JP2008058408A - 定着装置、画像形成装置、トナー像定着方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置、トナー像定着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱源を有する定着装置を用いて、記録材上のトナー像の定着を行うに際し、フリッカ現象を生ずることなく、制御を高精度に行うことを可能とする。
【解決手段】ローラ形状の定着部材である定着ローラ27の内部に定着熱源30が収容される。定着熱源は、隣接して配置した複数の熱源31で構成され、その複数の熱源31のうちの1つが主熱源32とされ、他が補助熱源33とされる。各熱源31は、それぞれ1つでもよいが、図示のものは複数の発熱体32a、32b、………または33a、33b、………で構成されている。これらの発熱体としては、例えばハロゲンヒータが使用される。そして、主熱源32の総電力量が、補助熱源33の総電力量よりも相対的に大きい電力量とされ、また主熱源32の制御周期を補助熱源33の制御周期より長くしてなる。
【選択図】図2

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置、特にトナー像を転写した記録材を定着装置に通して熱を用いてトナー像を記録材に定着する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などに備えて、定着熱源により定着部材を加熱し、その定着部材を記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着する定着装置に関する。および、定着熱源により定着装置の定着部材を加熱し、その定着部材を、定着装置を通す記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着するトナー像定着方法に関する。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にあっては、用紙等の記録材に形成されたトナー像を加熱溶融することにより、画像を定着させる定着装置を用いることが知られている。一般的に、トナー像として形成された電子写真画像を記録材に定着する定着装置は、ヒータに電力を供給して定着装置内のローラ等の定着部材を発熱させ、この熱でトナー像を加熱溶融して記録材に定着する処理を行う。
このような定着装置は、電子写真画像を記録材に定着している間の定着温度を一定にするために、前記ヒータに電力を供給し、所定の温度に昇温させて定着可能状態とし、この所定定着温度を維持しつつ定着装置へ記録材を通過させるという構成になっている。
ここで、ヒータのパワー駆動(加熱制御)は、ヒータへの供給電力を制御することにより行うものとしている。一般に、ヒータへの供給電力の制御方法としては、定着装置に設けられたサーモパイル、サーミスタ等の温度センサにより温度を検出し、目標制御温度との差に応じて、検出温度が目標制御温度よりも低いときはヒータへの通電をONし、目標制御温度より高いときはOFFするというON-OFF制御法がある。
しかし、ON-OFF制御法による温度制御では、目標制御温度に対して温度リップルが大きく発生し、定着部材である定着ローラの表面温度の変化に応じて定着画像の画質が変化して良好な画像の定着が行えなくなるという問題点がある。
これを低減するために、例えば定着装置内で加熱される定着ローラ対の芯金厚や表層厚を増加させ、定着ローラ対の熱容量を大きく設定することが考えられる。しかし、このように定着ローラ対の熱容量を大きく設定すると、温度リップルを低減できるものの、目標制御温度に昇温するためのウォームアップ時間が長くなるといった問題が新たに生じる。
このウォームアップ時間の増加を解決するために、画像形成装置が休止しているときは定着装置を高温に保つということも考えられるが、それでは、画像形成装置の消費電力が大きくなるという弊害が生じる。故に、昨今では、これらを包括的に解決するために、比較的熱容量の小さいローラ、もしくはシームレスベルト等を熱媒体として、比較的発熱量の大きなヒータを熱源として用い、かつ大きな温度オーバーシュートや、温度リップルを生じさせることなく制御する手法が必要となってきた。
上述したON-OFF制御にかわる制御アルゴリズムとしてPID制御がある。PID制御は、P:Proportinal(比例)、I:Integral(積分)、D:Differential(微分)の3つの組み合わせで制御するものであり、目標値と現在値の偏差に応じ、複数のパラメータを最適化することにより制御を行うものである。このPID制御は、ON-OFF制御に比較してリップルの低減を図ることができる。
上記のようなON-OFF制御、PID制御に限らず、フィードバックループを持つ温度調整機構の場合、制御を行う間隔である制御周期は短ければ、短いほど高精度に制御が行える。なぜならば、フィードバック制御は、目標制御温度とセンサの出力の温度を比較し、それを基に制御に反映する手法であるから、情報の更新頻度が高いほどより高精度に制御ができるためである。
しかしながら、制御周期を短くすることにより、ヒータの点灯サイクルが電圧変動として表れ、人間の目に付きやすくなるいわゆるフリッカ(ちらつき)などの問題を引き起こすことが知られている(
)。 「照明工学」著作者:電気学会通信教育会、発行所:電気学会
フリッカ現象は、光量変動量と光量変動周波数の関係で認識されるものであり、画像形成装置が動作する環境においてはヒータへ供給する電力量と、ヒータの制御周期の関係で決まる。簡易化して述べると、一般にはヒータへの供給電力量が大きくかつ制御周期が短いほど認識されやすくなるため、昨今のウォームアップ時間重視のためヒータの供給電力量を大きくしたい場合、相対的に制御周期は短くすることができない。
