JP2016038194A - 脱脂・焼成用セッター - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐熱性や熱伝導性の他に、軽量でかつ焼成する被焼成物と反応しない特性を備えた上で、更に、エネルギー効率に優れた脱脂・焼成用セッターを提供する。
【解決手段】
本発明の脱脂・焼成用セッターは、平均直径5〜2000μmの気孔を有し、気孔率が70〜25%であるセラミックシートを複数枚積層し一体化させた多孔質構造体からなることを特徴し、セラミックシートを複数枚積層してなる多孔質構造体であるため、軽量化が容易で、また気孔率を50%以上にしても機械的強度は高い。なおセッターの嵩密度が小さく、熱容量小さくできるため、エネルギー効率が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子材料、セラミック材料、粉末合金材料等の脱脂・焼成を行うときに上記材料を載せる、即ち高温雰囲気中で紛体成形体を脱脂・焼成する際の板状の敷板、棚板として使用される脱脂・焼成用セッターに関するものである。
脱脂・焼成用セッターとは、トレーの1種であって、その上に脱脂・焼成を行う被焼成物を載置し、電気炉等で被焼成物を脱脂・焼成するためのもので、通常セラミック質、金属質、炭化質のものが使用され、求められる特性は耐熱性、熱伝導性に優れていること、軽量でかつ強度が高いこと、被焼成物と反応しない特性を備えることが要求される。
セラミック質を用いたセッターとして、例えば、セッターの表面あるいは両面に凹凸を設ける技術(特許文献1)、セラミック基板の表面を微粒子状のアルミナやジルコニアで被覆する技術(特許文献2)、セラミック粉末と熱分解性樹脂ビーズとの混合物を焼成することで気孔率を50%以上にして軽量化する技術(特許文献3)が開示されている。特許文献1は、被焼成物と反応しない特性を有するが重量が重く熱容量が大きいため熱伝導性が悪い課題がある。
また特許文献2は、軽量でかつ強度が高い特性を有するが、気孔率が20〜50%と低く、嵩密度(Bulk-density)が大きくなるため、熱伝導性が悪く、脱脂・焼成時に供給される熱エネルギーの大半がセッターの加熱のために費やされ、エネルギー効率や窯効率が悪いという問題がある。またセラミック基板と微粒子の金属酸化物との密着性が十分ではなく、剥離し易く、セッターの耐用回数が減少したりする。
さらに特許文献3は気孔率を50%以上と大きくすることで、嵩密度が小さくエネルギー効率が良好であるが、熱分解性樹脂から大量のガスが発生し、耐久性の問題や変色など被焼成体への悪影響が生じる問題がある。金属質を用いたセッターは、熱伝導性は優れているが、重量が大きく取扱いが容易でない。
また炭素質を用いたセッターは、耐熱性、熱伝導性がよく、比較的軽量であるが、炭素材料は反応性が高く、被焼成物とセッターとの間で焼成時に脱炭・浸炭や溶着が起こる課題がある。その課題を解消するために、特許文献4では、炭素化物で一体結合された炭素板の表面に酸化物セラミックからなる溶射被膜を形成する技術が提案されている。溶射被膜により脱炭・浸炭等が抑制され、被焼成物と反応し難く良好であるが、超硬合金の焼結に繰り返し用いた場合は、超硬合金と溶射被膜との間で溶着が起こったり最終的には溶射被膜の剥離等に至る亀裂が溶射被膜に生じたりといった不具合が比較的早期に生じてしまう。
特開2013-178053 特開平3-69565 特開平5-270939号公報 特開2003-82402号公報
本発明の目的は、前記課題を解決し、耐熱性や熱伝導性の他に、軽量でかつ焼成する被焼成物と反応しない特性を備えた上で、更に、エネルギー効率に優れた脱脂・焼成用セッターを提供することである。
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、平均直径5〜2000μmの気孔を有し、気孔率が70〜25%であるセラミックシートを複数枚積層し一体化させた多孔質構造体からなる脱脂・焼成用セッターである。気孔は、各セラミックシートを貫通している。気孔は、パンチング、レーザー等で形成されても、発泡処理によって形成されてもよい。この請求項1に記載された脱脂・焼成用セッターはセラミックシートを複数枚積層してなる多孔質構造体であるため、軽量化が容易で、また気孔率を50%以上にしても機械的強度は高い。なおセッターの嵩密度が小さく、熱容量小さくできるため、エネルギー効率が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の脱脂・焼成用セッターにおいて、各セラミックシートの前記気孔が連通して成る最大径寸法が5〜2000μmの貫通穴を複数有することを特徴とするものである。貫通穴の形状としては、例えば、円形、楕円形、多角形が挙げられるが、他の形状であってもよい。この請求項2に記載された脱脂・焼成用セッターでは、気孔が連通しているので、被焼成物の脱脂時に被焼成内から出てくる有機物の熱分解ガスがスムーズに排出され、また焼成時には被焼成物の大気面側とセッターと接する面側との雰囲気を均一にすることが容易になる。貫通穴は、気孔を有するセラミックシートを積層させるとき各気孔を連通させて形成されても、多孔質構造体にパンチング、レーザー等で形成されてもよい。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の脱脂・焼成用セッターにおいて、前記セラミックシートがアルミナ(Al203)、ジルコニア(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)およびムライト(3Al203-2SiO2)のうち少なくとも一種の酸化物セラミックから成ることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の脱脂・焼成用セッターにおいて、前記セラミックシートが炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)および窒化アルミニウム(AlN)のいすれか一種の非酸化物セラミックから成ることを特徴とするものである。
