JP2016039796A - 接着性細胞の培養方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】袋状容器を用いた簡易な方法で効率よく接着性細胞を培養できる接着性細胞の培養方法を提供する。
【解決手段】細胞培養面22となる容器壁21を備えた袋状容器2に、接着性細胞と液体培地とを含む液体収容物6を封入して培養する接着性細胞の培養方法であり、容器壁21を載置する載置面31を有する第1部材3と、容器壁21に対向する容器壁21を押さえる押さえ面42を有する押さえ板41と、を備えた形状保持手段1に袋状容器2をセットし、載置面31と押さえ面42とで袋状容器2を押圧して袋状容器2の内圧を上昇させ、この内圧の上昇により、少なくとも細胞培養面22近傍の液状収容物6の流動を規制した状態を維持しつつ培養する。
【選択図】図2

Description

本発明は、袋状容器を用いて接着性細胞を培養する方法に関する。
従来、接着性細胞の培養容器として、一般に、スチレン製の組織培養用シャーレまたは組織培養用フラスコが使用されている。
これらの容器の培養面を形成するスチレン樹脂自体は疎水性であり、接着性細胞は、接着し難く、その結果、細胞はきわめて増殖しにくく、死滅してしまうことも多い。
ところが、組織培養用のシャーレまたはフラスコは、紫外線照射処理またはプラズマ処理等により、培養面を親水化して接着性細胞が培養面に接着するのを容易にしている。
また、袋状容器を利用して細胞を培養する容器が市販されているが、これらのほとんどが、浮遊性細胞を培養するものである。これらの袋状容器は、一般に、柔軟性を有するオレフィン系樹脂により形成されており、内面が疎水性で、その接触角は90°近傍または90°以上であり、接着性細胞培養用容器としては適していないと考えられており、一般的に、これを接着性細胞の培養に使用することはない。
しかし、袋状容器は、閉鎖系で培養できるというメリットがあり、これを接着性細胞の培養に使用しようとする幾つかの試みがなされている。
例えば、スチレン製のシャーレまたはフラスコと同じように、袋状容器の内面、すなわち、培養面を紫外線照射処理またはコロナ放電処理等により表面処理して親水化し、接着性細胞が接着しやすい培養面を提供するものがある。例えば、特許文献1では、フィルム表面に紫外線照射して親水化した後で、親水化した面が内面になるように2枚のフィルムを重ね合わせ、周縁をシールして接着性細胞培養用の袋状容器を形成している。また、特許文献2及び3では、フィルム表面をコロナ放電処理した後で、親水化した面が内面になるように2枚のフィルムを重ね合わせ、周縁をシールして接着性細胞培養用の袋状容器を形成している。
ところが、これらの何れの方法も、袋状容器の内面、すなわち、培養面になる面を外気に晒した状態で表面処理しなければならず、その時に、培養面への異物、細菌の付着を避けるのが困難であった。例えば、インフレーション成形によれば、内面に異物、細菌のないフィルムを容易に形成できるが、折角インフレーション成形しても、表面処理するために、将来培養面になる面を外気に晒さなければならず、同面に異物、細菌が付着することを避けるのが困難である。
また、もう一つの問題点として、ポリエチレンのような柔軟性の高いオレフィン系の樹脂の場合、経時的に、表面処理の劣化が生じやすいという欠点もあり、製品としての具現化が難しく、今もって、商品として、汎用化しない理由の一つでもあると考えられる。
また、袋状容器は、その柔軟さにより、収容した液体の形にならうように変形するので、移動時に生じる小さな慣性力でも反復する波が発生し、これが容器内での前記液状収容物に流れを生じさせて、細胞が接着するのを阻害し、または、接着した細胞が剥離するのを助長する。この傾向は、袋状容器の容量に対して前記液状収容物の量が少ない時に強くでるので、袋状容器の容量に比べて前記液状収容物の量が著しく少ない接着性細胞の培養においては、細胞が接着するのを阻害し、または、接着した細胞をより剥離する傾向が強くなる。これも、袋状容器での接着性細胞の培養をさらに困難としていた。
一方、特許文献4には、本発明者らが、先に発明し、特許出願した液状収容物の流動性を抑えて袋状容器の培養性能を向上させるための培養トレイが記載されている。
特許文献4によれば、細胞と培地とを含む液状物が収容された袋状容器を保持する培養用トレイであって、前記袋状容器を横方向に寝かせた状態で載置する床面を有するトレイ本体と、前記袋状容器を前記トレイ本体の床面との間に挟んで圧迫する押さえ板と、前記押さえ板を前記床面方向に押圧するばね部材とを備え、前記袋状容器の圧迫により、前記袋状容器の内圧を上昇させて前記袋状容器の容器壁に張力を生じさせた状態で前記袋状容器を保持することを特徴とする培養用トレイに、袋状容器をセットして細胞を培養すれば、液状物の流動が抑えられて、細胞のクラスターが破壊されない等の理由で、細胞間の情報伝達が促され、細胞培養性能が向上することが記載されている。
