JP2016040595A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Shutaro Yuasa
岡本政己
Masami Okamoto
窪田啓介
Keisuke Kubota
野沢健二
Kenji Nozawa
佐々木良州
Yoshikuni Sasaki
菊島祐樹
Yuki Kikushima
廣瀬文洋
Fumihiro Hirose
山地健介
Kensuke Yamaji
辺見香理
Kaori Hemmi
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Abstract

【課題】 従来の定着装置に比べて、高調波歪及びフリッカの発生を抑制し、省エネルギー化及びファーストプリントタイム向上できる定着装置を提供する。
【解決手段】 定着装置において、定着部材を加熱する複数の熱源と、複数の熱源の点灯を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、複数の熱源の少なくとも1つをPID制御にて制御し、残りの熱源をON・OFF制御にて制御し、PID制御にて算出した算出dutyに、熱源の数を掛けた値を、合計dutyであるSとし、ON・OFF制御にて制御する熱源の1つあたりの最大点灯dutyを、Tとし、S<Tの場合、制御手段が、合計dutyをPID制御のみに配分し、S≧Tの場合、制御手段が、合計dutyをON・OFF制御に優先して配分し、残りのdutyをPID制御に配分し、ON・OFF制御にて制御する熱源の数Nを、N≦S/T、かつN≦熱源の数−1、とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置に用いられる定着装置及び定着装置を備える画像形成装置に関する。その発明骨子は、一般の用紙乾燥・加熱装置に応用可能である。
従来から、複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置として、電子写真方式を利用した画像形成装置が考案されており公知技術となっている。その画像形成プロセスは、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により記録紙に転写して画像を担持させ、圧力や熱等を用いる定着装置によって記録紙上のトナー画像を定着する過程により成立している。
定着装置には、対向するローラ若しくはベルト又はそれらの組み合わせにより構成された定着回転体が配置されており、記録紙を挟み込み、熱及び圧力を加え、トナー像を記録紙上に定着する。
このような定着装置の一例として、複数のローラ部材に張架された定着ベルトを定着部材として用いるベルト定着方式が知られている。具体的には、図8に示すように、熱源である加熱ヒータ101を内蔵した加熱ローラ102と表層にゴム層を設けた定着ローラ103に巻き掛けられテンションローラ104でスプリング付勢された定着ベルト105と、この定着ベルト105に当接する加圧ローラ106とが定着回転体として機能し、定着装置に到達したトナー転写済みの記録媒体107が、定着ベルト105と加圧ローラ106の当接で形成される定着ニップに入り、記録媒体7が定着ニップを通過する過程で、転写されたトナー画像が加圧・加熱されて定着処理される。
また、回転体である定着部材の内面に摺接する固定部材を有している定着装置がある。このような定着装置の一例として、フィルム加熱方式の定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の定着装置は、図9に示すように、ホルダ111を介してステー112に保持された発熱体であるセラミックヒータ113と加圧ローラ106との間に、耐熱性フィルム(定着フィルム)114を挟んで定着ニップを形成し、この定着ニップのフィルム114と加圧ローラ106との間に未定着トナー画像を形成担持した記録媒体を導入して、フィルム114と一緒に挟持搬送することで、フィルムを介しセラミックヒータの熱を記録媒体に与えつつ、定着ニップの加圧力によって、未定着トナー画像を記録媒体表面に熱圧定着させるものである。
このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができると共に、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
また、加圧ベルト方式の定着装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の定着装置は、表面が弾性変形する回転可能な加熱定着ロールと、加熱定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルト(加圧ベルト)と、エンドレスベルトの内側に非回転状態で配置されて、エンドレスベルトを加熱定着ロールに圧接させ、エンドレスベルトと加熱定着ロールとの間に記録紙が通過させられるベルトニップを設けると共に、加熱定着ロールの表面を弾性変形させる加圧パッドとを具備する。この定着方式によれば、加圧部材をベルトにし、用紙とロールの接触面積を広げることで熱伝導効率を大幅に向上させ、エネルギー消費を抑制すると同時に小型化を実現することが可能となる。
しかしながら、特許文献1に記載の定着装置では、耐久性の問題と、ベルト温度安定性の問題があった。即ち、特許文献1に記載の定着装置では、熱源であるセラミックヒータとベルト内面の摺動による耐磨耗性が不十分であるところ、長時間運転すると連続摩擦を繰り返す面が荒れて摩擦抵抗が増大することから、ベルトの走行が不安定になったり、定着装置の駆動トルクが増大する等の現象が生じて画像を形成する転写紙のスリップが生じ画像のずれが生じたり、駆動ギヤに係る応力が増大してギヤの破損を引き起こしたりする問題があった(課題1)。
また、特許文献1に記載の定着装置では、ベルトをニップ部で局所的に加熱しているところ、回転するベルトがニップ入り口に戻ってくる際に、ベルト温度は最も冷えた状態になることから、(特に高速回転を行うと)定着不良が出やすいという問題があった(課題2)。
一方、特許文献2に記載の定着装置は、圧力パッドの表層に低摩擦シート(シート状摺動材)としてPTFEを含浸させたガラス繊維シート(PTFE含浸ガラスクロス)を用いることで、ベルト内面と固定部材の摺動性の問題を改善できる。しかしながら、特許文献2に記載の定着装置では、定着ローラの熱容量が大きく、昇温が遅いため、ウォームアップにかかる時間が長いという問題があった。(課題3)。
上記の課題1〜3を全て解決する技術として、例えば特許文献3には、無端状ベルト(定着ベルト)の内部にパイプ状の金属熱伝導体を、無端状ベルトの移動をガイドすることが可能に固定し、金属熱伝導体内の熱源により金属熱伝導体を介して無端状ベルトを加熱し、更に無端状ベルトを介して金属熱伝導体に接してニップ部を形成する加圧ローラを備えた定着装置が知られている。
この定着装置によれば、定着装置を構成する無端状ベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することができる。
