JP2016040365A - 静電塗布用硬化性樹脂組成物、樹脂保護膜、電子デバイス、及び、電子デバイスの製造方法 - Google Patents

静電塗布用硬化性樹脂組成物、樹脂保護膜、電子デバイス、及び、電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大気圧下にて均一な薄膜を効率よく形成させることができ、かつ、アウトガスの発生を抑制できる静電塗布用硬化性樹脂組成物を提供する。また、該静電塗布用硬化性樹脂組成物を用いてなる樹脂保護膜、電子デバイス、及び、電子デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する静電塗布用硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、大気圧下にて均一な薄膜を効率よく形成させることができ、かつ、アウトガスの発生を抑制できる静電塗布用硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該静電塗布用硬化性樹脂組成物を用いてなる樹脂保護膜、電子デバイス、及び、電子デバイスの製造方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池素子等の有機薄膜素子を用いた電子デバイスの研究が進められている。有機薄膜素子は真空蒸着や溶液塗布等により簡便に作製できるため、生産性にも優れる。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された薄膜構造体を有する。この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して自己発光を行う。有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたデバイスは、バックライトを必要とする液晶表示デバイス等と比較して視認性がよく、より薄型化が可能であり、かつ、直流低電圧駆動が可能であるという利点を有することから、次世代ディスプレイとして着目されている。
有機薄膜太陽電池素子は、無機半導体を使用した太陽電池に比べ、コスト、大面積化、製造工程の容易さ等の点で優れており、種々の構成のものが提案されている。具体的には例えば、非特許文献1には、フタロシアニン銅とペリレン系色素の積層膜を使用した有機太陽電池素子が開示されている。
これらの有機薄膜素子は、有機層や電極が外気に曝されると、その性能が急激に劣化してしまうという問題がある。従って、安定性及び耐久性を高めるために、有機薄膜素子を封止して大気中の水分や酸素から遮断することが不可欠となる。
有機薄膜素子を封止する方法としては、従来、内部に吸水剤を設けた封止缶によって封止する方法が一般的であった。しかしながら、封止缶により封止する方法では、電子デバイスを薄型化することが困難となる。そこで、封止缶を使用しない有機薄膜素子の封止方法の開発が進められている。
特許文献1には、有機薄膜素子の有機層と電極とを、CVD法により形成した樹脂膜と、窒化珪素(SiN)膜との積層膜により封止する方法が開示されている。ここで樹脂膜は、窒化珪素膜の内部応力による有機層や電極への圧迫を防止する役割を有する。
特許文献1に開示された窒化珪素膜で封止を行う方法では、有機薄膜素子の表面の凹凸や異物の付着、内部応力によるクラックの発生等により、窒化珪素膜を形成する際に有機薄膜素子を完全に膜で被覆できないことがある。窒化珪素膜による被覆が不完全であると、水分が窒化珪素膜を通して有機層内に浸入してしまう。
有機層内への水分の浸入を防止するための方法として、特許文献2には、無機材料膜と樹脂膜とを交互に蒸着する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示された方法は、減圧下で樹脂膜を形成するため真空装置が必要であり、また、樹脂膜となる材料を加熱し気化させることにより膜を形成するため、該樹脂膜を形成する材料には耐熱性や揮発性が要求されていた。
特開2000−223264号公報 特表2005−522891号公報
Applied Physics Letters(1986、Vol.48、P.183)
本発明は、大気圧下にて均一な薄膜を効率よく形成させることができ、かつ、アウトガスの発生を抑制できる静電塗布用硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該静電塗布用硬化性樹脂組成物を用いてなる樹脂保護膜、電子デバイス、及び、電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する静電塗布用硬化性樹脂組成物である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、塗布時に加熱や真空装置を必要とせずに均一な薄膜を効率よく形成するために、静電塗布法を用いることを検討した。図1は、静電塗布法による薄膜の作製過程の一例を示す模式図である。
上記静電塗布法とは、図1に示したように、電圧が印加されたノズル1から塗布液2を放出することにより帯電した塗布液粒子3を、ノズル1と反対の極に帯電した被塗布材4に堆積させ塗膜を形成する方法である。静電塗布法では、このように電圧を印加したノズルから塗布液を放出することにより、ノズルから放出される塗布液を帯電させる。図1では、電気的にマイナス側に接続した被塗布材4の被塗布面に、プラス側に帯電した塗布液2を噴霧することにより静電塗布を行っているが、プラス側に帯電した被塗布面にマイナス側に帯電した塗布液を噴霧してもよい。図1に示したように、ノズル1から放出された塗布液2は、液滴(塗布液粒子3)同士が電気的に反発して、かつ、成分の揮発により体積が減少し、表面電荷が増加することにより自己分裂(レイリー分裂)を繰り返して微小な液滴となる。このため、静電塗布法では、印加電圧、塗布液の流量、ノズルから被塗布面までの距離等の条件を適切に設定すれば、塗布液を非常に薄い膜厚で、均一に塗布することができる。即ち、上記静電塗布法は、塗布液を静電反発により吐出時より微小な液滴に分裂させることができる点でインクジェット法よりも優れているといえ、被塗布面にマスクを設置することにより所望の形状の塗布膜を形成することができる点でスピンコート法よりも優れているといえる。
本発明者は、このような静電塗布法により均一で薄い樹脂膜を作製することを検討したが、塗布液として用いる材料によって、均一な薄膜が形成できなかったり、アウトガスが多量に発生したりするという問題があった。そこで本発明者は更に検討した結果、特定の硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物を塗布液として用いることにより、静電塗布法によって大気圧下にて均一な薄膜を効率よく形成させることができ、かつ、アウトガスの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物(以下、「本発明にかかる硬化性化合物」ともいう)を含有する。本発明にかかる硬化性化合物を用いて静電塗布を行った場合、成分の揮発に伴う表面電荷増加により液滴がレイリー分裂し微小な液滴となるため、大気圧下にて均一な薄膜を効率よく形成させることができる。なかでも、沸点が420℃未満であり、分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物を用いることが好ましい。
なお、本明細書において上記「沸点」は、760mmHgでの沸点を意味する。
本発明にかかる硬化性化合物として沸点が420℃未満の化合物を用いる場合、静電塗布効率の観点から、沸点が380℃未満の化合物を用いることが好ましく、沸点が340℃未満の化合物を用いることがより好ましい。また、沸点が低すぎると静電塗布法による膜の形成が困難となるため、本発明にかかる硬化性化合物の沸点は80℃以上であることが好ましい。
本発明にかかる硬化性化合物として分子量が340未満の化合物を用いる場合、静電塗布効率の観点から、分子量が300未満の化合物を用いることが好ましく、分子量が260未満の化合物を用いることがより好ましい。また、分子量が低すぎると静電塗布法による膜の形成が困難となるため、本発明にかかる硬化性化合物の分子量は100以上であることが好ましい。
本発明にかかる硬化性化合物は、エポキシ化合物、オキセタニル化合物、及び、ビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記エポキシ化合物、上記オキセタニル化合物、及び、上記ビニルエーテル化合物は、カチオン重合性化合物であるため、これらを用いて得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物は、硬化時の硬化収縮が少なく、得られる樹脂膜が無機材料膜等との接着性に優れるものとなる。
