JP2017228414A - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤 - Google Patents

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Norishige Shichiri
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Abstract

【課題】アウトガスの発生を抑制し、残留応力を低減できて接着性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供する。【解決手段】重合性化合物とカチオン重合開始剤とを含有し、前記重合性化合物は、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物、及び、オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。【選択図】なし

Description

本発明は、アウトガスの発生を抑制し、残留応力を低減できて接着性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」ともいう)表示素子や有機薄膜太陽電池素子等の有機薄膜素子を用いた有機光デバイスの研究が進められている。有機薄膜素子は真空蒸着や溶液塗布等により簡便に作製できるため、生産性にも優れる。
有機EL表示素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された薄膜構造体を有する。この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して自己発光を行う。バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、より薄型化が可能であり、かつ、直流低電圧駆動が可能であるという利点を有する。
ところが、このような有機EL表示素子は、有機発光材料層や電極が外気に曝されるとその発光特性が急激に劣化し寿命が短くなるという問題があった。従って、有機EL表示素子の安定性及び耐久性を高めることを目的として、有機EL表示素子においては、有機発光材料層や電極を大気中の水分や酸素から遮断する封止技術が不可欠となっている。
特許文献1には、上面発光型有機EL表示素子等において、有機EL表示素子基板の間に封止剤を満たして封止する方法が開示されている。
また、封止剤による樹脂膜を形成する方法として、インクジェット法を用いて基材上に低粘度の封止剤を塗布した後、該封止剤を硬化させる方法がある。このようなインクジェット法による塗布方法を用いれば、高速かつ均一に樹脂膜を形成することができる。しかしながら、従来の封止剤を用いた場合、インクジェット法による塗布に適したものとするために低粘度となるようにすると、アウトガスが発生しやすくなる等の問題があった。
特開2001−357973号公報
本発明は、アウトガスの発生を抑制し、残留応力を低減できて接着性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することを目的とする。
本発明は、重合性化合物とカチオン重合開始剤とを含有し、上記重合性化合物は、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物、及び、オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、有機EL表示素子用封止剤に用いる重合性化合物として、アウトガスの発生を抑制でき、かつ、硬化性及びバリア性(透湿防止性)に優れるシクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物を用いることを検討した。しかしながら、得られた封止剤は、硬化収縮による残留応力によって接着性が低下するという問題があった。そこで本発明者は、硬化遅延剤を用いて硬化速度を調整して残留応力を緩和することを検討したが、該硬化遅延剤がアウトガス発生の原因となるという問題があった。そこで本発明者は更に鋭意検討した結果、該シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物をオキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と組み合わせて用いることにより、得られる封止剤を、アウトガスの発生を抑制し、残留応力を低減できて接着性に優れるものとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を用いることにより、インクジェット法による塗布に適した粘度とすることが容易となる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、重合性化合物を含有する。
上記重合性化合物は、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物を含有する。
上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、硬化性及びバリア性(透湿防止性)に優れるものとなる。
また、上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物を含有することにより、熱や光による封止剤の着色が起こりにくく、封止剤の吸光によるEL発光の損失や色調の変化を小さくできる。
なお、本明細書において、上記「シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物」は、例えば、下記式(1)に表されるような、シクロアルケンの炭素−炭素二重結合がエポキシ化した構造(以下、「シクロアルケンオキサイド骨格」ともいう)を有する化合物を意味する。
Figure 2017228414
式(1)中、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、又は、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。*は、結合位置を表す。
上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物のエポキシ基当量の好ましい下限は50g/mol、好ましい上限は400g/molである。上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物のエポキシ基当量がこの範囲であることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化物が、加熱や変形によるクラックを発生を抑制しつつ、バリア性により優れるものとなる。上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物のエポキシ基当量のより好ましい下限は70g/mol、より好ましい上限は300g/molである。
なお、上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物のエポキシ基当量は、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物の重量(g)をシクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物中に含まれるエポキシ基のモル数(mol)で除して求められる値である。
上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物の分子量の好ましい下限は150、好ましい上限は7000である。上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物の分子量がこの範囲であることにより、アウトガスの発生を抑制しつつ、得られる有機EL表示素子用封止剤が接着性により優れるものとなる。上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物の分子量のより好ましい下限は200、より好ましい上限は5000、更に好ましい下限は250、更に好ましい上限は1000である。