しかしながら、更なる省エネルギー化及びファーストプリントタイム向上のためには熱効率を更に向上させる必要があり、金属熱伝導体を介して間接的に無端ベルトを加熱する構成から、金属熱伝導体を介さずに無端ベルトを直接加熱する構成が発展的に考案された。この構成によれば、伝熱効率が大幅に向上して消費電力が低減すると共に、加熱待機時からのファーストプリントタイムを更に短縮することが実現できる。また、金属熱伝導体を要しないためコストダウンが可能となる。
ところで、加圧ベルト方式の定着装置では、定着部材を加熱するヒータをON・OFF制御することが一般的に行われているところ、無端ベルトを直接加熱する構成とすることで熱容量が小さくなることから、温度リップルが大きくなる。このため位相制御、又はON・OFF制御等により電力を可変させる手段を持ち、ターゲット温度と実温度の差分に応じて電力を変動させ、温度制御の精度を上げている。
しかしながら、以下のような課題がある。
第一に、高調波歪の増加である。スイッチンング素子を持つ非線形回路に交流電圧を入れると高調波電流が発生する。電源電圧が0V近傍になったときON・OFF制御がON・OFFを行うゼロクロス制御を行っているのに対し、位相制御は、はるかに高い電圧でON・OFFを行うことから、位相制御とON・OFF制御では、ON・OFF制御の方が高調波歪みに対して有利となる。
第二に、フリッカの増加である。無端ベルトを直接加熱する構成では、熱容量が小さいことから、短期間に電力を変化させ温度制御の精度を上げているところ、従来の加圧ベルト定着より頻繁に電力が変動する。電源電圧を変化させることで、この消費電力は、変動する。位相制御では、電流変動周期が100Hz以上であり人の目ではちらつきが認識し難い。一方、ON・OFF制御では、例えば10半波をグループとして前半の数半波をオンとし、後半の数半波をオフにし10段階に電力を制御した場合、電流変動周期が10Hzと位相制御より低いことから、ちらつきが人の目で認識しやすい。そのため、位相制御とON・OFF制御では、位相制御の方がライフインピーダンスの高い電圧フリッカに対して有利となる。
ヒータの電力が大きくなると、ON・OFFする際の電流変動が大きくなることから、これらの高調波歪やフリッカは悪化する。
本発明は、上述の問題点を鑑みたものであり、従来の定着装置に比べて、高調波歪及びフリッカの発生を抑制し、省エネルギー化及びファーストプリントタイム向上できる定着装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の定着装置は、
定着部材を記録媒体の画像面に接触して、該画像面のトナー像を溶融することにより記録媒体に定着する定着装置において、
前記定着部材を加熱する複数の熱源と、
前記複数の熱源の点灯を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記複数の熱源の少なくとも1つをPID制御にて制御し、残りの熱源をON・OFF制御にて制御し、
前記PID制御にて算出した算出dutyに、熱源の数を掛けた値を、合計dutyであるSとし、
前記ON・OFF制御にて制御する熱源の1つあたりの最大点灯dutyを、Tとし、
S<Tの場合、前記制御手段が、前記合計dutyを前記PID制御のみに配分し、
S≧Tの場合、前記制御手段が、前記合計dutyを前記ON・OFF制御に優先して配分し、残りのdutyを前記PID制御に配分し、
前記ON・OFF制御にて制御する熱源の数Nを、N≦S/T、かつN≦熱源の数−1、とすることを特徴としている。
本発明によると、従来の定着装置に比べて、高調波歪及びフリッカの発生を抑制し、省エネルギー化及びファーストプリントタイム向上できる定着装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を概略的に示す構成図である。 図1に示した画像形成装置に備わる定着装置の構成を概略的に示す構成図である。 図1に示した画像形成装置に備わる定着装置の第4の制御態様を説明する説明図である。 図1に示した画像形成装置に備わる定着装置の第10の制御態様を説明する説明図である。 図1に示した画像形成装置に備わる定着装置の第11の制御態様を説明する説明図である。 図1に示した画像形成装置に備わる定着装置の第12の制御態様を説明する説明図である。 図1に示した画像形成装置に備わる定着装置の第13の制御態様を説明する説明図である。 従来の定着装置を示す構成図である。 従来の定着装置を示す構成図である。
次に、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態を説明するための各図面において、同一の機能若しくは形状を有する部材又は構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、タンデム型間接(中間)転写方式の複写機である。装置本体には、中央に、無端ベルト状の中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10は、支持ローラ13,14,15,16に掛け回されて、図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、支持ローラ15の左側に、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設けている。クリーニング部材にはウレタンなどのブレード状のものを用い、中間転写体回転方向に対しカウンター方向に当接している。ブレードにより回収されたトナーは、クリーニング装置内の搬送部材により、装置奥側へ搬送され、重力などにより下方へ落下させることで、トナー回収用ボトルへと収容される。トナー回収用ボトルには、回収トナー量を検知する手段が設けられており、満杯時には装置を停止させるなどでトナーが溢れる事態を防止している。
また、中間転写ベルト10のベルト上辺上方には、その搬送方向に沿って、例えば、ブラック・マゼンタ・シアン・イエローの4つの画像形成手段が横に並べられて配置されており、タンデム画像形成装置を構成している。タンデム画像形成装置の上方には、露光装置21が設けられている。
一方、中間転写ベルト10のベルトループ下中央に配された支持ローラ16の対向側には、2次転写ローラ23が備えられている。2次転写ローラ23を備える2次転写装置の用紙(記録媒体)搬送下流側には、転写用紙上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、定着ベルト26に加圧部材としての加圧ローラ27を押し当てて構成されている。