本発明にかかる硬化性化合物として、エポキシ化合物、オキセタニル化合物、及び、ビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも1種を用いる場合、後述するカチオン重合開始剤及び/又は熱硬化剤を用いることが好ましい。
上記沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状のエポキシ化合物としては、例えば、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記モノグリシジルエーテルとしては、例えば、ブチルグリシジルエーテル(分子量130、沸点165℃)、フェニルグリシジルエーテル(分子量150、沸点245℃)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(分子量186、沸点120℃)、セカンダリブチルフェノールモノグリシジルエーテル(分子量260、沸点300℃)、クレジルグリシジルエーテル(分子量164、沸点270℃)等が挙げられる。
上記ジグリシジルエーテルとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(分子量230、沸点300℃)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(分子量202、沸点266℃)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(分子量206、沸点290℃)等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ樹脂としては、4〜7員環の環状脂肪族基を有する脂環式エポキシ樹脂が挙げられ、具体的には例えば、1,2:8,9−ジエポキシリモネン(分子量140、沸点230℃)、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド(分子量124、沸点169℃)、ジシクロヘキシル−3,3’−ジエポキシド(分子量194、沸点300℃)、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル(分子量182、沸点340℃未満)、1,1’−ビ(2,3−エポキシシクロヘキサン)(分子量194、沸点340℃未満)、ビニルシクロヘキセンジオキサイド(分子量140、沸点250℃)、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド(分子量164、沸点340℃未満)、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサン(分子量124、沸点169℃)、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン(分子量140、沸点230℃)、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(分子量252、沸点340℃未満)、4,4’−ビ(1,2−エポキシシクロヘキサン)(分子量194、沸点290℃)等が挙げられる。
上記オキセタニル化合物としては、例えば、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(分子量192、沸点290℃)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(分子量116、沸点250℃)、3−エチル−3−ヒドロキシブチルオキセタン(分子量158、沸点290℃)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(分子量228、沸点270℃)、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル(分子量214、沸点270℃)、3−エチル−3−((3−(トリエトキシシリル)プロポキシ)メチル)オキセタン(分子量320、沸点320℃)等が挙げられる。これらのオキセタニル化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記ビニルエーテル化合物としては、例えば、ベンジルビニルエーテル(分子量134、沸点184℃)、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル(分子量170、沸点111℃)、ジシクロペンタジエンビニルエーテル(分子量176、沸点230℃)、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル(分子量142、沸点168℃)、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(分子量196、沸点104℃)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(分子量158、沸点199℃)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(分子量202、沸点230℃)等が挙げられる。これらのビニルエーテル化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明にかかる硬化性化合物は、上記エポキシ化合物、オキセタニル化合物、ビニルエーテル化合物以外の他のカチオン重合性化合物を含有してもよい。
上記他のカチオン重合性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の水酸基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等のカチオン重合性官能基を有する化合物のうち、沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状のものが挙げられる。
本発明にかかる硬化性化合物は、(メタ)アクリル化合物を含有してもよい。
上記沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状の(メタ)アクリル化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート(分子量128、沸点180℃)、グリシジルメタクリレート(分子量142、沸点189℃)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(分子量226、沸点295℃)、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(分子量254、沸点350℃)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(分子量268、沸点342℃)、1,9−ヘキサンジオールジメタクリレート(分子量296、沸点390℃)、ジシクロペンテニルアクリレ−ト(分子量204、沸点250℃)、ジシクロペンテニルメタクリレ−ト(分子量218、沸点270℃)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト(分子量248、沸点300℃)、ジシクロペンタニルアクリレ−ト(分子量206、沸点270℃)、ジシクロペンタニルメタクリレ−ト(分子量220、沸点280℃)、ベンジルアクリレート(分子量162、沸点210℃)、ベンジルメタクリレート(分子量176、沸点230℃)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(分子量338、沸点400℃)、1,12−ドデカンジオールジアクリレート(分子量310、沸点380℃)、1,12−ドデカンジオールジメタクリレート(分子量338、沸点410℃)、ラウリルアクリレート(分子量240、沸点315℃)、ラウリルメタクリレート(分子量254、沸点320℃)等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味し、上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
本発明にかかる硬化性化合物として上記(メタ)アクリル化合物を用いる場合、後述する重合開始剤としてラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
本発明にかかる硬化性化合物は、1分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物とを組み合わせて用いてもよい。本発明にかかる硬化性化合物として上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物とを組み合わせて用いる場合、上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物との両方が、沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状である。