しかしながら、特許文献4には、接着性細胞が接着し難い培養面を有し、且つ、袋状容器で、接着性細胞の接着性を亢進させて、接着性細胞を培養する方法については記載されていない。
特開2009−27944号公報 特開平3−160984号公報 特開平6−9756号公報 特許第4806761号
本発明が解決しようとする第1の課題は、袋状容器で、接着性細胞を容易に培養できる新たな培養方法を提供することにある。
また、第2の課題は、異物、細菌による影響の無い環境で、接着性細胞を容易に培養できる培養方法を提供することにある。
また、第3の課題は、培養面の経時変化を気にすることなく、接着性細胞を容易に培養できる培養方法を提供することにある。
また、第4の課題は、安価な部材を使用することによって、接着性細胞を容易且つ安価に培養できる培養方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意検討し、接着性細胞の培養に特許文献4に記載された培養トレイの液状物の流動を抑えた培養方法と同様の培養方法で培養したところ、少なくとも、一般に、未処理のままでは接着性細胞は培養できないと言われてきた素材により形成された培養面を有する容器、すなわち、接着性細胞が接着し難い培養面を有し、且つ、袋状容器であっても、接着性細胞の接着性を亢進させて培養でき、しかも、接着した細胞が容易には剥離しないことを見出し、以下の発明に至った。
請求項1に記載する接着性細胞の培養方法は、細胞培養面となる容器壁を備えた袋状容器に、接着性細胞と液体培地とを含む液状収容物を封入して接着性細胞を培養する培養方法であって、前記容器壁を載置する載置面を有する第1部材と前記容器壁に対向する容器壁を押さえる押さえ面を有する第2部材とを備えた形状保持手段に前記袋状容器をセットし、前記載置面と前記押さえ面とで前記袋状容器を押圧して当該容器の内圧を上昇させ、この内圧の上昇により前記液状収容物の流動を抑制し、この状態を維持しながら培養することで、接着性細胞が前記細胞培養面に接着することを促し、または、接着した細胞が剥離することを抑制して、培養性能を向上することを特徴とする。
前記袋状容器を押圧して容器内の内圧が上昇すると、袋状容器の容器壁に張力が生じ、前記液状収容物はあたかも周囲を剛体で覆われたかのようになり、容器壁近傍の流動性が失われる。接着性細胞の培養は、一般に培地量が少ないので、前記液体収容物は狭い隙間に押し込められたようになり、全ての前記液状収容物の近傍が容器壁で占められるようになって、前記液状収容物全体としての流動が抑制される。
ここでいう接着性細胞には、担体に接着していなければ、増殖できなかったり、死滅したりしてしまう細胞を含むのはもちろんのこと、世代または環境により、担体に接着しなくても成育または増殖可能な細胞であっても、担体に接着させて培養することで何らかの効果を期待して培養する細胞も含まれる。
また、ここでいう細胞培養面は、細胞が接着して、成育または増殖する面であって、袋状容器においては、容器の内面、すなわち、内側の容器壁面に位置する。
また、ここでいう培養性能は、細胞が培養面に接着することで増殖する性能を含むのはもちろんのこと、増殖しないまでも、培養目的に合った形態に成育する性能も含まれる。
また、ここでいう袋状容器とは、重ねあわされた2枚のフィルムまたはシートの周縁がシールまたは密封された封筒様の形態であって、内容物の形状によって外形が容易に変形する容器をいう。さらに、本発明においては、液体収容物の形状に倣って変形する程度の柔軟性を有する容器であり、例えば、当該容器を移動する時に生じる小さな慣性力で、液体収容物が容器壁と共に変形可能な容器である。
なお、本発明は、一般に、未処理のままでは接着性細胞は培養できないと言われてきた素材により形成された培養面を有する容器であっても、接着性細胞の接着性を亢進させて、培養でき、しかも、接着した細胞が容易には剥離しないことを発見し、本発明に至ったものであるが、この効果は、液状収容物の流動を抑制することで得られるもので、当然、一般的な袋状容器、すなわち、接着性細胞が接着しやすいように表面処理した容器での接着性細胞の培養においても、この効果が生じることは明らかである。
例えば、一般に細胞接着性のある表面と言われる培養面で細胞自体の接着性が悪い細胞を培養する場合にもこの効果は生じるし、従来の細胞接着性を向上させるための表面処理は劣化するものが多かったが、このような材料でも、表面処理の劣化を考慮することなしに、より確実に培養できるという相乗効果が得られる。
請求項2に記載する接着性細胞の培養方法は、請求項1の記載に加え、前記細胞培養面が、接着性細胞が接着し難い面であることを特徴とする。
ここで、接着性細胞が接着し難い面とは、請求項1に記載の接着生細胞の培養方法で培養することで始めて細胞が成育または増殖するものであって、同培養方法で培養しなければ、すなわち、前記形状保持手段を使用しないで培養した場合には、細胞の接着性が悪く、細胞培養面に接着しないで、または、途中まで増殖しても剥離して、細胞が凝集塊を形成し、増殖しないか、死滅してしまい、容器単独では接着性細胞培養用容器として成り立たない面である。