なお、上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物の分子量は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、重量平均分子量を用いて表す場合がある。本明細書において、上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物は、構造中、又は、繰り返し単位内にシクロアルケンオキサイド骨格を1個だけ有する化合物であってもよく、2個以上のシクロアルケンオキサイド骨格を有する化合物であってもよいが、2個以上のシクロアルケンオキサイド骨格を有する化合物が好適に用いられる。上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物が2個以上のシクロアルケンオキサイド骨格を有する化合物である場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、より耐光性やバリア性等に優れたものとなる。
上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物は、エポキシ基に含まれる以外のエーテル結合、及び、エステル結合を有さない化合物であることが好ましい。このような化合物を用いることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤がアウトガスの発生を抑制する効果により優れるものとなる。
上記エポキシ基に含まれる以外のエーテル結合、及び、エステル結合を有さないシクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物としては、下記式(2)で表される化合物等が挙げられる。なかでも、良好なカチオン硬化性を示すことから、下記式(3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2017228414
式(2)中、R10〜R27は、水素原子、ハロゲン原子、又は、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Figure 2017228414
上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、セロキサイド8000(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記重合性化合物は、オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を含有する。
上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物は、上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物と組み合わせて用いることにより硬化速度を調整することができる。そのため、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、残留応力を低減できて接着性に優れるものとなる。また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を用いることによりインクジェット法による塗布に適した粘度とすることが容易となる。
上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物としては、例えば、3−アリルオキシオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン、2−メチル−2−アリル−4−プロピルオキセタン、3−エチル−3−(4−アクリロイルオキシブチルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(3−アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルプロピルオキシメチル)オキセタン等が挙げられる。なかでも、残留応力を低減して接着性を向上させる効果により優れるものとなるため、3−アリルオキシオキセタンが好ましい。
上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物と、上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物との含有割合は、重量比で、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物:オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物=9:1〜2:8であることが好ましい。上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物と、上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物との含有割合がこの範囲であることにより、接着性とバリア性とを両立する効果により優れるものとなる。上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物と、上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物との含有割合は、重量比で、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物:オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物=8:2〜4:6であることがより好ましい。
上記重合性化合物は、上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物及び上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物に加えて、本発明の目的を阻害しない範囲で、粘度調整等のためにその他の重合性化合物を含有してもよい。
上記その他の重合性化合物としては、上記シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物以外のその他のエポキシ化合物や、上記オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物以外のその他のオキセタン化合物や、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記その他のエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールO型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記その他のオキセタン化合物としては、例えば、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル、フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−((2−エチルヘキシルオキシ)メチル)オキセタン、3−エチル−3−((3−(トリエトキシシリル)プロポキシ)メチル)オキセタン、3−エチル−3(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、例えば、ベンジルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤が上記その他の重合性化合物を含有する場合、上記その他の重合性化合物の含有量は、重合性化合物全体100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記その他の重合性化合物の含有量がこの範囲であることにより、アウトガスを多量に発生させたり、応力緩和性を悪化させたりすることなく、塗布性をより向上させる等の効果を発揮することができる。上記その他の重合性化合物の含有量のより好ましい下限は10重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、カチオン重合開始剤を含有する。