上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物との分子量の比は、1:0.5〜1:1.8であることが好ましい。分子量の比が上記範囲を外れると、ポリチオール化合物とポリエン化合物との静電塗布効率の差が大きくなり、未反応モノマーが残存しやすくなることがある。上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物との分子量の比は、1:0.6〜1:1.5であることがより好ましく、1:0.7〜1:1.3であることが更に好ましい。
上記ポリチオール化合物としては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとの反応によって得られるエステルが好適に使用される。
上記メルカプトカルボン酸と多価アルコールとの反応によって得られるエステルとしては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(分子量356、沸点350℃)、ブタンジオールビスチオグリコレート(分子量238、沸点300℃)、エチレンビス(メルカプトアセタート)(分子量210、沸点310℃)等が挙げられる。なかでも、静電塗布効率が高く硬化性が高いことから、ブタンジオールビスチオグリコレートが好ましい。また、その他のポリチオール化合物としては、例えば、1,10−ドデカンジチオール(分子量206、沸点171℃)等が挙げられる。
これらのポリチオール化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記ポリエン化合物としては、芳香環を有するポリエン化合物が好適に使用される。芳香環を有するポリエン化合物を用いることにより、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂膜が耐熱性に優れるものとなる。具体的には、ガラス転移温度が上昇し、高温での信頼性の高い樹脂膜となる。
上記芳香環を有するポリエン化合物としては、例えば、フタル酸ジアリル(分子量246、沸点310℃)、イソフタル酸ジアリル(分子量246、沸点330℃)、ジフェン酸ジアリル(分子量322、沸点350℃)等が挙げられる。なかでも、粘度が低く静電塗布効率が高いことから、フタル酸ジアリルが好ましい。これらの芳香環を有するポリエン化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記ポリエン化合物が上記芳香環を有するポリエン化合物を含有する場合、上記芳香環を有するポリエン化合物の含有割合は、得られる樹脂膜の耐熱性の観点から、ポリエン化合物全体に対して、50重量%以上であることが好ましい。
また、上記ポリエン化合物としては、芳香環を有さないポリエン化合物を使用することもできる。上記芳香環を有さないポリエン化合物としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート(分子量249、沸点305℃)、トリメタリルイソシアヌレート(分子量291、沸点350℃)、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(分子量256、沸点300℃)等が挙げられる。なかでも、粘度が低く硬化性が高いことから、トリアリルイソシアヌレートが好ましい。これらの芳香環を有さないポリエン化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
更に、上記ポリエン化合物としては、上述した(メタ)アクリル化合物、上述したビニルエーテル化合物、アリルエーテル化合物等のうち、2官能以上のものも好適に使用される。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物における上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物との配合割合は特に限定されないが、重量比で、ポリチオール化合物:上記ポリエン化合物=25:75〜68:32となるように配合することが好ましい。
また、上記ポリチオール化合物のチオール基と上記ポリエン化合物の炭素−炭素二重結合とのモル比がチオール基:炭素−炭素二重結合=1:0.4〜1:2.5となるように配合することが好ましい。チオール基のモル数が炭素−炭素二重結合のモル数の2.5倍を超える場合、又は、チオール基のモル数が炭素−炭素二重結合のモル数の0.4倍未満である場合、未反応モノマーが残存しやすくなり、アウトガスが発生したり、静電塗布法により均一な物性の樹脂膜が効率良く得られなかったりすることがある。上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物とは、チオール基:炭素−炭素二重結合=1:0.5〜1:2となるように配合することがより好ましく、1:1付近となるように配合することが更に好ましい。
上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物とを組み合わせて用いる場合、後述する重合開始剤としてラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、本発明にかかる硬化性化合物に加えて、沸点が420℃以上であり、分子量が340以上であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物、25℃で固体の硬化性化合物、及び、25℃で固体の非硬化性化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有してもよい。
なお、本明細書において上記「非硬化性化合物」は、塗膜を構成する化合物であって、本発明にかかる硬化性化合物の硬化反応時に、本発明にかかる硬化性化合物と反応しない化合物を意味する。
上記沸点が420℃以上であり、分子量が340以上であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物や、水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、水素化ビスフェノールF型エポキシ化合物等のアルコール型エポキシ化合物や、臭素化エポキシ化合物等のハロゲン化エポキシ化合物や、ナフタレン型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、異節環状型エポキシ化合物、多官能性エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、ゴム変成エポキシ化合物、ウレタン変成エポキシ化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル化合物、エポキシ基含有ポリウレタン化合物、エポキシ基含有アクリル化合物等のエポキシ化合物、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン等のオキセタン化合物等のアリル化合物等が挙げられる。なかでも、ε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(分子量366、沸点420℃以上)が好ましい。
上記25℃で固体の硬化性化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物や、水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン等が挙げられる。なかでも、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物が好ましい。
上記25℃で固体の非硬化性化合物としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。なかでも、フェノキシ樹脂が好ましい。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物を含有することが好ましい。上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物を含有することにより、電荷が移動しやすくなり、帯電防止性を向上させることができる。
なお、上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物は、本発明にかかる硬化性化合物であってもよいし、その他の硬化性化合物、即ち、沸点が420℃以上であり、分子量が340以上であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物、又は、25℃で固体の硬化性化合物であってもよいが、本発明にかかる硬化性化合物であることが好ましい。