すなわち、接着性細胞が接着し難い面で形成された容器は、本発明の接着性細胞の培養方法で培養しなければ、接着性細胞培養の目的が達成できない。
なお、接着性細胞培養用容器として成り立たないとは、商品化のメリット、産業上のメリットが無いことを意味する。
請求項3に記載する接着性細胞の培養方法は、請求項1又は2の記載に加え、前記細胞培養面が、柔軟性を有する疎水性材料で形成され、且つ、細胞の接着性を向上する表面処理が施されていないことを特徴とする。
請求項4に記載する接着性細胞の培養方法は、請求項1乃至3の記載に加え、前記細胞培養面の水との接触角が、90°近傍、または、90°以上であることを特徴とする。
請求項4に記載する接着性細胞の培養方法は、請求項1乃至4の記載に加え、前記細胞培養面が、低密度ポリエチレン樹脂、低密度直鎖状ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、又は、これらの混合物、により形成され、且つ、細胞の接着性を向上する表面処理が施されていないことを特徴とする。
本発明の接着性細胞の培養方法によれば、袋状容器を押圧して当該容器の内圧を上昇させ、液状収容物の流動を抑制するだけで、袋状容器の内面を表面処理することなく接着性細胞を培養できるので、袋状容器を使用して容易に接着性細胞を培養可能な新たな培養方法を提供できる。
また、本発明の接着性細胞の培養方法によれば、袋状容器の内面を表面処理する工程を省くこともできる。そのため、袋状容器の製造工程から、培養面に異物、細菌が付着するリスクのある工程、すなわち、培養面が外気に晒されるような工程を排除でき、異物、細菌による汚染のない環境で、接着性細胞を培養できる。
また、本発明の接着性細胞の培養方法によれば、袋状容器の内面を表面処理する工程を省くこともできる。そのため、培養面の経時変化を気にすることなく、接着性細胞を安定して培養できる。
また、本発明の接着性細胞の培養方法によれば、袋状容器を押圧して当該容器の内圧を上昇させ、液状収容物の流動を抑制するだけで、袋状容器の内面を表面処理することなく接着性細胞が培養できるので、袋状容器の製造工程において、高価な設備を使用する工程と、複雑で手間のかかる工程を大幅に排除することができる。そのため、本発明の接着性細胞の培養方法によれば、接着性細胞を容易且つ安価に培養できる。
本発明の実施形態の培養方法に使用する形状保持手段に液体収容物を収容した袋状容器をセットした状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態の培養方法に使用する形状保持手段に液体収容物を収容した袋状容器をセットした状態を示す断面図である。 図1に示す形状保持手段の分解斜視図である。 実施例1における細胞の状態を示す顕微鏡写真であり、(a)は細胞播種から24時間経過後の状態を示し、(b)は細胞播種から4日後の状態を示す。 比較例1における細胞の状態を示す顕微鏡写真であり、(a)は細胞播種から24時間経過後の状態を示し、(b)は細胞播種から4日後の状態を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態の培養方法では、図1乃至図3に示すように、細胞培養面22となる容器壁21を備えた袋状容器2に、接着性細胞と液体培地とを含む液体収容物6を封入して、容器壁21を載置する載置面31を有する第1部材3と前記容器壁21に対向する容器壁21を押さえる押さえ面42を有する第2部材4とを備えた形状保持手段1に袋状容器2をセットし、載置面31と押さえ面42とで袋状容器2を押圧して当該容器の内圧を上昇させ、この内圧の上昇により液体収容物6の流動を抑制し、この状態を維持しつつインキュベートすることで、接着性細胞が細胞培養面22に接着することを促し、または、接着した細胞が剥離することを抑制して、培養性能を向上する。
[液状収容物]
本実施形態の液体収容物6は、袋状容器2に収容され、接着性細胞、液体培地を主成分とする流動性を有する液体であって、これに、血清、その他の添加剤、指示薬等が含まれていても構わない。
[袋状容器]
本実施形態の袋状容器2は、互いに対向する一対の容器壁21,21間に収容空間が形成された扁平形状の樹脂製袋状容器である。周囲には収容空間と外部とを連通するためのポート23及びチューブ24が設けられている。チューブ24の端部は、液体収容物6を収容空間内に収容または排出する際に、シリンジや他のチューブ等を接続できるとともに密封可能な接続部25となっている。
ここで、柔軟性を有するとは、例えば液体収容物6を収容した状態で一部を支持した際、自重により容器壁21が変形する程度の柔軟性を有することを意味し、好ましくは、容器壁21の変形により、容器内への気体の出入りなしに、収容されている液体収容物6の略全量を排出可能な程度の柔軟性を意味する。