スタートスイッチを押すと、駆動モータで支持ローラ14,15,16の1つを回転駆動して、支持ローラ13を含む他の支持ローラが従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段において、その感光体40を回転し、各感光体上にそれぞれ、ブラック・マゼンタ・シアン・イエローの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10のベルト移動に伴って、それら単色画像を順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、スタートスイッチを押すことにより、給紙装置の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンクに多段に備えられた給紙カセット44の1つから、転写用紙を繰り出す。そして、分離ローラ45で一枚ずつ分離して、給紙路に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体内の給紙路に導き、レジストローラ(位置合わせローラ)48に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ48を回転し、中間転写ベルト10と2次転写ローラ23との間に用紙を送り込み、2次転写ローラ23で転写して用紙上にカラー画像を記録する。
画像転写後の用紙を、2次転写装置のベルト24で搬送して定着装置25へと送り込み、そこで熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、排出ローラ49で排出し、排紙トレイ上にスタックする。一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後にベルト上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置による再度の画像形成に備えられる。
次に、定着装置について説明する。
本実施形態に係る定着装置は、図2に示すように、ベルト定着方式の定着装置である。この定着装置25においては、定着ベルト26は、駆動ローラである定着部材としての定着ローラ28と張架部材として加熱ローラ31に支持・張架されている。定着ベルト26は、定着ローラ28が駆動機構で回転駆動されることにより、回転走行する。
加圧ローラ27は、定着ベルト26を介して定着ローラ28と対向して設けられており、加圧機構によって、定着ベルト26を介して定着ローラ28に加圧されるようになっている。そして、加圧ローラ27と定着ベルト26によりニップ部Nが形成される。
加熱ローラ31の内部には、熱源としてのヒータ29が設けられ、このヒータ29により、加熱ローラ31が加熱されて、定着ベルト26が加熱ローラ31により加熱される。また、定着ベルト26の内側に設けられたテンションローラ30により、定着ベルト26の加熱ローラ31への接触面積を大きくすることができ、より多くの熱を加熱ローラ31から定着ベルト26へと伝えることができる。定着ベルト26が回転走行するとき、加圧ローラ27も定着ベルト26に連れ回りする。なお、加圧ローラ27に駆動を掛けてもよい。
定着ベルト26の表面温度は、温度検知素子としてのサーミスタにより検知され、温度制御部が、そのサーミスタの出力値に基づいて、定着ベルト26の表面温度が所定の設定温度になるようにヒータ29を制御する。
未定着トナー像を担持した用紙8は、定着装置25に搬入されて定着ベルト26と加圧ローラ27とのニップ部Nを通過する。その際、所定の温度に制御されているニップ部Nで、トナー像が溶融定着される。
次に、ヒータ29の点灯を制御する制御手段による様々な制御態様について説明する。なお、以下に説明する制御態様は、少なくとも2つ以上の制御態様を適用可能な範囲で組み合わせて実施することも可能である。
まず、第1の制御態様について説明する。
表1は、ヒータ29を3本持つ場合の制御手段135によるヒータ制御の構成を示す。
Figure 2016040595
制御手段135は、3本のヒータ29のうち、1本のヒータをPID制御で制御し、残りの2本のヒータをON・OFF制御で制御する。なお、制御手段は、この態様に限定されず、2本のヒータをPID制御で制御しても良い。
表2は、ヒータ29を3本持ち、PID制御で算出した算出dutyが異なる場合のPID制御とON・OFF制御への配分例を示す。なお、PID制御及びON・OFF制御の最大点灯dutyは、100%とする。また、dutyとは、ヒータ点灯周期(制御周期)内のヒータ点灯割合を言い、制御周期とは、ヒータのON・OFF設定を決定する周期を言う。PID制御で算出した算出dutyとは、1本のヒータに必要なdutyを言う。最大点灯dutyとは、ヒータ点灯周期内のdutyが最大何%まで点灯可能かを示したものを言う。
Figure 2016040595
PID制御で算出した算出dutyが30%の場合、PID制御にて算出したdutyにヒータの本数を掛けた合計duty(合計値S)は、30%×3=90%、である。
ON・OFF制御の最大点灯dutyを100%とした場合に、合計duty<ON・OFF制御の最大点灯duty、であることから、制御手段135は、duty(90%)をPID制御のヒータ29に配分する。
一方、PID制御で算出した算出dutyが80%の場合、合計dutyは、80%×3=240%、である。
ON・OFF制御の最大点灯dutyを100%とした場合に、ON・OFF制御の最大点灯duty≦合計duty、であることから、制御手段135は、duty(100%)を2本のON・OFF制御のヒータ29に優先的に配分する。そして、残りのduty(40%)をPID制御のヒータ29に配分する。
なお、ON・OFF制御にて制御する熱源の数≦合計duty/ON・OFF制御にて制御する熱源の1つあたりの最大点灯duty、かつON・OFF制御にて制御する熱源の数≦熱源の数−1、とする。
PID制御で点灯するヒータ29の本数を限定することで、PID制御で点灯するヒータの本数を限定しない場合と比較して、高調波歪に対して有利となる。また、dutyをON・OFF制御に優先して配分することで、ヒータ29は、高dutyで点灯し続けることから、PID制御のみにより制御する場合と比較して、フリッカに関しても有利となる。ON・OFF制御するヒータ29の点灯本数を最小限にし、高調波を改善すると共に、少なくとも1本はPID制御で点灯させるので温度追従性も改善する。
表3は、ヒータ29を3本持ち、PID制御で算出した算出dutyに対するPID制御とON・OFF制御への別の配分例を示す。なお、PID制御及びON・OFF制御の最大点灯dutyは、100%とする。
Figure 2016040595
PID制御で算出した算出dutyが40%の場合、合計dutyは、40%×3=120%、である。
ON・OFF制御の最大点灯duty100%とした場合に、ON・OFF制御の最大点灯duty≦合計duty、であることから、制御手段135は、duty(100%)をON・OFF制御のヒータ29の1本に優先的に配分する。また、ON・OFF制御の最大点灯duty≦100%、であることから、制御手段135は、残りのduty(20%)をPID制御のヒータ29に配分する。
この際、ON・OFF制御の2本のヒータ29のうち1本は、duty(0%)が配分されるところ、このヒータ29は点灯しない。
PID制御にて細かい点灯(短時間の点灯)が可能となることから、温度追従性が良くなる。
次に、第2の制御態様について説明する。