上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物としては、例えば、主鎖にアルキレンオキシド構造を有する(メタ)アクリル化合物、主鎖にアルキレンオキシド構造を有するエポキシ化合物、主鎖にアルキレンオキシド構造を有するオキセタニル化合物、及び、主鎖にアルキレンオキシド構造を有するビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物や、そのリチウム塩、ナトリウム塩、ヨウドニウム塩、又は、テトラアルキルアンモニウム塩であることが好ましい。
なお、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等の重合性基に含まれる酸素原子を含むアルキレンオキシド構造は、上記主鎖が有するアルキレンオキシド構造には含まない。
上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等のジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート等が挙げられる。
上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有するオキセタニル化合物としては、例えば、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル等が挙げられる。
上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有するエポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有するビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
なかでも、耐熱性が高いことから、主鎖にアルキレンオキシド構造を有するエポキシ化合物が好ましい。
上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物の含有割合は、硬化性化合物全体100重量部中において、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物の含有量が1重量部未満であると、得られる塗膜の帯電によってデバイスに不具合が生じることがある。上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物の含有量が50重量部を超えると、得られる組成物の硬化性が不充分となることがある。上記主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物の含有量のより好ましい下限は5重量部である。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上述したように、本発明にかかる硬化性化合物が、エポキシ化合物、オキセタニル化合物、及び、ビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも1種である場合、カチオン重合開始剤及び/又は熱硬化剤が好適に用いられる。また、上記他のカチオン重合性化合物を用いる場合にも、カチオン重合開始剤及び/又は熱硬化剤が好適に用いられる。
上記カチオン重合開始剤としては、加熱によりプロトン酸又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤や、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤が挙げられる。なかでも、静電塗布性を向上させることができることから、前記重合開始剤として、光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤を含有することが好ましく、硬化時の光照射による有機薄膜素子の劣化を防止できることから、熱カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
上記熱カチオン重合開始剤は、イオン性熱カチオン重合開始剤であってもよいし、非イオン性熱カチオン重合開始剤であってもよいが、塗膜の帯電防止性の観点から、イオン性熱カチオン重合開始剤が好ましい。
上記熱カチオン重合開始剤としては、例えば、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。なかでも、スルホニウム塩が好ましい。
上記熱カチオン重合開始剤における対アニオンとしては、例えば、AsF 、SbF 、PF 、B(C4−等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩としては、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
上記第4級アンモニウム塩としては、例えば、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)アニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
これらの熱カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(いずれもADEKA社製)や、熱活性だけでなく光活性も有している熱カチオン重合開始剤である、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80、サンエイドSI−100、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180(いずれも三新化学工業社製)、CXC−1612(King Industries社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤は、イオン性光カチオン重合開始剤であってもよいし、非イオン性光カチオン重合開始剤であってもよいが、塗膜の帯電防止性の観点から、イオン性光カチオン重合開始剤が好ましい。
上記イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
上記ヨードニウム塩としては、例えば、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、例えば、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記非イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤のなかでも、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネートが好ましい。
これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、RP2074(ローディア社製)、アデカオプトマーSP−170(ADEKA社製)等が挙げられる。
上述したように、本発明にかかる硬化性化合物として、上記(メタ)アクリル化合物を用いる場合や、上記ポリチオール化合物と上記ポリエン化合物とを組み合わせて用いる場合、上記重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好適に用いられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤や、加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等を好適に用いることができる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記光ラジカル重合開始剤は、可視光領域に吸収波長を有するものが好ましい。
可視光領域に吸収波長を有する光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)―フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、1−(4−(フェニルチオ)フェニル)−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)、O−アセチル−1−(6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)エタノンオキシム等のオキシムエステル系化合物、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロー3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物等が挙げられる。
