加する電流が最大となるよう駆動指令をATECU26に送信して(ステップS130)、所定時間T2(例えば、200msecや300msec,400msecなど)が経過するのを待つ(ステップS140)。この場合、エンジン12はアイドリング運転中であり、機械式オイルポンプ42が駆動されているから、リニアソレノイドとして機能している電磁弁100のコイル112に最大電流を印加すれば、機械式オイルポンプ42により圧送された作動油をそのままクラッチC1に作用させることができる。所定時間T2が経過すると、エンジン12が燃料カットされるよう燃料カット指令をエンジンECU18に送信し(ステップS150)、回転数センサ16により検出されエンジンECU18から通信により入力されたエンジン回転数Neが機械式オイルポンプ42が機能しなくなる所定回転数Nref1未満となるのを待つ(ステップS160)。機械式オイルポンプ42が停止すると、ライン圧PLが抜け、ライン圧PLを信号圧として入力する切替バルブ50はポンプ部130の吐出ポート132bとクラッチC1とを流路的に接続すると共に調圧バルブ部120の出力ポート122bとクラッチC1とを流路的に遮断するから、アキュムレータ48に蓄圧された油圧はポンプ部130の吐出ポート132b側に導入され、電磁弁100を電磁ポンプとして機能させる準備が整う。エンジン回転数Neが所定回転数Nref1未満となると、電磁弁100が電磁ポンプとして機能するよう矩形波電流制御指令をATECU26に送信し(ステップS170)、次の自動始動条件が成立するのを待つ(ステップS180)。ここで、電磁弁100は、前述したように、ストレーナ41aの下流側で機械式オイルポンプ42の上流側の油路46からのろ過された作動油を吸引してクラッチC1に吐出されるよう構成されているから、異物の噛み込みなどによる動作不良が生じるのを抑制することができる。なお、電磁弁100は、実施例では、クラッチピストンとドラムとの間に設けられたシールリングなどから漏れ出る量だけポンプ部130から作動油が補充され、クラッチピストンがストロークエンドで保持される程度の低圧の状態で待機されるよう電磁ポンプとしての圧送能力を設計するものとした。
自動始動条件が成立すると、エンジン12がクランキングされるようスタータモータ13を駆動制御するクランキング指令をエンジンECU18に送信し(ステップS190)、エンジン回転数Neが機械式オイルポンプ42の作動を判定するための所定回転数Nref2以上となるのを待って(ステップS200)、電磁ポンプとして機能している電磁弁100をリニアソレノイドとして機能させて発進用として用いられるクラッチC1が係合するようコイル112に印加する電流を増大する駆動指令をATECU26に送信し(ステップS210)、エンジン12の完爆が判定されたときに(ステップS220)、これで本ルーチンを終了する。これにより、電磁弁100は、リニアソレノイドとして機能してクラッチC1の係合に最適なクラッチ圧に調圧する。このとき、ポンプ部130の吸入ポート132aはストレーナ41aの下流側で機械式オイルポンプ42の上流側の油路46に接続されており、この吸入ポート132aには何らの油圧は作用しないから、ポンプ部130の存在が電磁弁100をリニアソレノイドとして機能させる際にその調圧精度に悪影響を与えることはない。
図7は、車速Vとエンジン回転数Neとアクセル開度Accとブレーキスイッチ信号BSWとライン圧PLとクラッチC1の油圧と電磁弁100のソレノイド部110の電流指令の時間変化の様子を示す説明図である。図示するように、時刻t11にエンジン12の自動停止条件が成立してから所定時間T1が経過した時刻t12に、ライン圧PLを最大とすると共に電磁弁100のソレノイド部110に印加する電流を最大としてクラッチC1に接続されたアキュムレータ48を蓄圧しておき、所定時間T1経過後の時刻t13に燃料カットし、エンジン回転数Neが所定回転数Nref未満となって機械式オイルポンプ42が機能しなくなると(時刻t14)、ライン圧PLを信号圧として入力する切替バルブ50はポンプ部130の吐出ポート132bとクラッチC1とを流路的に接続すると共に調圧バルブ部120の出力ポート122bとクラッチC1とを流路的に遮断してアキュムレータ48に蓄圧された油圧がポンプ部130の吐出ポート132bに導入され、電磁弁100が電磁ポンプとして機能するための準備が行なわれると共に電磁弁100を矩形波電流制御してポンプ部130から圧送した作動油をクラッチC1に供給する。時刻t15にブレーキオフされてエンジン12の自動始動条件が成立すると、時刻t16にスタータモータ23によりエンジン12のクランキングが開始され、エンジン12の回転に伴って機械式オイルポンプ42が動作を開始し(時刻t17)、これに伴って切替バルブ50がポンプ部130の吐出ポート132bとクラッチC1とを流路的に遮断すると共に調圧バルブ部120の出力ポート122bとクラッチC1とを流路的に接続して電磁弁100を調圧バルブとしての機能に切り替えてソレノイド部110に印加する電流を増大させ、時刻t18にエンジン12が完爆すると、クラッチC1を完全に係合する。