上記カチオン重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤や熱カチオン重合開始剤を用いることができ、イオン性酸発生型であってもよいし、非イオン性酸発生型であってもよい。
上記光カチオン重合開始剤のうち、イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、アニオン部分がBF 、PF 、SbF 、又は、(BX(ただし、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)で構成される、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族アンモニウム塩、又は、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe塩等が挙げられる。
上記芳香族スルホニウム塩としては、例えば、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族アンモニウム塩としては、例えば、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe塩としては、例えば、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)テトラフルオロボレート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホネート等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、DTS−200(みどり化学社製)、UVI6990、UVI6974(いずれもユニオンカーバイド社製)、SP−150、SP−170(いずれもADEKA社製)、FC−508、FC−512(いずれも3M社製)、IRGACURE290(BASF社製)、PI2074(ローディア社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、アニオン部分がBF 、PF 、SbF 、又は、(BX(ただし、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素若しくはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)で構成される、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、又は、ヨードニウム塩等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩としては、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
上記第4級アンモニウム塩としては、例えば、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルフェニルジベンジルアンモニウム、メチルフェニルジベンジルアンモニウムヘキサフルオロアンチモネートヘキサフルオロホスフェート、メチルフェニルジベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルフェニル(3,4−ジメチルベンジル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80、サンエイドSI−B3、サンエイドSI−B3A、サンエイドSI−B4(いずれも三新化学工業社製)、CXC−1612、CXC−1821(いずれもKing Industries社製)等が挙げられる。
なかでも、上記カチオン重合開始剤は、得られる有機EL表示素子用封止剤がよりアウトガスの発生を抑制することができるものとなることから、第4級アンモニウム塩を含有することが好ましい。
上記カチオン重合開始剤の含有量は、上記重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.3重量部、好ましい上限が10重量部である。上記カチオン重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤が硬化性により優れ、過剰な開始剤による分解も少ないものとなる。上記カチオン重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記重合性化合物及び上記カチオン重合開始剤に加えて、他の成分を含有してもよいが、シランカップリング剤のようなアウトガス発生の原因となる成分は含有しないことが好ましい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、増感剤を含有してもよい。上記増感剤は、上記カチオン重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明の有機EL表示素子用封止剤の硬化反応をより促進させる役割を有する。
上記増感剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、9,10−ジブトキシアントラセン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は、上記重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が5重量部である。上記増感剤の含有量がこの範囲であることにより、より好適な増感効果が発揮される。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は2重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲において、表面調整剤を含有してもよい。上記表面調整剤を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤に塗膜の平坦性を付与することができる。
上記表面調整剤としては、例えば、界面活性剤やレベリング剤等が挙げられる。
上記界面活性剤や上記レベリング剤としては、例えば、シリコーン系やフッ素系等のものが挙げられる。
上記表面調整剤のうち市販されているものとしては、例えば、BYK−340、BYK−345(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、サーフロンS−611(AGCセイミケミカル社製)、LHP−091(楠本化成社製)等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、粘度調整等を目的として有機溶剤を含有してもよいが、残存した有機溶剤により有機発光材料層が劣化したり、アウトガスを発生させたりする等の問題があるため、有機溶剤は含有しないことが好ましい。
また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、必要に応じて、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、重合性化合物と、カチオン重合開始剤と、必要に応じて添加する増感剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、E型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限が5mPa・s、好ましい上限が200mPa・sである。上記有機EL表示素子用封止剤の粘度がこの範囲であることにより、インクジェットによる塗布性により優れるものとなる。上記有機EL表示素子用封止剤の粘度のより好ましい下限は10mPa・s、より好ましい上限は80mPa・sである。