袋状容器2の各容器壁21はそれぞれ樹脂により形成されており、培養時に載置面31に接面する容器壁21の内面が細胞培養面22となる。細胞培養面22は培養時に接着性細胞が接着し易い面であってもよいが、この実施形態では、細胞の接着性を向上する表面処理が施されておらずに、接着性細胞が接着し難い面となっている。
ここで、細胞の接着性を向上する表面処理とは、例えば、袋状容器2の容器壁21を構成する樹脂フィルムや樹脂成形品の表面に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電、電子線などの高エネルギーの電磁波や粒子線を照射することで、樹脂表面に親水性の官能基または極性基を生じさせる処理である。
なお、袋状容器2の容器壁21の少なくとも一部、好ましくは全部が、細胞の成育に必要な酸素の供給と細胞の代謝産物の二酸化炭素の排出とを行えるガス透過性を有しているのがよい。容器壁21に要求されるガス透過性は、容器内に収容される細胞の種類と細胞の目標増殖数、培養目的、培養容器の寸法によって大幅に変わるので、一概に数値限定できるものではなく、培養目的に合わせて、容器壁の素材、容器壁の面積、容器壁の厚さを選定して調整すればよい。また、収容空間内の細胞の形、細胞の状態、培養の進み具合等を顕微鏡等で観察可能な程度の透明性を有しているのがよい。
この実施形態の容器壁21は、少なくとも、培養面が、一般的な培養方法では接着性細胞が接着しにくく、疎水性の高い素材により形成され、細胞の接着性を向上する表面処理がなされていない。ここで、一般的な培養方法で接着性細胞が接着しにくい疎水性の高い素材としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、低密度直鎖状ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、フッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体、及び、これらの混合物により形成されたフィルムまたはシート、さらには、前記素材を少なくとも細胞培養面22に用いた多層フィルムまたはシートが挙げられる。
[形状保持手段]
本実施形態の形状保持手段1は、液体収容物6が封入された袋状容器2を載置面31と押さえ面42とで押圧して袋状容器2の内圧を上昇させ、この内圧の上昇により液体収容物6の流動を抑制する手段である。この形状保持手段1は、インキュベート中連続して袋状容器2を保持するだけでなく、そのまま細胞培養中の各操作を行える構造となっている。
この形状保持手段1は図3に示すように、トレイ状の第1部材3と袋状容器2を押圧可能に付勢部材43が設けられた第2部材4と、第1部材3と第2部材4の距離を保持し、押圧状態を維持するための蓋体5とから構成されている。第1部材3と蓋体5は、第1部材3に設けられた突起52と蓋体5に設けられた突起受け51により第1部材3に固定される。
第1部材3は、袋状容器2を載置する載置面31と、袋状容器2に連結されたチューブ24等の引出口32を有している。載置面31は平面状に設けられており、培養時には略水平に維持され、袋状容器2は、載置面31に一方の容器壁21が当接した状態で載置される。
第2部材4は、押さえ板41と付勢部材43からなり、押さえ板4は、載置面31に対向して配置される押さえ面42を有し、バネ等の付勢部材43が組み込まれたピン44を介して蓋体5に移動可能に支持され、且つ、蓋体5から離間する方向に付勢されている。
袋状容器2を第一部材3に載置して蓋体5を閉じ、突起52と突起受け51で第1部材3と蓋体5を固定することで、載置面31に載置された一方の容器壁21に対向する他方の容器壁21を押さえ面42で押圧する。
押さえ板41及び押さえ面42の形状は袋状容器2を押圧できれば特に限定されないが、押さえ板41と当接する容器壁21のガス透過性を確保するために、押さえ板41には複数の通気孔45を設けたり、通気性を有する材料により形成したりすることができる。
形状保持手段1の第1部材3、蓋体5、押さえ板41は、保持中に袋状容器2が変形することを防止できる程度の強度を有する。例えば、これらを硬質な材料により形成するのがよい。また、インキュベート期間中に保持された袋状容器2の内部を観察し易くするため、透明性を有する材料により形成されているのがよい。
このような形状保持手段1では、液体収容物6を収容した袋状容器2を第1部材3の載置面31と押さえ板41の押さえ面42との間に配置することで、付勢部材43の付勢力に応じて載置面31と押さえ面42とで袋状容器2を押圧して容器の内圧を上昇させた状態で保持することができる。
[培養方法]
次に、このような袋状容器2及び形状保持手段1を用いて接着性細胞を培養する方法について説明する。