表4は、PID制御に振り分けられた算出duty、規制duty、閾値dutyごとの動作を示す。例えば、規制dutyを15%、閾値dutyを8%とする。なお、規制dutyと閾値dutyは、この態様に限定されず、閾値duty≦規制dutyであれば良い。なお、PID制御に振り分けられた算出dutyとは、PID制御で算出した算出duty(要求duty)にヒータの本数を掛けたdutyを分配する内容を言う。
Figure 2016040595
要求dutyが20%の場合、要求dutyが規制duty以上であることから、制御手段135は、実行dutyを20%で、ヒータ29の点灯を制御する。
要求dutyが10%の場合、要求dutyが閾値dutyを超え、かつ規制dutyを下回ることから、制御手段135は、実行dutyを15%で、ヒータ29の点灯を制御する。
要求dutyが5%の場合、要求dutyが閾値duty以下であることから、制御手段135は、実行dutyを0%で、ヒータ29の点灯を制御する。
第2の制御態様によれば、微小dutyの繰り返しにより悪化するフリッカを抑制できる。
表5は、PID制御で算出した算出dutyが規制duty以下になる回数と、ヒータ点灯周期(制御周期)と、の関係を示す。なお、通紙完了と共にヒータ点灯周期はリセットされる。
Figure 2016040595
PID制御で算出した算出dutyが規制duty以下になる回数が10回未満の場合、制御手段235は、ヒータ点灯周期を通紙開始時と同一である2000msecとする。
温度が追従し、PID制御で算出した算出dutyが規制duty以下になる回数が10回以上の場合、制御手段235は、ヒータ点灯周期を2000msecから2500msecに変更する。
定着装置が十分に蓄熱され、ヒータ点灯周期を延長しても温度落ち込みはしにくいことから、フリッカや高調波を低減できる。また、ヒータ点灯周期変更後は、ヒータ29の点灯回数が減ることから、フリッカや高調波を低減できる。なお、算出dutyが規制duty以下になる回数は、この態様に限定されないことは言うまでもない。
次に、第3の制御態様について説明する。
表6は、ヒータ29を3本持ち、動作モードが異なる場合のPID制御とON・OFF制御への配分例を示す。
Figure 2016040595
例えば、動作モードが立ち上げの場合、定着装置を蓄熱させるために高dutyが必要となるところ、フリッカ値は、悪化しないことから、制御手段335は、3本のヒータ29をON・OFF制御で制御する。
動作モードが待機の場合、定着装置は蓄熱されているところ、温度維持に必要なdutyが低減することから、制御手段335は、ヒータ29の点灯本数を2本に制限し、ON・OFF制御で制御する。
動作モードが通紙の場合、第1の制御態様と第2の制御態様となる。なお、動作モードは、この態様に限定されないことは言うまでもない。
動作モードごとに最適なヒータ点灯本数と点灯方法にすることで、温度追従性を向上させ、高調波歪、フリッカを抑制できる。なお、動作モードは、上述の動作モードに限定されない。
次に、第4の制御態様について説明する。
図3は、ヒータ点灯周期を2000msecとした場合で、ソフトスタート及びソフトストップを動作させたときの電力波形を示す。制御手段435は、ON・OFF制御及び/又はPID制御と共に、ソフトスタート及びソフトストップの制御をする。
ソフトスタート及びソフトストップの制御をする目的を説明する。ヒータ29が、例えばハロゲンヒータの場合、ヒータ29が冷えている状態で電源投入すると、大きな突入電流が流れる。この突入電流を低減するため、電源投入後の数msec間は、トライアックを導通させる位相角(オン時間)を徐々に増やすソフトスタートを実行する。また、突入電流による急激な電源電流の変化により、屋内配線での電圧変動が起こり、蛍光灯や白熱電球などの屋内照明でチラツキ(フリッカ)が発生する場合がある。このフリッカを低減するため、ソフトスタート及びソフトストップの制御をする。制御手段435がソフトスタート及びソフトストップの制御をすることで、ヒータ29のオン時の電流変化を緩やかにし、フリッカも低減できる。
次に、第5の制御態様について説明する。
表7は、ヒータ29を3本持ち、要求dutyの合計dutyの最大値と検知電圧との関係を示す。なお、PID制御及びON・OFF制御の最大点灯dutyは、100%とする。
Figure 2016040595
標準電圧を200Vとした場合、要求dutyの合計dutyの最大値は、規制されることなく300%の実行dutyで点灯する。
一方、電圧が増加しても300%の実行dutyで動作し続けた場合、温度追従性が悪化する。この温度追従性を向上させるため、制御手段535は、電圧に応じて実行dutyを変化させる。例えば、電圧260Vのような高電圧の場合は、実行dutyの最大値を220%とすることで、温度追従性を悪化することなくヒータを点灯できる。
制御手段535は、検知する電圧に応じて、複数のヒータ29の最大点灯dutyの合計dutyに対し、補正を入れることで、各種電圧に対して、最適な点灯dutyで制御し、温度追従性を改善できる。
次に、第6の制御態様について説明する。
ところで、複数本のヒータを持つ場合、状態遷移ごとに使用するヒータを固定しつつ点灯させると、ヒータごとの点灯回数、点灯時間にばらつきが生じる。ヒータ寿命は、ヒータの点灯回数及び点灯時間により決まることから、複数本のヒータ寿命にばらつきが発生してしまう。また、複数本のヒータ寿命のばらつきを抑制しようとすると、煩雑な点灯ができず、例えば、複数のヒータにて画一的に点灯と消灯を繰り返すことになる。そのため、必要以上のワット数での制御となり、温度のオーバーシュートが大きくなる等の課題がある。第6の制御態様は、このような課題を解決する。
表8は、ヒータ29を3本持つ場合のヒータ制御の切り替え動作を示す。制御手段635は、3本のヒータ29のうち、1本のヒータ29をPID制御で制御し、残りの2本のヒータ29をON・OFF制御で制御する。なお、制御手段は、この態様に限定されず、2本のヒータをPID制御で制御しても良い。
Figure 2016040595
制御手段635は、ヒータ制御方法の切り替えを、ヒータ制御方法1、ヒータ制御方法2、ヒータ制御方法3の順に実行し、ヒータ制御方法3からヒータ制御方法1に戻って、ヒータ制御方法1〜3をループして実行する。また、制御手段635は、PID制御の切り替えに合わせて、ON・OFF制御のヒータ29に配分される順列(順序)も変更する。即ち、PID制御の切り替えに合わせて、ON・OFF制御により制御される各熱源にdutyを配分する配分順序を変更する。
ヒータ制御方法1によると、1本目のヒータ29がPID制御の動作をし、2本目のヒータ29及び3本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。この際、2本のON・OFF制御のヒータ29のうち1本だけON・OFF制御のdutyで点灯させる場合、2本目のヒータ29をON・OFF制御とする。
ヒータ制御方法2によると、2本目のヒータ29がPID制御の動作をし、1本目のヒータ29及び3本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。この際、2本のON・OFF制御のヒータ29のうち1本だけON・OFF制御のdutyで点灯させる場合、3本目のヒータ29をON・OFF制御とする。