なお、インクジェットによる塗布時に本発明の有機EL表示素子用封止剤を加熱し、粘度を低くして塗布しても良い。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、有機EL表示素子の封止に特に好適であることから、320〜420nmの範囲に吸収波長を有することが好ましく、365〜405nmの範囲に吸収波長を有することがより好ましい。上記吸収波長は、カチオン重合開始剤及び光増感剤の選択により、調整することが可能である。
なお、上記「吸収波長」は、本発明の封止剤の10μmの厚みにおける透過率が95%以下となる波長を意味する。
本発明の有機EL表示素子用封止剤の硬化物の波長380〜800nmにおける光の全光線透過率の好ましい下限は80%である。上記全光線透過率がこの範囲であることにより、得られる有機EL表示素子が光学特性により優れるものとなる。上記全光線透過率のより好ましい下限は85%である。
上記全光線透過率は、例えば、AUTOMATIC HAZE MATER MODEL TC=III DPK(東京電色社製)等の分光計を用いて測定することができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、硬化物に紫外線を100時間照射した後の400nmにおける透過率が20μmの光路長にて85%以上であることが好ましい。上記紫外線を100時間照射した後の透過率が85%以上であることにより、透明性に優れ、発光の損失を低減でき、かつ、色再現性をより良好なものとすることができる。上記紫外線を100時間照射した後の透過率のより好ましい下限は90%、更に好ましい下限は95%である。
上記紫外線を照射する光源としては、例えば、キセノンランプ、カーボンアークランプ等、従来公知の光源を用いることができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、得られる有機EL表示素子のダークスポットの発生を抑制する観点から、JIS Z 0208に準拠して、硬化物を85℃、85%RHの環境下に24時間暴露して測定した100μm厚での透湿度が100g/m以下であることが好ましい。
更に、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、硬化物中の水分による有機発光材料層の劣化を抑制する観点から、硬化物を85℃、85%RHの環境下に24時間暴露したときに、硬化物の含水率が0.5%未満であることが好ましい。上記硬化物の含水率のより好ましい上限は0.3%である。
上記含水率の測定方法としては、例えば、JIS K 7251に準拠してカールフィッシャー法により求める方法や、JIS K 7209−2に準拠して吸水後の重量増分を求める等の方法が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、インクジェット法による塗布に好適に用いられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を用いて有機EL表示素子を製造する方法としては、例えば、インクジェット法により、本発明の有機EL表示素子用封止剤を2枚の基材のうち少なくとも一方に塗布する工程と、塗布した本発明の有機EL表示素子用封止剤を光照射により硬化させる工程と、上記2枚の基材を貼り合わせる工程とを有する方法等が挙げられる。
なお、本発明の有機EL表示素子用封止剤を硬化させる際には、光照射に加えて加熱により硬化させてもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を2枚の基材のうち少なくとも一方に塗布する工程において、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、基材の全面に塗布してもよく、基材の一部に塗布してもよい。塗布により形成される本発明の有機EL表示素子用封止剤の封止部の形状としては、有機発光材料層を有する積層体を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、該積層体を完全に被覆する形状であってもよいし、該積層体の周辺部に閉じたパターンを形成してもよいし、該積層体の周辺部に一部開口部を設けた形状のパターンを形成してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布する基材(以下、一方の基材ともいう)は、有機発光材料層を有する積層体の形成されている基材であってもよく、該積層体の形成されていない基材であってもよい。
上記一方の基材が上記積層体の形成されていない基材である場合、他方の基材を貼り合わせた際に、上記積層体を外気から保護できるように上記一方の基材に本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布すればよい。即ち、他方の基材を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所に全面的に塗布するか、又は、他方の基材を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所が完全に収まる形状に、閉じたパターンの封止剤部を形成してもよい。
また、上記積層体は、無機材料膜で被覆されていてもよい。
上記無機材料膜を構成する無機材料としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、窒化珪素(SiN)や酸化珪素(SiO)等が挙げられる。上記無機材料膜は、1層からなるものであってもよく、複数種の層を積層したものであってもよい。また、上記無機材料膜と本発明の有機EL表示素子用封止剤からなる樹脂膜とを、交互に繰り返して上記積層体を被覆してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を光照射により硬化させる工程は、上記2枚の基材を貼り合わせる工程の前に行なってもよいし、上記2枚の基材を貼り合わせる工程の後に行なってもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を光照射により硬化させる工程を、上記2枚の基材を貼り合わせる工程の前に行なう場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、光照射してから硬化反応が進行して接着ができなくなるまでの可使時間が1分以上であることが好ましい。上記可使時間が1分未満であると、2枚の基材を貼り合わせる前に硬化が進行してしまい、充分な接着強度が得られなくなることがある。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を光照射により硬化させる場合、300〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cmの積算光量の光を照射することによって好適に硬化させることができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤に光を照射するための光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらの光源は、上記光カチオン重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜選択される。
本発明の有機EL表示素子用封止剤への光の照射手段としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手段を用いてもよい。
上記2枚の基材を貼り合わせる工程において、2枚の基材を貼り合わせる方法は特に限定されないが、減圧雰囲気下で貼り合わせることが好ましい。