フィードバック制御は、定着装置内の熱量が奪われて、その後に温度センサの出力が落ちてくることによって始めてコントローラから入力電力量を増加させる演算が行われ、電力が供給される。例えば、ある一定温度に保った定着装置に用紙が進入すると、まず定着装置の温度が落ち、その後目標制御温度に復帰することになる。制御周期が長い場合、この温度落ち込みに対する制御が遅れることになり、温度落ち込みはさらに大きくなる。
トナー像は定着できる下限温度がトナーの融点により決まってくるので、温度が落ち込んでも定着温度下限に達しないように、通紙前の設定温度(例えば待機温度)を上げておく方法が一般的である。しかしながら、待機温度を上げておくように制御すると、待機時間が長い場合には定着装置を目標制御温度に保っておくための無駄なエネルギーが消費されることになる。
そこで、昨今では、印刷指令が出てから用紙の定着装置通過前の間、定着装置の温度落ち込みを少なくするように演算された電力供給を行うフィードフォワード制御が用いられている。この制御を行うと、温度落ち込みが少ない分、待機温度を下げておくことが可能であり、定着装置が保持する熱量が少なくなるため、待機時の省エネルギー化が可能となる。
例えば、特許文献1には、定着器の温度制御方法に関し、ファーストプリント時、画像作成動作に入る前の初工程の所定の段階から、前記表面温度状態判定結果にともない、あらかじめ設定しておいたデータ群の中から前記判定結果に対応した時間を抽出し、加熱手段をオンさせることによって定着ローラの表面温度を所定の状態にするファーストプリント温度補償と、定着動作時、記録媒体が定着器を通過することによって生じる定着ローラ表面温度の低下を記録媒体が定着器に投入される前の画像作成段階において、記録媒体の種類および色重ね合わせ工程回数によりあらかじめ設定しておいたデータ群の中から、奪われる熱量分に対応した時間を抽出し、加熱手段をオンさせることによって一頁毎の定着ローラ表面温度の温度低下を補償する温度補償の2種類の温度補償動作を行うという技術が開示されている。
特許文献2では、定着装置の制御方式において、ホスト装置からの印刷指示に含まれる印刷スケジュール情報から定着装置の通紙タイミングや定着に要する熱量を演算予測し、通紙タイミングに対して熱伝達の遅延時間分先行して、定着に必要な熱量を加えるフィードフォワード制御を行う技術が開示されている。
特開平07−210028号公報 特開2002−116658号公報
しかしながら、昨今のプリントアウトタイムの短縮化により、給紙装置と定着装置のパス間の距離が縮まる傾向にあり、印刷指令から定着装置通過までの時間が短くなってきている。そのため、印刷指令から用紙の定着装置通過までの時間も短くなってきた。このように、フィードフォワード制御に使える時間が短い場合、フィードフォワード制御量が十分に与えらず、依然として温度落ち込みを防ぎきれない場合がある。また、温度落ち込みのみならず、通紙時は用紙に奪われる熱量の変動により温度リップルが大きく発生するため、フィードバック制御の制御周期を短くすることは、フィードフォワード制御を導入した場合でも同様に要求される事項である。
問題点をまとめると、制御の高精度化のために熱源の制御周期を短く設定したくても、フリッカが発生するために制御周期を短くできないことである。
フリッカの問題に対しては、例えば特許文献3に示すように、複数間のヒータの点灯タイミングを一致させないようにすることで、急激な電圧変動を防ぐ方法が提示されている。また、特許文献4では、フリッカを防ぐためにヒータを分割したことにより、ヒータの点灯回数が増え、ヒータの寿命が短くなる問題に対して、各ヒータの点灯回数をカウントし、各ヒータを平均的に点灯させることにより寿命の問題を回避する方法が提示されている。
特開2000−66738号公報 特開2000−235327号公報
しかし、特許文献3、4ともに、制御の高精度化の観点からの、分割した各々のヒータの制御周期を可変にすることについては言及されておらず、フリッカは防ぐことはできても制御を高精度に行うことはできない。
そこで、この発明の目的は、上記に鑑みてなされたものであり、熱源を有する定着装置を用いて、記録材上のトナー像の定着を行うに際し、フリッカ現象を生ずることなく、制御を高精度に行うことを可能とすることにある。
このため、請求項1に記載の発明は、定着熱源により定着ローラや定着ベルトなどの定着部材を加熱し、その定着部材を用紙等の記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着する定着装置において、
前記定着熱源を複数の熱源で構成し、その複数の熱源のうちの1つの主熱源の電力量を他の補助熱源の電力量より大きくするとともに、前記主熱源の制御周期を前記補助熱源の制御周期より長くしてなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記定着部材をローラ形状である定着ローラとして、その内部に前記複数の熱源のすべてを収容してなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記定着部材をベルト形状である定着ベルトとして支持ローラに掛けまわし、その支持ローラの内部に前記複数の熱源のすべてを収容してなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置において、前記複数の熱源をそれぞれ1または複数のハロゲンヒータ等の発熱体で構成してなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置において、請求項1ないし4のいずれか1に記載の定着装置を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記定着部材の温度を検知する温度検知手段の検知結果に基づき前記定着装置をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記主熱源よりも前記補助熱源を前記温度検知手段に近付けて配置することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記定着装置の記録材搬送方向上流位置に、例えばレジストセンサを兼ねる記録材検知手段を備え、その記録材検知手段で記録材を検知したとき前記定着装置をフィードフォワード制御することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項5ないし8のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項5ないし8のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御とともにフィードバック制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記主熱源を複数の発熱体で構成し、そのうちのいくつかの発熱体をフィードフォワード制御する一方、残りの発熱体をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項8ないし11のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記定着熱源を構成するもののうち、前記フィードフォワード制御を行うものをその他のものよりも、サーモスタッドや温度ヒューズなどの熱遮断機構に近付けて配置することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、定着装置の定着熱源により、定着ローラや定着ベルトなどの定着部材を加熱し、その定着部材を、前記定着装置に通す用紙等の記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着するトナー像定着方法であって、前記定着熱源を構成する複数の熱源のうちの1つの主熱源で、大きな電力量を、フリッカの生じない長い制御周期で供給するとともに、前記複数の熱源のうちの他の補助熱源で目標制御温度に足りない残りの低い電力量を短い制御周期で供給することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のトナー像定着方法において、前記定着部材の温度を検知する温度検知手段の検知結果に基づき前記定着装置をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載のトナー像定着方法において、前記定着装置の記録材搬送方向上流位置に備える記録材検知手段で記録材を検知したとき前記定着装置をフィードフォワード制御することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項13ないし15のいずれか1に記載のトナー像定着方法において、前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項13ないし15のいずれか1に記載のトナー像定着方法において、前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御とともにフィードバック制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のトナー像定着方法において、前記主熱源を構成する複数の発熱体のうちのいくつかの発熱体をフィードフォワード制御する一方、残りの発熱体をフィードバック制御することを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項13ないし18のいずれか1に記載のトナー像定着方法において、待機時に、前記複数の熱源のすべてを、80[ms]〜200[ms]を避けた制御周期で駆動することを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載のトナー像定着方法において、待機時に、前記複数の熱源のすべてを、80[ms]〜2[s]を避けた制御周期で駆動することを特徴とする。
したがって、請求項1に記載の発明によれば、定着熱源を複数の熱源で構成し、その複数の熱源のうちの1つの主熱源の電力量を他の補助熱源の電力量より大きくするとともに、主熱源の制御周期を補助熱源の制御周期より長くするので、定着熱源を分割して熱源の電力を分配し、電力量の大きな主熱源と小さな補助熱源とに分け、それらの制御周期を異ならしめて、電力量の小さい補助熱源の制御周期を短くすることで、制御周期が短くても電力量が低いことから、フリッカを生ずることなく、より高精度な制御を行うことができる。結果として、温度リップルや通紙による温度の落ち込みを小さくできることにより設定温度を下げ、消費電力を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、定着部材をローラ形状として、その内部に複数の熱源のすべてを収容してなるので、内部に熱源のすべてを収容するローラ形状の定着部材を用いて、定着熱源により定着部材を加熱し、その定着部材を記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着する定着装置において、定着熱源を分割して熱源の電力を分配し、電力量の大きな主熱源と小さな補助熱源とに分け、それらの制御周期を異ならしめて、電力量の小さい補助熱源の制御周期を短くすることで、制御周期が短くても電力量が低いことから、フリッカを生ずることなく、より高精度な制御を行うことができる。