まず、予め液体培地を収容した袋状容器2と、予め接着性細胞の細胞浮遊液を充填したシリンジを準備する。袋状容器2のチューブ24の接続部25に前記シリンジを接続して、チューブ24を経由して袋状容器2内に接着性細胞の細胞浮遊液を注入し、チューブ24を密封して、接着性細胞と液体培地とを含む液体収容物6が封入された袋状容器2を作製する。このとき袋状容器2の収容空間内には気体が入らない方が良い。容器内での気体の移動は液体収容物5に流れを生じさせるからである。
袋状容器2の一方の容器壁21を第1部材3の載置面31に載置し、他方の容器壁21に押さえ板41の押さえ面42を当接させて蓋体5を閉じる。すなわち、袋状容器2を形状保持手段1に横に寝かした状態でセットする。
袋状容器2は、セットされた状態では、付勢部材43の付勢力に応じて載置面31と押さえ面42とで押圧され、容器の内圧が上昇する。容器内の内圧が上昇すれば、容器壁21に接液面と平行方向の張力が生じ、袋状容器2は、あたかもその容器壁21が剛体であるかのように一定の形状に保持される。袋状容器2内の液体収容物5は、容器壁21が剛体のように維持されることで、慣性力によって袋状容器2を変形させることができず、すなわち、液体収容物5は移動する余地がないので、流動が規制される。
袋状容器2の内圧は、慣性力の大きさに応じて適宜設定する必要がある。例えば、液体収容物6の質量、袋状容器2の移動時の加速度、または、袋状容器2が受ける振動の強さについては、大きければ大きいほど内圧を高く設定する必要がある。すなわち、液体収容物6の慣性力による袋状容器2の変形を抑えられるだけの内圧を袋状容器2に与える必要がある。
また、培養操作上、袋状容器2を傾斜させたり、反転させたりする場合には、収容空間の高低差により生じる液圧の変化に対して容器壁が実質的に変形しない程度に内圧をあげる必要がある。
接着性細胞は、自ら生産し、容器壁21の細胞培養面22に付着させた接着成分を介して細胞培養面22に接着し、初めて生育、または、増殖する。そのため、接着性細胞と細胞培養面22との位置関係を保持するだけでなく、細胞が生産した接着成分を、周囲に拡散させずに、接着細胞とその近傍の細胞培養面22周辺に集中して保持することが望ましい。
本実施形態の培養方法によれば、培地の流動性を規制することで、接着性細胞と細胞培養面22との位置関係を保持し、細胞が生産した接着成分を周囲に拡散させずに、接着細胞とその近傍の細胞培養面22周辺に集中して保持することで、特に、接着性細胞が接着しにくい培養面であっても、接着性細胞を接着させ、培養することができる。
接着性細胞が接着しにくい培養面においては、接着性細胞が接着し増殖する過程においても、その接着力は弱い上に、細胞培養面22に接着性細胞が接着すれば、細胞培養面22上の位置が固定されるため、細胞培養面22近傍の液体収容物6が流動すれば、細胞培養面22に接着した細胞は、液体収容物6から大きな摩擦力や剪断力を受けることになり、接着した細胞も剥離しやすい。これに加え、培養容器が袋状容器の場合には、液体収容物6の流動にともなう容器壁21の変形が、さらに、細胞剥離を助長する。
特に、培養後期においては、細胞が増殖して密集し、細胞相互の接着が進行し、細胞培養面22に膜状の細胞集合体を形成する。接着性細胞が接着しにくい培養面においては、接着性細胞の細胞培養面22との接着力は、細胞−細胞間の接着力よりも弱いので、この状況下で、液体収容物6から大きな摩擦力や剪断力を受けると、その力は、膜状の細胞集合体の端に集中し、端から捲れて巻き込みながら剥離し、利用不可能な細胞塊を形成する。
本実施形態の培養方法によれば、培地の流動性を規制することで、培養後期まで、剥離せずに、利用可能な細胞形態を維持しながら培養することができる。
なお、接着性細胞の細胞培養面22への接着性は、細胞種及び細胞培養面22の材質により様々なので、接着性細胞が影響を受ける液体収容物6の流動の程度は様々である。そのため本実施形態の培養方法では、容器壁21の変形を阻止または制限しない培養方法と比較し、次の2点が明らかであれば、細胞培養面22近傍の液体収容物6の流動を阻止し、または、制限しているとみなすことができる。
第1の点は、液体収容物6の流動性が低下していることであり、第2の点は、その液体収容物6の流動性よりも細胞の細胞培養面22への接着性若しくは増殖性が勝っていること、または、細胞培養面22に接着した細胞の剥離抵抗性が勝っていることある。
本実施形態では、このように袋状容器2の内圧を上昇させた状態を維持しつつインキュベートする。ここでは袋状容器2をセットした形状保持手段1を、載置面31が略水平となるようにインキュベータ内に静置して、所定温度で所定時間保持することで行う。これにより載置面31に当接させた一方の容器壁21の内面側である細胞培養面22に接着性細胞が接着して培養される。
インキュベート期間中には、細胞の形、細胞の状態、培養の進み具合等を顕微鏡で観察するなど、袋状容器2を移動させて各種の操作が行われることがある。その場合でも、形状保持手段1に袋状容器2をセットした状態を維持したまま各種の操作を行える方が好ましい。