以上説明した実施例の動力伝達装置20によれば、発進用の前進1速を形成するクラッチC1にエンジン12により駆動される機械式オイルポンプ42からライン圧PLを調圧バルブ部120による調圧を伴って出力する調圧バルブとして機能すると共に同一のクラッチC1にソレノイド部110の矩形波電流制御によりポンプ部130から圧送する電磁ポンプとしても機能する電磁弁100と、調圧バルブ部120からの油圧とポンプ部130からの油圧とを選択的に入力してクラッチC1側に出力する切替バルブ50とを設け、ポンプ部130の吸入ポート132bをストレーナ41aの下流側で且つ機械式オイルポンプ42の上流側の油路46に接続して構成するから、電磁弁100を電磁ポンプとして機能させるときにはストレーナ41aによりろ過された作動油を吸引してクラッチC1に吐出できるから異物の噛み込みなどによる動作不良が生じるのを抑制することができる。また、電磁弁100を調圧バルブ部120として機能させるときには、機械式オイルポンプ42の上流側に接続されている吸入ポート132aには何らの油圧は作用しないから、ポンプ部130の存在が電磁弁100をリニアソレノイドとして機能させる際にその調圧精度に悪影響を与えるのを抑制することができる。さらに、機械式オイルポンプ42に並列して電動オイルポンプを設けてエンジン12が自動停止したときにこの電動オイルポンプを駆動することにより調圧バルブを介してクラッチC1を低圧の状態で保持するものに比してポンプの体格を大幅に小さくすることができる。もとより、エンジン12の自動停止中に発進用の前進1速を形成するクラッチC1を低圧の状態で待機させることにより、アクセルペダル73が踏み込まれたときにクラッチC1を迅速に完全係合することができ、発進をスムーズに行なうことができる。
実施例の動力伝達装置20では、電磁弁100をリニアソレノイドとして機能すると共に電磁ポンプとしても機能するよう構成するものとしたが、リニアソレノイドと電磁ポンプとを別体とするものとしてもよい。図8は、変形例の油圧回路40Bの構成の概略を示す構成図である。図8の油圧回路40Bのうち実施例の油圧回路40と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は重複するから省略する。この変形例の油圧回路40Bは、図示するように、電磁弁100と切替バルブ50とに代えて、ライン圧PLを入力すると共に調圧して出力するノーマルクローズ型のリニアソレノイドSLC1と、ストレーナ41aの下流側で且つ機械式オイルポンプ42の上流側の油路46に接続された吸入ポート232aとクラッチC1側に接続された吐出ポート232bとが形成され吸入ポート232aから作動油を吸入して吐出ポート232bから吐出する電磁ポンプ200と、リニアソレノイドSLC1の出力ポート222bとクラッチC1側との連通と遮断とを行なう切替バルブ150とを備える。なお、リニアソレノイドSLC1は、ノーマルオープン型のものでもよいことは勿論である。
切替バルブ150は、ライン圧PLを信号圧として入力する信号圧用入力ポート152aとリニアソレノイドSLC1の出力ポート222bに接続された入力ポート152bと電磁ポンプ200の吐出ポート232bおよびクラッチC1に接続された出力ポート152cとが形成されたスリーブ152と、スリーブ152内を軸方向に摺動するスプール154と、スプール154を軸方向に付勢するスプリング156とにより構成されている。この切替バルブ150は、ライン圧PLが信号圧用入力ポート152aに入力されているときにはスプリング156の付勢力に打ち勝ってスプール154が図中左半分の領域に示す位置に移動し入力ポート152bと出力ポート152cとを連通してリニアソレノイドSLC1の出力ポート222bとクラッチC1側とを連通し、ライン圧PLが信号圧用入力ポート152aに入力されていないときにはスプリング156の付勢力によりスプール154が図中右半分の領域に示す位置に移動し入力ポート152bを閉塞してリニアソレノイドSLC1の出力ポート222bとクラッチC1側との連通を遮断する。