結果として、温度リップルや通紙による温度の落ち込みを小さくできることにより設定温度を下げ、消費電力を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、定着部材をベルト形状として支持ローラに掛けまわし、その支持ローラの内部に複数の熱源のすべてを収容してなるので、内部に熱源のすべてを収容する支持ローラに掛けまわすベルト形状の定着部材を用いて、定着熱源により支持ローラを介して定着部材を加熱し、その定着部材を記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着する定着装置において、定着熱源を分割して熱源の電力を分配し、電力量の大きな主熱源と小さな補助熱源とに分け、それらの制御周期を異ならしめて、電力量の小さい補助熱源の制御周期を短くすることで、制御周期が短くても電力量が低いことから、フリッカを生ずることなく、より高精度な制御を行うことができる。結果として、温度リップルや通紙による温度の落ち込みを小さくできることにより設定温度を下げ、消費電力を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、複数の熱源をそれぞれ1または複数の発熱体で構成してなるので、定着熱源により定着部材を均一に加熱し、より高精度な制御を可能とすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、画像形成装置にあって、請求項1ないし4のいずれか1に記載の定着装置を備えるので、フリッカを生ずることなく、より高精度な制御を行うことができる定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、定着部材の温度を検知する温度検知手段の検知結果に基づき定着装置をフィードバック制御するので、温度検知手段の検知結果に基づいて、目標制御温度との温度偏差の情報を得、熱源をフィードバック制御して定着装置が最適な温度になるように制御し、フリッカを生ずることなく、より高精度な制御を行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、主熱源よりも補助熱源を温度検知手段に近付けて配置するので、フィードバック制御を行う補助熱源を、主熱源と比較して、相対的に温度検知手段に近い位置に配置することにより、フィードバック制御を行う際のむだ時間を小さくすることができ、より定着部材の温度を安定化することができる。結果として、設定温度を下げることができ、消費電力を低減することができる。
請求項8に記載の発明によれば、定着装置の記録材搬送方向上流位置に記録材検知手段を備え、その記録材検知手段で記録材を検知したとき定着装置をフィードフォワード制御するので、印字指令が出てから記録材が定着装置を通過する前に定着装置への電力供給を開始し、定着装置の温度の落ち込みを小さくして、その分、待機温度を下げておくことを可能とし、待機時における定着装置の維持熱量を小さくして画像形成装置の消費電力の低減を図ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、定着装置の主熱源をフィードフォワード制御し、補助熱源をフィードバック制御するので、電力量の大きい主熱源に対してフィードフォワード制御を行ってあらかじめ加熱することにより、通紙による定着部材の温度の落ち込みを防ぎ、かつ定着部材の温度を目標制御温度付近まで追従させることができ、また補助熱源に対して制御周期の短いフィードバック制御を行うことにより、残りの偏差を、フリッカ現象を生ずることなく、より高精度に制御することができる。結果として、設定温度を下げることができ、消費電力を低減することができる。
請求項10に記載の発明によれば、定着装置の主熱源をフィードフォワード制御とともにフィードバック制御し、補助熱源をフィードバック制御するので、主熱源に対してフィードフォワード制御のみを行う場合に比べて、定着部材の温度をより目標制御温度に近付けることができ、補助熱源が制御周期の短いフィードバック制御を行うことにより、より高精度に制御を行うことができる。結果として、設定温度を下げることができ、消費電力を低減することができる。
請求項11に記載の発明によれば、主熱源を複数の発熱体で構成し、そのうちのいくつかの発熱体をフィードフォワード制御する一方、残りの発熱体をフィードバック制御するので、主熱源をフィードフォワード制御のみで用いた場合に比べて、定着部材の温度をより目標制御温度に近付けることができ、補助熱源が制御周期の短いフィードバック制御を行うことにより、より高精度に制御を行うことができる。結果として、設定温度を下げることができ、消費電力を低減することができる。
請求項12に記載の発明によれば、定着熱源を構成するもののうち、前記フィードフォワード制御を行うものをその他のものよりも熱遮断機構に近付けて配置するので、フィードフォワード制御により何らかの原因で熱量過多となった場合に、より早い段階でそれを検知することができ、より安全性の高い画像形成装置を提供することができる。
請求項13に記載の発明によれば、定着熱源を構成する複数の熱源のうちの1つの主熱源で、大きな電力量を、フリッカの生じない長い制御周期で供給するとともに、複数の熱源のうちの他の補助熱源で目標制御温度に足りない残りの電力量を短い制御周期で供給するので、定着熱源を分割して熱源の電力を分配し、電力量の大きな主熱源と小さな補助熱源とに分け、それらの制御周期を異ならしめて、電力量の小さい補助熱源の制御周期を短くすることで、制御周期が短くても電力量が低いことから、フリッカを生ずることなく、より高精度な制御を行うことができる。結果として、温度リップルや通紙による温度の落ち込みを小さくできることにより設定温度を下げ、消費電力を低減することができる。
請求項14に記載の発明によれば、定着部材の温度を検知する温度検知手段の検知結果に基づき定着装置をフィードバック制御するので、温度検知手段の検知結果に基づいて、目標制御温度との温度偏差の情報を得、熱源をフィードバック制御して定着装置が最適な温度になるように制御し、フリッカを生ずることなく、より高精度な制御を行うことができる。