これら請求項3または請求項4記載の脱脂・焼成用セッターでは、同一材料で構造体が形成されているため、溶射被覆の剥離等の不具合が起こらず、セッターの耐久回数が向上する。
本発明に係る脱脂・焼成用セッターは、平均直径5〜2000μmの気孔を有し、気孔率が70〜25%であるセラミックシートを複数枚積層し一体化させた多孔質構造体である。酸化物セラミックおよび非酸化物セラミックは耐熱性・耐食性に優れ、高強度という物性を備える。本発明では、セラミックシートを複数枚積層し一体焼結した多孔質構造体を採用することで、気孔率を50%以上にしてもセッター全体の機械的強度を向上させ、軽量化を可能にできる。またセッターの嵩密度が小さく、熱伝導性が良くなるため、熱容量が小さくエネルギー効率が向上する。これにより成形体または被焼成物の脱脂時または焼成時の昇温速度および降温速度を速くすることができる。さらに、従来セッターのように基材材料の表面に異材質を溶射、コーティングした構造体と異なり、同一材料での一体構造体であるため、基材とコーティング層との剥離などの不具合も生じず、被焼成物とセッターとの間で反応することもなく、同時にセッターの耐用回数も向上する。
本発明の実施の形態の脱脂・焼成用セッターを示す斜視図である。 図1に示す脱脂・焼成用セッターを構成するセラミックグリーンシートの背面図である。 セラミックシートを複数枚積層して一体成形し、図1の脱脂・焼成用セッターを形成する状態を示す概要斜視図である。 各セラミックシートの気孔が同位置で連通して成る貫通穴の例を示す図1のA−A’線断面図である。 各セラミックシートの気孔が交差指状に連通して成る貫通穴の例を示す図1のA−A’線断面図である。
以下に、図を参照して、本発明の実施の形態の脱脂・焼成用セッターについて、本発明の特徴とするところをより具体的に説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態の脱脂・焼成用セッターの斜視図、セラミックグリーンシートの背面図である。図3はセラミックシートを複数枚積層して一体成形し、脱脂・焼成用セッターを形成する状態を示す概要斜視図、図4および図5は図1のA−A’線断面図の例である。
本発明の実施の形態の脱脂・焼成用セッター(図1)は平均直径5〜2000μm、好ましくは10〜1500μmの気孔2を有し、かつその気孔率が70〜25%、好ましくは70〜40%であるセラミックシート1を複数枚積層し一体化させた多孔質構造体3からなる。気孔2の平均直径を5〜2000μmに限定したのは、5μm未満ではセッターの熱容量が大きくなり、かつセッターに載せられる被焼成物の脱脂性が低下するためであり、2000μmを超えるとセッターの機械的強度が低下するためであり、25%未満では熱容量が大きくなり、かつセッターに載せられる被焼成物の脱脂性が低下するためである。また気孔率は該セラミックシート1の枚数を調整することにより、容易に調整することが可能である。気孔2は、セラミックシート1を貫通している。気孔の形状は特に限定されるものでないが、円形あるいは楕円形形状が好ましい。また気孔の形成方法は特に限定されるものでなく、パンチング装置、レーザー装置等、いずれを使用して気孔を形成しても構わない。
多孔質構造体3は、各セラミックシート1の気孔2が連通して成る最大径寸法が5〜2000μm、好ましくは10〜1500μmの貫通穴を複数有している。貫通穴の最大寸法を5〜2000μmに限定したのは、5μm未満では該セラミックシート1を複数枚積層して一体成形した場合、貫通穴が消滅してしまい、そのためセッターの熱容量が大きくなり、かつセッターに載せられる被焼成物の脱脂性が低下するためであり、2000μmを超えると該セラミックシートのシート強度を確保できずに一体成形ができないためである。貫通穴の形状は特に限定されるものでないが、円形あるいは楕円形形状が好ましい。また貫通穴の形成方法は特に限定されるものでなく、多孔質構造体3にパンチング装置、レーザー装置等、いずれを使用して貫通穴を形成しても構わない。なお図4あるいは図5のように同位置あるいは交差指状に貫通穴を積層成形しても構わない。
酸化物セラミックまたは非酸化物セラミックをシート状にする場合は、通常のシート成形法に用いる水系スラリーあるいは非水溶性有機溶剤系スラリーを作製し、公知のドクターブレード法やスリップキャスティング法等のシート成形法により作製することが可能である。
上記セラミックシート1を複数枚積層して得た多孔質構造体を、酸化物系では大気雰囲気中、非酸化物系では真空中または窒素ガス雰囲気中で焼成すると本発明の実施の形態の脱脂・焼成用セッターが得られる。なお焼成前に、焼成温度より低温に加熱して多孔質構造体から有機物(例えば、結合剤、可塑剤、有機溶剤)を除去する脱脂を行ってもよい。