ヒータ制御方法3によると、3本目のヒータ29がPID制御の動作をし、1本目のヒータ29及び2本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。この際、2本のON・OFF制御のヒータ29のうち1本だけON・OFF制御のdutyで点灯させる場合、3本目のヒータ29をON・OFF制御とする。
制御手段635は、動作モードによって、ヒータ制御方法1〜3の切り替えをする。例えば、通紙中にヒータ制御方法2の点灯を行った場合、動作モードが待機に移行した時点で、制御手段635は、ヒータ制御方法3に切り替える。立ち上げ中にヒータ制御方法1の点灯を行った場合、動作モードが通紙に移行した時点で、制御手段635は、ヒータ制御方法2に切り替える。
表9は、動作モードごとのヒータ制御方法の切り替えの有無を示す。
Figure 2016040595
動作モードが立ち上げ又は待機の場合、制御手段635は、ヒータ制御方法の切り替えを実行しない。
一方、動作モードが通紙の場合、制御手段635は、ヒータ制御方法の切り替えを実行する。例えば、通紙中にヒータ制御方法3を実行する場合、制御手段635は、待機移行時もヒータ制御方法3を実行する。そして、動作モードが再度通紙になった際に、制御手段635は、ヒータ制御方法1に切り替えて実行する。このように、動作モードに応じて、ヒータ制御方法を切り替えることで、ヒータ寿命を延ばすことができる。また、複数本のヒータ寿命にばらつきも抑制でき、温度のオーバーシュートの問題も解決できる。
次に、第7の制御態様について説明する。
表10は、ヒータ29を4本持つ場合のヒータ制御の切り替え動作を示す。
Figure 2016040595
第7の制御態様は、第6の制御態様とヒータ29を4本持つ点で異なる。制御手段635は、3本のヒータ29のうち、1本のヒータ29をPID制御で制御し、残りの3本のヒータ29をON・OFF制御で制御する。なお、制御手段は、この態様に限定されず、2本以上のヒータ29をPID制御で制御しても良い。
ヒータ制御方法1によると、1本目のヒータ29がPID制御の動作をし、2本目のヒータ29、3本目のヒータ29及び4本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。この際、3本のON・OFF制御のヒータ29のうち1本だけON・OFF制御のdutyで点灯させる場合、2本目のヒータ29をON・OFF制御とする。
ヒータ制御方法2によると、2本目のヒータ29がPID制御の動作をし、1本目のヒータ29、3本目のヒータ29及び4本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。この際、3本のON・OFF制御のヒータ29のうち1本だけON・OFF制御のdutyで点灯させる場合、3本目のヒータ29をON・OFF制御とする。
ヒータ制御方法3によると、3本目のヒータ29がPID制御の動作をし、1本目のヒータ29、2本目のヒータ29及び4本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。この際、3本のON・OFF制御のヒータ29のうち1本だけON・OFF制御のdutyで点灯させる場合、4本目のヒータ29をON・OFF制御とする。
ヒータ制御方法4によると、4本目のヒータ29がPID制御の動作をし、1本目のヒータ29、2本目のヒータ29及び3本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。この際、3本のON・OFF制御のヒータ29のうち1本だけON・OFF制御のdutyで点灯させる場合、1本目のヒータ29をON・OFF制御とする。
制御手段735は、動作モードによって、ヒータ制御方法1〜4の切り替えをする。例えば、通紙中にヒータ制御方法2の点灯を行った場合、待機に移行した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法3に切り替える。立ち上げ中にヒータ制御方法1の点灯を行った場合、通紙に移行した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法2に切り替える。
表11は、紙厚ごとのヒータ制御の切り替え回数と動作を示す。
Figure 2016040595
なお、紙厚情報がない場合、制御手段735は、ヒータ制御方法1、ヒータ制御方法2、ヒータ制御方法3、ヒータ制御方法4の順にヒータ制御方法の切り替えを実行し、ヒータ制御方法4からヒータ制御方法1に戻って、ヒータ制御方法1〜4をループして実行する。また、表11は、動作モードが通紙の場合を示す。また、制御手段735は、ヒータ制御方法の切り替えをばらつきなく実行するように、ヒータ制御方法1〜4の数値を全部選択してから、次のヒータ制御方法を決定して実行する。また、スタート時点は、ヒータ制御方法1とする。
本実施形態では、紙厚は例えば以下のように示す。
紙厚Aは、用紙坪量が52.3〜63.0gsmを示す。
紙厚Bは、用紙坪量が63.1〜80.0gsmを示す。
紙厚Cは、用紙坪量が80.1〜105.0gsmを示す。
紙厚Dは、用紙坪量が105.1〜163.0gsmを示す。
紙厚Eは、用紙坪量が163.1〜220.0gsmを示す。
紙厚Fは、用紙坪量が220.1〜256.0gsmを示す。
紙厚Gは、用紙坪量が256.1〜300.0gsmを示す。
紙厚Hは、用紙坪量が300.1〜350.0gsmを示す。
紙厚Iは、用紙坪量が350.1〜400.0gsmを示す。
紙厚Aの通紙情報がある場合、紙厚Aの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法2に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法3に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法4に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Bの通紙情報がある場合、紙厚Bの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法3に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法4に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法2に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Cの通紙情報がある場合、紙厚Cの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法4に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法3に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