可視光領域に吸収波長を有する光ラジカル重合開始剤としては、例えば、IRGACURE819、ルシリンTPO、IRGACUREOXE01、IRGACUREOXE02、IRGACURE784(いずれもBASF Japan社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、過酸化物やアゾ化合物が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−65、V−501、V−601、VPE−0201(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。これらの熱ラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記重合開始剤の含有量は、静電塗布用硬化性樹脂組成物全体100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物の硬化反応を充分に進行させることができなくなることがある。上記重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物が着色したり、保存安定性に劣るものとなったりすることがある。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記熱硬化剤としては例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、ADH(大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は静電塗布用硬化性樹脂組成物全体100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が40重量部である。上記熱硬化剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物の硬化反応を充分に進行させることができなくなることがある。上記熱硬化剤の含有量が40重量部を超えると、静電塗布効率が低下したり、保存安定性に劣るものとなったりすることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は20重量部である。
静電塗布法により塗膜を形成した場合、形成された塗膜が帯電することにより、有機EL表示素子等のデバイスが破壊されたり、動作異常が発生したりするおそれがある。そのため、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、電解質及び/又は導電性物質を含有することが好ましい。上記電解質及び/又は上記導電性物質を含有することで体積固有抵抗が低下し、その結果、静電塗布法によって薄膜化させた際の帯電によるデバイスへの悪影響を抑制することができる。
上記電解質は、カチオン成分とアニオン成分とから構成される。
上記カチオン成分としては、正電荷を帯びていれば特に限定されないが、例えば、テトラアルキルホスホニウムカチオン、イミダゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピラゾニウムイオン、グアニジニウムイオン、ピリジニウムイオン、スルホニウムイオン、金属イオン等が挙げられる。
上記金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、リチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、リチウムイオンがより好ましい。
上記アニオン成分としては、負電荷を帯びていれば特に限定されないが、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物系アニオンや、メタンスルホン酸イオン等のアルキル硫酸アニオンや、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロホスホン酸イオン、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリフルオロ酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の含フッ素化合物系アニオンや、フェノールイオン、2−メトキシフェノールイオン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールイオン等のフェノール系アニオンや、アスパラギン酸イオン、グルタミン酸イオン等の酸性アミノ酸イオンや、グリシンイオン、アラニンイオン、フェニルアラニンイオン等の中性アミノ酸イオンや、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオン等のN−アシルアミノ酸イオンや、ギ酸イオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸系アニオンや、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン等が挙げられる。
上記電解質としては、具体的には例えば、塩化リチウム(LiCl)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチウム(LiClO)、チオシアン酸リチウム(LiSCN)、テトラフルオロホウ素酸リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ素(V)酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、チオシアン酸ナトリウム(NaSCN)、臭化ナトリウム(NaBr)、ヨウ化カリウム(KI)、過塩素酸カリウム(KClO)、チオシアン酸カリウム(KSCN)、チオシアン酸セシウム(CsSCN)、硝酸銀(AgNO)、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO)、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド、酢酸テトラブチルホスホニウム等が挙げられる。
また、上述した、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩等のイオン性熱カチオン重合開始剤、イオン性光カチオン重合開始剤も上記電解質の例として挙げられる。しかしながら、これらのイオン性熱カチオン重合開始剤やイオン性光カチオン重合開始剤を配合することのみにより体積固有抵抗を上述した範囲に調整する場合、イオン性熱カチオン重合開始剤やイオン性光カチオン重合開始剤を多量に配合する必要があり、その結果、着色したり、アウトガスが発生したり、保存安定性が悪化したりする等の問題が生じることがある。そのため、上述した電解質や後述する導電性物質とこれらのイオン性熱カチオン重合開始剤やイオン性光カチオン重合開始剤とを組み合わせて用いることが好ましい。
また、上記電解質としては、高分子型の電解質(ポリマー電解質)も好適に使用される。
上記ポリマー電解質の例としては、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレンの共重合体であるPVDF−HFP、多孔質PVDF等のポリマーに、スルホン酸塩、リチウム塩、ナトリウム塩、ヨウドニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩等を配位させた電解質が挙げられる。
これらの電解質は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記導電性物質としては、例えば、導電性ポリマー、金属コロイド、金属酸化物粒子、フラーレン等が挙げられる。
上記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリ(3−アルキル)チオフェン、ポリピロール、ポリイソチアナフタレン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリ(2,5−ジアルコキシ)パラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリヘプタジイン、ポリ(3−ヘキシル)チオフェン、ポリアニリン、及び、これらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記導電性ポリマーの数平均分子量は、1000〜3万であることが好ましい。
上記金属コロイドとしては、例えば、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、塩化銀コロイド等が挙げられる。
上記金属酸化物粒子としては、例えば、二酸化チタン、アンチモンスズ酸化物、酸化インジウムスズ、二酸化ジルコニウム等が挙げられる。
上記フラーレンとしては、例えば、C60フラーレン、C70フラーレン等が挙げられる。