請求項15に記載の発明によれば、定着装置の記録材搬送方向上流位置に備える記録材検知手段で記録材を検知したとき定着装置をフィードフォワード制御するので、印字指令が出てから記録材が定着装置を通過する前に定着装置への電力供給を開始し、定着装置の温度の落ち込みを小さくして、その分、待機温度を下げておくことを可能とし、待機時における定着装置の維持熱量を小さくして画像形成装置の消費電力の低減を図ることができる。
請求項16に記載の発明によれば、定着装置の主熱源をフィードフォワード制御し、補助熱源をフィードバック制御するので、電力量の大きい主熱源に対してフィードフォワード制御を行ってあらかじめ加熱することにより、通紙による定着部材の温度の落ち込みを防ぎ、かつ定着部材の温度を目標制御温度付近まで追従させることができ、また補助熱源に対して制御周期の短いフィードバック制御を行うことにより、残りの偏差を、フリッカ現象を生ずることなく、より高精度に制御することができる。結果として、設定温度を下げることができ、消費電力を低減することができる。
請求項17に記載の発明によれば、定着装置の主熱源をフィードフォワード制御するとともにフィードバック制御し、補助熱源をフィードバック制御するので、主熱源に対してフィードフォワード制御のみを行う場合に比べて、定着部材の温度をより目標制御温度に近付けることができ、主熱源のみでは目標制御温度に追従しきれないところは、補助熱源に対して制御周期の短いフィードバック制御を行うことにより、より高精度に制御を行うことができる。結果として、設定温度を下げることができ、消費電力を低減することができる。
請求項18に記載の発明によれば、主熱源を構成する複数の発熱体のうちのいくつかの発熱体をフィードフォワード制御する一方、残りの発熱体をフィードバック制御するので、主熱源に対してフィードフォワード制御のみを行う場合に比べて、定着部材の温度をより目標制御温度に近付けることができる。
請求項19に記載の発明によれば、待機時に、複数の熱源のすべてを、80[ms]〜200[ms]を避けた制御周期で駆動するので、人の目に不快に感じる制御周期を避けることができる。
請求項20に記載の発明によれば、待機時に、複数の熱源のすべてを、80[ms]〜2[s]を避けた制御周期で駆動するので、人の目にもっとも不快に感じる制御周期を避けることができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、この発明による定着装置を備える画像形成装置における内部機構の全体概略構成を示す。
画像形成装置100は、電子写真方式を採用するものであり、中央に、時計まわりに回転するドラム状の感光体10を備える。そして、感光体10のまわりには、帯電装置11、現像装置12、転写装置13、クリーニング装置14などを設置する。帯電装置11の斜め上には、露光装置15を設ける。また、感光体10と転写装置13との間には、下方の給紙カセット16から画像形成装置100上の排紙スタック部17へと通ずる記録材搬送路18を設ける。
給紙カセット16内には、記録材である用紙20を積載して収容する。記録材搬送路18には、順に、その給紙カセット16内の用紙20を上から順に繰り出す給紙ローラ21、繰り出した用紙20を搬送する搬送ローラ22、レジストセンサ36、一対のレジストローラ37、感光体10と転写装置13間を通過後の用紙20をさらに搬送する記録材搬送装置23、用紙20上のトナー像を定着する定着装置24、定着後の用紙20を排紙スタック部17上に排出する排紙ローラ25などを備えてなる。
そして、この図示画像形成装置100では、感光体10の時計まわりの回転とともに、帯電装置11で表面を一様に帯電し、次いで露光装置15から書込み光Lを照射して書き込みを行い、感光体10上に静電潜像を形成し、そののち現像装置12でトナーを付着してその静電潜像を現像し、感光体10上にトナー像を形成する。
他方、給紙ローラ21を回転して給紙カセット16内から用紙20を繰り出し、搬送ローラ22で搬送して、レジストローラ37でタイミングを取って感光体10と転写装置13間に送り込み、転写装置13により、上述したごとく感光体10上に形成したトナー像を用紙20に転写し、記録材搬送装置23で搬送して定着装置24に送り込み、定着装置24でトナー像を用紙20に定着して後、排紙ローラ25により排出して排紙スタック部17上にスタックする。
図2には、この発明に係る定着装置24の構成を示す。
この発明に係る定着装置24は、ローラ形状の定着部材である定着ローラ27と、加圧ローラ28とで構成され、これらのローラ27、28のうちの一方のローラの回転軸は固定され、他方のローラの回転軸は移動自在として他方のローラが一方のローラに対して接離可能に支持され、かつ他方のローラが一方のローラに向けてばねで付勢されている。定着ローラ27には、内部に定着熱源30が収容されており、この定着熱源30で定着ローラ27が加熱されるようになっている。そして、図示定着装置24は、定着熱源30により定着ローラ27が加熱され、その定着ローラ27を、それと加圧ローラ28との間を通過する用紙20の画像面に接触して、その画像面のトナー像が溶融されることにより用紙30に定着される。
また、本例では、熱入力検知手段および温度検知手段として、定着ローラ27には、定着ローラ27の温度を測定するサーミスタ等の温度検知手段29を近接して備え、定着ローラ27の温度を測定する。
定着熱源30は、隣接して配置した複数の熱源31で構成され、その複数の熱源31のうちの1つが主熱源32とされ、他が補助熱源33とされる。各熱源31は、それぞれ1つでもよいが、図示するように複数の発熱体32a、32b、………または33a、33b、………で構成されている。これらの発熱体としては、例えばハロゲンヒータが使用される。そして、主熱源32の総電力量が、補助熱源33の総電力量よりも相対的に大きい電力量とされ、後述するごとく主熱源32の制御周期を補助熱源33の制御周期より長くしてなり、これら複数の熱源のすべてが定着ローラ27の内部に収容されている。