法2に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Dの通紙情報がある場合、紙厚Dの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法2に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法4に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法3に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Eの通紙情報がある場合、紙厚Eの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法3に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法2に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法4に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Fの通紙情報がある場合、紙厚Fの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法4に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法2に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法3に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Gの通紙情報がある場合、紙厚Gの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法2に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法3に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法4に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Hの通紙情報がある場合、紙厚Hの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法3に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法4に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法2に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚Iの通紙情報がある場合、紙厚Iの通紙情報を判定した時点で、制御手段735は、ヒータ制御方法をヒータ制御方法4に切り替える。2回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法3に切り替え、3回目のヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法2に切り替える。3回目のヒータ制御方法の切り替え時点で、ヒータ制御方法1〜4の切り替え動作を全て選択し、全てのヒータ29でPID制御を行ったので、4回目ヒータ制御方法の切り替えは、ヒータ制御方法1に再度切り替える。
紙厚ごとにヒータ制御の切り替え動作を変更させる理由を説明する。例えば、所定の回数のうち一回は多数の通紙を行う場合、その通紙枚数が多いタイミングとヒータ制御方法の切り替えのタイミングが揃ったとき、ヒータの点灯時間にばらつきが生まれる。具体的には、紙厚Aの場合、ヒータ制御方法1では1000枚、ヒータ制御方法2〜4では1枚通紙するパターンを繰り返し続けたとする。この場合、ヒータの1本はPID制御で、ヒータの1本はON・OFF制御で制御する。そうすると、ヒータの1本目及びヒータの2本目の点灯時間は、ヒータの3本目及びヒータの4本目の点灯時間より長くなり、各ヒータのヒータ寿命が異なる。
紙厚ごとにヒータ制御の切り替え動作を変更させることで、このような定型の通紙により、ヒータによって点灯時間が異なるのを防げる。なお、動作モードが待機や立ち上げの場合、待機や立ち上げ時に、ヒータ制御方法の切り替えを実行すると、ヒータ同士の点灯ばらつきは抑制できないところ、ヒータ制御方法の切り替えは、動作モードが通紙のときに限定されるものである。また、紙厚は、上述の態様に限定されないことは言うまでもない。
次に、第8の制御態様について説明する。
表12は、ヒータ制御方法の切り替え情報を、本体内の記憶手段としての記録装置に、保存する場合と保存しない場合を示す。なお、ヒータ制御方法は、ヒータ制御方法1〜3まである場合とする。
Figure 2016040595
本体内に記録装置がない場合、電源OFFにてこれまでのヒータ制御方法の切り替えの情報がリセットされてしまうため、再度電源ONした際に、制御手段835は、ヒータ制御方法1からスタートする。例えば、4回目のヒータ制御方法の切り替えで、ヒータ制御方法2と切り替えた場合で、電源OFFしたとする。そして、再度電源ONした際には、制御手段835は、ヒータ制御方法1で制御する。そのため、電源OFFONの回数に応じて、ヒータ制御方法1からスタートする回数が増え、ヒータ制御方法1で点灯するヒータ29の点灯時間が長くなり、ヒータ寿命にばらつきが生まれる。
一方、本体内に記録装置がある場合、電源OFFまでのヒータ制御方法の切り替えの情報が記録装置に記録されるため、再度電源ONした際にも、制御手段835は、最終的なヒータ制御方法の切り替え情報から継続して制御する。例えば、4回目のヒータ制御方法の切り替えで、ヒータ制御方法2と切り替えた場合で、電源OFFしたとする。そして、再度電源ONした際には、制御手段835は、ヒータ制御方法2で制御する。
PID制御又はON・OFF制御にて動作させる熱源の情報を本体内の記録装置に保存することで、主電源OFF時に定着熱源情報がリセットされないため、点灯時間のばらつきが抑えられ、ヒータ寿命にばらつきが生まれることを防げる。
次に、第9の制御態様について説明する。
表13は、ヒータ29の点灯タイミングとヒータ点灯周期(制御周期)の関係を示す。
Figure 2016040595
動作モードが待機で、目標温度に到達していない場合、制御周期が短かいほど細かくヒータ29を点灯できることから、温度追従性が向上する。
一方、動作モードが待機で、目標温度に到達している場合、制御周期が細かくヒータ29を点灯させる必要がないところ、制御周期を長くとれることから、ヒータ29の点灯回数が減り、フリッカや高調波歪を改善できる。
動作モードが待機で、目標温度に到達していない場合、制御手段935は、制御周期を2000msecとし、目標温度に到達した場合は、制御手段935は、制御周期を4000msecとする。制御周期の切り替え判断開始は、動作モードが待機に移行した後とする。また、制御周期は、制御周期の切り替え頻度の多さによる温度追従性の悪化を防ぐため、待機中に一度変更したら、変えないものとする。