こうして構成された変形例の動力伝達装置の動作について説明する。図9は、変形例の自動停止時制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、変形例の自動停止時制御ルーチンのうち実施例の自動停止時制御ルーチンと同様の処理については簡略化して説明する。変形例の自動停止時制御ルーチンでは、エンジン12をアイドリング運転し(ステップS300)、前述した所定時間T1が経過すると(ステップS310)、リニアソレノイドSLC1のソレノイド部(コイル)に印加する電流を最大とし(ステップS320)、前述した所定時間T2が経過すると(ステップS330)、エンジン12を燃料カットすると共に(ステップS340)、電磁ポンプ200の駆動が開始されるよう電磁ポンプ200のソレノイド部(コイル)に矩形波電流を印加する矩形波電流制御を行ない(ステップS350)、エンジン回転数Neが略値0となると(ステップS360)、リニアソレノイドSLC1に印加する電流をオフする(ステップS370)。そして、次に、自動始動条件が成立すると(ステップS380)、スタータモータ13によりエンジン12をクランキングし(ステップS390)、エンジン回転数Neが所定回転数Nref2以上となったときに(ステップS400)、電磁ポンプ200を停止すると共に(ステップS410)、リニアソレノイドSLC1のソレノイド部に印加する電流を増大し(ステップS420)、エンジン12が完爆したときに(ステップS430)、本ルーチンを終了する。なお、図10に、車速Vとエンジン回転数Neとアクセル開度Accとブレーキスイッチ信号BSWとライン圧PLとクラッチC1の油圧とリニアソレノイドSLC1の電流指令と電磁ポンプ200の電流指令の時間変化の様子を示す。
実施例の動力伝達装置20では、電磁弁100を、クラッチC1に機械式オイルポンプ42からのライン圧PLを調圧バルブ部120による調圧を伴って出力すると共に同一のクラッチC1にポンプ部130から作動油を圧送するよう構成するものとしたが、ポンプ部130からはクラッチC1に作動油を圧送し調圧バルブ部120からはクラッチC1とは別のクラッチやブレーキに油圧を出力するよう構成するものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置20では、切替バルブ50をライン圧PLを用いて駆動するものとしたが、ライン圧PLを図示しないモジュレータバルブを介して降圧したモジュレータ圧PMODを用いて駆動するものとしてもよいし、ライン圧PLやモジュレータ圧がソレノイドバルブを介して切替バルブ50に供給されるようにしてこのソレノイドバルブを用いて駆動するものとしても構わない。
実施例の動力伝達装置20では、電磁弁100をリニアソレノイドとして機能させたときにはライン圧PLから最適なクラッチ圧を生成してクラッチC1をダイレクトに制御するダイレクト制御用のリニアソレノイドバルブとして構成するものとしたが、リニアソレノイドをパイロット制御用のリニアソレノイドとして用いて別途コントロールバルブを駆動することによりこのコントロールバルブによりクラッチ圧を生成してクラッチC1を制御するものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置20では、ライン圧PLを電磁弁100の調圧バルブ部120を介してクラッチC1に供給するものとしたが、ライン圧PLを直接にクラッチC1に供給するものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置20では、吸入用逆止弁132と吐出用逆止弁134とをスリーブ122内に内蔵するものとしたが、いずれか一方をスリーブ122外のバルブボディ102に組み込むものとしてもよいし、両方をバルブボディ102に組み込むものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「原動機」に相当し、オートマチックトランスミッション30と油圧回路40とATECU26とメインECU60とが「動力伝達装置」に相当し、オイルパン41が「貯留部」に相当し、ストレーナ41aが「ストレーナ」に相当し、機械式オイルポンプ42が「機械式ポンプ」に相当し、クラッチC1〜C3やブレーキB1〜B4が「クラッチ」に相当し、電磁弁100(ソレノイド部110とポンプ部130)が「電磁ポンプ」に相当し、メインECU60とATECU26とが「制御手段」に相当する。また、電磁弁100のソレノイド部110と調圧バルブ部120とが「調圧バルブ」に相当する。ここで、「原動機」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど、如何なるタイプの内燃機関であっても構わないし、内燃機関以外の電動機など、動力を出力可能なものであれば如何なるタイプの原動機であっても構わない。