図2では、定着熱源30を2つの熱源31で構成する場合を示すが、3つ以上としてもよく、その場合には、その3つ以上の熱源31のうちの1つを主熱源32として残りを補助熱源33とする。そして、主熱源32の総電力量を、各補助熱源33の総電力量よりも相対的に大きい電力量とし、主熱源32の制御周期を各補助熱源33の制御周期より長くする。
図3には、主熱源32が1本の発熱体である高電力加熱ヒータ32Aで構成され、補助熱源33が1本の発熱体である低電力加熱ヒータ33Aで構成される場合を示す。
定着ローラ27のまわりには、小さな間隙を設けて離間し、安全装置としてサーモスタッドや温度ヒューズなどの熱遮断機構34が配置されている。
図4には、定着装置24の制御回路ブロック図を示す。
制御回路40は、PIDコントローラ41と、PWM駆動回路42とを備え、定着ローラ27の定着電源30への印加電力を制御する。
制御回路40は、あらかじめ指定された目標制御温度と温度検知手段29により検知された定着ローラ27の温度偏差の情報を基にPIDコントローラ41で演算を行う。この演算結果は、ある時間(制御周期)あたりに熱源31が点灯する割合(以下「DUTY」)となっており、計算されたDUTYを基に、PWM駆動回路42を通じて定着熱源30を点灯する。本例では、ハロゲンヒータ32A、33Aの両端に、ある時間あたりの定格交流電圧を印加する割合を制御することになる。
例えば、制御周期がT[s]、計算結果のDUTYがa[%]である場合には、図5に示すように制御周期T[s]のうちaT/100[s]だけヒータを点灯することになる。なお、このDUTYを計算する方法であるが、ここではPIDコントローラ41により演算する例を示したが、フィードバック演算であればこの限りではない。
フリッカは、このヒータ32A、33Aの点灯周期が人間の目に不快に感じる周波数帯である場合に引き起こされ、ヒータ32A、33Aに投入する電力が大きいほど、より顕著に感じられる。
図6には、画像形成装置が動作する最も基本的なモードを示す。一般的には、電源投入からウォームアップ動作を経て、待機状態に入り、印刷動作が開始される。
本例に係る画像形成装置100では、そのウォームアップ時、待機時、印刷時(通紙時)において制御回路40により、温度検知手段29で測定した定着ローラ27の温度に基づいて定着熱源30をフィードバック制御し、定着ローラ27が最適な温度になるよう制御する。
以下は、一般的な定着装置の熱源として用いる場合を想定して、低電力加熱ヒータ33Aの定格電力を400[w]、高電力加熱ヒータ32Aの定格電力を800[w]、定着熱源30の総定格電力を1200[w]とした場合を例にし、各動作モード時の制御について詳細を述べる。
まず、ウォームアップ動作時は、昨今のウォームアップ時間の短縮化により、熱源をフル稼働させることが多いため、図6に示したように定着熱源30は常時点灯していることが多い(DUTY=100[%])。このような場合には、人間の目に不快に感じる点灯周期でのヒータ点灯が行われないため、低電力加熱ヒータ33Aおよび高電力加熱ヒータ32Aの制御周期は、特に問題にならない。
次に、待機時であるが、待機時は外乱の影響が小さいため、制御周期をそれほど短く設定しなくても、比較的定着ローラ27の温度を安定な状態に保つことができる場合がある。このような場合には、前記の低電力加熱ヒータ33A、高電力加熱ヒータ32Aの制御周期は、ともにフリッカが起こらないようにある程度の長さの時間に設定しておく。具体的には、人間の目に最も不快に感じる光の周波数が5[Hz]〜12.5[Hz](制御周期に換算すると、80[ms]〜200[ms])であることを考慮し、例えば本実施例のような定着熱源30の総定格電力が1200[w]の一般的な定着用ヒータの場合、図7に示すように低電力加熱ヒータ33Aと高電力加熱ヒータ32Aを各々、制御周期を1[s]程度とし、1[s]の間にヒータが点灯する時間(DUTY)を制御すれば、ちらつきは気にならないレベルとなる。さらに、望ましくは、0.5[Hz]〜12.5[Hz](制御周期に換算すると、80[ms]〜2[s])を避けた制御周期により制御を行えばよい。
なお、ここであげた制御周期は、一例であり、制御周期は、フリッカが問題にならないように、電源事情などの使用環境を考慮して適切に選ぶ。
上記例は、制御周期をフリッカ現象が引き起こされる程度まで短く設定する必要が無い場合について述べたが、昨今の定着装置では、ウォームアップ時間を短くするために低熱容量の定着装置を用いることが多いため、定着ローラ27の温度はより変動しやすくなってきている。このため、待機時においても、制御周期を短く設定しフィードバック制御を行いたい場合がある。以下は、このような場合の制御方法について述べる。
まず、待機時において、定着ローラ27の温度を目標制御温度に保つために必要なヒータ電力量を大よそ把握しておく。この大よその電力量は、使用環境などを考慮して実験的に求めてテーブル化しておいてもよいし、同定器などにより定式化しておいてもよい。例えば、待機時の目標制御温度を160℃とし、定着ローラ27の温度を目標制御温度160℃に保つためには、およそ200[w]〜300[w]程度のヒータ電力が必要である場合、高電力加熱ヒータ32Aにより200[w]に相当する電力を一定量与え続ける。この電力は、大よその値で構わないため、制御周期は、前記のようにフリッカが発生しない範囲で、例えば1[s]程度に選んでおく。本実施例では、高電力加熱ヒータ32Aの定格電圧を800[w]としているので、図8(a)に示すように制御周期1[s]の間、0.25[s]間ヒータを点灯すれば、実効電力200[w]となる(DUTY=25%)。