待機時の目標温度への追従に応じて制御周期を変更することで、温度追従性を維持しつつ、ヒータ29の点灯回数を減らしフリッカや高調波歪を抑制できる。
ところで、ヒータ29のガラス管温度の耐熱温度を越えて使われる場合、ヒータ29のガラス管の黒化や変形を招き易く、ヒータ寿命を悪化させる。以下の制御態様では、このような課題を解決する。なお、定着装置25の全体に熱が行き渡っていない状態とは、ガラス管温度が上昇していない状態又は蓄熱が十分でない状態を言う。また、定着装置25の全体に熱が行き渡っている状態とは、ガラス管温度が上昇している状態又は蓄熱が十分な状態を言う。
次に、第10の制御態様について説明する。
表14は、ヒータ29を4本持つ場合のヒータ制御の切り替え動作を示す。なお、ヒータ29の1本目をPID制御に固定して制御し、残りの3本をON・OFF制御で制御する。
Figure 2016040595
制御手段1035は、ヒータ制御方法の切り替えを、ヒータ制御方法1、ヒータ制御方法2、ヒータ制御方法3の順に実行し、ヒータ制御方法3からヒータ制御方法1に戻って、ヒータ制御方法1〜3をループして実行する。
ヒータ制御方法1によると、1本目のヒータ29がPID制御の動作をし、2本目、3本目及び4本目のヒータ29がON・OFF制御の動作をする。1本目のヒータがPID制御であることから、2本目のヒータ29→3本目のヒータ29→4本目のヒータ29の順にdutyが配分される。本制御態様では、2本目のヒータ29及び3本目のヒータ29のON・OFF制御のdutyは100%であり、4本目のヒータ29のON・OFF制御のdutyは0%である。ON・OFF制御のdutyが0%である4本目のヒータ29は、ON・OFF制御のdutyが100%である2本目のヒータ29より、ヒータ29を構成するガラス管温度が低い。対象物温度の目標温度への追従をトリガーとして、ヒータ制御方法2に切り替えを実行することで、duty配分順序を3本目のヒータ29→4本目のヒータ29→2本目のヒータ29にできることから、2本目のヒータ29のガラス管温度上昇を抑制できる。
また、対象物温度の目標温度への追従をトリガーとして、ヒータ制御方法3に切り替えを実行することで、duty配分順序を、4本目のヒータ29→2本目のヒータ29→3本目のヒータ29の順にできることから、3本目のヒータ29のガラス管温度上昇を抑制できる。また、ヒータ制御方法1〜3をループすることで、ON・OFF制御で動作するヒータ29のガラス管温度上昇を抑制できる。
なお、対象物温度が目標温度へ継続してU秒間到達した場合、即ち目標温度への追従時間がU秒間を超えた場合、ヒータ制御方法1〜3を切り替えても良い。例えば、図4に示すように、目標温度(図中一点鎖線)への追従時間a,bがU秒以下の場合、ガラス管温度が上昇していない状態と判断し、制御手段1035は、ヒータ制御方法を切り替えない。一方で、目標温度への追従時間cがU秒を超えている場合、ガラス管温度が上昇している状態と判断し、制御手段1035は、ヒータ制御方法を切り替える。
対象物温度の目標温度への追従時間が所定時間経過後にヒータ制御方法を切り替えるところ、ガラス管温度が過剰な上昇をしない状態でヒータ制御方法を切り替えることから、ガラス管温度上昇を抑制できる。また、ON・OFF制御で制御されるヒータ29の切り替え回数を低減できることから、ヒータ29の寿命を改善できる。
次に、第11の制御態様について説明する。
第11の制御態様は、第10の制御態様と比較して、対象物の一定時間の平均温度により、制御手段1135がヒータ制御方法の切り替えを実行する点で異なる。例えば、図5に示すように、一定時間の区間x、区間y、区間zを設ける。そして、それぞれの区間における対象物温度の平均温度が、目標温度(図中一点鎖線)を超えたか否かを、制御手段1135が判断する。区間xにおいては、目標温度>区間xにおける対象物平均温度であることから、ガラス管温度が上昇していない状態と判断し、制御手段1135は、ヒータ制御方法を切り替えない。一方で、区間y,zにおいては、目標温度≦区間y,zにおける対象物平均温度であることから、ガラス管温度が上昇している状態と判断し、制御手段1135は、ヒータ制御方法を切り替える。ガラス管温度が上昇している状態、即ち定着ユニット25の全体に熱が行き渡った安定した状態の際にだけ、ヒータ制御方法を変更し、dutyを配分する順列を変更することで、ガラス管温度上昇を抑えヒータ29の寿命を改善できる。
次に、第12の制御態様について説明する。
第12の制御態様は、第10の制御態様と比較して、対象物である加熱ローラ31の温度変化量により、制御手段1235がヒータ制御方法の切り替えを実行する点で異なる。例えば、図6に示すように、通紙初期においては、対象物温度が目標温度へ到達してない状態、即ち対象物温度が目標温度に追従していない状態であり、加熱ローラ31の温度変動は大きくなり、経過時間に対する加熱ローラ31の温度の変化量はΔT2となる。一方、通紙初期以外では、対象物温度の目標温度へ到達している状態、即ち対象物温度が目標温度に追従している状態であり、加熱ローラ31の温度変動は通紙初期と比較して小さく、経過時間に対する加熱ローラ31の温度の変化量はΔT1となる。
また、経過時間に対する加熱ローラ31の温度の変化量に閾値ΔTを設け、経過時間に対する加熱ローラ31の温度の変化量が、ΔT以下の場合、ガラス管温度が上昇している状態であると判断し、制御部1235は、ヒータ制御方法を切り替える。ΔT2は、閾値ΔT以上であり、ガラス管温度が上昇していない状態であると判断し、制御手段1235は、ヒータ制御方法を切り替えない。一方、ΔT1は、閾値ΔT未満であり、ガラス管温度が上昇している状態であると判断し、制御手段1235は、ヒータ制御方法を切り替える。
ガラス管温度が上昇している状態、即ち定着ユニット25の全体に熱が行き渡った安定した状態の際にだけ、ヒータ制御方法を変更し、dutyを配分する順列を変更することで、ガラス管温度上昇を抑えヒータ29の寿命を改善できる。なお、対象物は、加熱ローラ31に限定されず、定着ベルト26であっても良い。
次に、第13の制御態様について説明する。
第13の制御態様は、第10の制御態様と比較して、制御手段1335がヒータ制御方法の切り替えを実行しない除外期間を設ける点で異なる。例えば、図7に示すように、通紙初期の温度落ち込み時を除外期間として設ける。通紙初期の温度落ち込み時の除外期間を設けることで、ガラス管温度が上昇している状態、即ち定着ユニット25の全体に熱が行き渡った安定した状態の際にだけ、ヒータ制御方法を変更し、dutyを配分する順列を変更でき、ガラス管温度上昇を抑えヒータ29の寿命を改善できる。
次に、第14の制御態様について説明する。
第14の制御態様は、第10の制御態様と比較して、紙種及び紙厚により、制御手段1435がヒータ制御方法の切り替えを実行する点で異なる。
表15は、紙種と紙厚ごとのヒータ制御方法の切り替え、即ちON・OFF制御duty切り替えの実施可否の表を示す。
Figure 2016040595