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明の実施の形態の脱脂・焼成用セッターについて、より具体的に説明する。
<実施例1>
酸化物セラミックの原料粉末としてアルミナ(Al2O3)粉末を用い、非水溶性有機溶剤、可塑剤、結合剤とを所定量加えてボールミル混合してスラリー化した。得られたスラリーをドクターブレード法でシート状に成形して、厚み50μmのセラミックグリーンシートを作製した。そのセラミックグリーンシート上に、気孔率が70%になるよう、長さ1mmの楕円形を有した気孔をパンチング装置で形成した。
その気孔を形成したセラミックグリーンシートを30枚積層し、厚さ1.3mmの積層成形体を作製した。大気中1650℃で10時間焼成して、脱脂・焼成用セッターを得た。このセッターを実施例1とした。
<実施例2>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に、気孔率が60%になるようにパンチング形成したことを除いて、実施例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを実施例2とした。
<実施例3>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に、気孔率が50%になるようにパンチング形成したことを除いて、実施例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを実施例3とした。
<実施例4>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に、気孔率が40%になるようにパンチング形成したことを除いて、実施例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを実施例4とした。
<実施例5>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に、気孔率が25%になるようにパンチング形成したことを除いて、実施例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを実施例5とした。
<実施例6>
酸化物セラミックの原料粉末としてジルコニア(ZrO2)を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを実施例6とした。
<実施例7>
酸化物セラミックの原料粉末として酸化マグネシウム(MgO)を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを実施例7とした。
<実施例8>
酸化物セラミックの原料粉末としてムライト(3Al203-2SiO2)を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを実施例8とした。
<実施例9>
非酸化物セラミックの原料粉末として、シリコン(Si)および炭素(C)を化学量論比で秤量し、その混合粉末と非水溶性有機溶剤、可塑剤、結合剤とを所定量加えてボールミル混合してスラリー化した。得られたスラリーをドクターブレード法でシート状に成形して、厚み50μmのセラミックグリーンシートを作製した。そのセラミックグリーンシート上に、気孔率が70%になるよう、長さ1mmの楕円形を有した気孔をパンチング装置で形成した。その気孔を形成したセラミックグリーンシートを30枚積層し、厚さ1.3mmの積層成形体を作製した。ホットプレス法(窒素雰囲気中、300kg/cm2、2000℃)で焼成して、炭化珪素(SiC)の脱脂・焼成用セッターを得た。このセッターを実施例9とした。なお焼結はホットプレス法を用いているが、反応焼結法、常圧焼結法、熱間静水圧焼結法(HIP法)、ガス圧焼結法(GPS法)、2段焼結法(PS法)など、いずれの方法を使用しても構わない。
<実施例10>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に、気孔率が25%になるようにパンチング形成したことを除いて、実施例9と同様にして炭化珪素(SiC)のセッターを得た。このセッターを実施例10とした。
<実施例11>
非酸化物セラミックの原料粉末としてシリコン(Si)および窒素(N)を化学量論比で秤量したことを除いて、実施例9と同様にして、窒化珪素(Si3N4)の脱脂・焼成用セッターを得た。このセッターを実施例11とした。
<実施例12>
非酸化物セラミックの原料粉末としてアルミニウム(Al)および窒素(N)を化学量論比で秤量したことを除いて、実施例9と同様にして、窒化アルミニウム(AlN)の脱脂・焼成用セッターを得た。このセッターを実施例12とした。
<比較例1>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に気孔を形成しないことを除いて、セラミックグリーンシートを30枚積層し、厚さ1.3mmの積層成形体を作製し、大気中1650℃で10時間焼成して、セッターを得た。このセッターを比較例1とした。
<比較例2>
酸化物セラミックの原料粉末としてジルコニア(ZrO2)を用いたことを除いて、比較例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを比較例2とした。
<比較例3>
酸化物セラミックの原料粉末として酸化マグネシウム(MgO)を用いたことを除いて、比較例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを比較例3とした。