この高電力加熱ヒータ32Aは、前述のように目標制御温度に大よそ近付ける働きを持っており、残りの足りない電力分を、制御周期を高電力加熱ヒータ32Aよりも短く設定した低電力加熱ヒータ33Aにより制御する。低電力加熱ヒータ33Aは、電力量が小さいため、制御周期を短く設定しても、ちらつきとして認識されにくい。例えば、図8(b)のように低電力加熱ヒータ33Aの制御周期は、200[ms]程度に設定してもよい。結果として、定着熱源30の制御は、図8(c)のようになり、定着熱源30すべてを同じ制御周期で制御した場合と、トータルの供給電力量は変わらないが、電力量を配分したことにより、フリッカを抑えかつ高精度に制御が行えることになる。
次に、通紙時(印刷時)の制御について説明する。図9に通紙時、全熱源31をともに同じ制御周期でフィードバック制御を行った場合の通紙中の温度変化の様子の一例を示す。給紙ローラ21から用紙20が搬送され、定着装置24を通過する際、用紙20により熱が奪われ、定着ローラ27の温度が大きく落ち込む。その後も用紙20により熱が奪われるため温度リップルが続くことになる。
制御周期を200[ms]と短くした場合、情報の更新頻度が高いため通紙直後の温度落ち込みを小さくすることができ、また通紙中の温度リップルを小さくすることができるため、制御周期を短く設定したいが、前述のように制御周期を短くしていくと、フリッカが起こる。
この場合にも、前述の待機時の制御と同様に、通紙中に用紙20に奪われる熱量を考慮して、定着ローラ27を目標制御温度に保てる大よその電力を高電力加熱ヒータ32Aによりフリッカが起こらない1[s]程度の制御周期で与えておき、残りの足りない電力量を低電力加熱ヒータ33Aにより200[ms]程度の制御周期で供給し、高精度に制御を行う。
さて、通紙による温度落ち込みを改善したい場合には、フィードフォワード制御を導入することもできる。これは、高電力加熱ヒータ32Aをフィードフォワード制御用加熱ヒータとして用い、用紙20が定着装置24を通過する前から、前もって電力を供給しておくことにより、通紙による温度落ち込みを防ぐ効果を狙ったものである。具体的には、ユーザーにより印刷ジョブが入ると、印刷ジョブから、定着装置24を用紙20が通過するタイミングを予測し、予測される通紙タイミングに対して、熱伝達の遅れ等を考慮して高電力加熱ヒータ32Aを先行して点灯させ、通紙中もそのまま一定量の電力を供給し続ける。このことにより、図10に示すように温度落ち込みを最小限に防ぎ、通紙中も大よその目標制御温度に定着ローラ27の温度を保つことができる。そして、低電力加熱ヒータ33Aがフィードバック制御を行うことにより、目標制御温度に足りない電力量を補うように、定着ローラ27の温度を制御する。
なお、上述した例では、印刷ジョブから、定着装置24を用紙20が通過するタイミングを予測してフィードフォワード制御を開始したが、定着装置24の記録材搬送方向上流位置に備える記録材検知手段、例えばレジストローラ37の手前にあるレジストセンサ36の検知結果に基づきフィードフォワード制御するようにしてもよい。
さらに、図2に示すように主熱源32を複数の発熱体32a、32b、………で構成し、そのうちのいくつかの発熱体をフィードフォワード制御用に用いる一方、残りの発熱体を、フィードフォワード制御と同様の比較的制御周期の長いフィードバック制御用に用いることにより、主熱源32をフィードフォワード制御のみで用いた場合に比べて、定着ローラ27の温度をより目標制御温度に近づけることができる。そして、定着ローラ27の温度を検知する温度検知手段29の検知結果に基づき、目標制御温度に追従しきれない部分を補助熱源33が制御周期の短い高精度フィードバック制御を行うようにすることにより、さらに制御を高精度化することもできる。
また、図2や図3に示すように、主熱源32よりも補助熱源33を温度検知手段29に近付けて配置することにより、フィードバック制御を行う際のむだ時間を小さくすることができ、より定着ローラ27の温度を安定化することができる。
定着熱源30を構成するもののうち、フィードフォワード制御を行うものをその他のものよりも、サーモスタッドや温度ヒューズなどの熱遮断機構34に近付けて配置することにより、フィードフォワード制御により何らかの原因で熱量過多となった場合に、より早い段階でそれを検知することができ、より安全性の高い画像形成装置を提供することができる。
なお、上述した例では、定着部材をローラ形状である定着ローラ27として、その内部に複数の熱源31のすべてを収容する場合について説明したが、例えば図11に示すように、定着部材をベルト形状である定着ベルト50として、その定着ベルト50を複数(図示例では2つ)の支持ローラ51、52に掛けまわし、その1つの支持ローラ51に定着ベルト50を介して加圧ローラ53を押し当てる一方、他方の支持ローラ52の内部に、定着熱源30を構成する複数の熱源31のすべてを収容する構成とし、その複数の熱源31のうちの1つの主熱源32の電力量を他の補助熱源33の電力量より大きくするとともに、主熱源32の制御周期を補助熱源33の制御周期より長くするようにしてもよい。
そして、定着熱源30により支持ローラ52を介して定着ベルト50を加熱し、その定着ベルト50を、それと加圧ローラ28との間を通過する用紙20の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより用紙20に定着するようにする。
この発明による定着装置を備える画像形成装置における内部機構の全体概略構成図である。 その画像形成装置に備えるこの発明に係る定着装置の構成図である。 その定着装置の具体的一例の構成図である。 その定着装置の制御回路ブロック図である。 制御周期とDUTYに対するヒータOn時間の関係図である。 PID制御時の定着ローラの温度と定着熱源のDUTYの状態を示す図である。 待機時の電力制御の一例を示す図である。 待機時の電力制御の高精度化の一例を示す図である。 制御周期と定着ローラ温度との関係図である。 フィードフォワード制御を適用した場合の改善効果を示す図である。 この発明に係る定着装置の他例の構成図である。