上記電解質及び/又は上記導電性物質の含有量は、得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物の25℃における体積固有抵抗が1010Ωcm以下となる量であり、かつ、後述する粘度範囲を維持できる量であることが好ましい。
具体的には、上記電解質及び/又は上記導電性物質の含有量は、硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が100重量部である。上記導電性物質の含有量が0.1重量部未満であると、得られる組成物の25℃における体積固有抵抗を充分に低くすることが困難となることがある。上記電解質及び/又は上記導電性物質の含有量が100重量部を超えると、得られる組成物の粘度が高くなりすぎ、静電塗布に用いることが困難となったり、得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物の硬化性が悪くなったりすることがある。上記電解質及び/又は上記導電性物質の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は50重量部である。
なお、「電解質及び/又は導電性物質の含有量」は、上記電解質及び上記導電性物質の両方を用いる場合はその合計の含有量を意味し、いずれか一方のみを用いる場合は用いられる一方の含有量を意味する。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、光増感剤を含有してもよい。上記光増感剤は、上記光カチオン重合開始剤や上記光ラジカル重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物の硬化反応をより促進させる役割を有する。また、可視光領域で増感効果を発揮する光増感剤を用いることにより、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、可視光の照射によって硬化させることができるものとなる。
上記光増感剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、ジブチルアントラセン、ジプロピルアントラセン等のアントラセン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。これらの光増感剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記光増感剤の含有量は、増感効果や、静電塗布用硬化性樹脂組成物の深部への光の透過性の観点から、静電塗布用硬化性樹脂組成物全体100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が5重量部である。上記光増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。
上記重合禁止剤としては、例えば、N−ニトロソアリールヒドロキシルアミン塩、フェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体等が挙げられる。
上記N−ニトロソアリールヒドロキシルアミン塩としては、例えば、N−ニトロソフェニル・ヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩、アルミニウム塩、銅塩、亜鉛塩、セリウム塩、鉄塩、ニッケル塩、コバルト塩等が挙げられる。なかでも、N−ニトロソフェニル・ヒドロキシルアミンのアンモニウム塩が好ましい。
上記フェノール誘導体としては、例えば、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。なかでも、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)が好ましい。
上記ヒドロキノン誘導体としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチールエーテル等が挙げられる。なかでも、静電塗布用硬化性樹脂組成物に大量に添加しても、静電塗布時に揮発しにくく塗布膜に移行しにくいため、光硬化を阻害しないという点で、N−ニトロソアリールヒドロキシルアミン塩が好ましい。
これらの重合禁止剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記重合禁止剤の含有量は、得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物の硬化性の観点から、静電塗布用硬化性樹脂組成物全体100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が2重量部である。上記重合禁止剤の含有量のより好ましい下限は0.02重量部、より好ましい上限は0.5重量部である。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、接着性付与剤を含有してもよい。
上記接着性付与剤としては、例えば、グリシドキシトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。これらの接着性付与剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、更に、本発明の目的を阻害しない範囲において、酸化防止剤、充填剤、硬化促進剤、可塑剤、界面活性剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収材、有機溶剤等の添加剤を必要に応じて含有してもよいが、アウトガスを抑制する等の観点から、有機溶剤等は含有しないことが好ましい。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を調製する方法としては、例えば、本発明にかかる硬化性化合物、重合開始剤及び/又は熱硬化剤、並びに、必要に応じて添加する光増感剤等の各種添加剤を、遊星式攪拌装置、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、2本ロール、3本ロール、押出機等の公知の各種混練機を単独又は併用して、常温下又は加熱下で、常圧下、減圧下、加圧下又は不活性ガス気流下等の条件下で均一に混練する方法等が挙げられる。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、25℃における体積固有抵抗が1010Ωcm以下であることが好ましい。上記体積固有抵抗が1010Ωcm以下であることにより、静電塗布法によって薄膜化させた際の帯電によるデバイスへの悪影響を抑制することができる。上記体積固有抵抗のより好ましい上限は10Ωcm、更に好ましい上限は10Ωcmである。
また、体積固有抵抗の下限は特にないが実質的な下限は10Ωcmである。
上記「体積固有抵抗」は、抵抗計を用い、25℃にて静電塗布用硬化性樹脂組成物に電極を挿入して電流を流すことにより測定することができる。
なお、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物の25℃における体積固有抵抗を1010Ωcm以下とする方法としては、例えば、上述した電解質及び/又は導電性物質を配合する方法等が挙げられる。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、E型粘度計を用いて、25℃、2.5rpmの条件で測定した粘度の好ましい上限が500mPa・sである。上記粘度が500mPa・sを超えると、得られる静電塗布用硬化性樹脂組成物を静電塗布させるために高温で加熱することが必要となることがある。本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物の粘度のより好ましい上限は450mPa・s、更に好ましい上限は200mPa・sである。
また、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、低粘度であることが好ましいが、実質的な下限は15mPa・sである。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂保護膜もまた、本発明の1つである。本発明の樹脂保護膜は、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を光硬化及び/又は熱硬化させることで得られる。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を光硬化させる方法としては、例えば、300nm〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cmの積算光量の光を照射する方法等が挙げられる。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物に光を照射するための光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