<比較例4>
酸化物セラミックの原料粉末としてムライト(3Al203-2SiO2)を用いたことを除いて、比較例1と同様にしてセッターを得た。このセッターを比較例4とした。
<比較例5>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に気孔を形成しないことを除いて、実施例9と同様に、ホットプレス法(窒素雰囲気中、300kg/cm2、2000℃)で焼成して、炭化珪素(SiC)セッターを得た。このセッターを比較例5とした。
<比較例6>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に気孔を形成しないことを除いて、実施例11と同様に、窒化珪素(Si3N4)のセッターを得た。このセッターを比較例6とした。
<比較例7>
厚み50μmのセラミックグリーンシート上に気孔を形成しないことを除いて、実施例12と同様に、窒化アルミニウム(AlN)のセッターを得た。このセッターを比較例7とした。
実施例1〜12および比較例1〜7のセッターの室温での曲げ強度と熱伝導性の測定、セッターの耐用回数の評価を行った。その結果を表1に示す。曲げ強度は日本興業企画(JIS)に規定された試験片寸法で三点曲げ試験機を用いて行った。また熱伝導性はレーザーフラッシュ法熱定数測定装置(TC-9000H/アルバック社製)を用いて行った。セッターの耐用回数評価は、加熱(1000℃)および冷却(600℃)が交互に繰り返される熱サイクル試験でセッターに亀裂が生じる回数で評価した。
Figure 2016038194
<酸化物セラミック>
セラミックシートとして酸化物セラミックのアルミナ(Al2O3)を用いたものを代表に説明すると、気孔のないセッターの曲げ強度370MPa(比較例1)に対し、気孔を有する本発明のセッターは、気孔率が70%〜25%の範囲であっても410〜420MPa(実施例1〜5)と同等以上で機械的強度の低下は確認されない。また気孔率が大きくなると同時に熱伝導率も大きくなっており、エネルギー効率が向上しているのがわかる。なおセッターの耐用回数も約1.2〜1.5倍に向上しており、シート積層構造による効果であることがわかる。
アルミナ(Al2O3)以外の酸化物セラミックであるジルコニア(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、ムライト(3Al2O3-2SiO2)についても、アルミナ同様、機械的強度の低下もなく、熱伝導率も向上しエネルギー効率が向上している。また耐用回数も向上している。
<非酸化物セラミック>
セラミックシートとして非酸化物セラミックの炭化珪素(SiC)を用いたものを代表に説明すると、気孔のないセッターの曲げ強度410MPa(比較例5)に対し、気孔を有する本発明のセッターは、気孔率が70%〜25%の範囲であっても430〜450MPa(実施例9〜10)と同等以上で機械的今日の低下は確認されない。また気孔率が大きくなると同時に熱伝導率も大きくなっており、エネルギー効率が向上しているのがわかる。なおセッターの耐用回数も約1.4〜1.6倍に向上しており、シート積層構造による効果であることがわかる。
炭化珪素(SiC)以外の非酸化物セラミックである窒化珪素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)についても、炭化珪素同様、機械的強度の低下もなく、熱伝導率も向上しエネルギー効率が向上している。また耐用回数も向上している。
以上詳述した通り、本発明の脱脂・焼成用セッターは、平均直径5〜2000μmの気孔を有し、気孔率が70〜25%であるセラミックシートを複数枚積層し一体化させた多孔質構造体であるため、セッターの気孔率を50%以上にしても機械的強度が高い。その結果、セッターを軽量化でき、セッターの取り扱いが容易になる。またセッターの嵩密度が小さいので、熱容量を小さく(熱伝導率を大きく)でき、耐用回数も向上するため、非焼成物または脱脂時または焼成時の昇温速度および降温速度を速くすることができる。
1 セラミックシート
2 気孔
3 多孔質構造体
4、4’ 貫通穴

Claims (4)

  1. 平均直径5〜2000μmの気孔を有し、気孔率が70〜25%であるセラミックシートを複数枚積層し一体化させた多孔質構造体からなることを特徴とする脱脂・焼成用セッター。
  2. 各セラミックシートの前記気孔が連通して成る最大径寸法が5〜2000μmの貫通穴を複数有することを特徴とする請求項1記載の脱脂・焼成用セッター。
  3. 前記セラミックシートがアルミナ(Al203)、ジルコニア(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)およびムライト(3Al203-2SiO2)のうち少なくとも一種の酸化物セラミックから成ることを特徴とする請求項1または2記載の脱脂・焼成用セッター。
  4. 前記セラミックシートが炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)および窒化アルミニウム(AlN)のいすれか一種の非酸化物セラミックから成ることを特徴とする請求項1または2記載の記載の脱脂・焼成用セッター。


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