符号の説明
20 用紙(記録材)
24 定着装置
27 定着ローラ(定着部材)
29 温度検知手段
30 定着熱源
31 熱源
32 主熱源
32a、32b、……… 発熱体
33 補助熱源
33a、33b、……… 発熱体
34 熱遮断機構
36 レジストセンサ(記録材検知手段)
50 定着ベルト(定着部材)
51 支持ローラ
52 支持ローラ

Claims (20)

  1. 定着熱源により定着部材を加熱し、その定着部材を記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着する定着装置において、
    前記定着熱源を複数の熱源で構成し、その複数の熱源のうちの1つの主熱源の電力量を他の補助熱源の電力量より大きくするとともに、前記主熱源の制御周期を前記補助熱源の制御周期より長くしてなることを特徴とする、定着装置。
  2. 前記定着部材をローラ形状として、その内部に前記複数の熱源のすべてを収容してなることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材をベルト形状として支持ローラに掛けまわし、その支持ローラの内部に前記複数の熱源のすべてを収容してなることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記複数の熱源をそれぞれ1または複数の発熱体で構成してなることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1に記載の定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
  6. 前記定着部材の温度を検知する温度検知手段の検知結果に基づき前記定着装置をフィードバック制御することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記主熱源よりも前記補助熱源を前記温度検知手段に近付けて配置することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記定着装置の記録材搬送方向上流位置に記録材検知手段を備え、その記録材検知手段で記録材を検知したとき前記定着装置をフィードフォワード制御することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
  9. 前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする、請求項5ないし8のいずれか1に記載の画像形成装置。
  10. 前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御とともにフィードバック制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする、請求項5ないし8のいずれか1に記載の画像形成装置。
  11. 前記主熱源を複数の発熱体で構成し、そのうちのいくつかの発熱体をフィードフォワード制御する一方、残りの発熱体をフィードバック制御することを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記定着熱源を構成するもののうち、前記フィードフォワード制御を行うものをその他のものよりも熱遮断機構に近付けて配置することを特徴とする、請求項8ないし11のいずれか1に記載の画像形成装置。
  13. 定着装置の定着熱源により定着部材を加熱し、その定着部材を、前記定着装置に通す記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着するトナー像定着方法において、
    前記定着熱源を構成する複数の熱源のうちの1つの主熱源で、大きな電力量を、フリッカの生じない長い制御周期で供給するとともに、前記複数の熱源のうちの他の補助熱源で目標制御温度に足りない残りの電力量を短い制御周期で供給することを特徴とする、トナー像定着方法。
  14. 前記定着部材の温度を検知する温度検知手段の検知結果に基づき前記定着装置をフィードバック制御することを特徴とする、請求項13に記載のトナー像定着方法。
  15. 前記定着装置の記録材搬送方向上流位置に備える記録材検知手段で記録材を検知したとき前記定着装置をフィードフォワード制御することを特徴とする、請求項13に記載のトナー像定着方法。
  16. 前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする、請求項13ないし15のいずれか1に記載のトナー像定着方法。
  17. 前記定着装置の前記主熱源をフィードフォワード制御とともにフィードバック制御し、前記補助熱源をフィードバック制御することを特徴とする、請求項13ないし15のいずれか1に記載のトナー像定着方法。
  18. 前記主熱源を構成する複数の発熱体のうちのいくつかの発熱体をフィードフォワード制御する一方、残りの発熱体をフィードバック制御することを特徴とする、請求項17に記載のトナー像定着方法。
  19. 待機時に、前記複数の熱源のすべてを、80[ms]〜200[ms]を避けた制御周期で駆動することを特徴とする、請求項13ないし18のいずれか1に記載のトナー像定着方法。
  20. 待機時に、前記複数の熱源のすべてを、80[ms]〜2[s]を避けた制御周期で駆動することを特徴とする、請求項19に記載のトナー像定着方法。
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