例えば、普通紙で紙厚A(52.3〜63.0gsm)等の薄紙通紙時は、目標温度や点灯dutyが厚紙より低く、ガラス管温度が上昇し難い。このような、ヒータ寿命を低減しない条件の場合は、ヒータ制御方法の切り替え、即ちON・OFF制御にて動作されるヒータ29に対しdutyを配分する順列の変更を実施しないことで、ON・OFF制御させるヒータ29の切り替え回数を減らし、ヒータの寿命を改善できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上述の実施形態では、ヒータが3本又は4本の場合について説明したが、本発明は、この態様に限定されるものではなく、ヒータが2本以上を持つ場合も同様の効果を発揮できることは言うまでもない。
なお、上述の実施形態で紹介した各構成の材質、寸法はあくまで一例であり、本発明の作用を発揮し得る範囲内で様々な材質や寸法を選択可能であることは言うまでもない。
26 定着ベルト(定着部材の一例)
29 ヒータ(熱源の一例)
35 制御手段
特許第2884714号公報 特開平8−262903号公報 特開2007−334205号公報

Claims (18)

  1. 定着部材を記録媒体の画像面に接触して、該画像面のトナー像を溶融することにより記録媒体に定着する定着装置において、
    前記定着部材を加熱する複数の熱源と、
    前記複数の熱源の点灯を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記複数の熱源の少なくとも1つをPID制御にて制御し、残りの熱源をON・OFF制御にて制御し、
    前記PID制御にて算出した算出dutyに、熱源の数を掛けた値を、合計dutyであるSとし、
    前記ON・OFF制御にて制御する熱源の1つあたりの最大点灯dutyを、Tとし、
    S<Tの場合、前記制御手段が、前記合計dutyを前記PID制御のみに配分し、
    S≧Tの場合、前記制御手段が、前記合計dutyを前記ON・OFF制御に優先して配分し、残りのdutyを前記PID制御に配分し、
    前記ON・OFF制御にて制御する熱源の数Nを、N≦S/T、かつN≦熱源の数−1、とすることを特徴とする、定着装置。
  2. 前記PID制御にて算出した算出dutyに対し、規制dutyと閾値dutyを設け、
    閾値duty≦規制dutyとし、
    前記PID制御にて算出した算出duty≧前記規制dutyの場合、前記制御手段が、該算出dutyで、熱源の点灯を制御し、
    前記PID制御にて算出した算出duty≦前記閾値dutyの場合、前記制御手段が、0%dutyで、熱源の点灯を制御し、
    前記閾値duty<前記PID制御にて算出した算出duty<前記規制dutyの場合、前記制御手段が、該規制dutyで、熱源の点灯を制御することを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記制御手段は、前記PID制御にて算出した算出dutyが前記規制duty以下となる回数が所定の回数を越えた場合、制御周期を変更することを特徴とする、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記制御手段は、前記複数の熱源の点灯をソフトスタート及びソフトストップにより制御することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の定着装置。
  5. 前記制御手段は、検知した電圧に応じて、前記複数の熱源の最大点灯dutyの合計dutyを補正することを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の定着装置。
  6. 前記制御手段は、動作モードに応じて、前記複数の熱源の点灯本数を変更することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の定着装置。
  7. 前記制御手段は、動作モードに応じて、前記PID制御又は前記ON・OFF制御に切り替え可能とすることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の定着装置。
  8. 前記制御手段は、前記PID制御で動作させる熱源の切り替えに合わせて、前記ON・OFF制御にて動作させる各熱源にdutyを配分する配分順序を変えることを特徴とする、請求項6又は7に記載の定着装置。
  9. 前記制御手段は、記録媒体の厚みに応じて、前記PID制御又は前記ON・OFF制御に切り替え可能とすることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の定着装置。
  10. 前記制御手段は、記憶手段に保存された情報に基づいて、熱源の点灯を制御することを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の定着装置。
  11. 前記制御手段は、動作モードが待機の場合に、目標温度に到達しているか否かに応じて、制御周期を変更することを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の定着装置。
  12. 前記制御手段は、前記ON・OFF制御にて動作させる各熱源にdutyを配分する配分順列を、対象物温度に基づいて変更することを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の定着装置。
  13. 前記制御手段は、前記ON・OFF制御にて動作させる各熱源にdutyを配分する配分順列を、対象物温度が目標温度に継続して到達した時間に基づいて、変更することを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の定着装置。
  14. 前記制御手段は、前記ON・OFF制御にて動作させる各熱源にdutyを配分する配分順列を、対象物温度の所定時間の平均温度に基づいて、変更することを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載の定着装置。
  15. 前記制御手段は、前記ON・OFF制御にて動作させる各熱源にdutyを配分する配分順列を、対象物温度の単位時間あたりの温度変化量に基づいて、変更することを特徴とする、請求項1〜14の何れか一項に記載の定着装置。
  16. 前記制御手段は、前記ON・OFF制御にて動作させる各熱源にdutyを配分する配分順列を変更させない期間を設けることを特徴とする、請求項1〜15の何れか一項に記載の定着装置。
  17. 前記制御手段は、前記ON・OFF制御にて動作させる各熱源にdutyを配分する配分順列を、前記記録媒体の種類及び厚みに基づいて、変更することを特徴とする、請求項1〜16の何れか一項に記載の定着装置。
  18. 請求項1〜請求項17の何れか一項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
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