ここでは、インキュベートとは、培養容器を細胞および培養液と共にインキュベータ内に静置することを意味し、インキュベート期間とは、細胞の播種から細胞の取り出しまでの一連のインキュベートが終了するまでの期間を意味し、この期間には、細胞の観察、培地または添加剤の追加または交換等により、一時インキュベートを中断する期間も含まれる。
本実施形態における通常の培養方法としては、インキュベートして接着性細胞が袋状容器2の細胞培養面22に接着または増殖した後で、生育または増殖した接着性細胞を取り出すか、所定期間経過後に液体培地を追加または交換し、継続してインキュベートすることを1乃至複数回繰り返してから取り出す。液体培地の追加は、液体培地等を含有する新たな液体収容物6が収容されたシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し、袋状容器2内に液体収容物6をゆっくりと注入すればよい。
また、液体培地の交換は、空のシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し、チューブ24を介して袋状容器2の液体収容物6をゆっくりと抜き出してから、液体培地等を含有する新たな液体収容物6が収容されたシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し替えて、袋状容器2内に液体収容物6をゆっくりと注入すればよい。
また、接着細胞の取出しは、空のシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し、チューブ24を介して袋状容器2の液体収容物6をゆっくりと抜き出してから、液体収容物6として細胞剥離液が収容されたシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し替えて、細胞剥離液が細胞面に均一に広がるように袋状容器2内にゆっくりと注入し、細胞が細胞培養面22から剥離し且つ細胞同士の結合が切れるまで待ってから、すなわち、細胞が、個々の細胞に分断され、または、均一なスフェロイド状を呈した段階で、細胞分散用の液体の入ったシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し、細胞分散用の液体を袋状容器2内にチューブ24を介して注入し、細胞を分散させてから袋状容器2の液体収容物6をシリンジに抜き出せばよい。
なお、上記の方法で、液体培地の追加、交換において細胞が意図に反して剥離してしまう場合、または、細胞の取出しにおいて、意図に反した細胞塊ができてしまう場合には、より確実に剥離させない方法として、細胞培養面22が上になるように袋状容器2を形状保持手段1ごと反転してから、一定量の無菌空気の入ったシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し、袋状容器2に空気を注入して、袋状容器2の液体収容物6の液面を細胞培養面22に接着した細胞から離間させる操作と、再度反転して細胞培養面22が下になるように戻す操作を行ってから、空のシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続して袋状容器2の空気を抜き出す操作を加えればよい。
なお、このようにして分散状態で回収した接着性細胞は、その後、例えば洗浄液で十分に洗浄してから使用される。
[作用効果]
以上のような本実施形態の接着性細胞の培養方法によれば、袋状容器2を押圧して容器の内圧を上昇させることで、細胞培養面22近傍の液体収容物6の流動を規制し、その状態を維持しつつ各種の培養操作ができるので、接着性細胞が接着しにくい細胞培養面22を有する袋状容器であっても、接着性細胞を容易に培養できる。
例えば、培養初期においては、培地の流動性を規制することで、接着性細胞と細胞培養面22との位置関係を保持し、細胞が生産した接着成分を周囲に拡散させずに、接着細胞とその近傍の細胞培養面22周辺に集中して保持することで、特に、接着性細胞が接着しにくい培養面であっても、接着性細胞を接着させ、培養することができる。
インキュベート期間中においては、細胞の形、細胞の状態、培養の進み具合等を顕微鏡で観察するなど、袋状容器2を移動させて各種の操作が行われるが、その場合でも、形状保持手段1に袋状容器2をセットした状態を維持したまま、すなわち、細胞が剥離しにくい状態を維持しながら、各種の操作を行うことができる。
また、培養後期においても、培地の流動性を規制することで、膜状の細胞集合体の端から捲れて巻き込みながら剥離することを抑制して、利用可能な細胞形態を維持しながら培養することができる。また、培地の追加、培地交換、細胞の取出し操作においても、液体収容物6の排出、注入操作による液体収容物6の流動が細胞に与える摩擦力や剪断力を最低に抑えることができる。