上記減圧雰囲気下の真空度の好ましい下限は0.01kPa、好ましい上限は10kPaである。上記減圧雰囲気下の真空度が0.01kPa未満であると、真空装置の気密性や真空ポンプの能力から真空状態を達成するのに時間がかかるため現実的でない。上記減圧雰囲気下の真空度が10kPaを超えると、2枚の基材を貼り合わせる際の本発明の有機EL表示素子用封止剤中の気泡の除去が不充分となることがある。
本発明によれば、アウトガスの発生を抑制し、残留応力を低減できて接着性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、ホモディスパー型撹拌混合機(プライミクス社製、「ホモディスパーL型」)を用い、撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合することにより、実施例1〜7、比較例1〜4の各有機EL表示素子用封止剤を作製した。なお、実施例1〜6、比較例1〜4に記載された配合比の有機EL表示素子用封止剤は、320〜420nmの範囲に吸収波長を有する。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(粘度)
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、E型粘度計(東機産業社製、「VISCOMETER TV−22」)を用いて、25℃、100rpmの条件における粘度を測定した。
(濡れ広がり性)
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、インクジェット吐出装置(マイクロジェット社製、「NanoPrinter300」)を用いて、30ピコリットルの液滴量にてアルカリ洗浄した無アルカリガラス(旭硝子社製、「AN100」)上に印刷し、1分後に無アルカリガラス上の液滴の直径を測定した。
液滴の直径が200μm以上であった場合を「○」、液滴の直径が150μm以上200μm未満であった場合を「△」、液滴の直径が150μm未満であった場合を「×」として濡れ広がり性を評価した。
(接着性)
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スピンコーターを用いて、無アルカリガラス(旭硝子社製、「AN100」)上に10μmの厚みに塗布し、実施例1〜6、及び、比較例1〜4で得られた各有機EL表示素子用封止剤については、LEDランプを用いて波長365nmの紫外線を3000mJ/cm照射して、実施例7で得られた有機EL表示素子用封止剤については、100℃で30分間加熱して、有機EL表示素子用封止剤を硬化させ、樹脂膜を得た。
形成した樹脂膜に対しJIS K 5600−5−6に従い、切込み間隔1mmのクロスカット試験を行った。
クロスカット試験を行った際の、剥がれが0%であった場合を「○」、剥がれが0%を超え35%以下であった場合を「△」、剥がれが35%を超えた場合を「×」として接着性を評価した。
(低アウトガス性)
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤の加熱時のアウトガスをヘッドスペース法によるガスクロマトグラフにより測定した。ヘッドスペース用バイアルに各有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を100mg入れ、実施例1〜6、及び、比較例1〜4で得られた各有機EL表示素子用封止剤については、365nmのLEDランプにて1500mJ/cmの紫外線を照射して、実施例7で得られた有機EL表示素子用封止剤については、100℃で30分間加熱して、封止剤を硬化した後、バイアルを封止し、100℃で100時間加熱して、ヘッドスペース法により発生ガスを測定した。
発生するガスが100ppm以下であった場合を「○」、100ppmを超え300ppm未満であった場合を「△」、300ppm以上であった場合を「×」として低アウトガス性を評価した。
(有機EL表示素子の表示性能)
(有機発光材料層を有する積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alqの入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機発光材料層を有する積層体が配置された基板を取り出した。
(無機材料膜Aによる被覆)
得られた積層体が配置された基板の、該積層体全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Aの厚さは、約1μmであった。
(樹脂保護膜の形成)
得られた基板に対し、実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、インクジェット吐出装置(マイクロジェット社製、「NanoPrinter300」)を使用して基板にパターン塗布した。
その後、実施例1〜6、及び、比較例1〜4で得られた各有機EL表示素子用封止剤については、LEDランプを用いて波長365nmの紫外線を3000mJ/cm照射して、実施例7で得られた有機EL表示素子用封止剤については、100℃で30分間加熱して、有機EL表示素子用封止剤を硬化させて樹脂保護膜を形成した。
(無機材料膜Bによる被覆)
樹脂保護膜を形成した後、該樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して有機EL表示素子を得た。
プラズマCVD法は、上記「(無機材料膜Aによる被覆)」と同様の条件で行った。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
(有機EL表示素子の発光状態)
得られた有機EL表示素子を、温度85℃、湿度85%の環境下で100時間暴露した後、3Vの電圧を印加し、有機EL表示素子の発光状態(ダークスポット及び画素周辺消光の有無)を目視で観察した。ダークスポットや周辺消光が無く均一に発光した場合を「○」、ダークスポットや周辺消光が認められた場合を「△」、非発光部が著しく拡大した場合を「×」として有機EL表示素子の表示性能を評価した。
Figure 2017228414
Figure 2017228414
本発明によれば、アウトガスの発生を抑制し、残留応力を低減できて接着性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。

Claims (4)

  1. 重合性化合物とカチオン重合開始剤とを含有し、
    前記重合性化合物は、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物、及び、オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を含有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  2. シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物は、エポキシ基に含まれる以外のエーテル結合、及び、エステル結合を有さない化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  3. シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物と、オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物との含有割合が、重量比で、シクロアルケンオキサイド型脂環式エポキシ化合物:オキセタニル基とアリル基又は(メタ)アクリロイル基とを有する化合物=9:1〜2:8であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  4. 上記カチオン重合開始剤の含有量が、重合性化合物100重量部に対して、0.3〜10重量部であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
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