これらの光源は、上記光カチオン重合開始剤や上記光ラジカル重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜選択される。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物への光の照射手段としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手段を用いてもよい。
本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を熱硬化させる方法としては、例えば、80〜150℃で加熱する方法等が挙げられる。
本発明の樹脂保護膜により有機薄膜素子を保護してなる電子デバイスもまた、本発明の1つである。有機薄膜素子を、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を静電塗布し硬化させて得られる本発明の樹脂保護膜によって保護することにより、有機薄膜素子内への水分の浸入を防止して有機薄膜素子の性能及び耐久性を高く維持することができ、かつ、電子デバイスの薄型化が可能となる。
また、有機薄膜素子上に本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を静電塗布法により塗布する工程と、塗布した静電塗布用硬化性樹脂組成物を硬化させて上記有機薄膜素子上に樹脂保護膜を形成する工程とを有する電子デバイスの製造方法もまた、本発明の1つである。
上記有機薄膜素子としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう)、有機薄膜太陽電池素子等が挙げられる。
上記有機EL素子は、例えば、基板の上に、ホール注入電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、及び、電子注入電極をそれぞれ順に真空蒸着することにより形成することができる。
上記有機薄膜素子が有機EL素子である場合、電子デバイスは、下面側(基板において素子が形成されない側)から光を取り出すボトムエミッション構造であってもよいし、上面側(基板において素子が形成される側)から光を取り出すトップエミッション構造であってもよい。
上記有機薄膜素子は、基板上に配置され、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を静電塗布し硬化させて得られる本発明の樹脂保護膜により保護される前に、上記有機薄膜素子を含む領域を覆うように予め無機材料膜で被覆されていることが好ましい。
上記基板としては、例えば、単純マトリックス型(パッシブ型)の光デバイスでは透明ガラス基板を用いることができ、アクティブ・マトリックス型の光デバイスでは、透明ガラス基板上に複数のTFT(薄膜トランジスタ)及び平坦化層を備えたTFT基板を用いることができる。
上記無機材料膜を構成する無機材料としては、例えば、窒化珪素(SiN)や酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)等が挙げられる。上記無機材料膜は、1層からなるものであってもよく、複数種の層を積層したものであってもよい。
上記無機材料膜によって上記有機薄膜素子を被覆する方法としては、上記無機材料膜が窒化珪素や酸化珪素からなる場合には、スパッタリング法や電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマCVD法等が挙げられる。
上記スパッタリング法は、例えば、キャリアガスとしてアルゴンガスや窒素ガス等の単独又は混合ガスを用い、室温、電力50〜1000W、圧力0.001〜0.1Torrの条件で行うことが好ましい。
上記ECRプラズマCVD法は、例えば、SiHとOとの混合ガス(酸化珪素の場合)又はSiHとNとの混合ガス(窒化珪素の場合)を用い、温度30℃〜100℃、圧力10mTorr〜1Torr、周波数2.45GHZ、電力10〜1000Wの条件で行うことが好ましい。
上記有機薄膜素子上に本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を静電塗布法により塗布する工程は、10〜40℃程度の低温で行うことができる。
上記有機薄膜素子上に本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物を静電塗布法により塗布する工程は、大気圧下又は減圧雰囲気下において行うことができるが、大気圧下において行うことが好ましい。また、本発明にかかる硬化性化合物として上記(メタ)アクリル化合物を用いた場合は、窒素雰囲気下において行われることが好ましい。
上記塗布した静電塗布用硬化性樹脂組成物を硬化させて上記有機薄膜素子上に樹脂保護膜を形成する工程において、本発明の静電塗布用硬化性樹脂組成物は、上述した方法により光硬化及び/又は熱硬化させることにより、本発明の樹脂保護膜として形成することができる。
本発明の電子デバイスに形成される樹脂保護膜の厚さは特に限定されないが、無機材料膜の内部応力による有機薄膜素子や電極への圧迫を防止する効果や、電子デバイスの薄型化の観点から、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は20μmである。上記樹脂保護膜の厚さのより好ましい下限は0.3μm、より好ましい上限は2μmである。
本発明の電子デバイスにおいては、有機薄膜素子を大気中の水分や酸素から保護する効果を高くするため、上記樹脂保護膜上に更に無機材料膜を積層することが好ましい。上記樹脂保護膜上に積層される無機材料膜を構成する無機材料や形成方法としては、上述した有機薄膜素子を被覆する無機材料膜と同様である。
上記樹脂保護膜上に形成される無機材料膜の厚さは特に限定されないが、水分の浸入防止や、無機材料膜のクラック発生防止、製膜時間の観点から、好ましい下限は0.05μm、好ましい上限は20μmである。上記樹脂保護膜上に形成される無機材料膜の厚さのより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は10μmである。
本発明の電子デバイスを光や酸素から更に厳密に保護するため、樹脂保護膜と無機材料膜を2層以上交互に積層してもよい。上記交互に積層される樹脂保護膜及び無機材料膜を構成する材料や形成方法としては、上述した樹脂保護膜及び無機材料膜と同様である。
本発明によれば、大気圧下にて均一な薄膜を効率よく形成させることができ、かつ、アウトガスの発生を抑制できる静電塗布用硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該静電塗布用硬化性樹脂組成物を用いてなる樹脂保護膜、電子デバイス、及び、電子デバイスの製造方法を提供することができる。
図1は、静電塗布法による薄膜の作製過程の一例を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
本発明にかかる硬化性化合物として、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製、「アロンオキセタンOXT−212」、沸点270℃、分子量228)50重量部、及び、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル(東亞合成社製、「アロンオキセタンOXT−221」、沸点270℃、分子量214)50重量部と、光カチオン重合開始剤としてジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネート(ADEKA社製、「アデカオプトマーSP−170」)1.0重量部と、光増感剤として2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製、「DETX−S」)0.2重量部とを、ホモディスパー型攪拌混合機(プライミクス社製、「ホモディスパーL型」)を用い、攪拌速度3000rpmで均一に攪拌混合して、静電塗布用硬化性樹脂組成物を得た。
得られた静電塗布用硬化性樹脂組成物について、25℃において、抵抗計(川口電機製作所社製、「マルチメーターMMA II−17D」、電極LP−05)を用いて測定した体積固有抵抗は、5×10Ωcmであった。
(実施例2〜20、比較例1、2)
用いた材料及び配合量を表1〜3に示したものとしたこと以外は、実施例1と同様にして静電塗布用硬化性樹脂組成物を作製した。
実施例2〜20、比較例1、2で得られた各静電塗布用硬化性樹脂組成物について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗を表1〜3に示した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各静電塗布用硬化性樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