「動力伝達装置」としては、前進1速〜5速の5段変速のオートマチックトランスミッション30を組み込むものに限定されるものではなく、4段変速や6段変速,8段変速など、如何なる段数の自動変速機を組み込むものであっても構わない。また、「動力伝達装置」としては、自動変速機を組み込むものに限定されるものでもなく、例えば、エンジン12のクランクシャフト14にクラッチを介して直接にデファレンシャルギヤ84を介して車輪86a,86bに接続されるなど、クラッチを有しクラッチの係合状態を切り替えることにより原動機の出力軸と車軸側との両軸間の接続と接続の切り離しとが可能なものであれば如何なるものであっても構わない。「電磁ポンプ」としては、前進1速を形成するクラッチC1に作動流体を圧送するものに限定されるものではなく、例えば、運転者の指示や走行状態などにより発進時の変速段が前進1速以外の変速段(前進2速など)に設定されたときにその変速段を形成するクラッチやブレーキに作動油を圧送するものとするなどとしても構わない。「調圧バルブ」としては、ノーマルクローズ型の電磁弁に限定されるものではなく、ノーマルオープン型の電磁弁として構成するものとしても構わない。「制御手段」としては、メインECU60とATECU26との組み合わせに限定されるものではなく、3つ以上の電磁制御ユニットにより実現したり、単一の電子制御ユニットにより実現するものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としての動力伝達装置20が組み込まれた自動車10の構成の概略を示す構成図である。 実施例の動力伝達装置20が備えるオートマチックトランスミッション30の構成の概略を示す構成図である。 オートマチックトランスミッション30の作動表を示す説明図である。 油圧回路40におけるクラッチC1の駆動系の構成の概略を示す部分構成図である。 電磁弁100の構成の概略を示す構成図である。 メインECU60により実行される自動停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 車速Vとエンジン回転数Neとアクセル開度Accとブレーキスイッチ信号BSWとライン圧PLとクラッチC1の油圧と電磁弁100のソレノイド部110の電流指令の時間変化の様子を示す説明図である。 変形例の油圧回路40Bの構成の概略を示す構成図である。 変形例の自動停止時制御ルーチンを示すフローチャートである。 車速Vとエンジン回転数Neとアクセル開度Accとブレーキスイッチ信号BSWとライン圧PLとクラッチC1の油圧とリニアソレノイドSLC1の電流指令と電磁ポンプ200の電流指令の時間変化の様子を示す説明図である。
符号の説明
10 自動車、12 エンジン、13 スタータモータ、14 クランクシャフト、16 回転数センサ、18 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、20 動力伝達装置、22 トルクコンバータ、22a ポンプインペラ、22b タービンランナ、24 回転数センサ、26 オートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(ATECU)、30 オートマチックトランスミッション、30a ダブルピニオン式の遊星歯車機構、30b,30c シングルピニオン式の遊星歯車機構、31a,31b,31c サンギヤ、32a,32b,32c リングギヤ、33a 第1ピニオンギヤ、33b,33c ピニオンギヤ、34a 第2ピニオンギヤ、35a,35b,35c キャリア,36 入力軸、38 出力軸、40,40B 油圧回路、41 オイルパン、41a ストレーナ、42 機械式オイルポンプ、43 レギュレータバルブ、44 リニアソレノイド、45 マニュアルバルブ、45a 入力ポート、45b Dポジション用出力ポート、45c Rポジション用出力ポート、46,49 油路、48 アキュムレータ、50 切替バルブ、52 スリーブ、52a 信号圧用入力ポート、52b 入力ポート、52c 出力ポート、52d 入力ポート、52e 入力ポート、52f 出力ポート、52g 入力ポート、52h ドレンポート、54 スプール、56 スプリング、60 メイン電子制御ユニット(メインECU)、70 イグニッションスイッチ、71 シフトレバー、72 シフトポジションセンサ、73 アクセルペダル、74 アクセルペダルポジションセンサ、75 ブレーキペダル、76 ブレーキスイッチ、78 車速センサ、84 デファレンシャルギヤ、86a,86b 車輪、100 電磁弁、102 バルブボディ、110 ソレノイド部、111 ケース、112 コイル、114 第1のコア、114a フランジ部、114b 円筒部、115 第2のコア、116 