この培養方法では、細胞培養面22は接着性細胞が接着し難い面であってもよく、細胞の接着性を向上するような処理が施されていない未改質樹脂からなる面であってもよいので、袋状容器2の製造が容易である。
また、袋状容器2を押さえ面42と載置面31との間で圧迫するだけで、細胞培養面22の変形を規制すると共に細胞培養面22近傍の液体収容物6の流動を規制することができるので、形状保持手段1の構成を簡素化できる。そのため接着性細胞の培養の準備に手間がかからず、容易に接着性細胞の培養を行うことができる。
なお、上記実施形態は本発明の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、容器壁21を載置する載置面31と、容器壁21を押さえて内圧を上昇させる押さえ面42とを備えたものであれば、形状保持手段1の構成は適宜変更可能である。
上記では載置面31を第1部材3に固定して設け、押さえ面42を有する押さえ板41を変位可能に設けて付勢したが、押さえ面42を固定して設け、載置面31を変位可能に設けて付勢してもよく、載置面31と押さえ面42との両方を変位可能に設けてそれぞれ付勢してもよい。
また上記では、載置面31と押さえ面42とを別々の部材に設けたが、載置面31として機能する部位と押さえ面42として機能する部位とが一体の部材に設けられていてもよい。
上記実施形態では、一つの形状保持手段1に一つの袋状容器2を保持させて、培養を行った例について説明したが、形状保持手段の数や袋状容器の数は、任意に設定可能である。例えば複数の形状保持手段にそれぞれ一つの袋状容器を保持させてもよい。その場合、各形状保持手段をどのように配列してもよい。
また一つの形状保持手段に複数の袋状容器を保持させることも可能である。その場合、形状保持手段に複数の載置面を設け、各載置面毎に袋状容器を載置させ、それぞれに押さえ面を設けて袋状容器を押圧してもよい。
さらに複数の形状保持手段を設けたり、形状保持手段に複数の載置面を設けたりした場合、各袋状容器の気体の供給及び排出を阻害しない範囲で、複数の形状保持手段や載置面を上下に積層して配置することも可能である。
上記実施形態では、袋状容器2の細胞培養面22を構成する一方の容器壁21として、平坦な内面形状を有するものを例示したが、容器壁21の内面に複数の凹部が設けられ、各凹部の底面が細胞培養面22を構成していてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
図1乃至図3に示すような袋状容器2及び形状保持手段1を用い、接着性細胞を培養した。
(培養準備)
接着性細胞は、正常ヒト新生児包皮線維芽細胞(クラボウ社製)を使用した。
液体培地は線維芽細胞用合成培地EIDF(+)(ニプロ社製、商標)を用い、牛胎児血清を5wt%となるように添加し、調製した。
袋状容器2は、エチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製ウルトラセン630(登録商標))をインフレーション成形により形成した厚さ0.14mmのシートからなる一対の容器壁21を有し、容器壁21,21間に形成される収容空間の最大幅及び最大長さが5cm×10cmで、細胞培養面22の面積は約50cmであった。なお、細胞培養面22は表面処理が施されておらず、細胞培養面22の水の接触角は93度であった。
(細胞播種)
袋状容器2に、予め前記液体培地に25mlの液体収容物6を封入しておき、細胞浮遊液をシリンジで注入することで、細胞播種濃度が5000cell/cmとなるように接着性細胞を播種し、同時に、袋状容器2内に空気が残留しないように、混入した空気を除去した。この時、袋状容器2の二つの容器壁21,21間の寸法は外寸で約5mmであった。
袋状容器2を横に寝かせた状態で形状保持手段1にセットし、一対の容器壁21を載置面31と押さえ面42とで押圧した。セット状態では袋状容器2の内圧は、300mm水柱であった。
(培養過程)
袋状容器2を形状保持手段1にセットした状態のまま、インキュベータに収容し、37℃、二酸化炭素濃度5%、湿度95%以上の加湿下で、4日間インキュベートした。
インキュベート期間中には、袋状容器2を形状保持手段1にセットした状態のまま、インキュベータから取り出して顕微鏡により細胞の接着状態を観察した。
またインキュベート期間中には、上述した本実施形態における通常の培養方法で1回の培地交換を行った。培養開始3日目に、液体収容物20mlを抜き取って廃棄し、新たに20mlの新鮮培地を注入した。
インキュベート期間経過後、上述した方法のうち、袋状容器2を反転する方法で細胞を取り出した。