(塗布性及び膜の平坦性)
実施例及び比較例で得られた各静電塗布用硬化性樹脂組成物を、1mLのマイクロシリンジに充填した。上記マイクロシリンジにステンレス製の注射針を装着し、シリンジポンプに設置した。注射針の先端には高圧電源の陽極を接続した。基板を設置する金属板に陰極を接続し、金属板の上に基板となる無アルカリガラス板(旭硝子社製、10cm角、0.7mm厚)を配置した。塗布条件は、注射針の先端から基板までの距離を5cmとし、印加電圧を10kV、シリンジポンプからの組成物の供給量を30μL/minとし、1分間塗布を行うことで1μmの膜を形成した。塗布した膜に405nmの可視光をLEDランプにて照射し、塗膜の硬化を行った。
均一なスプレー塗布ができた場合を「○」、均一なスプレー塗布ができなかった場合を「×」として塗布性を評価した。
また、膜を硬化した後、目視した際に、濁りや凹凸が無かった場合を「○」、濁りや凹凸が僅かに発生していた場合を「△」、白く濁ったり凹凸が発生したりしていた場合を「×」として膜の平坦性を評価した。
(膜厚)
上記で塗布した膜を部分的に削り段差を付けることで、膜厚測定用サンプルを作製した。得られた膜厚測定用サンプルについて、表面粗さ計(KLAテンコール社製、「Alpha−Step IQ」)を用いて膜厚を測定した。
(帯電防止性)
上記「(塗布性及び膜の平坦性)」と同様にして得られた塗膜について、塗布直後にアース線を触れさせ、10秒後の表面電位を測定した。表面電位の測定は、静電気測定器(シムコジャパン社製、「FMX−004」)にて行った。表面電位が0.5kV未満であった場合を「◎」、0.5kV以上1kV未満であった場合を「○」、1kV以上5kV未満であった場合を「△」、5kV以上であった場合を「×」として帯電防止性を評価した。
(電子デバイスの性能)
(1)有機EL素子が配置された基板の作製
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−ヒドロキシキノリラ)アルミニウム(Alq)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alqの入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの発光層を成膜した。その後、正孔輸送層及び発光層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機EL素子が配置された基板を取り出した。
(2)無機材料膜Aによる被覆
得られた有機EL素子が配置された基板の、該有機EL素子の全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
無機材料膜Aは、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量を10sccm及び200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で形成した。
形成された無機材料膜Aの厚さは、約1μmであった。
(3)樹脂保護膜の形成
実施例及び比較例で得られた各静電塗布用硬化性樹脂組成物を、1mLのマイクロシリンジに充填した。上記マイクロシリンジにステンレス製注射針を装着し、シリンジポンプに設置した。注射針の先端には高圧電源の陽極を接続した。基板を設置する金属板に陰極を接続し、金属板の上に基板となる無アルカリガラス板(旭硝子社製、10cm角、0.7mm厚)を配置した。塗布条件は、注射針の先端から基板までの距離を5cmとし、印加電圧を10kV、シリンジポンプからの組成物の供給量を30μL/minとし、1分間塗布を行うことで1μmの膜を形成した。塗布した膜に405nmの可視光をLEDランプにて照射し、塗膜の硬化を行い、樹脂保護膜を形成した。なお、実施例8、14、16で得られた静電塗布用硬化性樹脂組成物を用いた場合は、405nmの可視光を照射する代わりに、365nmの紫外線をLEDランプにて照射して塗膜の硬化を行った。また、実施例9、10、17で得られた静電塗布用硬化性樹脂組成物を用いた場合は、405nmの可視光を照射する代わりに、100℃で60分間加熱して塗膜の硬化を行った。
(4)無機材料膜Bによる被覆
樹脂保護膜が形成された有機EL素子が配置された基板の11mm×11mmの樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して電子デバイス(有機EL素子デバイス)を得た。
無機材料膜Bは、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で形成した。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
(5)電子デバイスの発光状態
得られた電子デバイスをそれぞれ25℃、50%RHの条件下に24時間暴露した後、6Vの電圧を印加し、電子デバイスの発光状態(発光及びダークスポット、画素周辺消光の有無)を目視で観察し、ダークスポットや周辺消光が無く均一に発光した場合を「○」、僅かでもダークスポットや周辺消光が認められた場合を「×」として評価した。なお、比較例1、2で得られた静電塗布用硬化性樹脂組成物は、均一に塗布することができなかったため、電子デバイスを作製することができなかった。
Figure 2016040365
Figure 2016040365
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本発明によれば、大気圧下にて均一な薄膜を効率よく形成させることができ、かつ、アウトガスの発生を抑制できる静電塗布用硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該静電塗布用硬化性樹脂組成物を用いてなる樹脂保護膜、電子デバイス、及び、電子デバイスの製造方法を提供することができる。
1 ノズル
2 塗布液
3 塗布液粒子
4 被塗布材

Claims (12)

  1. 沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有することを特徴とする静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  2. 沸点が420℃未満及び/又は分子量が340未満であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物は、エポキシ化合物、オキセタニル化合物、及び、ビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  3. 沸点が420℃以上であり、分子量が340以上であり、かつ、25℃で液状の硬化性化合物、25℃で固体の硬化性化合物、及び、25℃で固体の非硬化性化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  4. 主鎖にアルキレンオキシド構造を有する硬化性化合物を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  5. 重合開始剤として、光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  6. 重合開始剤として、熱カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする請求項5記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  7. 電解質及び/又は導電性物質を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  8. 25℃における体積固有抵抗が1010Ωcm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする樹脂保護膜。
  10. 請求項9記載の樹脂保護膜により有機薄膜素子を保護してなることを特徴とする電子デバイス。
  11. 樹脂保護膜上に更に無機材料膜を積層してなることを特徴とする請求項10記載の電子デバイス。
  12. 有機薄膜素子上に請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の静電塗布用硬化性樹脂組成物を静電塗布法により塗布する工程と、塗布した静電塗布用硬化性樹脂組成物を硬化させて前記有機薄膜素子上に樹脂保護膜を形成する工程とを有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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