プランジャ、118 シャフト、119 コネクタ部、120 調圧バルブ部、122 スリーブ、122a 入力ポート、122b 出力ポート、122c ドレンポート、122d フィードバックポート、122e 油路、124 スプール、123a 連通部、123b 連結部、124a〜124c ランド、126 エンドプレート、128 スプリング、130 ポンプ部、132a 吸入ポート、132b 吐出ポート、132c ドレンポート、133 開口部、134 吸入用逆止弁、134a 本体、134b ボール、134c スプリング、135 開口部、136 吐出用逆止弁、136a 本体、136b ボール、136c スプリング、150 切替バルブ、152 スリーブ、152a 信号圧用入力ポート、152b 入力ポート、152c 出力ポート、154 スプール、156 スプリング、200 電磁ポンプ、222a 入力ポート、222b 出力ポート、232a 吸入ポート、232b 吐出ポート、C1〜C3 クラッチ、B1〜B4 ブレーキ、F1〜F3 ワンウェイクラッチ、SLC1 リニアソレノイド。

Claims (5)

  1. 入力軸が原動機の出力軸に接続されると共に出力軸が車両の車軸側に接続され、複数のクラッチの係合状態を切り替えることにより変速比を変更して前記原動機からの動力を前記車軸側に伝達可能な自動変速機を備える動力伝達装置であって、
    作動流体を貯留する貯留部と、
    前記作動流体をろ過するストレーナと、
    前記原動機からの動力により前記貯留部に貯留されている作動流体を前記ストレーナを介して吸引することにより流体圧を発生させて前記クラッチに供給する機械式ポンプと、
    電力の供給を受けて駆動し、ポンプ室を負圧として吸入用逆止弁を介して作動流体を吸引すると共に前記ポンプ室を正圧として前記ポンプ室の作動流体を吐出用逆止弁を介して吐出することにより、流体圧を発生させて前記クラッチに供給する電磁ポンプと、
    車両の停止に伴って前記原動機が停止しているときには、前記複数のクラッチのうち発進用の変速比を形成するクラッチが完全に係合するときの圧力よりも低い状態で該クラッチに流体圧が作用するよう前記電磁ポンプを駆動制御する停車時制御を行なう制御手段と、
    を備え、
    前記電磁ポンプは、前記ストレーナと前記機械式ポンプとを連結する流路に接続され、前記ストレーナによりろ過された作動流体を前記吸入用逆止弁を介して吸引する
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記機械式ポンプにより発生した流体圧を調圧を伴って前記クラッチに供給する調圧バルブを備え、
    前記調圧バルブおよび前記電磁ポンプは、一体型の電磁弁として構成されており、各種ポートが形成された中空のスリーブと、該スリーブに挿入される軸状部材であって軸方向に摺動することにより前記各種ポートを開閉可能なスプールと、該スプールを軸方向に付勢するスプリングと、該スプリングと対向する向きに前記スプールに対して推力を発生させる電磁部と、を備え、前記各種ポートとして前記機械式ポンプ側からの作動流体を入力する入力ポートと前記クラッチ側に作動流体を出力する出力ポートと排出ポートとからなる第1のポート群が形成され前記スプールが軸方向に摺動することにより前記入力ポートから入力された作動流体を前記排出ポートの排出を伴って調圧して前記出力ポートに出力する調圧バルブとして機能するよう該スリーブと該スプールとの間で調圧室が形成されると共に、前記各種ポートとして前記ストレーナと前記機械式ポンプとを連結する流路の作動流体を吸入する吸入ポートと前記クラッチに作動流体を吐出する吐出ポートとからなる第2のポート群が形成され前記電磁部からの推力の発生と解除とを繰り返すことにより作動流体を前記吸入ポートを介して吸入して前記吐出ポートから吐出する電磁ポンプとして機能するよう前記スリーブと前記スプールとの間で前記調圧室とは遮断された空間として区画されたポンプ室が形成されたことを特徴とする
    動力伝達装置。
  3. 前記機械式ポンプ側から出力された流体圧の前記クラッチへの供給と前記電磁ポンプで発生させた流体圧の前記クラッチへの供給とを選択的に切り替える切替バルブを備える請求項1または2記載の動力伝達装置。
  4. 前記原動機は、自動停止と自動始動とが可能な内燃機関である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  5. 原動機と、
    請求項1ないしいずれか1項に記載の動力伝達装置と、
    を搭載する車両。
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