細胞培養面22が上になるように袋状容器2を形状保持手段1ごとゆっくりと反転してから、10mlの無菌空気の入ったシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し、袋状容器2に空気を注入して、袋状容器2の液体収容物6の液面を細胞培養面22に接着した細胞から離間させてから、チューブ24を介して袋状容器2の液体収容物6をゆっくりと抜き出した後で、細胞剥離液としてPBSで10倍希釈したトリプシン(0.25%Trypsin-EDTA Gibco)3mlが収容されたシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し替えて、袋状容器2内にゆっくりと細胞剥離液を注入した。次に、ゆっくりと反転して細胞培養面22が下になるように戻して、すなわち、細胞剥離液が細胞面にゆっくりと、均一に広がるようにして、細胞剥離液と細胞を接触させた。
1分後、細胞分散用の液体としてPBS10mlが収容されたシリンジを袋状容器2のチューブ24の接続部25に接続し替えて、袋状容器2内にゆっくりとPBSを注入し、細胞を分散させてからシリンジに抜き出し、回収した。
(培養結果)
細胞播種から24時間経過後と4日経過後の細胞回収直前の顕微鏡写真を図4(a)と図4(b)に示した。また、細胞の生育状態の評価及び細胞濃度を表1に示した。
図4(a)より、細胞播種から24時間後、殆どの細胞が細胞培養面に接着していて、細胞の凝集は見られなかった。また、図4(b)より、4日後の細胞回収直前においては、コンフルとなっていたが、捲れて巻きながら剥離するもの、剥離して細胞塊になったものは見られなかった。そのため、トリプシンによる回収操作で、細胞を個々に分散した状態で回収することができ、細胞数の計数もできた。表1から、回収された細胞総数は、細胞播種時より十分に増加しており、細胞が順調に増殖したことが確認できる。
[比較例1]
形状保持手段1を用いずに、液体収容物6を封入した袋状容器2を平らなアクリル板上に、押圧をかけずに載置して培養したこと、また、細胞が浮遊して細胞塊を形成していたために、3日目の培地交換及び4日後の回収操作を行わなかったこと以外は、全て実施例1と同様に接着性細胞を培養した。
細胞播種から24時間経過後と4日経過後の細胞回収直前の顕微鏡写真を図5(a)と図5(b)に示した。また、細胞の生育状態の評価及び細胞濃度を表1に示した。
図5(a)から、細胞播種から24時間後、細胞培養面22に接着している細胞もあるが、その数は少なく、細胞培養面22に接着せずに浮遊して細胞の凝集塊を形成するものもあった。また、図5(b)から、4日後においては、接着している細胞は見られず、少し大きくなった細胞の凝集塊がまばらに見られた。量的な観点から見て、これは、細胞塊が増殖した結果ではなく、播種した細胞が凝集した結果と考えられた。
なお、この細胞塊は、トリプシンで処理しても個々の細胞に分散しないので、細胞数の特定にまで至らなかった。
1 形状保持手段
2 袋状容器
3 第1部材
4 第2部材
5 蓋体
6 液状収容物
21 容器壁
22 細胞培養面
23 ポート
24 チューブ
25 接続部
31 載置面
32 引出口
41 押さえ板
42 押さえ面
43 付勢部材
44 ピン
45 通気孔
51 突起受け
52 突起

Claims (5)

  1. 細胞培養面となる容器壁を備えた袋状容器に、接着性細胞と液体培地とを含む液状収容物を封入して接着性細胞を培養する培養方法であって、
    前記容器壁を載置する載置面を有する第1部材と前記容器壁に対向する容器壁を押さえる押さえ面を有する第2部材とを備えた形状保持手段に前記袋状容器をセットし、
    前記載置面と前記押さえ面とで前記袋状容器を押圧して当該容器の内圧を上昇させ、この内圧の上昇により、前記液状収容物の流動を抑制し、この状態を維持しながら培養することで、接着性細胞が前記細胞培養面に接着することを促し、または、接着した細胞が剥離することを抑制して、培養性能を向上することを特徴とする接着性細胞の培養方法。
  2. 前記細胞培養面が、接着性細胞が接着し難い面であることを特徴とする請求項1に記載の接着性細胞の培養方法。
  3. 前記細胞培養面が、疎水性の高い素材で形成され、且つ、細胞の接着性を向上する表面処理が施されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の接着性細胞の培養方法。
  4. 前記細胞培養面の水との接触角が、90°近傍、または、90°以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接着性細胞の培養方法。
  5. 前記細胞培養面が、低密度ポリエチレン樹脂、低密度直鎖状ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、又は、これらの混合物により形成され、且つ、細胞の接着性を向上する表面処理が施されていないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の接着性細胞の培養方法。
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